以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した通信システムの構成例を示している。
図1の例において、インターネットに代表されるネットワーク2には、ユーザAが操作する通信制御装置1−1、ユーザBが操作する通信制御装置1−2、およびユーザCが操作する通信制御装置1−3が接続されている。ネットワーク2は、有線で構成されるが、無線であってもよい。
なお、図1の例においては、通信制御装置1−1乃至1−3が3台のみ示されているが、ネットワーク2には、任意の台数の通信制御装置1が接続される。また、以下、通信制御装置1−1乃至1−3を個々に区別する必要がない場合、まとめて通信制御装置1とも称する。
通信制御装置1は、ネットワーク2に接続される他の通信制御装置1と通信回線を確立し、確立後においては、常時、データを相互に通信し、通信により得られたデータをユーザに提示する。これにより、ユーザは、通信相手とのコミュニケーション(通信)を行うことができる。
例えば、ユーザAが、ユーザBとコミュニケーションを行う場合、通信制御装置1−1は、ユーザAの映像データおよび音声データを、ネットワーク2を介して通信制御装置1−2に送信し、通信制御装置1−2から送信されてくるユーザBの映像データおよび音声データを受信している。
このとき、通信制御装置1−1は、ユーザAの状態や動作などに対応して入力される、ユーザB(通信制御装置1−2)との通信に対する要求の度合いを表すユーザAの要求情報を、ネットワーク2を介して通信制御装置1−2に送信するとともに、ユーザBの状態や動作などに対応して入力される、ユーザA(通信制御装置1−1)との通信に対するユーザBの要求情報を、ネットワーク2を介して通信制御装置1−2から受信する。
通信制御装置1−1は、ユーザAの要求情報およびユーザBの要求情報の相関関係に基づいて、ユーザBから受信したデータの提示度合いを調整して、調整したデータに対応する情報(すなわち、映像や音声)を、ユーザAに対して提示する。あるいは、通信制御装置1−1は、ユーザAの要求情報およびユーザBの要求情報の相関関係に基づいて、ユーザBに送信するデータの提示度合いを調整して、調整したデータを、通信制御装置1−2に送信し、調整したデータに対応する情報を、ユーザBに対して提示させる。
さらに、例えば、ユーザAが、ユーザCとコミュニケーションを行う場合、通信制御装置1−1は、ユーザAの映像データおよび音声データを、ネットワーク2を介して通信制御装置1−3に送信し、通信制御装置1−3から送信されてくるユーザCの映像データおよび音声データを受信する。
このとき、通信制御装置1−1は、ユーザAの状態や動作などに対応して入力される、ユーザC(通信制御装置1−3)との通信に対するユーザAの要求情報を、ネットワーク2を介して通信制御装置1−3に送信するとともに、ユーザCの状態や動作などに対応して入力される、ユーザA(通信制御装置1−1)に対するユーザCの要求情報を、ネットワーク2を介して通信制御装置1−3から受信する。
通信制御装置1−1は、ユーザAの要求情報およびユーザCの要求情報の相関関係に基づいて、ユーザCから受信したデータの提示度合いを調整して、調整したデータに対応する情報を、ユーザAに対して提示する。あるいは、通信制御装置1−1は、ユーザAの要求情報およびユーザCの要求情報の相関関係に基づいて、ユーザCに送信するデータの提示度合いを調整して、調整したデータを、通信制御装置1−3に送信し、調整したデータに対応する情報を、ユーザCに対して提示させる。
なお、通信制御装置1−2による通信制御装置1−1との通信および通信制御装置1−3との通信、並びに、通信制御装置1−3による通信制御装置1−1との通信および通信制御装置1−2との通信も同様であり、繰り返しになるのでその説明を省略する。
以上のように、通信制御装置1においては、他の通信制御装置1との通信に用いるデータの提示度合いが、ユーザの通信に対する要求情報と通信相手の通信に対する要求情報の1対1の相関関係に基づいて調整され、調整されたデータに対応する情報がユーザに対して提示される。
したがって、例えば、通信相手に対して、コミュニケーションを望んでいないときに、多くの情報が通信相手に送信されてしまったり、反対に、通信相手に対して、コミュニケーションを望んでいても、通信相手には一切、その要求が伝わらないなどの、ユーザと通信相手のコミュニケーションにおける双方の不都合が生じることが抑制される。
これにより、ユーザと通信相手の双方にとって、快適なコミュニケーション環境が提供される。
図2は、図1の通信制御装置1のハードウェアの構成例を示している。
通信制御装置1は、例えば、図2に示されるパーソナルコンピュータで構成される。CPU(Central Processing Unit)11は、ROM(Read Only Memory)12、または記憶部18に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)13には、CPU11が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU11、ROM12、およびRAM13は、バス14により相互に接続されている。
CPU11にはまた、バス14を介して入出力インタフェース15が接続されている。入出力インタフェース15には、キーボード、マウスなどよりなる操作入力部16、ディスプレイ、ステレオスピーカ、振動(バイブレーション)発生器などよりなる出力部17が接続されている。CPU11は、操作入力部16から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU11は、処理の結果を出力部17に出力する。
入出力インタフェース15に接続されている記憶部18は、例えばハードディスクからなり、CPU11が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部19は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワーク2を介して外部の装置と通信を確立する。
また、通信部19を介してプログラムを取得し、記憶部18に記憶してもよい。
入出力インタフェース15に接続されているドライブ20は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア21が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部18に転送され、記憶される。
ここで、CPU11が、各種のプログラムを実行することにより、図2のコンピュータは、図1の通信制御装置1として機能することとなる。この場合、プログラムは、図2のコンピュータに内蔵されている記録媒体としてのROM12や記憶部18に予め記録しておくことができる。あるいはまた、プログラムは、磁気ディスクや、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブルメディア21に、一時的あるいは永続的に格納(記録)し、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブルメディア21から図2のコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、デジタル衛星放送用の人工衛星を介して、図2のコンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、ネットワーク2を介して、図2のコンピュータに有線で転送してインストールすることもできる。
図3は、通信制御装置1の機能構成例を示すブロック図である。図3の例においては、通信制御装置1−1および1−2の機能構成例が示されており、図3に示される機能ブロックは、通信制御装置1−1および1−2のCPU11により所定のプログラムがそれぞれ実行されることで実現される。
なお、図3の通信制御装置1−1および1−2の入出力インタフェース15−1および15−2には、図2に接続される各部の他に、さらに、要求情報入力部31−1および31−2、要求情報提示部32−1および32−2、映像音声入力部33−1および33−2がそれぞれ接続されている。
要求情報入力部31−1は、ユーザの状態(相対方位、視線方向、相対距離)、ユーザの動作(ジェスチャ、移動)、ユーザによる要求情報入力部31−1の操作など検出し、検出結果に応じて、通信に対するユーザAの要求情報を、入出力インタフェース15−1を介して、入出力バランス制御部41−1に入力する。
要求情報提示部32−1は、例えば、色の異なる複数のLED(Light Emitting Diode)などで構成され、入出力インタフェース15−1を介して、入出力バランス制御部41−1からのユーザAの要求情報、および各通信相手の要求情報を、ユーザAに対して提示する。
映像音声入力部33−1は、例えば、カムコーダなどで構成される。映像音声入力部33−1は、ユーザA(被写体)を撮像し、ユーザAの音声を集音し、撮像された映像の映像データや集音された音声の音声データを、入出力情報調整部42−1に入力する。なお、映像音声入力部33−1は、ユーザAの心音を、振動データとして入力したり、集音された環境音やユーザAの音声などを、振動データとして入力することもできる。
要求情報入力部31−2、要求情報提示部32−2、および映像音声入力部33−2は、要求情報入力部31−2、要求情報提示部32−2、および映像音声入力部33−2と同様の構成であるため、その説明は繰り返しになるので省略する。以下、要求情報入力部31−1および31−2、要求情報提示部32−1および32−2、並びに映像音声入力部33−1および33−2を区別する必要がない場合、それぞれ、まとめて要求情報入力部31、要求情報提示部32、並びに、映像音声入力部33と称する。
通信制御装置1−1の入出力バランス制御部41−1は、要求情報入力部31−1から入力されるユーザAの要求情報を取得し、取得したユーザAの要求情報を、入出力インタフェース15−1を介して、要求情報提示部32−1に出力し、要求情報提示部32−1に提示させるとともに、要求情報送受信部43−1に出力し、ユーザBの通信制御装置1−2に送信させる。
入出力バランス制御部41−1は、要求情報送受信部43−1から入力されるユーザB(通信相手)の要求情報を取得し、取得したユーザBの要求情報を、入出力インタフェース15−1を介して、要求情報提示部32−1に出力し、提要求情報提示部32−1に提示させる。また、入出力バランス制御部41−1は、取得したユーザAの要求情報およびユーザBの要求情報の相関関係に応じた制御情報を算出し、算出した制御情報に基づいて、入出力情報調整部42−1を制御する。
入出力情報調整部42−1は、入出力バランス制御部41−1の制御のもと、データ通信制御部44−1からのユーザBのデータの提示度合い(提示バランス)を調整し、調整したデータを、入出力インタフェース15−1を介して出力部17−1に出力させる。あるいは、入出力情報調整部42−1は、入出力バランス制御部41−1の制御のもと、映像音声入力部33−1から入出力インタフェース15−1を介して入力されるユーザAのデータの提示度合いを調整し、調整したデータをデータ通信制御部44−1に出力する。
要求情報送受信部43−1は、通信部19により通信が確立された通信相手(ユーザB)の通信制御装置1−2に、ユーザAの要求情報を送信したり、通信制御装置1−2からのユーザBの要求情報を受信する。
通信制御部44−1は、データ通信制御部51−1a,51−2a,…として、通信部19により通信が確立された通信相手の通信制御装置1毎に分かれて構成され、常時、データを、通信部19により通信が確立された通信相手の通信制御装置1と通信する。
データ通信制御部51−1aは、通信部19により通信が確立された通信相手(ユーザB)の通信制御装置1−2に、入出力情報調整部42−1からのユーザAの映像データや音声データを送信し、通信制御装置1−2からのユーザBの映像データや音声データを受信し、受信したユーザBの映像データや音声データを、入出力情報調整部42−1に出力する。
データ通信制御部51−2aは、通信部19により通信が確立された通信相手(ユーザC)の通信制御装置1−3に、入出力情報調整部42−1からのユーザAの映像データや音声データを送信し、通信制御装置1−3からのユーザCの映像データや音声データを受信し、受信したユーザCの映像データや音声データを、入出力情報調整部42−1に出力する。
通信制御装置1−2の入出力バランス制御部41−2、入出力情報調整部42−2、要求情報送受信部43−2、並びに、データ通信制御部51−1b,51−2b,…で構成される通信制御部44−2は、上述した通信制御装置1−1の入出力バランス制御部41−1、入出力情報調整部42−1、要求情報送受信部43−1、並びに、データ通信制御部51−1a,51−2a,…で構成される通信制御部44−1と同様の構成であるため、その説明は繰り返しになるので、省略する。
なお、以下、入出力バランス制御部41−1および41−2、入出力情報調整部42−1および42−2、要求情報送受信部43−1および43−2、通信制御部44−1および44−2、データ通信制御部51−1aおよび51−1b、並びに、データ通信制御部51−2aおよび51−2bを、個々に区別する必要がない場合、それぞれ、入出力バランス制御部41、入出力情報調整部42、要求情報送受信部43、通信制御部44、データ通信制御部51−1、並びに、データ通信制御部51−2とも称する。
図4は、図3の入出力バランス制御部41および要求情報送受信部43の構成例を示す図である。
図4の入出力バランス制御部41は、要求情報取得部61、制御情報算出部62、制御関数記憶部63、および調整制御部64により構成されており、要求情報送受信部43は、要求情報送信部71、および要求情報受信部72により構成されている。
要求情報取得部61は、要求情報入力部31から入力されるユーザの要求情報を取得し、取得したユーザの要求情報を、要求情報提示部32、制御情報算出部62、および要求情報送信部71に出力する。要求情報取得部61は、要求情報受信部72から入力される通信相手の要求情報を取得し、取得した通信相手の要求情報を、要求情報提示部32、および制御情報算出部62に出力する。
制御情報算出部62には、要求情報取得部61からユーザの要求情報と通信相手の要求情報が入力される。制御情報算出部62は、制御関数記憶部63から、ユーザと通信相手に対応する制御関数群を読み出し、読み出した制御関数群を用いて、ユーザの要求情報と通信相手の要求情報の相関関係に応じた制御情報を算出し、算出したユーザと通信相手の制御情報を、調整制御部64に出力する。
制御関数記憶部63は、制御情報算出部62による制御情報の算出に用いられる、ユーザと通信相手毎の制御関数群を記憶している。例えば、制御関数記憶部63には、ユーザAとユーザBとの通信における制御情報の算出に用いられる制御関数群、ユーザAとユーザCとの通信における制御情報の算出に用いられる制御関数群などが記憶されている。
調整制御部64は、制御情報算出部62により算出されたユーザと通信相手の制御情報に基づいて、入出力情報調整部42によるデータの提示度合いの調整を制御する。
要求情報送信部71は、要求情報取得部61からのユーザの要求情報を、通信部19により通信が確立された通信相手の通信制御装置1に送信する。要求情報受信部72は、通信部19により通信が確立された通信相手の通信制御装置1からの通信相手の要求情報を受信し、受信した通信相手の要求情報を要求情報取得部61に出力する。
図5は、図3の入出力情報調整部42、並びにデータ通信制御部51−1および51−2の構成例を示す図である。
図5の例においては、データ通信制御部51−1は、通信部19により通信が確立された通信相手の通信制御装置1(例えば、ユーザBの通信制御装置1−2)からのデータを受信するデータ受信制御部81−1、および、ユーザBの通信制御装置1−2にデータを送信するデータ送信制御部82−1により構成されており、データ通信制御部51−2は、通信部19により通信が確立された他の通信相手の通信制御装置1(例えば、ユーザCの通信制御装置1−3)からのデータを受信するデータ受信制御部81−2、および、ユーザCの通信制御装置1−3にデータを送信するデータ送信制御部82−2により構成されている。
また、入出力情報調整部42は、通信部19により通信が確立された通信相手の通信制御装置1毎の出力調整部91−1,91−2,…,通信部19により通信が確立された通信相手の通信制御装置1毎の入力調整部92−1,92−2,…,データ混合器93、並びに、データ分配部94により構成されている。
出力調整部91−1は、入出力バランス制御部41の調整制御部64の制御のもと、データ受信制御部81−1から入力されるユーザBのデータ(映像データ、音声データ、振動データなど)の提示バランス(度合い)を調整し、調整したデータを、データ混合器93に出力する。出力調整部91−2は、入出力バランス制御部41の制御のもと、データ受信制御部81−2から入力されるユーザCのデータ(映像データ、音声データ、振動データなど)の提示バランス(度合い)を調整し、調整したデータを、データ混合器93に出力する。
図示せぬ他の通信制御装置1からのデータを調整する他の出力調整部も、出力調整部91−1および91−2と同様の処理を行うので、その説明は繰り返しになるので省略する。
データ混合器93は、出力調整部91−1,91−2,…から入力されるデータを混合(重畳)し、混合したデータに対応する情報を出力部17に出力する。これにより、例えば、出力部17を構成するディスプレイに、調整された映像が表示され、出力部17を構成するステレオスピーカから調整された音声が出力され、出力部17を構成する振動(バイブレーション)発生器から調整された振動が出力されて、ユーザAに対して、調整された情報が提示される。
データ分配器94は、映像音声入力部33から入力されるデータを、通信部19により通信が確立された通信相手の通信制御装置1毎に分配し、各通信相手の通信制御装置1に送信されるデータを調整する入力調整部92−1,92−2,…に入力する。
入力調整部92−1は、入出力バランス制御部41の調整制御部64の制御のもと、データ分配器94からの、ユーザBに送信されるデータ(映像データ、音声データ、振動データなど)の提示バランス(度合い)を調整し、調整したデータを、データ送信制御部82−1に出力する。入力調整部92−2は、入出力バランス制御部41の制御のもと、データ分配器94からの、ユーザCに送信されるデータ(映像データ、音声データ、振動データなど)の提示バランス(度合い)を調整し、調整したデータを、データ送信制御部82−2に出力する。
図示せぬ他の通信制御装置1に送信するデータを調整する他の入力調整部も、入力調整部92−1および92−2と同様の処理を行うので、その説明は繰り返しになるので省略する。
なお、以下において、データ受信制御部81−1および81−2、並びに、データ送信制御部82−1および82−2、出力調整部91−1および91−2、並びに入力調整部92−1および92−2を個々に区別することがない場合、まとめて、データ受信制御部81、データ送信制御部82、出力調整部91、並びに入力調整部92と称する。
また、上述したデータの提示度合いの調整は、通信制御装置1の入力調整部92および他の通信制御装置1の出力調整部91の両方で実行することもできるし、あるいは、通信制御装置1の入力調整部92において調整されているデータに関しては、他の通信制御装置1の出力調整部92においては、二度手間となるため、その演算が負荷になる場合には、調整しないこともできる。
図6は、出力調整部91の構成例を示す図である。
図6の例において、出力調整部91は、映像データの提示度合いを調整する映像調整部111、音声データの提示度合いを調整する音声調整部112、および振動データの提示度合いを調整する振動調整部113により構成されている。
映像調整部111は、透明度調整部131、サイズ調整部132、および位置調整部133により構成されている。透明度調整部131は、データ受信制御部81から入力される映像データの透明度を高く、または、低く調整し、調整した映像データを、サイズ調整部132に出力する。
サイズ調整部132は、透明度調整部131から入力される映像データのサイズを、大きくまたは小さく調整し、調整した映像データを、位置調整部133に出力する。位置調整部133は、サイズ調整部132から入力される映像データの提示位置を調整し、調整した映像データをデータ混合器93に出力する。
音声調整部112は、音量調整部141、音質調整部142、および音源位置調整部143により構成されている。音量調整部141は、データ受信制御部81から入力される音声データの音量を大きく、または、小さく調整し、調整した音声データを、音質調整部142に出力する。
音質調整部142は、音量調整部141から入力される音声データの音質を、明瞭にまたは不明瞭に調整し、調整した音声データを、音源位置調整部143に出力する。音源位置調整部143は、音質調整部142から入力される音声データの音源位置を、音声データに対応する音声が所定の位置から聞こえるように調整し、調整した音声データをデータ混合器93に出力する。
振動調整部113は、強度調整部151、パターン調整部152、および分布調整部153により構成されている。なお、振動データが受信されない場合、振動調整部113は、振動データを調整するのではなく、制御情報に応じた振動データを生成することも可能である。
強度調整部151は、データ受信制御部81から入力される振動データの強度を大きく、または、小さく調整し、調整した振動データを、パターン調整部152に出力する。パターン調整部152は、強度調整部151から入力される振動データのパターンを、所定のパターンになるように調整し、調整した振動データを、分布調整部153に出力する。分布調整部153は、パターン調整部152から入力される振動データの分布を広く、あるいは狭く調整し、調整した振動データをデータ混合器93に出力する。
なお、図6の例においては、サイズ調整、透明度調整、および位置調整の順に映像調整処理を行い、音量調整、音質調整、および音源位置調整の順に音声調整処理を行い、強度調整、パターン調整、および分布調整の順に振動調整処理を行う場合を説明したが、映像調整処理、音声調整処理、および分布調整処理は、上述した順番でなくてもよい。
また、出力調整部91の構成は、図6の例に限定されない。例えば、映像調整部111は、サイズ調整部131、透明度調整部132、および位置調整部133のうちのどれかだけで構成されていてもよいし、さらに、ぼかしやノイズフィルタなどの他の映像情報の調整を行うものが追加することもできる。音声調整部112および振動調整部113の場合も同様である。
さらに、図5の入力調整部92の構成も、図6の出力調整部91と基本的に同様に構成される。したがって、以下、図6の出力調整部91の構成は、図5の入力調整部92の構成としても用いられる。
次に、図7を参照して、図4の制御情報算出部62による制御情報算出処理の概念を説明する。
図7の例においては、横軸を、ユーザAの要求情報a(0%≦a≦100%)とし、縦軸を、ユーザBの要求情報b(0%≦b≦100%)とした要求情報相関座標が示されている。
すなわち、横軸は、ユーザAの要求情報aが0%に近づくほど、ユーザAの要求の度合いが弱いことを表し、ユーザAの要求情報aが100%に近づくほど、ユーザAの要求の度合いが強いことを表している。同様に、縦軸は、ユーザBの要求情報bが0%に近づくほど、ユーザBの要求の度合いが弱いことを表し、ユーザBの要求情報bが100%に近づくほど、ユーザBの要求の度合いが強いことを表している。
また、この要求情報相関座標においては、ユーザAの要求情報aおよびユーザBの要求情報bの少なくとも一方が0%乃至略30%である領域L、ユーザAの要求情報aおよびユーザBの要求情報bのどちらか一方が略30%乃至100%であり、かつ、他方が略30%乃至略70%である領域M、並びに、ユーザAの要求情報aおよびユーザBの要求情報bの両方とも略70%乃至100%である領域Hからなる3つの領域に分けられている。
ここで、制御情報算出部62は、要求情報取得部61により取得されたユーザAの要求情報aおよびユーザBの要求情報bを要求情報相関座標に配置し、その交点P(a,b)を得、交点P(a,b)が配置された領域に応じて制御情報を算出する。
例えば、領域Lに交点P(a,b)が配置された場合、制御情報算出部62においては、通信制御装置1−1および1−2の通信が、ユーザAおよびユーザBに対して、低臨場感を与えるように制御情報が算出される。すなわち、通信制御装置1−1および1−2間で通信されるデータの提示度合いを、ユーザAおよびユーザBに対して、低臨場感を与えるように調整する制御情報が算出される。具体的には、映像であれば小サイズ化や低画質化され、音声であれば、小音量化や低音質化されるような制御情報が算出される。
領域Mに交点P(a,b)が配置された場合、制御情報算出部62においては、通信制御装置1−1および1−2の通信が、ユーザAおよびユーザBに対して、中臨場感を与えるように制御情報が算出される。すなわち、通信制御装置1−1および1−2間で通信されるデータの提示度合いを、ユーザAおよびユーザBに対して、中臨場感を与えるように調整する制御情報が算出される。具体的には、映像であれば、領域Lの場合よりも大サイズ化や高画質化され、音声であれば、領域Lの場合よりも大音量化や高音質化されるような制御情報が算出される。
また、領域Hに交点P(a,b)が配置された場合、制御情報算出部62においては、通信制御装置1−1および1−2の通信が、ユーザAおよびユーザBに対して、より高臨場感を与えるように制御情報が算出される。すなわち、通信制御装置1−1および1−2間で通信されるデータの提示度合いを、ユーザAおよびユーザBに対して、より高臨場感を与えるように調整する制御情報が算出される。具体的には、映像であれば、領域Mの場合よりもさらに、大サイズ化や高画質化され、音声であれば、領域Mの場合よりもさらに、大音量化や高音質化されるような制御情報が算出される。
このように、制御情報算出部62においては、ユーザAの要求情報だけでなく、ユーザAの要求情報とユーザBの要求情報の相関関係に応じて制御情報が算出される。
したがって、例えば、両方のユーザの要求情報が100%に近づいた場合には、両方のユーザに対して、高臨場感を与えるように制御情報が算出されるが、一方のユーザの要求情報が100%に近づいたとしても、他方のユーザの要求情報が30%未満であれば、低臨場感を与えるように制御情報が算出される。
すなわち、ユーザが、通信相手に対してコミュニケーションを望んでいないときには、ユーザに対して低臨場感を与える通信が行われるので、最小限の情報の提示度合いでの通信しか行われない。これにより、従来のように、通信相手の高い要求だけに応じた通信が実行されてしまうことで、ユーザが気分を害してしまうことが緩和され、多くの情報が通信相手に送信されてしまうことが抑制される。
また、例えば、少なくとも一方のユーザの要求情報が0%に近づいた場合でも、通信が切断されるわけではなく、ユーザに対して、低臨場感を与えるように制御情報が算出される。
すなわち、通信相手が、ユーザに対してコミュニケーションを望んでいないときであっても、ユーザに対して低臨場感を与える通信が行われるので、ユーザは、通信相手の状態がなんとなく把握できる。これにより、従来のように、一方的に切断されたり、あるいは、通信相手の状態がまったくわからず、ただ通信ができずに、ユーザが不満に思ってしまうことを緩和することができる。
以上のように、ユーザおよび通信相手の要求情報の相関関係に応じて、制御情報を算出するようにしたので、ユーザと通信相手のコミュニケーションにおいて、双方の不都合が生じることが緩和される。
なお、上述した図7の要求情報相関座標を用いての制御情報の算出処理は、例えば、次の式(1)で表される制御関数が用いられて実現される。
ここで、映像V(a,b)は、映像データの制御関数を表し、音声S(a,b)は、音声データの制御関数を表し、振動T(a,b)は、振動データの制御関数を表している。
すなわち、制御関数F(a,b)は、複数のデータの制御関数で構成される制御関数群である。
さらに、サイズV1(a,b)は、映像データのサイズを制御する制御関数を表し、画質V2(a,b)は、映像データの画質を制御する制御関数を表し、位置V3(a,b)は、映像データの提示位置を制御する制御関数を表している。音量S1(a,b)は、音声データの音量の大きさを制御する制御関数を表し、音質S2(a,b)は、音声データの音質を制御する制御関数を表し、音源位置S3(a,b)は、音声データの音源位置を制御する制御関数を表している。同様に、強度T1(a,b)は、振動データの強度を制御する制御関数を表し、パターンT2(a,b)は、振動データのパターンを制御する制御関数を表し、分布T3(a,b)は、振動データの分布を制御する制御関数を表している。
すなわち、映像の制御関数は、映像データに関する複数の制御関数からなる制御関数群であり、音声の制御関数は、音声データに関する複数の制御関数からなる制御関数群であり、振動の制御関数は、振動データに関する複数の制御関数からなる制御関数群である。
図8および図9を参照して、式(1)の制御関数群についてさらに詳しく説明する。
図8は、図7の要求情報相関座標の他の例を示している。図8の例の要求情報相関座標においては、図7の例の要求情報相関座標における領域L、領域M、および領域Hがさらに細かい領域に分割されている。
すなわち、領域Lは、ユーザAの要求情報aおよびユーザBの要求情報bが両方とも0%乃至略30%である領域Iと、ユーザAの要求情報aおよびユーザBの要求情報bのどちらか一方だけが0%乃至略30%である領域IIで構成されている。
領域Mは、ユーザAの要求情報aおよびユーザBの要求情報bが両方とも略30%乃至略70%である領域IIIと、ユーザAの要求情報aおよびユーザBの要求情報bのどちらか一方が略30%乃至100%であり、他方が略30%乃至略70%である領域IVで構成されている。領域Hは、ユーザAの要求情報aおよびユーザBの要求情報bの両方が70%乃至100%である領域Vにより構成されている。
すなわち、図8の要求情報相関座標において、ユーザAおよびユーザBの相互の要求は、領域I、領域II、領域III、領域IV、領域Vの順に強くなっている。
図9は、図8の例の要求情報相関座標が用いられて算出された制御情報により制御される映像、音声、および振動の提示度合いを示す図である。
図9の例においては、左から順に、図8のユーザAの要求情報aおよびユーザBの要求情報bの交点P(a,b)が領域I、領域II、領域III、領域IV、領域Vに位置する場合に制御される映像、音声、振動の提示度合いが示されている。
映像の提示度合いは、1段目に示されるように、交点P(a,b)が、領域Iから、領域II、領域III、領域IV、および領域Vに移動するにつれてだんだん大きくなっている。
音声の提示度合いは、2段目に示されるように、交点P(a,b)が領域I、および領域IIに配置される場合にはほとんど0に近く、交点P(a,b)が領域IIIから、領域IV、領域Vに移動するにつれてだんだん大きくなっている。
振動の提示度合いは、3段目に示されるように、交点P(a,b)が、領域Iから、領域II、領域IIIに移動するにつれてだんだん大きくなり、交点P(a,b)が、領域IIIから、領域IV、領域Vに移動するにつれてだんだん小さくなっている。
すなわち、図8の要求情報相関座標による算出処理を実現する映像データ、音声データ、および振動データの制御関数で構成される制御関数群は、ユーザAおよびユーザBの相互の要求が弱い領域I、およびどちらか一方の要求が弱く、他方の要求が弱くはない領域IIにおいては、ユーザAおよびユーザBに低臨場感を与えるよう、例えば、通信相手の状態がなんとなく感じられるように、音声の提示度合いはほとんど0に設定されており、映像と振動の提示度合いはできるだけ小さく設定されている。
したがって、ユーザAおよびユーザBの要求情報が領域Iおよび領域IIに位置する場合には、例えば、映像は、小さいサイズで、透明度を大きくするなど、不明瞭に、かつ、目立たないように調整されて提示され、音声は、提示されず、振動は、分布を分散させ、強度を弱くするように調整されて提示される。これにより、ユーザAおよびユーザBは、低臨場感を感じるコミュニケーションを行うことができる。
なお、映像と振動の提示度合いは、領域Iより、領域IIの場合の方が少し大きめに設定されているため、領域IIの場合の方が、ユーザに多少高めの低臨場感を感じさせるコミュニケーション環境が提供される。
また、図8の要求情報相関座標による算出処理を実現する映像データ、音声データ、および振動データの制御関数で構成される制御関数群は、ユーザAおよびユーザBの相互の要求が中庸である領域IIIにおいては、ユーザAおよびユーザBに中臨場感を与えるよう、例えば、他のことをしながらでも、通信相手とコミュニケーションを行うこともできるように、音声の提示度合いはできるだけ小さく設定されており、映像と振動の提示度合いは、領域IおよびIIの場合よりも大きく設定されている。
したがって、ユーザAおよびユーザBの要求情報が領域IIIに位置する場合には、例えば、映像は、領域IおよびIIの場合よりも大きいサイズで、透明度を低くするなど、それなりに明瞭に調整されて提示され、音声は、少し聞こえるように調整されて提示され、振動は、分布を密にし、強度を強くするように調整されて提示される。これにより、ユーザAおよびユーザBは、中臨場感を感じるコミュニケーションを行うことができる。
さらに図8の要求情報相関座標による算出処理を実現する映像データ、音声データ、および振動データの制御関数で構成される制御関数群は、どちらか一方の要求が中庸であり、他方の要求が大きい領域IV、およびユーザAおよびユーザBの相互の要求が強い領域Vにおいては、ユーザAおよびユーザBに高臨場感を与えるよう、例えば、通信相手とコミュニケーションを積極的に行うことができるように、映像や音声の提示度合いは、できるだけ大きく設定されている。なお、この場合、コミュニケーション活動が活発になった分、振動はなくてもよいとされ、振動の提示度合いは、できるだけ小さく設定されている。
したがって、ユーザAおよびユーザBの要求情報が領域IVおよび領域Vに位置する場合には、例えば、映像は、最大サイズで、透明度をなしにするなど、明瞭に、かつ、目立つように調整されて提示され、音声は、明確にきっちりと聞こえるように調整されて提示され、振動は、間隔をあけて、強度を弱くするように調整されて提示される。これにより、ユーザAおよびユーザBは、高臨場感を感じるコミュニケーションを行うことができる。
なお、映像と振動の提示度合いは、領域IVより、領域Vの場合の方が大きめに設定されているため、領域Vの場合の方が、ユーザに多少高めの高臨場感を感じさせるコミュニケーション環境が提供される。
以上のように、制御関数群は、データ毎の制御関数を有し、データ毎の制御関数は、領域毎(すなわち、ユーザAおよびユーザBの相互の要求毎)に応じて設定することができるので、簡単に、ユーザと通信相手の要求情報の相関関係に応じた提示度合いでデータを提示させることができる。
これにより、ユーザと通信相手は、それぞれの要求情報の相関関係に応じたコミュニケーションを行うことができる。
なお、上記説明においては、ユーザの要求情報を3段階に分けた座標を用いて制御情報の算出を説明したが、3段階に限らず、さらに細かく多くの段階にわけて制御情報を算出することもできる。
図10は、図3の要求情報入力部と要求情報提示部の例を示す図である。
図10の例においては、通信制御装置1と、通信制御装置1に接続され、近傍に配置される出力部17を構成するディスプレイ202およびステレオスピーカ203、映像入力部33、並びに要求情報入力提示装置201が示されており、さらに、それらの下部には、要求情報入力提示装置201が拡大して示されている。なお、図10の例においては、出力部17を構成するディスプレイ202およびステレオスピーカ203、映像入力部33、並びに要求情報入力提示装置201は、通信制御装置1と離れて示されているが、実際には接続されている。
図10の要求情報入力部31および要求情報提示部32は、要求情報入力提示装置201として一体化されて構成されている。また、要求情報入力部31は、情報入力部211と情報検出部212により構成される。
情報入力部211は、例えば、ダイヤルやジョイスティック(商標)、接触センサなどにより構成され、ユーザAの手により、接触されたり、情報入力部211が矢印Wに示されるように回転されるなどの操作を受けたとき、操作に対応するユーザAの要求情報を、通信制御装置1に入力する。
情報検出部212は、ユーザの状態が通信を行いたい状態であるか否かを検出し、その検出結果に対応するユーザAの要求情報を、通信制御装置1に入力する。具体的には、情報検出部212は、ユーザAの接近(距離)を検出するPSD(Position Sensitive light Detector)センサなどの距離センサで構成され、情報検出部212の検出エリアE内において、ユーザAの接近(自己との相対距離)を検出し、接近に対応するユーザAの要求情報を、通信制御装置1に入力する。
すなわち、ユーザAが、通信制御装置1を用いて、より高臨場感に通信相手とのコミュニケーション活動を行いたい場合、通信制御装置1やその通信相手が提示される出力部17(ディスプレイ202など)に近づくことは自然な動作であるので、ユーザAの接近は、ユーザAの状態が通信を行いたい状態であるといえる。逆に、通信相手とのコミュニケーション活動に興味がないとき、あるいは、コミュニケーションしたくないとき、通信制御装置1やその通信相手が提示される出力部17に近づかないことも、自然な動作であるので、ユーザAの距離が離れている場合は、ユーザAの状態が通信を行いたくない(通信に興味が無い)状態であるといえる。
したがって、情報検出部212がユーザAの接近を検出し、接近に対応するユーザAの要求情報を、通信制御装置1に入力することにより、ユーザAは、手間をかけることなく、自然な動作を行うだけで、通信制御装置1によりユーザAの要求が反映された快適なコミュニケーションを行うことができる。
なお、ユーザAが、通信制御装置1の近傍に設置される情報入力部211に接触したり、操作する頻度回数も、同様に、ユーザAの状態が通信を行いたい状態にしか実行されない動作であるので、ユーザAの要求情報として利用可能である。
もちろん、操作入力部16を構成するマウスやキーボードなどが用いられて、ユーザAの要求情報を入力することもできる。この場合、ユーザAの要求情報の入力に際して、より詳細な設定を行うことができる。
一方、図10の例の要求情報提示部32は、例えば、自己(ユーザA)の要求情報を、赤色に発光することで提示するLED213、通信相手(ユーザB)の要求情報を青色に発光することで提示するLED214、他の通信相手(ユーザC)の要求情報を緑色に発光することで提示するLED215により構成されている。
LED213乃至LED215は、各ユーザの要求情報に応じて、点滅の間隔や発光強度などを変えて出力する。これにより、ユーザAは、自分だけでなく、他の通信相手の要求情報も把握することができる。
これに対して、出力部17から提示される情報は、ユーザAと通信相手の要求情報の相関関係に応じて調整されるため、ユーザAがコミュニケーションを強く要求しても、通信相手が要求しない限り、出力部17から提示される情報は変化しない。逆に、通信相手がコミュニケーションを強く要求しても、ユーザAが要求しない限り、出力部17から提示される情報は変化しない。すなわち、ユーザAは、出力部17から提示される情報だけでは、自分の要求の度合い、および通信相手の要求の度合いを把握することができない。
したがって、各ユーザの要求情報をそれぞれ提示するようにしたことにより、出力部17から提示される情報だけでは、把握することができなかった自分の要求の度合い、および通信相手の要求の度合いを確認することができる。
図11は、図3の要求情報入力部と要求情報提示部の他の例を示す上面図である。
図11の例においては、上から見た場合のユーザAとユーザBが滞在する部屋が示されている。部屋の壁には、通信相手が提示される出力部17を構成するディスプレイ202が設けられており、その上に、要求情報入力部31および要求情報提示部32が一体化されて構成された要求情報入力提示装置231が設けられている。なお、図11においては、通信制御装置1の図示は省略されている。
図11の要求情報入力部31は、距離センサ、ユーザAのジェスチャ(動作)やユーザAの視線を検出する情報検出部、ユーザBが操作するリモートコントローラ232からの電波を受けることで、ユーザBの向きdbや要求情報入力部31からの相対方位を検出する方向検出部などで構成されている。
すなわち、ユーザAが、通信制御装置1を用いて、より積極的に通信相手とのコミュニケーション活動を行いたい場合、ユーザAが、通信相手が提示されるディスプレイ202(出力部17)の方向を向くことは、自然な動作であるので、ユーザAの正面方向がディスプレイ202を向くことは、ユーザAの状態が通信を行いたい状態であるといえる。逆に、通信相手とのコミュニケーション活動に興味がないとき、あるいは、コミュニケーションしたくないとき、通信制御装置1やその通信相手が提示されるディスプレイ202の方向を向かないことも、自然な動作であるので、ユーザAの正面方向がディスプレイ202に向いていない場合は、ユーザAの状態が通信を行いたくない(通信に興味が無い)状態であるといえる。
したがって、図11の要求情報入力部31は、例えば、ユーザAの視線情報から、ユーザAの向きdaを検出し、要求情報入力提示装置231(ディスプレイ202)に対して、ユーザAが正面方向を向いている場合には、ユーザAの要求が強いことを表すユーザAの要求情報を、通信制御装置1に入力する。なお、要求情報入力部31を、ユーザAの要求情報入力提示装置231に対しての相対距離dを検出するように構成することもできる。
あるいは、要求情報入力部31は、例えば、ユーザBが操作するリモートコントローラ232からの電波を受けることで、ユーザBの向きdbや、ユーザBの要求情報入力提示装置231との相対方向を検出し、例えば、要求情報入力提示装置231(ディスプレイ202)に対して、ユーザBが正面方向を向いている場合には、ユーザBの要求が強いことを表すユーザBの要求情報を、通信制御装置1に入力し、ユーザBの要求情報入力提示装置231(ディスプレイ202)との相対方向が45度である場合には、相対方向が0度の場合よりも、ユーザBの要求が弱いことを表すユーザBの要求情報を、通信制御装置1に入力する。
以上のように、通信制御装置1においては、ユーザAやユーザBの手間をかけることなく、自然な動作だけで、ユーザAやユーザBの要求が反映された、快適なコミュニケーション環境を、それぞれのユーザに提供することができる。
なお、ユーザAやユーザBが振り向くなどの動作、ディスプレイ202(すなわち、要求情報入力提示装置231)に対して手を振るなどのジェスチャなども、図10の接近動作と同様に自然の動作である。すなわち、ユーザが振り向いた場合、ユーザが通信に対して興味のある状態であり、手を振るジェスチャの場合には、通信相手に対してコミュニケーションの終了を意味する、すなわち、ユーザが通信に対して興味を失った状態である。したがって、これらの動作も検出して、ユーザの要求情報として利用することができる。
一方、図11の要求情報提示部32は、例えば、ユーザAの要求情報を、ユーザAが存在する方向への点灯241aとして提示しており、ユーザBの要求情報を、ユーザBが存在する方向への点灯241bとして、点灯241aとは異なる色で提示する。
このように、ユーザが存在する方向に対して、そのユーザの要求情報を提示させることもできる。なお、ユーザが存在する方向が重なった場合には、点灯241aおよび241bの色をまぜて出力させることにより、複数の要求情報が重なっていることを表すことができる。
また、上記説明においては、説明の便宜上、ユーザAおよびユーザBが同じ部屋にいる場合で説明したが、ユーザBが、ユーザAの通信相手の場合も、ユーザAと同じ部屋に、ユーザBが存在しないことが異なるだけであり、要求情報入力提示装置231の動作は基本的に同じである。
すなわち、ユーザBが存在する部屋に設置された要求情報入力提示装置231により、相対方向45度に位置するユーザBの要求情報が入力されて、ユーザAが存在する部屋に設置された要求情報入力提示装置231から、ユーザBが存在するであろう相対方向45度への点灯241bが提示される。
次に、図12のフローチャートを参照して、図1の通信システムの通信制御装置1−1と通信制御装置1−2の処理を説明する。なお、図12の例においては、出力調整部91において、通信相手のデータを調整する場合の例が示されている。また、図12の例においては、通信制御装置1−1と通信制御装置1−2の処理を同時に説明するが、図12の通信制御装置1−2のステップS31乃至S39の処理は、通信制御装置1−1のステップS11乃至S19と基本的に同様の処理であるので、その詳細な説明は適宜省略する。
まず、ユーザAは、通信制御装置1−1の操作入力部16を操作し、通信制御装置1−2との通信回線の確立に必要な情報を入力する。例えば、ネットワーク2への接続の設定情報や、通信制御装置1−2のアドレスなどを入力する。これらの情報は、操作入力部16を介して、CPU11に入力される。CPU11は、操作入力部16からの情報に基づいて、通信部19を制御する。これに応じて、通信部19は、ステップS11において、ネットワーク2を介して、通信制御装置1−2と通信回線を確立する。
一方、ユーザBも、同様に、通信制御装置1−2の操作入力部16を操作し、通信制御装置1−1との通信回線の確立に必要な情報を入力する。例えば、ネットワーク2への接続の設定情報や、通信制御装置1−1のアドレスなどを入力する。これらの情報は、操作入力部16を介して、CPU11に入力される。CPU11は、操作入力部16からの情報に基づいて、通信部19を制御する。これに応じて、通信部19は、ステップS31において、ネットワーク2を介して、通信制御装置1−1と通信回線を確立する。
これにより、ステップS19およびS39においてそれぞれ通信回線が切断されるまで、通信制御装置1−1と通信制御装置1−2は、常時通信回線が接続されている状態となる。
例えば、通信制御装置1−1が通信制御装置1−3と通信回線を確立する際にも通信制御装置1−1および1−3において、ステップS11およびS31と同様の処理が行われる。
通信制御装置1−1のCPU11は、ステップS12において、通信制御処理を開始すると判定するまで待機している。ユーザAは、操作入力部16を操作し、通信制御装置1−2との通信開始を指令する。操作入力部16からの指令に基づいて、CPU11は、ステップS12において、通信制御処理を開始すると判定し、所定のプログラムを実行する。
これにより、通信制御装置1−1においては、図3の機能ブロックが実現され、ステップS13乃至S17の通信制御処理が実行される。
映像音声入力部33−1は、ステップS13において、ユーザAのデータを、入出力情報調整部42−1に入力する。すなわち、映像音声入力部33−1は、ユーザA(被写体)を撮像し、ユーザAの音声を集音し、撮像された映像の映像データや集音された音声の音声データを、入出力情報調整部42−1に入力する。なお、このとき、集音された音声の音声データに応じた振動データも入出力情報調整部42−1に入力される。
ユーザAのデータは、入出力情報調整部42−1のデータ分配器94により通信が確立された通信相手の通信制御装置1毎に分配される。したがって、通信制御装置1−2へのユーザAのデータは、入力調整部92−1を介して、データ送信制御部82−1に出力される。
通信制御装置1−1のデータ送信制御部82−1は、ステップS14において、通信部19を制御し、ユーザAのデータを、ネットワーク2を介して、ユーザBの通信制御装置1−2に送信させる。なお、通信制御装置1−1がユーザCの通信制御装置1−3とも通信を行っていた場合には、通信制御装置1−3へのユーザAのデータは、例えば、入力調整部92−2を介して、データ送信制御部82−2に出力され、データ送信制御部82−2により、ネットワーク2を介して、通信制御装置1−3に送信される。
一方、通信制御装置1−2のCPU11も、同様に、ステップS32において、通信制御処理を開始すると判定するまで待機している。ユーザBは、操作入力部16を操作し、通信制御装置1−1との通信開始を指令する。操作入力部16からの指令に基づいて、CPU11は、ステップS32において、通信制御処理を開始すると判定し、所定のプログラムを実行する。
これにより、通信制御装置1−2においては、図3の機能ブロックが実現され、ステップS33乃至S37の通信制御処理が実行される。
映像音声入力部33−2は、ステップS33において、ユーザBのデータを、入出力情報調整部42−2に入力する。すなわち、映像音声入力部33−2は、ユーザB(被写体)を撮像し、ユーザBの音声を集音し、撮像された映像の映像データや集音された音声の音声データを、入出力情報調整部42−2に入力する。なお、このとき、集音された音声の音声データに応じた振動データも入出力情報調整部42−2に入力される。
ユーザBのデータは、入出力情報調整部42−2のデータ分配器94により通信が確立された通信相手の通信制御装置1毎に分配される。したがって、通信制御装置1−1へのユーザBのデータは、入力調整部92−1を介して、例えば、データ送信制御部82−1に出力される。
通信制御装置1−2のデータ送信制御部82−1は、ステップS34において、通信部19を制御し、ユーザBのデータを、ネットワーク2を介して、ユーザAの通信制御装置1−1に送信させる。
これに対応して、通信制御装置1−1のデータ受信制御部81−1は、ステップS15において、ネットワーク2および通信部19を介して、通信相手(ユーザB)のデータを受信し、受信したユーザBのデータを、出力調整部91−1に出力する。
通信制御装置1−1の入出力バランス制御部41−1および入出力情報調整部42−1は、ステップS16において、入出力調整制御処理を実行する。この入出力調整制御処理は、図13のフローチャートを参照して後述する。
ステップS16の入出力調整制御処理により、ユーザAの要求情報が取得されて提示され、通信制御装置1−2に対しても送信される。また、通信相手(ユーザB)の要求情報が取得されて提示され、ユーザAおよびユーザBの要求情報に基づいて、各データ(映像データ、音声データ、および振動データ)の制御情報が算出されて、算出された制御情報に応じて、映像データ、音声データ、および振動データの提示度合いが調整され、調整されたデータが、データ混合器93に出力される。
なお、通信制御装置1−1がユーザCの通信制御装置1−3とも通信を行っていた場合には、通信制御装置1−3からのユーザCのデータは、ステップS15において、例えば、データ受信制御部81−2に受信され、ステップS16において、出力調整部91−2により入出力調整制御処理が実行されて、調整されたデータが、データ混合器93に出力される。すなわち、上述したステップS14の送信処理、ステップS15の受信処理、およびステップS16の入出力調整制御処理は、通信相手の通信制御装置1毎に行われる処理である。
データ混合器93は、ステップS17において、調整されたデータに対応する情報をユーザAに提示する。すなわち、データ混合器93は、調整されたデータに対応する情報を混合(重畳)し、混合されたデータを出力部17−1に出力して、出力部17−1に提示させる。
これにより、調整されたデータに対応する情報が出力部17−1に提示される。例えば、図10の出力部17−1を構成するディスプレイ202には、調整された映像データに対応する映像が表示され、出力部17−1を構成するステレオスピーカ203からは、調整された音声データに対応する音声が出力される。また、出力部17−1を構成する図示せぬ振動発生器からは、調整された振動データに対応する振動が出力される。
ディスプレイ202に提示される映像を見たり、ステレオスピーカ203から出力される音声を聞いたユーザAは、図10を参照して上述した要求情報入力提示装置201に接近などを行う。要求情報入出力提示装置201の情報検出部212は、ユーザAの接近を検出し、それに応じて、ユーザAの通信相手に対する要求情報を、入出力バランス制御部41−1に入力する。入出力バランス制御部41−1に入力されたユーザAの要求情報は、次のステップS16の入出力調整制御処理に用いられる。
上述したステップS13乃至S17の処理は、ステップS18において、CPU11により通信を終了すると判定されるまで繰り返し続けられる。すなわち、ステップS13乃至S17の通信制御処理中には、通信相手との通信回線が、ユーザまたは通信相手の意向により切断されることはない。
一方、ステップS14において、通信制御装置1−1によりユーザAのデータが送信されている。これに対応して、通信制御装置1−2のデータ受信制御部81−1は、ステップS35において、ネットワーク2および通信部19を介して、通信相手(ユーザA)のデータを受信し、受信したユーザAのデータを、出力調整部91−1に出力する。
通信制御装置1−2の入出力バランス制御部41−2および入出力情報調整部42−2は、ステップS36において、入出力調整制御処理を実行する。この入出力調整制御処理は、図13のフローチャートを参照して後述する。
ステップS36の入出力調整制御処理により、ユーザBの要求情報が取得されて提示され、通信制御装置1−1に対しても送信される。また、通信相手(ユーザA)の要求情報が取得されて提示され、ユーザBおよびユーザAの要求情報に基づいて、各データ(映像データ、音声データ、および振動データ)の制御情報が算出されて、算出された制御情報に応じて、映像データ、音声データ、および振動データの提示度合いが調整され、調整されたデータが、データ混合器93に出力される。
データ混合器93は、ステップS37において、調整されたデータに対応する情報をユーザBに提示する。すなわち、データ混合器93は、調整されたデータに対応する情報を混合(重畳)し、混合されたデータを出力部17−2に出力して、出力部17−2に提示させる。
これにより、調整されたデータに対応する情報が出力部17−2に提示される。例えば、図10の出力部17−2を構成するディスプレイ202には、調整された映像データに対応する映像が表示され、出力部17−2を構成するステレオスピーカ203からは、調整された音声データに対応する音声が出力される。また、出力部17−2を構成する図示せぬ振動発生器からは、調整された振動データに対応する振動が出力される。
ディスプレイ202に提示される映像を見たり、ステレオスピーカ203から出力される音声を聞いたユーザBは、ユーザAの場合と同様に、要求情報入力提示装置201に接近などを行う。要求情報入出力提示装置201の情報検出部212は、ユーザBの接近を検出し、それに応じて、ユーザBの通信相手に対する要求情報を、入出力バランス制御部41−2に入力する。入出力バランス制御部41−2に入力されたユーザBの要求情報は、次のステップS36の入出力調整制御処理に用いられる。
上述したステップS33乃至S37の処理は、ステップS38において、CPU11により通信を終了すると判定されるまで繰り返し続けられる。
例えば、通信制御装置1−1を再起動させたり、設定を変更させるためなどに、通信制御装置1−1のCPU11は、ステップS18において、通信を終了すると判定した場合、ステップS19において、通信部19を制御し、通信制御装置1−2との通信回線を切断させる。
また、同様に、通信制御装置1−2を再起動させたり、設定を変更させるためなどに、通信制御装置1−2のCPU11は、ステップS38において、通信を終了すると判定した場合、ステップS39において、通信部19を制御し、通信制御装置1−1との通信回線を切断させる。
次に、図13のフローチャートを参照して、図12のステップS16およびS36における通信制御装置1−1と通信制御装置1−2の入出力調整制御処理を説明する。なお、図13の例においては、通信制御装置1−1と通信制御装置1−2の入出力調整制御処理を同時に説明するが、図13の通信制御装置1−2のステップS71乃至S78の処理は、通信制御装置1−1のステップS51乃至S58と基本的に同様の処理であるので、その詳細な説明は適宜省略する。
例えば、ユーザAは、通信制御装置1−1に接続される要求情報入力提示装置201に接近などを行う。要求情報入出力提示装置201の情報検出部212は、ステップS51において、ユーザAの接近を検出し、それに応じて、ユーザAの通信相手に対する要求情報を、入出力バランス制御部41−1に入力する。
入出力バランス制御部41−1の要求情報取得部61は、ステップS52において、情報検出部212からのユーザAの要求情報を取得し、取得したユーザAの要求情報を、制御情報算出部62に出力する。
また、要求情報取得部61は、ステップS53において、取得したユーザAの要求情報を、要求情報提示部32のLED213に提示する。すなわち、ステップS53において、LED213は、ユーザAの要求情報に応じた点滅や強度で、赤色を発光して、ユーザAの要求情報を、ユーザAに対して提示する。
要求情報取得部61は、取得したユーザAの要求情報を、要求情報送信部71に出力する。要求情報送信部71は、ステップS54において、通信部19を制御し、ユーザAの要求情報を、ネットワーク2を介して、ユーザBの通信制御装置1−2に送信させる。
なお、通信制御装置1−1がユーザCの通信制御装置1−3とも通信を行っていた場合には、要求情報送信部71は、ユーザAの要求情報を、ネットワーク2を介して、ユーザCの通信制御装置1−3にも送信する。
一方、例えば、ユーザBも、ユーザAと同様に、通信制御装置1−2に接続される要求情報入力提示装置201に接近などを行うことに対応して、要求情報入出力提示装置201の情報検出部212は、ステップS71において、ユーザBの接近を検出し、それに応じて、ユーザBの通信相手に対する要求情報を、入出力バランス制御部41−2に入力している。
入出力バランス制御部41−2の要求情報取得部61は、ステップS72において、情報検出部212からのユーザBの要求情報を取得し、取得したユーザBの要求情報を、制御情報算出部62に出力する。
また、要求情報取得部61は、ステップS73において、取得したユーザBの要求情報を、要求情報提示部32のLED213に提示する。すなわち、ステップS73において、LED213は、ユーザBの要求情報に応じた点滅や強度で、赤色を発光して、ユーザBの要求情報を、ユーザBに対して提示する。
要求情報取得部61は、取得したユーザBの要求情報を、要求情報送信部71に出力する。要求情報送信部71は、ステップS74において、通信部19を制御し、ユーザBの要求情報を、ネットワーク2を介して、ユーザAの通信制御装置1−1に送信させる。
これに対応して、通信制御装置1−1の要求情報受信部72は、ステップS55において、ネットワーク2および通信部19を介して、通信相手(ユーザB)の要求情報を受信し、受信したユーザBの要求情報を、要求情報取得部61に出力し、要求情報取得部61は、要求情報受信部72からの通信相手(ユーザB)の要求情報を取得し、取得したユーザBの要求情報を、制御情報算出部62に出力する。
また、要求情報取得部61は、ステップS56において、取得したユーザBの要求情報を、要求情報提示部32のLED214に提示する。すなわち、ステップS56において、LED214は、ユーザBの要求情報に応じた点滅や強度で、青色を発光して、ユーザBの要求情報を、ユーザAに対して提示する。
制御情報算出部62は、ステップS57において、要求情報取得部61からのユーザAおよび通信相手(ユーザB)の要求情報に基づいて、各データの制御情報をそれぞれ算出する。すなわち、制御情報算出部62は、制御関数記憶部63に記憶されているユーザAとユーザBとの通信における制御情報の算出に用いられる制御関数群を読み出し、読み出した制御関数群を用いて、ユーザAの要求情報とユーザBの要求情報の相関関係に応じた、映像データの制御情報、音声データの制御情報、および、振動データの制御情報をそれぞれ算出し、算出した制御情報を、調整制御部64に供給する。
調整制御部64は、ステップS58において、制御情報算出部62により算出された制御情報に基づいて、図12のステップS15において受信され、出力調整部91−1に入力されたユーザBのデータの調整を制御する。すなわち、ステップS58において、出力調整部91−1は、ユーザAとユーザBに対応して算出された各データの制御情報に基づいて、ユーザBの各データの提示度合いを調整する。
具体的に説明すると、調整制御部64は、例えば、図8の要求情報相関座標において、ユーザAの要求情報とユーザBの要求情報が領域Vである場合に制御関数群により算出された、映像データの制御情報、音声データの制御情報、および、振動データの制御情報に基づいて、ユーザBの映像データ、ユーザBの音声データ、ユーザBの振動データの提示度合いの調整をそれぞれ制御する。
出力調整部91−1の映像調整部111、音声調整部112、および振動調整部113に、それぞれ、ユーザBの映像データ、ユーザBの音声データ、ユーザBの振動データが入力される。
映像調整部111の透明度調整部131は、データ受信制御部81から入力される映像データの透明度を低く調整し、調整した映像データを、サイズ調整部132に出力する。サイズ調整部132は、透明度調整部131から入力される映像データのサイズを、大きく調整し、調整した映像データを、位置調整部133に出力する。位置調整部133は、サイズ調整部132から入力される映像データが提示される位置を、映像が表示画面上の中央の位置に提示されるように調整し、調整した映像データをデータ混合器93に出力する。
また、音量調整部141は、データ受信制御部81から入力される音声データの音量を大きく調整し、調整した音声データを、音質調整部142に出力する。音質調整部142は、音量調整部141から入力される音声データの音質を、明瞭に調整し、調整した音声データを、音源位置調整部143に出力する。音源位置調整部143は、音質調整部142から入力される音声データの音源位置を、音声データに対応する音声が、表示画面における映像が表示される位置から聞こえるように調整し、調整した音声データをデータ混合器93に出力する。
さらに、強度調整部151は、データ受信制御部81から入力される振動データの強度を微小に調整し、調整した振動データを、パターン調整部152に出力する。パターン調整部152は、強度調整部151から入力される振動データのパターンを、所定のパターンになるように調整し、調整した振動データを、分布調整部153に出力する。分布調整部153は、パターン調整部152から入力される振動データの分布を広く調整し、調整した振動データをデータ混合器93に出力する。
以上のように、ユーザBの映像データ、音声データ、および振動データは、制御関数群に基づいて、映像調整部111、音声調整部112、および振動調整部113によりそれぞれ調整されて、データ混合器93に出力され、処理は、図12のステップS16に戻り、ステップS17に進む。
これにより、図12のステップS17においては、データ混合器93により調整されたデータに対応する情報が、例えば、図9を参照して上述した提示度合いで、出力部17−1(すなわち、ユーザA)に提示される。
図14は、出力部17を構成するディスプレイ202に表示される表示画面の例を示している。
図14の例においては、上から、ユーザBの映像が表示される表示画面271、表示画面272、および表示画面273が示されている。表示画面271乃至273におけるユーザBを表すラインの種類(太線、実線、点線)は、ユーザBの映像の透明度を表しており、太線、実線、点線の順に透明度が高く調整されていることを示している。
表示画面271には、透明度調整部131により透明度を低く(すなわち、不透明度=100%に)調整されたユーザBの映像が表示されている。表示画面272には、透明度調整部131により透明度を高め(すなわち、不透明度=60%に)調整されたユーザBの映像が表示されている。表示画面273には、透明度調整部131により透明度を高く(すなわち、不透明度=20%に)調整されたユーザBの映像が表示されている。
例えば、ユーザAおよびユーザBが共にコミュニケーションを強く要求している場合、ユーザBの映像は、表示画面271のように、100%の不透明度で表示されるが、ユーザAおよびユーザBの相互の要求度合いが低くなるほどに、表示画面272、表示画面273の順に、低い不透明度で調整されて表示される。
このように、少なくともどちらかのコミュニケーション要求が少ない場合には、出来る限り情報を提示しないようにデータが調整される。したがって、ユーザBの映像データの情報量が減衰され、過度なプライバシ漏洩などを抑制することができる。
なお、ユーザBの映像データすべてに対して透明度を調整することももちろん可能であるが、図14の例においては、ユーザBの映像のみが透明になっている(すなわち、背景は透明ではない)。すなわち、図14の例の映像においては、ユーザBが存在する空間の背景の映像データが予め取得されており、背景の映像データとユーザBからのデータとが演算されることで、ユーザBの映像のみの透明度の調整を行う方法が用いられている。
図13に戻り、上述したステップS54においては、通信制御装置1−1によりユーザAの要求情報が通信制御装置1−2に対して送信されている。これに対応して、通信制御装置1−2の要求情報受信部72は、ステップS75において、ネットワーク2および通信部19を介して、通信相手(ユーザA)の要求情報を受信し、受信したユーザAの要求情報を、要求情報取得部61に出力し、要求情報取得部61は、要求情報受信部72からの通信相手(ユーザA)の要求情報を取得し、取得したユーザAの要求情報を、制御情報算出部62に出力する。
要求情報取得部61は、ステップS76において、取得したユーザAの要求情報を、要求情報提示部32のLED214に提示する。すなわち、ステップS76において、LED214は、ユーザAの要求情報に応じた点滅や強度で、青色を発光して、ユーザBの要求情報を、ユーザBに対して提示する。
制御情報算出部62は、ステップS77において、要求情報取得部61からのユーザBおよび通信相手(ユーザA)の要求情報に基づいて、各データの制御情報をそれぞれ算出する。すなわち、制御情報算出部62は、制御関数記憶部63に記憶されているユーザBとユーザAとの通信における制御情報の算出に用いられる制御関数群を読み出し、読み出した制御関数群を用いて、ユーザBの要求情報とユーザAの要求情報の相関関係に応じた、映像データの制御情報、音声データの制御情報、および、振動データの制御情報をそれぞれ算出し、算出した制御情報を、調整制御部64に供給する。
調整制御部64は、ステップS78において、制御情報算出部62により算出された制御情報に基づいて、図12のステップS35において受信され、出力調整部91−1に入力されたユーザAのデータの調整を制御する。すなわち、ステップS78において、出力調整部91−1は、ユーザBとユーザAに対応して算出された各データの制御情報に基づいて、ユーザAのデータを調整し、調整したユーザAのデータをデータ混合器93に出力する。
その後、処理は、図12のステップS36に戻り、ステップS37においては、データ混合器93により調整されたデータに対応する情報が出力部17−2(すなわち、ユーザB)に提示される。
なお、通信制御装置1−1がユーザCの通信制御装置1−3とも通信を行っていた場合には、要求情報受信部72は、ステップS55において、ユーザCの要求情報も、ネットワーク2を介して受信する。したがって、ユーザCの要求情報は、ステップS56において、例えば、ユーザCの要求情報に応じた点滅や強度で、LED215を緑色に発光させて、ユーザAに対して提示される。
また、この場合、制御情報算出部62は、ステップS57において、制御関数記憶部63に記憶されているユーザAとユーザCとの通信における制御情報の算出に用いられる制御関数群を用いて、ユーザAの要求情報とユーザCの要求情報の相関関係に応じた制御情報を算出し、算出した制御情報を、調整制御部64に供給する。
したがって、調整制御部64は、制御情報算出部62により算出された制御情報に基づいて、出力調整部91−2に入力されるユーザCの各データの調整を制御するので、ユーザCの各データは、出力調整部91−2により、ユーザAとユーザCに対応して算出された制御情報に基づいて提示度合いが調整され、データ混合器93に出力される。
これにより、図12のステップS17においては、出力調整部91−1からの調整されたユーザBのデータと出力調整部91−2からの調整されたユーザCのデータが、データ混合器93により混合され、混合されたデータに対応する情報が出力部17−1(すなわち、ユーザA)に提示される。
図15は、出力部17を構成するディスプレイ202に表示される表示画面の例を示している。なお、図15の例の場合、ユーザAの通信制御装置1−1が、ユーザBの通信制御装置1−2およびユーザCの通信制御装置1−3と通信を行っている場合の例が示されている。
図15の例においては、ユーザBの映像を表示する子画面291−1とユーザCの映像を表示する子画面291−2が表示される表示画面281が示されている。
表示画面281には、サイズ調整部132により、映像のサイズ(子画面291−1のサイズ)が、図15の場合の最大サイズに調整され、位置調整部133により、映像の表示位置が、表示画面281の左半分の中央の位置に表示されるように調整された子画面291−1と、サイズ調整部132により、図15の例の場合の最大サイズから、小さいサイズに縮小するように調整され、位置調整部133により、映像の表示位置が、表示画面281の右半分の右隅の位置に表示されるように調整された子画面291−2が表示されている。
また、出力部17を構成するステレオスピーカ203からは、音量調整部141により大きく、音源位置調整部143により、表示画面281の子画面291−1の位置から聞こえるように調整されたユーザBの音声データに対応する音声292−1と、音量調整部141によりユーザBの音声292−1よりも小さく、音源位置調整部143により、表示画面281の子画面291−2の位置から聞こえるように調整されたユーザCの音声データに対応する音声292−2が混合されて、出力されている。
したがって、ユーザAには、ユーザBの音声292−1が、ユーザBが表示される子画面291−1の位置から大きく聞こえており、ユーザCの音声292−2が、ユーザCが表示される子画面291−2の位置から小さく聞こえている。
すなわち、図15の例の場合、ユーザAもユーザBが共にコミュニケーションを強く要求しているので、ユーザBの映像が、図15の場合の最大サイズで、表示画面281の左半分の中央の位置に表示されるように調整されており、ユーザBの音声が、大きく、かつ、ユーザBの映像が表示される位置から聞こえるように調整されている。
一方、ユーザAまたはユーザCの少なくともどちらか一方(いまの場合、ユーザC)がコミュニケーションを強く要求していないので、ユーザCの映像が、最大サイズより小さく、表示画面281の右半分の右隅の位置に表示されるように調整されており、ユーザCの音声が、小さく、かつ、ユーザBの映像が表示される位置から聞こえるように調整されている。
このように、複数のユーザとコミュニケーションを行う場合には、少なくともどちらかのコミュニケーション要求が少ないユーザよりも、相互にコミュニケーション要求が強いユーザの情報が多く提示される。
すなわち、ユーザBがユーザAとのコミュニケーションにおいて興奮して、表示画面281(出力部17の近傍に設置される要求情報入力提示装置201)に接近することで、ユーザAのコミュニケーション要求が弱くならない限り、ユーザAとユーザBの相互の要求情報は上がる。したがって、コミュニケーションの要求が少なく、発言をしないユーザCの映像よりも、興奮して発言するユーザBの映像が大きくなる。これにより、ユーザAは、発言を行っているユーザBの表情や興奮度合いもよくわかるので、高臨場感を感じるコミュニケーションを積極的に行うことができる。
一方、ユーザAが、ユーザBの発言を気に入らない場合には、表示画面281(出力部17の近傍に設置される要求情報入力提示装置201)から離れることで、ユーザBがいくらコミュニケーションを強く要求したとしても、ユーザAの離れた距離に応じて、ユーザAとユーザBの相互の要求情報は下がる。したがって、ユーザBの映像は大きくならない。これにより、ユーザAは、ユーザBの発言が聞こえないような、低臨場感を感じるコミュニケーションを消極的に行うことができる。
以上のように、ユーザと通信相手のコミュニケーションにおいて、双方の不都合が生じることが抑制されるので、ユーザと通信相手の双方に快適なコミュニケーション環境が提供される。
さらに、通信相手の要求情報を、要求情報提示部32に提示するようにしたので、出力部17から提示される情報だけでは、通信相手の要求情報を把握することができない通信相手の要求情報がすぐにわかる。これにより、例えば、ユーザは、いくら自分が要求を強くしても、出力部17から提示される情報が変化しない場合に、その原因が、通信相手の要求(状態)によることを把握することができる。
以上のように、ユーザと通信相手の要求情報の相関関係に応じた情報の提示と、ユーザと通信相手の要求情報のそれぞれの提示を利用することにより、ユーザは、従来のような一方的な要求による通信よりも不満の少ない、相互に快適なコミュニケーションを行うことができる。
次に、図16のフローチャートを参照して、通信制御装置1−1と通信制御装置1−2の処理の他の例を説明する。なお、図16の例は、図12を参照して上述した処理の他の例であり、図16の例においては、入力調整部92において、各ユーザのデータを調整してから、通信相手に送信する場合の例が示されている。
したがって、図16のステップS111乃至S113、およびS117乃至S119の処理は、図12のステップS11乃至S13、およびS17乃至S19の処理と基本的に同様な処理であり、図16のステップS115およびS116の処理は、図12のステップS14およびS15と基本的に同様の処理であり、図16のステップS114の処理は、図12のステップS16と処理するデータが異なるだけであり、基本的に同様の処理であるため、その詳細な説明は適宜省略する。
同様に、図16のステップS131乃至S133、およびS137乃至S139の処理は、図12のステップS31乃至S33、およびS37乃至S39の処理と基本的に同様な処理であり、図16のステップS135およびS136の処理は、図12のステップS34およびS35と基本的に同様の処理であり、図16のステップS134の処理は、図12のステップS36と処理するデータが異なるだけであり、基本的に同様の処理であるため、その詳細な説明は適宜省略する。
ユーザAは、通信制御装置1−1の操作入力部16を操作し、通信制御装置1−2との通信回線の確立に必要な情報を入力する。これらの情報は、操作入力部16を介して、CPU11に入力される。CPU11は、操作入力部16からの情報に基づいて、通信部19を制御する。これに応じて、通信部19は、ステップS111において、ネットワーク2を介して、通信制御装置1−2と通信回線を確立する。
一方、ユーザBも、同様に、通信制御装置1−2の操作入力部16を操作し、通信制御装置1−1との通信回線の確立に必要な情報を入力する。これらの情報は、操作入力部16を介して、CPU11に入力される。CPU11は、操作入力部16からの情報に基づいて、通信部19を制御する。これに応じて、通信部19は、ステップS131において、ネットワーク2を介して、通信制御装置1−1と通信回線を確立する。
通信制御装置1−1のCPU11は、ステップS112において、通信制御処理を開始すると判定するまで待機している。ユーザAは、操作入力部16を操作し、通信制御装置1−2との通信開始を指令する。操作入力部16からの指令に基づいて、CPU11は、ステップS112において、通信制御処理を開始すると判定し、所定のプログラムを実行する。
これにより、通信制御装置1−1においては、図3の機能ブロックが実現され、ステップS113乃至S117の通信制御処理が実行される。
映像音声入力部33−1は、ステップS113において、ユーザAのデータを入力し、入出力情報調整部42−1に出力する。ユーザAのデータは、入出力情報調整部42−1のデータ分配器94により通信が確立された通信相手の通信制御装置1毎に分配される。したがって、通信制御装置1−2へのユーザAのデータは、入力調整部92−1に入力される。
通信制御装置1−1の入出力バランス制御部41−1および入出力情報調整部42−1は、ステップS114において、入出力調整制御処理を実行する。この入出力調整制御処理は、図13の入出力調整制御処理のステップS58において通信相手のデータに対して出力調整部91により実行される調整処理が、ユーザAのデータに対して入力調整部92により実行される調整処理に入れ替わったことが異なるだけであり、その他は、図13のフローチャートを参照して上述した通信制御装置1−1の入出力調整制御処理と基本的に同様の処理を行うのでその説明を省略する。
ステップS114の入出力調整制御処理により、ユーザAの提示情報が取得されて提示され、通信制御装置1−2に対しても送信される。また、通信相手(ユーザB)の要求情報が取得されて提示され、ユーザAおよびユーザBの要求情報の相関関係に基づいて、各データ(映像データ、音声データ、および振動データ)の制御情報が算出されて、算出された制御情報に応じて、ユーザAの各データの提示度合いが調整され、調整されたユーザAのデータが、通信制御装置1−2に対してデータを送信するデータ送信制御部82−1に出力される。
通信制御装置1−1のデータ送信制御部82−1は、ステップS115において、通信部19を制御し、調整されたユーザAのデータを、ネットワーク2を介して、ユーザBの通信制御装置1−2に送信させる。
なお、通信制御装置1−1がユーザCの通信制御装置1−3とも通信を行っている場合には、通信制御装置1−3へのユーザAのデータは、ステップS114において、入力調整部92−2によりユーザAとユーザCの要求情報の相関関係に基づいて算出される制御情報に応じて調整され、調整されたユーザAのデータは、データ送信制御部82−2に出力され、データ送信制御部82−2により、通信制御装置1−3に送信される。
一方、通信制御装置1−2のCPU11も、同様に、ステップS132において、通信制御処理を開始すると判定するまで待機している。ユーザBは、操作入力部16を操作し、通信制御装置1−1との通信開始を指令する。操作入力部16からの指令に基づいて、CPU11は、ステップS132において、通信制御処理を開始すると判定し、所定のプログラムを実行する。
これにより、通信制御装置1−2においては、図3の機能ブロックが実現され、ステップS133乃至S137の通信制御処理が実行される。
映像音声入力部33−2は、ステップS133において、ユーザBのデータを入力し、入出力情報調整部42−2に出力する。ユーザBのデータは、入出力情報調整部42−2のデータ分配器94により通信が確立された通信相手の通信制御装置1毎に分配される。したがって、通信制御装置1−1へのユーザBのデータは、入力調整部92−1に入力される。
通信制御装置1−2の入出力バランス制御部41−2および入出力情報調整部42−2は、ステップS134において、入出力調整制御処理を実行する。この入出力調整制御処理は、図13の入出力調整制御処理のステップS78において通信相手のデータに対して出力調整部91により実行される調整処理が、ユーザBのデータに対して入力調整部92により実行される調整処理に入れ替わったことが異なるだけであり、その他は、図13のフローチャートを参照して上述した通信制御装置1−2の入出力調整制御処理と基本的に同様の処理を行うのでその説明を省略する。
ステップS134の入出力調整制御処理により、ユーザBの提示情報が取得されて提示され、通信制御装置1−1に対しても送信される。また、通信相手(ユーザA)の要求情報が取得されて提示され、ユーザBおよびユーザAの要求情報の相関関係に基づいて、各データ(映像データ、音声データ、および振動データ)の制御情報が算出されて、算出された制御情報に応じて、ユーザBの各データの提示度合いが調整され、調整されたユーザBのデータが、通信制御装置1−1に対してデータを送信するデータ送信制御部82−1に出力される。
通信制御装置1−2のデータ送信制御部82−1は、ステップS135において、通信部19を制御し、調整されたユーザBのデータを、ネットワーク2を介して、ユーザAの通信制御装置1−1に送信させる。
これに対応して、通信制御装置1−1のデータ受信制御部81−1は、ステップS116において、ネットワーク2および通信部19を介して、通信相手(ユーザB)のデータを受信する。通信制御装置1−2により調整され、受信されたユーザBのデータは、出力調整部92−1を介して、データ混合部93に出力される。
なお、通信制御装置1−1がユーザCの通信制御装置1−3とも通信を行っていた場合には、通信制御装置1−3により調整されたユーザCのデータは、ステップS116において、例えば、データ受信制御部81−2に受信され、出力調整部92−2を介して、データ混合部93に出力される。すなわち、ステップS114の入出力調整制御処理、ステップS115の送信処理、およびステップS116の受信処理は、通信相手の通信制御装置1毎に行われる処理である。
データ混合器93は、ステップS117において、調整されたデータに対応する情報をユーザAに提示する。すなわち、データ混合器93は、調整されたデータに対応する情報を合成し、合成されたデータを出力部17−1に出力して、出力部17−1に提示させる。
出力部17−1に提示された情報を見たユーザAは、図10の要求情報入力提示装置201に接近などを行う。要求情報入出力提示装置201の情報検出部212は、ユーザAの接近を検出し、それに応じて、ユーザAの通信相手に対する要求情報を、入出力バランス制御部41−1に入力する。入出力バランス制御部41−1に入力された要求情報は、次のステップS114の入出力調整制御処理に用いられる。
上述したステップS113乃至S117の処理は、ステップS118において、CPU11により通信を終了すると判定されるまで繰り返し続けられる。すなわち、ステップS113乃至S117の通信制御処理中には、通信相手との通信回線が、ユーザAまたは通信相手の意向により切断されることはない。
一方、ステップS115において、通信制御装置1−1により調整されたユーザAのデータは、通信制御装置1−2に送信されている。これに対応して、通信制御装置1−2のデータ受信制御部81−1は、ステップS136において、ネットワーク2および通信部19を介して、通信相手(ユーザA)のデータを受信する。通信制御装置1−2により調整され、受信されたユーザAのデータは、出力調整部92−1を介して、データ混合部93に出力される。
データ混合器93は、ステップS137において、調整されたデータに対応する情報をユーザBに提示する。すなわち、データ混合器93は、調整されたデータに対応する情報を合成し、合成されたデータを出力部17−2に出力して、出力部17−2に提示させる。
出力部17−2に提示された情報を見たユーザBは、要求情報入力提示装置201に接近などを行う。要求情報入出力提示装置201の情報検出部212は、ユーザBの接近を検出し、それに応じて、ユーザBの通信相手に対する要求情報を、入出力バランス制御部41−2に入力する。入出力バランス制御部41−2に入力された要求情報は、次のステップS134の入出力調整制御処理に用いられる。
上述したステップS133乃至S137の処理は、ステップS138において、CPU11により通信を終了すると判定されるまで繰り返し続けられる。
例えば、通信制御装置1−1を再起動させたり、設定を変更させるためなどに、通信制御装置1−1のCPU11は、ステップS118において、通信を終了すると判定した場合、ステップS119において、通信部19を制御し、通信制御装置1−2との通信回線を切断させる。
また、同様に、通信制御装置1−2を再起動させたり、設定を変更させるためなどに、通信制御装置1−2のCPU11は、ステップS138において、通信を終了すると判定した場合、ステップS139において、通信部19を制御し、通信制御装置1−1との通信回線を切断させる。
以上のように、ユーザと通信相手のコミュニケーションにおいて、ユーザの要求情報と通信相手の要求情報の相関関係に応じて、ユーザと通信相手により通信されるデータを調整し、調整されたデータを提示するようにしたので、他方のユーザだけがコミュニケーションに対する要求を強くしたとしても、もう一方のユーザの要求が高くなければ、提示される情報は制限される。これにより、望まれない情報の流出を制限することができる。
すなわち、望まぬ過度の情報の流出によって、ユーザのプライバシが侵害されることを抑制することができる。
逆に、一方のユーザだけのコミュニケーションに対する要求に拠らず、他方のユーザの要求が弱なったとしても、コミュニケーションは切断されず、通信相手の状態がなんとなく感じられるので、他方のユーザの一方的な切断により、一方のユーザが気分を害することが抑制される。
また、映像データや音声データだけでなく、振動データも調整して提示するようにしたので、それらのデータを組み合わせることにより、視覚、聴覚障害者、老人や子供などにも、適切な通信を実現することもできる。なお、これらのデータの他に、その他の五感(触覚、味覚、嗅覚など)を伝えるデータなども用いることも可能である。
このように、双方の不都合が生じることが抑制されるので、ユーザと通信相手の双方に快適なコミュニケーション環境が提供される。
以下、図17乃至図21を参照して、従来の通信装置の場合と比較することで、図1の通信システムの効果を具体的に説明する。
まず、従来の通信装置においては、双方向コミュニケーションを行う場合、携帯電話機に代表されるような呼び出し方式が用いられていた。この方式では、例えば、ユーザAがユーザBと通信を行いたい場合、ユーザAがユーザBの通信装置の固有番号、もしくはアドレスを入力して呼び出しを行い、ユーザBがその発呼を受けることによって、双方向の通信回線が確立され、コミュニケーション活動を実施後、どちらかのユーザがその通信回線を切断処理することによって通信が終了していた。
このような方式が用いられる場合、図17に示されるように、その通信中に、ユーザAの要求およびユーザBの要求がどのように変動しようとも、その通信内容は変わらなかった。
図17は、ユーザの要求状態と従来の通信の状態の関係を表す図である。図17の例においては、横軸は、ユーザBとの通信に対するユーザAの要求状態を表し、縦軸は、ユーザAとの通信に対するユーザBの要求状態を表す。なお、図17の例においては、説明の便宜上、ユーザの要求状態は、要求の度合い(要求情報)に応じて分けられた3つの状態(閉鎖状態(closed)、開放状態(open)、積極状態(active))で構成されている。
閉鎖状態は、ユーザが、他のユーザとの通信を行いたくない状態(すなわち、要求の度合いが弱い状態)を表しており、開放状態は、積極的ではないが、他のユーザとの通信を許可してもいい状態(すなわち、要求の度合いが弱くなく、強くもない、中庸な状態)を表しており、積極状態は、ユーザが、他のユーザとの活発な通信を積極的に望んでいる状態(すなわち、要求の度合いが強い状態)を表している。したがって、ユーザの要求の度合いは、閉鎖状態、開放状態、および積極状態の順に強い。
ここで、横軸のユーザAの要求状態と、縦軸のユーザBの要求状態は、同じ場合もあれば、異なる場合もあり、ユーザAの要求状態とユーザBの要求状態の組み合わせは、図17の例の場合であっても、9通り考えられ、さらに、ユーザAの要求状態とユーザBの要求状態は、図18を参照して後述するように、時間の経過とともに、それぞれ変化していく。
これに対して、従来の通信方式における通信の状態は、通信回線の確立と切断に相当しており、通信回線の切断に対応するoff状態と、通信回線の確立に対応するon状態しかなかった。
すなわち、従来の通信においては、ユーザAまたはユーザBの要求状態が閉鎖状態であった場合、どちらかのユーザの操作に基づいて、通信回線は切断され、通信の状態は、off状態になる。また、どちらか一方の一方的な要求により通信回線が切断されてしまうこともある。
一方、ユーザAおよびユーザBの要求状態が両方とも積極状態であった場合、両方のユーザの操作に基づいて、通信回線は確立され、通信の状態は、on状態になる。なお、実際には、ユーザAおよびユーザBの要求状態が両方とも積極状態ではなくても、一方が他方の要求を仕方なく優先することで、通信回線は確立され、通信の状態は、on状態になることもある。
このため、ユーザAが、ユーザBとのより活発なコミュニケーション活動を望んでいる状態であっても、ユーザBが望まないために、通信回線が確立されないまま、通信の状態がoff状態のままであったり、逆に、ユーザBが望んでいないにもかかわらず、ユーザBが仕方なくユーザAの望みを優先させることで、通信回線が確立され、通信の状態がon状態になっていた。
また、ユーザAとユーザBの通信回線を一旦確立し、通信の状態をon状態にしてしまった場合に、ユーザAの状態が、ユーザBとのコミュニケーション活動をあまり望んでいない状態に変化したとしても、ユーザBが望んでいるために、ユーザAが望まないにもかかわらず、過剰な情報が送受信されてしまったり、逆に、ユーザBが望んでいるにもかかわらず、ユーザAにより、一方的に通信回線が切断され、通信の状態がoff状態になっていた。
このように、従来の通信においては、通信の状態は、通信の確立および切断によるon、offの状態しかなかったために、通信の確立および切断に際して、コミュニケーションを行うどちらか一方のユーザが不都合に感じることや、不満を感じることが多かった。
図18は、ユーザAの要求状態、および従来の通信の状態と時間の経過の関係を表す図である。
図18の例において、縦軸は、ユーザAの要求状態を表しており、縦軸には、下から順に、閉鎖状態(closed)、開放状態(open)、積極状態(active)が示され、上に行くほど、ユーザAの要求が強いことを示している。横軸は、時刻t0からの時間の経過を表している。
ユーザAの要求状態は、時刻t0乃至時刻t5に示されるように、時々刻々と変化している。すなわち、ユーザAの要求状態は、時刻t0から閉鎖状態であるが、時刻t1になったときに、開放状態に変化し、時刻t2になったときに、積極状態に変化し、その後、時刻t3になったときに、開放状態に変化し、時刻t4になったときに、積極状態に変化し、時刻t5において、開放状態に変化している。
一方、例えば、従来においては、図17で上述したように、通信回線の状態は、on状態とoff状態しかない。直線L1は、時間の経過における従来の通信回線の状態を表している。
すなわち、図18の例の場合、ユーザAおよびユーザBの通信の状態は、ユーザAの要求状態と図示せぬユーザBの要求状態が積極状態になった時刻t2において、ユーザAの発呼とユーザBの応答により通信回線が確立されてon状態となり、時刻t5において、ユーザBの一方的な操作により、ユーザAの要求状態によらず、通信回線が切断されてoff状態となっていた。
したがって、時刻t2において、ユーザAの要求が閉鎖状態から開放状態になったとしても、ユーザAおよびユーザBの通信の状態は、off状態のままであり、ユーザAの開放状態と、通信のoff状態(直線L1)には、矢印に示すようにギャップが生じてしまっていた。また、時刻t2において、ユーザAの発呼とユーザBの応答により、一旦通信回線が確立されると、時刻t3において、ユーザAの要求が積極状態から開放状態になった(すなわち、あまり要求が強くなくなった)としても、ユーザAおよびユーザBの通信は、on状態のままであり、ユーザAの開放状態と、通信のon状態(直線L1)には、矢印に示すギャップが生じてしまっていた。
さらに、時刻t5において、ユーザAの要求が積極状態から開放状態になっただけではあるのに、ユーザBの一方的な操作により通信回線が切断されて、ユーザAおよびユーザBの通信は、off状態となってしまい、ユーザAの開放状態と、通信のoff状態(直線L1)には、矢印に示すギャップが生じてしまっていた。
なお、図18の例においては、ユーザAの要求状態と通信の状態に、ギャップが生じないのは、ユーザAの要求が閉鎖状態であり、ユーザAおよびユーザBの通信がoff状態である時刻t0乃至t1の間と、ユーザAの要求が積極状態であり、ユーザAおよびユーザBの通信がon状態である時刻t2乃至t3の間および時刻t4乃至t5の間だけである。
以上のように、従来の通信においては、ユーザAおよびユーザBの通信の状態がoff状態の場合には、ユーザAやユーザBの要求状態がいくら変動しようとも、ユーザAおよびユーザBが発呼および応答を行わない限りは、通信回線が確立されず、ユーザAおよびユーザBの通信の状態はon状態にはならなかった。
また、ユーザAおよびユーザBの通信回線が確立されてしまえば、ユーザAやユーザBの要求状態がいくら変動しようとも、ユーザAまたはユーザBが切断を要求しない限りは、通信の状態はoff状態にならなかった。したがって、ユーザの要求状態と、通信の状態にギャップが生じてしまうことが多かった。
なお、図19に示されるように、常時接続された通信回線を用いて、ユーザAおよびユーザBとの通信回線を常時確立してしまうことも可能であった。
図19の例の場合、ユーザAの要求状態は、図18の例の場合と同様に、時刻t0から閉鎖状態であるが、時刻t1になったときに、開放状態に変化し、時刻t2になったときに、積極状態に変化し、その後、時刻t3になったときに、開放状態に変化し、時刻t4になったときに、積極状態に変化し、時刻t5において、開放状態に変化している。
一方、図19の例の場合、ユーザAおよびユーザBとの通信の状態は、直線L2に示されるように、通信回線が常時確立されているため、on状態となっている。
すなわち、ユーザAおよびユーザBの通信の状態は、常時接続された通信回線を用いて行われることにより、ユーザAおよびユーザBの要求状態によらず、常時on状態である。
したがって、時刻t0において、ユーザAの要求が閉鎖状態であったとしても、時刻t1において、ユーザの要求が開放状態になったとしても、ユーザAおよびユーザBの通信の状態は、on状態のままであり、ユーザAの閉鎖状態および開放状態と、通信のon状態(直線L2)には、それぞれ、矢印に示すようにギャップが生じる。
また、時刻t3において、ユーザAの要求が積極状態から開放状態になったとしても、ユーザAおよびユーザBの通信の状態は、on状態のままであり、ユーザAの開放状態と、通信のon状態(直線L2)には、矢印に示すギャップが生じてしまっていた。さらに、時刻t5において、ユーザAの要求が積極状態から開放状態になったとしても、ユーザAおよびユーザBの通信の状態は、on状態のままであり、ユーザAの開放状態と、通信のon状態(直線L2)には、矢印に示すギャップが生じてしまっていた。
なお、ギャップが生じないのは、ユーザAの要求が積極状態であり、ユーザAおよびユーザBの通信の状態がon状態である時刻t2乃至t3の間および時刻t4乃至t5の間だけである。
すなわち、図19の例の通信においては、常時接続された通信回線を用いて、ユーザAおよびユーザBとの通信回線を常時確立した場合、ユーザの要求状態に拠らず、常にユーザの情報が通信されてしまう。したがって、ユーザの要求が弱いときなどには、監視カメラ装置のような一方向的な利用を行うものと違って、ユーザのプライバシを侵害する恐れがあり、結果的に、ユーザに不快感を与えてしまっていた。
以上のように、従来の通信においては、時々刻々と変化するユーザAの要求状態と、通信回線の切断および確立によるon状態とoff状態しか有さない通信の状態の間は、大きなギャップが生じてしまっていた。
図20は、図17の従来の場合に対応する、図1の通信システムにおけるユーザの要求状態と通信の状態の関係を表す図である。
図20の例においては、図17の例の場合と同様に、横軸は、ユーザBとの通信に対するユーザAの要求状態(閉鎖状態(closed)、開放状態(open)、積極状態(active))を3段階で表し、縦軸は、ユーザAとの通信に対するユーザBの要求状態(閉鎖状態(closed)、開放状態(open)、積極状態(active))を3段階で表している。
したがって、図17の例の場合と同様に、ユーザAの要求状態とユーザBの要求状態は、同じ場合もあれば、異なる場合もあり、ユーザAの要求状態とユーザBの要求状態の組み合わせは、9通り考えられ、さらに、ユーザAの要求状態とユーザBの要求状態は、図21を参照して後述するように、時間の経過とともに、それぞれ変化していく。
一方、図1の通信システムおいては、通信の状態が、ユーザAとユーザBの要求状態の組み合わせに応じて、低臨場感(Ambient)状態、中臨場感(Medium)状態、または高臨場感(high presence)状態に変化する。
すなわち、図1の通信システムの場合、通信回線の切断および確立により通信の状態が3つの状態に変化するわけではなく、通信回線が常時確立された状態(on状態)において行われる通信の状態が、ユーザAおよびユーザBの相互の要求に対応して、低臨場感(Ambient)、中臨場感(Medium)、および高臨場感(high presence)をそれぞれユーザに与える3つのいずれかの状態に変化する。
具体的には、通信の状態は、領域Lに示されるように、ユーザAの要求およびユーザBの要求の少なくとも一方が閉鎖状態である場合に低臨場感状態となり、通信の状態が低臨場感状態である場合、図1の通信システムにおいては、ユーザAおよびユーザBに対して、低臨場感を感じさせるコミュニケーション環境が提供されるように、通信対象のデータの提示度合いの調整が行われる。
通信の状態は、領域Mに示されるように、ユーザAの要求およびユーザBの要求のどちらか一方が開放状態であり、かつ、他方が開放状態以上の強さの状態である場合に中臨場感状態となり、通信の状態が中臨場感状態である場合、図1の通信システムにおいては、ユーザAおよびユーザBに対して、中臨場感を感じさせるコミュニケーション環境が提供されるように、通信対象のデータの提示度合いの調整が行われる。
通信の状態は、領域Hに示されるように、ユーザAの要求およびユーザBの要求の両方が積極状態以上の強さの状態である場合に高臨場感状態となり、通信の状態が高臨場感状態である場合、ユーザAおよびユーザBに対して、高臨場感を感じさせるコミュニケーション環境が提供されるように、通信対象のデータの提示度合いの調整が行われる。
図21は、ユーザAの要求状態、および図20の通信の状態と時間の経過の関係を表す図である。
図21の例の場合、ユーザAの要求状態は、図18の例の場合と同様に、時刻t0から閉鎖状態であるが、時刻t1になったときに、開放状態に変化し、時刻t2になったときに、積極状態に変化し、その後、時刻t3になったときに、開放状態に変化し、時刻t4になったときに、積極状態に変化し、時刻t5において、開放状態に変化している。
そして、図1の通信システムにおける通信は、図20で上述したように、3つの状態(低臨場状態、中臨場状態、および高臨場状態)を有している。直線L3は、時間の経過における通信の状態を表している。なお、この通信の状態は、説明の便宜上、直線で表されているが、実際には、ユーザの要求状態に応じて変化するため、直線L3のように直線ではなく、なだらかな曲線で表される。
したがって、ユーザAおよびユーザBの通信の状態は、ユーザAの要求が閉鎖状態である時刻t0においては、ユーザBの要求状態に拠らず、低臨場状態であり、ユーザAの要求が低臨場状態から、開放状態に変化する時刻t1においては、ユーザBの要求が開放状態以上であれば、中臨場状態に変化し、ユーザAの要求が開放状態から、積極状態に変化する時刻t2においては、ユーザBの要求が積極状態以上であれば、高臨場状態に変化する。
また、ユーザAおよびユーザBの通信の状態は、ユーザAの要求が積極状態から開放状態に変化する時刻t3においては、ユーザBの要求が開放状態以上であれば、中臨場状態に変化し、ユーザAの要求が開放状態から、積極状態に変化する時刻t4においては、ユーザBの要求が積極状態以上であれば、高臨場状態に変化し、ユーザAの要求が積極状態から開放状態に変化する時刻t5においては、ユーザBの要求が開放状態以上であれば、中臨場状態に変化する。
すなわち、ユーザAとユーザBの要求は、時々刻々と変化するが、変化するユーザAとユーザBの要求の相関関係に応じて、通信の状態も時々刻々と変化する。これにより、ユーザAとユーザBの要求状態と、通信の状態のギャップは、従来の場合よりも抑制される。
なお、通信の状態の変化が、ユーザAとユーザBの要求の相関関係に応じていることにより、例えば、ユーザBの要求が変わらず閉鎖状態である場合には、直線L4に示されるように、通信の状態は、変わらず低臨場状態を保持する。この場合、ユーザAが開放状態に変化しても、積極状態に変化しても、通信の状態は低臨場状態であり、ユーザAの要求状態と、通信の状態にはギャップが生じてしまうが、従来のように、通信回線が切断されるわけではなく、ユーザBの状態を感じることはできるので、従来の一方的に切断される場合のようなユーザの不快感を緩和させることができる。
さらに、常に、閉鎖状態のユーザの要求が優先されるので、ユーザの要求が弱いときに、要求以上の情報が送信されてしまうことがない。すなわち、ユーザのプライバシが侵害されることを抑制することができる。
以上により、図1の通信システムにおいては、ユーザに快適なコミュニケーション活動を提供することができる。
図22は、本発明を適用した通信システムの他の構成例を示している。
図22の通信システムは、通信制御装置1−1乃至1−3、およびネットワーク2を備える点が図1の通信システムと共通するが、サーバ301が追加された点が図1の通信システムと異なる。
すなわち、図22のネットワーク2には、通信制御装置1−1乃至1−3だけでなく、サーバ301が接続されている。なお、サーバ301は、任意の台数、ネットワーク2に接続される。
図20の通信制御装置1は、図1の通信制御装置1と同様に、ネットワーク2に接続される他の通信制御装置1と通信回線を確立し、確立後においては、常時、データを相互に通信し、通信により得られたデータをユーザに提示する。これにより、ユーザは、通信相手とのコミュニケーション(通信)を行うことができる。
例えば、ユーザAが、ユーザBとコミュニケーションを行う場合、通信制御装置1−1は、ユーザAの映像データおよび音声データを、ネットワーク2を介して通信制御装置1−2に送信し、通信制御装置1−2から送信されてくるユーザBの映像データおよび音声データを受信している。
このとき、通信制御装置1−1は、ユーザAの状態や動作などに対応して入力される、ユーザB(通信制御装置1−2)との通信に対する要求の度合いを表す要求情報を、ネットワーク2を介してサーバ301に送信するとともに、ユーザBの状態や動作などに対応して入力される、ユーザA(通信制御装置1−1)との通信に対するユーザBの要求情報を、ネットワーク2を介してサーバ301から受信する。
また、通信制御装置1−1は、ネットワーク2を介して、サーバ301から、送信するユーザAのデータ、または受信したユーザBのデータの提示度合いを調整するための制御情報を取得する。通信制御装置1−1は、取得された制御情報に応じて、送信するユーザAのデータを調整し、調整したユーザAのデータを、通信制御装置1−2に送信する。あるいは、通信制御装置1−1は、取得された制御情報に応じて、受信したユーザBのデータの提示度合いを調整し、調整したユーザBのデータに対応する情報(すなわち、映像や音声)を、ユーザAに対して提示する。
例えば、ユーザAが、ユーザCとコミュニケーションを行う場合、通信制御装置1−1は、ユーザAの映像データおよび音声データを、ネットワーク2を介して通信制御装置1−3に送信し、通信制御装置1−3から送信されてくるユーザCの映像データおよび音声データを受信している。
このとき、通信制御装置1−1は、ユーザAの状態や動作などに対応して入力される、ユーザC(通信制御装置1−3)との通信に対するユーザAの要求情報を、ネットワーク2を介してサーバ301に送信するとともに、ユーザCの状態や動作などに対応して入力される、ユーザA(通信制御装置1−1)に対するユーザCの要求情報を、ネットワーク2を介してサーバ301から受信する。
また、通信制御装置1−1は、ネットワーク2を介して、サーバ301から、送信するユーザAのデータ、または受信したユーザCのデータの提示度合いを調整するための制御情報を取得する。通信制御装置1−1は、取得された制御情報に応じて、送信するユーザAのデータを調整し、調整したユーザAのデータを、通信制御装置1−3に送信する。あるいは、通信制御装置1−1は、取得された制御情報に応じて、受信したユーザCのデータの提示度合いを調整し、調整したユーザCのデータに対応する情報(すなわち、映像や音声)を、ユーザAに対して提示する。
なお、通信制御装置1−2による通信制御装置1−1との通信および通信制御装置1−3との通信、並びに、通信制御装置1−3による通信制御装置1−1との通信および通信制御装置1−2との通信も同様であり、繰り返しになるのでその説明を省略する。
サーバ301は、通信確立中の両方の通信制御装置1から、両方のユーザの要求情報をそれぞれ取得し、取得した一方のユーザの要求情報を、他方のユーザの通信制御装置1にそれぞれ送信するとともに、両方のユーザの要求情報の相関関係に基づいて、両方のユーザにより送受信されるデータの提示度合いの調整を制御する制御情報を算出し、算出した制御情報を、通信確立中の両方のユーザの通信制御装置1に、それぞれ送信する。
例えば、サーバ301は、ネットワーク2を介して、通信確立中の通信制御装置1−1および1−2から、ユーザAの要求情報、およびユーザBの要求情報をそれぞれ取得し、取得したユーザAの要求情報を、ネットワーク2を介して、ユーザBの通信制御装置1−2に送信し、取得したユーザBの要求情報を、ネットワーク2を介して、ユーザAの通信制御装置1−1に送信する。
そして、サーバ301は、取得したユーザAの要求情報、およびユーザBの要求情報の相関関係に基づいて、通信制御装置1−1および1−2間で送受信されるユーザAまたはユーザBのデータの提示度合いの調整を制御する制御情報を算出し、算出した制御情報を、ネットワーク2を介して、通信制御装置1−1および1−2にそれぞれ送信する。
例えば、サーバ301は、通信確立中の通信制御装置1−1および1−3から、ユーザAの要求情報、およびユーザCの要求情報をそれぞれ取得し、取得したユーザAの要求情報を、ユーザCの通信制御装置1−3に送信し、取得したユーザCの要求情報を、ユーザAの通信制御装置1−1に送信する。
また、サーバ301は、取得したユーザAの要求情報、およびユーザCの要求情報の相関関係に基づいて、通信制御装置1−1および1−3間で送受信されるユーザAまたはユーザCのデータの提示度合いの調整を制御する制御情報を算出し、算出した制御情報を、通信制御装置1−1および1−3にそれぞれ送信する。
以上のように、図22の通信システムにおいては、図1の通信制御装置1において行われていたユーザおよび通信相手の要求情報の相関関係に基づく制御情報の算出がサーバ301において行われる。これにより、通信制御装置1において、制御情報の算出するための演算の負荷を軽減することができる。
そして、図22の通信制御装置1においては、サーバ301において算出された制御情報に応じて、他の通信制御装置1との通信に用いるデータの提示度合いが調整され、調整されたデータに対応する情報がユーザに対して提示される。
したがって、図1の通信システムと同様に、例えば、通信相手に対して、コミュニケーションを望んでいないときに、多くの情報が通信相手に送信されてしまったり、反対に、通信相手に対して、コミュニケーションを望んでいても、通信相手にはその要求が伝わらないなど、ユーザと通信相手のコミュニケーションにおいて、双方の不都合が生じることが抑制される。
これにより、ユーザと通信相手の双方に快適なコミュニケーション環境が提供される。
なお、図22のサーバ301の構成例は、通信制御装置1の構成例と基本的に同様であるため、以下、図2の通信制御装置1の構成例は、サーバ301の構成としても用いられる。
図23は、図22の通信制御装置1の機能構成例を示すブロック図である。図23の例においては、通信制御装置1−1および1−2の機能構成例が示されており、図23に示される機能ブロックは、通信制御装置1−1および1−2のCPU11(図2)により所定のプログラムがそれぞれ実行されることで実現される。
なお、図23の通信制御装置1−1は、入出力インタフェース15−1を備え、入出力インタフェース15−1に、要求情報入力部31−1、要求情報提示部32−1、出力部17−1、および映像音声入力部33−1が接続されている点、並びに、入出量情報調整部42−1、およびデータ通信制御部44−1を備える点が、図3の通信制御装置1−1と共通するが、入力バランス制御部41−1が入力バランス制御部311−1に入れ替わった点、および要求情報送受信部43−1が要求情報送受信部312−1に入れ替わった点が図3の通信制御装置1−1と異なる。
また、図23の通信制御装置1−2は、入出力インタフェース15−2を備え、入出力インタフェース15−2に、要求情報入力部31−2、要求情報提示部32−2、出力部17−2、および映像音声入力部33−2が接続されている点、並びに、入出量情報調整部42−2、およびデータ通信制御部44−2を備える点が、図3の通信制御装置1−2と共通するが、入力バランス制御部41−2が入力バランス制御部311−2に入れ替わった点、および要求情報送受信部43−2が要求情報送受信部312−2に入れ替わった点が図3の通信制御装置1−2と異なる。
すなわち、入出力バランス制御部311−1は、要求情報入力部31−1から入力されるユーザAの要求情報を取得し、取得したユーザAの要求情報を、入出力インタフェース15−1を介して、要求情報提示部32−1に出力し、提要求情報提示部32−1に提示させるとともに、要求情報送受信部312−1に出力し、サーバ301に送信させる。
入出力バランス制御部311−1は、要求情報送受信部312−1から入力されるユーザB(通信相手)の要求情報を取得し、取得したユーザBの要求情報を、入出力インタフェース15−1を介して、要求情報提示部32−1に出力し、提要求情報提示部32−1に提示させる。
また、入出力バランス制御部311−1は、要求情報送受信部312−1から入力される、ユーザAおよびユーザBの要求情報の相関関係に応じてサーバ301により算出された制御情報に基づいて、入出力情報調整部42−1を制御する。
要求情報送受信部312−1は、ネットワーク2およびサーバ301を介して、通信部19により通信が確立された通信相手(ユーザB)の通信制御装置1−2に、ユーザAの要求情報を送信したり、サーバ301およびネットワーク2を介して、通信制御装置1−2からのユーザBの要求情報を受信する。
また、要求情報送受信部312−1は、サーバ301から、ネットワーク2を介して、ユーザAおよびユーザBの要求情報の相関関係に応じて算出された制御情報を受信し、入出力バランス制御部41−1に出力する。
通信制御装置1−2の入出力バランス制御部311−2および要求情報送受信部312−2も、通信制御装置1−1の入出力バランス制御部311−1および要求情報送受信部312−1と同様の構成であるため、その説明は繰り返しになるので省略する。
なお、以下、入出力バランス制御部311−1および311−2、並びに要求情報送受信部312−1および312−2を、個々に区別する必要がない場合、それぞれ、入出力バランス制御部311、並びに要求情報送受信部312と称する。
図24は、図23の入出力バランス制御部311および要求情報送受信部312の構成例を示す図である。
図24の入出力バランス制御部311は、要求情報取得部61、および調整制御部64を備える点が図4の入出力バランス制御部41と共通するが、制御情報算出部62および制御関数記憶部63が除かれた点が図4の入出力バランス制御部41と異なる。
図24の要求情報送受信部312は、要求情報送信部71を備える点が図4の要求情報送受信部43と共通するが、要求情報受信部72が要求情報受信部321に入れ替わった点が図4の要求情報送受信部43と異なる。
すなわち、要求情報取得部61は、要求情報入力部31から入力されるユーザの要求情報を取得し、取得したユーザの要求情報を、要求情報送信部71および要求情報提示部32に出力する。要求情報取得部61は、要求情報受信部321から入力される通信相手の要求情報を取得し、取得した通信相手の要求情報を、要求情報提示部32に出力する。
さらに、要求情報取得部61は、要求情報受信部321より入力されるサーバ301からの制御情報(すなわち、ユーザと通信相手の要求情報の相関関係に応じて算出された制御情報)を取得し、取得した制御情報を、調整制御部64に出力する。
調整制御部64は、要求情報取得部61より入力されるサーバ301からの制御情報に基づいて、入出力情報調整部42によるデータの調整を制御する。
要求情報送信部71は、要求情報取得部61から入力されるユーザの要求情報を、サーバ301を介して、通信相手の通信制御装置1に送信する。
要求情報受信部321は、通信相手の通信制御装置1からの通信相手の要求情報を、サーバ301を介して受信し、受信した通信相手の要求情報を要求情報取得部61に供給する。また、要求情報受信部321は、サーバ301から、ユーザと通信相手の要求情報の相関関係に応じて算出された制御情報を受信する。
図25は、サーバ301の機能構成例を示すブロック図である。図25に示される機能ブロックは、サーバ301のCPU11により所定のプログラムがそれぞれ実行されることで実現される。
要求情報受信部351は、通信制御装置1からのユーザの要求情報を、ネットワーク2を介して受信し、要求情報取得部352に出力する。
要求情報取得部352は、要求情報受信部351から入力される通信制御装置1からのユーザの要求情報を取得し、取得したユーザの要求情報を、情報送信部355に出力する。また、要求情報取得部352は、通信が確立されている通信制御装置1同士のユーザの要求情報が両方取得された場合、両方のユーザの要求情報を、制御情報算出部353に出力する。
制御情報算出部353は、要求情報取得部352から相互に通信が確立されている1組のユーザの要求情報が入力される。制御情報算出部353は、制御関数記憶部354に記憶されている1組のユーザに対応する制御関数群を読み出し、読み出した制御関数群を用いて、1組のユーザの要求情報の相関関係に応じた制御情報を算出し、算出した制御情報を、情報送信部355に出力する。
制御関数記憶部354は、制御情報算出部353により制御情報の算出に用いられる1組のユーザ毎の制御関数群を記憶している。すなわち、制御関数記憶部354には、ユーザAとユーザBとの通信における制御情報の算出に用いられる制御関数群、ユーザAとユーザCとの通信における制御情報の算出に用いられる制御関数群などが記憶されている。
情報送信部355は、要求情報取得部351から入力されるユーザの要求情報を、ネットワーク2を介して、通信が確立されている他の通信制御装置1に送信する。また、情報送信部355は、制御情報算出部353により算出された1組のユーザの通信における制御関数を、ネットワーク2を介して、対応する1組の通信制御装置1に送信する。
次に、通信制御装置1−1と通信制御装置1−2の処理について説明する。なお、図21の通信制御装置1−1と通信制御装置1−2の処理の例は、図12を参照して上述した処理と、ステップS16およびS36の入出力調整制御処理が異なるだけであり、その他の処理は基本的に同様であるので、その説明を省略する。
したがって、図26のフローチャートを参照して、図12のステップS16およびS36の入出力調整制御処理の他の例である、図21の通信制御装置1の入出力調整制御処理を説明する。なお、図26の例においては、通信制御装置1−1のステップS16の例が示されているが、通信制御装置1−2もステップS36において同様の処理を行うので、その説明は省略する。
また、図26のステップS161乃至S163,S166,およびS168の処理は、図13のステップS51乃至S53,S56,およびS58の処理と基本的に同様の処理であるので、その詳細な説明は適宜省略する。
要求情報入出力提示装置201の情報検出部212は、ステップS161において、ユーザAの接近を検出し、それに応じて、ユーザAの通信相手に対する要求情報を、入出力バランス制御部41−1に入力する。
入出力バランス制御部41−1の要求情報取得部61は、ステップS162において、情報検出部212からのユーザAの要求情報を取得する。
要求情報取得部61は、ステップS163において、取得したユーザAの要求情報を、要求情報提示部32のLED213に提示する。
要求情報取得部61は、取得したユーザAの要求情報を、要求情報送信部71に出力する。要求情報送信部71は、ステップS164において、通信部19を制御し、ユーザAの要求情報を、ネットワーク2を介して、サーバ301に送信させる。なお、このとき、要求情報送信部71は、ユーザBの通信制御装置1−2と通信確立中であることもサーバ301に通知する。
一方、ユーザBも、ユーザAと同様に、ユーザBの要求情報を取得し、取得したユーザBの要求情報を、ユーザBに対して提示するとともに、ネットワーク2を介してサーバ301に送信している。このとき、通信制御装置1−2も、ユーザAの通信制御装置1−1と通信確立中であることをサーバ301に通知している。
これに対応して、サーバ301は、後述する図27のステップS182において、ユーザAの要求情報を、ネットワーク2を介して、ユーザBの通信制御装置1−2に送信し、ステップS184において、ユーザBの要求情報を、ネットワーク2を介して、ユーザAの通信制御装置1−1に送信してくる。
通信制御装置1−1の要求情報受信部321は、ステップS165において、ネットワーク2および通信部19を介して、サーバ301から、通信相手(ユーザB)の要求情報を受信し、受信したユーザBの要求情報を、要求情報取得部61に出力する。要求情報取得部61は、要求情報受信部321からの通信相手(ユーザB)の要求情報を取得し、ステップS166において、取得したユーザBの要求情報を、要求情報提示部32のLED214に提示する。
また、サーバ301は、後述する図27のステップS186において、ユーザAおよびユーザBの要求情報に基づいて算出された各データの制御情報を、ネットワーク2を介して、ユーザAの通信制御装置1−1に送信してくる。なお、各データの制御情報は、ステップS187において、同様に、ユーザBの通信制御装置1−2にも送信される。
通信制御装置1−1の要求情報受信部321は、ステップS167において、ネットワーク2および通信部19を介して、サーバ301から、ユーザAおよびユーザBの要求情報に基づいて算出された各データの制御情報を受信し、受信した各データの制御情報を、調整制御部64に出力する。
調整制御部64は、ステップS168において、要求情報受信部321からのサーバ301により算出された制御情報に基づいて、図12のステップS15において出力調整部91−1に入力されたユーザBのデータの調整を制御する。すなわち、ステップS168において、出力調整部91−1は、制御情報に基づいて、ユーザBのデータの提示度合いを調整する。
すなわち、ユーザBの映像データ、音声データ、および振動データは、映像調整部111、音声調整部112、および振動調整部113によりそれぞれ調整されて、データ混合器93に出力され、処理は、図12のステップS16に戻り、ステップS17に進む。
これにより、ステップS17においては、データ混合器93により調整されたデータに対応する情報が出力部17(すなわち、ユーザA)に提示される。
次に、図27のフローチャートを参照して、図22のサーバ301の制御情報算出処理を説明する。図27の制御情報算出処理は、図22の通信制御装置1による図26の入出力調整制御処理に対応して実行される処理である。
通信制御装置1−1は、上述した図26のステップS164において、ユーザAの要求情報を、ネットワーク2を介して、サーバ301に送信してくる。なお、このとき、通信制御装置1−1からは、ユーザBの通信制御装置1−2と通信確立中であることもサーバ301に通知される。
サーバ301の要求情報受信部351は、ネットワーク2を介して、ステップS181において、ユーザAの要求情報を受信し、受信した要求情報を要求情報取得部352に出力する。要求情報取得部352は、要求情報受信部351から入力されるユーザAの要求情報を取得し、取得したユーザAの要求情報を、情報送信部355に出力する。
情報送信部355は、ステップS182において、要求情報取得部351から入力されるユーザAの要求情報を、ネットワーク2を介して、通信確立中であるユーザBの通信制御装置1−2に送信する。
これに対応して、通信制御装置1−2においては、ユーザAの要求情報が受信されて、ユーザBに対して提示される。
一方、通信制御装置1−2も、ユーザBの要求情報を、ネットワーク2を介して、サーバ301に送信してくる。なお、このとき、通信制御装置1−2からも、ユーザAの通信制御装置1−1と通信確立中であることがサーバ301に通知される。
サーバ301の要求情報受信部351は、ステップS183において、ネットワーク2を介して、ユーザBの要求情報を受信し、受信した要求情報を要求情報取得部352に出力する。要求情報取得部352は、要求情報受信部351から入力されるユーザBの要求情報を取得し、取得したユーザBの要求情報を、情報送信部355に出力する。
情報送信部355は、ステップS184において、要求情報取得部351から入力されるユーザBの要求情報を、ネットワーク2を介して、通信確立中であるユーザAの通信制御装置1−1に送信する。
これに対応して、上述した図26のステップS165において、通信制御装置1−1は、ユーザBの要求情報を受信し、ステップS166において、ユーザBの要求情報が、ユーザAに対して提示される。
また、要求情報取得部352は、通信確立中の通信制御装置1−1および1−2からのユーザAおよびユーザBの要求情報が両方取得されると、ユーザAおよびユーザBの要求情報を制御情報算出部353に出力する。
制御情報算出部353は、ステップS185において、要求情報取得部352から入力されたユーザAおよびユーザBの要求情報に基づいて、各データの制御情報を算出する。すなわち、制御情報算出部353は、ステップS185において、制御関数記憶部354に記憶されているユーザAとユーザBの制御関数群を用いて、ユーザAとユーザBの要求情報の相関関係に応じた制御情報を算出し、算出した制御情報を、情報送信部355に出力する
情報送信部355は、ステップS186において、ネットワーク2を介して、ユーザAの通信制御装置1−1に、ユーザAとユーザBの要求情報の相関関係に応じた制御情報を送信する。
これに対応して、通信制御装置1−1は、ユーザAとユーザBの要求情報の相関関係に応じた制御情報を受信し、上述した図26のステップS168において、受信した制御情報に基づいて、出力調整部91−1に入力されたユーザBのデータの調整を制御する。
また、情報送信部355は、ステップS187において、ネットワーク2を介して、ユーザBの通信制御装置1−2に、ユーザAとユーザBの要求情報の相関関係に応じた制御情報を送信する。そして、制御情報算出処理は終了される。
これに対応して、通信制御装置1−2においても、ユーザAとユーザBの要求情報の相関関係に応じた制御情報が受信され、受信された制御情報に基づいて、出力調整部91−1に入力されたユーザAのデータの調整が制御される。
なお、通信制御装置1−1が通信制御装置1−3とも通信を確立していた場合には、通信制御装置1−1および1−3の間で、図26の入出力調整制御処理が含まれる図12の処理が実行され、これに対応して、サーバ301においては、ユーザAとユーザCの要求情報に対して、図27の制御情報算出処理が実行される。
すなわち、サーバ301による図27の制御情報算出処理は、1組のユーザ毎に実行される処理である。
以上のように、サーバ301が制御情報を算出する図22の通信システムにおいても、図1の通信システムの場合と同様に、ユーザと通信相手のコミュニケーションにおいて、双方の不都合が生じることが抑制されるので、ユーザと通信相手の双方に快適なコミュニケーション環境が提供される。
また、サーバ301を介して、通信相手の要求情報が送受信され、受信された要求情報が提示されるので、図1の通信システムの場合と同様に、通信相手の要求情報も確認することができる。
なお、図22の通信システムにおいては、ユーザが、自身のプライバシ保護を行うための制御算出を外部のサーバに委託することになってしまうため、外部のサーバの動作によっては、自身にとっての不快な制御が行われてしまうかもしれないといった不安感を生じさせてしまう恐れもあり、プライバシ保護の点では、図1の通信システムの場合のほうが、利点がある。
しかしながら、図22の通信システムにおいては、サーバ301により制御情報が算出されるので、図1の通信システムの場合と較べて、ユーザが用いる通信制御装置1の構成を簡単にすることができるとともに、各ユーザの要求情報を一元管理できるため、制御算出にかかるメンテナンスや改良を容易に行うことができる。
なお、上記説明においては、通信制御装置1−1および1−2の通信、および通信制御装置1−1および1−3の通信を用いて説明したが、通信制御装置1−2および1−3の通信も同様に実行される。この場合にも、ユーザBとユーザCの要求情報に基づいて、通信制御装置1−2および1−3で通信されるデータを調整する制御情報が算出される。
また、上記説明においては、通信制御装置1がパーソナルコンピュータで構成される場合を説明したが、パーソナルコンピュータに限らず、例えば、携帯電話機、その他のPDA(Personal Digital Assistant)機器や、PD(Potable Device)、AV(Audio Visual)機器などの再生装置、記録再生装置や家電(家庭用電化製品)などのCE(Consumer Electronics)機器などで構成することもできる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、図2に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア21のようなパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM12や、記憶部18に含まれるハードディスクなどで構成される。
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
1−1乃至1−3 通信制御装置,2 ネットワーク,16 操作入力部,17,17−1,17−2 出力部,31−1,31−2 要求情報入力部,32−1,32−2 要求情報提示部,33−1,33−2 映像音声入力部,41−1,41−2 入出力バランス制御部,42−1,42−2 入出力情報調整部,43−1,43−2 要求情報送受信部,44−1,44−2 データ通信制御部,61 要求情報取得部,62 制御情報算出部,63 制御関数記憶部,64 調整制御部,71 要求情報送信部,72 要求情報受信部,91−1,91−2 出力調整部,92−1,92−2 入力調整部,201 要求情報入力提示装置,202 ディスプレイ,203 ステレオスピーカ,302 サーバ,351 要求情報受信部,352 要求情報取得部,353 制御情報算出部,354 制御関数記憶部,355 情報送信部