JP4643890B2 - 光電波融合技術を用いた通信システム、基地局側通信装置及び子局側通信装置 - Google Patents
光電波融合技術を用いた通信システム、基地局側通信装置及び子局側通信装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基地局に設置された基地局側通信装置と、子局に設置され、基地局側通信装置に光ファイバを介して接続された子局側通信装置とを備え、光電波融合技術により通信を行う通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ファイバを低損失で超広帯域な自由伝搬空間として見なし、電波を光ファイバ内に閉じ込め光伝送する光電波融合技術を用いた通信システムが提案されている。図7は、従来の光電波融合技術を用いた通信システムを示している(非特許文献1)。この光電波融合技術を用いた通信システムは、基地局側通信装置100と、それぞれ光ファイバ200を介して基地局側通信装置100と接続されたn(nは自然数)個の子局側通信装置300とから構成されている。基地局側通信装置100は、各子局側通信装置300に対応して設けられたミリ波信号生成器101及び電気光変換器102を備えている。
【0003】
ミリ波信号生成器101は、インターネット400からのデータ等を基に、ベースバンド信号を発生するベースバンド発生器1011と、所定周波数、例えば60GHzのミリ波を生成するミリ波発振器1012と、ベースバンド信号を、ミリ波発振器1012が生成したミリ波を用いてミリ波信号に変換し、得られたミリ波信号を光ファイバ200を介して子局側通信装置300に出力する周波数変換器1013とを備えている。さらに、ミリ波信号生成器101は、子局側通信装置によって受信され、光ファイバ200を介して子局側通信装置300から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号を、ミリ波発振器1012が生成したミリ波を用いてベースバンド信号に変換する周波数変換器1015と、周波数変換器1015が変換したベースバンド信号を復号しデータを抽出するベースバンド復号器1014とを備えている。
【0004】
ミリ波信号生成器101が生成したミリ波信号は、電気光変換器102によって光に変換され、光ファイバ200を介して子局側通信装置300に出力される。子局側通信装置300によって受信されたミリ波信号は、光電気変換器301によって電気信号に変換され、増幅器302等により増幅され、アンテナ303から無線信号として出力される。
【0005】
【非特許文献1】
光・電波融合ネットワークの現状と招来(出典「電子情報通信学会誌 Vol.80 No.8 pp.859~868 1997年8月」塚本勝俊 大塚裕幸)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示す従来の光電波融合技術を用いた通信システムでは、ミリ波発振器1012を用いていてミリ波を直接的に生成しており、このミリ波発振器1012は高価であるため、システムのコストが嵩むという問題がある。
【0007】
また、ミリ波信号生成器101が生成したミリ波信号は、電気光変換器102によって光に変換されて光ファイバ200に出力されているが、ミリ波信号を取り扱うような電気光変換器102は、広く普及しておらず特殊であるため、高コストであり、このような電気光変換器102を用いて基地局側通信装置100を構成するとシステムのコストが嵩むという問題がある。
【0008】
さらに、従来の光電波融合技術を用いた通信システムでは、基地局側通信装置でミリ波信号を生成し光ファイバを介して子局側通信装置に出力しているため、光ファイバには高い周波数で変調した光波が伝送される。光ファイバは、伝送される光波を変調する信号の周波数が高いほど伝送特性の劣化が増大するという特性を有している。そのため、正確な通信に支障をきたすという問題が生じる。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、低コストかつ、信頼性の高い通信を行うことができる光電波融合技術を用いた通信システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光電波融合技術を用いた通信システムは、基地局側通信装置と前記基地局側通信装置に光ファイバを介して接続された子局側通信装置とを備えた光電波融合技術を用いた通信システムであって、前記基地局側通信装置は、周波数間隔が第1の周波数であるスペクトル列を有する光波を生成するSC光源と、前記SC光源が生成した光波から、前記第1の周波数の整数倍の周波数である第2の周波数の周波数間隔を有する第1及び第2の光波を抽出するとともに、前記第1及び第2の光波とは周波数が異なる第3及び第4の光波を抽出する抽出手段と、送信対象データを含むベースバンド信号を発生するベースバンド発生器と、前記第3の光波を前記ベースバンド信号で変調する第1の電気光変換手段と、前記第1、第2、及び第4の光波と変調された前記第3の光波とを合波して得られた光波を前記光ファイバを介して前記子局側通信装置に出力する合波手段とを備え、前記子局側通信装置は、前記第3の光波を電気信号に変換する光電気変換手段と、前記第1及び第2の光波を受光し、非線形作用により前記第2の周波数を有するミリ波を生成するミリ波生成手段と、前記光電気変換手段が電気信号に変換した第3の光波を、前記ミリ波生成手段が生成したミリ波を用いて、ミリ波信号に変換する周波数変換手段と、前記ミリ波信号を無線信号として外部に出力する送信手段と、外部から子局側通信装置に向けて送信された無線信号を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した無線信号を、前記ミリ波生成手段が生成したミリ波を用いてベースバンド信号に変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段によって得られたベースバンド信号で、前記第4の光波を変調し、変調した第4の光波を前記光ファイバを介して前記基地局側通信装置に出力する第2の電気光変換手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、SC光源は第1の周波数の周波数間隔を有する光波を生成する。抽出手段は、SC光源が生成した光波から第1の周波数の整数倍の周波数である第2の周波数を有する第1及び第2の光波を抽出するとともに、第1及び第2の光波とは周波数が異なる第3の光波を抽出する。抽出された第3の光波は、ベースバンド信号で変調される。変調された第3の光波と抽出された第1及び第2の光波は、光ファイバを介して子局側通信装置に出力される。ここで、光ファイバには、第1〜第3の光波を含む光信号が伝送されるが、この光信号は、ベースバンド信号帯の周波数で変調されており、従来の光電波融合技術を用いた通信システムのようにミリ波帯の周波数で変調されていない。そのため、光ファイバを介して子局側通信装置に伝送される光波の光ファイバによる伝送特性の劣化は、ミリ波帯で変調された光波を送信する従来の光電波融合技術を用いた通信システムに比べて大きく低減され、通信の信頼性を高めることができる。
【0012】
さらに、第3の光波は、ベースバンド信号帯の周波数を有しているため、電気光変換器として、従来の光電波融合技術を用いた通信システムのようにミリ波を取り扱うような特殊な電気光変換器を用いなくとも、一般的な電気光変換器を用いることができる。そのため、システムの低コスト化を図ることができる。
【0013】
さらに、直接的にミリ波を生成するミリ波発振器を用いずに、第1の光波と第2の光波とを基に、第2の周波数を有するミリ波を生成するミリ波生成手段を用いてミリ波を生成しており、このミリ波生成手段は、非線形な特性を有する光電気変換素子で構成されている。非線形な特性を有する光電気変換素子は、ミリ波発振器に比べて低コストである。そのため、システムの低コスト化を図ることができる。
【0015】
また、この構成によれば、基地局側通信装置で抽出され、子局側通信装置に送信された第4の光波に対して、子局側通信装置は、外部から子局側通信装置に向けて送信された無線信号で変調し、変調した第4の光波を基地局側装置に送信するため、SC光源が発生する光波を有効に利用することができる。
【0016】
また、前記子局側通信装置は複数の子局側通信装置から構成され、前記基地局側通信装置は、前記複数の子局側通信装置に対応する第1〜第4の光波を抽出する抽出手段と、前記複数の子局側通信装置のそれぞれに対応するベースバンド発生器と、前記複数の子局側通信装置のそれぞれに対応する第1の電気光変換手段とを備えることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、抽出手段は、SC光源が生成した第1の周波数の周波数間隔を有する光波から、複数の子局側通信装置毎の第1〜第4の光波を抽出する。第1の電気光変換手段は、抽出された第3の光波を対応するベースバンド発生器が生成したベースバンド信号で変調し、対応する子局側通信装置に出力する。これにより、基地局側通信装置とその基地局側通信装置に接続された複数の子局側通信装置との通信が可能となる。また、基地局側通信装置は、光源として1つのSC光源で構成されているため、光電波融合技術を用いた通信システムの低コスト化及び構成の簡略化を図ることができる。
【0018】
また、前記抽出手段は、前記第1〜第4の光波の周波数間隔が前記第2の周波数となるように前記第1〜第4の光波を抽出することが好ましい。この構成によれば、一定の周波数間隔で第1〜第4の光波を抽出することができるため、第1〜第4の光波の抽出が容易となる。
【0019】
本発明に係る基地局側通信装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の子局側通信装置と光ファイバを介して接続された基地局側通信装置であって、周波数間隔が第1の周波数であるスペクトル列を有する光波を生成するSC光源と、前記SC光源が生成した光波から、前記第1の周波数の整数倍の周波数である第2の周波数の周波数間隔を有する第1及び第2の光波を抽出するとともに、前記第1及び第2の光波とは周波数が異なる第3及び第4の光波を抽出する抽出手段と、送信対象データを含むベースバンド信号を発生するベースバンド発生器と、前記第3の光波を前記ベースバンド信号で変調する第1の電気光変換手段と、前記第1、第2、及び第4の光波と変調された前記第3の光波とを合波し、得られた光波を前記光ファイバを介して前記子局側通信装置に送信する合波手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の光電波融合技術を用いた通信システムに適用される基地側通信装置を提供することができる。
【0021】
本発明に係る子局側通信装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の基地局側通信装置に光ファイバを介して接続された子局側通信装置であって、前記第3の光波を電気信号に変換する光電気変換手段と、前記第1及び第2の光波を受光して非線形作用により、前記第2の周波数を有するミリ波を生成するミリ波生成手段と、前記光電気変換手段が電気信号に変換した第3の光波を、前記ミリ波生成手段が生成したミリ波を用いて、ミリ波信号に変換する周波数変換手段と、前記ミリ波信号を無線信号として外部に出力する送信手段と、外部から子局側通信装置に向けて送信された無線信号を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した無線信号を、前記ミリ波生成手段が生成したミリ波を用いてベースバンド信号に変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段によって得られたベースバンド信号で、前記第4の光波を変調し、変調した第4の光波を前記光ファイバを介して前記基地局側通信装置に出力する第2の電気光変換手段とを備えることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の光電波融合技術を用いた通信システムに適用される子局側通信装置を提供することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る光電波融合技術を用いた通信システムの一の実施形態の全体構成図を示している。本通信システムは、基地局側通信装置10及び基地局側通信装置10に対してそれぞれ光ファイバ20を介して接続されたn(nは自然数)個の子局側通信装置30−1(30)、30−2(30)、・・・、30−n(30)から構成されている。基地局側通信装置10は、インターネット50と接続されている。基地局側通信装置10は、SC光源11及び子局側通信装置30−1、30−2、・・・、30−nに対応する送信光波生成部12―1(12)、12−2(12)、・・・、12−n(12)を備えている。
【0026】
図2は、SC光源11の構成を示すブロック図である。図3は、SC(supercontinuum:スーパーコンティニューム)光源11によって生成される光波のスペクトル列を示しており、縦軸は光強度を、横軸は周波数を示している。SC光源11は、例えば10GHzの光パルス列を生成する光源111及び非線形媒質112を備えている。光源111としては、例えばレーザーダイオード等が用いられる。非線形媒質112としては、例えば光ファイバ等の非線形な特性を有する素子が用いられている。光源111から出力された10GHzの光パルス列は、非線形媒質112を通過することによって、非線形作用を受けて、図3に示すような周波数間隔が10GHzのスペクトル列を有する光波W0とされる。
【0027】
送信光波生成部12は、SC光源11が生成した光波とインターネット50を介して端末Tから送信されたデータとを基に、子局側通信装置30に送信するための第1〜第4の光波W1〜W4を生成し、光ファイバ20を介して子局側通信装置30に出力する。
【0028】
図4は、送信光波生成部12の構成を示すブロック図である。送信光波生成部12は、ベースバンド発生器121、光変調器122、合波器123、フィルタ124、バンドパスフィルタ(BPF)125及びバンドパスフィルタ(BPF)126を備えている。
【0029】
ベースバンド発生器121は、インターネット50を介して送信されたデータ(送信対象データ)を含むベースバンド信号B1を生成し、光変調器122に出力する。
【0030】
フィルタ124は、例えばファブリペロー型のフィルタにより構成され、光波W0を所定の周波数間隔、例えば60GHzの周波数間隔で抽出し、周波数間隔60GHzのスペクトル列を有する光波W01を抽出する。
【0031】
BPF125は、光波W01から第3の光波W3抽出する。BPF126は、光波W01から第1、第2、第4の光波W1、W2、W4を含む光波を抽出する。
【0032】
図5は、フィルタ124及びBPF125、126が、光波W0から第1〜第4の光波W1〜W4を抽出する様子を説明するための図である。図5では、光波W0の周波数スペクトル(周波数間隔は10GHz)のうちの周波数がf1〜f20の20個のスペクトルP1〜P20が示されている。
【0033】
フィルタ124は、n個の子局側通信装置30−1、30−2、・・・、30−nに対応するn個のフィルタ124(124−1)、124(124−2)、・・・、124(124−n)が存在する。図5に示す例では、フィルタ124−1はスペクトルP1、P7、P13、P19を含む光波を抽出する。フィルタ124−2はスペクトルP2、P8、P14、P20を含む光波を抽出する。このように、各フィルタ124は10GHzづつずらして光波W01から周波数間隔が60GHzのスペクトル列を有する光波を抽出する。
【0034】
BPF125は、n個の子局側通信装置30−1、30−2、・・・、30−nに対応するn個のBPF125(125−1)、125(125−2)、・・・、125(125−n)が存在する。図5の例では、BPF125−1は、フィルタ124−1が抽出した光波W01からスペクトルP1を抽出する。これにより、子局側通信装置30−1に送信するための第3の光波W3が抽出される。BPF125−2は、フィルタ125−2が抽出した光波W01からスペクトルP2を抽出する。これにより、子局側通信装置30−2に送信するための第3の光波W3が抽出される。このようにして各BPF125は、それぞれ対応する子局側通信装置30に送信するための第3の光波W3を抽出する。
【0035】
BPF126は、n個の子局側通信装置30−1、30−2、・・・、30−nに対応するn個のBPF126(126−1)、126(126−2)、・・・、126(126−n)が存在する。図5の例では、BPF126−1は、フィルタ124−1が抽出した光波W01からスペクトルP7、P13、P19を含む光波を抽出する。これにより、子局側通信装置30−1に出力するための第1、第2、第4の光波W1、W2、W4が抽出される。BPF126−2は、フィルタ124−2が抽出した光波W01からスペクトルP8、P14、P20を含む光波を抽出する。これにより、子局側通信装置30−2に出力するための第1、第2、第4の光波W1、W2、W4が抽出される。このようにして各BPF126は、対応する子局側通信装置30に出力するための第1、第2、第4の光波W1、W2、W4を抽出する。
【0036】
図4に戻り、光変調器122は、ベースバンド発生器121が生成したベースバンド信号B1で、第3の光波W3の光強度を変化させ、第3の光波W3を変調する。
【0037】
合波器123は、変調された第3の光波W3と、BPF126から出力された第1、第2、第4の光波W1、W2、W4を合波して、光ファイバ20に出力する。
【0038】
図6は、子局側通信装置30の構成を示したブロック図である。子局側通信装置30は、バンドパスフィルタ(BPF)321〜324、光電気変換器(O/E)33、ミリ波生成器34、光変調器35、周波数変換器36、37、アンプ38、39、サーキュレータ40及びアンテナ41を備えている。
【0039】
BPF321〜324は、それぞれ送信光波生成部12が出力した光波から第1〜第4の光波W1〜W4を抽出する。光電気変換器33は、例えばフォトダイオードから構成され、第3の光波W3を電気信号Eに変換する。
【0040】
ミリ波生成器34は、非線形な特性を有する光電気変換器で構成され、周波数の間隔が60GHzである第2、第3の光波W2、W3を受信し、非線形作用により、第2、第3の光波の差の周波数を有する60GHzのミリ波Mを生成する。このミリ波が生成される原理については、「“ミリ波光源−光から電波を作る話”、小楠 正大、ATR Journal 38号 WINTER 2000、20〜21頁」に示されている。
【0041】
周波数変換器36は、非線形な特性を有する素子から構成され、電気信号E及びミリ波Mを受信して非線形作用により、電気信号Eの周波数とミリ波Mの周波数との和の周波数を有するミリ波信号M1を生成する。これにより、電気信号Eは、ミリ波帯の周波数を有する電磁波に変換される。
【0042】
アンプ38は、ミリ波信号M1を無線信号として外部空間に出力するにあたり好ましい振幅レベルとなるように、ミリ波信号M1の振幅を所定レベルに増幅する。
【0043】
サーキュレータ40は、3個のポートを備え、アンプ38から出力されたミリ波信号M1をアンテナ41に出力し、アンテナ41からの無線信号をアンプ39に出力する。
【0044】
アンテナ41は、ミリ波信号M1をサーキュレータ40を介して受信し、無線信号として外部に出力するとともに、外部から子局側通信装置30に向けて送信された無線信号を受信する。
【0045】
アンプ39は、アンテナ41が受信した無線信号をサーキュレータ40を介して受信し、受信した無線信号に対して種々の処理を施すうえで好ましい振幅レベルとなるように、無線信号の振幅レベルを所定レベルに増幅する。
【0046】
周波数変換器37は、非線形な特性を有する素子から構成され、ミリ波生成器34が生成したミリ波Mとアンプ39から出力された無線信号とを受信し、非線形作用により、無線信号の周波数とミリ波Mの周波数との差の周波数を有するベースバンド信号B2を生成する。これにより、ミリ波帯の周波数を有する無線信号は、ミリ波帯に比べて著しく低い周波数帯のベースバンド信号B2に変換される。なお、周波数変換器36、37は、ともに非線形な特性を有する素子により構成されているため、周波数変換器36の出力端には、電気信号Eの周波数とミリ波Mの周波数との差の周波数を有する信号も出力されており、また、周波数変換器37の出力端には、無線信号の周波数とミリ波Mの周波数との和の周波数を有する信号も出力されているが、これらの信号成分は例えば図略のフィルタ等を用いて除去されている。
【0047】
光変調器35は、BPF324から出力された第4の光波W4を受光し、ベースバンド信号B2で第4の光波W4の光強度を変更して第4の光波W4を変調し、変調した第4の光波W4を、光ファイバ20を介して基地局側通信装置10に出力する。
【0048】
本通信システムは以下のように動作する。図4に示すようにベースバンド発生器121は、インターネット50に接続された端末Tからデータを受けると、このデータを含むベースバンド信号B1を生成する。SC光源11が生成した周波数間隔が10GHzのスペクトル列を有する光波W0は、フィルタ124によって、周波数間隔が60GHzのスペクトル列を有する光波W01とされる。光波W01は、BPF125により所定帯域の光波が抽出されて第3の光波W3とされるとともに、BPF126により所定帯域の光波が抽出されて第1、第2、第4の光波W1、W2、W4とされる。第3の光波W3は、光変調器122によりベースバンド信号B1で変調される。変調された第3の光波W3と第1、第2、第4の光波W1、W2、W4とは、合波器123により合波されて光ファイバ20を介して子局側通信装置30に出力される。
【0049】
図6に示すように、子局側通信装置30に送信された第1〜第4の光波W1〜W4は、それぞれBPF321〜324によって抽出される。BPF321により抽出された第3の光波W3は、O/E33により電気信号Eに変換される。ミリ波生成器34は、BPF322、323によってそれぞれ抽出された第2、第3の光波W2、W3を受光し、第2、第3の光波W2、W3の差の周波数である60GHzのミリ波Mを生成する。電気信号Eは、ミリ波Mを基に周波数変換器36によってミリ波信号M1に変換される。ミリ波信号M1はアンプ38によって増幅されサーキュレータ40を介してアンテナ41へ導かれ、無線信号として外部に出力される。
【0050】
一方、アンテナ41によって受信された無線信号は、サーキュレータ40によってアンプ39に導かれて増幅され、周波数変換器37に出力される。周波数変換器37に導かれた無線信号は、周波数変換器37によってミリ波Mを用いてベースバンド信号B2に変換される。BPF324によって抽出された第4の光波W4は、光変調器35によって、ベースバンド信号B2で変調されて光ファイバ20を介して基地局側通信装置10に出力される。
【0051】
以上説明したように、本通信システムは、第3の光波W3をベースバンド信号B1で変調し、変調した第3の光波W3と第1、第2、第4の光波W1、W2、W4とを光ファイバ20を介して子局側通信装置30に出力している。そのため、光ファイバ20には、ベースバンド信号B1の周波数帯で変調された光波が伝送される。一方、従来の光電波融合技術を用いた通信システムでは、光ファイバには、ミリ波帯で変調された光波が伝送されている。そのため、本通信システムによれば、基地局側通信装置10から子局側通信装置30に出力される光波の光ファイバによる伝送特性の劣化が、従来の光電波融合技術を用いた通信システムの伝送特性の劣化に比べて著しく低減されることとなる。その結果、通信の信頼性を高めることができる。
【0052】
また、本通信システムでは、直接的にミリ波を生成するミリ波発振器を用いずに、ミリ波生成器34を用いてミリ波を生成している。このミリ波生成器34は、例えば非線形な特性を有する光電気変換素子により構成することができる。非線形な特性を有する光電気変換素子は、ミリ波発信器に比べて低コストである。そのため、システムのコスト低減を図ることができる。
【0053】
さらに、基地局側通信装置10は、SC光源を用いている。そのため、基地局側通信装置10は、子局側通信装置30に応じた数の光源を備えることなく、1つのSC光源で構成することができるため、システムの簡略化及び低コスト化を図ることができる。
【0054】
なお、本発明に係る通信システムは以下の態様をとることができる。
【0055】
(1)上記実施形態では、ミリ波生成器34を子局側通信装置30に配設し、子局側通信装置30でミリ波Mを生成しているが、これに限定されず、基地局側通信装置10にミリ波生成器34を配設し、ミリ波信号Mを生成し、このミリ波信号を用いてベースバンド信号B1の周波数をミリ波帯の周波数に変換してミリ波信号M1を生成し、子局側通信装置30に送信してもよい。
【0056】
(2)上記実施形態では、上りの光波と下りの光波とを1本の光ファイバ20に伝送したが、上り用と下り用の2本の光ファイバを設け、上り用の光ファイバに上りの光波を伝送し、下り用の光ファイバに下りの光波を伝送してもよい。
【0057】
(3)上記実施形態では、フィルタ124としてファブリペロー型のフィルタを用いたが、これに限定されず、バンドパスフィルタを用いてもよい。また、第1〜第4の光波W1〜W4は、子局側通信装置30毎に周波数が異なるように抽出したが、これに限定されず、子局側通信装置30毎に同じ周波数となるように抽出してもよい。
【0058】
(4)上記実施形態では、インターネット50を介して送信されたデータを取り扱っていたが、これに限定されず、他の通信回線を介して送信されたデータを取り扱ってもよい。
【0059】
(5)上記実施形態では、ミリ波生成器34は、60GHzのミリ波を生成したが、これに限定されず、他の周波数のミリ波を生成してもよい。この場合、ミリ波生成器34が生成するミリ波の周波数に応じて、SC光源11の光源111が生成するパルス列を変更する等して、第1、第2の光波W1、W2の周波数間隔を変更すればよい。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、光ファイバ内には、周波数がベースバンド帯の光波が伝送されるため、通信の信頼性を向上させることができる。また、周波数の異なる2種類の光波を受光して、非線形作用により、ミリ波を生成するミリ波生成手段を用いているためシステムの低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光電波融合技術を用いた通信システムの一の実施形態の全体構成図である。
【図2】 SC光源の構成を示すブロック図である。
【図3】 SC光源によって生成される光波のスペクトルを示した図である。
【図4】 送信光波生成部の構成を示すブロック図である。
【図5】 第1〜第4の光波が抽出される様子を説明するための図である。
【図6】 子局側通信装置の構成を示したブロック図である。
【図7】 従来の光電波融合技術を用いた通信システムを示した図である。
【符号の説明】
10 基地局側通信装置
11 SC光源
12 送信光波生成部
121 ベースバンド発生器
122 光変調器
123 合波器
124 フィルタ
125 126 バンドパスフィルタ(BPF)
20 光ファイバ
30 子局側通信装置
321 322 323 324 バンドパスフィルタ(BPF)
33 光電気変換器(O/E)
34 ミリ波生成器
35 光変調器
36 37 周波数変換器
38 39 アンプ
40 サーキュレータ
41 アンテナ
50 インターネット
Claims (5)
- 基地局側通信装置と前記基地局側通信装置に光ファイバを介して接続された子局側通信装置とを備えた光電波融合技術を用いた通信システムであって、
前記基地局側通信装置は、
周波数間隔が第1の周波数であるスペクトル列を有する光波を生成するSC光源と、
前記SC光源が生成した光波から、前記第1の周波数の整数倍の周波数である第2の周波数の周波数間隔を有する第1及び第2の光波を抽出するとともに、前記第1及び第2の光波とは周波数が異なる第3及び第4の光波を抽出する抽出手段と、
送信対象データを含むベースバンド信号を発生するベースバンド発生器と、
前記第3の光波を前記ベースバンド信号で変調する第1の電気光変換手段と、
前記第1、第2及び第4の光波と変調された前記第3の光波とを合波して得られた光波を前記光ファイバを介して前記子局側通信装置に出力する合波手段とを備え、
前記子局側通信装置は、
前記第3の光波を電気信号に変換する光電気変換手段と、
前記第1及び第2の光波を受光し、非線形作用により前記第2の周波数を有するミリ波を生成するミリ波生成手段と、
前記光電気変換手段が電気信号に変換した第3の光波を、前記ミリ波生成手段が生成したミリ波を用いて、ミリ波信号に変換する周波数変換手段と、
前記ミリ波信号を無線信号として外部に出力する送信手段と、
外部から子局側通信装置に向けて送信された無線信号を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した無線信号を、前記ミリ波生成手段が生成したミリ波を用いてベースバンド信号に変換する周波数変換手段と、
前記周波数変換手段によって得られたベースバンド信号で、前記第4の光波を変調し、変調した第4の光波を前記光ファイバを介して前記基地局側通信装置に出力する第2の電気光変換手段とを備えることを特徴とする光電波融合技術を用いた通信システム。 - 前記子局側通信装置は複数の子局側通信装置から構成され、
前記基地局側通信装置は、
前記複数の子局側通信装置に対応する第1〜第4の光波を抽出する抽出手段と、
前記複数の子局側通信装置のそれぞれに対応するベースバンド発生器と、
前記複数の子局側通信装置のそれぞれに対応する第1の電気光変換手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の光電波融合技術を用いた通信システム。 - 前記抽出手段は、前記第1〜第4の光波の周波数間隔が前記第2の周波数となるように前記第1〜第4の光波を抽出することを特徴とする請求項1又は2記載の光電波融合技術を用いた通信システム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の子局側通信装置と光ファイバを介して接続された基地局側通信装置であって、
周波数間隔が第1の周波数であるスペクトル列を有する光波を生成するSC光源と、
前記SC光源が生成した光波から、前記第1の周波数の整数倍の周波数である第2の周波数の周波数間隔を有する第1及び第2の光波を抽出するとともに、前記第1及び第2の光波とは周波数が異なる第3及び第4の光波を抽出する抽出手段と、
送信対象データを含むベースバンド信号を発生するベースバンド発生器と、
前記第3の光波を前記ベースバンド信号で変調する第1の電気光変換手段と、
前記第1、第2、及び第4の光波と変調された前記第3の光波とを合波し、得られた光波を前記光ファイバを介して前記子局側通信装置に送信する合波手段とを備えることを特徴とする基地局側通信装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の基地局側通信装置に光ファイバを介して接続された子局側通信装置であって、
前記第3の光波を電気信号に変換する光電気変換手段と、
前記第1及び第2の光波を受光して非線形作用により、前記第2の周波数を有するミリ波を生成するミリ波生成手段と、
前記光電気変換手段が電気信号に変換した第3の光波を、前記ミリ波生成手段が生成したミリ波を用いて、ミリ波信号に変換する周波数変換手段と、
前記ミリ波信号を無線信号として外部に出力する送信手段と、
外部から子局側通信装置に向けて送信された無線信号を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した無線信号を、前記ミリ波生成手段が生成したミリ波を用いてベースバンド信号に変換する周波数変換手段と、
前記周波数変換手段によって得られたベースバンド信号で、前記第4の光波を変調し、変調した第4の光波を前記光ファイバを介して前記基地局側通信装置に出力する第2の電気光変換手段とを備えることを特徴とする子局側通信装置。
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