JP4636405B2 - 貯槽の泡消火装置 - Google Patents
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Description
この発明の「貯槽における泡消火措置」は、管状の泡放出口17に、消火泡の放出時にのみ貯槽の側壁より内方に突出せしめられて消火泡の放出向きを変える管状部材19が擦動自在に嵌挿されて成るものである。
上記特許文献1の「貯槽における泡消火措置」は、消火泡の放出時にのみ貯槽の側壁より内方に突出せしめられて消火泡の放出向きを変える管状部材19が擦動自在に嵌挿されたデフレクターの構造であり、特許文献2の「貯槽における泡消火措置」は、消火泡の放出時にのみ貯槽の側壁より内方に消火泡の放出向きを変える回動部材20等が配設されたデフレクターの構造であって、いずれのデフレクターも泡放出の効率化と機能性を向上させたものであるが、配管内のゴミや錆などの異物がタンク内に送入されないように配慮した構造ではない。
また、上記特許文献3の「液体可燃物の貯蔵タンクの泡消火装置」は、フォームメーカー3の下流側に湾曲した円筒管4を連設し、この円筒管4内に金網などの泡接触材5を保持するデフレクター19を形成したものであり、取付位置と泡放出性能及びメンテナンス機能などを向上させた構造であるが、配管内のゴミや錆などの異物が流動によってタンク内へ送り込まれないように配慮した構造ではない。
そして、消火配管内の異物の流動による静電気によって、万一火災が発生した場合には、火災が拡大して大災害へ発展する恐れが生じた。
この発明の目的は、上述の従来技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、泡消火装置の始動時に配管内のゴミや錆などの異物が流動して貯槽内に入ることなく、この異物の流動によって静電気を生じる心配もなく、さらに静電気に起因する火災が発生することがないようにしたものであり、通常使用の点検や作動性能の確認、整備や清掃を完全に行い、機能性、かつ簡単で安全性に優れた貯槽の泡消火装置を提供するものである。
さらに、カバー材、内装材などからなる緩衝部材の構成部材として、緩衝性を有する電気伝導性の良い部材を用いることにより、錆などの異物が強く当った場合でも、衝撃により火花が発生することがなく、異物の流動による静電気を発生する心配がない。
よって、消火装置の起動、始動時に錆などの異物が貯槽内に送入されることがなく、また異物の流動による静電気の発生もなく、万一の火災発生原因となる心配もない。
上記泡消火装置は、新設の貯槽、又は既設の貯槽に設け、定期的に作動確認とメンテナンスを行い、通常の点検や始動時に錆などの異物を除去し、貯槽内に錆などの異物が侵入することがなく、静電気によって火災を誘発することもなく、万一の火災発生時に有効に使用することができるため、機能性及び安全性に優れた泡消火装置を備えた貯槽とすることができる。
図1は泡消火装置を設けた貯槽を示す側面説明図、図2は異物捕集機構の実施形態例を示す側面説明図、図3は異物排出機構の実施形態例を示す側面説明図、図4は緩衝部材と静電気排出機構の実施形態例を示す側面説明図である。
図1に示すように、原油その他の揮発性・可燃性液体を貯蔵する大型の貯槽本体1は、円形平板の底板と、円筒体形状の側板2と、この側板2内部の貯蔵液面上に浮べた浮蓋状の浮屋根とから形成されている。
浮屋根は、貯蔵液体の蒸発を抑制し貯蔵液体への雨水や異物の混入を防止するように形成されている。
泡消火装置は、側板2の外周に沿って設けられており、3は消火液供給用の立上り配管、4は消火液を発泡させるエアーフォームチャンバー、5は泡消火剤を放出するデフレクター、6はエアーフォームチャンバーの取付台、7は配管のサポート、8は配管内の異物を捕集するストレーナーである。
9は側板補強用のウインドガーダーであるが、この異物捕集機構10のメンテナンスの際の作業足場に使用することができる。
図3に示すように、泡消火装置は、エアーフォームチャンバー4の配管内の錆などの異物が貯槽内へ送り込まれないように、デフレクター5近傍の配管に、側板内部に至る配管から分岐させ側板外部へ排出する分岐管17を設け、操作部19によって所要時に分岐管17へ切り替える切替弁18からなる異物排出機構20を設ける。
このように、異物排出機構20を設けるので、泡消火装置の始動時、或いは点検時など定期的に操作部19を使用して、上記切替弁18を切り替えて分岐管17から貯槽外部へ錆などの異物を排出することができ、その後に上記切替弁18を切り替えて貯槽内部へ泡消火剤を定常的に流出させることができる。
よって、泡消火装置の始動時に錆などの異物が貯槽内に送入されることなく貯蔵液が汚染されることがない。また、火災発生時の消火の際には泡消火剤を適正に供給することができる。
このように、配管内の異物と泡消火剤を確実に区分けし切替えてそれぞれ排出することができるため、機能性と安全性をより一層向上させた消火装置となる。
このように、操作部19に外部動力操作設備や自立機械式の駆動機構を採用するので、電気やガスによる発火や発熱など火災発生原因となる恐れがなく、作動性良く確実で安全性に優れたものとなる。
これらの緩衝部材24は、例えば銅又はアルミニウムなどの電気伝導性が高くかつ火花を発生しない金網、又は多孔性部材で形成する。
このように、緩衝部材24の構成部材として、緩衝性を有する電気伝導性の良い部材を用いることにより、錆などの異物が強く当った場合でも、衝撃により火花が発生することがなく、異物の流動による静電気を発生する心配がない。
さらに、このカバー材22、内装材23などからなる緩衝部材24から配管を伝わって地面中に至るように、静電気を排出するアース配線25からなる静電気排出機構30を設ける。
このように静電気排出機構30を設けることによって、万一、ノズル21の先端近傍に静電気が発生した場合でも、配管とアース配線25を使って静電気を地中へ排出するため、静電気に起因する火災の発生を防止することができる。
そして、泡消火装置の定期点検、メンテナンス、消火訓練などの際に、清掃や点検整備を、ウインドガーダーや足場などを使って簡単容易に出来、錆などの異物を排除することができる。
よって、消火装置の起動、始動時に錆などの異物が貯槽内に送入されることがなく、また異物の流動による静電気の発生もなく、万一の火災発生原因となる心配もない。
2 側板
3 立上り配管
4 エアーフォームチャンバー
5 デフレクター
6 チャンバー取付台
7 サポート
8 ストレーナー
9 ウインドガーダー
10 異物捕集機構
12 短管
13 貯槽側フランジ
14 消火管側フランジ
15 スクリーン部材
16 ストレーナー
17 分岐管
18 切替弁
19 操作部
20 異物排出機構
21 ノズル
22 カバー材
23 内装材
24 緩衝部材
25 アース配線
30 静電気排出機構
Claims (1)
- 貯槽本体1を形成する側板2の外周に沿って設けた泡消火装置は、側板2の外側に沿って配設した側板2より上方に位置する立ち上り配管3の上部に消火液を発泡させるエアーフォームチャンバー4を設け、
エアーフォームチャンバー4側の配管に消火管側フランジ14を介して接続する短管12の他方に貯槽側フランジ13を介して接続する配管がデフレクター5に向けられ、短管12の途中にスクリーン部材15を内装したストレーナー16構造の異物捕集機構10を設けるとともに、
上記エアーフォームチャンバー4のデフレクター5近傍の配管先端にノズル21を設け、このノズル21の先端近傍にカバー材22、内装材23などからなる緩衝部材24を取付け、さらにこのカバー材22、内装材23などからなる緩衝部材24から配管を伝わって地面中に至るように、静電気を排出するアース配線25からなる静電気排出機構30を設けることを特徴とする貯槽の泡消火装置。
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