JP4646918B2 - 鬱血性心不全の診断法 - Google Patents

鬱血性心不全の診断法 Download PDF

Info

Publication number
JP4646918B2
JP4646918B2 JP2006538618A JP2006538618A JP4646918B2 JP 4646918 B2 JP4646918 B2 JP 4646918B2 JP 2006538618 A JP2006538618 A JP 2006538618A JP 2006538618 A JP2006538618 A JP 2006538618A JP 4646918 B2 JP4646918 B2 JP 4646918B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glycophorin
chf
monoclonal antibody
antibody
plasma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006538618A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007510915A (ja
Inventor
ヤコブスキー、ジョージ
リーショウ、トレイシィ ファン
サッチャー、ブラド
チャン、リューリン
イエンタ、ジェイソン
ラザモワリソロ、ミシェル
Original Assignee
シン.クス ファーマ、インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by シン.クス ファーマ、インコーポレイテッド filed Critical シン.クス ファーマ、インコーポレイテッド
Publication of JP2007510915A publication Critical patent/JP2007510915A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4646918B2 publication Critical patent/JP4646918B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6893Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids related to diseases not provided for elsewhere
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/32Cardiovascular disorders
    • G01N2800/325Heart failure or cardiac arrest, e.g. cardiomyopathy, congestive heart failure

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明は、一般に免疫学の分野、詳しくは異常状態または疾病状態を診断するための免疫学的アッセイの使用、より詳しくは鬱血性心不全(CHF)の診断に用いられる体液中を循環する短縮グリコホリンの定量のためのサンドイッチELISA(酵素結合免疫吸着法)アッセイに関する。
既知の疾患の診断は、病気の患者の主治医により通常行われる標準的同意所見(standard agreed-upon observation)を必要とする。いくつかの疾患については、正確な診断を下すのに十分な程度のほぼ確定的な結果を与える単回試験(例えば、糖尿病に関するブドウ糖負荷試験)が利用可能である。しかし、ほとんどの疾患は、かなり確かな診断に達するまでいくつかの高度な試験を必要とする。今のところ、治療的介入は、疾患の後期でしばしば開始されることから、多くの場合、この疾患に冒された患者の生活の質および寿命がわずかに改善されるにすぎない。疾患予防は、疾患治療よりも容易で、より効果的である。早期診断は、疾患関連死亡率を減少させ、患者の生活の質を高め、かつ寿命を延ばすことで、健康管理の全体的コストを下げる。したがって、早期診断で疾患を正しく診断することができる診断試験を開発することが、生物医学研究者の目的である。
鬱血性心不全(CHF)の早期診断は、進行性疾患により生ずる心臓再建が初期の治療的介入により遅くなるか、もしくは予防可能であることから、特に有益である。しかし、早期診断は、心臓がすでに構造的変化を生じるに至るまで一般に症状が現れないことから、早期診断が実現困難であることが明らかである。
CHFは、約500万人ものアメリカ人がかかっている高死亡率の重態である(CHFの議論に関しては、特許文献1を参照せよ)。現在のところ、CHFが本質的に異なった疾病経過ではなく、むしろ多発奇形の効果を表すと考えられており、多発奇形が相互作用することで、最終的に循環ポンプとして機能する心臓の能力の進行的消失が生ずる。CHFで生ずる主な病態生理学的異常は、視床下部−脳下垂体−副腎系、全身性内皮細胞機能不全、および心筋再構築の活性化である。CHFの進行は、心筋が損傷したり、あるいは高血圧および/または心筋梗塞から生じる心臓奇形等の現象によって開始される。近年では、インスリン抵抗性およびII型糖尿病等の特定の症状を有する患者は、ひとたびCHFを発症すると、心不全および予後不良について特に高いリスクを持つことが発見された(非特許文献1)。
疾病経過(例えば、糖尿病およびCHFで起こる疾病経過)は、しばしば細胞および/または組織障害をもたらし、その結果として細胞および/または組織特異的生体高分子マーカーが個人の体液に放出される。これらの生体高分子標識は、疾患および/または疾患進行の前兆である。そのような生体高分子マーカーと異常および/または疾病状態とが関連し合うことで、新たな診断への道(diagnostic avenues)が提供される。診断への道は、疾患の初期段階にある患者または発症の危険性がある患者を識別することを可能とすると思われる。CHFの診断に用いられる生体高分子マーカーの同定は、CHFに関連する革新的な病態生理学を考えれば、特に有益である。当該技術分野で不足していることは、CHFに罹った個人を特定することが可能な診断方法を効率的かつ容易におこなうことである。
米国特許第6,572,895号公報。 ソラング(Solang)他、欧州心臓学会誌(European Heart Journal)第20巻、781〜795頁、1999年。
本発明は、CHFを罹患した個人を特定するための、効率的かつ容易に実施可能な診断方法を提供する。この方法は、体液中の増加グリコホリンを定量するためにマウス・モノクローナル抗体(抗グリコホリン)を用いるサンドイッチELISAアッセイを含む。グリコホリンは、哺乳類赤血球細胞(RBC)の膜内在性タンパク質であり、高度にグリコシル化している。グリコホリンのグリコシル化は、RBC細胞表面の全体的な負電荷に関与しており、赤血球細胞間の正常な静電反発をもたらす。糖尿病およびCHFの疾病過程では、グリコホリン等の赤血球細胞(RBC)膜タンパク質が異常に減少して細胞表面の全体的な負電荷を少なくし、赤血球細胞間の正常な静電反発の低下をもたらす。その結果、糖尿病およびCHFの発症で赤血球の凝集が生ずる。本発明のサンドイッチELISAアッセイを用いることで、本発明者は、CHF患者の血漿中に含まれる異常な循環グリコホリンを同定した。このグリコホリンは、正常グリコホリンの分子量よりも低い分子量を持っていたことから、疾病過程でRBC膜から切断された短縮フラグメントであると予測される。
3種類のマウス・モノクローナル抗体(3F4、6G4、および5F4)が本発明のELISAアッセイで用いられる。モノクローナル抗体3F4は、配列番号2および配列番号4のアミノ酸残基5〜25(グリコホリンAおよびB)を認識する。モノクローナル抗体6G4は、配列番号2のアミノ酸残基39〜45(グリコホリンA)を認識する。モノクローナル抗体5F4は、配列番号2のアミノ酸残基107〜119(グリコホリンA)を認識する。
したがって、本発明の目的は、体液中を循環する異常な短縮グリコホリンを定量するための、マウス抗グリコホリン・モノクローナル抗体3F4、6G4、および5F4を用いたサンドイッチELISAアッセイを提供することである。
本発明の別の目的は、鬱血性心不全(CHF)の診断に用いられる短縮された循環グリコホリンを同定することである。
この発明の他の目的および利点は、添付した図と関連される以下の説明から明らかになるもので、この発明の特定の実施形態が説明および例示のために示される。図は、この明細書の一部を構成するもので、本発明の典型的な実施例を含み、本発明の種々の目的および特徴を説明する。
(図面の簡単な説明)
図1は、モノクローナル抗体3F4を用いたサンドイッチELISAから得られたデータを示す。
図2は、モノクローナル抗体6G4、5F4、および3F4を用いたサンドイッチELISAから得られるデータを示す図である。
図3は、グリコホリンに対する自己抗体の存在を評価する直接ELISAから得られるデータを示す図である。
図4は、CHF患者の血漿から得たグリコホリンの免疫沈降の結果を示す図である。
図5Aないし図5Cは、クロマトグラムを示す。図5Aは、CHF患者から得た捕獲グリコホリンを示し、図5Bは健康な患者から得た捕獲グリコホリンを示し、さらに図5Cは精製された捕獲グリコホリンを示す。
図6は、脱グリコシル化後のクロマトグムを示す図であって、上段のクロマトグラムは精製グリコホリン、中段のクロマトグラムはCHF患者由来の捕獲グリコホリン、および下段のクロマトグラムはグリコホリン試料無しで流した対照である。
定義
以下のリストは、本明細書全体にわたって使用される用語、慣用句、および略語を定義する。単数形で用語、慣用句、および略語が表されていても、定義はすべての文法的形態を包含することを意図している。
本明細書で用いられるように、略語「CHF」は鬱血性心不全のことをいう。
本明細書で用いられるように、略語「GP」はグリコホリンのことをいう。
本明細書で用いられるように、略語「GPA」はグリコホリンAのことをいう。
本明細書で用いられるように、略語「GPB」はグリコホリンBのことをいう。
本明細書で用いられるように、略語「GPAx2」はグリコホリンAの二量体化した形態のことをいう。
本明細書で用いられるように、略語「GPBx2」はグリコホリンBの二量体化した形態のことをいう。
本明細書で用いられるように、略語「ELISA」は酵素結合免疫吸着アッセイのことをいう。
本明細書で用いられるように、略語「RBC」は赤血球細胞のことをいう。
本明細書で用いられるように、略語「MoAb」はモノクローナル抗体のことをいう。
本明細書で用いられるように、略語「MS」は質量分析法のことをいう。
本明細書で用いられるように、略語「SELDI」は質量分析技術である表面活性化レーザー脱着イオン化のことをいう。
本明細書で用いられるように、略語「PBS」は燐酸緩衝生理食塩水のことをいう。
「REC」、「赤血球細胞(red
blood cell)」、および「赤血球(erythrocyte)」という用語は、本明細書では同義的に用いられる。
本明細書で用いられるように、用語「グリコホリン」は哺乳類赤血球の主要な膜内在性糖タンパク質のことをいう。グリコホリンは、高度にグリコシル化しており、AおよびBのイソ型で生ずる(コンサイス・エンサイクロペディア(Concise Encyclopedia):生化学および分子生物学(Biochemistry and Molecular Biology)、トーマス・A、スコット(Thomas A. Scott)およびE.アイアン・マーサー(E. Ian Mercer)によって改訂および増補、ワルター・デグライター(Walter deGruyter)、ベルリン−ニューヨーク(Berlin-New York)1997年、201〜202頁、ならびにインスタント・ノート(Instant Notes):生化学(BioChemistry)、第2版、B.D.ハムズ(B.D. Hames)およびN.M.フーパー(N.M. Hooper)、シュプリンガー出版(Springer-Verlag)、ニューヨーク(New York)、2000年、125、126、および130頁(RBC膜およびグリコホリンについての概論に関して)を参照せよ)。
本明細書で用いられるように、用語「循環する短縮グリコホリン(circulating, truncated glycophorin)」は、本発明のアッセイによってCHF患者の血清中に同定された異常グリコホリン・フラグメントのことをいう。グリコホリンAおよびBの細胞外部分を認識する3F4マウス抗グリコホリン・モノクローナル抗体は、この循環する短縮グリコホリンに結合する。この循環する短縮グリコホリンは、正常な可溶性グリコホリンとは構造的に異なり、疾病過程でRBC表面から切断されたフラグメントであると理論上想定される。
本明細書で用いられるように、用語「体液(biological fluid)」は任意の身体的液体をいう。非限定的な具体例として、血液、血液産物、尿、唾液、脳脊髄液、およびリンパ液が挙げられる。
本明細書で用いられるように、用語「被検体(subject)」は任意の哺乳類生物のことをいう。特に好ましい被検体はヒトである。
本明細書で用いられるように、用語「対応する(corresponding)」は、一般に抗体抗原結合複合体に関して使用され、例えば、ある抗原に対応する抗体が、生理学的条件下でその抗原に結合する。結合した抗体−抗原は、抗体抗原結合複合体と呼ばれる。
本明細書で用いられるように、用語「シグナル生成物質(signal generating substance)」は、測定可能な反応をおこなう任意の材料のことをいう。非限定的な具体例は、フルオロフォア、酵素、および放射性同位体である。特に好ましいシグナル生成物質は、ペルオキシダーゼがあり、その用途は本明細書の実施例で説明される。
本明細書で用いられるように、用語「鬱血性心不全(congestive heart failure)」は、心臓が循環ポンプとして機能する能力を失う進行性の消耗状態のことをいう。
本明細書で用いられるように、用語「抗体(antibody)」は、生理学的条件下で特異的分子に結合することが可能なBリンパ球によって分泌されるタンパク質のことをいう。
本明細書で用いられるように、用語「モノクローナル抗体(monoclonal antibody)は、単一エピトープ特異性を持つ抗体のことをいう。
本明細書で用いられるように、用語「ポリクローナル抗体(polyclonal antibody)は、多数のエピトープに結合可能な抗体のことをいう。
本明細書で用いられるように、用語「抗原(antigen)」は、概して免疫反応を誘導する任意の物質のことをいい、より詳しくは用語「抗原」は抗体の対応結合パートナーのことをいう。
本明細書で用いられるように、用語「自己抗体(auto-antibody)」は、自己抗原を認識する抗体のことをいい、例えば生物によって産生され、かつ該生物自体が持つタンパク質に結合する抗体は自己抗体として呼ばれる。
特異的抗体を用いて、生体試料中の対応する抗原の量を定量することができる。本明細書で用いられるように、用語「ELISA」は、酵素結合免疫吸着アッセイのことをいい、該アッセイは生体試料中の微量(ナノグラム未満)の抗原を検出および定量することができる。試験抗体を、不活性の高分子支持体(例えば、成形されたウエルを有するプラスチック・トレイ)に結合させ、続いて生体試料にさらす。未結合のタンパク質を洗い流し、試験抗体が反応する場合とは異なるエピトープで抗原と反応する二次抗体を加える。この二次抗体は、該二次抗体に結合した酵素を有し、この酵素は無色または非蛍光の基質を発色または蛍光産物に変換する。結合した二次抗体の量、したがって元の生体試料に存在するタンパク質抗原の量は、生じた色または蛍光の強度を定量することで、決定される。このELISAアッセイもまた、「間接ELISA」または「サンドイッチELISA」と呼ばれる(ELISAアッセイアッセイの一般原理については、インスタント・ノート(Instant Notes):生化学(Biochemistry)、第2版、B.D.ハムズ(B.D. Hames)およびN.M.フーパー(N.M. Hooper)、シュプリンガー出版(Springer-Verlag)、ニューヨーク(New York)、2000年、112〜114頁を参照せよ)。「直接(direct)」と呼ばれるELISAアッセイの形態も存在し、ここでは抗体を不活性ポリマー支持体に結合させ、対応の抗体を含む生体試料にさらす。
疾病過程の結果として、身体の細胞および組織に対する損傷は、細胞および亜細胞レベルで生ずる。当初は、これらのプロセスによって細胞の外膜が損傷を受け、細胞外マトリックスの部分が剥がれ落ちるだけであると考えられ、このようなプロセスは可逆的損傷として広く定義されている。病状の延時間および/または重症度が増加するにつれて、外膜が壊れ始めることで、膜の破裂が生じて細胞内成分が放出される。このようなプロセスは、不可逆的損傷として広く定義されている。そのような損傷が生ずると(可逆的または不可逆的)、生体高分子マーカーが体液循環(circulation)中に放出され、免疫系の活性化が生ずる。なぜなら、通常、該生体高分子マーカーは体液中に存在しないからである。免疫系は、無力化させるべき脅威を持つ侵入病原体または異物として、これらの生体高分子マーカーを見る。この察知された脅威に耐える目的で、自己抗体がこれらの生体高分子マーカーに対して形成される。これらの自己抗体を、生体に損傷を与える最初の侵襲があったことを示す続発症として特徴づけることができる。自己抗体の存在は、細胞損傷が自己抗体産生カスケードに至る免疫応答のイニシエーターとして作用するという理論を実証するものであり、この自己抗体産生カスケードは最終的にはそれ自体が特徴的であってしばしば予測可能な疾病状態として現れる。これらの生体高分子マーカーおよびそれらに関連した自己抗体の出現は、疾患および/または疾患進行の前兆であり、診断目的にとって有用である。
赤血球膜に対する損傷が疾病仮定(例えば、糖尿病およびCHF)で生ずることが知られている。これらの疾患では、酵素産生および/または活性化(好中球プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、シアリダーゼ、およびエンドペプチダーゼ)の増大があり、該増大は直接的および/または間接的に赤血球細胞膜タンパク質の異常な分解を導く(ガクジスカ(Gaczyiska)他。サイトバイオス(Cytobios)75:7〜11、1993; ベネランド(Venerando)他。血液(Blood) 99(3):1064〜1070、2002; ウェグナー(Wegner)他。心臓血管研究(Cardiovascular Research)31:891〜898、1996; ピオワー(Piwowar)他。臨床化学実験医学(Clinical Chemistry Lab Medicine) 38(12):1257〜1261、200; およびサントス・シルバ(Santoes-Silva)他。クリニカ・キミカ・アクタ(Clinica Chimica Acta) 320:29〜35、2002)。
さらに、赤血球(RBC)凝集性が糖尿病および脈管アテローム性動脈硬化症で増加することが詳しく記載されている(カイミ(Caimi)他。血栓症および止血(Thromb Haemost)83:516〜517、2000;デミログル(Demiroglu)他。実験臨床内分泌性糖尿病(Experimental Clinical Endocrinol
Diabetes)107(1):35〜39、1999; マルチンズ(Martinez)他。臨床血液流動学および微小循環(Clinical Hemorheology and Microcirculation)18:253〜258、1998; およびジエグラー(Ziegler)他。代謝(Metabolism) 43(9):1182〜1186、1994)。RBC膜リン脂質の変化は、RBC凝集性と関連している(マルチンズ(Martinez)他。臨床血液流動学および微小循環(Clinical Hemorheology and
Microcirculation)18:253〜258、1998)。スフィンゴミリエンは、外膜の主要なリン脂質であり、非糖尿病患者に比べて糖尿病患者に含まれる飽和脂肪酸の割合が高いことが示されている。この飽和の増加は、赤血球間での静電反発を減少させると考えられており、そのことは赤血球の凝集性を高めることになる。
グリコホリンの損失は、赤血球細胞の静電反発をさらに減少させる。グリコホリンは、主要なRBC膜内在性糖タンパク質である。グリコホリンの高シアル酸付加は、赤血球細胞間での正常な静電反発をもたらす負の表面電荷に関与する(アイラー(Eylar)他。生物化学雑誌(The Journal of Biological
Chemistry)237(6):1992〜2000 1962)。疾病過程(例えば、糖尿病)での酵素産生および/または酵素活性化の増加は、RBC膜からのグリコホリン類の損失をもたらす。これらのグリコホリン・フラグメントは体液中に放出されて自己抗体の産生を刺激する。次に、グリコホリンの減少は、RBC膜の正常な負電荷の減少をもたらし、血液細胞間での全体的な静電反発を減少させる。赤血球間での静電反発の損失は、糖尿病で見られる赤血球細胞の凝集を生ずる。
いかなる特定の理論にも束縛されることなく、本発明者は、本明細書に説明されたサンドイッチELISAアッセイを用いてCHF患者の血漿中に同定された循環短縮グリコホリンが、疾病過程中にRBC膜から切断される細胞外グリコホリン・フラグメントであると考える。この循環短縮グリコホリンは、グリコホリンの正常な可溶性形態とは構造的に異なる。配列番号2および配列番号4(グリコホリンAおよびB)のアミノ酸残基5〜25を認識するマウス抗グリコホリン3F4モノクローナル抗体は、循環グリコホリンも認識する。本発明者はまた、CHF患者が抗グリコホリン自己抗体の増加を示すことを直接ELISAアッセイによって示した。したがって、この循環短縮グリコホリンをCHF診断の新規生体高分子マーカーとして使用することができると結論する。
実験手順
配列
ホモ・サピエンス(ヒト)グリコホリンA核酸配列は、配列番号1として開示され、アミノ酸配列番号2として開示されたグリコホリンAタンパク質に翻訳される。ホモ・サピエンス(ヒト)グリコホリンB核酸配列は、配列番号3として開示され、アミノ酸配列番号4として開示されたグリコホリンBタンパク質に翻訳される。
抗体
以下の実験で用いたマウス抗グリコホリン・モノクローナル抗体は、バイオアトランティック(BioAtlantic)から購入した。モノクローナル抗体6G4は、配列番号2(グリコホリンA)のアミノ酸残基39〜45を認識する。モノクローナル抗体5F4は、配列番号2のアミノ酸残基107〜119を含むグリコホリンAの細胞内部分を認識する。モノクローナル抗体3F4は、配列番号2および配列番号4のアミノ酸残基5〜25であるグリコホリンAおよびBの細胞外部分を認識する。3F4抗体とそのエピトープとの結合は糖依存的であり、一方6G4抗体の結合は糖依存的ではない。これらのモノクローナルは、ラサモエリソロ(Rasamoelisolo)他、ボックス・サングイニス(Vox Sanguinis)72:185〜191、1997に、詳細に記載されている。
マウス抗グリコホリン3F4モノクローナル抗体を、寄託番号PTA−5154のハイブリドーマNaM26−3F4D11A2として、2000年4月23日に米国菌培養収集所(American Type Culture Collection)(ATCC)に寄託した。米国菌培養収集所(ATCC)の所在地は、20110−2209バージニア州マナッサス大学通り10801である。
サンドイッチELISAによるグリコホリンの定量
1μlの各MoAbを含有する50mM炭酸塩(pH9.4)100μlをELISAプレート(ヌク(Nuc)、デンマーク)に塗布し、一晩+4℃に設定した。次に、150mMのNaClを含有する0.01Mリン酸緩衝液(PBS)(pH7.4)(シグマ(Sigma)から購入)に0.05%トゥイーン(Tween)20を含有させた溶液(PBST)で、プレートを3回洗った。次に、プレートを、0.5%BSA(シグマ)含有PBST200μlで、37℃で30分間にわたり、ブロックした。100μlのCHF患者血漿(PRAISEI2試験)および健常対照血漿(インタージェン(Intergen))をPBSTで1/10に希釈したものをウエル毎に添加し(繰り返して同一試料を2つ用意)、それらを室温で2時間インキュベートした。PBSTで3回洗浄した後、100μlのウサギ・ポリクローナル抗グリコホリンA+B(バイオアトランティック(BioAtlantic)を添加して室温で1時間インキュベートした後、0.5%BSA含有PBSTで1/50,000に希釈したペルオキシダーゼ標識ロバ・ポリクローナル抗ウサギIgG(H+L)(ジャクソン・イムノリサーチ(Jackson ImmunoResearch)100μlを添加した。捕捉グリコホリンの存在は、100μlのTMB(モス(moss, Inc.))を添加することで検出される。50μlの1NHSOを添加することで反応を停止させた。次に、プレートをバイオラド(BioRad)のマイクロプレート・リーダー上、450nmで読み取った。
図1は、3F4モノクローナル抗体を用いたサンドイッチELISAの結果を示す。450nmの吸光度をY軸上に示す。CHF患者の血漿から捕捉されたグリコホリンを左側に、正常血漿(対照、n=36)から捕捉されたグリコホリンを右側に示す。シグナルは、独立t検定によって計算された対照よりもCHF血漿のほうが有意に高いこと(p<0.001)から、CHF血漿試料中に高濃度のグリコホリンがあることが示される。3F4MoAbは、グリコホリンAおよびBの両方に共通の配列(配列番号2および配列番号4のアミノ酸残基5〜25)を認識する。この結合は、このグリコホリン・フラグメントが高度にグリコシル化していることから、糖依存型である。
アッセイがグリコホリンの細胞外ポリペプチドまたはオリゴ糖鎖に特異的であるかどうかを確かめるために、MoAb6G4(配列番号2のアミノ酸残基39〜45を認識)および5F4(配列番号2のアミノ酸残基112〜129を認識)を用いた。両方とも、糖鎖とは関係なくグリコホリンAに結合する。
グリコホリン量が最も高い8つのCHF試料と、グリコホリン量が最も低い8つの正常血漿試料とを分析し、その結果を図2に示す。図2は、CHF患者由来の血漿に捕獲されたグリコホリンと対照である正常血漿に捕獲されたグリコホリンを含むサンドイッチELISAアッセイから得た結果を示す(n=8)。上段の図は、6G4MoAbを用いた結果を示す(p=0.001)。中段の図は、5F4MoAb(p=0.36)を用いた結果を示す。下段の図は、3F4MoAb(p=0.003)を用いた図を示す。Y軸は、450nmで読み取った吸光度を示す。これら3つの図では、CHF患者の血漿から捕獲したグリコホリンを左側に示し、正常血漿から捕獲したグリコホリンを右側に示す。結果は、6G4がCHF試料中のグリコホリン量の増加を検出する一方で、5F4がCHFとヒト正常血漿との間に有意の差がないことを示すことを表している。この結果は、抗体によって認識されたフラグメントが細胞外フラグメントであることから、CHFの進行中に赤血球細胞膜からグリコホリンが切断されることを示唆している。しかし、留意すべき点は、グリコホリンの可溶形がCHF患者血漿と同様に正常血漿にも存在し、それがグリコホリンの5F4モノクローナル抗細胞内ドメインによって検出されることである。
直接ELISAによる自己抗体の検出
0.5μgの血液型MM由来の精製グリコホリンまたは血液型MN由来のアシアログリコホリン類(シグマ(Sigma))を含有する50mM炭酸塩緩衝液pH9.4を、+4℃で一晩かけてELISAプレート上に吸着させた。150mMのNaClを含有する0.01Mリン酸緩衝液(pH7.4)(PBS)(シグマ(Sigma)から購入)に0.05%トゥイーン(Tween)20を含有させた溶液(PBST)で、プレートを3回洗浄した。次に、プレートを、0.5%BSA(シグマ(Sigma))含有PBST200μlで、37℃で30分間にわたり、ブロックした。100μlのCHF血漿(PRAISE2試験)および対照正常血漿(インタージェン(Intergen))をPBSTで1/100に希釈したものをウエル毎に添加し(繰り返して同一試料を2つ用意)、それらを室温で2時間インキュベートした。PBSTで3回洗浄した後、PBSTで1/10,000に希釈したペルオキシダーゼ標識ロバ・ポリクローナル抗ウサギIgG(H+L)(ジャクソン・イムノリサーチ(Jackson ImmunoResearch)100μlを添加した。自己抗体抗グリコホリンの存在は、TMB(モス社(Moss, Inc.))100μlを添加することで検出し、50μlの1NHSOによって反応を停止させた。次に、プレートをバイオラド(BioRad)のマイクロプレート・リーダー上、450nmで読み取った。
グリコホリンは、高量の糖鎖が存在することによって免疫原性が高いことが知られている。ひとたび血漿中に見いだされると、それによって抗グリコホリン自己抗体を産生する免疫応答が誘導されると考えられる。
グリコホリンに対するCHF誘導自己抗体の存在を示すために、血液型MN由来のグリコホリンおよび血液型MN由来のアシアログリコホリンをELISAプレートにコーティングし、健康なドナー由来の血漿またはCHF患者由来の血漿を添加した。図3は、正常およびCHF患者の血漿中でのCHF誘導自己抗体の存在を評価する直接ELISAアッセイの結果を示す(n=36)。上段の図では、血液型MN由来のグリコホリンをプレートにコーティングした(p=0.01)。下段の図では、血液型MN由来の脱シアリル化されたグリコホリンをプレート上にコーティングした(p=0.03)。Y軸は、450nmで読み取った吸光度を表す。図3は、グリコホリン上の重シアル酸および血液型(MまたはN)とは無関係にCHFでの自己抗体の存在を示す。
免疫沈降によるCHF血漿中グリコホリンの同定および免疫ブロット法による検出
PRIASEII試験から得たプールCHF血漿1.2mlを0.5%トリトン(Triton)X−100含有PBSでv/v希釈した。次に、2μlの3F4MoAb(1.7mg/ml)を添加した。+4℃で一晩インキュベートした後、セファロース(SEPHAROSE)−4Bビーズ(ザイメド(Zymed))に結合した25μlのヤギIgG抗マウスIgG(H+L)を添加した。混合物を+4℃で5時間インキュベートした後、ビーズを0.05%トゥイーン(Tween)20含有PBSで3回洗浄した。捕獲(糖)タンパク質を100μlの0.1Mグリシン(pH2.5)で溶出させ、1Mトリス(Tris)緩衝液(pH11)で中和させた。溶出液をセントリバプ・コンセントレーター(CentriVap Consentrator)(ラブコンコ(Labconco))で濃縮し、50μlのSDS−PAGE試料検証液中に懸濁し、100℃で5分間沸騰させた後、10%SDS−PAGEゲルにロードした。電気泳動終了後、タンパク質をニトロセルロース膜に移し、3F4MoAb抗−GPA+Bで染色した後、PBSTで1/50,000に希釈されたペルオキシダーゼ標識ヤギ・ポリクローナル抗マウスIgG(H+L)(ジャクソン・イムノリサーチ(Jackson ImmunoResearch)で染色した。次に、免疫ブロットをECL(アマシャム・ファルマシア(Amersham Pharmacia))を用いて可視化させた。カラムから溶出した3F4に対する二次抗体の交差反応性を制御するために、ブロットを二次抗体単独でインキュベートした。
3F4カラムによって捕獲された分子を溶出させて10%SDS−PAGEゲル上にロードし、同一MoAbに対する免疫ブロット法で評価した。図4に示すように、CHF血漿に見られるグリコホリンの分子量は、75、45、および40kDa(レーン2、3F4でインキュベートしたブロット)である。一般にグリコホリンは、正常赤血球細胞膜から精製された正常グリコホリンをロードしたレーン1に示されるように、GPAの二量体形、二量体GPA/GPB、GPBの二量体形、GPAの単量体形、およびGPBの単量体形として、それぞれが80−70−40−37、および20kDaに泳動する。したがって、CHF患者の血漿に見いだされるグリコホリンは、RBC膜から精製された正常グリコホリンと比較して、異なる分子量を有する。免疫ブロットを二次抗体単独(対照)とインキュベート、または3F4抗体とインキュベートした後に二次抗体とインキュベートした。レーン1(両方のブロットで)は、RBC膜から精製したグリコホリンを示し、レーン2(両方のブロット)はCHF患者血漿由来のグリコホリンを示す。25ないし200kダルトンのタンパク質マーカーを左端に示す。
対照ブロットおよび3F4ブロットで同定されたIgGは、免疫沈降に用いられ、かつカラムから分離したマウス・モノクローナル3F4である。200kDaを上回る(>200kDa)高分子量(MW)のバンドも検出される。本発明者は、このバンドの性質については確信がもてない。このバンドは、IgMまたはIgG自己抗体とグリコホリンとの複合形態と考えられる。
SELDI−TOFによるCHF患者試料でのグリコホリンの同定
本発明の方法は、質量分析の技術を用いておこなうことができる。PS20チップ(サイファージェン(Cyphergen))を純アセトニトリル(Acetonitrile)-190(ACN)(カレドン(Caledon))で洗浄して空気乾燥させた。50μgのプロテイン(Protein)G(ピアース(Pierce)を50μlの超純水に溶解し、1μlをACN(1μl)含有の各スポットにロードした。この混合物を湿度チェンバーで1時間インキュベートした後、スポットを10μlの0.5Mトリス(Tris)−HCl(pH7.4)(カレドン(Caledon)で15分間にわたりブロックした。次に、このチップを超純水で洗浄して空気乾燥した。モノクローナル抗体(MoAb)抗GPA+GPB、1.7mg/mlの3F4(バイオアトランティック(BioAtlantic)を0.1%トリトン(TRITON)X(シグマ(Sigma))含有PBSで1/3に希釈し、1スポットあたり3μlのMoAb溶液をロードし、湿度チェンバーで1時間インキュベートした。未結合のMoAbを、PBSによる洗浄でチップから洗い流した。
精製されたグリコホリン(シグマ(Sigma))、PRAISE2試験から得たCHF血漿、または正常血漿(インタージェン(Intergen))を、以下のようにして、3F4被覆チップに添加した。
1mg/mlのグリコホリンをPBSで1/5に希釈し、CHFおよび正常血漿試料を0.05%トウィーン(Tween)20含有PBSで1/5に希釈し、さらに各々の2μlを1スポット毎にロードした。次に、チップを湿度チェンバーで1時間インキュベートし、超純水で2回洗浄した。
次に、捕獲グリコホリンをエンドプロテアーゼGluC(ロッシュ・ダイアグノスティックス(Roche Diagnostics)で処理した。Gluc粉末を50μlの超純水に溶解し、50mM炭酸アンモニウム(pH7.8)(BDHラボラトリー・サプライズ(BDH Laboratory Supplies)による1/10希釈物を調製した。1μlのGluC溶液を各スポットに添加し、湿度チェンバーで2時間インキュベートした。次に、スポットを乾燥させて、飽和シナピン酸(シグマ(Sigma))含有0.5%TEA50%ACNを1μl添加した後に、SELDI上での直接分析またはカルバイオケム(Calbiochem)脱グリコシル化キットを用いる処理のいずれかをおこなった。次に、感度=10、強度=180〜190、および0〜5,000Daの範囲(0〜5,000Daに対して最適化)で、チップをSELDI(サイファージェン(Ciphergen))上で読み取った。
3F4チップ上に捕獲された(糖)タンパク質をGluCで処理した。図5Aは、CHF由来の捕獲グリコホリンのオン・チップ処理から得られた結果を示す。図5Bは、正常血漿試料のオン・チップ処理から得られた結果を示す。図5Cは、精製グリコホリンのオン・チップ処理から得られた結果を示す。図5Aないし図5Cに示すように、m/zが2361+Hである(糖)ペプチドが、CHFおよびグリコホリンの両方で見られたことから、CHFから捕獲された(糖)タンパク質は、グリコホリンとおそらく一致する。留意すべきことは、精製グリコホリンから得たクロマトグラム(図5Aないし図5C)およびCHF血漿から得たクロマトグラムは、重なり合うことはなかった。このことは、CHFに含まれるグリコホリンの構造がわずかに修飾を受けていると思われる。
捕獲(糖)タンパク質がグリコホリンと関連があることをさらに証明するために、捕獲(糖)タンパク質をチップ上で脱グリコシル化した。図6は、PS20チップ上にコーティングした3F4モノクローナル抗体を用いて、精製グリコホリンまたはCHF血漿のいずれかから捕獲した糖タンパク質のオン・チップ脱グリコシル化処理を示す。図6に示すように、少なくとも8つの主ピークが標準グリコホリンから生じたピークと今や一致した。また、ここで注目すべきことは、より多くのピークが検出され、それらはペプチドのみならず脱グリコシル化処理後に放出された糖鎖にも一致していることである。
結論として、本発明は、CHFの診断に用いられる、体液を循環する短縮グリコホリンを定量するためのサンドイッチELISAアッセイを提供する。グリコホリンが鬱血性心不全(CHF)のマーカーとして既に認識されていることに留意することが重要である。本発明者は、CHFのマーカーとしてグリコホリンを最初に記述したものであり、本明細書中に記載されたアッセイが、CHFを罹患した個人を識別することが可能な効率的かつ容易に実施可能な診断方法を提供する。
この明細書に述べた全ての特許および刊行物は、本発明が属する技術分野の当業者のレベルを示すものである。全ての特許および刊行物は、個々の特許および刊行物が具体的かつ個別的に参照によって取り込まれることを示している場合に、同程度に参照することによって、本明細書に取り込まれる。
本発明の特定の形態が例示される一方で本明細書に記載し、かつ示した特定の形態または構成要素の組み合わせに限定されるものではないことは、理解される。本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更が可能であり、また本発明が明細書に示し、かつ記載したものに限られて考慮されるものではないことは、当業者にとって明らかである。
当業者は、本明細書中に内在するものと同様に、目的を実行し、かつ言及された結果および利点を得ることに本発明が十分適していることを容易に理解する。本明細書中に記載したオリゴヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、生物学的に関連した化合物、方法、手順、および技術は、現在のところ好ましい実施形態を示し、例示的であることを意図しており、範囲を限定するものとして意図したものではない。その中での変更および他の用途は、当業者に想到され、それらは本発明の精神の範囲内に包含される。本発明は具体的な好ましい実施形態に関連させて説明したけれども、特許請求の範囲に記載したとおりに本発明はそのような具体的な実施形態に過度に限定されるべきではないと理解しなければならない。実際、当業者に周知である本発明を実行するための記載された態様の種々の修飾は、特許請求の範囲内であることを意味する。
モノクローナル抗体3F4を用いたサンドイッチELISAから得られたデータを示す。 モノクローナル抗体6G4、5F4、および3F4を用いたサンドイッチELISAから得られるデータを示す図である。 グリコホリンに対する自己抗体の存在を評価する直接ELISAから得られるデータを示す図である。 CHF患者の血漿から得たグリコホリンの免疫沈降の結果を示す図である。 CHF患者から得た捕獲グリコホリンのクロマトグラムを示す図である。 健康な患者から得た捕獲グリコホリンのクロマトグラムを示す図である。 精製された捕獲グリコホリンのクロマトグラムを示す図である。 脱グリコシル化後のクロマトグムを示す図であって、上段のクロマトグラムは精製グリコホリン、中段のクロマトグラムはCHF患者由来の捕獲グリコホリン、および下段のクロマトグラムはグリコホリン試料無しで流した対照である。

Claims (7)

  1. (A)1つのモノクローナル抗体複合体が形成される条件下で、1つの循環する短縮グリコホリン抗原に特異的な1つのモノクローナル抗体と1つの被検体から得た体液とを接触させるステップと、
    (B)前記モノクローナル抗体複合体を検出するステップと、
    ここにおいてモノクローナル抗体複合体の存在によって鬱血性心不全(CHF)が検知され、
    を有することを特徴とする、前記被検体の鬱血性心不全(CHF)を検知するための方法。
  2. 前記体液が、血液、血液産物、尿、唾液、脳脊髄液、およびリンパ液からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記モノクローナル抗体が3F4であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記モノクローナル抗体が6G4であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 前記検出が、(A)1つのポリクローナル抗体−抗原−モノクローナル抗体複合体が形成される条件下で、前記モノクローナル抗体複合体と前記グリコホリン抗原に特異な1つのポリクローナル抗体とを接触させるステップと、
    (B)前記ポリクローナル抗体を検知するステップと、
    を有することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  6. 前記体液が、血清または血漿であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  7. 1つの高いレベルの前記循環する短縮グリコホリンが画定されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
JP2006538618A 2003-11-11 2004-11-10 鬱血性心不全の診断法 Expired - Fee Related JP4646918B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/706,599 US20050100964A1 (en) 2003-11-11 2003-11-11 Diagnostic methods for congestive heart failure
PCT/CA2004/001945 WO2005045436A1 (en) 2003-11-11 2004-11-10 Diagnostic methods for congestive heart failure

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007510915A JP2007510915A (ja) 2007-04-26
JP4646918B2 true JP4646918B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=34552579

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006538618A Expired - Fee Related JP4646918B2 (ja) 2003-11-11 2004-11-10 鬱血性心不全の診断法

Country Status (6)

Country Link
US (3) US20050100964A1 (ja)
EP (1) EP1692513B1 (ja)
JP (1) JP4646918B2 (ja)
AU (1) AU2004287908A1 (ja)
CA (1) CA2544838A1 (ja)
WO (1) WO2005045436A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9517257B2 (en) 2010-08-10 2016-12-13 Ecole Polytechnique Federale De Lausanne (Epfl) Erythrocyte-binding therapeutics
CA2807942C (en) * 2010-08-10 2021-07-27 Ecole Polytechnique Federale De Lausanne Erythrocyte-binding therapeutics
US9850296B2 (en) 2010-08-10 2017-12-26 Ecole Polytechnique Federale De Lausanne (Epfl) Erythrocyte-binding therapeutics
MX2016010835A (es) 2014-02-21 2017-07-11 Anokion Sa Terapeuticos dirigidos a la glucosa.
US10046056B2 (en) 2014-02-21 2018-08-14 École Polytechnique Fédérale De Lausanne (Epfl) Glycotargeting therapeutics
US10953101B2 (en) 2014-02-21 2021-03-23 École Polytechnique Fédérale De Lausanne (Epfl) Glycotargeting therapeutics
US10946079B2 (en) 2014-02-21 2021-03-16 Ecole Polytechnique Federale De Lausanne Glycotargeting therapeutics
CN114773471A (zh) 2016-10-20 2022-07-22 天境生物科技(上海)有限公司 新的cd47单克隆抗体及其应用
EP3638296A1 (en) 2017-06-16 2020-04-22 The University Of Chicago Compositions and methods for inducing immune tolerance
CN112105386A (zh) * 2018-10-31 2020-12-18 天境生物科技(上海)有限公司 新的cd47抗体及其使用方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4208479A (en) * 1977-07-14 1980-06-17 Syva Company Label modified immunoassays
US6190691B1 (en) * 1994-04-12 2001-02-20 Adolor Corporation Methods for treating inflammatory conditions
CA2293718A1 (en) * 1997-06-10 1998-12-17 Medlyte Diagnostics, Inc. Methods for early detection of heart disease
CA2296997A1 (en) * 2000-01-18 2001-07-18 Vasogen Ireland Limited Treatment of congestive heart failure

Also Published As

Publication number Publication date
EP1692513B1 (en) 2012-06-06
US8263351B2 (en) 2012-09-11
CA2544838A1 (en) 2005-05-19
US20050100964A1 (en) 2005-05-12
EP1692513A1 (en) 2006-08-23
JP2007510915A (ja) 2007-04-26
US20090068676A1 (en) 2009-03-12
AU2004287908A1 (en) 2005-05-19
EP1692513A4 (en) 2008-02-20
US20110183436A1 (en) 2011-07-28
WO2005045436A1 (en) 2005-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8263351B2 (en) Diagnostic methods for congestive heart failure
JP6127084B2 (ja) 脳脊髄液の免疫的識別のための装置および方法
AU2010309808B2 (en) Biomarker for diagnosis, prediction and/or prognosis of acute heart failure and uses thereof
US20070178443A1 (en) Method for diagnosing liver fibrosis
US7998690B2 (en) Methods for the detection and monitoring of congestive heart failure
US7144705B2 (en) Diagnostic assay for stroke
JP5322556B2 (ja) 新規非アルコール性脂肪性肝疾患バイオマーカーおよび該バイオマーカーを用いた非アルコール性脂肪性肝疾患の検出方法
JP2009537812A (ja) 2型糖尿病プリフォームのバイオマーカー、及び2型糖尿病プリフォームの存在又は不在を検出する方法
JP5746978B2 (ja) 急性心不全の診断、予知及び/又は予後用バイオマーカー及びその使用
JP2008530547A (ja) 心不全の診断
WO2020220136A1 (en) Detection of biomarkers associated with brugada syndrome
EP1371986A1 (en) Diagnosis of Alzheimer's disease based on the hAbeta42:hAbeta40 ratio
WO2014093268A1 (en) Methods and systems for using complement-tagged molecules as biomarkers of disease
JP2012225941A (ja) 劇症1型糖尿病の検査方法及び検査試薬
KR101977410B1 (ko) 당뇨병에 대한 신규 바이오마커 및 그의 용도
US8841084B2 (en) Methods for the detection and monitoring of acute myocardial infarction
US20120282618A1 (en) Methods and assays for risk prediction, diagnosis, and analysis of myocardial infarction, heart failure and reduced cardiac function
TWI420106B (zh) Soluble CD14 as a biomarker for detection of coronary artery disease
WO2017067821A1 (en) A method for determining presence or risk of hemostasis disorder

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100127

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100309

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees