JP4637996B2 - Automatic transmission for vehicle - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にトラクタ等の大型車両に適用される車両の自動変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近ではドライバの負担を軽減するため、トラクタやトラック等の大型車両においても自動変速装置を採用する例が多く見られる。このような大型車両では、メインギヤの他に、副変速機としてのスプリッタ及びレンジギヤを有する多段変速機が装備される。この場合、部品数及びコストの低減を図るため、メインギヤから機械的シンクロ機構を省略し、代わりにシンクロ制御なるものを行ってギヤインの際の同期を図ることが考えられる。ここでシンクロ制御とは、主に、シフトアップのときはカウンタシャフトブレーキ制御を行うことであり、シフトダウンのときはダブルクラッチ制御を行うことである。また、シンクロ状態とは、次回変速先の目標メインギヤ段において、ドグギヤ回転とスリーブ回転とが略一致していることをいう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カウンタシャフトブレーキ制御では、カウンタシャフトブレーキを作動させてカウンタシャフト回転を目標回転まで落とす。しかしながら、オーバーシュートによって回転を落とし過ぎると、シンクロ状態が崩れギヤイン不可となるばかりか、ダブルクラッチ制御により再度カウンタシャフト回転を引き上げなければならなくなり、好ましくない。
【0004】
そこで、本発明の目的は、カウンタシャフトブレーキ制御に際して最適なブレーキ力調整を行うことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車両の自動変速装置は、機械的なシンクロ機構を有しないメインギヤを含む変速機と、該変速機の変速制御を実行する変速制御手段とを備え、上記メインギヤの変速の際に所定のシンクロ制御を実行するものにあって、上記変速機のカウンタシャフトを制動するためのカウンタシャフトブレーキと、該カウンタシャフトブレーキを作動制御するためのカウンタシャフトブレーキ制御手段とを設け、上記メインギヤの変速に際し、目標メインギヤ段におけるドグギヤ回転からスリーブ回転を引いた回転数差ΔNが正の設定値である第一所定値M1を超えるときは上記シンクロ制御を所定のカウンタシャフトブレーキ制御とし、該カウンタシャフトブレーキ制御を、上記カウンタシャフトブレーキを断続的に作動させるものとし、上記カウンタシャフトブレーキのブレーキ力を二段階に調節できるように、該カウンタシャフトブレーキの作動時間割合を大きな値と小さな値とから選択可能とし、上記カウンタシャフトブレーキ制御手段は、上記カウンタシャフトブレーキ制御の開始から終了までの間、上記カウンタシャフトブレーキの作動時間割合の小さな値の作動時間よりも小さい時間間隔毎に、上記回転数差ΔNが、上記第一所定値M1よりも大きい値に設定された第二所定値ΔN1以上か否か判断するものであり、かつ上記回転数差ΔNが上記第二所定値ΔN1以上のときに、上記カウンタシャフトブレーキの作動時間割合を上記大きな値とし、上記回転数差ΔNが上記第二所定値ΔN1未満かつ上記第一所定値M1を超えるときに、上記カウンタシャフトブレーキの作動時間割合を上記小さな値とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0009】
図1に本実施形態に係る車両の自動変速装置を示す。ここでは車両がトレーラを牽引するトラクタであり、エンジンがディーゼルエンジンである。図示するように、エンジン1にクラッチ2を介して変速機3が取り付けられ、変速機3のアウトプットシャフト4(図2参照)が図示しないプロペラシャフトに連結されて後輪(図示せず)を駆動するようになっている。エンジン1はエンジンコントロールユニット(ECU)6によって電子制御される。即ち、ECU6は、エンジン回転センサ7とアクセル開度センサ8との出力から現在のエンジン回転速度及びエンジン負荷を読取り、主にこれらに基づいて燃料噴射ポンプ1aを制御し、燃料噴射時期及び燃料噴射量を制御する。
【0010】
一方、変速中は、アクセル開度センサ8によって検知される実アクセル開度と無関係にECU6自らが加工した疑似アクセル開度なるものに基づいてエンジン制御を実行する。これは特に後述するダブルクラッチ制御において必要である。
【0011】
図2に示すように、エンジンのクランク軸にフライホイール1bが取り付けられ、フライホイール1bの外周にリングギヤ1cが形成され、リングギヤ1cの歯が通過する度にエンジン回転センサ7がパルスを出力し、ECU6が単位時間当たりのパルス数をカウントしてエンジン回転数を算出する。
【0012】
図1に示すように、ここではクラッチ2と変速機3とがトランスミッションコントロールユニット(TMCU)9の制御信号に基づいて自動制御される。即ちかかる自動変速装置には自動クラッチ装置と自動変速機とが備えられる。ECU6とTMCU9とは互いにバスケーブル等を介して接続され、相互に連絡可能である。
【0013】
図1、図2、図3に示すように、クラッチ2は機械式摩擦クラッチであり、入力側をなすフライホイール1b、出力側をなすドリブンプレート2a、及びドリブンプレート2aをフライホイール1bに摩擦接触或いは離反させるプレッシャプレート2bから構成される。そしてクラッチ2は、クラッチブースタ(クラッチアクチュエータ)10によりプレッシャプレート2bを軸方向に操作し、基本的には自動断接され、ドライバの負担を軽減し得るものとなっている。一方、微低速バックに際しての微妙なクラッチワークや、非常時のクラッチ急断等を可能とするため、ここではクラッチペダル11によるマニュアル断接も可能となっている。所謂セレクティブオートクラッチの構成である。クラッチ位置(即ちプレッシャプレート2bの位置)を検知するためのクラッチストロークセンサ14と、クラッチペダル11の位置を検知するためのクラッチペダルストロークセンサ16とが設けられ、それぞれTMCU9に接続される。
【0014】
図3に分かりやすく示すが、クラッチブースタ10は実線で示す二系統の空圧通路a,bを通じてエアタンク5に接続され、エアタンク5から供給される空圧で作動する。一方の通路aがクラッチ自動断接用、他方の通路bがクラッチマニュアル断接用である。一方の通路aが二股状に分岐され、そのうちの一方に自動断接用の電磁弁MVC1,MVC2が直列に設けられ、他方に非常用の電磁弁MVCEが設けられる。分岐合流部にダブルチェックバルブDCV1が設けられる。他方の通路bに、クラッチブースタ10に付設される油圧作動弁12が設けられる。両通路a,bの合流部にもダブルチェックバルブDCV2が設けられる。ダブルチェックバルブDCV1,DCV2は差圧作動型の三方弁である。
【0015】
上記電磁弁MVC1,MVC2,MVCEはTMCU9によりON/OFF制御され、ONのとき上流側を下流側に連通し、OFF のとき上流側を遮断して下流側を大気開放する。まず自動側を説明すると、電磁弁MVC1は単にイグニッションキーのON/OFFに合わせてON/OFFされるだけである。イグニッションキーOFF 、つまり停車中はOFF となり、エアタンク5からの空圧を遮断する。電磁弁MVC2は比例制御弁で、供給又は排出エア量を自由にコントロールできる。これはクラッチの断接速度制御を行うためである。電磁弁MVC1,MVC2がともにONだとエアタンク5の空圧がダブルチェックバルブDCV1,DCV2をそれぞれ切り換えてクラッチブースタ10に供給される。これによりクラッチが分断される。クラッチを接続するときはMVC2のみがOFF され、これによりクラッチブースタ10の空圧がMVC2から排出されてクラッチが接続される。
【0016】
ところでもし仮にクラッチ分断中に電磁弁MVC1又はMVC2に異常が生じ、いずれかがOFF となると、ドライバの意思に反してクラッチが急接されてしまう。そこでこのような異常がTMCU9の異常診断回路で検知されたら、即座に電磁弁MVCEをONする。すると電磁弁MVCEを通過した空圧がダブルチェックバルブDCV1を逆に切り換えてクラッチブースタ10に供給され、クラッチ分断状態が維持され、クラッチ急接が防止される。
【0017】
次にマニュアル側を説明する。クラッチペダル11の踏込み・戻し操作に応じてマスタシリンダ13から油圧が給排され、この油圧が破線で示す油圧通路13aを介して油圧作動弁12に供給される。これによって油圧作動弁12が開閉され、クラッチブースタ10への空圧の給排が行われ、クラッチ2のマニュアル断接が実行される。油圧作動弁12が開くと、これを通過した空圧がダブルチェックバルブDCV2を切り換えてクラッチブースタ10に至る。
【0018】
図2に詳細に示すように、変速機3は基本的に常時噛み合い式の多段変速機で、前進16段、後進2段に変速可能である。変速機3はメインギヤ18と、その入力側及び出力側にそれぞれ副変速機としてのスプリッタ17及びレンジギヤ19を備える。そして、インプットシャフト15に伝達されてきたエンジン動力をスプリッタ17、メインギヤ18、レンジギヤ19へと順に送ってアウトプットシャフト4に出力する。
【0019】
変速機3を自動変速すべくギヤシフトユニットGSUが設けられ、これはスプリッタ17、メインギヤ18、レンジギヤ19それぞれの変速を担当するスプリッタアクチュエータ20、メインアクチュエータ21及びレンジアクチュエータ22から構成される。これらアクチュエータもクラッチブースタ10同様空圧作動され、TMCU9によって制御される。各ギヤ17,18,19の現在ポジションはギヤポジションスイッチ23(図1参照)で検知される。カウンタシャフト32の回転速度がカウンタシャフト回転センサ26で検知され、アウトプットシャフト4の回転速度がアウトプットシャフト回転センサ28で検知される。これら検知信号はTMCU9に送られる。
【0020】
この自動変速機ではマニュアルモードが設定され、ドライバのシフトチェンジ操作に基づくマニュアル変速が可能である。この場合、図1に示すように、クラッチ2の断接制御及び変速機3の変速制御は運転席に設けられたシフトレバー装置29からの変速指示信号を合図に行われる。即ち、ドライバが、シフトレバー装置29のシフトレバー29aをシフト操作すると、シフトレバー装置29に内蔵されたシフトスイッチが作動(ON)し、変速指示信号がTMCU9に送られ、これを基にTMCU9はクラッチブースタ10、スプリッタアクチュエータ20、メインアクチュエータ21及びレンジアクチュエータ22を適宜作動させ、一連の変速操作(クラッチ断→ギヤ抜き→ギヤ入れ→クラッチ接)を実行する。そしてTMCU9は現在のシフト段をモニター31に表示する。
【0021】
図示するシフトレバー装置29において、Rはリバース、Nはニュートラル、Dはドライブ、UPはシフトアップ、DOWNはシフトダウンをそれぞれ意味する。シフトスイッチはこれら各ポジションに応じた信号を出力する。また運転席に、変速モードを自動とマニュアルに切り換えるモードスイッチ24と、変速を1段ずつ行うか段飛ばしで行うかを切り換えるスキップスイッチ25とが設けられる。
【0022】
自動変速モードのとき、シフトレバー29aをDレンジに入れておけば車速に応じて自動的に変速が行われる。またこの自動変速モードでも、ドライバがシフトレバー29aをUP又はDOWNに操作すれば、マニュアルでのシフトアップ又はシフトダウンが可能である。この自動変速モードにおいて、スキップスイッチ25がOFF (通常モード)なら、シフトレバー29aの1回のUP又はDOWNの操作により、変速は1段ずつ行われる。これはトレーラ牽引時等、積載荷重が比較的大きいときに有効である。またスキップスイッチ25がON(スキップモード)なら変速は1段飛ばしで行われる。これはトレーラを牽引してないときや荷が軽いときなどに有効である。
【0023】
一方、マニュアル変速モードのときは、変速は完全にドライバの意思に従う。シフトレバー29aがDレンジのときは変速は行われず、現在ギヤが保持され、ドライバの積極的な意思でシフトレバー29aをUP又はDOWNに操作したときのみ、シフトアップ又はシフトダウンが可能である。このときも前記同様、スキップスイッチ25がOFF なら1回の操作につき変速は1段ずつ行われ、スキップスイッチ25がONなら変速は1段飛ばしで行われる。このモードではDレンジは現ギヤ段を保持するH(ホールド)レンジとなる。
【0024】
なお、運転席に非常用変速スイッチ27が設けられ、GSUの電磁弁等が故障したときはスイッチ27の手動切換により変速できるようになっている。
【0025】
図2に示すように、変速機3にあっては、インプットシャフト15、メインシャフト33及びアウトプットシャフト4が同軸上に配置され、カウンタシャフト32がそれらの下方に平行配置される。インプットシャフト15がクラッチ2のドリブンプレート2aに接続され、インプットシャフト15とメインシャフト33とが相対回転可能に支持される。
【0026】
まずスプリッタ17とメインギヤ18の構成を説明する。インプットシャフト15にインプットギヤSHが回転可能に取り付けられる。またメインシャフト33にも前方から順にギヤM4,M3,M2,M1,MRが回転可能に取り付けられる。MRを除くギヤSH,M4,M3,M2,M1は、それぞれカウンタシャフト32に固設されたカウンタギヤCH,C4,C3,C2,C1に常時噛合される。ギヤMRはアイドルリバースギヤIRに常時噛合され、アイドルリバースギヤIRはカウンタシャフト32に固設されたカウンタギヤCRに常時噛合される。
【0027】
インプットシャフト15及びメインシャフト33に取り付けられた各ギヤSH,M4…に、当該ギヤを選択し得るようドグギヤ36が一体的に設けられ、これらドグギヤ36に隣接してインプットシャフト15及びメインシャフト33に第1〜第4ハブ37〜40が固設される。第1〜第4ハブ37〜40には第1〜第4スリーブ42〜45が嵌合される。ドグギヤ36及び第1〜第4ハブ37〜40の外周部と、第1〜第4スリーブ42〜45の内周部とにスプラインが形成されており、第1〜第4スリーブ42〜45は第1〜第4ハブ37〜40に常時係合してインプットシャフト15又はメインシャフト33と同時回転すると共に、前後にスライド移動してドグギヤ36に対し選択的に係合・離脱する。この係合・離脱によりギヤイン・ギヤ抜きが行われる。第1スリーブ42の移動をスプリッタアクチュエータ20で行い、第2〜第4スリーブ43〜45の移動をメインアクチュエータ21で行う。
【0028】
このように、スプリッタ17とメインギヤ18とは各アクチュエータ20,21によって自動変速され得る常時噛み合い式の構成とされる。特に、スプリッタ17のスプライン部には通常の機械的なシンクロ機構が存在するものの、メインギヤ18の各スプライン部にはシンクロ機構が存在しない。このため、後述のシンクロ制御なるものを行ってドグギヤ回転とスリーブ回転とを同期させ、シンクロ機構なしで変速できるようにしている。ここではメインギヤ18以外にスプリッタ17にもニュートラルポジションが設けられ、所謂ガラ音対策がなされている(特願平11-319915 号参照)。
【0029】
次にレンジギヤ19の構成を説明する。レンジギヤ19は遊星歯車機構34を採用しており、ハイ・ローいずれかのポジションに切り替えることができる。遊星歯車機構34は、メインシャフト33の最後端に固設されたサンギヤ65と、その外周に噛合される複数のプラネタリギヤ66と、プラネタリギヤ66の外周に噛合される内歯を有したリングギヤ67とからなる。各プラネタリギヤ66は共通のキャリア68に回転可能に支持され、キャリア68はアウトプットシャフト4に連結される。リングギヤ67は管部69を一体的に有し、管部69はアウトプットシャフト4の外周に相対回転可能に嵌め込まれてアウトプットシャフト4とともに二重軸を構成する。
【0030】
第5ハブ41が管部69に一体的に設けられる。また第5ハブ41の後方に隣接して、アウトプットシャフト4にアウトプットシャフトドグギヤ70が一体的に設けられる。第5ハブ41の前方に隣接して、ミッションケース側に固定ドグギヤ71が設けられる。第5ハブ41の外周に第5スリーブ46が嵌合される。これら第5ハブ41、アウトプットシャフトドグギヤ70、固定ドグギヤ71及び第5スリーブ46にも前記同様にスプラインが形成され、第5スリーブ46が第5ハブ41に常時係合すると共に、前後にスライド移動してアウトプットシャフトドグギヤ70又は固定ドグギヤ71に対し選択的に係合・離脱する。第5スリーブ46の移動がレンジアクチュエータ22で行われる。レンジギヤ19のスプライン部には機械的なシンクロ機構が存在する。
【0031】
第5スリーブ46が前方に移動するとこれが固定ドグギヤ71に係合し、第5ハブ41と固定ドグギヤ71とが連結される。これによりリングギヤ67がミッションケース側に固定され、アウトプットシャフト4が1より大きい比較的大きな減速比(ここでは4.5 )で回転駆動されるようになる。これがローのポジションである。
【0032】
一方、第5スリーブ46が後方に移動するとこれがアウトプットシャフトドグギヤ70に係合し、第5ハブ41とアウトプットシャフトドグギヤ70とが連結される。これによりリングギヤ67とキャリア68とが互いに固定され、アウトプットシャフト4が1の減速比で直結駆動されるようになる。これがハイのポジションである。このようにかかるレンジギヤ19ではハイ・ロー間の減速比が比較的大きく異なる。
【0033】
結局、この変速機3では、前進側において、スプリッタ17でハイ・ローの2段、メインギヤ18で4段、レンジギヤ19でハイ・ローの2段に変速可能であり、計2×4×2=16段に変速することができる。また後進側では、スプリッタ17のみでハイ・ローを切り替えて2段に変速することができる。
【0034】
次に、各アクチュエータ20,21,22について説明する。これらアクチュエータはエアタンク5の空圧で作動する空圧シリンダと、空圧シリンダへの空圧の給排を切り替える電磁弁とで構成される。そしてこれら電磁弁がTMCU9で選択的に切り替えられ、空圧シリンダを選択的に作動させるようになっている。
【0035】
スプリッタアクチュエータ20は、ダブルピストンを有した空圧シリンダ47と三つの電磁弁MVH,MVF,MVGとで構成される。スプリッタ17をニュートラルにするときはMVH/ON,MVF/OFF,MVG/ONとされる。スプリッタ17をハイにするときはMVH/OFF,MVF/OFF,MVG/ONとされる。スプリッタ17をローにするときはMVH/OFF,MVF/ON,MVG/OFFとされる。
【0036】
メインアクチュエータ21は、ダブルピストンを有しセレクト側の動作を担当する空圧シリンダ48と、シングルピストンを有しシフト側の動作を担当する空圧シリンダ49とを備える。各空圧シリンダ48及び49に対し複数ずつ電磁弁MVC,MVD,MVE及びMVB,MVAが設けられる。
【0037】
セレクト側空圧シリンダ48は、MVC/OFF,MVD/ON,MVE/OFFのとき図の下方に移動し、メインギヤの3rd、4th又はN3を選択可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,MVE/ONのとき中立となり、メインギヤの1st、2nd又はN2を選択可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,MVE/OFFのとき図の上方に移動し、メインギヤのRev又はN1を選択可能とする。
【0038】
シフト側空圧シリンダ49は、MVA/ON,MVB/ONのとき中立となり、メインギヤのN1、N2又はN3を選択可能とし、MVA/ON,MVB/OFFのとき図の左側に移動し、メインギヤの2nd,4th又はRevを選択可能とし、MVA/OFF,MVB/ONのとき図の右側に移動し、メインギヤの1st又は3rdを選択可能とする。
【0039】
レンジアクチュエータ22は、シングルピストンを有した空圧シリンダ50と二つの電磁弁MVI,MVJとで構成される。空圧シリンダ50は、MVI/ON,MVJ/OFFのとき図の右側に移動し、レンジギヤをハイとし、MVI/OFF,MVJ/ONのとき図の左側に移動し、レンジギヤをローとする。
【0040】
ところで、後述するシンクロ制御に際してカウンタシャフト32を制動するため、カウンタシャフト32にはカウンタシャフトブレーキ27が設けられる。カウンタシャフトブレーキ27は湿式多板ブレーキであって、エアタンク5の空圧で作動する。この空圧の給排を切り替えるため電磁弁MV BRKが設けられる。電磁弁MV BRKがONのときカウンタシャフトブレーキ27に空圧が供給され、カウンタシャフトブレーキ27が作動状態となる。電磁弁MV BRKがOFFのときにはカウンタシャフトブレーキ27から空圧が排出され、カウンタシャフトブレーキ27が非作動となる。
【0041】
次に、自動変速制御の内容を説明する。TMCU9には図4に示すシフトアップマップと図5に示すシフトダウンマップとがメモリされており、TMCU9は、自動変速モードのとき、これらマップに従って自動変速を実行する。例えば図4のシフトアップマップにおいて、ギヤ段n(nは1から15までの整数)からn+1へのシフトアップ線図がアクセル開度(%)とアウトプットシャフト回転(rpm )との関数で決められている。そしてマップ上では現在のアクセル開度(%)とアウトプットシャフト回転(rpm )とからただ1点が定まる。車両加速中は、車輪に連結されたアウトプットシャフト4の回転が次第に増加していく。そこで通常の自動変速モードでは、現在の1点が各線図を越える度に1段ずつシフトアップを行うこととなる。このときスキップモードであれば線図を交互に1本ずつ飛ばして2段ずつシフトアップを行う。
【0042】
図5のシフトダウンマップにおいても同様に、ギヤ段n+1(nは1から15までの整数)からnへのシフトダウン線図がアクセル開度(%)とアウトプットシャフト回転(rpm )との関数で決められている。そしてマップ上では現在のアクセル開度(%)とアウトプットシャフト回転(rpm )とからただ1点が定まる。車両減速中はアウトプットシャフト4の回転が次第に減少していくので、通常の自動変速モードでは、現在の1点が各線図を越える度に1段ずつシフトダウンを行う。スキップモードであれば線図を交互に1本ずつ飛ばして2段ずつシフトダウンする。
【0043】
一方、マニュアルモードのときは、これらマップと無関係にドライバが自由にシフトアップ・ダウンを行える。通常モードなら1回のシフトチェンジ操作で1段変速でき、スキップモードなら1回のシフトチェンジ操作で2段変速できる。
【0044】
なおTMCU9は、アウトプットシャフト回転センサ28により検知される現在のアウトプットシャフト回転の値から現在の車速を換算し、これをスピードメータに表示する。つまり車速がアウトプットシャフト回転から間接的に検知され、アウトプットシャフト回転と車速とは比例関係にある。
【0045】
次に、シンクロ制御の内容を説明する。
【0046】
図6、図7に示すように、TMCU9には、スプリッタ17及びメインギヤ18における各ギヤの歯数ZSH,Z1 〜Z4 ,ZR ,ZCH,ZC1〜ZC4,ZCRと、レンジギヤ19におけるハイ・ローの減速比とが予め記憶されている。そこでTMCU9は、メインギヤ18のギヤ歯数と、カウンタシャフト回転センサ26によって検知されるカウンタシャフト回転(rpm) とに基づき、次回変速先となるメインギヤ18のギヤ段(目標メインギヤ段)におけるドグギヤ回転(rpm) を算出する。またTMCU9は、次回変速先となるレンジギヤ19のギヤ段(目標レンジギヤ段)の減速比と、アウトプットシャフト回転センサ28によって検知されるアウトプットシャフト回転(rpm) とに基づき、メインギヤ18におけるスリーブ回転(rpm) を算出する。
【0047】
図7の表の左欄において、左端に記載された「1st」、「2nd」…「Rev」の語は目標メインギヤ段を示している。また括弧内の「1st」、「2nd」…の語は各目標メインギヤ段が担当する変速機全体としての目標ギヤ段を示している。例えば、メインギヤ18の「1st」(ギヤM1)が担当する変速機全体のギヤ段は「1st」、「2nd」、「9th」、「10th」である。括弧内の語は最初の二つと後の二つとがレンジギヤ19のロー・ハイで切り分けられる。例えばメインギヤ「1st」だと「1st」、「2nd」がレンジギヤロー、「9th」、「10th」がレンジギヤハイである。そして最初の二つ又は後の二つの中において、先と後とがスプリッタ17のロー・ハイで切り分けられる。例えばメインギヤ「1st」でレンジギヤローだと、スプリッタローで変速機は「1st」、スプリッタハイで変速機は「2nd」となる。またメインギヤ「1st」でレンジギヤハイだと、スプリッタローで変速機は「9th」、スプリッタハイで変速機は「10th」となる。目標メインギヤ段の「2nd」、「3rd」、「4th」についても同様である。
【0048】
目標メインギヤ段「Rev」ではレンジギヤ19による切り分けは行われず、スプリッタ17のみで切り分けがなされる。スプリッタハイでリバース「high」、スプリッタローでリバース「low」となる。
【0049】
図7の表の右欄はドグギヤ回転(rpm) の算出式を示している。例えば目標メインギヤ段「1st」だと、カウンタシャフト回転センサ26による検出値(カウンタシャフト回転(rpm) )に、ギヤ比ZC1/Z1 を乗じた値が、ギヤM1に固設されたドグギヤ36の回転即ちドグギヤ回転(rpm) となる。目標メインギヤ段 「Rev」では、カウンタシャフト回転(rpm) にギヤ比CRev (ここでは0.45)を乗じた値がドグギヤ回転(rpm) となる。
【0050】
一方、図7の下段は、メインギヤ18のスリーブ43、44、45の回転即ちスリーブ回転(rpm) の算出式を示している。次回変速先の目標レンジギヤ段がHighのときは、減速比が1なので、アウトプットシャフト回転センサ28の検出値(アウトプットシャフト回転(rpm) )がそのままスリーブ回転(rpm) となる。また目標レンジギヤ段がLow のときは、減速比がCRG=4.5 なので、アウトプットシャフト回転(rpm) に減速比CRGを乗じた値がスリーブ回転(rpm) となる。
【0051】
シンクロ制御では、これらドグギヤ回転とスリーブ回転とをギヤイン可能な範囲内に近付ける制御を行う。具体的には回転差ΔN=(ドグギヤ回転−スリーブ回転)を計算し、この値をギヤイン可能な範囲に入れる制御を行う。シフトアップでは、通常ギヤイン直前でドグギヤ回転>スリーブ回転となっているので、カウンタシャフトブレーキ(以下CSBという)制御を行い、ドグギヤ回転を下げる。逆に、シフトダウンでは、通常ギヤイン直前でドグギヤ回転<スリーブ回転となっているので、ダブルクラッチ制御を行い、ドグギヤ回転を上げる。
【0052】
ダブルクラッチ制御は以下の如きである。図8に示すように、時刻t1 で変速指示信号があった場合、まずクラッチ断し、ギヤ抜きを行う。ギヤ抜きは、クラッチが切れ始めた直後の位置、言い換えれば半クラッチ領域に入った直後の位置p1 で開始する。エンジン制御は、クラッチ位置がp1 となった時点から、実アクセル開度から離れた疑似アクセル開度に基づく制御に移行する。このときエンジン回転は、カウンタシャフトを加速させるのに十分で、且つ目標メインギヤ段においてドグギヤ回転をスリーブ回転に略一致させることができるような回転(目標エンジン回転)まで上昇され、この回転に達すると回転が一定に保持される。
【0053】
ギヤ抜き後、クラッチが一瞬接続され、これによりドグギヤ回転がギヤイン可能な回転まで上昇する。この直後クラッチが再び断され、ギヤインが実行される。ギヤインは、クラッチ切り終わり直前となる位置、言い換えれば半クラッチ領域から抜け出る直前の位置p2 から開始される。ギヤイン終了後、直ちにクラッチが再接続され、クラッチが完接されるとダブルクラッチ制御が終了し、エンジン及びカウンタシャフト回転が実アクセル開度に従った回転に移行する。
【0054】
ところで、変速機全体のシフトダウンのとき、レンジギヤのシフトダウンとダブルクラッチ制御とを両方実行するときがある。図7の表でいえば9th→7th、9th→8th、10th→8thの場合である。このときこれらの順番を適当に定めないと全体の変速時間を徒に長くしてしまう。
【0055】
即ち、レンジギヤはハイ・ロー間の減速比が比較的大きく異なるので、機械的シンクロ機構を有していてもシフトダウンに時間がかかる。またダブルクラッチ制御も、ギヤ抜き・ギヤイン間で一回クラッチをつなぎ、回転合わせするので、比較的時間がかかる。よってこれらを順番に行っていたのでは全体の変速時間が長くなる。
【0056】
そこで、本装置では、レンジギヤのシフトダウンを伴う変速機全体のシフトダウンのとき、レンジギヤのシフトダウンとダブルクラッチ制御とを同時に行い、全体の変速時間を短縮するようにしている。以下これについて説明する。
【0057】
本装置では、レンジギヤのシフトダウンを伴う変速機全体のシフトダウンのときと、そうでないときとで変速パターンを分けている。図9はこの変速パターン判別のためのプログラムを示す。変速指示があるとTMCU9はまずステップ101でレンジギヤの変速の有無を判断する。レンジギヤ変速無のときはステップ104に進んで変速Aパターンを選択する。変速Aパターンとは図10のチャートに従って変速するパターンのことで、通常の変速パターンである。レンジギヤ変速有のときはステップ102に進んでその変速がシフトダウン(H→L)か否かを判断する。シフトアップならステップ104に進んで変速Aパターンを選択し、シフトダウンならステップ103に進んで変速Bパターンを選択する。変速Bパターンとは図11のチャートに従って変速するパターンのことで、比較的特殊なケースにおいて行われる変速パターンである。
【0058】
図10、図11においては、図の上方から下方に向かう時間軸があり、横並びに示されている項目は同時ないし同時期に行うことを示している。例えば図10でステップ201とステップ202とは同時に行う。
【0059】
レンジギヤのシフトダウンを伴わない変速Aパターンについて。図10に示すように、まず、メインギヤ変速有のときはステップ201に進んでメインギヤ抜きを行う。このときスプリッタの変速も有るときは、ステップ202に進んでスプリッタのギヤ抜き(シフト抜き)を行う。このときの条件はクラッチ位置がp1 より断側にあることである。なおこれを「クラッチ位置>p1 」と表示する。勿論、メインギヤ又はスプリッタの一方しか変速しない場合は両ステップのうち一方が省略される。なおレンジギヤのみの変速の場合は無い。図7の表に示すように、一気に7段飛ばし(ex.2nd→10th)になってしまうからである。
【0060】
次に、ステップ203、204、205を同時に行う。ステップ203では次にギヤインするギヤM1,M2…に合わせてメインギヤのセレクトを行う。条件はメインギヤがニュートラルにあることである。ステップ204では、レンジギヤの変速があるときは、そのギヤ抜きとギヤインとを同時に行う。これは図2に示したようにレンジアクチュエータ22の構造上、抜きとインとが同時に行われてしまうからである。このときの条件はクラッチ位置がp2 より断側にあるか (「クラッチ位置>p2 」と表示する)、又はメインギヤがニュートラルであることである。ステップ205ではスプリッタのギヤイン(シフトイン)を行う。条件はステップ204と同様クラッチ位置>p2 又はメインギヤ=Nである。これによりエンジン動力がカウンタシャフト32まで伝達可能となり、ダブルクラッチ制御可能となる。なお、スプリッタのみの変速の場合はここで変速完了となる。
【0061】
ステップ206ではシンクロ制御を実行する。ここでの条件はメインギヤがNで、且つスプリッタとレンジギヤとがシフト完了していることである。ドグギヤ回転−スリーブ回転>M1(正の設定値、第一所定値)のとき、即ちシフトアップのときは、カウンタシャフトブレーキ制御を行い、ドグギヤ回転をスリーブ回転付近まで下げる。一方、ドグギヤ回転−スリーブ回転<M2(0以下の設定値)のときは、ダブルクラッチ制御を行い、ドグギヤ回転をスリーブ回転付近まで上げる。
【0062】
こうしてメインギヤの同期を終えたらステップ207に進んでメインギヤをギヤインする。ここでの条件は、メインギヤがセレクト完了しており(ステップ203)、目標カウンタシャフト回転と現カウンタシャフト回転との差の絶対値がギヤイン可能な値α以下であり、且つクラッチ位置>p2 となっていることである。以上により変速Aパターンを終了する。
【0063】
次に、レンジギヤのシフトダウンを伴う変速Bパターンについて。図11に示すように、ここではメインギヤの変速は必須なので(図7参照)、ステップ302に進んでメインギヤ抜きを行う。条件はステップ201同様クラッチ位置>p1 である。このときスプリッタの変速も有るときは、ステップ302に先立ってステップ301でスプリッタをギヤ抜きし、ステップ302と同時にステップ303でスプリッタをギヤインする。ステップ301、303の実行条件はステップ202、205と同じである。
【0064】
次に、ステップ304、305及び306を同時に行う。ステップ304ではステップ203同様メインギヤをセレクトする。ステップ305ではステップ204同様、レンジギヤのギヤ抜き及びギヤイン即ちシフトダウンを行う。ステップ306ではステップ206同様シンクロ制御を行う。
【0065】
こうしてこれらステップを終えたら、ステップ307でステップ207同様メインギヤをギヤインし、変速Bパターンを終了する。
【0066】
このように、ここでは比較的長時間を要するレンジギヤのシフトダウンとダブルクラッチ制御とを同時に行ってしまうので、全体の変速時間を短縮することができる。
【0067】
ここで目標カウンタシャフト回転の求め方を説明すると、まず現在のアウトプットシャフト回転を求め、これに変速機全体としての目標ギヤ段のギヤ比を掛けて目標エンジン回転を算出する。そしてこの目標エンジン回転と、目標ギヤ段におけるスプリッタのハイ・ローとに基づき、以下の換算式により目標カウンタシャフト回転を求める。
【0068】
NC =(ZSH/ZCH)×NE (スプリッタハイ時)
NC =(Z4 /ZC4)×NE (スプリッタロー時)
ただしNE :エンジン回転、NC :カウンタシャフト回転
この目標カウンタシャフト回転に現カウンタシャフト回転(=カウンタシャフト回転センサによる検出値)を合わせるようにすれば、目標メインギヤ段において自ずとドグギヤ回転がスリーブ回転に合致する。αは結局、ギヤインを許容できる最大値ということになる。
【0069】
ところで、上記ステップ206,306ではドグギヤ回転−スリーブ回転>M1 、即ちドグギヤ回転>スリーブ回転のときCSB制御を行う。前述したように、CSB27は湿式多板クラッチであって効きが良く、瞬時にカウンタシャフト回転を落とせる一方、オイルの引き摺り等がありオーバーシュートしやすい。よって回転を落とし過ぎる可能性があり、こうなるとシンクロ状態が崩れるばかりかダブルクラッチ制御の必要性も生じ、好ましくない。
【0070】
そこで、本装置では、カウンタシャフトブレーキ制御に際して最適なブレーキ力調整を行うべく、以下の制御を実行している。
【0071】
即ち、CSB制御において、CSBを断続的に作動させ、この作動時間割合をドグギヤ回転とスリーブ回転との回転差に応じて変化させる。作動時間割合は、回転差が少ないほど小さくする。本実施形態では作動時間割合を、回転差が所定値未満のとき小さな値、回転差が所定値以上のとき大きな値としている。
【0072】
これを具体的に示すと以下のようになる。CSB27の作動・非作動は電磁弁MV BRKのON/OFFにより切り換えられるが、ここでは電磁弁MV BRKがTMCU9によりデューティ制御されてCSB27が断続的に作動される。TMCU9がカウンタシャフトブレーキ制御手段をなす。このときドグギヤ回転とスリーブ回転との回転差ΔN(=ドグギヤ回転−スリーブ回転)が所定値ΔN1 (第二所定値)以上のときは、図14(a)に示すように第一ON時間TON1が長く、第一OFF時間TOFF1が短くされる。一方、回転差ΔNが所定値ΔN1未満のときは、図14(b)に示すように第二ON時間TON2が短く、第二OFF時間TOFF2が長くされる。TON1>TON2,TOFF1<TOFF2である。これにより回転差ΔNが大きいときはCSBの作動時間割合を大きくし、大きなブレーキ力でカウンタシャフトを早く減速できる。一方、回転差ΔNが小さく、カウンタシャフト回転が目標値に近付いてきたら、CSBの作動時間割合を小さくし、ブレーキ力を弱め、オーバーシュートを防止できる。
【0073】
かかる制御を実行するためのフローが図12、図13に示される。図12はON時間及びOFF 時間設定フロー、図13は電磁弁作動許可判別フローである。これらフローはTMCU9によって所定の制御時間(ex.32ms )毎に繰り返し実行される。図12のフローは図13のフローに先立って毎回実行される。
【0074】
図12について。TMCU9はまず最初のステップ401で現在シンクロ制御モードか否かを判断する。NOなら本フローを終え、YES ならステップ402に進む。ステップ402では回転差ΔN=ドグギヤ回転−スリーブ回転を計算する。そして次のステップ403でCSB作動条件成立か否かを判断する。これは図10のステップ206でも示したようにメインギヤ=N、レンジギヤ及びスプリッタシフト完了、ΔN>M1 の全てが満たされたとき条件成立となる。条件成立でなければ本フローを終え、条件成立ならステップ404に進む。
【0075】
ステップ404では回転差ΔNを所定値ΔN1 と比較する。ΔN1 としては200 〜400(rpm)程度の値が入力されている。ΔN≧ΔN1 のときはステップ405に進んで電磁弁MV BRKのON時間を第一ON時間TON1 とする。つまり電磁弁MV BRKがONとなる時間をTON1 に制限するのである。そしてステップ406に進み、電磁弁MV BRKのOFF 時間を第一OFF 時間TOFF1とする。つまりTOFF1の間は電磁弁MV BRKを強制的にOFF するのである。これにより、電磁弁MV BRKは長いON時間と短いOFF 時間とで交互にON/OFFされ、CSBが大きな作動時間割合で断続作動される結果、CSBは大きなブレーキ力をもたらすようになる。
【0076】
一方、ステップ404でΔN<ΔN1 のときはステップ407に進んで電磁弁MV BRKのON時間を第二ON時間TON2 とし、次いでステップ408で電磁弁MV BRKのOFF 時間を第二OFF 時間TOFF2とする。これにより電磁弁MV BRKは短いON時間と長いOFF 時間とで交互にON/OFFされ、CSBが小さな作動時間割合で断続作動される結果、CSBは小さなブレーキ力をもたらすようになる。
【0077】
こうしてON時間及びOFF 時間の設定を終えたら本フローを終了し、図13のフローに移行する。
【0078】
図13において、TMCU9はまず最初のステップ501で現在シンクロ制御モードか否かを判断する。NOならステップ512に進んでONタイマをクリアし、ステップ513でOFF タイマをmax 値に固定する。YES ならステップ502に進んでCSB作動条件成立か否かを判断する。これは図12のステップ403と同じである。次に、ステップ503で電磁弁MV BRKがONか否か、即ちCSB作動中か否かを判断する。
【0079】
ONならステップ504に進んでONタイマをインクリメント(加算)し、ステップ505でOFF タイマをクリアする。次にステップ506でONタイマの値をTON* (* は1又は2、以下同じ)と比較する。ONタイマ<TON* なら本フローを終え、ONタイマ≧TON* ならステップ507に進んで電磁弁MV BRKの作動(ON)を禁止する。一方、図示しない別フローで電磁弁MV BRKのON/OFFが行われているので、このように電磁弁作動禁止とすることにより別フローで電磁弁MV BRKがOFF される。
【0080】
ステップ503で電磁弁MV BRKがOFF 、即ちCSB非作動と判断されたらステップ508に進んでONタイマをクリアし、ステップ509でOFF タイマをインクリメントする。そしてステップ510でOFF タイマの値をTOFF * と比較する。OFF タイマ<TOFF * なら本フローを終え、OFF タイマ≧TOFF * ならステップ511で電磁弁MV BRKの作動を許可(即ち作動禁止解除)する。これにより別フローで電磁弁MV BRKがON可能となる。
【0081】
このフローによる実際のCSBの作動としては、まずMV BRKがONされ、CSBが作動開始となると、ステップ503から504に移行し、ONタイマがインクリメント開始となる。初期のうちはONタイマ<TON* なのでステップ501,…506を繰り返すが、ONタイマ≧TON* となるとタイムアップとなってMVBRKがOFF され、CSBが非作動となる。こうなると次回からステップ503,508へと移行し、OFF タイマがインクリメント開始となる、初期のうちはOFF タイマ<TOFF * なのでステップ501,…510を繰り返すが、OFF タイマ≧TOFF * となるとタイムアップとなってMV BRKのON禁止が解除される。
【0082】
このとき、CSBがまだ必要な状況(CSB作動条件成立)なら別フローで再度MV BRKがONされ、CSBが作動される。CSBが必要なうちはこのON/OFFを繰り返し、CSBが必要でなくなれば別フローでMV BRKがOFF され、CSBが非作動とされる。
【0083】
本フローの前に図12のフローが実行され、TON* 、TOFF * が毎回確定されるから、常時回転差ΔNに応じたMV BRKのON/OFF制御(デューティ制御)が可能となり、回転差ΔNに応じてCSBの効きを最適に調節できる。
【0084】
この結果、回転差ΔNが大きいうちは減速を強くし、回転差ΔNが小さくなってきたら減速を弱めてドグギヤ回転をスリーブ回転に理想的に近付けることができる。そしてオーバーシュートを未然に防止することができ、ダブルクラッチの必要性もなくなる。
【0085】
なお、本発明の実施形態は上述のものに限られない。例えば本実施形態ではカウンタシャフトブレーキ力を二段階に調節するようにした。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、カウンタシャフトブレーキ制御に際して最適なブレーキ力調整を行えるという優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る車両の自動変速装置を示す構成図である。
【図2】自動変速機を示す構成図である。
【図3】自動クラッチ装置を示す構成図である。
【図4】シフトアップマップである。
【図5】シフトダウンマップである。
【図6】変速機内の各ギヤの歯数を示す。
【図7】ドグギヤ回転及びスリーブ回転の算出式を示す。
【図8】ダブルクラッチ制御の内容を示すタイムチャートである。
【図9】変速パターン判別プログラムを示すフローチャートである。
【図10】変速Aパターンの内容を示すフローチャートである。
【図11】変速Bパターンの内容を示すフローチャートである。
【図12】 ON時間及びOFF 時間設定のためのフローチャートである。
【図13】電磁弁作動許可判別のためのフローチャートである。
【図14】電磁弁のON/OFFの様子を示す図である。
【符号の説明】
2 クラッチ
3 変速機
6 エンジンコントロールユニット
9 トランスミッションコントロールユニット
10 クラッチブースタ
17 スプリッタ
18 メインギヤ
19 レンジギヤ
20 スプリッタアクチュエータ
21 メインアクチュエータ
22 レンジアクチュエータ
26 カウンタシャフト回転センサ
27 カウンタシャフトブレーキ
28 アウトプットシャフト回転センサ
36 ドグギヤ
43,44,45 メインギヤのスリーブ
MV BRK 電磁弁
M1 設定値
TON1 第一ON時間
TON2 第二ON時間
TOFF1 第一OFF 時間
TOFF2 第二OFF 時間
ΔN 回転差
ΔN1 所定値[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an automatic transmission for a vehicle that is applied to a large vehicle such as a tractor.
[0002]
[Prior art]
Recently, in order to reduce the burden on the driver, there are many examples in which an automatic transmission is employed even in a large vehicle such as a tractor or a truck. In such a large vehicle, in addition to the main gear, a multi-stage transmission having a splitter and a range gear as auxiliary transmissions is equipped. In this case, in order to reduce the number of parts and the cost, it can be considered that the mechanical sync mechanism is omitted from the main gear, and the sync control is performed instead to synchronize at the time of gear-in. Here, the synchro control mainly means that counter shaft brake control is performed when shifting up, and double clutch control is performed when shifting down. The synchronized state means that the dog gear rotation and the sleeve rotation substantially coincide with each other at the next main shift target gear stage.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the countershaft brake control, the countershaft brake is operated to reduce the countershaft rotation to the target rotation. However, if the rotation is reduced too much due to overshoot, the synchro state is lost and gear-in is not possible, and the countershaft rotation must be increased again by double clutch control, which is not preferable.
[0004]
Accordingly, an object of the present invention is to perform optimum brake force adjustment in countershaft brake control.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
An automatic transmission for a vehicle according to the present invention includes a transmission including a main gear that does not have a mechanical synchronization mechanism, and a shift control unit that executes a shift control of the transmission, and a predetermined speed is set when the main gear is shifted. A countershaft brake for braking the countershaft of the transmission, and a countershaft brake control means for controlling the operation of the countershaft brake. At this time, a first predetermined value M in which the rotational speed difference ΔN obtained by subtracting the sleeve rotation from the dog gear rotation at the target main gear stage is a positive set value.1Is exceeded, the synchro control is set to a predetermined countershaft brake control, and the countershaft brake control is operated intermittently so that the brake force of the countershaft brake can be adjusted in two stages. In addition, the counter shaft brake operating time ratio can be selected from a large value and a small value, and the counter shaft brake control means is configured to start and end the counter shaft brake control.For each time interval smaller than the operation time of the small value of the operation time ratio of the counter shaft brake,The rotation speed difference ΔN is the first predetermined value M.1Second predetermined value ΔN set to a larger value than1Whether the rotational speed difference ΔN is equal to or greater than the second predetermined value ΔN.1At this time, the operation time ratio of the countershaft brake is set to the large value, and the rotational speed difference ΔN is set to the second predetermined value ΔN.1Less than the first predetermined value M1Is exceeded, the operating time ratio of the countershaft brake is set to the small value.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Preferred embodiments of the present invention will be described below in detail with reference to the accompanying drawings.
[0009]
FIG. 1 shows an automatic transmission for a vehicle according to this embodiment. Here, the vehicle is a tractor that pulls the trailer, and the engine is a diesel engine. As shown in the figure, a
[0010]
On the other hand, during the shift, the engine control is executed based on the pseudo accelerator opening processed by the ECU 6 independently of the actual accelerator opening detected by the accelerator opening sensor 8. This is particularly necessary in the double clutch control described later.
[0011]
As shown in FIG. 2, the flywheel 1b is attached to the crankshaft of the engine, the ring gear 1c is formed on the outer periphery of the flywheel 1b, and the engine rotation sensor 7 outputs a pulse each time the teeth of the ring gear 1c pass, The ECU 6 counts the number of pulses per unit time and calculates the engine speed.
[0012]
As shown in FIG. 1, here, the
[0013]
As shown in FIGS. 1, 2, and 3, the
[0014]
As clearly shown in FIG. 3, the
[0015]
The solenoid valves MVC1, MVC2, and MVCE are ON / OFF controlled by the TMCU 9. When ON, the upstream side communicates with the downstream side, and when OFF, the upstream side is shut off and the downstream side is opened to the atmosphere. First, the automatic side will be described. The electromagnetic valve MVC1 is simply turned ON / OFF in accordance with the ON / OFF of the ignition key. The ignition key is OFF, that is, it is OFF while the vehicle is stopped, and the air pressure from the air tank 5 is shut off. The electromagnetic valve MVC2 is a proportional control valve and can freely control the amount of supply or exhaust air. This is to control the clutch connection / disconnection speed. When the solenoid valves MVC1 and MVC2 are both ON, the air pressure in the air tank 5 is switched to the double check valves DCV1 and DCV2 and supplied to the
[0016]
However, if an abnormality occurs in the electromagnetic valve MVC1 or MVC2 during clutch disconnection and either of them is turned OFF, the clutch is suddenly engaged against the driver's intention. Therefore, when such an abnormality is detected by the abnormality diagnosis circuit of the TMCU 9, the solenoid valve MVCE is immediately turned on. Then, the air pressure that has passed through the electromagnetic valve MVCE is switched to the reverse of the double check valve DCV1 and supplied to the
[0017]
Next, the manual side will be described. The hydraulic pressure is supplied / discharged from the
[0018]
As shown in detail in FIG. 2, the
[0019]
A gear shift unit GSU is provided to automatically shift the
[0020]
In this automatic transmission, a manual mode is set, and a manual shift based on a driver's shift change operation is possible. In this case, as shown in FIG. 1, the connection / disconnection control of the
[0021]
In the illustrated
[0022]
If the shift lever 29a is put in the D range in the automatic shift mode, the shift is automatically performed according to the vehicle speed. Even in the automatic transmission mode, if the driver operates the shift lever 29a to UP or DOWN, manual upshifting or downshifting is possible. In this automatic shift mode, if the
[0023]
On the other hand, in the manual shift mode, the shift completely follows the driver's intention. When the shift lever 29a is in the D range, no speed change is performed, and the current gear is held, and the shift up or down is possible only when the shift lever 29a is operated to UP or DOWN with the driver's positive intention. At this time, similarly to the above, if the
[0024]
An
[0025]
As shown in FIG. 2, in the
[0026]
First, the configuration of the
[0027]
The gears SH, M4... Attached to the
[0028]
As described above, the
[0029]
Next, the configuration of the
[0030]
The fifth hub 41 is provided integrally with the pipe portion 69. An output shaft dog gear 70 is integrally provided on the
[0031]
When the fifth sleeve 46 moves forward, it engages with the fixed dog gear 71, and the fifth hub 41 and the fixed dog gear 71 are connected. As a result, the
[0032]
On the other hand, when the fifth sleeve 46 moves rearward, this engages with the output shaft dog gear 70, and the fifth hub 41 and the output shaft dog gear 70 are connected. As a result, the
[0033]
After all, in this
[0034]
Next, each actuator 20, 21, 22 will be described. These actuators are composed of a pneumatic cylinder that is operated by the air pressure of the air tank 5 and a solenoid valve that switches supply and discharge of air pressure to and from the pneumatic cylinder. These solenoid valves are selectively switched by TMCU 9 to selectively actuate the pneumatic cylinder.
[0035]
The
[0036]
The main actuator 21 includes a pneumatic cylinder 48 having a double piston and responsible for the operation on the select side, and a pneumatic cylinder 49 having a single piston and responsible for the operation on the shift side. A plurality of solenoid valves MVC, MVD, MVE and MVB, MVA are provided for each of the pneumatic cylinders 48 and 49.
[0037]
The select-side pneumatic cylinder 48 moves downward in the figure when MVC / OFF, MVD / ON, and MVE / OFF, and can select 3rd, 4th, or N3 of the main gear, and MVC / ON, MVD / OFF, MVE / When ON, it becomes neutral, and the 1st, 2nd or N2 of the main gear can be selected, and when it is MVC / ON, MVD / OFF, or MVE / OFF, it moves upward in the figure, and the main gear Rev or N1 can be selected.
[0038]
The shift side pneumatic cylinder 49 is neutral when MVA / ON, MVB / ON, and can select N1, N2 or N3 of the main gear, and moves to the left side of the figure when MVA / ON, MVB / OFF. 2nd, 4th or Rev can be selected, and when MVA / OFF or MVB / ON, it moves to the right side of the figure, and 1st or 3rd of the main gear can be selected.
[0039]
The range actuator 22 includes a
[0040]
Incidentally, a
[0041]
Next, the contents of the automatic shift control will be described. The TMCU 9 stores a shift-up map shown in FIG. 4 and a shift-down map shown in FIG. 5, and the TMCU 9 executes automatic shift according to these maps in the automatic shift mode. For example, in the shift-up map of FIG. 4, the shift-up diagram from gear stage n (n is an integer from 1 to 15) to n + 1 is determined by a function of accelerator opening (%) and output shaft rotation (rpm). ing. On the map, only one point is determined from the current accelerator opening (%) and output shaft rotation (rpm). During the acceleration of the vehicle, the rotation of the
[0042]
Similarly, in the shift down map of FIG. 5, the shift down diagram from the gear stage n + 1 (n is an integer from 1 to 15) to n is a function of the accelerator opening (%) and the output shaft rotation (rpm). It has been decided. On the map, only one point is determined from the current accelerator opening (%) and output shaft rotation (rpm). While the vehicle is decelerating, the rotation of the
[0043]
On the other hand, in manual mode, the driver can freely shift up and down regardless of these maps. In the normal mode, one shift can be achieved by one shift change operation, and in the skip mode, two shifts can be achieved by one shift change operation.
[0044]
The TMCU 9 converts the current vehicle speed from the current output shaft rotation value detected by the output
[0045]
Next, the contents of the sync control will be described.
[0046]
As shown in FIGS. 6 and 7, TMCU 9 has a number of teeth Z of each gear in
[0047]
In the left column of the table of FIG. 7, the words “1st”, “2nd”... “Rev” written at the left end indicate the target main gear stage. In addition, the words “1st”, “2nd”,... In parentheses indicate the target gear stage of the entire transmission that each target main gear stage is responsible for. For example, “1st” (gear M1) of the main gear 18 is assigned to “1st”, “2nd”, “9th”, and “10th”. The words in the parentheses are divided into the first two and the latter two by the low and high of the
[0048]
In the target main gear stage “Rev”, separation by the
[0049]
The right column of the table of FIG. 7 shows a formula for calculating the dog gear rotation (rpm). For example, in the case of the target main gear stage “1st”, the value detected by the counter shaft rotation sensor 26 (counter shaft rotation (rpm)) is set to the gear ratio Z.C1/ Z1The value obtained by multiplying is the rotation of the dog gear 36 fixed to the gear M1, that is, the dog gear rotation (rpm). At the target main gear stage “Rev”, the gear ratio C is included in the countershaft rotation (rpm).RevThe value multiplied by (0.45 here) is the dog gear rotation (rpm).
[0050]
On the other hand, the lower part of FIG. 7 shows a calculation formula for the rotation of the sleeves 43, 44, 45 of the main gear 18, that is, the sleeve rotation (rpm). When the target range gear position of the next shift destination is High, the reduction ratio is 1, so the value detected by the output shaft rotation sensor 28 (output shaft rotation (rpm)) becomes the sleeve rotation (rpm) as it is. When the target range gear is low, the reduction ratio is CRG= 4.5, so the output shaft rotation (rpm) and the reduction ratio CRGThe value multiplied by is the sleeve rotation (rpm).
[0051]
In the synchro control, the dog gear rotation and the sleeve rotation are controlled so as to be within a range where gear-in is possible. Specifically, a rotation difference ΔN = (dog gear rotation−sleeve rotation) is calculated, and control is performed to put this value in a gear-in range. In the shift-up, since dog gear rotation> sleeve rotation immediately before normal gear-in, counter shaft brake (hereinafter referred to as CSB) control is performed to reduce dog gear rotation. On the contrary, in the downshift, since the dog gear rotation is less than the sleeve rotation just before the normal gear-in, double clutch control is performed to increase the dog gear rotation.
[0052]
Double clutch control is as follows. As shown in FIG.1When there is a shift instruction signal, the clutch is first disengaged and the gear is released. The gear release is the position immediately after the clutch starts to be disengaged, in other words, the position p immediately after entering the half-clutch region.1Start with. For engine control, the clutch position is p1From that point on, the control shifts to the control based on the pseudo accelerator opening that is away from the actual accelerator opening. At this time, the engine rotation is increased to a rotation (target engine rotation) that is sufficient to accelerate the countershaft and can substantially match the dog gear rotation with the sleeve rotation at the target main gear stage. The rotation is kept constant.
[0053]
After the gear is released, the clutch is momentarily connected, whereby the dog gear rotation is increased to a rotation that allows gear-in. Immediately after this, the clutch is disengaged again and gear-in is executed. The gear-in is a position immediately before the end of clutch disengagement, in other words, a position p immediately before exiting the half-clutch region.2Starts from. Immediately after the gear-in is completed, the clutch is reconnected, and when the clutch is completely engaged, the double clutch control is terminated, and the engine and countershaft rotation shifts to the rotation according to the actual accelerator opening.
[0054]
By the way, when the entire transmission is downshifted, both the downshift of the range gear and the double clutch control may be executed. In the table of FIG. 7, the cases are 9th → 7th, 9th → 8th, 10th → 8th. At this time, if the order of these is not properly determined, the overall shift time will be lengthened.
[0055]
That is, the range gear has a relatively large reduction ratio between high and low, and therefore it takes time to shift down even if it has a mechanical synchro mechanism. The double clutch control also takes a relatively long time because the clutch is engaged once during the gear disengagement / gear-in operation and rotated. Therefore, if these operations are performed in order, the overall shift time becomes longer.
[0056]
Therefore, in the present apparatus, when the entire transmission is shifted down accompanied by the range gear downshifting, the range gear downshifting and the double clutch control are simultaneously performed to shorten the entire gear shifting time. This will be described below.
[0057]
In this apparatus, the shift pattern is divided between when the entire transmission is shifted down with a range gear shift down and when it is not. FIG. 9 shows a program for determining this shift pattern. When there is a shift instruction, the TMCU 9 first determines in step 101 whether or not there is a range gear shift. When there is no range gear shift, the routine proceeds to step 104 where the shift A pattern is selected. The shift A pattern is a pattern that shifts according to the chart of FIG. 10, and is a normal shift pattern. When the range gear shift is present, the routine proceeds to step 102, where it is determined whether or not the shift is downshift (H → L). If the shift is up, the routine proceeds to step 104 to select the shift A pattern, and if the shift is down, the routine proceeds to step 103 to select the shift B pattern. The shift B pattern is a pattern for shifting according to the chart of FIG. 11, and is a shift pattern performed in a relatively special case.
[0058]
10 and 11, there is a time axis from the top to the bottom of the figure, and the items shown side by side indicate that they are performed simultaneously or at the same time. For example, in FIG. 10, step 201 and step 202 are performed simultaneously.
[0059]
Shift A pattern without range gear downshift. As shown in FIG. 10, first, when the main gear shift is present, the routine proceeds to step 201 where the main gear is removed. At this time, if there is also a shift of the splitter, the process proceeds to step 202 to perform gear removal (shift removal) of the splitter. The condition at this time is that the clutch position is p.1It is more on the other side. Note that this is indicated by “clutch position> p1Is displayed. Of course, when only one of the main gear and the splitter shifts, one of both steps is omitted. There is no case of shifting only with the range gear. This is because, as shown in the table of FIG. 7, seven steps are skipped (ex. 2nd → 10th).
[0060]
Next, steps 203, 204 and 205 are performed simultaneously. In
[0061]
In
[0062]
When synchronization of the main gear is thus completed, the routine proceeds to step 207 where the main gear is engaged. The conditions here are that the main gear has been selected (step 203), the absolute value of the difference between the target countershaft rotation and the current countershaft rotation is equal to or less than a value α that allows gear-in, and the clutch position> p2It is that. Thus, the shift A pattern is completed.
[0063]
Next, the shift B pattern accompanied by the range gear downshift. As shown in FIG. 11, the shift of the main gear is essential here (see FIG. 7), so the routine proceeds to step 302 where the main gear is removed. Conditions are the same as in step 201, clutch position> p1It is. At this time, when there is also a shift of the splitter, the gear of the splitter is released at
[0064]
Next, steps 304, 305 and 306 are performed simultaneously. In step 304, the main gear is selected as in
[0065]
When these steps are completed, the main gear is engaged in step 307 as in
[0066]
In this way, the range gear shift down and the double clutch control, which require a relatively long time, are simultaneously performed here, so that the entire speed change time can be shortened.
[0067]
Here, how to obtain the target countershaft rotation will be described. First, the current output shaft rotation is obtained, and this is multiplied by the gear ratio of the target gear stage of the entire transmission to calculate the target engine rotation. Based on the target engine rotation and the high / low of the splitter at the target gear stage, the target countershaft rotation is obtained by the following conversion formula.
[0068]
NC= (ZSH/ ZCH) × NE (When splitter high)
NC= (ZFour/ ZC4) × NE (When splitter low)
NE: Engine rotation, NC: Counter shaft rotation
If the current counter shaft rotation (= the value detected by the counter shaft rotation sensor) is matched with the target counter shaft rotation, the dog gear rotation automatically matches the sleeve rotation at the target main gear stage. After all, α is the maximum value that allows gear-in.
[0069]
By the way, in
[0070]
Therefore, in this apparatus, the following control is executed in order to perform the optimum brake force adjustment in the countershaft brake control.
[0071]
That is, in the CSB control, the CSB is intermittently operated, and the operation time ratio is changed according to the rotation difference between the dog gear rotation and the sleeve rotation. The operating time ratio is decreased as the rotation difference is smaller. In this embodiment, the operating time ratio is set to a small value when the rotation difference is less than a predetermined value, and a large value when the rotation difference is equal to or greater than the predetermined value.
[0072]
This is specifically shown as follows. The operation / non-operation of the
[0073]
Flows for executing such control are shown in FIGS. FIG. 12 is an ON time / OFF time setting flow, and FIG. 13 is an electromagnetic valve operation permission determination flow. These flows are repeatedly executed by the TMCU 9 every predetermined control time (ex. 32 ms). The flow of FIG. 12 is executed every time prior to the flow of FIG.
[0074]
About FIG. First, the TMCU 9 determines whether or not the current synchro control mode is set in step 401. If NO, the flow ends. If YES, the process proceeds to step 402. In
[0075]
In
[0076]
On the other hand, in
[0077]
When the setting of the ON time and the OFF time is thus completed, this flow is finished, and the flow proceeds to the flow of FIG.
[0078]
In FIG. 13, TMCU 9 first determines whether or not the current synchro control mode is set in step 501. If NO, the process proceeds to step 512 to clear the ON timer, and in step 513, the OFF timer is fixed to the maximum value. If YES, the routine proceeds to step 502, where it is determined whether the CSB operating condition is satisfied. This is the same as step 403 in FIG. Next, in
[0079]
If it is ON, the process proceeds to step 504 to increment (add) the ON timer, and in step 505, the OFF timer is cleared. Next, in step 506, the value of the ON timer is compared with TON * (* is 1 or 2, the same applies hereinafter). If the ON timer <TON *, the flow ends. If the ON timer ≧ TON *, the flow proceeds to step 507 to prohibit the operation (ON) of the solenoid valve MV BRK. On the other hand, since the solenoid valve MV BRK is turned on / off in a separate flow (not shown), the solenoid valve MV BRK is turned off in a separate flow by prohibiting the solenoid valve operation in this way.
[0080]
If it is determined in
[0081]
As an actual CSB operation according to this flow, first, MV BRK is turned ON, and when CSB starts operation, the flow proceeds from
[0082]
At this time, if the CSB is still necessary (CSB operation condition is satisfied), MV BRK is turned ON again in another flow, and the CSB is operated. While the CSB is necessary, this ON / OFF is repeated. When the CSB is no longer necessary, the MV BRK is turned off in another flow, and the CSB is deactivated.
[0083]
The flow of FIG. 12 is executed before this flow, and TON * and TOFF * are determined each time. Therefore, ON / OFF control (duty control) of MV BRK according to the rotation difference ΔN becomes possible, and the rotation difference ΔN The effect of CSB can be adjusted optimally according to
[0084]
As a result, the deceleration can be strengthened while the rotation difference ΔN is large, and the dog gear rotation can be ideally brought close to the sleeve rotation by decreasing the deceleration when the rotation difference ΔN becomes small. And overshoot can be prevented beforehand, and the necessity of a double clutch is also eliminated.
[0085]
The embodiment of the present invention is not limited to the above. For example, in this embodiment, the countershaft braking force is adjusted in two stages..
[0086]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to achieve an excellent effect that optimum braking force adjustment can be performed during countershaft brake control.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram showing a vehicle automatic transmission according to an embodiment.
FIG. 2 is a configuration diagram showing an automatic transmission.
FIG. 3 is a block diagram showing an automatic clutch device.
FIG. 4 is a shift-up map.
FIG. 5 is a shift-down map.
FIG. 6 shows the number of teeth of each gear in the transmission.
FIG. 7 shows calculation formulas for dog gear rotation and sleeve rotation.
FIG. 8 is a time chart showing the contents of double clutch control.
FIG. 9 is a flowchart showing a shift pattern determination program.
FIG. 10 is a flowchart showing the contents of a transmission A pattern.
FIG. 11 is a flowchart showing the contents of a shift B pattern.
FIG. 12 is a flowchart for setting ON time and OFF time.
FIG. 13 is a flowchart for determining solenoid valve operation permission.
FIG. 14 is a diagram showing a state of ON / OFF of a solenoid valve.
[Explanation of symbols]
2 Clutch
3 Transmission
6 Engine control unit
9 Transmission control unit
10 Clutch booster
17 Splitter
18 Main gear
19 Range gear
20 Splitter actuator
21 Main actuator
22 Range actuator
26 Countershaft rotation sensor
27 Countershaft brake
28 Output shaft rotation sensor
36 dog gear
43, 44, 45 Main gear sleeve
MV BRK solenoid valve
M1 Set value
TON1 1st ON time
TON2 Second ON time
TOFF1 First OFF time
TOFF2 Second OFF time
ΔN rotation difference
ΔN1 Predetermined value
Claims (1)
上記変速機のカウンタシャフトを制動するためのカウンタシャフトブレーキと、該カウンタシャフトブレーキを作動制御するためのカウンタシャフトブレーキ制御手段とを設け、
上記メインギヤの変速に際し、目標メインギヤ段におけるドグギヤ回転からスリーブ回転を引いた回転数差ΔNが正の設定値である第一所定値M1を超えるときは上記シンクロ制御を所定のカウンタシャフトブレーキ制御とし、
該カウンタシャフトブレーキ制御を、上記カウンタシャフトブレーキを断続的に作動させるものとし、上記カウンタシャフトブレーキのブレーキ力を二段階に調節できるように、該カウンタシャフトブレーキの作動時間割合を大きな値と小さな値とから選択可能とし、
上記カウンタシャフトブレーキ制御手段は、上記カウンタシャフトブレーキ制御の開始から終了までの間、上記カウンタシャフトブレーキの作動時間割合の小さな値の作動時間よりも小さい時間間隔毎に、上記回転数差ΔNが、上記第一所定値M1よりも大きい値に設定された第二所定値ΔN1以上か否か判断するものであり、かつ
上記回転数差ΔNが上記第二所定値ΔN1以上のときに、上記カウンタシャフトブレーキの作動時間割合を上記大きな値とし、
上記回転数差ΔNが上記第二所定値ΔN1未満かつ上記第一所定値M1を超えるときに、上記カウンタシャフトブレーキの作動時間割合を上記小さな値とすることを特徴とする車両の自動変速装置。A transmission that includes a main gear that does not have a mechanical synchronization mechanism, and a shift control means that executes a shift control of the transmission, and that performs a predetermined synchronization control when shifting the main gear;
A countershaft brake for braking the countershaft of the transmission, and a countershaft brake control means for controlling the operation of the countershaft brake;
Upon the shifting of the main gear, the synchronous control by a predetermined countershaft brake control when the rotational speed difference by subtracting the sleeve rotates from Dogugiya rotation in the target main gear stage ΔN exceeds a first predetermined value M 1 is a positive set value ,
In the counter shaft brake control, the counter shaft brake is operated intermittently, and the operation time ratio of the counter shaft brake is set to a large value and a small value so that the brake force of the counter shaft brake can be adjusted in two stages. And selectable from
The countershaft brake control means is configured such that, from the start to the end of the countershaft brake control , the rotation speed difference ΔN is reduced at every time interval smaller than the operation time of a small value of the operation time ratio of the countershaft brake . It is determined whether or not the second predetermined value ΔN 1 is set to a value larger than the first predetermined value M 1 , and when the rotational speed difference ΔN is the second predetermined value ΔN 1 or more, The counter shaft brake operating time ratio is set to the above large value,
The automatic gear shifting of the vehicle, wherein when the rotational speed difference ΔN is less than the second predetermined value ΔN 1 and exceeds the first predetermined value M 1 , the operating time ratio of the countershaft brake is set to the small value. apparatus.
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