JP4646708B2 - 鉢植えの自動給水器 - Google Patents
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Description
特許文献1では、水溜め部に浮かぶフロートの浮力によって給水管の出入口を閉塞するバルブ機構を備えた鉢植えの自動給水器が提案されている。この特許文献1では、水溜め部の水位を一定に保って培養土の湿り気を一定に保つことができる。
そこで、本発明は、簡単な構造にて鉢植えの植物への灌水を自動的にかつ確実に行い得る鉢植えの自動給水器を提供することを目的とする。
また、上記水タンク部と上記水溜め部は、合体分離自在に構成され、分離状態にしたときに該水タンク部の上記水供給筒部から水が出ないように自動的に栓をするバルブ機構を備える。
また、上記バルブ機構は、上下移動自在に上記水供給筒部の内部に設けられる弁本体と、該弁本体を下方へ常時弾発付勢する弾発部材と、上記水溜め部の底壁上面側に立設されると共に合体状態で該弁本体を上方へ常時押す弁開放体と、を有する。
本発明に係る鉢植えの自動給水器は、鉢収納部内の水位を一定に維持でき、鉢植えの植物に最適な水量(水位)を確実に与えることができる。
また、水タンク部内の水を水溜め部へ長期間自動的に供給できるので、鉢植えの植物へ水を短期間に何回も与える必要がなく、灌水の手間がかからない。
また、電磁弁等の電力を必要とする部品が不必要なので、省エネルギー性に優れる。また、従来のフロート式の自動給水器と比較して、部品点数を少なくして構造を簡単にすることができる。これにより、信頼性の高い構造とすることができる。
また、水位調整手段により、植物・鉢の形状に対応して、植木鉢が最適な浸漬深さとなるように容易に設定できる。
また、バルブ機構により、水タンク部に水を補充する作業が煩雑にならない。
図1〜図3に於て、第1参考例の鉢植えの自動給水器は、植木鉢40を上方から挿入状に収納すると共に下方に複数の水浸入孔6…を有する上方開口状の鉢収納部4と、鉢収納部4の周囲を包囲する平面視環状の水タンク部2と、水タンク部2及び鉢収納部4の下方に配設されると共に上方開口状の水溜め用空間11を有する水溜め部3と、を備えている。
鉢収納部4は、底壁18と周壁20とを有する有底円筒状である。この鉢収納部4は、鉢植えの植木鉢40全体が余裕をもって納まる大きさに形成されている。また、鉢収納部4の下部は、水溜め部3の水溜め用空間11に納まるように配設される。
水浸入孔6…は、底壁18の外周縁部に、中心角度等ピッチとなるように複数設けられている。これら水浸入孔6…は、水溜め部3の水溜め用空間11に溜められた水を、鉢収納部4の内部へ導くために設けられている。また、水浸入孔6…は、例えば直径 2.0mm〜 5.0mm程度の適切な大きさにて形成され、鉢植えの植物50から鉢収納部4内部へ落ちた葉片,花びら等が、鉢収納部4外部へ出ていくのを防止している。
水タンク部2と水溜め部3は、合体分離自在に構成されている。具体的には、水タンク部2を水溜め部3の上に載置することによって、水タンク部2と水溜め部3は、合体するようになっている。そして、この合体状態において、鉢植えの自動給水器は使用される(つまり、水タンク部2と水溜め部3の合体状態が、鉢植えの自動給水器の使用状態となる)。また、水タンク部2を水溜め部3から分離させた分離状態では、水タンク部2のみを水道のある場所に持ち運んで、水タンク部2内に水を補充できるようになっている。
また、水タンク部2には、把持部21,21が設けられており、水溜め部3から水タンク部2を分離させた分離状態において水タンク部2の持ち運びを容易にしている。
水供給筒部1は、水タンク部2の底面24から下方へ突出状に形成されている。水供給筒部1は、その開口端1aが、水タンク部2と水溜め部3の合体状態(使用状態)において水溜め用空間11内の所定の高さ位置になるように、設定されている。
なお、水タンク部2内には、水が腐るのを防止するために、炭やAgイオンを発生させる天然鉱石等を入れておくのが好ましい。
水溜め部3は、皿状(浅箱状)であり、水タンク部2から水供給筒部1を通じて供給された水を水溜め用空間11内に溜めるようになっている。なお、水タンク部2と水溜め部3の合体状態(使用状態)では、水溜め用空間11は外気と通じている。
このバルブ機構7は、上下移動自在に水供給筒部1の内部に設けられる弁本体8と、弁本体8を下方へ常時弾発付勢する弾発部材16と、水溜め部3の底壁9上面側に立設されると共に合体状態で弁本体8を上方へ常時押す弁開放体10と、を有している。
弁本体8は、水供給筒部1の内部孔1bを形成する壁面に橋架された保持部27に、上下移動自在に保持されている。この弁本体8は、一方端に円盤状押し当て部26を有し、他方端に傘状のパッキン25を有している。弁本体8のパッキン25は、水タンク部2の内部側から水供給筒部1の内部孔1bを塞ぐようになっている。
また、弁開放体10は、テーパ円柱状に形成されており、水タンク部2と水溜め部3の合体状態(使用状態)では、その先端が弁本体8の押し当て部26を押すようになっている。
まず、最初、水溜め部3から水タンク部2を一旦分離させて水タンク部2内に水を補充した後、図3に示すように、水タンク部2と水溜め部3とを合体させると、弁本体8が開いた状態となり、水溜め部3内に水が溜まり、水位Bが上がっていく。そして、図5に示すように、水溜め部3内の水位が、水供給筒部1の開口端1aの高さ位置(以下、位置Aとする)まで上昇したとき、水タンク部2内への空気の流入が抑制される。また、このとき、位置Aにおいて、水タンク部2内の圧力と水溜め部3内の水に加わる圧力(大気圧)とのバランスがとられる。これにより、水タンク部2内の水の水溜め部3への流入が停止する。
Pw1 =ρgH1
P1 +Pw1 =P1 +ρgH1 =P0
なお、ρは水の密度であり、gは重力加速度である。
水溜め部3の水は、水浸入孔6…を通って鉢収納部4の内部に浸入するが、鉢収納部4は上方開口状で外気と通じているので、鉢収納部4内の水には、水溜め部3内の水と同じ大気圧P0 が加わって、鉢収納部4内の水位と水溜め部3内の水位とは等しくなる。
鉢収納部4内の水は、植木鉢40の孔部41を通して植木鉢40の内部側へ入り込み、培養土43を湿らせる。この際、鉢収納部4内の水位が適切になるように位置Aが設定されているので、過度に植物50に水が供給されることがない。なお、鉢収納部4内の水位が適切であるとは、植木鉢40の底面48a(底壁48)から水面までの高さCが、例えば1〜3cmとなるように設定されていることをいう。
図6は、図5の状態から水タンク部2内の水が減少した状態を示している。この状態において、水タンク部2内の水の位置Aから水面までの高さをH2 と共に、水タンク部2内の高さH2 の水の単位面積当りの重量を圧力で表示したものをPw2 とすると、Pw2 と水タンク部2内の空気の圧力P2 と水溜め部3内の水に加わる圧力(大気圧)P0 との関係は、次のようになる。
Pw2 =ρgH2
P2 +Pw2 =P2 +ρgH2 =P0
なお、H1 >H2 なので、P1 <P2 となる。
このように、水タンク内の空気の圧力P1 ,P2 は、常に大気圧P0 よりも低く、いわゆる負圧を保っている。
植木鉢40の底面48a(底壁48)の高さ位置を調整するための高さ調整手段19を備える場合を例示している。具体的には、植木鉢40は、下方に突出状の複数の脚部45…を有するものが使用される。脚部45には、雄ねじ部49が形成されている。そして、鉢植えの自動給水器は、植木鉢40の脚部45…に螺合する高さ調整脚46…を有している。高さ調整脚46…は、例えばペットボトルのキャップ状に形成され、雌ねじ部47を有している。また、高さ調整脚46は、脚部45に螺合されており、高さ調整脚46…を脚部45…に対して上下方向に螺進退させることによって、鉢収納部4に対する植木鉢40の底面48a(底壁48)の高さ位置を調整可能となっている。この構造により、(水溜め部3内の水位は位置Aのところで一定となるので、)高さ調整脚46…を上下方向に螺進退させることで植木鉢40の水への浸漬深さが変化することになる。
他の構造は、第1参考例と同様である。
水溜め部3内の水位を所望の水位に維持するための水位調整手段17を備えている。具体的には、水位調整手段17は、水供給筒部1に取り付ける水位調整用筒部28を有している。この水位調整用筒部28は、雄ねじ部30を有している。そして、雄ねじ部30を、水供給筒部1の内部に形成された雌ねじ部29に螺合させることによって、水供給筒部1に対して水位調整用筒部28が上下方向に螺進退自在となっている。これにより、水位調整用筒部28の開口端28aの水溜め用空間11における高さ位置を変更することが可能となる。ここで、水溜め部3の水位は、開口端28aの高さ位置となるので(図5に示した上述の第1参考例と同様に考えればよい)、水溜め部3内の水位を所望の水位に設定して、植木鉢40の水への浸漬深さを設定できる。
他の構造は、第1参考例と同様である。
鉢収納部4を省略した場合を例示している。具体的には、鉢植えの自動給水器は、植木鉢40を上方から挿入可能な上下貫通状の植木鉢挿通孔32を有する水タンク部2と、水タンク部2の下方に配設されると共に上方開口状の水溜め用空間11を有する水溜め部3と、を備えている。また、水タンク部2は、使用状態で唯一の開口部となると共に水溜め部3の水溜め用空間11に挿入される水供給筒部1と、密封栓13を有する水注入孔部14と、を有している。
また、水注入孔部14は、水タンク部2の上面側に設けられている。
また、バルブ機構7は、弁開放体10を有していない。その代わり、水供給筒部1の開口端1aよりも下方へ弁本体8の下端34が延伸状となっている。これにより、水タンク部2と水溜め部3との合体状態では、水溜め部3の底面33に弁本体8の下端34が接触して弁本体8が上方へ押し上げられた状態になる。
なお、別の参考例のバルブ機構7を、第1参考例と同様の構造(即ち、弁開放体10を有する構造)にするのも、もちろん自由である。
また、鉢収納部4の水浸入孔6に網31を張って、鉢収納部4内部へ落ちた葉片,花びら等が水溜め用空間11側へ入り込むのを防止するのも好ましい。
また、電磁弁等の電力を必要とする部品が不必要なので、省エネルギー性に優れる。また、従来のフロート式の自動給水器と比較して、部品点数を少なくして構造を簡単にすることができる。これにより、信頼性の高い構造とすることができる。
また、水タンク部2は、鉢収納部4の周囲を包囲しているので、鉢収納部4の脇に水タンク部2を配設する場合と比較して省スペース性に優れた構造とすることができる。
また、鉢収納部4が、上方開口状であると共に水浸入孔6…を有するので、鉢植えの植物50から鉢収納部4内部へ落ちた葉片,花びら等が、鉢収納部4外部へ出ていくのを防止し得る。これにより、水溜め部3の水が汚れるのを防止し得る。
2 水タンク部
3 水溜め部
4 鉢収納部
6 水浸入孔
7 バルブ機構
8 弁本体
9 底壁
10 弁開放体
11 水溜め用空間
13 密封栓
14 水注入孔部
16 弾発部材
17 水位調整手段
19 高さ調整手段
28 水位調整用筒部
28a 開口端
29 雌ねじ部
30 雄ねじ部
32 植木鉢挿通孔
40 植木鉢
48a 底面
Claims (3)
- 植木鉢(40)を上方から挿入状に収納すると共に下方に水浸入孔(6)を有する上方開口状かつ有底円筒状の鉢収納部(4)と、該鉢収納部(4)の周囲を包囲する平面視環状の水タンク部(2)と、該水タンク部(2)及び該鉢収納部(4)の下方に配設されると共に上方開口状の水溜め用空間(11)を有する水溜め部(3)と、を備え、
上記鉢収納部(4)の下部は、上記水溜め用空間(11)内に配設され、
上記水タンク部(2)は、使用状態で唯一の開口部となると共に上記水溜め部(3)の上記水溜め用空間(11)に挿入される下方突出状の水供給筒部(1)と、密封栓(13)を有する水注入孔部(14)と、を有し、
さらに、上記水供給筒部(1)に形成された雌ねじ部(29)と、該雌ねじ部(29)に螺合する雄ねじ部(30)を有すると共に上下方向に螺進退自在な水位調整用筒部(28)と、を備えた水位調整手段(17)を具備し、
上記水溜め部(3)内の水位が上昇して上記水位調整用筒部(28)の開口端(28a)の高さ位置となった際に、上記水タンク部(2)への空気の流入が抑制され、該水タンク部(2)内の水が上記水溜め部(3)へ流入するのを停止するように構成し、
上記水位調整用筒部(28)を螺進退させて、上記水溜め用空間(11)における上記開口端(28a)の高さ位置を変更して、上記水溜め部(3)内の水位を所望の水位に調整するように構成したことを特徴とする鉢植えの自動給水器。 - 上記水タンク部(2)と上記水溜め部(3)は、合体分離自在に構成され、分離状態にしたときに該水タンク部(2)の上記水供給筒部(1)から水が出ないように自動的に栓をするバルブ機構(7)を備える請求項1記載の鉢植えの自動給水器。
- 上記バルブ機構(7)は、上下移動自在に上記水供給筒部(1)の内部に設けられる弁本体(8)と、該弁本体(8)を下方へ常時弾発付勢する弾発部材(16)と、上記水溜め部(3)の底壁(9)上面側に立設されると共に合体状態で該弁本体(8)を上方へ常時押す弁開放体(10)と、を有する請求項2記載の鉢植えの自動給水器。
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