JP4649909B2 - リザーバタンク - Google Patents

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Description

本発明は、例えば油圧式パワーステアリング装置に用いられ、作動油の蓄積、ろ過等を行う加圧式のリザーバタンクに関する。
従来、この種のリザーバタンクとしては、例えば特許文献1に記載されたリザーバタンクが知られている。図7に、この文献に記載されているリザーバタンクの構造を示す。
リザーバタンク101は、流入パイプ102から流入する作動油を加圧し、作動油をろ過するフィルタ103を透過し易くするバッフラ104を備えた加圧式リザーバタンクである。
流入パイプ102から流入される作動油は、バッフラ104の加圧室107内に圧送されることによって流速が減少し、流速エネルギが圧力エネルギに変換されて加圧される。そして、加圧室107内は正圧となる。これに対して、漏斗部106の漏斗室108は、流出パイプ105を介して図示しないオイルポンプの吸入側に接続されているので、オイルポンプの吸引力が作用し、負圧となる。
これにより、リザーバタンク101内の作動油は、上記フィルタ103を挟んで正圧と負圧とが間近で対向することとなる。そして、このような圧力差が生じることによって、図8に示すように、たとえ粘性の高い状態の作動油であっても円滑にフィルタ103を通過できるようになる。従って、作動油がオイルポンプの吸引力に応じて円滑に流れることで、作動油の粘性が高い低温時等においても、オイルポンプの吸込み不良に起因したキャビテーションの発生を抑制する。
特許2001−138934号公報(段落[0036]−[0047]、第8図)
ところで、冬期寒冷地等の極低温条件においてエンジンを始動させると、作動油の粘性が高いため、オイルポンプの吸込み要求に作動油が追随せずにキャビテーションが発生する。無加圧式のリザーバタンクでは、キャビテーションにより作動油に混入した空気が、タンク部を通過することで作動油から抜ける。
しかしながら、加圧式のリザーバタンク101では、流入パイプ102から加圧室107を介して流出パイプ105へ流れる作動油の量に比べ、タンク部109の加圧室107外に蓄積(貯留)されている作動油の油面側に流れる作動油の量が極めて少なく、前記蓄積されている作動油は循環(流動)の少ない淀んだ状態となっている。このため、作動油に混入した空気が抜けにくく、オイルポンプにて発生する異音の持続要因となっていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、キャビテーションの発生を抑制し、作動油に混入した空気の排出効率を高めることができるリザーバタンクを供給することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、作動油を蓄積するタンク部と、作動油の流出口が一体に成形された漏斗部とを備え、前記タンク部と漏斗部との間にはフィルタが配設され、作動油を加圧するバッフラには流入口が取着されるリザーバタンクであって、前記漏斗部には、前記バッフラの奥壁部にあたり前記フィルタを通過した作動油の流れを前記流出口に流す本流と前記タンク部に流す支流とに分離する湾曲端部が、前記フィルタを挟んで前記バッフラの奥壁部と対向するように成形されていることを要旨とする。
このような構成によれば、湾曲端部にて支流ができることで、該支流はタンク部内に流れ込むようになる。そして、タンク部内に蓄積されている作動油に循環が生じる。このようなリザーバタンクのタンク部内は大気開放されているため、タンク部内に作動油が流れ込むことで作動油にたとえ空気が混入していたとしても空気孔を通じて外部に排出されることとなる。
また、バッフラによって作動油が加圧されることで作動油の流れ不良もないものとなる。そして、作動油の流れ不良をなくすことでキャビテーションの発生を抑制することができる。ここでキャビテーションとは、オイルポンプの吸込み不良等によって高速で流れる液体の中の圧力の低い部分が気化して、非常に短期間に蒸気の空洞(キャビティ)が生まれ、また非常に短い時間で潰れて消滅する現象のことである。このキャビティが潰れることで騒音(異音)が発生する。
このように、本流と支流とに分離する湾曲端部を設けたことで、キャビテーションを抑制し、また作動油に混入した空気の排出効率を高くすることができる。
請求項2に記載の発明は、前記フィルタの漏斗部側のフィルタ面と、前記漏斗部の上部に設けられた有底円筒状の皿状部の底面との間には、所定の高さを有する空間が設けられたことを要旨とする。
この高さは、バッフラの奥壁部に沿った作動油の流れが、その勢いを著しく減じることなく湾曲端部にあたる大きさ(距離)であり、この部位ではね返ってタンク部へ向かう流れ(「支流」)を創出しやすくしている。前記高さが大き過ぎると、湾曲端部にあたる際の作動油の勢いが弱くなり、支流ができにくい。
その一方で、作動油の前記勢いを確保するために前記高さを小さくし過ぎると、支流の流動を阻害する(流路断面積が不足する)ことになるため、前記高さは所定の高さが必要となる。これにより、形成された上記支流は好適にタンク部内へ流れ込むこととなる。このように、所定の高さを有する空間が設けられたことによって、湾曲端部にて形成された支流はタンク内へ流れ込み、作動油の循環が行われることとなる。
請求項3に記載の発明は、前記所定の高さを有する空間の高さは、8mm以上12mm以下であることを要旨とする。
このような構成によれば、所定の高さを有する空間の高さが8mm以上12mm以下であることによって、湾曲端部にて支流が生まれ、該支流がタンク部に流れ込むこととなる。そして、タンク内の作動油が循環されることとなる。なお、ここで所定の高さは、発明者が実験によって導き出した値であって、作動油の粘性により決定される。なお油圧式パワーステアリング装置では、決められた規格の作動油が用いられており、リザーバタンクの形状やタンクの大きさの大小に影響されないことが実験により明らかになっている。
請求項4に記載の発明は、前記作動油の流れがあたる奥壁部の壁面は、前記フィルタ面に対して、垂直あるいは傾斜のある角度とし、前記流出口を前記流入口に対して同位相角度を成すように配置したことを要旨とする。
このような構成によれば、バッフラの奥壁部の壁面は、フィルタの平面に対して、垂直あるいは傾斜のある角度である。なお、ここで、バッフラの奥壁部の壁面の角度とは、作動油が上記湾曲端部にあたる角度であって、垂直あるいはやや傾斜のある角度が望ましい。またここで、傾斜のある角度とは例えば金型抜き勾配のレベルで1度以内の傾斜角度である。
また、前記流出口を前記流入口に対して同位相角度を成すように配置したことによって、流入口から流入した作動油の流れは、作動油の粘性が高いときには、作動油をスムーズに流出口に流し、キャビテーションの発生を抑制する。一方、作動油の粘性が低いときには、作動油の流れは、バッフラの奥壁部の壁面にあたり、漏斗部の湾曲端部にあたることとなるため、より効率的に支流が生じる。
本発明によれば、キャビテーションを抑制し、また作動油に混入した空気の排出効率が高いリザーバタンクを提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
はじめに、図1〜図5を参照して本実施形態のリザーバタンクの構造について説明する。図1は、本実施形態のリザーバタンク1の外観構造を示した側面図および一部断面図である。図2(a)はリザーバタンクの断面図を示し、図2(b)は図2(a)の領域Zを拡大して示す断面図である。図3はリザーバタンクに設けられた中間部材の概略構造を示す平面図である。図4は、リザーバタンクの下面図である。図5はリザーバタンクの下端部を切断して示す上面図である。なお、図1、図2は図5のA−A断面とB−B断面とを便宜上、同軸で結合して示している。
図1に示されるように、このリザーバタンク1は流入口(流入パイプ)2から流入する作動油を加圧し、作動油のろ過を行うフィルタ3を透過し易くするバッフラ4を備えた加圧式リザーバタンクである。なお、このようなリザーバタンク1は、自動車のエンジンルーム内に配設され、ゴムホース、金属チューブ等の配管によって、流入パイプ2はアクチュエータであるパワーアシスト機構部の排出側に、流出パイプ7は油圧源であるオイルポンプの吸入側にそれぞれ接続される。また、タンク部5の注油口は、オイルキャップ16によって、わずかな大気連通状態を保って閉塞されている。
このリザーバタンク1は、作動油を蓄積する上部本体(タンク部)5と、上記バッフラ4と、上記フィルタ3が配設される中間部材6と、流出口(流出パイプ)7を介してオイルポンプ(図示略)に接続される下部本体(漏斗部)8とを備えて構成されている。
タンク部5は、図1、図2に示されるように、略円筒形状をした例えば合成樹脂製の成形体であり、上端部には油を注入する注油口17が形成され、下端部にはつば状に張り出したフランジ部5aが形成されている。このフランジ部5aの下面には、溶着の際に用いられる環状に隆起した溶着部(図示略)が設けられている。また、タンク部5の下端部には、流入パイプ2が取着形成されている。なお、この流入パイプ2はタンク部5の本体と一体成形されて設けられていてもよい。
また、中間部材6は、図3に示されるように、略リング形状をした例えば合成樹脂製の成形体であり、その外周にリング部3cを有している。この中間部材6の内周は円孔3aとなっており、この円孔3aの周囲には、環状の隔壁10によって隔てられ、円周上に複数配置されたまゆ型孔3bが形成されている。これら円孔3a、まゆ型孔3bには、例えばナイロン製のフィルタ3が設けられている。なお、このフィルタ3は、作動油をろ過するためのものであり、その材質や中間部材6への取り付け方法は任意である。また、リング部3cの上面および下面の周縁には、溶着の際に用いられる、溶着部(図示略)がそれぞれ設けられている。
また、フィルタ3は、円孔3aに設けられ作動油をバッフラ4の加圧室11から漏斗部8の漏斗室12へ流出させる加圧室フィルタ3dと、まゆ型孔3bに設けられ作動油を漏斗室12からタンク部5へ流出させる加圧室外フィルタ3eとから構成されている。そして、加圧室外フィルタ3eの面積は、フィルタ3の総面積(3dと3eの合計面積)の55%に設定されている。
図1、図2に示されるように、バッフラ4はフィルタ3の円孔3aの外径(壁部10の内径)と略同一の内径を有する凹部9を備えており、タンク部5に対して取り付けられている。そして、バッフラ4の凹部9と中間部材の隔壁10とフィルタ3とにより加圧室11が区画形成されている。この加圧室11はバッフラ4に形成された通孔4aによって流入パイプ2と連通され、流入パイプ2から流入する作動油の略全量が加圧室11内に流入するようになっている。また、バッフラ4は、タンク部5の内周面に向かって延びるつば状のバッフラフランジ部15(図5)を有し、上記タンク部5と上記中間部材6との間に挟み込まれる態様で配設されている。
また、漏斗部8は、略漏斗形状をした例えば合成樹脂製の成形体であり、この漏斗部8には流出パイプ7が一体に接続されている。なお、流入パイプ2とバッフラ4とは別体として設けられていてもよい。
この漏斗部8の上部には、有底円筒状の皿状部13が設けられ、該皿状部13にはリザーバタンク本体の径線方向に上記流入パイプ2といわゆる同位相をなす流出パイプ7が上記皿状部13の底面13aに接続されている。皿状部13と流出パイプ7は、該皿状部13の内部と流出パイプ7の内部とが連通するように接続され、その接続部分は略漏斗形状に形成されている。そして、この皿状部13の上端は、上記中間部材6に溶着される溶着部(図示略)が設けられている。なお、このタンク部5と漏斗部8とは、製造工程において中間部材6を挟んで回転可能に組み付けられ、後述する通孔4aと流出パイプ7とが成す角度の決定後に溶着される。
また、この漏斗部8の内部、すなわちフィルタ3の直下にはフィルタ3、皿状部13、流出パイプ7によってフィルタ3を通過した作動油を流出パイプ7に導く漏斗室12が区画されている。そして、皿状部13は、フィルタ3の漏斗室側のフィルタ面3fと上記皿状部13の底面13aとの間が所定距離離間するように形成され、それによって所定の高さαを有する空間が形成されている。なお、本実施形態では、この空間の高さαが加圧室11の高さβと同程度に設定されている。ここの、この空間の高さα(加圧室の高さβ)は好ましくは8〜12mmの範囲の値であり、本実施形態では10.8mmに設定されている。なお、ここで所定の高さαは、発明者が実験によって導き出した値であって、作動油の粘性により決定される。なお油圧式パワーステアリング装置では、決められた規格の作動油が用いられており、リザーバタンク1の形状やタンクの大きさの大小に影響されないことが実験により明らかになっている。
また、バッフラ4内を流れる作動油があたるバッフラ4の奥壁部4bの下側には、上記皿状部13と流出パイプ7の接続部分であり、該流出パイプ7に向けて湾曲する曲線の開始端部(湾曲端部14)が設けられている。この湾曲端部14は、バッフラ4の奥壁部4bによって流れの方向が変えられた作動油があたる位置に形成されている。つまり、図2(a)に示す矢印f2に沿って流れる。その作動油は、図2(b)に示すように、湾曲端部14によって、流出パイプ7に向かう流れ(本流f3)と、タンク部5に向かう流れ(支流f4)とに分流される。この湾曲端部14は、図4に示されるように、リザーバタンク1を下面から見て、図示の態様で半円型に端部が配設されている。
なお、作動油の流れがあたる奥壁部4bの壁面は、フィルタ3の平面に対して、垂直に形成され、上記流出パイプ7は、上記通孔4aと同位相角度に配設されている。なお、ここで同位相角度とは、流出パイプ7の配設位置が、流入パイプ2の通孔4aの軸線方向を中心に正方向に0度から90度までの角度、あるいは負方向に0度から90度の範囲の位置にある角度のことをいう。正方向とは図5において、時計回り方向であり、負方向とは同図5において、反時計回り方向である。
このような構成とすることで、上記リザーバタンク1は次のように作用する。
まず、流入パイプ2から流入される作動油は、上記バッフラ4の加圧室11内に圧送されることによって流速が減少し、流速エネルギが圧力エネルギに変換されて加圧がなされる。そして、加圧室11内は正圧となる。これに対して、漏斗部8の漏斗室12は、流出パイプ7を介してオイルポンプの吸入側に接続されているので、オイルポンプの吸引力が作用し、負圧となる。
これにより、リザーバタンク1内の作動油は、上記フィルタ3を挟んで正圧(加圧室11)と負圧(漏斗室12)とが間近で対向することとなる。そして、このような圧力差が生じることによって、図8に示すように、たとえ粘性の高い状態の作動油であっても円滑にフィルタ3を通過できるようになる。
次に、図6を参照して、このような構成のリザーバタンク1の低温時(例えば−30℃)と高温時(例えば80度)と極低温(例えば−40℃)におけるエンジン始動瞬時の流れ解析の実験結果について説明する。
・低温時の作動油の流れ解析について
図6(a)に示されるように、作動油は、低温時には一般に油の粘性が高く、流動性が低いため、流入パイプ2から流入した作動油はバッフラ4にて加圧され上記漏斗部8の流出パイプ7を通じてオイルポンプに吸入されることとなる。すなわち、作動油は、矢印f1(図2(a)も参照のこと)に沿って流れる。このようにバッフラ4によって加圧されることで作動油の流れ不良もないものとなる。また、流出パイプ7を流入パイプ2に対して同位相角度を成すように配置したことで、流入パイプ2から流出パイプ7へ作動油がスムーズに流れる。このため、作動油の流れ不良をなくすことができ、オイルポンプのキャビテーションの発生を抑制することができる。また、バッフラ4(加圧室11)内からフィルタ3を通過した作動油の一部が湾曲端部14付近の皿状部13ではね返り、漏斗部8からタンク部5への流れが少量ながらでき、オイルポンプの吸引力によってタンク部5から漏斗部8への流れもできるので、タンク部5内に蓄積されている作動油に循環(流動)が生じ、作動油に混入した空気が抜けやすくなる。ちなみに、−30[℃]の実験条件において、この時の作動油の特性は、密度が8.7×10[kg/m]、粘性係数が14.4[Pa・S]である。
・高温時の作動油の流れ解析について
図6(b)に示されるように、作動油は、高温時には一般に油の粘性が低く、流動性が高い。そして、作動油の流れがあたる奥壁部4bの壁面は、前記フィルタ面3fに対して、垂直の角度であるため、作動油の流れは、バッフラ4の奥壁部4bにあたった後、フィルタ3dを勢いよく通過して湾曲端部14にあたる。そして、この作動油の流れは湾曲端部14にて2つの流れに分流されることとなる。すなわち、上記流出パイプ7側(オイルポンプ側)へ流れる流れ(「本流f3」)と、前記湾曲端部14付近の皿状部13にて作動油がはね返るように方向を変え、上記所定の高さαを有する空間を通って、タンク部5へ流れる流れ(「支流f4」)である。
このように、支流f4ができることで、高温時、作動油はタンク部5内に流れ込むようになる。また、一般にこのようなリザーバタンク1のタンク部5内は大気開放されている。そして、タンク部5内に作動油が流れ込むことで作動油にたとえ空気が混入していたとしても空気孔を通じて外部に排出されることとなる。ちなみに、80[℃]の実験条件において、この時の作動油の特性は、密度が8.3×10[kg/m]、粘性係数が9.1×10−3[Pa・S]である。
・極低温条件におけるエンジン始動瞬時の流れ解析について
図6(c)に示されるように、極低温条件におけるエンジン始動瞬時には、当然ながらリザーバタンク→オイルポンプ→パワーアシスト機構部→リザーバタンクといった油圧回路に作動油の循環が生じていないため、極低温下で作動油の粘性が高いこともあいまって、パワーアシスト機構部の排出側から流入パイプ2を経てバッフラ4(加圧室11)内へ供給される作動油が極端に少なくなっている。そのため、オイルポンプの回転に伴って、タンク部5内に蓄積(貯留)されている作動油を吸うこととなり、タンク部5内の油面が下がる。本実施形態では、加圧室外フィルタ3eの面積をフィルタ総面積の55%とする(加圧室外フィルタ3eを広めにする)ことでタンク部5から漏斗部8への作動油が円滑に流れ、エンジン始動時の流れ不良が低減され、キャビテーションの発生が抑制される。
以下、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)湾曲端部14にて支流f4ができることで、該支流f4はタンク部5内に流れ込むようになる。そして、タンク部5内に蓄積されている作動油に循環が生じる。このようなリザーバタンク1のタンク部5内は大気開放されているため、タンク部5内に作動油が流れ込むことで作動油にたとえ空気が混入していたとしても空気孔を通じて外部に排出される。
また、バッフラ4によって作動油が加圧されることで作動油の流れ不良もないものとなる。そして、作動油の流れ不良をなくしたことでキャビテーションの発生を抑制することができる。
このように、本流f3と支流f4とに分離する湾曲端部14を設けたことで、キャビテーションを抑制し、また作動油に混入した空気の排出効率を高くすることができる。
(2)フィルタ3の漏斗室側フィルタ面3fから前記皿状部13の底面13aまでの高さαを加圧室11の高さβと同程度に設定した。
この高さαは、バッフラ4の奥壁部4bに沿った作動油の流れが、その勢いを著しく減じることなく湾曲端部14にあたる大きさ(距離)であり、この部位ではね返ってタンク部5へ向かう流れ(「支流f4」)を創出しやすくしている。前記高さαが大き過ぎると、湾曲端部14にあたる際の作動油の勢いが弱くなり、支流f4ができにくい。
その一方で、作動油の前記勢いを確保するために前記高さを小さくし過ぎると、支流f4の流動を阻害する(流路断面積が不足する)ことになるため、前記高さαは加圧室11の高さと同程度の大きさが必要となる。これにより、形成された前記支流f4は好適にタンク部5内へ流れ込むこととなる。
(3)バッフラ4の奥壁部4bの壁面は、フィルタ3の平面に対して、垂直の角度とし、上記流出パイプ7は、流入パイプ2の通孔4aと同位相の角度位置に配設されることとすることで、流入パイプ2から流入した作動油の流れは、作動油の粘性が高いときには、作動油をスムーズに流出パイプ7に流し、キャビテーションの発生を抑制する。一方、作動油の粘性が低いときには、作動油の流れは、バッフラ4の奥壁部4bの壁面にあたり、漏斗部8の湾曲端部14にあたることとなるため、より効率的に支流が生じる。
(4)また、流出パイプ7を流入パイプ2に対して同位相角度を成すように配置したことで、流入パイプ2から流出パイプ7へ作動油をスムーズに流し、キャビテーションの発生を抑制することができる。
(5)加圧室外フィルタ3eの面積をフィルタ3の総面積の55%とし、加圧室外フィルタ3eを広めにとることで、エンジンの始動瞬時において、タンク部5内の加圧室11外に蓄積されている作動油が漏斗部8へ流動することを容易にしており、キャビテーションの発生が抑制できるようになる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、高温時には、作動油の流れは湾曲端部14にて2つの流れに分流され、本流f3と、支流f4とができるとしたが、本流f3と支流f4との比率は50%ずつが望ましい。このように本流f3と支流f4との比率が50%となることで、好適にタンク部5に作動油が流れ、作動油にたとえ空気が混入していたとしても上記空気孔を通じて外部に排出されることとなる。
・上記実施形態では、作動油の流れがあたる奥壁部4bの壁面は、フィルタ3の平面に対して、垂直角度としたが、垂直に限らず、やや傾斜のある角度(例えば、金型の型抜き勾配のレベルで1度以内の傾斜角)であってもよい。また、流出パイプ7は流入パイプ2に対して同位相角度を成すように配置されていればよい。
・上記実施形態では、所定の高さαを有する空間を10.8mmとしたが、例えばプラスマイナス0.5mmの範囲があってもよい。すなわち、所定の高さαを有する空間を10.3mm以上11.3mm以下の高さとしてもよい。また、所定の高さαを有する空間を8mm以上12mm以下の高さとすれば、上述ように、「支流f4」を作り出すことはできるようになる。すなわち、上記所定の高さαを有する空間は10.8mmが最も望ましいが、8mm以上12mm以下の高さであればよい。
・上記実施形態では、フィルタ3は中間部材6に配設されることとしたが、流入パイプ2と流出パイプ7との間に配設されていればよい。要は、正圧空間と負圧空間とを形成して、作動油を加圧して圧送し、且つ少なくとも高温時には「支流f4」ができる構造であればよくフィルタ3の配設位置としては任意である。
・上記実施形態では、極低温時として−40[℃]、低温時として−30[℃]、高温時として80[℃]を例示したが、リザーバタンク1の運転条件としてはこのような運転条件に限るものではない。このようなリザーバタンク1は約−40[℃]から約120[℃]の運転条件で使用される。作動油の特性は40[℃]を超えるとほぼ同じであるため、上記実施形態では高温時として80[℃]を例示したが、実際には約−40[℃]から約120[℃]までの全てのリザーバタンク1の運転条件でこの発明を適用することができる。
次に、以上の実施形態から把握することができる請求項以外の技術的思想を記載する。
(イ)前記所定の高さを有する空間は、前記フィルタの漏斗室側フィルタ面から前記底部の底面までの高さが10.3mm以上11.3mm以下である請求項3に記載のリザーバタンク。
(ロ)前記所定の高さを有する空間は、前記フィルタの漏斗室側フィルタ面から前記底部の底面までの高さが10.8mmである(イ)に記載のリザーバタンク。
リザーバタンク1の外観構成を示した側面図および一部断面図。 (a)はリザーバタンクの断面図、(b)は(a)の領域Zを拡大して示す断面図。 リザーバタンクに設けられた中間部材の概略構造を示す平面図。 リザーバタンクの下面図。 リザーバタンクの下端部を切断して示す上面図。 (a)は、低温時の流れ解析図、(b)は、高温時の流れ解析図、(c)は、極低温条件におけるエンジン始動瞬時の流れ解析図。 従来のリザーバタンクの一例についてその概略構造を示す断面図。 図7のリザーバタンクについて、その低温時高温時共通の流れ解析図。
符号の説明
1…リザーバタンク、2…流入口(流入パイプ)、3…フィルタ、3a…円孔、3b…まゆ型孔、3c…リング部、3d…加圧室フィルタ、3e…加圧室外フィルタ、3f…フィルタ面、4…バッフラ、4a…通孔、4b…奥壁部、5…上部本体(タンク部)、5a…フランジ部、6…中間部材、7…流出口(流出パイプ)、8…下部本体(漏斗部)、9…凹部、10…隔壁、11…加圧室、12…漏斗室、13…皿状部、13a…底面、14…湾曲端部、15…バッフラフランジ部、16…オイルキャップ、17…注油口。

Claims (4)

  1. 作動油を蓄積するタンク部と、作動油の流出口が一体に成形された漏斗部とを備え、前記タンク部と漏斗部との間にはフィルタが配設され、作動油を加圧するバッフラには流入口が取着されるリザーバタンクであって、
    前記漏斗部には、前記バッフラの奥壁部にあたり前記フィルタを通過した作動油の流れを前記流出口に流す本流と前記タンク部に流す支流とに分離する湾曲端部が、前記フィルタを挟んで前記バッフラの奥壁部と対向するように成形されていること、を特徴とするリザーバタンク。
  2. 前記フィルタの漏斗部側のフィルタ面と、前記漏斗部の上部に設けられた有底円筒状の皿状部の底面との間には、所定の高さを有する空間が設けられた請求項1に記載のリザーバタンク。
  3. 前記所定の高さを有する空間の高さは、8mm以上12mm以下である請求項2に記載のリザーバタンク。
  4. 前記作動油の流れがあたる奥壁部の壁面は、前記フィルタ面に対して、垂直あるいは傾斜のある角度とし、前記流出口を前記流入口に対して同位相角度を成すように配置した請求項1又は2に記載のリザーバタンク。
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