JP4647770B2 - 時系列信号解析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、心音、心電図等の生体信号、その他音響信号を含む時系列信号の解析技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
音響信号に代表される時系列信号には、その構成要素として複数の周期信号が含まれている。このため、与えられた時系列信号にどのような周期信号が含まれているかを解析する手法は、古くから知られている。例えば、フーリエ解析は、与えられた時系列信号に含まれる周波数成分を解析するための方法として広く利用されている。
【0003】
このような時系列信号の解析方法を利用すれば、音響信号を符号化することも可能である。コンピュータの普及により、原音となるアナログ音響信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングし、各サンプリング時の信号強度を量子化してデジタルデータとして取り込むことが容易にできるようになってきており、こうして取り込んだデジタルデータに対してフーリエ解析などの手法を適用し、原音信号に含まれていた周波数成分を抽出すれば、各周波数成分を示す符号によって原音信号の符号化が可能になる。
【0004】
一方、電子楽器による楽器音を符号化しようという発想から生まれたMIDI(Musical Instrument Digital Interface)規格も、パーソナルコンピュータの普及とともに盛んに利用されるようになってきている。このMIDI規格による符号データ(以下、MIDIデータという)は、基本的には、楽器のどの鍵盤キーを、どの程度の強さで弾いたか、という楽器演奏の操作を記述したデータであり、このMIDIデータ自身には、実際の音の波形は含まれていない。そのため、実際の音を再生する場合には、楽器音の波形を記憶したMIDI音源が別途必要になるが、その符号化効率の高さが注目を集めており、MIDI規格による符号化および復号化の技術は、現在、パーソナルコンピュータを用いて楽器演奏、楽器練習、作曲などを行うソフトウェアに広く採り入れられている。
【0005】
そこで、音響信号に代表される時系列信号に対して、所定の手法で解析を行うことにより、その構成要素となる周期信号を抽出し、抽出した周期信号をMIDIデータを用いて符号化しようとする提案がなされている。例えば、特開平10−247099号公報、特開平11−73199号公報、特開平11−73200号公報、特開平11−95753号公報、特開2000−99009号公報、特開2000−99092号公報、特開平2000−99093号公報、特願平11−58431号明細書、特願平11−177875号明細書、特願平11−329297号明細書には、任意の時系列信号について、構成要素となる周波数を解析し、その解析結果からMIDIデータを作成することができる種々の方法が提案されている。
【0006】
特に、特開平10−247099号公報においては、心音あるいは肺音など生理的リズム音を、時系列の音響信号として取り込んだ後、符号化してその特徴を視覚的に表示することにより医療診断の支援を行なうことが記載されている。しかし、特開平10−247099号公報においては、心音を符号化して表示するに留まっており、その症状を解析するまでには到っていない。
【0007】
そもそも心音は心電図波形に比べて周波数帯域幅が広く病態も複雑であるため、自動解析が難しい。心音には健常者・異常者を問わず基本的なI音およびII音成分は必ず存在し、医師が診断を行なう際には、この心音成分を基準に他の余分な心音成分や心雑音成分を判断することが行なわれている。ところが、病弱な状態では不整脈を伴うことが多く、さらに心雑音が加わると、基本的なI音およびII音成分を検出することは熟練の医師でも困難である。近年では、このような心音の自動解析の試みも行なわれており、特開平5−309074号公報には、心電図の信号を同期信号として同時に取り込み、心音のI音およびII音成分を正しく獲得し、その上でニューラルネットにより病的な状態を判定する手法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の心音解析手法では、1)心音を取得するためのセンサ系とは別に心電図波形センサ系を必要とし、心音単独の信号は解析できない、2)病態判定手法は信号の振幅変化を基準にニューラルネットで行なっているため、ニューラルネットの学習状況(あらかじめ医師が多くのデータを入力して判定結果が正解になるように装置を訓練する必要あり)により診断能力が格段にばらつく、3)判定の基準に信号の振幅情報のみを用い、周波数分布を考慮していないため、音色が異なる心雑音の識別が原理的に困難である。4)判定結果は定性的に病態信号が言葉で示されるだけで、例えば「III音異常あり」といっても、どの程度の強さのIII音であるかという情報が残らない、等の問題が生じる。
【0009】
上記のような点に鑑み、本発明は、心音信号のみから解析を行なうことが可能な時系列信号解析装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明では、与えられた時系列信号に対して設定された所定の単位区間ごとに時系列信号と複数の周期関数との相関を求めることにより、各単位区間に対して複数の周波数要素を選出し、各単位区間ごとに、選出された複数の周波数要素を基に1つの統一周波数要素を算出し、算出された統一周波数要素を時系列に並べた統一周波数要素列の配列パターンを基に、連続する複数の統一周波数要素をブロック化したブロックデータを作成し、所定のルールに基づいて、作成された各ブロックデータに対して属性情報を付与するとともに、基本的な属性情報を付与することができなかったブロックデータに対応する統一周波数要素に対して、1つのブロックデータに対応する統一周波数要素列の配列パターンと詳細属性情報との対応関係を記録した詳細属性データベースを参照して付与すべき詳細属性情報を決定し、属性情報が付与された統一周波数要素を階層構造のテキスト情報として出力するようにしたことを特徴とする。請求項1に記載の発明によれば、特に周波数解析により得られる複数の周波数要素を1つの統一周波数要素にまとめ、この統一周波数要素列の配列パターンに基づいて診断情報などの属性情報を付与し、属性情報と共に統一周波数要素を構造文書化するようにしたので、与えられた時系列信号がどのような状態を意味しているのかを診断した結果の流通が容易になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(時系列信号の解析の基本原理)
はじめに、本発明に係る時系列信号の解析の基本原理を述べておく。この基本原理は、前掲の各公報あるいは明細書に開示されているので、ここではその概要のみを簡単に述べることにする。
【0014】
図1(a)に示すように、時系列信号としてアナログ音響信号が与えられたものとする。図1の例では、横軸に時間t、縦軸に振幅(強度)をとって、この音響信号を示している。ここでは、まずこのアナログ音響信号を、デジタルの音響データとして取り込む処理を行う。これは、従来の一般的なPCMの手法を用い、所定のサンプリング周波数でこのアナログ音響信号をサンプリングし、振幅を所定の量子化ビット数を用いてデジタルデータに変換する処理を行えば良い。ここでは、説明の便宜上、PCMの手法でデジタル化した音響データの波形も図1(a)のアナログ音響信号と同一の波形で示すことにする。
【0015】
続いて、この解析対象となる音響信号の時間軸上に、複数の単位区間を設定する。図1(a)に示す例では、時間軸t上に等間隔に6つの時刻t1〜t6が定義され、これら各時刻を始点および終点とする5つの単位区間d1〜d5が設定されている。図1の例では、全て同一の区間長をもった単位区間が設定されているが、個々の単位区間ごとに区間長を変えるようにしてもかまわない。あるいは、隣接する単位区間が時間軸上で部分的に重なり合うような区間設定を行ってもかまわない。
【0016】
こうして単位区間が設定されたら、各単位区間ごとの音響信号(以下、区間信号と呼ぶことにする)について、それぞれ代表周波数を選出する。各区間信号には、通常、様々な周波数成分が含まれているが、例えば、その中で成分の強度割合の大きな周波数成分を代表周波数として選出すれば良い。ここで、代表周波数とはいわゆる基本周波数が一般的であるが、音声のフォルマント周波数などの倍音周波数や、ノイズ音源のピーク周波数も代表周波数として扱うことがある。代表周波数は1つだけ選出しても良いが、音響信号によっては複数の代表周波数を選出した方が、より精度の高い符号化が可能になる。図1(b)には、個々の単位区間ごとにそれぞれ3つの代表周波数を選出し、1つの代表周波数を1つの代表符号(図では便宜上、音符として示してある)として符号化した例が示されている。ここでは、代表符号(音符)を収容するために3つのトラックT1,T2,T3が設けられているが、これは個々の単位区間ごとに選出された3つずつの代表符号を、それぞれ異なるトラックに収容するためである。
【0017】
例えば、単位区間d1について選出された代表符号n(d1,1),n(d1,2),n(d1,3)は、それぞれトラックT1,T2,T3に収容されている。ここで、各符号n(d1,1),n(d1,2),n(d1,3)は、MIDI符号におけるノートナンバーを示す符号である。MIDI符号におけるノートナンバーは、0〜127までの128通りの値をとり、それぞれピアノの鍵盤の1つのキーを示すことになる。具体的には、例えば、代表周波数として440Hzが選出された場合、この周波数はノートナンバーn=69(ピアノの鍵盤中央の「ラ音(A3音)」に対応)に相当するので、代表符号としては、n=69が選出されることになる。もっとも、図1(b)は、上述の方法によって得られる代表符号を音符の形式で示した概念図であり、実際には、各音符にはそれぞれ強度に関するデータも付加されている。例えば、トラックT1には、ノートナンバーn(d1,1),n(d2,1)・・・なる音高を示すデータとともに、e(d1,1),e(d2,1)・・・なる強度を示すデータが収容されることになる。この強度を示すデータは、各代表周波数の成分が、元の区間信号にどの程度の度合いで含まれていたかによって決定される。具体的には、各代表周波数をもった周期関数の区間信号に対する相関値に基づいて強度を示すデータが決定されることになる。また、図1(b)に示す概念図では、音符の横方向の位置によって、個々の単位区間の時間軸上での位置が示されているが、実際には、この時間軸上での位置を正確に数値として示すデータが各音符に付加されていることになる。
【0018】
音響信号を符号化する形式としては、必ずしもMIDI形式を採用する必要はないが、この種の符号化形式としてはMIDI形式が最も普及しているため、実用上はMIDI形式の符号データを用いるのが好ましい。MIDI形式では、「ノートオン」データもしくは「ノートオフ」データが、「デルタタイム」データを介在させながら存在する。「ノートオン」データは、特定のノートナンバーNとベロシティーVを指定して特定の音の演奏開始を指示するデータであり、「ノートオフ」データは、特定のノートナンバーNとベロシティーVを指定して特定の音の演奏終了を指示するデータである。また、「デルタタイム」データは、所定の時間間隔を示すデータである。ベロシティーVは、例えば、ピアノの鍵盤などを押し下げる速度(ノートオン時のベロシティー)および鍵盤から指を離す速度(ノートオフ時のベロシティー)を示すパラメータであり、特定の音の演奏開始操作もしくは演奏終了操作の強さを示すことになる。
【0019】
前述の方法では、第i番目の単位区間diについて、代表符号としてJ個のノートナンバーn(di,1),n(di,2),・・・,n(di,J)が得られ、このそれぞれについて強度e(di,1),e(di,2),・・・,e(di,J)が得られる。そこで、次のような手法により、MIDI形式の符号データを作成することができる。まず、「ノートオン」データもしくは「ノートオフ」データの中で記述するノートナンバーNとしては、得られたノートナンバーn(di,1),n(di,2),・・・,n(di,J)をそのまま用いれば良い。一方、「ノートオン」データもしくは「ノートオフ」データの中で記述するベロシティーVとしては、得られた強度e(di,1),e(di,2),・・・,e(di,J)を所定の方法で規格化した値を用いれば良い。また、「デルタタイム」データは、各単位区間の長さに応じて設定すれば良い。
【0020】
(周期関数との相関を求める具体的な方法)
上述した基本原理の基づく方法では、区間信号に対して、1つまたは複数の代表周波数が選出され、この代表周波数をもった周期信号によって、当該区間信号が表現されることになる。ここで、選出される代表周波数は、文字どおり、当該単位区間内の信号成分を代表する周波数である。この代表周波数を選出する具体的な方法には、後述するように、短時間フーリエ変換を利用する方法と、一般化調和解析の手法を利用する方法とがある。いずれの方法も、基本的な考え方は同じであり、あらかじめ周波数の異なる複数の周期関数を用意しておき、これら複数の周期関数の中から、当該単位区間内の区間信号に対する相関が高い周期関数を見つけ出し、この相関の高い周期関数の周波数を代表周波数として選出する、という手法を採ることになる。すなわち、代表周波数を選出する際には、あらかじめ用意された複数の周期関数と、単位区間内の区間信号との相関を求める演算を行うことになる。そこで、ここでは、周期関数との相関を求める具体的な方法を述べておく。
【0021】
複数の周期関数として、図2に示すような三角関数が用意されているものとする。これらの三角関数は、同一周波数をもった正弦関数と余弦関数との対から構成されており、128通りの標準周波数f(0)〜f(127)のそれぞれについて、正弦関数および余弦関数の対が定義されていることになる。ここでは、同一の周波数をもった正弦関数および余弦関数からなる一対の関数を、当該周波数についての周期関数として定義することにする。すなわち、ある特定の周波数についての周期関数は、一対の正弦関数および余弦関数によって構成されることになる。このように、一対の正弦関数と余弦関数とにより周期関数を定義するのは、信号に対する周期関数の相関値を求める際に、相関値が位相の影響を受ける事を考慮するためである。なお、図2に示す各三角関数内の変数Fおよびkは、区間信号Xについてのサンプリング周波数Fおよびサンプル番号kに相当する変数である。例えば、周波数f(0)についての正弦波は、sin(2πf(0)k/F)で示され、任意のサンプル番号kを与えると、区間信号を構成する第k番目のサンプルと同一時間位置における周期関数の振幅値が得られる。
【0022】
ここでは、128通りの標準周波数f(0)〜f(127)を図3に示すような式で定義した例を示すことにする。すなわち、第n番目(0≦n≦127)の標準周波数f(n)は、
f(n)=440×2γ (n)
γ(n)=(n−69)/12
なる式で定義されることになる。このような式によって標準周波数を定義しておくと、最終的にMIDIデータを用いた符号化を行う際に便利である。なぜなら、このような定義によって設定される128通りの標準周波数f(0)〜f(127)は、等比級数をなす周波数値をとることになり、MIDIデータで利用されるノートナンバーに対応した周波数になるからである。したがって、図2に示す128通りの標準周波数f(0)〜f(127)は、対数尺度で示した周波数軸上に等間隔(MIDIにおける半音単位)に設定した周波数ということになる。このため、本願では、図に掲載するグラフにおけるノートナンバー軸を、いずれも対数尺度で示すことにする。
【0023】
続いて、任意の区間の区間信号に対する各周期関数の相関の求め方について、具体的な説明を行う。例えば、図4に示すように、ある単位区間dについて区間信号Xが与えられていたとする。ここでは、区間長Lをもった単位区間dについて、サンプリング周波数Fでサンプリングが行なわれており、全部でw個のサンプル値が得られているものとし、サンプル番号を図示のように、0,1,2,3,・・・,k,・・・,w−2,w−1とする(白丸で示す第w番目のサンプルは、右に隣接する次の単位区間の先頭に含まれるサンプルとする)。この場合、任意のサンプル番号kについては、X(k)なる振幅値がデジタルデータとして与えられていることになる。短時間フーリエ変換においては、X(k)に対して各サンプルごとに中央の重みが1に近く、両端の重みが0に近くなるような窓関数W(k)を乗ずることが通常である。すなわち、X(k)×W(k)をX(k)と扱って以下のような相関計算を行うもので、窓関数の形状としては余弦波形状のハミング窓が一般に用いられている。ここで、wは以下の記述においても定数のような記載をしているが、一般にはnの値に応じて変化させ、区間長Lを超えない範囲で最大となるF/f(n)の整数倍の値に設定することが望ましい。
【0024】
このような区間信号Xに対して、第n番目の標準周波数f(n)をもった正弦関数Rnとの相関値を求める原理を示す。両者の相関値A(n)は、図5の第1の演算式によって定義することができる。ここで、X(k)は、図4に示すように、区間信号Xにおけるサンプル番号kの振幅値であり、sin(2πf(n)k/F)は、時間軸上での同位置における正弦関数Rnの振幅値である。この第1の演算式は、単位区間d内の全サンプル番号k=0〜w−1の次元について、それぞれ区間信号Xの振幅値と正弦関数Rnの振幅ベクトルの内積を求める式ということができる。
【0025】
同様に、図5の第2の演算式は、区間信号Xと、第n番目の標準周波数f(n)をもった余弦関数との相関値を求める式であり、両者の相関値はB(n)で与えられる。なお、相関値A(n)を求めるための第1の演算式も、相関値B(n)を求めるための第2の演算式も、最終的に2/wが乗ぜられているが、これは相関値を規格化するためのものでり、前述のとおりwはnに依存して変化させるのが一般的であるため、この係数もnに依存する変数である。
【0026】
区間信号Xと標準周波数f(n)をもった標準周期関数との相関実効値は、図5の第3の演算式に示すように、正弦関数との相関値A(n)と余弦関数との相関値B(n)との二乗和平方根値E(n)によって示すことができる。この相関実効値の大きな標準周期関数の周波数を代表周波数として選出すれば、この代表周波数を用いて区間信号Xを符号化することができる。
【0027】
すなわち、この相関値E(n)が所定の基準以上の大きさとなる1つまたは複数の標準周波数を代表周波数として選出すれば良い。なお、ここで「相関値E(n)が所定の基準以上の大きさとなる」という選出条件は、例えば、何らかの閾値を設定しておき、相関値E(n)がこの閾値を超えるような標準周波数f(n)をすべて代表周波数として選出する、という絶対的な選出条件を設定しても良いが、例えば、相関値E(n)の大きさの順にQ番目までを選出する、というような相対的な選出条件を設定しても良い。
【0028】
(一般化調和解析の手法)
ここでは、本発明に係る時系列信号の解析を行う際に有用な一般化調和解析の手法について説明する。既に説明したように、音響信号を符号化する場合、個々の単位区間内の区間信号について、相関値の高いいくつかの代表周波数を選出することになる。一般化調和解析は、より高い精度で代表周波数の選出を可能にする手法であり、その基本原理は次の通りである。
【0029】
図6(a)に示すような単位区間dについて、信号S(j)なるものが存在するとする。ここで、jは後述するように、繰り返し処理のためのパラメータである(j=1〜J)。まず、この信号S(j)に対して、図2に示すような128通りの周期関数すべてについての相関値を求める。そして、最大の相関値が得られた1つの周期関数の周波数を代表周波数として選出し、当該代表周波数をもった周期関数を要素関数として抽出する。続いて、図6(b)に示すような含有信号G(j)を定義する。この含有信号G(j)は、抽出された要素関数に、その振幅として、当該要素関数の信号S(j)に対する相関値を乗じることにより得られる信号である。例えば、周期関数として図2に示すように、一対の正弦関数と余弦関数とを用い、周波数f(n)が代表周波数として選出された場合、振幅A(n)をもった正弦関数A(n)sin(2πf(n)k/F)と、振幅B(n)をもった余弦関数B(n)cos(2πf(n)k/F)との和からなる信号が含有信号G(j)ということになる(図6(b)では、図示の便宜上、一方の関数しか示していない)。ここで、A(n),B(n)は、図5の式で得られる規格化された相関値であるから、結局、含有信号G(j)は、信号S(j)内に含まれている周波数f(n)をもった信号成分ということができる。
【0030】
こうして、含有信号G(j)が求まったら、信号S(j)から含有信号G(j)を減じることにより、差分信号S(j+1)を求める。図6(c)は、このようにして求まった差分信号S(j+1)を示している。この差分信号S(j+1)は、もとの信号S(j)の中から、周波数f(n)をもった信号成分を取り去った残りの信号成分からなる信号ということができる。そこで、パラメータjを1だけ増加させることにより、この差分信号S(j+1)を新たな信号S(j)として取り扱い、同様の処理を、パラメータjをj=1〜Jまで1ずつ増やしながらJ回繰り返し実行すれば、J個の代表周波数を選出することができる。
【0031】
このような相関計算の結果として出力されるJ個の含有信号G(1)〜G(J)は、もとの区間信号Xの構成要素となる信号であり、もとの区間信号Xを符号化する場合には、これらJ個の含有信号の周波数を示す情報および振幅(強度)を示す情報を符号データとして用いるようにすれば良い。尚、Jは代表周波数の個数であると説明してきたが、標準周波数f(n)の個数と同一すなわちJ=128であってもよく、周波数スペクトルを求める目的においてはそのように行うのが通例である。
【0032】
(本発明に係る時系列信号の解析方法)
続いて上記基本原理を利用した本発明に係る時系列信号解析の手法について説明する。図7は本発明による時系列信号の解析の概略を示すフローチャートである。図7に示すように、まず時系列信号の周波数解析を行なう(ステップS1)。ここで、時系列信号として取り込んだ心音波形の一例を図8に示す。ステップS1では、まず、図8に示したような心音波形(信号)に対して、上記基本原理で図1(a)を用いて説明したように単位区間を設定する。続いて、図2に示したような周期関数を用意し、各単位区間ごとに区間信号との相関を計算し、周波数要素を選出する。ここで周波数要素とは、選出される代表周波数と、この代表周波数に対応する相関強度の組を意味する。この周波数要素の選出には、上述のように短時間フーリエ変換か一般化調和解析のどちらかの手法が適用できるが、一般化調和解析の手法を用いるのが好ましい。また、上述のように選出する代表周波数の数は設定により決定することができるが、16個程度とすることが好ましい。ステップS1の周波数解析の結果選出された周波数要素を図9に示す。
【0033】
図9においては、周波数を音の高さ、相関強度を音の強さとして、周波数要素を下向きの三角形で示している。音の高さは三角形の上辺の上下方向における位置で表されており、音の強さは三角形の高さで表されている。また、単位区間の長さは三角形の上辺の長さで表されている。ステップS1の周波数解析において選出される周波数要素は各単位区間について16個程度とすることが好ましいが、図面が繁雑になるのを避けるため図9の例では各単位区間について3個ずつで示している。
【0034】
各単位区間について周波数要素が選出されたら、次に各単位区間ごとに統一周波数要素を算出する(ステップS2)。統一周波数要素を構成する統一周波数Nr(t)および統一強度Vr(t)は以下の(数式1)により算出される。
【0035】
(数式1)
Nr(t)=[Σ{n×Vn(t)}]/ΣVn(t)
Vr(t)=[Σ{ Vn(t)}21/2
【0036】
上記(数式1)において、nはノートナンバーであり、 Vn(t)はノートナンバーnに対応するベロシティである。また、Σにより算出される総和は周波数要素数分行なわれる。すなわち、16個の周波数要素が選出された場合は、16個分の総和が算出されることになる。(数式1)により統一周波数Nr(t)としては、各周波数要素を周波数軸と強度軸からなるグラフ上にプロットしたときの重心位置の周波数が算出されることになり、統一強度Vr(t)としては、強度分布の二乗平均値が算出されることになる。図9に示した周波数要素に対してステップS2の処理により算出された統一周波数要素を図10に示す。
【0037】
次に、心音のI音およびII音成分の含まれる可能性がない統一周波数要素を削除する(ステップS3)。心音のI音およびII音成分は比較的低い周波数帯域に存在している。そのため、所定の閾値より高い成分を削除する。この閾値は心音を音響信号として取り込むための心音センサ系の周波数特性などにより変化するため調整が必要であるが、通常ノートナンバー50付近を設定する。また、ノイズを削除するため、所定の閾値より小さい強度を有する成分を削除する。この閾値はベロシティの中央付近64程度が設定される。これにより図10に示した統一周波数要素から高周波数を有するものが削除され、図11に示すような統一周波数要素だけが残ることになる。
【0038】
次に残った統一周波数要素を統合したブロックデータを作成する(ステップS4)。具体的には時系列方向に隣接する統一周波数要素の統一周波数、相関強度の平均値を、統合により得られるブロックのブロック周波数、ブロック強度とする。図11に示した統一周波数要素をブロック化した状態を図12に示す。図12においてブロック化された周波数要素は四角形で示されている。四角形の上辺の上下方向における位置が音の高さを示しており、四角形の高さが音の強さを示している。また、四角形の幅は統合される単位区間の数が異なるため、各ブロックにより異なるものとなる。
【0039】
続いて各ブロックに対して属性情報の付与を行なう(ステップS5)。具体的には、I音、II音、その他の3種類の属性情報を与える。この判定は、次の4つのルールに基づいて行なわれる。
【0040】
音の高さ:II音はI音に比べて音高が高い。(II音>I音)
音の長さ:I音およびII音とも音の長さが短く固定しており、II音はI音より短い。(I音およびII音<長さ閾値、かつI音>II音)
音の強さ:I音およびII音とも他の成分に比べて強く、聴取するセンサの位置によりI音とII音のバランスが変化する。例外として、逆流性心雑音などはI音およびII音より強い場合がある。(I音およびII音>強さ閾値)
音の間隔:I音とII音の間隔はII音とI音の間隔に比べて短い。心拍数が増えるとII音とI音の間隔は短くなるが、I音とII音の間隔は変化しない、すなわちI音とII音の間隔に近づく。(I-II間隔<II-I間隔)
【0041】
この結果、図12に示した各ブロックには、図13に示すような属性情報が付与されることになる。続いて、統一周波数要素に対して対応する属性情報の付与を行なう(ステップS6)。ここで、ブロックデータと対応する統一周波数要素を重ねた状態を図14に示す。図14に示したような対応関係に基づき、ステップS6の処理では、まず、I音およびII音の属性情報が付与されたブロックデータに対応する統一周波数要素に同一の属性情報が付与される。続いて、その他の属性情報が付与されたブロックデータに対応する統一周波数要素については、その統一周波数要素列の配列パターンから詳細属性情報が登録されたデータベースを参照してIII音、IV音(またはIIIとIVの重合音)、心雑音(収縮期か拡張期かまたは連続性か、逆流性か駆動性かといったサブ分類も定義されている)、クリック音、摩擦音などのいずれであるかが決定され、該当する詳細属性情報が付与される。図14の例では、その統一周波数要素列の配列パターンからIII音とIV音の重合音であるという詳細属性情報が付与されることになる。さらに、図14の例では、ステップS3の処理において音高が所定の閾値よりも高いために削除された統一周波数要素に対してクリック音の詳細属性情報が付与される。この段階で、図13に示したブロックデータあるいは図14に示すような統一周波数要素をディスプレイ装置などの出力手段に表示させることも可能である。このように心音の属性情報と共に表示することにより患者の心音がどのような状態になっているかを一目で確認することができる。
【0042】
本実施形態では、属性情報が付与された統一周波数要素をさらに構造文書化する(ステップS7)。構造化文書としてXML(eXtensible Markup Language)規格を採用した場合のソースコードの一例を図15に示す。図15に示す例は、図14に示した統一周波数要素の先頭から心音の1周期分を構造文書化したものであり、21行で記述されている。なお、図15に記述されている統一符号データはMIDIに準拠して記述されている。XMLは基本的に1対のタグで実データが囲まれるような形式となっている。図15において、先頭の1行目と最終の21行目の一対のタグにより、文書の開始と終了が定義されている。2行目に記述された一対のタグでは、この文書の開始から終了までに記載されているMIDI規格準拠のイベントデータ(<Event>タグで定義)に定義されている発音開始時刻(<StartTime>タグで定義)および発音終了時刻(<EndTime>タグで定義)の時間の単位(1秒あたりの分解能)が定義されている。3行目の<HeartCycle>タグは心音の一周期分のデータが以下記載されていることを指示し、図15ではスペースの関係で途中までしか記載していないため終了タグ</HeartCycle>は省略してある。4行目から7行目は心音第I音を記述したものであり、4行目と7行目は心音第I音であることを示す一対のタグ、5行目と6行目はそれぞれ統一符号データをMIDI規格に準拠して記述したものである。例えば、5行目の<StartTime>、<EndTime>はMIDI規格ではデルタタイムという相対時刻で表現されている時刻を絶対時刻で記述しており、時刻「10」から時刻「20」まで発音されることを示している。また、5行目の<Pitch>はMIDI規格のノートナンバーに対応しており、ノートナンバー「30」に対応する音高で発音されることを示している。5行目の<Level>はMIDI規格のベロシティに対応しており、ベロシティ「60」に対応する音の強さで発音されることを示している。
【0043】
作成された構造化文書がXML形式である場合は、インターネット・ブラウザで閲覧できると共に、専用プレイヤーソフトウェアとMIDI音源を用いて心音を音響信号として再生することができる。具体的には、作成された構造化文書をWWWサーバに登録しておき、ユーザは自分のパソコンでブラウザを起動してインターネットでWWWサーバにアクセスし、XML文書を得る。次に、ブラウザにプラグインされているMIDIシーケンサソフトが、XML文書に記録されているMIDIデータに従ってMIDI音源を制御しながら、音響信号の再生を行なう。このように心音を符号化してXML形式で記録することは、インターネットを介して流通するのに便利であったり、MIDI音源を用いて再生するのに適しているだけでなく、近年XML形式を用いて電子カルテとして電子化が行なわれているカルテ情報との整合性の観点から見ても有効なものである。
【0044】
心音の属性が付与されたMIDIデータを電子カルテとして保存すると、MIDI音源で心音を再生できるという前述の効果以外に、以下で述べるように文書から診断に必要な定量的病態を読み取ることができるという効果がある。例えば、I音とII音などには亢進、減弱、分裂という病態があるが、これらの病態は属性で囲まれたMIDIイベントデータの数値から判断できる。すなわち、<Level>タグで囲まれたベロシティ(強さ)または<Pitch>タグで囲まれたノートナンバー(高さ)が所定値より高ければ亢進であり、所定値より低ければ減弱である。そして、図15のI音およびII音の例では時間軸上近接する2つのイベント(三角形で表現された音符)で構成されているが、これらが時間的に離れれば分裂と判断できる。すなわち前のイベントの<EndTime>タグの値と後のイベントの<StartTime>タグの値との差が所定値以上であれば分裂と判断できる。また心雑音の臨床診断でしばしばレビン(Levine)の分類(クラス1〜6まであり、1は聴診では聴取が困難で心音図でないと判別できない程度の弱い雑音で、6は聴診器をあてなくても側にいるだけで聞こえる強い雑音)が用いられるが、これも<Level>タグで囲まれたベロシティ(強さ)から判別できる。(ベロシティ数値から自動的に6クラスに分類することも可能であるが、ベロシティはオーディオ入力条件により変動するため完全自動化は困難である。)
【0045】
次に上述した本発明に係る時系列信号の解析方法を実現するための装置について説明する。図16は、時系列信号解析装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。図16において、1は時系列信号取得手段、2は周波数解析手段、3は統一周波数要素算出手段、4はブロックデータ作成手段、5は属性情報付与手段、6は詳細属性データベース、7は出力手段、8は構造化文書作成手段である。図16に示す時系列信号解析装置は現実にはコンピュータにオーディオ関係の周辺機器を接続し、専用のプログラムを搭載することにより実現される。
【0046】
時系列信号取得手段1は、時系列信号を取得するためのものであり、心音信号を取得する場合には、聴診器にマイクを取り付け、取得した心音をPCM等のデジタル信号に変換するサンプリング機器により実現される。周波数解析手段2は取得された時系列信号の周波数解析を行なって周波数要素を選出する機能を有し、具体的には、図7のステップS1の処理をコンピュータプログラムにしたがって実行する。統一周波数要素算出手段3は、周波数解析手段2により得られる各単位区間ごとの複数の周波数要素を統一した統一周波数要素を算出する機能を有し、具体的には、図7のステップS2の処理をコンピュータプログラムにしたがって実行する。ブロックデータ作成手段4は、複数の統一周波数要素をブロック化したブロックデータを作成する機能を有し、具体的には、図7のステップS3、S4の処理をコンピュータプログラムにしたがって実行する。属性情報付与手段5は、あらかじめ設定されたルールにしたがって、ブロックデータに対して、属性情報を付与すると共に、ブロックデータを作成する基になった統一周波数要素に属性情報を付与し、詳細属性データベース6から抽出した詳細属性情報をさらに付与する機能を有する。すなわち、属性情報付与手段5は、図7のステップS5、S6の処理をコンピュータプログラムにしたがって実行することになる。詳細属性データベース6は、統一周波数要素に付与するための詳細属性情報と統一周波数要素の配列パターンの対応を記録したデータベースであり、本実施形態では、心音の第III音、第IV音(またはIIIとIVの重合音)、心雑音(収縮期か拡張期かまたは連続性か、逆流性か駆動性かといったサブ分類も定義されている)、クリック音、摩擦音に対応するものが記録されている。出力手段7は作成されたブロックデータを対応する属性情報と共に表示したり、印刷したり、あるいはブロックデータに内包する音を合成再生するものであり、XML規格の特徴からXSLで記述されたスタイルシートを変えることにより、グラフ形式、表形式など様々な書式で表現できる。具体的に出力手段7は、CRT、液晶等のディスプレイ装置、モノクロまたはカラーの各種印刷方式のプリンタ装置、MIDI規格の音源装置、オーディオ出力アンプおよびスピーカ装置で実現される。構造化文書作成手段8は、詳細属性情報が付与された統一周波数要素をXML規格等のテキスト情報に変換する機能を有しており、具体的には、図7のステップS7の処理をコンピュータプログラムにしたがって実行する。
【0047】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず種々の変形が可能である。上記実施形態では、時系列信号として心音を解析する場合について説明したが、呼吸音などその他生体音響信号、心電図など非音響の生体時系列信号の解析にも適用でき、その他の分野では、例えばエンジン音などの音響信号を時系列信号として解析し、自動車のエンジンの故障診断などに適用することも可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、与えられた時系列信号に対して設定された所定の単位区間ごとに時系列信号と複数の周期関数との相関を求めることにより、各単位区間に対して複数の周波数要素を選出し、各単位区間ごとに、選出された複数の周波数要素を基に1つの統一周波数要素を算出し、算出された統一周波数要素を時系列に並べた統一周波数要素列の配列パターンを基に、連続する複数の統一周波数要素をブロック化したブロックデータを作成し、所定のルールに基づいて、作成された各ブロックデータに対して属性情報を付与し、属性情報が付与されたブロックデータを出力するようにしたので、与えられた時系列信号がどのような状態を意味しているのかを容易に確認することができ、同時にブロックデータに内包された統一周波数要素列を参照することにより定量的な診断基礎情報を得ることが可能となり、時系列信号として心音を取り込めば、患者の状態を正確に判断するのに役立つという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の時系列信号解析装置における信号解析の基本原理を示す図である。
【図2】本発明で利用される周期関数の一例を示す図である。
【図3】図2に示す各周期関数の周波数とMIDIノートナンバーnとの関係式を示す図である。
【図4】解析対象となる信号と周期信号との相関計算の手法を示す図である。
【図5】図4に示す相関計算を行うための計算式を示す図である。
【図6】一般化調和解析の基本的な手法を示す図である。
【図7】本発明による時系列信号の解析の概略を示すフローチャートである。
【図8】時系列信号として取り込んだ心音波形の一例を示す図である。
【図9】図8に示した心音波形から周波数解析により選出された周波数要素を示す図である。
【図10】図9に示した周波数要素を基に算出された統一周波数要素を示す図である。
【図11】図10に示した統一周波数要素から不要なものを削除した状態を示す図である。
【図12】図11に示した統一周波数要素を基に作成したブロックデータを示す図である。
【図13】図12に示した各ブロックに対して属性情報を付与した状態を示す図である。
【図14】ブロックデータと対応する統一周波数要素を重ねた状態を示す図である。
【図15】構造化文書としてXML規格を採用した場合のソースコードを示す図である。
【図16】本発明による時系列信号解析装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
1・・・時系列信号取得手段
2・・・周波数解析手段
3・・・統一周波数要素算出手段
4・・・ブロックデータ作成手段
5・・・属性情報付与手段
6・・・詳細属性データベース
7・・・出力手段
8・・・構造化文書作成手段

Claims (4)

  1. 与えられた時系列信号に対して設定された所定の単位区間ごとに時系列信号と複数の周期関数との相関を求めることにより、各単位区間に対して複数の周波数要素を選出する周波数解析手段と、
    各単位区間ごとに、選出された前記複数の周波数要素を基に1つの統一周波数要素を算出する統一周波数要素算出手段と、
    前記統一周波数要素を時系列に並べた統一周波数要素列の配列パターンを基に、連続する複数の統一周波数要素をブロック化したブロックデータを作成するブロックデータ作成手段と、
    1つのブロックデータに対応する統一周波数要素列の配列パターンと詳細属性情報との対応関係を記録した詳細属性データベースと、
    所定のルールに基づいて、前記作成された各ブロックデータに対して付与すべき属性情報を決定し、決定された属性情報を前記各ブロックデータに対応する統一周波数要素に付与するとともに、基本的な属性情報を付与することができなかったブロックデータに対応する統一周波数要素に対して前記詳細属性データベースを参照して付与すべき詳細属性情報を決定する属性情報付与手段と、
    前記属性情報が付与された統一周波数要素を階層構造のテキスト情報として出力するための構造化文書作成手段と、
    を有することを特徴とする時系列信号解析装置。
  2. 前記時系列信号が心音信号であり、前記基本的な属性情報が心音のI音成分およびII音成分であり、前記詳細属性データベースにおいてはIII音成分IV音成分等の異常心音成分や心雑音成分に対する配列パターンとの対応付けがなされていることを特徴とする請求項に記載の時系列信号解析装置。
  3. 前記統一周波数要素算出手段が、各単位区間において選出された複数の周波数要素の周波数、信号強度を基に周波数要素分布の重心値を統一周波数として算出し、前記複数の周波数要素の強度分布の二乗平均値を統一強度として与えるようにしていることを特徴とする請求項1または2に記載の時系列信号解析装置。
  4. 前記構造化文書作成手段が出力するテキスト情報がXML規格の書式に準拠して記述されており、内包する統一周波数要素が区間に対応するデルタタイム情報、周波数に対応するノートナンバー情報、強度に対応するベロシティー情報をもつMIDI形式で記述されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の時系列信号解析装置。
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