JP4636502B2 - 錠装置 - Google Patents

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本発明は、施解錠のために屋内から操作される摘みを備える防犯性に優れた錠装置に関し、該摘みは、例えば錠装置のサムターンに備えられる。
建物の扉などに装備されて、屋外からは鍵操作により、また屋内からはサムターンにより施解錠が行われる錠装置では、扉に開けた小孔などを通じて屋外から挿入した操作具でサムターンの摘みを回動する不正解錠が行われることがある。そこで、このような不正解錠を防止するための種々の技術が提案されている。例えば特許文献1に開示されたサムターンユニットは、錠箱の入出力軸に連結されるコア軸と、屋内側へ突出する摘みを有すると共に扉に固定される固定筒内に回転自在に内設されるサムターン筒と、サムターン筒に内設されてサムターン筒の外周から突出して固定筒に係合することでサムターン筒の回転を阻止するストッパーと、摘みの表裏面に突出され同時に押圧されることでストッパーの係合を解除する1対のボタンと、サムターン筒に固定されて一体回転するローターと、ローターに内設されコア軸の突起板を挟持してローターの回転をコア軸に伝達するとともに、コア軸からの回転入力に対しては突起板によって開脚され、該開脚動作によってストッパーを係合解除方向に作動させる一対の挟持板とを備える。
特開2005−42498号公報
ところで、前記従来技術では、サムターン筒の回転を阻止するストッパーとストッパーの係合を解除するボタンとは別個の部材であること、またボタンとコア軸との間にストッパーおよび挟持板が介在することから、屋内側および屋外側からの解錠操作によりストッパーと固定筒との係合を解除するための機構を構成する部品点数が多くなっていた。このため、サムターンユニットの組立に手間がかかり、またサムターンユニットが大型化し、良好な解錠操作性が得られにくくなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜10記載の発明は、摘みによる解錠を阻止する解錠阻止手段を備える錠装置において、部品点数を削減して組立性の向上および小型・軽量化を図ることを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、解錠阻止手段の解錠阻止機能を解除する操作手段の組立性の向上および小型・軽量化を図り、さらに解錠阻止機能の解除の操作性の向上を図ることを目的とし、請求項3,4記載の発明は、さらに、解錠阻止手段を備える錠装置の施解錠操作性の向上を図ることを目的とし、請求項5,7,10記載の発明は、さらに、操作手段の小型化を図ることを目的とし、請求項9記載の発明は、さらに、解錠阻止機能の解除に続く摘みの操作による錠装置の解錠の操作を容易にすることを目的とする。
請求項1記載の発明は、施錠対象に固定される基体と、前記基体に移動可能に支持されて施解錠のために屋内から操作される摘みと、前記摘みによる解錠を阻止する解錠阻止手段と、屋外からの解錠操作により前記解錠阻止手段の解錠阻止機能を解除にする操作手段とを備える錠装置において、前記解錠阻止手段は、前記解錠阻止機能を屋内から解除するための第1解除力が最初に加えられる初動部材から構成され、前記初動部材は、前記第1解除力と前記操作手段が前記解錠阻止機能を解除するために前記初動部材に直接加える第2解除力とに応動して、前記摘みによる解錠を阻止する係合位置および前記摘みによる解錠を許容する非係合位置を占めるように前記基体に係合可能である単一の部材であり、前記操作手段は、屋外からの施解錠操作によりデッドボルトを施錠位置および解錠位置に移動させる駆動体と常時一体に運動する作動部材と、前記作動部材により直接駆動されて生じる単一の運動をして前記第2解除力を前記初動部材に直接加える伝達部材とから構成される錠装置である。
これによれば、解錠阻止手段の解錠阻止機能により高い防犯性が確保された錠装置において、摘みによる錠装置の解錠を阻止する解錠阻止機能の有効化および摘みによる錠装置の解錠を許容する解錠阻止機能の解除は、単一の部材である初動部材自体の、基体との係合および非係合によりそれぞれ行われるので、解錠阻止手段の解錠阻止機能を解除するための構造の部品点数が削減される。
さらに、操作手段を構成する作動部材および伝達部材は、それぞれ1つの運動をするだけであるので、屋外から解錠阻止機能を解除する手段が多数の異なる運動をする部材から構成される場合に比べて、操作手段の部品点数の削減が可能になり、さらには解錠阻止機能を解除するための解除力に対する応答性が向上する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の錠装置において、前記伝達部材は、前記摘みに係合可能であり、前記初動部材が前記非係合位置にあるとき、前記作動部材の運動を前記摘みに直接伝達するものである。
これによれば、解錠阻止機能が解除されている状態で、屋外から錠装置を施解錠する際に、駆動体と一体に運動する作動部材の運動が伝達部材を介して直接摘みに伝達されるので、摘みの移動応答性が向上する。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の錠装置において、前記伝達部材は、前記基体に対して回動可能に支持される前記摘みに常時一体回動可能に係合し、前記初動部材が前記非係合位置にあるとき、回動する前記作動部材と前記摘みとの間に相対回動を生じさせないものである。
これによれば、解錠阻止機能が解除されている状態で、屋外から錠装置を施解錠する際に、駆動体と一体に運動する作動部材の運動が伝達部材を介して直ちに摘みに伝達されるので、伝達部材と摘みとの間に相対移動が生じる場合に比べて、摘みの移動応答性が一層向上する。
請求項4記載の発明は、請求項1から3記載のいずれか1項記載の錠装置において、前記摘みは、前記基体に回動中心線を中心に回動可能に支持され、前記伝達部材は、前記作動部材に設けられたカム部のカム面に接触する従動部を有し、回動する前記作動部材が、前記カム面と前記従動部との接触を通じて前記伝達部材を前記回動中心線に平行に移動させるものである。
これによれば、伝達部材は、カム部と従動部とから構成されるカム機構により作動部材により直接駆動される。そして、作動部材および伝達部材は、摘みの回動中心線に対する径方向に運動しないので、操作手段が該径方向で小型化される。
請求項5記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の錠装置において、前記摘みは前記基体に回動中心線を中心に回動可能に支持され、前記初動部材は前記回動中心線の周囲に複数配置され、前記伝達部材は前記各初動部材に前記第2解除力を加える共通の1つの部材であるものである。
これによれば、複数の初動部材に第2解錠力を加える伝達部材は1つであるので、複数の初動部材を移動させるための操作手段の部品点数が削減される。
請求項6記載の発明は、施錠対象に固定される基体と、前記基体に移動可能に支持されて施解錠のために屋内から操作される摘みと、前記摘みによる解錠を阻止する解錠阻止手段と、屋外からの解錠操作により前記解錠阻止手段の解錠阻止機能を解除にする操作手段とを備える錠装置において、前記解錠阻止手段は、前記解錠阻止機能を屋内から解除するための第1解除力が最初に加えられる初動部材から構成され、前記初動部材は、前記第1解除力と前記操作手段が前記解錠阻止機能を解除するために前記初動部材に直接加える第2解除力とに応動して、前記摘みによる解錠を阻止する係合位置および前記摘みによる解錠を許容する非係合位置を占めるように前記基体に係合可能である単一の部材であり、前記摘みは、前記基体に回動中心線を中心に回動可能に支持され、前記操作手段は、前記回動中心線を中心に回動可能に前記基体に支持される回動部材および前記回動中心線に平行に移動可能に前記摘みに支持される並進部材のみから構成されるか、または前記回動中心線を中心に前記基体に対して回動する回動部材のみから構成されるものである。
これによれば、操作手段は回動中心線に対する径方向に運動しない回動部材および並進部材のみから構成されるか、または回動部材のみから構成されるので、操作手段が操作されるとき、操作手段が径方向へ運動しない。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項記載の錠装置において、揺動中心線を中心に摘みに揺動可能に支持される前記初動部材は、前記基体の固定側係合部に係合可能な可動側係合部を有し、前記揺動中心線から前記可動側係合部までの第1距離は、前記揺動中心線から前記第2解除力の作用点までの第2距離よりも大きいものである。
これによれば、第1距離が第2距離に比べて大きいことから、初動部材においては、第2解除力が作用する部分での変位量に比べて係合部での変位量が大きくなるので、操作手段の移動量を小さくしながら、初動部材を確実に係合位置および非係合位置まで移動させることができる。
請求項8記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の錠装置において、前記摘みは前記基体に回動中心線を中心に回動可能に支持され、前記初動部材は、前記摘みの本体の外側を覆って配置されて前記第1解除力である押圧力により前記非係合位置に移動するものである。
これによれば、摘みの本体を覆って配置される初動部材に押圧力を加えつつ摘みを摘んで、摘みを解錠方向に回動させることが容易になる。
請求項9記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の錠装置において、前記摘みは扁平な本体を有し、前記作動部材および前記伝達部材は、扁平方向での前記本体の厚みの範囲内にほぼ収まるように配置されるものである。
これによれば、操作手段が摘みの厚みの範囲内にほぼ収まるので、扁平方向で操作手段が小型化される。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、解錠阻止手段の解錠阻止機能を解除するための構造の部品点数が削減されるので、錠装置の構造が簡素化されて、錠装置の組立性が向上し、さらに小型・軽量化される。さらに、操作手段の部品点数の削減が可能になるので、操作手段の構造の簡素化が可能になって、錠装置の組立て性の向上、小型・軽量化が可能になり、さらに解錠阻止機能の解除の操作性が向上する。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、解錠阻止機能が解除されている状態での屋外からの施解錠による摘みの移動応答性が向上するので、解錠阻止手段を備える錠装置の施解錠の操作性が向上する。
請求項3記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、解錠阻止機能が解除されている状態での屋外からの施解錠による摘みの移動応答性が一層向上するので、解錠阻止手段を備える錠装置の施解錠の操作性が一層向上する。
請求項4記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、カム機構により、操作手段の構造が簡素化されて、小型化に寄与し、しかも作動部材および伝達部材が径方向に運動しないので、操作手段、ひいては錠装置が径方向で小型化される。
請求項5記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、複数の初動部材を移動させるための操作手段の部品点数が削減されるので、複数の初動部材を備える錠装置の操作手段の構造が簡素化されて、錠装置の組立て性が向上し、小型・軽量化される。
請求項6記載の発明によれば、操作手段が径方向に運動しないので、操作手段、ひいては錠装置が径方向で小型化される。
請求項7記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、操作手段の移動量を小さくしながら、初動部材を確実に係合位置および非係合位置まで移動させることができるので、初動部材による解錠阻止機能およびその機能の解除の確実性が確保されたうえで、操作手段、ひいては錠装置が小型化される。
請求項8記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、解錠阻止機能の解除に続く摘みの操作による錠装置の解錠の操作が容易になる。
請求項9記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、扁平方向で操作手段が小型化されるので、操作手段を備える錠装置が小型化される。
以下、本発明の実施形態を図1〜図8を参照して説明する。
図1,図4を参照すると、本発明が適用された錠装置1は、建物において、施錠対象としての扉2に装備される。錠装置1は、本締り錠および空錠を備える錠本体としての箱錠3と、屋外から本締り錠を施解錠する屋外側の錠操作部としてのシリンダ錠4と、屋内から本締り錠を施解錠する屋内側の錠操作部としてのサムターン5と、空錠のラッチボルト9を操作するレバーハンドル10などの開閉用把持部材とを備える。
扉2の内部に収納される箱錠3は、扉2に固定されて本締り錠および空錠を収納する錠ケース6を備える。本締り錠は、デッドボルト7と、デッドボルト7を駆動する駆動機構を構成する駆動体である駆動ハブ8とを備える。駆動ハブ8は、シリンダ錠4およびサムターン5の施錠操作および解錠操作に応動して回動し、デッドボルト7を施錠位置および解錠位置に移動させる。
なお、明細書または特許請求の範囲において、屋内および屋外は、それぞれ、施錠対象が設けられる建物などの構造物により形成される内側空間、および該内側空間の外部である外側空間を意味し、径方向は、特に断らない限り、摘み30の回動中心線L1を中心とする径方向を意味し、また、複数の部材が一体に運動するとは、部材同士の嵌合等による相互の連結のために不可避な僅かな隙間に起因する相対運動を無視したときに、複数の部材が同じ運動をすることを意味する。
図2〜図6を参照すると、サムターン5は、固定手段としての1対の取付ネジB1により扉2に固定される基体20と、回動中心線L1を中心に回動できるように移動可能に基体20に支持されて錠装置1の施解錠のために屋内から操作される摘み30と、後述する解錠阻止手段としての1対のボタン41,51と、シリンダ錠4による屋外からの解錠操作により両ボタン41,51の解錠阻止機能を解除する操作手段60とを備える。
基体20は、本体21と、該本体21に一体に固定される付属部材であるカバー22とから構成され、サムターン5を扉2に固定するための取付部23と、摘み30を回動可能に支持する支持部24とを有する。
支持部24と共に本体21に一体成形される取付部23は、基体20とは別個の部材から構成される補助取付部を介して扉2に固定される。取付ネジB1が挿入される挿入孔23aが設けられた取付部23は、正面視でほぼ長円形状を呈する台座状部材である基体20において、支持部24に対して径方向での一方側のみに偏倚して位置する。
前記補助取付部は、錠ケース6に結合される取付部材16と、取付部材16と取付部23との間に配置される1対のスペーサ17とから構成される。取付部材16は、外周にネジ部が形成されて、錠ケース6にねじ込まれる円柱状のネジ部品である。そして、取付部材16のねじ込み量を調整することで、回動中心線方向での錠ケース6と取付部23と間の間隔が調整可能である。また、各スペーサ17は、回動中心線方向での錠ケース6と取付部23との間の間隔が調整可能となるように、取付部材16のネジ孔16aにねじ込まれるネジ部品であり、ネジ孔16aに錠ケース6側でねじ込まれる止めネジ18により、その緩みが防止される。このため、サムターン5を扉2から外すために取付ネジB1が取り外されたときに、スペーサ17が緩んで錠ケース6内に落下することが防止される。そして、スペーサ17にねじ込まれる取付ネジB1により、基体20が、スペーサ17および取付部材16を介して錠ケース6、ひいては扉2に一体に固定され、しかも前記補助取付部により、戸厚が異なる種々の扉2に対して同一仕様のサムターン5が使用可能になる。
摘み30の被支持部32が収容される収容室25が設けられる支持部24は、本体21における回動中心線方向での一方の方向(以下、「第1方向」という。)側の面から第1方向に突出する円環状の突出部から構成されて摘み30の回動を規制する凹部27a,27b,28a,28bが形成される規制部26を有する。収容室25は、本体21に設けられる円孔からなる貫通孔から構成され、本体21における回動中心線方向での他方の方向(以下、「第2方向」という。)側で固定手段としてのネジB2(図4参照)で本体21に結合されるカバー22により覆われる。収容室25および規制部26は、回動中心線L1を中心軸線として有する。
規制部26の内周面には、各ボタン41,51が係合可能な固定側係合部としての複数、この実施形態では4つの凹部27a,27b,28a,28bが、周方向に等間隔に形成される。回動中心線L1を挟んで径方向で互いに対向する位置にある2対の凹部27a,27b,28a,28bのうち、一方の1対の凹部27a,27bは、摘み30が施錠位置にあるときに各ボタン41,51の凸部45,55が係合する施錠時用の係合部を構成し、他方の1対の凹部28a,28bは、摘み30が解錠位置にあるときに凸部45,55が係合する解錠時用の係合部を構成する。
摘み30は、基体20に対して第1方向に突出して配置されると共に長円形の横断面形状を有する扁平な柱状の部材である本体31と、本体31の端部に結合されて本体31に一体化される被支持部32とを有する。本体31と被支持部32とは、本体31が第2方向に向けて規制部26内および収容室25に挿入され、被支持部32が第1方向に向けて収容室25に挿入されて、被支持部32の嵌合溝32a(図6(A)参照)に本体31の突出部31a(図6(A)参照)が嵌合した状態で、1対のネジB3により本体31と被支持部32とが一体に結合される。そして、図4,図5に示されるように、摘み30は、本体31が規制部26の先端26aに当接し、被支持部32の段部32bが収容室25の室壁の段部25bに当接することにより、回動中心線方向での移動が規制された状態で支持部24に回動可能に支持される。
サムターン5が操作される際に操作者が摘む部分である本体31には、回動中心線L1を挟んで径方向で互いに対向して、より具体的には扁平方向で対向して配置される1対のボタン41,51が、揺動できるように移動可能に支持される。L字状に屈曲した平板から構成される各ボタン41,51は、摘み30において本体31の1対の凹部33,34にそれぞれ嵌められて支持される1対の被支持部としての軸部42,52と、両ボタン41,51の後述する解錠阻止機能(以下、「解錠阻止機能」という。)を解除にするための屋内からの解除力(以下、第1解除力という。)である押圧力が、前記操作者により直接加えられる第1操作部43,53と、解錠阻止機能を解除にするための屋外からの解除力(以下、第2解除力という。)が、操作手段60により直接加えられる第2操作部44,54と、規制部26の凹部27a,27b,28a,28bに係合する可動側係合部としての1つの凸部45,55とを有する単一の部材である。
摘み30において、第2方向での端部である基端部を構成する被支持部32に対して、第1方向での端部である先端部30aに設けられる凹部33,34は、軸部42,52が凹部33,34内に配置された状態で、本体31の1対の挿入孔31cにそれぞれ挿入される軸部35aがネジB4により支持部24に固定される1対の押さえ部材であるカバー35により覆われ、該カバー35により、軸部42,52が凹部33,34から外れることが阻止される。そして、各ボタン41,51は、施解錠のために摘み30が回動するときに摘み30と一体に回動する一方、軸部42,52を揺動軸とする揺動中心線L2,L3を中心に摘み30に対して揺動可能である。ここで、偏平方向を回動中心線L1に直交する第1直交方向としたとき、揺動中心線L2,L3は、回動中心線L1に直交する平面上で第1直交方向に直交する第2直交方向に平行である。
第1操作部43,53は、本体31に対して径方向外方に配置されて、先端部30aから被支持部32の近傍まで延びており、扁平方向で、本体31を外側から覆う。また、各第2操作部44,54は、本体31に対して回動中心線方向に配置されて、先端部30aを回動中心線方向で外側から覆う。そして、第1操作部43,53は、本体31に回動中心線L1に平行に延びて形成された収容溝31d,31eに収容され、第2操作部44,54は、偏平方向で収容溝31d,31eに連なる収容溝31fに収容される。このように、第1,第2操作部43,53,44,54が、それぞれ収容溝31d,31e,31fに収容されるので、ボタン41,51が設けられた摘み30の外観性が向上し、さらにサムターン5が小型化される。
各ボタン41,51の凸部45,55は、第1操作部43,53の端部に一体に設けられ、ボタン41,51においてその揺動中心線L2,L3から最も離れた部分である。そして、揺動中心線L2,L3から凸部45,55までの第1距離d1は、揺動中心線L2,L3から第2操作部44,54における第2解除力の作用点までの第2距離d2よりも大きい。
さらに、各ボタン41,51は、扁平方向に平行に本体31を貫通する挿入孔31hに挿入されて本体31に保持される1対の弾発手段としての戻しバネ36により径方向外方に押し広げられるように付勢される。このため、各ボタン41,51が係合位置を占めて各凸部45,55が凹部27a,27bまたは凹部28a,28bに係合している状態で、戻しバネ36の弾発力に抗して凸部45,55が回動中心線L1に向かって移動するように各ボタン41,51を揺動させる第1解除力または第2解除力を加えることにより、凸部45,55と凹部27a,27b,28a,28bとの係合が解除される状態にすることができ、また、各ボタン41,51が非係合位置を占めて各凸部45,55が凹部27a,27bまたは凹部28a,28bに係合していない状態で、凸部45,55が凹部27a,27bまたは凹部28a,28bと径方向で対向する位置まで摘み30が回動されると、戻しバネ36の弾発力により、各ボタン41,51が回動中心線L1から離れる方向に拡開して、凸部45,55が凹部27a,27bまたは凹部28a,28bに嵌る係合状態になる。
また、凸部45,55は、回動中心線方向で規制部26よりも先端部30a寄りに位置するため、凸部45,55と凹部27a,27b,28a,28bとの係合状態は目視可能であるので、各ボタン41,51の解錠阻止機能が有効になっていることの確認が容易になる。
操作手段60は、錠装置1の駆動ハブ8(図1参照)を駆動して回動させるべく駆動ハブ8に係合する作動部材としての軸状部材から構成される1つのサムターン軸61と、サムターン軸61により直接駆動される伝達部材としてのT字状部材から構成される1つの伝達軸62と、貫通孔30cに配置されて本体31に保持されると共に伝達軸62を回動中心線方向でサムターン軸61に押し付ける弾発手段としてのバネ63とから構成される。
サムターン軸61は、その端部に一体成形されて設けられると共に収容室25に収容されるカム部61aと、カバー22を貫通して延びて駆動ハブ8に係合する軸部61bとを有する。円柱状のカム部61aには、端面に直径方向に直線状に延びると共にV字状の断面形状を有するカム溝61a1が設けられ、該カム溝61a1の壁面によりカム面61a2が構成される。サムターン軸61は、駆動ハブ8と常時同じ運動である回動をすることにより、駆動ハブ8と常時一体に回動する。
伝達軸62は、第2方向での端部に一体成形されて設けられると共に収容室25に収容されてカム面61a2に接触すると共にカム溝61a1に整合するV字状の断面形状を有する従動部62aと、第1方向での端部に形成されて第2操作部44,54に当接して第2解除力を作用させる作用部62b1を有する軸部62bとを有する。円柱状の軸部62bは、摘み30に回動中心線L1と同軸に設けられた貫通孔30cに挿入され、バネ63は、貫通孔30c内で軸部62bの周囲に配置される。
径方向に延びる棒状の従動部62aは、被支持部32の嵌合溝32c(図6(B)も参照)に嵌合した状態で、摘み30および基体20に対して回動中心軸方向に平行かつ同軸に移動可能であると共に、被支持部32、すなわち摘み30と一体に回動可能である。そして、各ボタン41,51が前記非係合位置にあるときに、従動部62aにおいて摘み30に係合可能な伝達軸62は、シリンダ錠4(図1参照)によりサムターン軸61が回動させられると、サムターン軸61の回動を摘み30に直接伝達して、サムターン軸61と一体に回動し、摘み30が回動させられると、摘み30の回動をサムターン軸61に直接伝達して、サムターン軸61と一体に回動する。
一方、軸部62bは、各ボタン41,51が係合位置を占めるとき、サムターン軸61に対して回動可能および回動中心線方向に平行に移動可能である。また、軸部62bは、摘み30および基体20に対して回動中心線方向に平行かつ同軸に移動可能であり、摘み30に対して回動不能である。
サムターン軸61が基体20に支持され、伝達軸62が摘み30に支持された状態で、サムターン軸61の回動中心線および伝達軸62の中心軸線は、回動中心線L1に一致する。また、サムターン軸61は、カバー22により第1方向への移動が規制され、第2方向への移動が伝達軸62を介して被支持部32に規制された状態で、支持部24に回動可能に支持される。
それゆえ、サムターン軸61は、回動中心線L1を中心に回動可能に基体20に支持される回動部材であり、伝達軸62は、回動中心線L1に平行かつ同軸に移動可能に摘み30に支持される並進部材であると同時に、回動中心線L1を中心に基体20に対して回動する回動部材である。
また、サムターン軸61の全体および伝達軸62の全体、さらにはバネ63を含む操作手段60の全体は、偏平方向での本体31の厚みの範囲W1内にほぼ収まるように、または扁平方向での1対のボタン41,51の配置の範囲W2内に収まるように、回動中心線L1上に同軸に配置される。
次に、図3,図4,図7,図8を参照して、錠装置1の動作をサムターン5を中心に説明する。
錠装置1(図1参照)が施錠状態にあり、図3に実線で示されるように、偏平方向が上下方向に一致してサムターン5の摘み30が水平状態にある施錠位置にあるとき、凸部45,55と凹部27a,27bとが係合して、両ボタン41,51が第1係合位置を占める。この第1係合位置では、摘み30の回動が規制されて、摘み30による錠装置1の解錠が阻止され、両ボタン41,51の解錠阻止機能が有効になる。
このとき、屋内から摘み30を両ボタン41,51を介して摘むべく、各ボタン41,51の第1操作部43,53に第1解除力(押圧力)を直接加えることにより、各ボタン41,51が揺動中心線L2,L3を中心に揺動し、第1操作部43,53が戻しバネ36の弾発力に抗して収容溝31d,31e内で径方向内方に向かって移動し、図7に示されるように、凸部45,55が凹部27a,27bから外れて両ボタン41,51が非係合位置を占めると、摘み30が回動できるようになる。そして、摘み30を反時計方向に回動させることで、サムターン5による錠装置1の解錠が許容されて、摘み30が図3に二点鎖線で示されるように、偏平方向が左右方向に一致してサムターン5の摘み30が垂直状態にある解錠位置を占める。この解錠位置で、第1解除力を解放すると、戻しバネ36の弾発力により凸部45,55が凹部28a,28bに係合して、各ボタン41,51が第2係合位置を占める。
それゆえ、両ボタン41,51は、摘み30の操作による錠装置1の解錠を阻止する解錠阻止手段を構成する。そして、各ボタン41,51は、屋内から錠装置1の解錠の際に、各ボタン41,51の解錠阻止機能を解除にするための第1解除力が、サムターン5、ひいては錠装置1において最初に加えられて移動する初動部材である。
また、錠装置1が解錠状態にあり、図3に二点鎖線で示されるように摘み30が解錠位置にあって、両ボタン41,51が第2係合位置を占めるとき、摘み30の回動が規制されて、摘み30による錠装置1の施錠が阻止される。このため、解錠時と同様に、各ボタン41,51の第1操作部43,53に第1解除力(押圧力)を加えることにより、凸部45,55が凹部28a,28bから外れて両ボタン41,51が非係合位置を占めて、摘み30が回動できるようになる。そして、摘み30が時計方向に回動させられることにより、サムターン5による錠装置1の施錠が許容されて、摘み30が図3に実線で示される施錠位置を占める。この施錠位置で、第1解除力を解放すると、戻しバネ36の弾発力により凸部45,55が凹部27a,27bに係合して、各ボタン41,51が第1係合位置を占め、凸部45,55と凹部27a,27bとの係合が解除されない限り、解錠が阻止される。
それゆえ、この実施形態では、1対のボタン41,51は、摘み30による施錠を阻止する施錠阻止手段でもある。
なお、屋内からの摘み30による施解錠の際、各ボタンの解錠阻止機能および施錠阻止機能の解除のために、凸部45,55が凹部27a,27bおよび凹部28a,28bとの係合状態から非係合状態に移行する間、操作手段60が移動することはない。
一方、図3に示されるように、摘み30が施錠位置にあって、両ボタン41,51が第1係合位置を占めるとき、屋外から鍵でのシリンダ錠4による解錠操作が行われると、シリンダ錠4により駆動されて回動する駆動ハブ8(図1参照)が、駆動ハブ8と一体にサムターン軸61を回動させる。このとき、カム部61aと従動部62aとで構成されるカム機構において、カム面61a2に接触する従動部62aは、回動することなく、バネ63の弾発力に抗してカム面61a2上を第1方向に回動中心線L1に平行に移動し、同時に軸部62bも、回動することなく、バネ63の弾発力に抗して第1方向に回動中心線L1に同軸の状態で、回動中心線L1に平行に移動する。
そして、作用部62b1が両ボタン41,51の第2操作部44,54に当接して第2解除力を直接加えることにより、各ボタン41,51が揺動中心線L2,L3を中心に揺動する。それゆえ、伝達軸62は、サムターン軸61により直接駆動されて生じる単一の運動である回動中心線に平行な移動をして第2解除力を各ボタン41,51に直接加える。
この第2解除力により、第1操作部43,53および凸部45,55が戻しバネ36の弾発力に抗して径方向内方に向かって移動し、ついには図8に示されるように、凸部45,55と凹部27a,27bとが非係合状態になって、両ボタン41,51が非係合位置を占める。この瞬間、被支持部32に係合する従動部62aを介してシリンダ錠4による駆動ハブ8およびサムターン軸61の回動に応動して摘み30がサムターン軸61と一体に反時計方向に回動して、錠装置1の解錠が許容される。摘み30の回動と同時に、戻しバネ36の弾発力により、伝達軸62が第2方向に平行に移動して、作用部62b1が両第2操作部44,54から離れて、カム部61aと従動部62aとの当接状態が、カム面61a2に従動部62aが面接触して両者が整合する位置となる元の状態に復帰する。このため、摘み30が図3に二点鎖線で示される解錠位置に達すると、戻しバネ36の弾発力により凸部45,55が凹部28a,28bに係合して、各ボタン41,51が第2係合位置を占める。
また、図3に示されるように、摘み30が解錠位置にあって、両ボタン41,51が第2係合位置を占めるとき、屋外から鍵でのシリンダ錠4による施錠操作が行われると、駆動ハブ8が、駆動ハブ8と一体にサムターン軸61を回動させる。このとき、解錠時と同様に、カム面61a2に接触する従動部62a、そして軸部62bは、回動することなく、バネ63の弾発力に抗して第1方向に回動中心線L1に同軸の状態で、回動中心線L1に平行に移動する。
そして、作用部62b1が両ボタン41,51の第2操作部44,54に当接して第2解除力を直接加えることにより、第1操作部43,53および凸部45,55が戻しバネ36の弾発力に抗して径方向内方に向かって移動し、両ボタン41,51が非係合位置を占める。この瞬間、従動部62aを介して、駆動ハブ8およびサムターン軸61の回動に応動して摘み30がサムターン軸61と一体に回動し、同時に、バネ63の弾発力により、作用部62b1が両第2操作部44,54から離れて、カム部61aと従動部62aとの当接状態が前記元の状態に復帰する。このため、摘み30が図3に示される施錠位置に達すると、戻しバネ36の弾発力により凸部45,55が凹部27a,27bに係合して、各ボタン41,51が第1係合位置を占める。それゆえ、操作手段60は、屋外からの施錠操作により前記施錠阻止手段の施錠阻止機能を解除する手段でもある。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
錠装置1の解錠阻止手段は、解錠阻止機能を屋内から解除するための第1解除力が最初に加えられる1対のボタン41,51から構成され、各ボタン41,51は、第1解除力と操作手段60が解錠阻止機能を解除するためにボタン41,51に直接加える第2解除力とに応動して、摘み30による解錠を阻止する係合位置および摘み30による解錠を許容する非係合位置を占めるように基体20に係合可能である単一の部材であることにより、1対のボタン41,51の解錠阻止機能により高い防犯性が確保された錠装置1において、摘み30による錠装置1の解錠を阻止する解錠阻止機能の有効化および摘み30による錠装置1の解錠を許容する解錠阻止機能の解除は、単一の部材である各ボタン41,51自体の、基体20の規制部26との係合および非係合によりそれぞれ行われることから、解錠阻止機能を解除するための構造の部品点数が削減されるので、サムターン5、ひいては錠装置1の構造が簡素化されて、サムターン5および錠装置1の組立性が向上し、さらに小型・軽量化される。
操作手段60は、屋外からの施解錠操作によりデッドボルト7を施錠位置および解錠位置に移動させる駆動ハブ8と常時一体に運動するサムターン軸61と、サムターン軸61により直接駆動されて生じる単一の運動をして第2解除力を各ボタン41,51に直接加える伝達軸62とから構成されることにより、操作手段60を構成するサムターン軸61および伝達軸62は、それぞれ1つの運動をするだけであるので、屋外から解錠阻止機能を解除する手段が多数の異なる運動をする部材から構成される場合に比べて、操作手段60の部品点数の削減が可能になり、さらには解錠阻止機能を解除するための解除力に対する応答性が向上する。この結果、操作手段60の部品点数の削減が可能になるので、操作手段60の構造の簡素化が可能になって、サムターン5および錠装置1の組立て性の向上、小型・軽量化が可能になり、さらに解錠阻止機能の解除の操作性が向上する。
伝達軸62は、摘み30に係合可能であり、各ボタン41,51が非係合位置にあるとき、サムターン軸61の運動を摘み30に直接伝達することにより、解錠阻止機能が解除されている状態で、屋外から錠装置1を施解錠する際に、駆動体と一体に運動するサムターン軸61の運動が伝達軸62を介して直接摘み30に伝達されることから、摘み30の移動応答性が向上するので、解錠阻止手段を備える錠装置1の施解錠の操作性が向上する。
伝達軸62は、基体20に対して回動可能に支持される摘み30に常時一体回動可能に係合し、各ボタン41,51が非係合位置にあるとき、回動するサムターン軸61と摘み30との間に相対回動を生じさせないことにより、解錠阻止機能が解除されている状態で、屋外からシリンダ錠4により錠装置1を施解錠する際に、駆動ハブ8と一体に運動するサムターン軸61の運動が伝達軸62を介して直ちに摘み30に伝達されることから、伝達軸62と摘み30との間に相対移動が生じる場合に比べて、摘み30の移動応答性が一層向上するので、解錠阻止手段を備える錠装置1の施解錠の操作性が一層向上する。
摘み30は、基体20に回動中心線L1を中心に回動可能に支持され、伝達軸62は、サムターン軸61に設けられたカム部61aのカム面61a2に接触する従動部62aを有し、回動するサムターン軸61が、カム面61a2と従動部62aとの接触を通じて伝達軸62を回動中心線L1に平行かつ同軸に移動させるので、伝達軸62は、カム部61aと従動部62aとから構成されるカム機構によりサムターン軸61により直接駆動される。そして、サムターン軸61および伝達軸62は、回動中心線L1に対する径方向に運動しないので、操作手段60が径方向で小型化される。この結果、前記カム機構により、操作手段60の構造が簡素化されて、小型化に寄与し、しかもサムターン軸61および伝達軸62が径方向に運動しないので、操作手段60、ひいてはサムターン5および錠装置1が径方向で小型化される。
1対のボタン41,51が回動中心線L1の周囲に配置され、伝達軸62は各ボタン41,51に第2解除力を加える共通の1つの部材であることにより、1対のボタン41,51に第2解錠力を加える伝達軸62は1つであるので、1対のボタン41,51を揺動させるための操作手段60の部品点数が削減されるので、1対のボタン41,51を備える錠装置1の操作手段60の構造が簡素化されて、サムターン5および錠装置1の組立て性が向上し、小型・軽量化される。
摘み30は、基体20に回動中心線L1を中心に回動可能に支持され、操作手段60は、回動中心線L1を中心に回動可能に基体20に支持される回動部材であるサムターン軸61および回動中心線L1に平行に移動可能に摘み30に支持される並進部材である伝達軸62のみから構成されるか、または回動中心線L1を中心に基体20に対して回動する回動部材であるサムターン軸61および伝達軸62のみから構成されることにより、操作手段60は、回動中心線L1に対する径方向に移動しないサムターン軸61および伝達軸62のみから構成されるので、操作手段60が操作されるとき、操作手段60が径方向へ運動しないので、操作手段60、ひいてはサムターン5および錠装置1が径方向で小型化される。
揺動中心線L2,L3を中心に摘み30に揺動可能に支持される各ボタン41,51は、凹部27a,27b,28a,28bに係合可能な凸部45,55を有し、揺動中心線L2,L3から凸部45,55までの第1距離d1は、揺動中心線L2,L3から第2解除力の作用点までの第2距離d2よりも大きいことにより、各ボタン41,51においては、第2解除力が作用する第2操作部44,54での変位量に比べて凸部45,55での変位量が大きくなるので、回動中心線L1方向での操作手段60の移動量を小さくしながら、各ボタン41,51を確実に係合位置および非係合位置まで移動させることができ、各ボタン41,51による解錠阻止機能およびその機能の解除の確実性が確保されたうえで、操作手段60、ひいてはサムターン5および錠装置1が小型化される。
各ボタン41,51は、摘み30の本体31の外側を覆って配置されて第1解除力である押圧力により非係合位置に移動することにより、本体31を外側から覆って配置される各ボタン41,51に押圧力を加えつつ摘み30を摘んで、摘み30を解錠方向に回動させることが容易になるので、解錠阻止機能および施錠阻止機能の解除に続く摘み30の操作による錠装置1の解錠および施錠の操作が容易になる。
摘み30は扁平な本体31を有し、サムターン軸61および伝達軸62は、扁平方向での本体31の厚みの範囲内にほぼ収まるか、または偏平方向での1対のボタン41,51の配置の範囲内に収まるように配置されることにより、操作手段60が、本体31の厚みの範囲W1内にほぼ収まるか、または1対のボタン41,51の配置の範囲W2内に収まるので、扁平方向で操作手段60が小型化され、操作手段60を備えるサムターン5および錠装置1が小型化される。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
固定側係合部のうち、解錠時用の凹部28a,28bは設けられなくてもよく、その場合には、シリンダ錠4での施錠操作により、サムターン軸61の回動が、伝達軸62を介して、伝達軸62がサムターン軸61に対して相対回動することなく、摘み30に伝達されるので、良好な施錠操作性が得られる。
可動側係合部が凹部であり、固定側係合部が凸部であってもよい。
錠本体は、本締り錠を備える箱錠以外の錠であってもよい。施錠対象は、扉以外の戸などであってもよい。
解錠阻止手段は1つのボタンから構成されてもよい。ボタンは、摘みに対して揺動可能に支持されることなく、回動中心線方向に平行に移動可能であってもよい。
初動部材は、ボタン以外の部材、例えばレバーであってもよく、第1解除力は、引く力であってもよい。
操作手段は、サムターン軸および該サムターン軸と一体に回動する部材のみ、またはサムターン軸のみから構成され、操作手段が初動部材の第2操作部にカム機構により第2解除力を直接加えてもよい。その場合、摘みと操作手段とは、初動部材が係合位置を占めるときに互いの相対回動を許容する係合構造で連結される。
作動部材または伝達部材は、全体として1つの運動をするように、一体に運動する複数の部材から構成されてもよい。
前記補助取付部は、扉2に固定される部材である錠ケース6に結合されたが、扉2自体に結合されてもよい。また、取付部23が前記補助取付部を介することなく、基体が取付部のみで扉に固定されてもよい。さらに、基体は正面視で円形を呈するものであってもよく、その場合に、取付部は支持部の規制部を挟んで両側に位置し、支持部を挟んで配置される取付ネジにより扉などに固定される。
本発明が適用された錠装置が扉に装備された概略の状態を示す斜視図である。 図1の錠装置のサムターンの分解斜視図である。 図1の錠装置が施錠状態にあるときのサムターンの正面図であり、図1のIII矢視図に相当する。 図3のIV−IV線断面図である。 図3のV−V線断面図である。 (A)は、サムターンの摘みの分解斜視図であり、(B)は、(A)のB矢視図である。 屋内からの錠装置の解錠の際に、ボタンに第1解除力が作用して解錠防止機能が解除された状態を示す図4の要部に相当する断面図である。 屋外からの錠装置の解錠の際に、ボタンに第2解除力が作用して解錠防止機能が解除された状態を示す図4の要部に相当する断面図である。
符号の説明
1…錠装置、2…扉、3…箱錠、4…シリンダ錠、5…サムターン、6…錠ケース、7…デッドボルト、8…駆動ハブ、9…ラッチボルト、10…レバーハンドル、16…取付部材、17…スペーサ、18…止めネジ、20…基体、21…本体、22…カバー、23…取付部、24…支持部、25…収容室、26…規制部、27a,27b,28a,28b…凹部、30…摘み、31…本体、32…被支持部、33,34…凹部、35…カバー、36…戻しバネ、41,51…ボタン、42,52…軸部、43,53…第1操作部、44,54…第2操作部、45,55…凸部、60…操作手段、61…サムターン軸、62…伝達軸、63…バネ、
B1〜B4…ネジ、L1…回動中心線、L2,L3…揺動中心線、d1,d2…距離、W1,W2…範囲。

Claims (9)

  1. 施錠対象に固定される基体と、前記基体に移動可能に支持されて施解錠のために屋内から操作される摘みと、前記摘みによる解錠を阻止する解錠阻止手段と、屋外からの解錠操作により前記解錠阻止手段の解錠阻止機能を解除にする操作手段とを備える錠装置において、
    前記解錠阻止手段は、前記解錠阻止機能を屋内から解除するための第1解除力が最初に加えられる初動部材から構成され、前記初動部材は、前記第1解除力と前記操作手段が前記解錠阻止機能を解除するために前記初動部材に直接加える第2解除力とに応動して、前記摘みによる解錠を阻止する係合位置および前記摘みによる解錠を許容する非係合位置を占めるように前記基体に係合可能である単一の部材であり、
    前記操作手段は、屋外からの施解錠操作によりデッドボルトを施錠位置および解錠位置に移動させる駆動体と常時一体に運動する作動部材と、前記作動部材により直接駆動されて生じる単一の運動をして前記第2解除力を前記初動部材に直接加える伝達部材とから構成されることを特徴とする錠装置。
  2. 前記伝達部材は、前記摘みに係合可能であり、前記初動部材が前記非係合位置にあるとき、前記作動部材の運動を前記摘みに直接伝達することを特徴とする請求項1記載の錠装置。
  3. 前記伝達部材は、前記基体に対して回動可能に支持される前記摘みに常時一体回動可能に係合し、前記初動部材が前記非係合位置にあるとき、回動する前記作動部材と前記摘みとの間に相対回動を生じさせないことを特徴とする請求項1記載の錠装置。
  4. 前記摘みは、前記基体に回動中心線を中心に回動可能に支持され、前記伝達部材は、前記作動部材に設けられたカム部のカム面に接触する従動部を有し、回動する前記作動部材が、前記カム面と前記従動部との接触を通じて前記伝達部材を前記回動中心線に平行に移動させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の錠装置。
  5. 前記摘みは前記基体に回動中心線を中心に回動可能に支持され、前記初動部材は前記回動中心線の周囲に複数配置され、前記伝達部材は前記各初動部材に前記第2解除力を加える共通の1つの部材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の錠装置。
  6. 施錠対象に固定される基体と、前記基体に移動可能に支持されて施解錠のために屋内から操作される摘みと、前記摘みによる解錠を阻止する解錠阻止手段と、屋外からの解錠操作により前記解錠阻止手段の解錠阻止機能を解除にする操作手段とを備える錠装置において、
    前記解錠阻止手段は、前記解錠阻止機能を屋内から解除するための第1解除力が最初に加えられる初動部材から構成され、前記初動部材は、前記第1解除力と前記操作手段が前記解錠阻止機能を解除するために前記初動部材に直接加える第2解除力とに応動して、前記摘みによる解錠を阻止する係合位置および前記摘みによる解錠を許容する非係合位置を占めるように前記基体に係合可能である単一の部材であり、
    前記摘みは、前記基体に回動中心線を中心に回動可能に支持され、前記操作手段は、前記回動中心線を中心に回動可能に前記基体に支持される回動部材および前記回動中心線に平行に移動可能に前記摘みに支持される並進部材のみから構成されるか、または前記回動中心線を中心に前記基体に対して回動する回動部材のみから構成されることを特徴とする錠装置。
  7. 揺動中心線を中心に摘みに揺動可能に支持される前記初動部材は、前記基体の固定側係合部に係合可能な可動側係合部を有し、前記揺動中心線から前記可動側係合部までの第1距離は、前記揺動中心線から前記第2解除力の作用点までの第2距離よりも大きいことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の錠装置。
  8. 前記摘みは前記基体に回動中心線を中心に回動可能に支持され、前記初動部材は、前記摘みの本体の外側を覆って配置されて前記第1解除力である押圧力により前記非係合位置に移動することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の錠装置。
  9. 前記摘みは扁平な本体を有し、前記作動部材および前記伝達部材は、扁平方向での前記本体の厚みの範囲内にほぼ収まるように配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の錠装置。
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