JP4647602B2 - メッセージ解析器およびメッセージ解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、OSI参照モデルの諸層からサービスアクセスポイントを介して伝送されるメッセージを解析するための、メッセージ解析器および方法に関するものである。
OSI参照モデルに従って構築された通信システムの場合において、OSI参照モデルの個々の層の間で伝送されるメッセージを解析するための、メッセージ解析器および方法が、これまで公開されていないDE10204657A1に記載されている。それによるとこのメッセージ解析器は、あらゆるメッセージの時間順に並べられた系列から個々のメッセージの間の因果関係を、それぞれに関連するOSI参照モデルの層には関わりなく表示できる手段を有している。この目的のため、伝送される各メッセージについて補足的な情報項目が試験実行の間に各記憶装置に保存され、それから当該解析器によって、どのメッセージがあるメッセージの結果として生成されたものかが判定できる。逆に、ある特定のメッセージに関して、どのメッセージがその特定の後続メッセージの送信の原因かを決定することもできる。
因果関係のある先行または後続のメッセージを決定するもとになるメッセージの選択は、ディスプレイ装置の第一の領域においてそのメッセージを選択する手段によって実施される。ディスプレイ装置のこの第一の領域では、単に限られた数のメッセージしか表示できない。ディスプレイ装置のこの第一の領域に表示されるそれぞれのメッセージは、記憶装置から前記の諸情報項目の読み込みののちに表の形で表示される。ここで、第一の領域に表示される情報項目の配列は、個々のメッセージについて保存されている時刻情報に基づいて実施される。
ここで、第一の領域に表示されるメッセージの数が試験実行の間に記憶装置に保存されるメッセージ総数のごく一部でしかないことは不都合である。特に、時刻情報に基づいてメッセージをソートするため第一の領域に多数のメッセージが表示されるが、それらのメッセージは残りのメッセージと直接的な因果関係もなければOSI参照モデルの同じ層に関係しているのでもないので、試験シナリオの解析の間ずっと無視されることもあるのである。
本発明の根底にある目的は、利用可能な全メッセージに関係するすべての情報をメッセージ解析器が読み込むことを必要とせずに、一つのサービスアクセスポイントを介して送信された多数のメッセージのための固有特性の評価が可能であるような、メッセージを分析するメッセージ分析器および方法を創り出すことである。
その目的は、本発明の請求項1に基づくメッセージ解析器によって、および本発明の請求項10に基づく方法によって達成される。
本発明に基づくメッセージ解析器の場合、当該メッセージ解析器の記憶装置に保存されているメッセージが選択器によって読み込まれる。個々のメッセージに関係する詳細な情報は、メッセージを時間順にリストすることによってディスプレイ装置の第一の領域に表示される。前記選択器によってある特定のグループのメッセージ、すなわちある特定のサービスアクセスポイントを介して送信されたメッセージ全体についての固有特性が決定される。この固有特性は次いで推移グラフとして多数のメッセージについてディスプレイ装置の第二の領域に表示されることができ、広い範囲のメッセージにわたって迅速な概観を可能にする。好ましくは、試験実行の間に記憶装置に保存されたメッセージ全数の固有特性の推移グラフが決定される。
よって、大きなグループのメッセージについて固有特性に関する評価が第二の領域に表示される推移グラフに基づいて可能となり、前記選択器によって読み込まれるデータ量が大幅に軽減される。データ転送は、一つまたは複数の特定のサービスアクセスポイントを介して送信されたメッセージについての固有特性の基礎になった情報のみの読み込みに制限され、よって読み込み時間が削減される。
本発明に基づく方法および本発明に基づくメッセージ解析器の有利な展開は従属請求項において述べられる。
特に、一つの特定のサービスアクセスポイントを介して送信されたメッセージの固有特性の推移グラフの評価の際、ある特定の時刻に送信されたメッセージのグループに関係する追加的な情報項目が必要となる。そのため、第一の領域に詳細情報を表示するためには、ある特定の系列のメッセージがすべての情報項目とともに記憶装置から選択器によって読み込まれる。ここで、第二の領域における特定の点を選択することによって選択器のためにメッセージが確定される。そのメッセージは第一の領域に表示するために読み込むべきメッセージの系列のための基準点をなす。
さらなる利点として、第二の領域において、特定の点の事前選択をして、第二の領域においてある特定の点がマークされるようにし、選択器によって第二の領域でこの印が選択されるとこの特定の点に対応するメッセージの系列だけが読み込まれるようにすることができる。特に、第二の領域において複数のそのような印が異なる特定の点を表している場合、第一の領域に表示されるべき個々の系列の間で反復的に切り換えることが簡単な仕方で可能である。たとえば試験実行における顕著な変化にマークが付されている場合、メッセージの系列においてそれぞれ生じる変化は互いに簡単な仕方で比較することができる。ここで、対応するマークの使用により正確に同じメッセージを第一の領域に繰り返し表示することができる。
試験実行の間、該試験実行に関係する追加的な情報項目をも記憶装置に保存することができる。たとえば試験実行のうちにある特定のイベントが発生した場合である。これはたとえば減衰の変化でありうる。その場合、固有特性の推移グラフを表示するときに図の対応する位置に自動的にマークが設定される。自動的に設定されたマークが第二の領域に表示されることで、保存されている時間順のメッセージにおいて決定的な点を容易にみつけることができる。そしてそれぞれの詳細な情報項目は、前記自動的に設定されたマークを選択することで選択器による保存装置から読み込まれることができる。選択器によって詳細な情報項目が読み込まれる特定のメッセージ系列を好適に位置特定することによって、メッセージの全体に関係して記憶装置に保存されている大量のデータのうちのごく小さな部分だけが読み込まれる。読み込む必要のあるデータ量がこれにより大幅に削減され、その結果として当該メッセージ解析器のユーザーフレンドリーさの改善が達成される。
本発明に基づく方法および本発明に基づくメッセージ解析器のある実施形態は図面において示されており、以下の記述においてより詳細に説明される。
本発明をよりよく理解できるよう、導入として、たとえば携帯電話システムのための新しいソフトウェアコンポーネントの試験の間に使われるような試験シナリオに関する、OSI参照モデルの例について図1の概略図を参照しながら手短かに説明する。OSI参照モデルは図1では単純化して表現されており、5層からなっている。これがたとえば携帯電話システムの加入者のエンドシステムを表現する。第1層はビット伝送層(PHY:
physical layer「物理層」)であり、物理的な情報の実際の伝送、すなわち有用なデータなどのビットごとの伝送を反映する。
ビット伝送層1の上には第2層2が配置されている(RLC: radio link control「無線リンク制御」/MAC: media access control「メディアアクセス制御」)。それに続いて第3層3(RRC: radio resource control「無線リソース制御」)、第4層4(MM: mobility management「移動性管理」)および第5層5(TC: test control「試験制御」5.1/CC: call control「呼び出し制御」5.2)がある。この第5層はアプリケーション層をなし、よって携帯電話加入者が、あるいは示されている実施形態では試験装置が使うためのインターフェースをなす。
試験実行を制御するために、前記したOSI参照モデルの上で試験シナリオ6が用いられる。この試験シナリオは、OSI参照モデルのさまざまな層とそれぞれのサービスアクセスポイントを介して通信する。水平面内に、すなわち層と層の間に配置されているサービスアクセスポイントに加えて、試験シナリオ6は個々の層と制御サービスアクセスポイントを介して通信する。制御サービスアクセスポイントは図1では縦方向の楕円として表現されており、参照符号7.1、7.2、7.3で指示されている。これらの制御サービスアクセスポイント7.1ないし7.3を介してそれぞれの層のプロトコルのパラメータを試験シナリオ6――プロトコル試験者によって規定されたあらかじめ決められた実行過程――によって関係する第3層、第4層または第5層について規定することができ、よって試験実行の間に好適に変更されることができる。
OSI参照モデルの個々の層は互いにメッセージの伝送によって通信する。メッセージはある層から別の層へそれぞれサービスアクセスポイントを介して伝送される。また、メッセージ伝送の間に、図1で横向きの楕円として表現されているサービスアクセスポイント、たとえば第2層のサービスアクセスポイント8.1、8.2、8.3の間の分化が起こることができる。他方、追加的に存在する縦に描かれたサービスアクセスポイント、たとえばビット伝送層1のサービスアクセスポイント9.1および第2層2のサービスアクセスポイント9.2はパラメータを転送するはたらきをするが、この場合はパラメータは外部の試験シナリオ6からくるのではなく、OSI参照モデルの別の層からくるものである。
試験実行の間に、OSI参照モデルの諸層のサービスアクセスポイントを介して伝送されるメッセージは、メッセージ解析器の記憶装置内のファイルに保存される。メッセージはこのいわゆる「ログファイル」に、メッセージの出所、メッセージが送信された各サービスアクセスポイント、送信時間などといった多くの情報項目とともに保存される。この目的のため、接続11が設けられる。それは図2において概略的に表現されるメッセージ解析器10の場合について示されている。
接続11を介して、メッセージは記憶装置13のインターフェース12を介してファイルとして時間順に保存される。記憶装置13に保存されているメッセージへのアクセスは選択器14による。選択器14によって、たとえば一部のメッセージが該メッセージに関係する記憶装置13内に存在する全情報とともに読み込まれることができ、あるいはある特定の基準についてその基準を満たすすべてのメッセージが選択されることができる。次いでこれらのメッセージについて、たとえば特定の固有特性が選択器14によって決定される。この目的のために記憶装置13の対応する記憶領域が選択器14によって好適にアクセスされ、それらのメッセージのすべての特性が選択器14によって記憶装置13から読み込まれることは必要でない。
個々のメッセージに関係して保存されている情報の一部のみが、選択器14によって記憶装置13から選択的に引き出される。よって、読み込まれるべき情報の量が軽減される。したがって、評価すべきデータについての読み込み時間が削減される。選択器14はディスプレイ装置15に接続され、ディスプレイ装置15はたとえばそこに表示されているウィンドウ内に第一の領域16および第二の領域17をもつ。
もしもたとえばメッセージの系列がその情報内容全体とともに選択器14によって読み込まれるとすると、この情報のすべては選択器14の第一の領域16に表示されることができる。その目的のためには、たとえば限られた数のメッセージ、すなわちある系列のメッセージがディスプレイ装置15の第一の領域16に時間順に表の形で表示される。各メッセージが送信された実時間に加えて、内容に関して該メッセージをより詳細に記述するさらなる情報項目が前記表中に表示されることができる。
他方、第二の領域17には、ユーザーが確定できる基準に従って選択される多数のメッセージについて、ごく一部の情報項目のみが表示される。そのような表示の例は、図3から図5を参照しつつのちにさらに詳細に説明する。
第一の領域16にはどのサービスアクセスポイントを介して送信されたメッセージも時間順に表示される一方、あるグループのメッセージの固有特性の推移グラフを表示するために、特定のサービスアクセスポイントを介して、特に一つの特定のサービスアクセスポイントを介して送信されたメッセージのみが評価され、それらの各メッセージの一つの基準から選択器14によって固有特性が決定される。
たとえばある特定のサービスアクセスポイントおよびある固有特性がユーザーによって確定されたのち、その固有特性と関係のあるメッセージそれぞれの情報項目が選択器14によって記憶装置13から読み込まれる。これらのメッセージの情報項目の読み込みは、この例では、ユーザーによって確定されたサービスアクセスポイントを介して送信されたメッセージについてのみ選択的に実施される。単純な例として、選択器14は、ある特定のサービスアクセスポイントを介して単位時間に何通のメッセージが送信されたかを決定することができる。この例では、単位時間あたりのメッセージ数が固有特性であり、一つまたは複数の特定のサービスアクセスポイントがユーザーによって選択される。選択器14によって、記憶装置13内に保存されているすべてのサービスアクセスポイントのメッセージ全体から、ユーザーによって確定されたサービスアクセスポイントを介して送信されたメッセージのグループを抽出することができる。それぞれの実時間から、それらのサービスアクセスポイントについて単位時間あたりに何通のメッセージが送信されたかが決定される。
ディスプレイ装置15の第二の領域17には次いで、固有特性、たとえば示されている例では単位時間あたりのメッセージ数が基本目盛りに対してプロットされる。よって第二の領域17には特定のメッセージについての固有特性に関係するグラフィック表示が与えられ、それにより試験実行の間にスキャンされる長い期間から迅速な選択ができるようになる。この目的のために、ディスプレイ装置15の第二の領域17に保存される推移グラフで、該表示されている推移グラフのある特定の点を選択手段18を用いてクリックすることによって選択を行うことができる。選択手段18はたとえばコンピュータマウスである。
そうして第二の領域17に表示されている推移グラフの特定の点を選択したのち、この特定の点に対応するメッセージの系列が選択器14によって記憶装置13から読み込まれる。好ましくは、このメッセージ系列に関係する利用可能な全情報が記憶装置13から読み込まれる。第二の領域17の推移グラフのうちのある特定の点の選択によって、限られたメッセージ系列についてのみ読み込まれる、当該内容に関係するこれらの情報項目は、次いでディスプレイ装置15の第一の領域16に再び表の形で表示される。
図3に、ディスプレイ装置15上のそのような表示の第一の例が示されている。この表示が示しているのはプログラムウィンドウ19で、該プログラムウィンドウ19には水平の仕切りがあって、上部に第一の領域16が配置されており、下部に第二の領域17が配置されている。プログラムウィンドウ19内の第一の領域16と第二の領域17の間では、第三の領域20および第四の領域21があって、たとえば第一の領域においてマークされたメッセージの構造や、第一の領域16の表に表示されている個々のメッセージのより上位の内容的な情報項目に関係する追加的な詳細情報を表示するはたらきをする。
4つの領域16、17、20、21に加えて、プログラムウィンドウ19はメニューバー22およびツールボタンバー23を示しているが、これらは他の用途のコンピュータプログラムから既知のものである。すでに述べたように、メッセージの系列は第一の領域16に表の形で表示される。個々の列24.1から24.10がその系列のメッセージに関係する情報項目を含んでいる。あるメッセージのエントリーはそれぞれ表示されている表で一つの行を含む。
第1列24.1では、メッセージのシリアル番号が表示される。第2列24.2はメッセージが送信された実時間を含んでおり、一方、第3列24.3および第4列24.4には当該メッセージとそれぞれ関連付けるべきシステム時刻が表示される。第5列24.5は各メッセージが基地局側のエンドシステムと携帯電話加入者のエンドシステムのどちらによって生成されたものかに関係するデータを含む。
第6列24.6では当該メッセージの基礎となるプロトコルが示されている。表示されている実施例では、使用される携帯電話プロトコルはUMTSである。第7列24.7は当該メッセージがOSI参照モデルに基づくどの層から送られたかを示す。第8列24.8はそれに対応して当該メッセージがどのサービスアクセスポイントを介して送信されたかを示す。さらに、図3では、複数のサービスアクセスポイントからメッセージが送信されていることがわかる。そうしたメッセージは時間的に密集して続いているため、異なるサービスアクセスポイントを介して送信された諸メッセージからなる系列が第一の領域16の表表示に表示されているのである。
個々のメッセージに関係するどの情報項目を第一の領域16に表示すべきかの選択は、選択メニューにおいてユーザーが行うことができる。それによりたとえば前記の列24.1から24.8および送信されたメッセージの型に関係するさらに二つの列24.9および24.10を調整することができる。選択手段18を援用して、ユーザーは第一の領域16における表表示の個々のメッセージをマークすることができ、選択されたメッセージは太字で、あるいは色でハイライトされたメッセージ25として表示される。
第一の領域16の表にすでに表示されている当該メッセージの情報内容に加えて、第三の領域20にハイライトされたメッセージ25に関係して、この個別のハイライトされたメッセージ25の構造が表示される。その際、階層構造は第三の領域20ではインデントによって再現される。第四の領域21では、第一の領域16のハイライトされたメッセージ25の値に関係する詳細な情報項目が表示される。ここでは当該メッセージの個々の構造要素のビットごとの表示が前にある。
ある個別のメッセージに関係する個々の詳細な情報項目が3つの領域16、20、21に表示されるのに対し、第二の領域17では、互いに関係している多数のメッセージについての固有特性の推移グラフ26が表示される。示されている実施例では、例としてデータ負荷、すなわちある特定のサービスアクセスポイントを介して単位時間に送信されるデータの量がy軸27に表示されている。示されている実施例ではキロバイト毎秒の単位が選ばれており、BCH(“Broadcast Channel”[ブロードキャストチャネル])と示されるアクセスポイントに関係するものである。そのことは第二の領域17の説明30に示されている。
第二の領域17に表示される説明30および推移グラフ26の内容は、第二の領域17に複数の推移グラフを表示しても明確な対応ができるようたとえば色で調整することができる。第二の領域17における複数の推移グラフの表示のための必要条件は、y軸27上にプロットする固有特性として同一の変数が使用され、さらにx軸28上の基本目盛りの基準変数が同一であるということである。
プログラムウィンドウ19内の第二の領域17が設けられているのは、推移グラフ26を表示するための用途に加えて、他の情報項目を表示するためでもある。この目的のため、第二の領域17にはレジスターカード(register cards)が設けられており、対応するタブ29によって前面にもってくることができる。
第一の領域16に挙げられているメッセージの系列は、第2列24.2に示されている実時間によるある特定の期間内のメッセージに関するものである。見えている表に表示されている時間領域については、第二の領域17に関連付けられたフレーム31が表示される。このフレームによって第一の領域16に挙げられているメッセージと、第二の領域17に表示されている固有特性から見た時間的に全体を通観する推移グラフとの間に簡単な時間的関連付けをすることが可能になる。
第一の領域16に表示されているメッセージ系列に対して、異なる時間的位置をもつ別のメッセージ系列を表示するため、選択器14によって記憶装置13から別のメッセージ系列が関連する情報項目とともに読み込まれる。この目的のためには、まず第二の領域17において選択手段18を援用して推移グラフ26のある位置を選択する。結果として、ある特定の点32の選択が実施される。ここで、この特定の点32はその際に使われた基本目盛り上の位置、すなわち示されている実施例では実時間の時間軸の役割をするx軸28上のある特定の時刻にのみ関係する。
第二の領域17で表示されている推移グラフ26におけるある位置をクリックして特定の点32を直接決めることに加えて、一つまたは複数のマーク33.1ないし33.4を設定することも可能である。これらのマークはそれぞれ特定の点を確定するが、まだその点を選択したことにはならない。個々のマーク33.1、33.2、33.3または33.4に対応べき特定の点の選択は、必要なマークをそれぞれたとえば選択手段18を介して改めて選択した場合にのみ実施される。対応するマーク33.1ないし33.4の一つを選択することによって、そのそれぞれの選択されたマーク33.1ないし33.4に関連付けられた特定の点が間接的に選択され、結果としてこの特定の点に対応するメッセージ系列が第一の領域16に表示される。ある特定の点が選択されるたびに、直接的にかマークを使って間接的にかは問わず、対応するメッセージ系列が選択器14によって記憶装置13から読み込まれる。
あるいはまた、第一の領域16に表示されるメッセージ系列はスクロールバーを活用することによって移動させることもできる。その際、第二の領域17に表示されているフレーム31はそれに対応して移動して表示される。
第二の領域17における推移グラフ26のためのグラフィック出力を、記憶装置13内においてたとえば実時間での特定の時刻を指定する追加的な情報項目に基づいて生成する間、さらなるマーク34.1および34.2が自動的に設定されるようにすることもできる。これらのさらなるマーク34.1および34.2を援用することで、評価の際に特に関心がもたれる特定のメッセージ系列を簡単な仕方で位置特定することができる。たとえば、図3で二つの自動的に設定されたマーク34.1および34.2について示されているように当該試験の実施の間に減衰が変化した時刻に関係する追加的な情報項目が、それぞれ試験シナリオ6によって記憶装置13に保存されることができる。マーク33.1ないし33.4と全く同じように、自動的に設定されたマーク34.1および34.2も選択手段18によって選択することができ、よって減衰の飛びに起因する変わった挙動が期待されるメッセージ系列を選択器14によって読み込み、第一の領域16に表示することができる。
第二の領域17では、好ましくは前記のさらなるマーク34.1および34.2に関係する短いデータ35.1または35.2が表示されている。このデータは、記憶装置13内に前記追加的情報項目が取り入れられた原因を示している。さらに、ユーザーによって手動で設定されたマーク33.1ないし33.4と前記のさらなるマーク34.1および34.2とを視覚的に区別できる仕方で表示することが有益である。
図4ではプログラムウィンドウ19のさらなる可能な表示例を示している。このウィンドウでは全部で3つの推移グラフ36、36′、36″が第二の領域17に表示されている。x軸28は再び実時間での時間軸である。y軸27には、図3の先の実施例と違って、データ負荷の代わりに、OSI参照モデルの複数の層についての単位時間あたりのメッセージ数がプロットされている。ここで、OSI参照モデルの一つの層の全サービスアクセスポイントのメッセージからの情報が選択器14によって処理されて、その層全体の共通の固有特性が決定される。
OSI参照モデルのある特定の層の全サービスアクセスポイントを介して送信されるメッセージ数は系列として集積され、対応する推移グラフ36、36′または36″として表示される。図4の実施例の第一の領域16では個々のメッセージが単に実時間に基づいて表の形に配列されるだけであり、図4の第二の領域17の変更された表示においても図3の特定の点32から外れるいかなる特定の点も選ばれていないので、第一の領域16では図3の実施例の場合と同じメッセージを見て取ることができる。第一の領域16に表示されているメッセージ系列を第二の領域17における時間範囲として再現するフレーム31の位置は、したがって図3の第二の領域17に示したフレーム31に対応する。
図3または図4に示した第二の領域17におけるそれぞれの表示の間では、操作者などが選択メニューの選択で切り換えることができる。第二の領域17における特定の点32の選択が変更され、それにより選択器14によって記憶装置13から新たなメッセージ系列が読み込まれない限りは、残りの領域16、20、21に表示されている情報項目が変更されることはない。図5の第三の実施例では、固有特性としては図3のデータ負荷の代わりにOSI参照モデルのある特定の層の繰り返し送信されたメッセージの数が推移グラフ46として表示されている。それに対応して、x軸28はやはり実時間であるが、y軸27の単位は今度は単位時間間隔あたりのメッセージ数である。さらなるマーク34.1および34.2の意味は特に容易に検知可能である。前記さらなるマーク34.2の付近で信号減衰が上昇する二番目のステップは、OSI参照モデルの表示されている層のメッセージの再送信数の急激な増加に結びついているからである。
説明のために選ばれた第二の領域の3通りの表示において、それぞれ実時間がx軸28の基本目盛りとして選択されていた。しかし、純粋な時間軸とする代わりに、x軸28を同一の幅の複数の区間に分割し、ある特定の送信メッセージ数が各区間を表すようにすることもできる。それにより、たとえば送信メッセージの総数がOSI参照モデルの個々の層にどのように分布しているかを推移グラフのうちに容易に読み取ることができる。実時間を用いた場合の、合計しても少数のメッセージしか送信されていない期間におけるx軸28の無用な広がりを避けることができ、その結果としてとりわけ明瞭な表示が実現される。ここで、それぞれの区間幅は操作者によってたとえば選択メニューによって調整可能である。
時間軸として構成されたx軸28のための基本目盛りとして実時間の代わりに、システム時刻を用いることもできる。たとえば区間あたりの送信フレーム数(RFN: “Radio Frame Number”[無線フレーム数])、あるいは区間あたりの送信チップ数の特定の値をきざみとするのである。
本発明は記載されている実施例に制限されるものではない。実施例の諸特徴は任意の仕方で組み合わせることもできる。
試験シナリオにおけるOSI参照モデルを例として示す図である。 本発明に基づくメッセージ解析器の実施形態の概略図である。 本発明に基づくメッセージ解析器のディスプレイ装置の表示の第一の例である。 本発明に基づくメッセージ解析器のディスプレイ装置の表示の第二の例である。 本発明に基づくメッセージ解析器のディスプレイ装置の表示の第三の例である。

Claims (17)

  1. 携帯電話システムの加入者のエンドシステムのOSI参照モデルの諸層(1,2,3,4,5)から一つまたは複数のサービスアクセスポイント(8.1,8.2,8.3,9.1,9.2,7.1,7.2,7.3)を介して伝送されるメッセージを解析するためのメッセージ解析器(10)であって、
    メッセージを保存するための記憶装置(13)と、
    ある特定の固有特性をもつメッセージのみを読み込む選択器(14)と、
    少なくとも一つの第一の領域(16)および一つの第二の領域(17)を表示するためのディスプレイ装置(15)、
    とを有しており、選択器(14)によって記憶装置(13)から読み込まれるメッセージの系列が第一の領域(16)にリストとして表示されることができ、
    接続点(11)を介して、前記サービスアクセスポイント(8.1,8.2,8.3,9.1,9.2,7.1,7.2,7.3)のうちのどのサービスアクセスポイントを介して伝送されるメッセージ前記記憶装置内でファイルに時間順に保存されることができ、前記選択器(14)が少なくとも一つのサービスアクセスポイント(7.1,7.2,7.3,8.1,8.2,8.3,9.1,9.2)について、メッセージ解析器内で個々のOSI参照モデルの層の間に配置されているサービスアクセスポイントを介して伝送されるメッセージの固有特性を決定し、この固有特性の推移(26)がディスプレイ装置(15)上で第二の領域(17)に表示されることができることを特徴とするメッセージ解析器。
  2. 前記選択器(14)がOSI参照モデルのある層の複数のサービスアクセスポイント(7.1,7.2,7.3,8.1,8.2,8.3,9.1,9.2)を介して伝送されるメッセージの固有特性を決定し、この固有特性の推移(26)がディスプレイ装置(15)上で該ディスプレイ装置(15)の第二の領域(17)に表示されることができる、
    ことを特徴とする請求項1記載のメッセージ解析器。
  3. 前記選択器(14)によって読まれるメッセージの系列が、第二の領域(17)において前記固有特性の推移(26)のある特定の点(32)を選択できる選択に依存する、
    ことを特徴とする請求項1または2記載のメッセージ解析器。
  4. 第二の領域(17)に表示される推移(26)においてマーク(33.1,33.2,33.3,33.4)によって少なくとも一つの特定の点をマークすることができ、該マーク(33.1,33.2,33.3,33.4)を選択すると前記特定の点に対応するメッセージの系列が記憶装置(13)から読み込まれる、
    ことを特徴とする請求項3記載のメッセージ解析器。
  5. 記憶装置(13)へのメッセージの保存の間に保存される追加的な情報項目に基づいて、マーク(34.1,34.2)が前記選択器(14)によって自動的に生成されることができる、
    ことを特徴とする請求項3または4記載のメッセージ解析器。
  6. 前記固有特性の推移(26)が第二の領域(17)においてx軸(28)が時間軸である座標系で表示されることができる、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項記載のメッセージ解析器。
  7. 第二の領域に表示される推移(26)の、前記第一の領域(16)で現在表示されているメッセージの系列にそれぞれ対応する領域がハイライトされる、
    ことを特徴とする請求項6記載のメッセージ解析器。
  8. 前記固有特性の推移が第二の領域(17)においてx軸(28)が同数のメッセージをもつ区間に分割されている座標系で表示されることができる、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項記載のメッセージ解析器。
  9. 前記固有特性が、時間区間あたりの伝送メッセージ数、および/またはOSI参照モデルのある層(1,2,3,4,5)のデータ負荷、および/または繰り返して伝送されたメッセージ数である、
    ことを特徴とする請求項1ないし8のうちいずれか一項記載のメッセージ解析器。
  10. 携帯電話システムの加入者のエンドシステムのOSI参照モデルの諸層(1,2,3,4,5)から一つまたは複数のサービスアクセスポイント(7.1,7.2,7.3,8.1,8.2,8.3,9.1,9.2)を介して伝送され、記憶装置(13)に保存されるメッセージを解析するための方法であって、コンピュータまたはデジタル信号プロセッサを使って:
    ・ある特定の固有特性をもつメッセージのみを読み込む選択器(14)によってメッセージの系列を読み込み、
    ・前記選択器(14)によって読み込まれたメッセージの系列をディスプレイ装置(15)の第一の領域(16)に表の形で表示する、
    方法ステップを有しており、
    接続点(11)を介して、前記サービスアクセスポイント(8.1,8.2,8.3,9.1,9.2,7.1,7.2,7.3)のうちのどのサービスアクセスポイントを介して伝送されるメッセージ前記記憶装置内でファイルに時間順に保存されることができ、
    携帯電話システムの加入者エンドシステムのOSI参照モデルの個々の層(1,2,3,4,5)からサービスアクセスポイント(7.1,7.2,7.3,8.1,8.2,8.3,9.1,9.2)を介して伝送されたメッセージの固有特性が前記選択器(14)によって決定され、
    前記固有特性の推移がディスプレイ装置(15)の第二の領域(17)に表示される、
    ことを特徴とする方法。
  11. OSI参照モデルのある層(1,2,3,4,5)の複数のサービスアクセスポイント(7.1,7.2,7.3,8.1,8.2,8.3,9.1,9.2)を介して伝送されるメッセージの固有特性が前記選択器(14)によって決定される、
    ことを特徴とする、請求項10記載の方法。
  12. 第二の領域(17)において前記固有特性の推移(26)のある特定の点(32)が選択され、
    前記特定の点(32)に依存するメッセージの系列が前記選択器(14)によって読み込まれる、
    ことを特徴とする請求項10または11記載の方法。
  13. 第二の領域(17)において、前記固有特性の推移(26)の少なくとも一つの特定の点がマーク(33.1,33.2,33.3,33.4)によってマークされ、
    該マーク(33.1,33.2,33.3,33.4)を選択すると該マーク(33.1,33.2,33.3,33.4)によってマークされていた前記特定の点に依存して対応するメッセージの系列が記憶装置(13)から選択器(14)によって読み込まれる、
    ことを特徴とする請求項10ないし12のうちいずれか一項記載の方法。
  14. 記憶装置(13)へのメッセージの保存の間に追加的な情報項目が保存され、
    前記追加的な情報項目に依存してマーク(34.1,34.2)が前記選択器(14)によって第二の領域(17)に自動的に生成される、
    ことを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 少なくとも一つの固有特性が第二の領域(17)においてx軸(28)が時間軸である座標系で表示される、
    ことを特徴とする請求項10ないし14のうちいずれか一項記載の方法。
  16. 第二の領域(17)において、前記第一の領域(16)で表の形で表示されているメッセージの系列にそれぞれ対応する領域がハイライトされる、
    ことを特徴とする請求項15記載の方法。
  17. 少なくとも一つの固有特性が第二の領域(17)においてx軸(28)が同数のメッセージをもつ区間に分割されている座標系で表示される、
    ことを特徴とする請求項10ないし14のうちいずれか一項記載の方法。
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