JP4649712B2 - 情報処理装置および方法、情報処理システム、並びに記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は情報処理装置および方法、情報処理システム、並びに記録媒体に関し、特に、車両が受ける動揺を低減させる情報処理装置および方法、情報処理システム、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車を安全に走行するための技術に関しては、さまざまなものが提案されている。例えば、加速度センサなどを用いて揺れ(動揺)を制御する技術などが存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した加速度センサを用いて動揺を制御する方法では、実際に揺れを感知してから、その動揺を制御するため、時間的に遅れた制御しかできないという課題があった。また、このような動揺の制御は、その車内だけで完結したシステムとして構成されており、1台の車両が受けた動揺を他の車両が受けないようにするためのデータの共用を行うといったことはされていなかった。
【0004】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、車両が受けた動揺に関する動揺データを送信し、その送信された動揺データを受信、蓄積し、その蓄積された動揺データから動揺を低減させるデータを生成し、車両に対して返すことにより、車両が受ける動揺を低減させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面の情報処理装置は、車両に搭載され、前記車両の進行方向の画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された前記画像の画像データから、前記車両が受けた動揺を検出し、前記動揺に関する第1の動揺データであり、前記画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される前記第1の動揺データを生成する動揺データ生成手段と、前記第1の動揺データを他の装置に対して送信する送信手段と、前記他の装置から送信された動揺に関する第2の動揺データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記第2の動揺データに基づき、前記車両の動揺を制御する制御手段とを備え、前記動揺データ生成手段は、前記画像データを1フレーム分だけ遅延する遅延手段と、前記遅延手段により遅延された前記画像データを記憶する第1の記憶手段と、前記画像データを記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンを記憶している第3の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第1の画像データを読み出し、参照ブロックのデータとして出力する第1の読み出し手段と、前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第2の画像データを読み出し、探索ブロックのデータとして出力する第2の読み出し手段と、前記参照ブロックのデータと前記探索ブロックのデータを用いて、ブロックマッチングの処理を実行し、動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、前記動きベクトル検出手段により検出された前記動きベクトルを用いて、前記画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータをそれぞれ算出し、その4成分のデータから、前記第1の動揺データを生成し、その第1の動揺データに含まれる前記実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、前記路面から受ける振動を表す成分のデータ、および前記路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、前記代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面の前後の傾きを表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面から受ける振動を表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面の左右の傾きを表す成分のデータは、前記回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、前記水平成分と同じデータとされ、前記代替刺激動揺データを構成する前記加減速による慣性力を表す成分のデータは、前記拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、前記水平成分の符号を反転することで生成されるデータである前記第1の動揺データを生成する成分算出手段とを備える。
【0006】
3つの前記他の装置が送信する信号を受信し、それらの信号を解析することにより、前記車両の位置を計測する計測手段をさらに含み、前記送信手段は、前記計測手段により計測された前記車両の位置に関する情報も前記他の装置に対して送信するようにすることができる。
【0007】
前記パターンは、1フレームを構成する画素のなかで、動揺に関係のない部分が取り除かれた領域の中心に位置する画素が収束点とされ、その収束点が中心とされた上下左右に対称な位置の代表点が設定され、それらの各代表点毎に、その代表点が中心に位置する所定の画素数からなるブロックが設定されることにより設定されたパターンであるようにすることができる。
【0009】
本発明の一側面の情報処理方法は、車両の進行方向の画像を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップの処理で撮像された前記画像の画像データから、前記車両が受けた動揺を検出し、前記動揺に関する第1の動揺データであり、前記画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される前記第1の動揺データを生成する動揺データ生成ステップと、前記第1の動揺データの他の装置に対する送信を制御する送信制御ステップと、前記他の装置から送信された動揺に関する第2の動揺データの受信を制御する受信制御ステップと、前記受信制御ステップの処理で受信が制御された前記第2の動揺データに基づき、前記車両の動揺を制御する制御ステップとを含み、前記動揺データ生成ステップは、前記画像データを1フレーム分だけ遅延し、遅延された前記画像データの第1の記憶手段への記憶を制御し、前記画像データの第2の記憶手段への記憶を制御し、前記第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンを記憶している第3の記憶手段から、前記パターンを読み出し、前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第1の画像データを読み出し、参照ブロックのデータとして後段に出力し、前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第2の画像データを読み出し、探索ブロックのデータとして後段に出力し、前記参照ブロックのデータと前記探索ブロックのデータを用いて、ブロックマッチングの処理を実行し、動きベクトルを検出し、検出された前記動きベクトルを用いて、前記画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータをそれぞれ算出し、その4成分のデータから、前記第1の動揺データを生成し、その第1の動揺データに含まれる前記実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、前記路面から受ける振動を表す成分のデータ、および前記路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、前記代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面の前後の傾きを表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面から受ける振動を表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面の左右の傾きを表す成分のデータは、前記回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、前記水平成分と同じデータとされ、前記代替刺激動揺データを構成する前記加減速による慣性力を表す成分のデータは、前記拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、前記水平成分の符号を反転することで生成されるデータである前記第1の動揺データを生成するステップを含む。
【0010】
本発明の一側面の記録媒体は、車両の進行方向の画像を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップの処理で撮像された前記画像の画像データから、前記車両が受けた動揺を検出し、前記動揺に関する第1の動揺データであり、前記画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される前記第1の動揺データを生成する動揺データ生成ステップと、前記第1の動揺データの他の装置に対する送信を制御する送信制御ステップと、前記他の装置から送信された動揺に関する第2の動揺データの受信を制御する受信制御ステップと、前記受信制御ステップの処理で受信が制御された前記第2の動揺データに基づき、前記車両の動揺を制御する制御ステップとを含み、前記動揺データ生成ステップは、前記画像データを1フレーム分だけ遅延し、遅延された前記画像データの第1の記憶手段への記憶を制御し、前記画像データの第2の記憶手段への記憶を制御し、前記第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンを記憶している第3の記憶手段から、前記パターンを読み出し、前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第1の画像データを読み出し、参照ブロックのデータとして後段に出力し、前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第2の画像データを読み出し、探索ブロックのデータとして後段に出力し、前記参照ブロックのデータと前記探索ブロックのデータを用いて、ブロックマッチングの処理を実行し、動きベクトルを検出し、検出された前記動きベクトルを用いて、前記画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータをそれぞれ算出し、その4成分のデータから、前記第1の動揺データを生成し、その第1の動揺データに含まれる前記実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、前記路面から受ける振動を表す成分のデータ、および前記路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、前記代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面の前後の傾きを表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面から受ける振動を表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面の左右の傾きを表す成分のデータは、前記回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、前記水平成分と同じデータとされ、前記代替刺激動揺データを構成する前記加減速による慣性力を表す成分のデータは、前記拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、前記水平成分の符号を反転することで生成されるデータである前記第1の動揺データを生成するステップを含むコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている。
【0011】
本発明の一側面の情報処理装置および方法、並びに記録媒体においては、撮像された画像の画像データから、車両が受けた動揺が検出され、動揺に関する第1の動揺データが生成される。その第1の動揺データは、画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される。第1の動揺データは、他の装置に対して送信され、他の装置から送信された動揺に関する第2の動揺データが受信され、その第2の動揺データに基づき、車両の動揺が制御される。前記動揺データは、画像データが1フレーム分だけ遅延され、第1の記憶手段に記憶され、画像データが第2の記憶手段に記憶され、第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンが記憶されており、そのパターンに対応する部分の第1の画像データが読み出され、参照ブロックのデータとして出力され、そのパターンに対応する部分の第2の画像データが読み出され、探索ブロックのデータとして出力され、参照ブロックのデータと探索ブロックのデータが用いられて、ブロックマッチングの処理が実行され、動きベクトルが検出され、その動きベクトルから、画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータがそれぞれ算出される。その4成分のデータから、第1の動揺データが生成され、その第1の動揺データに含まれる実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、路面から受ける振動を表す成分のデータ、および路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、実刺激動揺データを構成する路面の前後の傾きを表す成分のデータは、垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、実刺激動揺データを構成する路面から受ける振動を表す成分のデータは、垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、実刺激動揺データを構成する路面の左右の傾きを表す成分のデータは、回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、代替刺激動揺データを構成するカーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、水平成分と同じデータとされ、代替刺激動揺データを構成する加減速による慣性力を表す成分のデータは、拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、代替刺激動揺データを構成するカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、水平成分の符号を反転することで生成されるデータである第1の動揺データを生成される。
【0012】
本発明の一側面の情報処理システムは、第1の情報処理装置と第2の情報処理装置から構成される情報処理システムにおいて、前記第1の情報処理装置は、車両に搭載され、前記車両の進行方向の画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された前記画像の画像データから、前記車両が受けた動揺を検出し、前記動揺に関する第1の動揺データであり、前記画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される前記第1の動揺データを生成する動揺データ生成手段と、前記第2の情報処理装置からの信号を受信し、その信号を解析することにより、前記車両の位置を計測する計測手段と、前記動揺データ生成手段により生成された前記動揺に関する第1の動揺データと、前記計測手段により計測された前記車両の位置に関する位置情報を前記第2の情報処理装置に対して送信する第1の送信手段と、前記第2の情報処理装置から送信された動揺に関する第2の動揺データを受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段により受信された前記第2の動揺データに基づき、前記車両の動揺を制御する制御手段とを備え、前記動揺データ生成手段は、前記画像データを1フレーム分だけ遅延する遅延手段と、前記遅延手段により遅延された前記画像データを記憶する第1の記憶手段と、前記画像データを記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンを記憶している第3の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第1の画像データを読み出し、参照ブロックのデータとして出力する第1の読み出し手段と、前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第2の画像データを読み出し、探索ブロックのデータとして出力する第2の読み出し手段と、前記参照ブロックのデータと前記探索ブロックのデータを用いて、ブロックマッチングの処理を実行し、動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、前記動きベクトル検出手段により検出された前記動きベクトルを用いて、前記画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータをそれぞれ算出し、その4成分のデータから、前記第1の動揺データを生成し、その第1の動揺データに含まれる前記実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、前記路面から受ける振動を表す成分のデータ、および前記路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、前記代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面の前後の傾きを表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面から受ける振動を表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面の左右の傾きを表す成分のデータは、前記回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、前記水平成分と同じデータとされ、前記代替刺激動揺データを構成する前記加減速による慣性力を表す成分のデータは、前記拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、前記水平成分の符号を反転することで生成されるデータである前記第1の動揺データを生成する成分算出手段とを備え、前記第2の情報処理装置は、所定の周期で前記信号を送信する第2の送信手段と、前記第1の送信手段により送信された前記第1の動揺データと前記位置情報を受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段により受信された前記第1の動揺データが示す動揺を低減させるための前記第2の動揺データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された前記第2の動揺データを、前記第2の受信手段により受信した前記位置情報に基づく分類をして蓄積する蓄積手段と、前記第2の受信手段により受信した前記位置情報に対応する前記第2の動揺データを前記蓄積手段から読み出し、前記第1の情報処理装置に送信する第3の送信手段とを備える。
【0013】
前記蓄積手段は、前記第2の受信手段により前記第1の動揺データと前記位置情報が受信されたときの天候、前記車両の車種、前記車両の車重のうち、少なくとも1つの情報に基づき、前記第2の動揺データをさらに分類して蓄積するようにすることができる。
【0015】
本発明の一側面の情報処理システムの情報処理方法は、第1の情報処理装置と第2の情報処理装置から構成される情報処理システムの情報処理方法において、前記第1の情報処理装置の情報処理方法は、車両の進行方向の画像を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップの処理で撮像された前記画像の画像データから、前記車両が受けた動揺を検出し、前記動揺に関する第1の動揺データであり、前記画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される前記第1の動揺データを生成する動揺データ生成ステップと、前記第2の情報処理装置からの信号を受信し、その信号を解析することにより、前記車両の位置を計測する計測ステップと、前記動揺データ生成ステップの処理で生成された前記動揺に関する第1の動揺データと、前記計測ステップの処理で計測された前記車両の位置に関する位置情報の前記第2の情報処理装置に対しての送信を制御する第1の送信制御ステップと、前記第2の情報処理装置から送信された動揺に関する第2の動揺データの受信を制御する第1の受信制御ステップと、前記第1の受信制御ステップの処理で受信された前記第2の動揺データに基づき、前記車両の動揺を制御する制御ステップとを含み、前記動揺データ生成ステップは、前記画像データを1フレーム分だけ遅延し、遅延された前記画像データの第1の記憶手段への記憶を制御し、前記画像データの第2の記憶手段への記憶を制御し、前記第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンを記憶している第3の記憶手段から、前記パターンを読み出し、前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第1の画像データを読み出し、参照ブロックのデータとして後段に出力し、前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第2の画像データを読み出し、探索ブロックのデータとして後段に出力し、前記参照ブロックのデータと前記探索ブロックのデータを用いて、ブロックマッチングの処理を実行し、動きベクトルを検出し、検出された前記動きベクトルを用いて、前記画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータをそれぞれ算出し、その4成分のデータから、前記第1の動揺データを生成し、その第1の動揺データに含まれる前記実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、前記路面から受ける振動を表す成分のデータ、および前記路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、前記代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面の前後の傾きを表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面から受ける振動を表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面の左右の傾きを表す成分のデータは、前記回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、前記水平成分と同じデータとされ、前記代替刺激動揺データを構成する前記加減速による慣性力を表す成分のデータは、前記拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、前記水平成分の符号を反転することで生成されるデータである前記第1の動揺データを生成するステップを含み、前記第2の情報処理装置の情報処理方法は、所定の周期で前記信号の送信を制御する第2の送信制御ステップと、前記第1の送信制御ステップの処理で送信が制御された前記第1の動揺データと前記位置情報の受信を制御する第2の受信制御ステップと、前記第2の受信制御ステップの処理で受信が制御された前記第1の動揺データが示す動揺を低減させるための前記第2の動揺データを生成する生成ステップと、前記生成ステップの処理で生成された前記第2の動揺データを、前記第2の受信制御ステップの処理で受信が制御された前記位置情報に基づく分類をして蓄積するための制御をする蓄積制御ステップと、前記第2の受信制御ステップの処理で受信が制御された前記位置情報に対応する前記第2の動揺データを前記蓄積制御ステップの処理で蓄積が制御された前記第2の動揺データのなかから読み出し、前記第1の情報処理装置への送信を制御する第3の送信制御ステップとを含む。
【0016】
本発明の一側面の情報処理システムのプログラムを記録している記録媒体は、第1の情報処理装置と第2の情報処理装置から構成される情報処理システムのプログラムであって、前記第1の情報処理装置のプログラムは、車両の進行方向の画像を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップの処理で撮像された前記画像の画像データから、前記車両が受けた動揺を検出し、前記動揺に関する第1の動揺データであり、前記画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される前記第1の動揺データを生成する動揺データ生成ステップと、前記第2の情報処理装置からの信号を受信し、その信号を解析することにより、前記車両の位置を計測する計測ステップと、前記動揺データ生成ステップの処理で生成された前記動揺に関する第1の動揺データと、前記計測ステップの処理で計測された前記車両の位置に関する位置情報の前記第2の情報処理装置に対しての送信を制御する第1の送信制御ステップと、前記第2の情報処理装置から送信された動揺に関する第2の動揺データの受信を制御する第1の受信制御ステップと、前記第1の受信制御ステップの処理で受信された前記第2の動揺データに基づき、前記車両の動揺を制御する制御ステップとを含み、前記動揺データ生成ステップは、前記画像データを1フレーム分だけ遅延し、遅延された前記画像データの第1の記憶手段への記憶を制御し、前記画像データの第2の記憶手段への記憶を制御し、前記第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンを記憶している第3の記憶手段から、前記パターンを読み出し、前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第1の画像データを読み出し、参照ブロックのデータとして後段に出力し、前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第2の画像データを読み出し、探索ブロックのデータとして後段に出力し、前記参照ブロックのデータと前記探索ブロックのデータを用いて、ブロックマッチングの処理を実行し、動きベクトルを検出し、検出された前記動きベクトルを用いて、前記画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータをそれぞれ算出し、その4成分のデータから、前記第1の動揺データを生成し、その第1の動揺データに含まれる前記実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、前記路面から受ける振動を表す成分のデータ、および前記路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、前記代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面の前後の傾きを表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面から受ける振動を表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、前記実刺激動揺データを構成する前記路面の左右の傾きを表す成分のデータは、前記回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、前記水平成分と同じデータとされ、前記代替刺激動揺データを構成する前記加減速による慣性力を表す成分のデータは、前記拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、前記水平成分の符号を反転することで生成されるデータである前記第1の動揺データを生成するステップを含み、前記第2の情報処理装置のプログラムは、所定の周期で前記信号の送信を制御する第2の送信制御ステップと、前記第1の送信制御ステップの処理で送信が制御された前記第1の動揺データと前記位置情報の受信を制御する第2の受信制御ステップと、前記第2の受信制御ステップの処理で受信が制御された前記第1の動揺データが示す動揺を低減させるための前記第2の動揺データを生成する生成ステップと、前記生成ステップの処理で生成された前記第2の動揺データを、前記第2の受信制御ステップの処理で受信が制御された前記位置情報に基づく分類をして蓄積するための制御をする蓄積制御ステップと、前記第2の受信制御ステップの処理で受信が制御された前記位置情報に対応する前記第2の動揺データを前記蓄積制御ステップの処理で蓄積が制御された前記第2の動揺データのなかから読み出し、前記第1の情報処理装置への送信を制御する第3の送信制御ステップとを含むコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている。
【0017】
本発明の一側面の情報処理システムおよび情報処理方法、並びに記録媒体においては、第1の情報処理装置が、撮像した画像の画像データから、車両が受けた動揺を検出し、動揺に関する第1の動揺データを生成する。その第1の動揺データは、画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される。第1の動揺データは、他の装置に対して送信され、他の装置から送信された動揺に関する第2の動揺データが受信され、その第2の動揺データに基づき、車両の動揺が制御される。前記動揺データは、画像データが1フレーム分だけ遅延され、第1の記憶手段に記憶され、画像データが第2の記憶手段に記憶され、第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンが記憶されており、そのパターンに対応する部分の第1の画像データが読み出され、参照ブロックのデータとして出力され、そのパターンに対応する部分の第2の画像データが読み出され、探索ブロックのデータとして出力され、参照ブロックのデータと探索ブロックのデータが用いられて、ブロックマッチングの処理が実行され、動きベクトルが検出され、その動きベクトルから、画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータがそれぞれ算出される。その4成分のデータから、第1の動揺データが生成され、その第1の動揺データに含まれる実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、路面から受ける振動を表す成分のデータ、および路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、実刺激動揺データを構成する路面の前後の傾きを表す成分のデータは、垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、実刺激動揺データを構成する路面から受ける振動を表す成分のデータは、垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、実刺激動揺データを構成する路面の左右の傾きを表す成分のデータは、回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、代替刺激動揺データを構成するカーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、水平成分と同じデータとされ、代替刺激動揺データを構成する加減速による慣性力を表す成分のデータは、拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、代替刺激動揺データを構成するカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、水平成分の符号を反転することで生成されるデータである第1の動揺データを生成される。第2の情報処理装置は、所定の周期で信号を送信し、送信されてきた動揺データと位置情報を受信し、受信された第1の動揺データが示す動揺を低減させるための第2の動揺データを生成し、生成された第2の動揺データを、受信した位置情報に基づく分類をして蓄積し、受信した位置情報に対応する第2の動揺データを読み出し、第1の情報処理装置に送信する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明を適用した情報処理システムの一実施の形態の構成を示す図である。道路上には、車両1−1と車両1−2が走行している。道路の両脇の所定の位置には信号局2−1乃至2−3が設置されている。ここでは説明のため、道路上を走行している車両は2台とし、道路脇の所定の位置に設置されている信号局は3局とするが、実際には、複数の車両、複数の信号局により構成される。
【0032】
信号局2−1乃至2−3(以下、信号局2−1乃至2−3を個々に区別する必要がない場合、単に、信号局2と記述する。他の装置に関しても同様に記述する)は、例えば、互いに1Kmづつ離れた位置に配置される。また、信号局2−1乃至2−3は、それぞれの局を線でつないだと仮定したとき、正三角形の頂点となるような位置に配置されることが望ましい。
【0033】
信号局2は、図2に示すように、車両1とデータの送受信を行う送受信装置11と、車両1に供給するデータと供給されたデータを蓄積するローカルデータベース12が、所定の高さで、柱13に備えられた構成とされている。送受信装置11は、送信装置として、例えば、3GHzのクロックで信号を送信する電磁エミッタを備える。
【0034】
また、全ての信号局2からは同じタイミングで同じM系列の信号が送受信装置11(電磁エミッタ)により送信される。また、所定の間隔で各信号局2に割り当てられたID番号も送信される。M系列は、ラグ0で自己相関が1となるようなランダムな系列である。従って、信号局2は、信号を送信するために、正確な時刻(タイミングを計るための周波数)を常に把握しておく必要があるため、所定のタイミングで内部の時刻を更新する。その更新には、例えば、郵政省標準周波数局から供給される周波数が用いられる。
【0035】
図3は、車両1に備えられる装置について説明する図である。車両1には、進行方向の画像を撮像する撮像部22が備えられている。この撮像部22は、ビデオカメラなどにより構成される。通常車両には、前後左右の4個の車輪23−1乃至23−4が取り付けられている。
【0036】
それぞれの車輪23−1乃至23−4には、逆動揺アクチュエータ24−1乃至24−4が備えられている。撮像部22や逆動揺アクチュエータ24は、制御部25により制御される。また、車両1には、信号局2とデータの授受を行うための送受信部26が備えられている。
【0037】
図4は、車両1の主に制御部25の構成を示す図である。撮像部22により撮像された画像の画像データは、動揺データ生成部31に出力される。動揺データ生成部31は、自車の動揺(揺れ)を算出し、情報付加部32に対して出力する。情報付加部32は、入力された動揺データに、種々の情報を付加して、送受信部26により、信号局2に対して送信する。種々の情報としては、動揺データ、車種、車重(乗車人数分の重さも含むようにしても良い)などである。
【0038】
位置計測部33は、送受信部26により受信された信号局2からの信号に基づき、自車の位置を計測する。3つの信号局2から信号を受信することにより、GPS(Global Positioning System)などの測位方法を用い、自車の位置を割り出すことができる。この場合、信号局2は、約1Km間隔で設置されており、そのように設置された信号局2からの信号により位置を計測するため、10cmの精度で自車の位置を計測することが可能である。
【0039】
逆動揺アクチュエータ24は、送受信部26により受信された、信号局2から送信された逆動揺データ(車両1が受ける動揺を低減させるために、信号局2が蓄積されているデータから生成したデータ)に従い、アクチュエータ(不図示)を駆動する。
【0040】
図5は、動揺データ生成部31の内部構成を示す図である。動揺データ生成部31は、特徴情報検出部51と特徴情報処理部52から構成されている。動揺データ生成部31に入力された画像データは、特徴情報検出部51に入力され、後述する特徴情報が検出され、特徴情報処理部52に出力される。特徴情報処理部52は、入力された特徴情報から動揺データを算出する。
【0041】
図6は、特徴情報検出部51の構成を示すブロック図である。特徴情報検出部51に入力された画像データは、遅延部61により1フレーム分遅延された後フレームバッファ62−1に供給されるとともに、フレームバッファ62−2にも供給される。読み出し部63−1,63−2は、メモリ64に記憶されている所定のパターンに従って、それぞれ対応するフレームバッファ62−1,62−2から、画像データを読み出し、動きベクトル検出部65に出力する。
【0042】
動きベクトル検出部65は、供給された画像データから動きベクトルを検出し、特徴情報演算部66に出力する。特徴情報演算部66は、入力された動きベクトルから特徴情報を演算する。
【0043】
次に、図6に示した特徴情報検出部51の動作について説明する。時刻tにおいて、特徴情報検出部51に入力された画像データは、遅延部61とフレームバッファ62−2に供給される。フレームバッファ62−2は、入力された1フレーム分の画像データを記憶する。遅延部61は、画像データを1フレーム分だけ遅延するので、時刻tにおいて、フレームバッファ62−1には、時刻tより前の時刻t−1における画像データ、即ち、時刻tより1フレーム前の画像データが記憶されている。フレームバッファ62−1に記憶された時刻t−1における画像データは、読み出し部63−1により、フレームバッファ62−2に記憶された時刻tにおける画像データは、読み出し部63−2により、それぞれ読み出される。
【0044】
読み出し部63−1,63−2は、それぞれ対応するフレームバッファ62−1,62−2に記憶されている画像データのうち、メモリ64に記憶されているパターンに対応する部分の画像データを読み出す。ここで、メモリ64に記憶されているパターンについて、図7を参照して説明する。
【0045】
図7は、メモリ64に記憶されているパターンの一例を示す図である。1フレームを構成する画素のなかで、動揺に関係のない部分、例えば,図8に示したような、自動車に取り付けられたビデオカメラにより撮像された画像データの場合、自動車のボンネットの部分などは動揺に関係のない領域と考えられるので、その領域を取り除いた領域の中心に位置する画素を収束点Pとする。収束点Pを中心として上下左右に対称な位置の代表点Q、例えば、25個(収束点を含む)を設定する。各代表点Q毎に、その代表点Qが中心に位置する所定の画素数からなるブロックB、例えば、33×33画素からなる参照ブロックBを設定する。メモリ64には、このようなフレームの画面内における各代表点Qの座標と、参照ブロックBの大きさと、図示していないが、例えば、65×65画素からなる探索ブロックの大きさが、パターンとして記憶されている。
【0046】
読み出し部63−1は、フレームバッファ62−1に記憶されている時刻t−1における画像データのうち、メモリ64に記憶されている上述したパターンに対応する画素データ、すなわち、代表点Qの座標とブロックBの大きさをもとに、各参照ブロックB内の画素データを読み出し、動きベクトル検出部65に、参照ブロックのデータとして出力する。同様に、読み出し部63−2は、フレームバッファ62−2に記憶されている時刻tにおける画像データのうち、メモリ64に記憶されているパターンに対応する画素データを読み出し、動きベクトル検出部65に探索ブロックのデータとして出力する。
【0047】
動きベクトル検出部65は、入力された参照ブロックのデータと探索ブロックのデータとを用いて、ブロックマッチングを行うことにより、各代表点Qにおける動きベクトルを検出する。従って、この例の場合、25個の動きベクトルが検出される。
【0048】
なお、本実施の形態においては、動揺データを生成することを目的としているため、動きベクトルを全ての画素に対して検出する必要がないため、25個の動きベクトルだけを求めるようにしている。これにより、回路規模の削減や処理速度を向上させることができる。
【0049】
特徴情報演算部66は、動きベクトル検出部65により検出された25個の動きベクトルを用いて、時刻tのフレーム全体としての動揺の水平成分u、垂直成分v、拡大成分vzoom、および回転成分vrotの合計4成分を、以下に示す式に基づいて算出する。
水平成分u=(1/n)Σui ・・・(1)
垂直成分v=(1/n)Σvi ・・・(2)
拡大成分vzoom=(1/n)Σvzoomi/di ・・・(3)
回転成分vrot=(1/n)Σvroti/di ・・・(4)
なお、添え字のiは、代表点Qiに付けられた番号を示し、この例では1乃至25まで変化する。また、nは代表点の個数であるので、この例では25である。式(1)乃至式(4)により求められる値は、25個の動きベクトルから得られる各成分u、v、vzoom、vrotの平均値である。
【0050】
上述した各成分u、v、vzoom、vrotの関係を図8を参照して説明する。処理対象となっている代表点Qiの動きベクトルTの水平方向の成分をuiとし、垂直方向の成分をviとする。diは、収束点Pから代表点Qiまでの距離を表すスカラ量である。また、(Px,Py)は、収束点Pの座標を表し、この座標値を基準として座標(Qix,Qiy)の代表点Qiまでの距離が算出される。
【0051】
この動きベクトルTの成分(ui,vi)は、代表点Qiを原点としたときの成分である。動きベクトルTの、収束点Pと代表点Qiとを結ぶ直線と平行な方向の成分をvzoomiとし、収束点Pと代表点Qiとを結ぶ直線と直交する方向の成分をvrotiとする。また、収束点Pと代表点Qiとを結ぶ直線と動きベクトルTとがなす角度をθとする。このとき、vzoomiとvrotiは、次式に従って求められる。
vzoomi=(ui 2+vi 2)(1/2)COSθ ・・・(5)
vroti =(ui 2+vi 2)(1/2)SINθ ・・・(6)
【0052】
なお、ここでは、各成分を求めるのに25個の動きベクトルの値を平均的に用いているが、画面上における位置関係などに基づいて、各成分に重み付けをしても良い。
【0053】
特徴情報演算部66は、動きベクトル検出部65から出力された動きベクトルから、式(1)乃至式(4)を用いて、特徴情報として4成分のデータu、v、vzoom、vrotを算出する。算出された4成分のデータu、v、vzoom、vrotは、特徴情報処理部52(図5)に出力される。
【0054】
特徴情報検出部51の処理で、画像データから4成分が検出されるわけだが、ここでは、さらに、それらの成分を後の処理において扱いやすいデータに特徴情報処理部52において加工する。特徴情報処理部52は、複数のアクチュエータが備えられた椅子型の装置で、車両に搭乗したときの感覚を観客に擬似的に体感できるようにするためのデータに加工する。勿論、ここでは、車両に搭乗したときの感覚を擬似的に体感させることを目的とはしていないので、このようなデータに加工しなくても良いが、ここでは、加工したデータを用いるとして以下の説明をする。
【0055】
観客に対して車両に乗っている感じを疑似体験させる場合、どのような力(動揺)を観客が座っている椅子に対して加えればよいのかを考える。車両の椅子に加えられる力には、車両が坂道などの勾配のある道を走っているときの路面の前後方向の傾きを表現するための力、でこぼこした道の上を走っているときの路面から受ける上下方向の振動を表現するための力、傾いた路面を走っているときの路面の左右方向の傾きを表現するための力などがある。
【0056】
これらの力は、画像を撮像したビデオカメラが搭載された車両に対して与えられた刺激の内、画像を観察する観客の椅子に対しても物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力であり、ここでは実刺激と称する。この実刺激は、その値を積分していくと値がゼロとなるものである。
【0057】
これに対して、車両がカーブを曲がるときの遠心力を表現する力、加速や減速のときの慣性力を表現する力、カーブ時の車両首振りを表現する力は、積分していっても値がゼロとならないものであり、椅子の移動距離の制限、移動方向の制限などから、車両に対して与えられた刺激と物理的意味合いが同じ形で与えることが困難な刺激であり、ここでは、代替刺激と称する。
【0058】
以下に、上述した実刺激と代替刺激に関する力、実際に観客用の椅子に対して加える動揺データの成分、並びに、上述した特徴情報演算部66により演算された4成分の関係を示す。以下に示す実刺激の内、路面の前後の傾きに対する動揺データは、動揺データ成分pitchの1つとされ、動きベクトルの垂直方向の成分のうちの低周波成分で表すことができる。ここで、路面の傾きは、遅い周期で変化すると考えられるため、低周波成分を用いている。
【0059】
傾きは、遅い周期で変化すると考えられ、また、高周波と考えられるため、路面から受ける振動に対する動揺データは、動きベクトルの垂直方向の成分のうちの高周波成分を用いている。この値は、動揺データ成分zとされる。路面の左右の傾きに対する動揺データは、動揺データ成分rollの一つとされ、図9から明らかなように、回転成分Vrotiを25個の動きベクトル分加算した値で表すことができる。カーブ時の遠心力に対する動揺データは、動揺データ成分rollの1つとされ、水平成分uで表される。
【0060】
加減速による慣性力に対する動揺データは、動揺データ成分pitchの1つとされ、拡大成分Vzoomの微分値の低周波成分で表される。なお、低周波成分としてあるのは、加減速に対しては敏感な動作は不要と考えられるからである。カーブ時の車両の首振りに対する動揺データは、動揺データ成分yawとされ、水平成分uで表される。なお、−uとしてあるのは、カーブ時の遠心力と逆に働くためである。
【0061】
実刺激
表現される成分 動揺データ成分 4成分との関係
路面の前後の傾き pitch Σvの低周波成分
路面からうける振動 z −Σvの高周波成分
路面の左右の傾き roll −Σvrot
代替刺激
表現される成分 動揺データ成分 4成分との関係
カーブ時の遠心力 roll u
加減速による慣性力 pitch dvzoom/dtの低周波成分
カーブ時の車両首振り yaw −u
【0062】
特徴情報処理部52は、上述した関係を用いて、実際に駆動される画像動揺提示装置6に供給する動揺データを生成する。図10は、特徴情報処理部52の構成を示すブロック図である。特徴情報検出部51から出力された4成分のうち、回転成分vrotは、加算器71−1に、水平成分uは、加算器71−2と符号反転器72−1に、垂直成分vは、加算器71−3に、拡大成分vzoomは、加算器71−5と遅延器73−3に、それぞれ入力される。加算器71−1には、加算器71−1から出力されたデータが、遅延器73−1で1クロック分遅延された後、フィードバックされて入力される。同様に、加算器71−3にも、加算器71−3から出力されたデータが、遅延器73−2で1クロック分遅延された後、フィードバックされて入力される。
【0063】
遅延器73−1から出力されたデータは、加算器71−2に入力され、遅延器73−2から出力されたデータは、符号反転器72−2を介してHPF(High Pass Filter)74に出力されると共に、LPF(Low Pass Filter)75−1を介して加算器71−4にも出力される。加算器71−5に入力された拡大成分vzoomは、遅延器73−3により1クロック分遅延された拡大成分vzoomが減算され、LPF75−2を介して加算器71−4に入力される。
【0064】
次に、特徴情報処理部52が行う動揺データ成分roll、yaw、z、およびpitchの算出について説明する。特徴情報処理部52に入力された回転成分vrotは、加算器71−1に入力される。加算器71−1は、時刻tにおいて入力された回転成分vrotと、遅延器73−1より出力される1フレーム前の時刻t−1のデータとを加算する。加算器71−1は、このようにして、回転成分vrotを累積加算(積分)していくことにより、路面の左右の傾きを表現する動揺データ成分roll(Σvrot)を算出する。しかしながら、路面の左右の傾きを表現する動揺データ成分rollは、−Σvrotなので、加算器71−2は、遅延器73−1から入力されたデータの符号を反転したデータを演算に用いる。
【0065】
動揺データ成分roll(水平成分u)は、カーブ時の遠心力を表現するのにも用いられる。そこで、加算器71−2は、遅延器73−1から入力されたデータの符号を反転したデータと、水平成分uとを加算する(水平成分uから遅延器73−1の出力を減算する)ことにより、動揺データ成分rollを算出する。
【0066】
カーブ時の車両首振りの動揺データ成分yawは、水平成分uの値を反転することにより得られるので、特徴情報処理部52は、入力された水平成分uの値を、符号反転器72−1により、符号を反転させることに動揺データ成分yawを算出する。
【0067】
加算器71−3には、時刻tにおいて入力された垂直成分vと、遅延器73−2より出力された1フレーム前の時刻t−1の垂直成分vを加算する。このようにして、加算器71−3において、垂直成分vが累積加算(積分)される。そして、加算器71−3とと遅延器73−2により累積加算されたデータは、符号反転器72−2に入力され、符号が反転され、さらにHPF74により、高周波成分のみが取り出される。このようにして、路面から受ける振動を表現する動揺データ成分zが算出される。
【0068】
また、遅延器73−2から出力されたデータは、LPF75−1にも出力され、低周波成分が取り出される。このようにして、路面の前後の傾きを表現する動揺データ成分pitchが算出される。動揺データ成分pitchは、加減速による慣性力を表現する動揺データ成分としても用いられる。そのため、LPF75−1から出力された動揺データ成分pitchは、加算器71−4により、慣性力を表現する動揺データ成分pitchと加算される。
【0069】
慣性力を表現する動揺データ成分pitchは、特徴情報処理部52に入力された拡大成分vzoomから算出される。特徴情報処理部52に入力された拡大成分vzoomは、加算器71−5と遅延器73−3に入力される。加算器71−5には、時刻tにおいて入力された拡大成分vzoomtと、遅延器73−3により1フレーム遅延された時刻t−1における拡大成分vzoomt-1が入力される。加算器71−5は、入力された時刻tにおける拡大成分vzoomtから、時刻t−1における拡大成分vzoomt-1を減算することで、拡大成分vzoomを微分する。そして、加算器71−5から出力された値から、LPF75−2により、低周波成分が抽出されることにより、加減速による慣性力を表現する動揺データ成分pitchが算出される。
【0070】
加算器71−4により、LPF75−1から出力された値と、LPF75−2から出力された値とが加算されることにより、動揺データ成分pitchが算出される。
【0071】
このようにして動揺データ生成部31は、画像データから動揺データを生成する。そして、生成された動揺データは、上述したように、情報付加部32により他の情報が付加されたかたちで、送受信部26により信号局2に対して送信される。
【0072】
次に、車両1から送信された動揺データを含む情報を蓄積する処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。ステップS1において、信号局2は、送受信装置11により電磁波を送信する。この送信は、上述したように、所定の周期で常に、全ての信号局2から同じタイミングで送信されている。その信号を送受信部26(図4)で受信した車両1は、ステップS2において、位置計測部33により自車が走行している位置を計測する。
【0073】
この計測については、上述したように、送受信部26により少なくとも3つの信号局2からの信号を受信することにより、GPSなどのナビゲーションシステムで用いられている測位方法により行われる。車両1は、自車が走行している位置を計測する一方で、ステップS3において、動揺データを生成する。動揺データは、上述したように、撮像部22により撮像された画像データから算出される。
【0074】
車両1は、ステップS4において、信号局2に対して情報の送信を行う。送信される情報としては、ステップS2において計測された自車が走行している位置、ステップS3において生成された動揺データ、自車の車重、車種である。勿論、これ以外の情報を送信するようにしても良い。自車の車重や車両は、情報付加部32にROM(Read Only Memory)などのメモリ(不図示)を内蔵し、そのメモリに記憶させておき、必要に応じて読み出すようにすれば良い。
【0075】
情報付加部32により情報が付加された動揺データは、送受信部26により信号局2に対して送信される。送信された情報は、信号局2の送受信装置11に受信される。車両11から送信された情報は、複数の信号局2に受信されるが、それぞれの信号局2において、以下の処理が実行される。まず、ステップS5において、受信された情報に環境情報が付加される。
【0076】
環境情報とは、情報を受信したときの天候、路面状況などである。天候に関する情報は、各信号局2において生成する、または、複数の信号局2の内の1台が代表して天候に関する情報を生成し、その情報を配信するなどの方法で、信号局2に対して供給される。路面状況は、予め道路上を走行した、路面の状況を検出するセンサを備えた車両により取得されたものである。
【0077】
このような環境情報が付加された情報は、ステップS6において、ローカルデータベース12に蓄積される。ステップS7において、ローカルデータベース12に蓄積されている情報を用いて逆動揺データの更新が行われる。ステップS7における処理は、所定量の情報が、ローカルデータベース12に追加、蓄積された時点で行われるようにしても良いし、新たな情報が追加、蓄積される毎に行われるようにしても良い。生成された逆動揺データは、ローカルデータベース12に蓄積される。
【0078】
ローカルデータベース12に蓄積される逆動揺データを、汎用性のあるデータとするために、平均化して蓄積する。逆動揺データの成分は、動揺データの成分と対応するように、pitch、roll、yaw、zが生成される。逆動揺データの平均化とは、例えば、これらの成分毎に平均化を行うことである。
【0079】
また、環境情報毎に(晴れ、雨の時など毎に)分類して逆動揺データを蓄積するようにしても良いし、車種(車重)毎に分類して逆動揺データを蓄積するようにしても良い。環境情報および車種の両方に基づき分類して逆動揺データを蓄積するようにしても良い。分類して蓄積することにより、汎用性がある反面、各車両に適した逆動揺データを各車両に供給することが可能となる。なお、汎用性と各車両に適した逆動揺データを供給できるようであれば、どのような分類に基づいて逆動揺データを蓄積しても良い。
【0080】
なお、上述した実施の形態においては、車両1は、画像データから動揺データを生成するようにしたが、加速度センサ(不図示)を備えるようにし、その加速度センサにより得られた情報を解析することにより、動揺データを生成するようにしても良い。ここでは、情報の蓄積(逆動揺データの蓄積)を目的としているため、加速度センサなど、既に受けた動揺を感知するような装置を用いても問題はない。
【0081】
次に、このようにしてローカルデータベース12に蓄積された逆動揺データの配信について図12のフローチャートを参照して説明する。ステップS11において、信号局2は、送受信装置11により電磁波を送信する。その電磁波を受信した車両1は、ステップS12において、自車の走行位置の計測を行う。ステップS11とステップS12の処理は、図11のフローチャートのステップS1とステップS2の処理と同様である。
【0082】
ステップS13において、車両1は、情報の送信を行う。送信される情報としては、計測された自車が走行している位置に関する情報、自車の車種、車重などである。信号局2は、ステップS14において、車両1から送信された情報を受信すると、その時の環境情報を検出する。ここでは、環境情報と車種毎に、逆動揺データが分類されて蓄積されているとする。また、ステップS14における環境情報の検出処理は、図11のフローチャートのステップS5の処理と同様に行われるとする。
【0083】
ステップS15において、逆動揺データの読み出しが行われる。逆動揺データの読み出しは、受信された車種に関する情報と、検出された環境情報に適合するデータが読み出される。読み出された逆動揺データは、ステップS16において、信号局2の送受信装置11から車両1に対して送信される。車両1の送受信部26は、ステップS17において、信号局2からの逆動揺データを受信する。受信された逆動揺データは、逆動揺アクチュエータ24に出力される。逆動揺アクチュエータ24は、ステップS18において、入力された逆動揺データに基づき、車両1の動揺を制御する。
【0084】
なお、図11のフローチャートでは、情報の蓄積について、図12のフローチャートでは、その情報の配信について説明したが、蓄積と配信は同時に行われるようにしても良い。すなわち、車両1としては、信号局2が蓄積するための情報を供給するとともに、既に蓄積されている情報から得られた逆動揺データの供給を受け、信号局2としては、車両1からの情報を蓄積するとともに、蓄積された情報から逆動揺データを生成し、車両1に対して供給する。
【0085】
このように、実際に道路を走行している複数の車両1から情報の供給を受け、その情報に基づき、逆動揺データを生成することにより、より精度の高い逆動揺データを生成することが可能となるとともに、その逆動揺データを共有することにより、自車だけで動揺を制御する場合に比べて、より確実に動揺を制御することが可能となる。
【0086】
上述した実施の形態においては、車両1が画像データを取得し、その画像データから動揺データを生成し、他の情報とともに、信号局2に対して送信するようにしたが、車両1が受ける動揺というのは、主に、道路の路面状況に依存していることが多い。すなわち、路面がでこぼこしている所では、動揺が激しく、路面が平坦な所では、動揺は激しくない。そこで、車両1で、画像データを取得し、その画像データから動揺データを作成するのではなく、予め路面の状況に関する情報(以下、適宜、路面情報を記述する)を取得しておき、その取得された情報を車両1に供給し、車両1において供給された路面情報を基に逆動揺データを作成するようにしても良い。そのようにした場合について、以下に説明する。
【0087】
まず、前提としてローカルデータベース12には、路面情報と環境情報が関連付けられて蓄積されている。路面情報を取得し蓄積しておくために、予め路面情報を取得するためのセンサ(例えば、レーザなどで構成された路面探知センサなど)を備えた車両を、情報を取得したい道路上に走行させる。そして、その車両に備えられたセンサにより得られた情報を解析することにより、路面の状況に関する情報を取得する。
【0088】
天候などの環境情報が異なる時に、センサが備えられた車両を繰り返し走行させることにより、環境情報に対応した路面情報が複数取得され、蓄積される。
【0089】
車両1は、画像データから動揺データを作成する必要がないため、図13に示すように、撮像部22(図4)が削除された構成となる。さらに車両1の構成を図14に示すと、送受信部26により受信された情報を用いて逆動揺データ生成部81が逆動揺データを生成し、逆動揺アクチュエータ24に供給される構成となっている。
【0090】
図15のフローチャートを参照して、図14に示したような構成をもつ車両1を含む、図1に示した情報処理システムの動作について説明する。ステップS21とステップS22の処理は、図11のフローチャートのステップS1とステップS2の処理と同様である。ステップS23において、車両1は、情報を信号局2に対して送信する。送信される情報としては、ステップS22において計測された自車が走行している位置に関する情報と、車種、走行速度といった情報である。
【0091】
このような情報を受信した信号局2は、ステップS24において、環境情報の検出を行う。ステップS25において、検出された環境情報と、車両1が走行している位置の情報(走行している位置に走行速度から割り出される距離を加算した、車両1が送信された路面情報を受信すると予測される位置の情報)に適合する路面情報を、ローカルデータベース12に蓄積されている情報の中から読み出す。ステップS24とステップS25の処理は、図12のフローチャートのステップS14とステップS15の処理と基本的に同様(読み出す情報が異なるだけ)である。
【0092】
読み出された路面情報は、ステップS26において、車両1に対して送信される。車両1は、ステップS27において、送受信部26により路面情報を受信する。そして、車両1は、ステップS28において、送受信部26により受信された路面情報を逆動揺データ生成部81に出力し、逆動揺データ生成部81により逆動揺データを生成する。そして、生成された逆動揺データは、逆動揺アクチュエータ24に出力されることにより、車両1の動揺が制御される。
【0093】
上述した実施の形態においては、路面情報が送信されるとしたが、逆動揺データを生成するための係数などを送信するようにしても良い。すなわち、信号局2において、蓄積されている路面情報から、逆動揺データが生成できるような係数を予め算出しておき、その係数を蓄積、送信するようにしても良い。
【0094】
このように、路面情報を車両1に供給し、車両1において逆動揺データを作成して動揺を制御するようにすることにより、路面情報という全ての車両に対して共通に用いることが可能な情報により、個々の車両に有効な逆動揺データを生成することが可能となる。
【0095】
車両1において、受信した、または、生成した逆動揺データを基に、逆動揺アクチュエータ24を制御する際、その車両1を運転している運転者の特徴(癖)も考慮に入れて制御するようにしても良い。すなわち、車両1の構成が図4に示したような場合、逆動揺アクチュエータ24は、例えば、運転者の特徴に関する情報を解析し蓄積するメモリを備え、その蓄積されている情報を基に、送受信部26からの逆動揺データを加工して用いるようにする。また、車両1の構成が、図14に示したような場合、送受信部26により受信された路面情報を入力した逆動揺データ生成部81は、上述した場合と同様に、運転者の特徴を蓄積するメモリを備え、そのメモリから読み出した情報も用いて、逆動揺データを生成するようにする。
【0096】
上述したように、車両1が受ける動揺に関する動揺データまたは路面情報を蓄積することにより、例えば、蓄積している動揺データ(平均化されている動揺データ)が示す値が大きくなったような場合、路面のでこぼこが激しくなったために動揺が大きくなったと判断することができ、所定の値以上になったら補修を行うようにするなどの道路管理に、ローカルデータベース12に蓄積されているデータを用いることが可能である。路面情報を蓄積している場合は、その路面情報を更新する作業を定期的に行うことにより、路面の状況を把握できるので、同じように、道路管理を行うことが可能となる。
【0097】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0098】
この記録媒体は、図16に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク121(フロッピディスクを含む)、光ディスク122(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク123(MD(Mini-Disk)を含む)、若しくは半導体メモリ124などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記憶されているROM102や記憶部108が含まれるハードディスクなどで構成される。
【0099】
なお、本明細書において、媒体により提供されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って、時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0100】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0101】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、車両が受ける動揺を低減させることが可能となる。
【0102】
また、異なる車両に送信する動揺データを共用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した情報処理システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】信号局2の構成を示す図である。
【図3】車両1の構成について説明する図である。
【図4】車両1の構成についてさらに説明する図である。
【図5】動揺データ生成部31の内部構成を示す図である。
【図6】特徴情報検出部51の内部構成を示す図である。
【図7】メモリ64に記憶されているパターンを示す図である。
【図8】処理される画像を説明する図である。
【図9】算出されるベクトルについて説明する図である。
【図10】特徴情報処理部52の内部構成を示す図である。
【図11】情報の蓄積に関する動作を説明するフローチャートである。
【図12】情報の配信に関する動作を説明するフローチャートである。
【図13】車両1の他の構成について説明する図である。
【図14】車両1他の構成についてさらに説明する図である。
【図15】情報の配信に関する他の動作を説明するフローチャートである。
【図16】媒体を説明する図である。
【符号の説明】
1 車両, 2 信号局, 11 送受信装置, 12 ローカルデータベース, 22 撮像部, 23 車輪, 24 逆動揺アクチュエータ, 25 制御部, 26 送受信部, 31 動揺データ生成部, 32 情報付加部,33 位置計測部, 81 逆動揺データ生成部
Claims (9)
- 車両に搭載され、前記車両の進行方向の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された前記画像の画像データから、前記車両が受けた動揺を検出し、前記動揺に関する第1の動揺データであり、前記画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される前記第1の動揺データを生成する動揺データ生成手段と、
前記第1の動揺データを他の装置に対して送信する送信手段と、
前記他の装置から送信された動揺に関する第2の動揺データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記第2の動揺データに基づき、前記車両の動揺を制御する制御手段と
を備え、
前記動揺データ生成手段は、
前記画像データを1フレーム分だけ遅延する遅延手段と、
前記遅延手段により遅延された前記画像データを記憶する第1の記憶手段と、
前記画像データを記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンを記憶している第3の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第1の画像データを読み出し、参照ブロックのデータとして出力する第1の読み出し手段と、
前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第2の画像データを読み出し、探索ブロックのデータとして出力する第2の読み出し手段と、
前記参照ブロックのデータと前記探索ブロックのデータを用いて、ブロックマッチングの処理を実行し、動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、
前記動きベクトル検出手段により検出された前記動きベクトルを用いて、前記画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータをそれぞれ算出し、その4成分のデータから、前記第1の動揺データを生成し、
その第1の動揺データに含まれる前記実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、前記路面から受ける振動を表す成分のデータ、および前記路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、
前記代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面の前後の傾きを表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面から受ける振動を表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面の左右の傾きを表す成分のデータは、前記回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、
前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、前記水平成分と同じデータとされ、
前記代替刺激動揺データを構成する前記加減速による慣性力を表す成分のデータは、前記拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、
前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、前記水平成分の符号を反転することで生成されるデータである
前記第1の動揺データを生成する成分算出手段と
を備える情報処理装置。 - 3つの前記他の装置が送信する信号を受信し、それらの信号を解析することにより、前記車両の位置を計測する計測手段を
さらに含み、
前記送信手段は、前記計測手段により計測された前記車両の位置に関する情報も前記他の装置に対して送信する
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記パターンは、1フレームを構成する画素のなかで、動揺に関係のない部分が取り除かれた領域の中心に位置する画素が収束点とされ、その収束点が中心とされた上下左右に対称な位置の代表点が設定され、それらの各代表点毎に、その代表点が中心に位置する所定の画素数からなるブロックが設定されることにより設定されたパターンである
請求項1に記載の情報処理装置。 - 車両の進行方向の画像を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップの処理で撮像された前記画像の画像データから、前記車両が受けた動揺を検出し、前記動揺に関する第1の動揺データであり、前記画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される前記第1の動揺データを生成する動揺データ生成ステップと、
前記第1の動揺データの他の装置に対する送信を制御する送信制御ステップと、
前記他の装置から送信された動揺に関する第2の動揺データの受信を制御する受信制御ステップと、
前記受信制御ステップの処理で受信が制御された前記第2の動揺データに基づき、前記車両の動揺を制御する制御ステップと
を含み、
前記動揺データ生成ステップは、
前記画像データを1フレーム分だけ遅延し、
遅延された前記画像データの第1の記憶手段への記憶を制御し、
前記画像データの第2の記憶手段への記憶を制御し、
前記第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンを記憶している第3の記憶手段から、前記パターンを読み出し、
前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第1の画像データを読み出し、参照ブロックのデータとして後段に出力し、
前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第2の画像データを読み出し、探索ブロックのデータとして後段に出力し、
前記参照ブロックのデータと前記探索ブロックのデータを用いて、ブロックマッチングの処理を実行し、動きベクトルを検出し、
検出された前記動きベクトルを用いて、前記画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータをそれぞれ算出し、その4成分のデータから、前記第1の動揺データを生成し、
その第1の動揺データに含まれる前記実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、前記路面から受ける振動を表す成分のデータ、および前記路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、
前記代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面の前後の傾きを表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面から受ける振動を表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面の左右の傾きを表す成分のデータは、前記回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、
前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、前記水平成分と同じデータとされ、
前記代替刺激動揺データを構成する前記加減速による慣性力を表す成分のデータは、前記拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、
前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、前記水平成分の符号を反転することで生成されるデータである
前記第1の動揺データを生成する
ステップを含む情報処理方法。 - 車両の進行方向の画像を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップの処理で撮像された前記画像の画像データから、前記車両が受けた動揺を検出し、前記動揺に関する第1の動揺データであり、前記画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される前記第1の動揺データを生成する動揺データ生成ステップと、
前記第1の動揺データの他の装置に対する送信を制御する送信制御ステップと、
前記他の装置から送信された動揺に関する第2の動揺データの受信を制御する受信制御ステップと、
前記受信制御ステップの処理で受信が制御された前記第2の動揺データに基づき、前記車両の動揺を制御する制御ステップと
を含み、
前記動揺データ生成ステップは、
前記画像データを1フレーム分だけ遅延し、
遅延された前記画像データの第1の記憶手段への記憶を制御し、
前記画像データの第2の記憶手段への記憶を制御し、
前記第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンを記憶している第3の記憶手段から、前記パターンを読み出し、
前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第1の画像データを読み出し、参照ブロックのデータとして後段に出力し、
前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第2の画像データを読み出し、探索ブロックのデータとして後段に出力し、
前記参照ブロックのデータと前記探索ブロックのデータを用いて、ブロックマッチングの処理を実行し、動きベクトルを検出し、
検出された前記動きベクトルを用いて、前記画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータをそれぞれ算出し、その4成分のデータから、前記第1の動揺データを生成し、
その第1の動揺データに含まれる前記実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、前記路面から受ける振動を表す成分のデータ、および前記路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、
前記代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面の前後の傾きを表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面から受ける振動を表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面の左右の傾きを表す成分のデータは、前記回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、
前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、前記水平成分と同じデータとされ、
前記代替刺激動揺データを構成する前記加減速による慣性力を表す成分のデータは、前記拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、
前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、前記水平成分の符号を反転することで生成されるデータである
前記第1の動揺データを生成する
ステップを含むコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。 - 第1の情報処理装置と第2の情報処理装置から構成される情報処理システムにおいて、
前記第1の情報処理装置は、
車両に搭載され、前記車両の進行方向の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された前記画像の画像データから、前記車両が受けた動揺を検出し、前記動揺に関する第1の動揺データであり、前記画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される前記第1の動揺データを生成する動揺データ生成手段と、
前記第2の情報処理装置からの信号を受信し、その信号を解析することにより、前記車両の位置を計測する計測手段と、
前記動揺データ生成手段により生成された前記動揺に関する第1の動揺データと、前記計測手段により計測された前記車両の位置に関する位置情報を前記第2の情報処理装置に対して送信する第1の送信手段と、
前記第2の情報処理装置から送信された動揺に関する第2の動揺データを受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段により受信された前記第2の動揺データに基づき、前記車両の動揺を制御する制御手段と
を備え、
前記動揺データ生成手段は、
前記画像データを1フレーム分だけ遅延する遅延手段と、
前記遅延手段により遅延された前記画像データを記憶する第1の記憶手段と、
前記画像データを記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンを記憶している第3の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第1の画像データを読み出し、参照ブロックのデータとして出力する第1の読み出し手段と、
前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第2の画像データを読み出し、探索ブロックのデータとして出力する第2の読み出し手段と、
前記参照ブロックのデータと前記探索ブロックのデータを用いて、ブロックマッチングの処理を実行し、動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、
前記動きベクトル検出手段により検出された前記動きベクトルを用いて、前記画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータをそれぞれ算出し、その4成分のデータから、前記第1の動揺データを生成し、
その第1の動揺データに含まれる前記実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、前記路面から受ける振動を表す成分のデータ、および前記路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、
前記代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面の前後の傾きを表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面から受ける振動を表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面の左右の傾きを表す成分のデータは、前記回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、
前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、前記水平成分と同じデータとされ、
前記代替刺激動揺データを構成する前記加減速による慣性力を表す成分のデータは、前記拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、
前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、前記水平成分の符号を反転することで生成されるデータである
前記第1の動揺データを生成する成分算出手段と
を備え、
前記第2の情報処理装置は、
所定の周期で前記信号を送信する第2の送信手段と、
前記第1の送信手段により送信された前記第1の動揺データと前記位置情報を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段により受信された前記第1の動揺データが示す動揺を低減させるための前記第2の動揺データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記第2の動揺データを、前記第2の受信手段により受信した前記位置情報に基づく分類をして蓄積する蓄積手段と、
前記第2の受信手段により受信した前記位置情報に対応する前記第2の動揺データを前記蓄積手段から読み出し、前記第1の情報処理装置に送信する第3の送信手段と
を備える
情報処理システム。 - 前記蓄積手段は、前記第2の受信手段により前記第1の動揺データと前記位置情報が受信されたときの天候、前記車両の車種、前記車両の車重のうち、少なくとも1つの情報に基づき、前記第2の動揺データをさらに分類して蓄積する
請求項6に記載の情報処理システム。 - 第1の情報処理装置と第2の情報処理装置から構成される情報処理システムの情報処理方法において、
前記第1の情報処理装置の情報処理方法は、
車両の進行方向の画像を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップの処理で撮像された前記画像の画像データから、前記車両が受けた動揺を検出し、前記動揺に関する第1の動揺データであり、前記画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される前記第1の動揺データを生成する動揺データ生成ステップと、
前記第2の情報処理装置からの信号を受信し、その信号を解析することにより、前記車両の位置を計測する計測ステップと、
前記動揺データ生成ステップの処理で生成された前記動揺に関する第1の動揺データと、前記計測ステップの処理で計測された前記車両の位置に関する位置情報の前記第2の情報処理装置に対しての送信を制御する第1の送信制御ステップと、
前記第2の情報処理装置から送信された動揺に関する第2の動揺データの受信を制御する第1の受信制御ステップと、
前記第1の受信制御ステップの処理で受信された前記第2の動揺データに基づき、前記車両の動揺を制御する制御ステップと
を含み、
前記動揺データ生成ステップは、
前記画像データを1フレーム分だけ遅延し、
遅延された前記画像データの第1の記憶手段への記憶を制御し、
前記画像データの第2の記憶手段への記憶を制御し、
前記第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンを記憶している第3の記憶手段から、前記パターンを読み出し、
前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第1の画像データを読み出し、参照ブロックのデータとして後段に出力し、
前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第2の画像データを読み出し、探索ブロックのデータとして後段に出力し、
前記参照ブロックのデータと前記探索ブロックのデータを用いて、ブロックマッチングの処理を実行し、動きベクトルを検出し、
検出された前記動きベクトルを用いて、前記画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータをそれぞれ算出し、その4成分のデータから、前記第1の動揺データを生成し、
その第1の動揺データに含まれる前記実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、前記路面から受ける振動を表す成分のデータ、および前記路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、
前記代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面の前後の傾きを表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面から受ける振動を表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面の左右の傾きを表す成分のデータは、前記回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、
前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、前記水平成分と同じデータとされ、
前記代替刺激動揺データを構成する前記加減速による慣性力を表す成分のデータは、前記拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、
前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、前記水平成分の符号を反転することで生成されるデータである
前記第1の動揺データを生成する
ステップを含み、
前記第2の情報処理装置の情報処理方法は、
所定の周期で前記信号の送信を制御する第2の送信制御ステップと、
前記第1の送信制御ステップの処理で送信が制御された前記第1の動揺データと前記位置情報の受信を制御する第2の受信制御ステップと、
前記第2の受信制御ステップの処理で受信が制御された前記第1の動揺データが示す動揺を低減させるための前記第2の動揺データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップの処理で生成された前記第2の動揺データを、前記第2の受信制御ステップの処理で受信が制御された前記位置情報に基づく分類をして蓄積するための制御をする蓄積制御ステップと、
前記第2の受信制御ステップの処理で受信が制御された前記位置情報に対応する前記第2の動揺データを前記蓄積制御ステップの処理で蓄積が制御された前記第2の動揺データのなかから読み出し、前記第1の情報処理装置への送信を制御する第3の送信制御ステップと
を含む
情報処理方法。 - 第1の情報処理装置と第2の情報処理装置から構成される情報処理システムのプログラムであって、
前記第1の情報処理装置のプログラムは、
車両の進行方向の画像を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップの処理で撮像された前記画像の画像データから、前記車両が受けた動揺を検出し、前記動揺に関する第1の動揺データであり、前記画像データが撮影されたときと物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることができる力を制御するための実刺激動揺データと、物理的意味合いが同じ形で刺激を与えることが困難な力を制御するための代替刺激動揺データから構成される前記第1の動揺データを生成する動揺データ生成ステップと、
前記第2の情報処理装置からの信号を受信し、その信号を解析することにより、前記車両の位置を計測する計測ステップと、
前記動揺データ生成ステップの処理で生成された前記動揺に関する第1の動揺データと、前記計測ステップの処理で計測された前記車両の位置に関する位置情報の前記第2の情報処理装置に対しての送信を制御する第1の送信制御ステップと、
前記第2の情報処理装置から送信された動揺に関する第2の動揺データの受信を制御する第1の受信制御ステップと、
前記第1の受信制御ステップの処理で受信された前記第2の動揺データに基づき、前記車両の動揺を制御する制御ステップと
を含み、
前記動揺データ生成ステップは、
前記画像データを1フレーム分だけ遅延し、
遅延された前記画像データの第1の記憶手段への記憶を制御し、
前記画像データの第2の記憶手段への記憶を制御し、
前記第1の記憶手段に記憶されている第1の画像データと、前記第2の記憶手段に記憶されている第2の画像データから、それぞれ読み出す部分に関するパターンを記憶している第3の記憶手段から、前記パターンを読み出し、
前記第1の記憶手段に記憶されている前記第1の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第1の画像データを読み出し、参照ブロックのデータとして後段に出力し、
前記第2の記憶手段に記憶されている前記第2の画像データから、前記パターンに対応する部分の前記第2の画像データを読み出し、探索ブロックのデータとして後段に出力し、
前記参照ブロックのデータと前記探索ブロックのデータを用いて、ブロックマッチングの処理を実行し、動きベクトルを検出し、
検出された前記動きベクトルを用いて、前記画像の全体としての動揺の水平成分、垂直成分、拡大成分、および回転成分の合計4成分のデータをそれぞれ算出し、その4成分のデータから、前記第1の動揺データを生成し、
その第1の動揺データに含まれる前記実刺激動揺データは、路面の前後の傾きを表す傾き成分のデータ、前記路面から受ける振動を表す成分のデータ、および前記路面の左右の傾きを表す成分のデータから構成され、
前記代替刺激動揺データは、カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータ、加減速による慣性力を表す成分のデータ、およびカーブ時の車両の首振りを表す成分のデータから構成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面の前後の傾きを表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の低周波成分から生成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面から受ける振動を表す成分のデータは、前記垂直成分が累積加算された値の高周波成分から生成され、
前記実刺激動揺データを構成する前記路面の左右の傾きを表す成分のデータは、前記回転成分が累積加算された値の符号を反転することで生成され、
前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時に受ける遠心力を表す成分のデータは、前記水平成分と同じデータとされ、
前記代替刺激動揺データを構成する前記加減速による慣性力を表す成分のデータは、前記拡大成分を微分した値の低周波成分から生成され、
前記代替刺激動揺データを構成する前記カーブ時の車両の首振りを表す成分のデータは、前記水平成分の符号を反転することで生成されるデータである
前記第1の動揺データを生成する
ステップを含み、
前記第2の情報処理装置のプログラムは、
所定の周期で前記信号の送信を制御する第2の送信制御ステップと、
前記第1の送信制御ステップの処理で送信が制御された前記第1の動揺データと前記位置情報の受信を制御する第2の受信制御ステップと、
前記第2の受信制御ステップの処理で受信が制御された前記第1の動揺データが示す動揺を低減させるための前記第2の動揺データを生成する生成ステップと、
前記生成ステップの処理で生成された前記第2の動揺データを、前記第2の受信制御ステップの処理で受信が制御された前記位置情報に基づく分類をして蓄積するための制御をする蓄積制御ステップと、
前記第2の受信制御ステップの処理で受信が制御された前記位置情報に対応する前記第2の動揺データを前記蓄積制御ステップの処理で蓄積が制御された前記第2の動揺データのなかから読み出し、前記第1の情報処理装置への送信を制御する第3の送信制御ステップと
を含む
コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
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