以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。したがって、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
請求項1に記載の情報処理システム(例えば、図4のサービス提供システム21)は、サービスの提供を行う情報提供装置(例えば、図4のネットワーク33に接続される通信装置31−1乃至31−3からなるサービス提供装置)と、無線通信により情報提供装置からサービスの提供を受ける携帯端末(例えば、図4の携帯端末32)からなる情報処理システムであって、情報提供装置は、指向性を有し、所定の空間内に、それぞれの通信可能範囲が重なる少なくとも1つの特定領域を形成させて配置される複数の指向性アンテナ(例えば、図4の指向性アンテナ41−1および41−2)と、所定の時間おきに更新され、認証情報の取得にそれぞれ必要な複数の認証用データを、異なる指向性アンテナを用いてそれぞれ送信する認証用データ送信手段(例えば、図4の通信装置31−1および31−2の図5の無線通信部58)と、携帯端末により送信される認証情報を、指向性アンテナを介して受信する認証情報受信手段(例えば、図4の通信装置31−3の図5の無線通信部58)と、受信した認証情報に基づいて、携帯端末を認証する認証手段(例えば、図4の通信装置31−3の図5のCPU51)とを備え、携帯端末は、異なる指向性アンテナを介して送信される複数の認証用データを受信する認証用データ受信手段(例えば、図6の無線通信部108)と、受信した複数の認証用データを用いて、認証情報を取得する認証情報取得手段(例えば、図7の認証処理制御部131)と、取得した認証情報を情報提供装置に送信する認証情報送信手段(例えば、図7の認証データ送信部)とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の情報処理システムは、情報提供装置は、コンテンツを提供するコンテンツ提供手段(例えば、図20のサーバ363)をさらに備え、携帯端末は、コンテンツを受信するコンテンツ受信手段と(例えば、図6の無線通信部108)、受信したコンテンツの処理を行うコンテンツ処理手段(例えば、図16のデータ処理部132)とをさらに備え、コンテンツ提供手段は、携帯端末へのコンテンツの送信中に、認証手段により携帯端末が認証されたとき、携帯端末へのコンテンツの送信を停止し、コンテンツの視聴中の位置に応じた他の装置へのコンテンツの送信を開始することを特徴とする。
請求項6に記載の情報処理方法は、サービスの提供を行う情報提供装置(例えば、図4のネットワーク33に接続される通信装置31−1乃至31−3からなるサービス提供装置)と、無線通信により情報提供装置からサービスの提供を受ける携帯端末(例えば、図4の携帯端末32)からなる情報処理システムの情報処理方法であって、情報提供装置が、所定の時間おきに更新され、認証情報の取得にそれぞれ必要な複数の認証用データを、指向性を有し、所定の空間内に、それぞれの通信可能範囲が重なる少なくとも1つの特定領域を形成させて配置される複数の異なる指向性アンテナ(例えば、図4の指向性アンテナ41−1および41−2)を用いてそれぞれ送信し(例えば、図9のステップS22、S32)、携帯端末が、異なる指向性アンテナを介して送信される複数の認証用データを受信し(例えば、図9のステップS12)、受信した複数の認証用データを用いて、認証情報を取得し(例えば、図9のステップS13)、取得した認証情報を情報提供装置に送信し(例えば、図9のステップS14)、情報提供装置が、携帯端末により送信される認証情報を、指向性アンテナを介して受信し、受信した認証情報に基づいて、携帯端末を認証する(例えば、図9のステップS41)ことを特徴とする。
請求項7に記載の情報提供装置(例えば、図4のネットワーク33に接続される通信装置31−1乃至31−3からなるサービス提供装置)は、指向性を有し、所定の空間内に、それぞれの通信可能範囲が重なる少なくとも1つの特定領域を形成させて配置される複数の指向性アンテナ(例えば、図4の指向性アンテナ41−1および41−2)と、所定の時間おきに更新され、認証情報の取得にそれぞれ必要な複数の認証用データを、異なる指向性アンテナを用いてそれぞれ送信する認証用データ送信手段(例えば、図4の通信装置31−1および31−2の図5の無線通信部58)と、認証用データを受信した携帯端末により送信される認証情報を、指向性アンテナを介して受信する認証情報受信手段(例えば、図4の通信装置31−3の図5の無線通信部58)と、受信した認証情報に基づいて、携帯端末を認証する認証手段(例えば、図4の通信装置31−3の図5のCPU51)と、認証した携帯端末に所定のサービスを提供するサービス提供手段(例えば、図4の通信装置31−3の図5のCPU51)とを備えることを特徴とする。
請求項8に記載の情報提供装置は、携帯端末にコンテンツを提供するとともに、携帯端末へのコンテンツの送信中に、認証手段により携帯端末が認証されたとき、携帯端末へのコンテンツの送信を停止し、コンテンツの視聴中の位置に応じた他の装置へのコンテンツの送信を開始するコンテンツ提供手段(例えば、図20のサーバ363)をさらに備える。
請求項9に記載の情報提供方法は、携帯端末(例えば、図4の携帯端末32)にサービスの提供を行う情報提供装置(例えば、図4のネットワーク33に接続される通信装置31−1乃至31−3からなるサービス提供装置)が、所定の時間おきに更新され、認証情報の取得にそれぞれ必要な複数の認証用データを、指向性を有し、所定の空間内に、それぞれの通信可能範囲が重なる少なくとも1つの特定領域を形成させて配置される複数の異なる指向性アンテナ(例えば、図4の指向性アンテナ41−1および41−2)を用いてそれぞれ送信し(例えば、図9のステップS22、S32)、複数の認証用データを受信した携帯端末により送信される認証情報を、指向性アンテナを介して受信し(例えば、図9のステップS12)、受信した認証情報に基づいて、携帯端末を認証し(例えば、図9のステップS41)、認証した携帯端末に所定のサービスを提供する(例えば、図9のステップS42)ことを特徴とする。
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、図2および図3を参照して、本発明の一実施形態に係るサービス提供システムにおいて用いられる通信領域の概念を説明する。
図2の例においては、通信装置11−1および11−2は、それぞれ、比較的強い指向性(例えば、半値角30度以内程度)を有する無線通信技術を用いて構成され、所定の空間内に設置されている。
強い指向性を有する無線通信技術としては、例えば、赤外線通信のような光を基礎とした通信、指向性アンテナやミリ波など指向性の強い性質を有する技術を用いての無線電波による通信などがあげられる。
通信装置11−1は、その指向性により図中上の方向に対して通信可能領域11Aを有しており、通信可能領域11Aに存在する装置に対してデータを送受信することができる。通信装置11−2は、その指向性により図中左の方向に対して通信可能領域11Bを有しており、通信可能領域11Bに存在する装置に対してデータを送受信することができる。
そして、これらの通信装置11−1および11−2が、所定の空間内において、図2の位置関係で設置されることにより、通信可能領域11Aと通信可能領域11Bが重なる通信可能領域11ABが形成される。
すなわち、図2の例の空間は、通信装置11−1がデータを送受信可能な通信可能領域11A、通信装置11−2がデータを送受信可能な通信可能領域11B、通信装置11−1および11−2がともにデータを送受信可能な通信可能領域11AB、並びに通信装置11−1および11−2の両方が通信できない領域で構成されている。
図3の例においては、通信装置12−1乃至12−3は、通信装置11−1および11−2と同様に、それぞれ、比較的強い指向性を有する無線通信技術を用いて構成され、所定の空間内に設置されている。
通信装置12−1は、その指向性により図中上の方向に対して通信可能領域12Aを有しており、通信可能領域12Aに存在する装置に対してデータを送受信することができる。通信装置12−2は、その指向性により図中上の方向に対して通信可能領域12Bを有しており、通信可能領域12Bに存在する装置に対してデータを送受信することができる。また、通信装置12−3は、その指向性により図中上の方向に対して通信可能領域12Cを有しており、通信可能領域12Cに存在する装置に対してデータを送受信することができる。
そして、これらの通信装置12−1乃至12−3が、所定の空間内において、図3の位置関係で設置されることにより、通信可能領域12Aと通信可能領域12Bが重なる通信可能領域12AB、通信可能領域12Bと通信可能領域12Cが重なる通信可能領域12BC、並びに、通信可能領域12A、通信可能領域12B、および通信可能領域12Cが重なる通信可能領域12ABCが形成される。
すなわち、図3の例の空間は、通信装置12−1がデータを送受信可能な通信可能領域12A、通信装置12−2がデータを送受信可能な通信可能領域12B、通信装置12−3がデータを送受信可能な通信可能領域12C、通信装置12−1および12−2がともにデータを送受信可能な通信可能領域12AB、通信装置12−2および12−3がともにデータを送受信可能な通信可能領域12BC、通信装置12−1乃至12−3がデータを送受信可能な通信可能領域12ABC、並びに通信装置12−1乃至12−3のすべてが通信できない領域で構成されている。
なお、図2および図3の例においては、通信装置が2台または3台の例を説明したが、通信装置の台数は、これらに限定されず、4台以上で構成されてもよい。
以上のように、1つの空間内に、指向性を有する無線通信技術を用いて通信を行う装置が複数存在する場合、装置の位置次第で、その空間内には、複数の装置と通信可能な領域や、どの装置とも通信できない領域など、空間内の位置によって通信できる対象数や通信品質が異なる領域が形成される。
したがって、このように形成された領域を利用することで、空間内のユーザ(が有する携帯端末)に対して、それぞれが存在する領域の性質に応じて、異なるレベルのサービスを行うことができる。
すなわち、本発明に係るサービス提供システムは、このように比較的強い指向性を有する通信技術を複数用いて、所定の空間内に、指向性のスポットライト(Spotlight)が当たったような特別な領域(すなわち、通信できる対象数や通信品質が異なる領域)を形成し、形成した領域を利用することにより、このような空間内のユーザ(が有する携帯端末)に対して、それぞれが存在する領域の性質に応じて、異なるレベルのサービスを行うようにしたものである。
なお、このようにしてサービスを提供する方法を、スポットライトネットワーキング(Spotlight Networking)と定義し、以下、スポットライトワーキングを用いたサービス提供システムについて具体的に説明する。
図4は、本発明を適用したサービス提供システム21の構成例を示している。
このサービス提供システム21においては、通信装置31−1乃至31−3は、それぞれ、指向性を有する指向性アンテナ41−1乃至41−3を備えており、指向性アンテナ41−1乃至41−3を用いて、指向性アンテナ41−1乃至41−3の通信可能領域41A乃至41Cに存在する携帯端末32と、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11b方式で、それぞれ無線通信を行う。
また、通信装置31−1乃至31−3は、指向性アンテナ41−1乃至41−3を用いての無線通信以外の通信によりネットワーク33に接続されており、所定のデータを相互に受け渡しすることができるように構成されている。
このネットワーク33は、有線のネットワークであってもよいし、無線のネットワークであってもよく、通信装置31−1乃至31−3間の通信は、暗号化などによりセキュアに接続されている。
通信装置31−1および31−2は、指向性アンテナ41−1の通信可能領域41Aと指向性アンテナ41−2の通信可能領域41Bが重なる通信可能領域41ABが形成されるように、所定の空間内に配置されており、指向性アンテナ41−1および41−2を用いて、サービス提供システム21のサービスを受けるユーザの携帯端末32が必要な認証情報となるデータをそれぞれ送信する。
すなわち、これらのデータ(通信装置31−1からのデータと、通信装置31−2からのデータ)は、所定の時間内に受信され、2つ揃って初めて認証情報として機能するように構成されている。
具体的には、例えば、通信装置31−1は、認証情報を暗号化し、暗号化された認証データを送信し、通信装置31−2は、通信装置31−1による暗号を解除するための暗号鍵データを送信する。この暗号鍵データは、通信装置31−1または31−2において、共有されており、所定の時間おきに更新され、ネットワーク33を介して、他方の装置に送信されている。したがって、両方のデータが所定の時間内に受信された場合のみ、暗号化されている認証情報の暗号を解除することが可能となる。
また、例えば、通信装置31−1は、認証情報を複数ブロックに分割し、その一部を送信し、通信装置31−2は、通信装置31−1が送信する以外のブロックを送信する。この認証情報の分割は、通信装置31−1または31−2において、所定の時間おきに実行され、ネットワーク33を介して、他の通信装置に送信されている。したがって、両方のデータが所定の時間内に受信された場合のみ、認証情報を構成するすべてのブロックを受信することが可能となる。
したがって、携帯端末32は、通信可能領域41AB内において、所定の時間内に通信装置31−1および31−2からの両方のデータを受信しないと、認証情報を得ることができない。
なお、所定の時間は、通信可能領域41ABにおける双方のデータ受信可能な時間を最短として、最短な時間を設定してもよいし、その最短時間よりも長めに設定するようにしてもよい。
一方、通信装置31−3は、通信装置31−1および31−2が配置される所定の空間とは他の空間に設置されており、指向性アンテナ41−3を用いて、サービス提供システム21のサービスを受けるユーザの携帯端末32に対して認証処理を行い、認証処理により認証された携帯端末32に対して、サービス提供システム21のサービスの提供を開始する。なお、通信装置31−1および31−2と、通信装置31−3が配置される所定の空間は、離れていなくてもよく、同じ空間内であってもよい。
サービス提供システム21のサービスとしては、例えば、音楽または映像データの送信や、所定の扉の開放などがあげられる。
なお、認証情報も、通信装置31−1乃至31−3のいずれかにおいて設定された有効期限おきに更新され、ネットワーク33を介して、他の通信装置に送信されている。したがって、認証情報が取得されてから有効期限(例えば、10乃至30秒など)内に、通信装置31−3により認証されなければ、その認証情報は無効となる。
携帯端末32は、例えば、携帯電話機、ポータブルデバイス(PD)、PDA(Personal Digital Assistant)、または、小型パーソナルコンピュータなどで構成される。
携帯端末32は、通信アンテナ42を備えており、ユーザにより携帯され、空間内の所定の領域に挿入されることで、所定の領域を通信可能領域とした通信装置31−1乃至31−3と、IEEE802.11b方式で無線通信を行う。通信アンテナ42の指向性の強さは限定されないが、通信アンテナ42の通信可能範囲は、各指向性アンテナ41−1乃至41−3の通信可能領域において相互にデータが送受信可能な範囲とされる。
ユーザにより通信可能領域41AB内に挿入された携帯端末32は、通信可能領域41ABを通信可能領域とする通信装置31−1および通信装置31−2とデータの送受信を行い、得られたデータを、復号または合成などのデータ処理を行うことで、認証情報を取得する。
また、ユーザにより通信可能領域41C内に挿入された携帯端末32は、通信可能領域41Cを通信可能領域とする通信装置31−3に認証情報を送信し、通信装置31−3による認証を得る。これにより、携帯端末32またはそれを所持したユーザは、サービス提供システム21のサービスの提供を受けることができる。
以上のように、図4のサービス提供システム21においては、ユーザが所持した携帯端末が、所定の空間領域(すなわち、通信可能領域41AB)に一定時間存在することが、サービスの提供を受ける条件として設定されている。
したがって、ユーザは、携帯端末を所定の空間領域に配置したり、かざすだけで、それに応じたサービスを受けることができる。これにより、サービス提供システム21においては、ユーザに対して、アンビエントなサービスを提供することが可能になる。
なお、上記説明においては、通信装置31−1乃至31−3がネットワーク33を介して、相互にデータを送受信することで、サービス提供システム21の認証処理が可能とされるため、ネットワーク33に接続される通信装置31−1乃至31−3は、1つのサービス提供装置ともみなされる。また、ネットワーク33にサーバを接続し、サーバにより、サービス提供装置である通信装置31−1乃至31−3の処理を制御するように構成してもよい。
以下、通信装置31−1乃至31−3、および指向性アンテナ41−1乃至41−3を個々に区別する必要がない場合、単に、通信装置31、および指向性アンテナ41と称する。
図5は、通信装置31の構成例を示すブロック図である。
CPU(Central Processing Unit)51は、ROM(Read Only Memory)53に記憶されているプログラム、または記憶部57からRAM(Random Access Memory)54にロードされたプログラムなどに従って各種の処理を実行する。RAM54にはまた、CPU51が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU51、ROM53、およびRAM54は、バス52を介して相互に接続されている。バス52には、キーボード、マウスなどよりなる入力部55、モデム、ターミナルアダプタ、またはネットワークインタフェースなどより構成される通信部56、ハードディスクなどより構成される記憶部57、指向性アンテナ41を有する無線通信部58が接続されている。
通信部56は、CPU51の制御のもと、ネットワーク33に接続された他の装置と情報の送受信を行う。無線通信部58は、CPU51の制御のもと、指向性アンテナ41を介して、指向性アンテナ41の通信可能領域に存在する他の装置(例えば、携帯端末32)と情報の送受信を行う。
バス52にはまた、必要に応じてドライブ59が接続され、磁気ディスク81、光ディスク82、光磁気ディスク83、或いは半導体メモリ84などが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部57にインストールされる。
図6は、携帯端末32の構成例を示すブロック図である。
CPU101は、ROM103に記憶されているプログラム、または記憶部106からRAM104にロードされたプログラムなどに従って各種の処理を実行する。RAM104にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU101、ROM103、およびRAM104は、バス102を介して相互に接続されている。バス102には、また、操作部105、ハードディスクなどより構成される記憶部106、メモリカードなどの記録媒体が装着可能なI/O(Input/Output)ポート107、無線通信部108、 センサ109、画像信号処理部110、および音声信号処理部111などが接続されている。
操作部105は、例えば、各種のボタンやタッチパネルなどからなり、ユーザの操作に対応する信号を、CPU101に供給する。
無線通信部108は、CPU101の制御のもと、通信アンテナ42を介して、通信アンテナ42の通信可能範囲に存在する他の装置(例えば、通信装置31)と情報の送受信を行う。
センサ109は、例えば、ジャイロセンサや方位センサなどで構成され、ユーザが携帯端末32に対してある一定の動作(回転など)を行った場合、その携帯端末32の一定の動作を検出し、その検出情報を、CPU101に供給する。
画像信号処理部110は、CPU101の制御のもと、入力される画像(静止画像または動画像)データに対応する画像を、LCD112に表示させる。音声信号処理部111は、CPU101の制御のもと、入力される音声データに対応する音声を、スピーカ113から出力させる。
図7は、図4のサービス提供システム21における携帯端末32の機能構成例を示すブロック図である。図7に示される機能ブロックは、CPU101により所定のプログラムが実行されることで実現される。
認証処理制御部131は、無線通信部108を介して、通信装置31に対して、認証情報を要求したり、データ処理部132を制御し、無線通信部108を介して受信されたデータに応じた処理を実行させる。また、認証処理制御部131は、認証データ送信部133を制御し、データ処理部132により得られた認証情報を、無線通信部108を介して送信させる。
データ処理部132は、認証処理制御部131の制御のもと、無線通信部108により受信されたデータを用いて、認証情報を得るための処理を行う。
すなわち、無線通信部108より、暗号化された認証データと暗号鍵データが入力された場合、データ処理部132は、暗号鍵データを用いて、暗号化された認証データを復号する処理を行い、処理の結果、得られた認証情報を、認証データ送信部133に出力する。また、無線通信部108より、複数のブロックに分割されたデータが入力された場合、データ処理部132は、複数のブロックを合成する処理を行い、処理の結果、得られた認証情報を、認証データ送信部133に出力する。
認証データ送信部133は、認証処理制御部131の制御のもと、データ処理部132から入力された認証情報を、無線通信部108および通信アンテナ42を介して送信する。
次に、図8および図9のフローチャートを参照して、図4のサービス提供システム21の処理を説明する。
図8においては、サービス提供システム21により認証された携帯端末32を携帯するユーザには、ある建物に入ることが許可されるというサービスが提供される例が示されている。
ユーザは、このサービスを受けるため、まず、通信装置31−1および31−2が設置されている空間において、通信装置31−1が有する指向性アンテナ41−1の通信可能領域41Aと、通信装置31−2が有する指向性アンテナ41−2の通信可能領域41Bとが重なる領域(すなわち、通信可能領域41AB)に、携帯端末32を挿入し、携帯端末32を所定の時間、通信可能領域41ABに滞在させる。
なお、この通信可能領域41ABは、例えば、可視光線による無線通信以外の場合には
ユーザに対して、不可視の領域である。したがって、この場合には、その領域内に台などを置いて、通信可能領域41ABのおおよその位置を明示するようにしてもよい。
通信装置31−1および31−2の無線通信部58は、指向性アンテナ41−1および41−2から、それぞれの通信可能領域41Aおよび41Bに向けてそれぞれ呼びかけ電波を送出している。
通信可能領域41ABに存在する携帯端末32の無線通信部108は、通信アンテナ42を介して、通信装置31−1および31−2からの呼びかけ電波を受信すると、認証処理制御部131に通知する。認証処理制御部131は、ステップS11において、無線通信部108を制御し、通信アンテナ42を介して、通信装置31−1および31−2に対してそれぞれ認証情報を要求させる。
通信装置31−1の無線通信部58は、ステップS21において、指向性アンテナ41−1を介して、携帯端末32からの認証情報の要求を受信し、CPU51に供給し、ステップS22に進む。
通信装置31−1のCPU51は、携帯端末32からの要求に対して、通信装置31−2と共有の暗号鍵データを用いて、認証情報を暗号化し、暗号化された認証データを、無線通信部58に供給する。無線通信部58は、ステップS22において、暗号化された認証データを、指向性アンテナ41−1を介して、通信可能領域41A(通信可能領域41ABも含む)に存在する携帯端末32に送信する。
一方、通信装置31−2の無線通信部58も、ステップS31において、指向性アンテナ41−2を介して、携帯端末32からの認証情報の要求を受信し、CPU51に供給し、ステップS32に進む。
通信装置31−2のCPU51は、携帯端末32からの要求に対して、通信装置31−1と共有の暗号鍵データを供給する。無線通信部58は、ステップS22において、暗号鍵データを、指向性アンテナ41−2を介して、通信可能領域41B(通信可能領域41ABも含む)に存在する携帯端末32に送信する。
携帯端末32の無線通信部108は、ステップS12において、通信アンテナ42を介して、通信装置31−1からの暗号化された認証データを受信し、通信装置31−2からの暗号鍵データを受信すると、認証処理制御部131に供給し、ステップS13に進む。
認証処理制御部131は、ステップS13において、データ処理部132を制御し、暗号鍵データを用いて、認証データを復号させ、認証情報を取得させる。データ処理部132は、取得した認証情報を、認証データ送信部133に供給し、ステップS14に進む。
上述した認証情報の取得処理は、携帯端末32、通信装置31−1および31−2により所定の時間内に実行される。したがって、ユーザは、所定の時間が経過すると、携帯端末32を携帯して、通信装置31−3が設置されている空間に移動し、通信装置31−3が有する指向性アンテナ41−3の通信可能領域41Cに、携帯端末32を挿入し、一定時間滞在させる。
なお、携帯端末32に、所定の時間の経過または認証情報の取得完了を、LCD112や図示せぬLEDに表示させたり、スピーカ113から音として出力させて、ユーザに、認証情報が取得されたことを通知させるようにしてもよい。
通信装置31−3の無線通信部58は、指向性アンテナ41から通信可能領域41Cに向けて、認証情報を要求する呼びかけ電波を送出している。
通信可能領域41Cに存在する携帯端末32の無線通信部108は、通信アンテナ42を介して、通信装置31−3からの呼びかけ電波を受信すると、認証処理制御部131に通知する。認証処理制御部131は、ステップS14において、認証データ送信部133を制御し、無線通信部108および通信アンテナ42を介して、認証情報を送信させる。
通信装置31−3の無線通信部58は、指向性アンテナ41−3を介して、携帯端末32からの認証情報を受信し、CPU51に供給する。認証情報は、サービス提供システム21内(通信装置31−1乃至31−3間)で有効期限ごとに更新されているため、CPU51は、ステップS41において、認証情報が、現在の正しい認証情報であるか否かを判定する。
通信装置31−3のCPU51は、ステップS41において、正しい認証情報であると判定した場合、ステップS42に進み、サービス提供システム21のサービスを提供する。すなわち、この場合、通信装置31−3は、ドア151の鍵を開錠し、携帯端末32を携帯するユーザに対して、ドア151内への進入を許可する。
また、認証情報の有効期限が切れている場合(すなわち、通信装置31−1および31−2の認証情報送信から、有効期限以上の時間が経過している場合)、ステップS41において、携帯端末32からの認証情報が正しい認証情報ではないと判定され、ステップS42の処理はスキップされる。すなわち、ユーザには、サービス提供システム21のサービスは、提供されない。
なお、上記説明においては、初めに通信装置31−1乃至31−3が呼びかけ電波を送信しているとして説明したが、携帯端末32側から送信するようにしてもよい。すなわち、通信のきっかけは、どちらの装置側からであってもよい。
以上のように、サービス提供システム21のサービスの提供を受けるための認証情報は、指向性アンテナ41−1および41−2の通信可能領域41ABにおいてのみ取得される。
したがって、ユーザは、指向性アンテナ41−1および41−2の通信可能領域41ABに携帯端末32を挿入する(設置あるいは滞在させる)だけで、簡単に、認証情報を取得でき、その後、指向性アンテナ41−3の通信可能領域41Cに携帯端末32を挿入するだけで、簡単に、サービス提供システム21のサービスを受けることができる。
なお、指向性アンテナ41−1および41−2の通信可能領域41ABにおいて認証情報を要求する際に、携帯端末32がセンサ109からの検出情報を、通信装置31−1および31−2に送信することにより、サービス提供システム21においては、検出情報に応じた、さらなる特別なサービスの提供を行うようにすることもできる。
次に、図10のフローチャートを参照して、図4のサービス提供システム21の他の処理を説明する。なお、図10の例は、図9の他の例であり、図9と共通する部分におけるその詳細な説明は適宜省略する。
図10においては、センサ109からの検出情報も送信され、サービス提供システム21により検出情報に応じて認証されたユーザには、音楽データの配信というサービスが提供される例が示されている。
ユーザは、このサービスを受けるため、まず、通信装置31−1および31−2が設置されている空間において、通信装置31−1が有する指向性アンテナ41−1の通信可能領域41Aと、通信装置31−2が有する指向性アンテナ41−2の通信可能領域41Bとが重なる領域(すなわち、通信可能領域41AB)に、携帯端末32を挿入し、携帯端末32を所定の時間、通信可能領域41ABに滞在させる。
なお、この間において、ユーザは、携帯端末32に対して、サービス提供システム21において予め設定されている所定の動作をさせる。例えば、ユーザは、携帯端末32を右回りに3回転させ、左回りに5回転させる。センサ109は、ユーザにより携帯端末32になされた動作を検出し、その検出情報をCPU51に供給する。
通信装置31−1および31−2の無線通信部58は、指向性アンテナ41−1および41−2から、それぞれの通信可能領域41Aおよび41Bに向けてそれぞれ呼びかけ電波を送出している。
通信可能領域41ABに存在する携帯端末32の無線通信部108は、通信アンテナ42を介して、通信装置31−1および31−2からの呼びかけ電波を受信すると、認証処理制御部131に通知する。認証処理制御部131は、ステップS51において、無線通信部108を制御し、通信アンテナ42を介して、通信装置31−1および31−2に対して、センサ109の検出情報を送付させるとともに、それぞれ認証情報を要求させる。
通信装置31−1の無線通信部58は、ステップS61において、指向性アンテナ41−1を介して、携帯端末32からの認証情報の要求およびセンサ109の検出情報を受信し、CPU51に供給し、ステップS62に進む。
ここで、サービス提供システム21においては、所定の動作に対して提供されるサービスが予め設定されており、さらに、そのサービスを受けるためには、所定の動きに対して設定されている認証情報が必要となる。また、いまの場合、通信装置31−1と31−2との間で、認証情報は、複数のブロックに分割され、それぞれが送信する部分が設定されている。
通信装置31−1のCPU51は、携帯端末32からの要求に対して、検出情報(所定の動作の検出情報)に応じた認証情報の一部を、無線通信部58に供給する。無線通信部58は、ステップS62において、センサ109の検出情報に応じて、認証情報の一部を、指向性アンテナ41−1を介して、通信可能領域41A(通信可能領域41ABも含む)に存在する携帯端末32に送信する。
一方、通信装置31−2の無線通信部58も、ステップS71において、指向性アンテナ41−2を介して、携帯端末32からの認証情報の要求およびセンサ109の検出情報を受信し、CPU51に供給し、ステップS72に進む。
通信装置31−2のCPU51は、携帯端末32からの要求に対して、検出情報に応じた認証情報の一部(通信装置31−1が送信した残り)を、無線通信部58に供給する。無線通信部58は、ステップS72において、センサ109の検出情報に応じて、認証情報の一部を、指向性アンテナ41−2を介して、通信可能領域41B(通信可能領域41ABも含む)に存在する携帯端末32に送信する。
携帯端末32の無線通信部108は、ステップS52において、通信アンテナ42を介して、通信装置31−1からの認証情報の一部を受信し、通信装置31−2からの認証情報の一部を受信すると、認証処理制御部131に供給し、ステップS53に進む。
認証処理制御部131は、ステップS53において、データ処理部132を制御し、受信した双方の認証情報の一部を用いて、認証情報を合成させ、認証情報を取得させる。データ処理部132は、取得した認証情報を、認証データ送信部133に供給し、ステップS54に進む。
上述した認証情報の取得処理は、携帯端末32、通信装置31−1および31−2により所定の時間内に実行される。したがって、ユーザは、所定の時間が経過すると、携帯端末32を携帯して、通信装置31−3が設置されている空間に移動し、通信装置31−3が有する指向性アンテナ41−3の通信可能領域41Cに、携帯端末32を挿入し、一定時間滞在させる。
通信装置31−3の無線通信部58は、指向性アンテナ41から通信可能領域41Cに向けて、認証情報を要求する呼びかけ電波を送出している。
通信可能領域41Cに存在する携帯端末32の無線通信部108は、通信アンテナ42を介して、通信装置31−3からの呼びかけ電波を受信すると、認証処理制御部131に通知する。認証処理制御部131は、ステップS54において、認証データ送信部133を制御し、無線通信部108および通信アンテナ42を介して、認証情報を送信させる。
通信装置31−3の無線通信部58は、指向性アンテナ41−3を介して、携帯端末32からの認証情報を受信し、CPU51に供給する。CPU51は、ステップS81において、認証情報が、現在の正しい認証情報であるか否かを判定し、正しい認証情報であると判定した場合、ステップS82に進み、サービス提供システム21のサービスを提供する。すなわち、この場合、例えば、認証情報に応じた音声データが提供(配信)される。
また、認証情報の有効期限が切れている場合(すなわち、通信装置31−1および31−2の認証情報送信から、有効期限以上の時間が経過している場合)、ステップS81において、携帯端末32からの認証情報が正しい認証情報ではないと判定され、ステップS82の処理はスキップされる。すなわち、ユーザには、サービス提供システム21のサービスは提供されない。
以上のように、携帯端末32に搭載されたセンサ109により、通信可能領域41ABにおいて、携帯端末32の動作を検出させ、検出された情報を送信することにより、検出情報に応じた認証情報を取得することができ、通信可能領域41AB内において検出される動作に応じた異なるサービスを提供することができる。
この異なるサービスを受けるための情報としては、センサ109による検出情報でなくとも、通信可能領域41AB内においてユーザにより操作部105を操作させて、識別子およびパスワードを入力し、それを通信装置31−1および31−2に送信させるようにしてもよい。
なお、上記説明においては、通信装置31−1および31−2が、携帯端末32に対して認証情報を暗号化して送信する例と、認証情報を分割して送信する例を説明したが、上述した例に限定されず、所定の時間内に通信装置31−1および31−2の双方とデータ通信することで、認証情報が得られる方法であれば、他の方法であってもよい。
例えば、通信装置31−1および31−2に、携帯端末32から一定間隔で送信される信号(ビーコンシグナル)を観測させ、通信装置31−1および31−2において受信されたビーコンシグナルの信号強度が共にあるしきい値を超えている場合、携帯端末32が通信可能領域41ABにいるものと判定し、通信装置31−1および31−2のどちらか一方から、認証情報を送信するようにする方法も考えられる。
ただし、このように、携帯端末32からのビーコンシグナルを利用する場合、携帯端末32の送信出力を予め、通信装置31−1および31−2側が把握しておく必要がある。
また、図4のサービス提供システム21においては、通信装置31−1および31−2の2台により認証情報を送信するようにしたが、2台に限定されず、3台でも4台でもよい。この場合には、複数台の通信装置が通信可能な領域が用いられる。
さらに、図4のサービス提供システム21においては、通信装置31−3が1台により携帯端末を認証し、サービスの提供を許可するようにしたが、サービス提供を許可する場合にも、認証情報を提供する場合と同様に、複数台の通信装置でサービスの提供を許可するようにしてもよい。この場合には、複数台の通信装置が通信可能な領域が用いられる。
図11は、本発明を適用したサービス提供システム201の構成例を示している。なお、図4の場合と対応する部分には、対応する符号が付してあり、その説明は繰り返しになるので適宜省略する。
このサービス提供システム201においては、通信装置211−1乃至211−3は、図4の通信装置31と同様に、それぞれ指向性を有する指向性アンテナ41−1乃至41−3を備えており、指向性アンテナ41−1乃至41−3を用いて、指向性アンテナ41−1乃至41−3の通信可能領域41A乃至41Cに存在する携帯端末32と無線通信を行う。
また、通信装置211−1乃至211−3は、図4の通信装置31と同様に、指向性アンテナ41−1乃至41−3を用いての無線通信以外の通信によりネットワーク33に接続されており、所定のデータを相互に受け渡しすることができるように構成されている。
なお、サービス提供システム201においては、通信装置211−1乃至211−3から提供されるコンテンツなどは、例えば、ネットワーク33に接続される図示せぬサーバなどで管理されている。したがって、ネットワーク33に接続される通信装置211−1乃至211−3は、1つのサービス提供装置ともいえる。
通信装置211−1乃至211−3は、指向性アンテナ41−1の通信可能領域41Aと指向性アンテナ41−2の通信可能領域41Bが重なる通信可能領域41AB、指向性アンテナ41−2の通信可能領域41Bと指向性アンテナ41−3の通信可能領域41Cが重なる通信可能領域41BC、並びに、指向性アンテナ41−1の通信可能領域41A、指向性アンテナ41−2の通信可能領域41B、および指向性アンテナ41−3の通信可能領域41Cが重なる通信可能領域41ABCが形成されるように、所定の空間内に配置されており、指向性アンテナ41−1乃至41−3をそれぞれ用いて、サービス提供システム201のサービスを受けるユーザの携帯端末32に対して、所定のコンテンツのデータを配信する。
通信装置211−1乃至211−3から、配信されるコンテンツのデータとしては、音声データ、静止画像データ、および動画像データが、それぞれ高品質、低品質の両方で送信される。
なお、提供されるデータは、高品質および低品質の少なくとも一方であってもよいし、データの組み合わせも3つでなくてもよく、さらに、他のデータも含まれてもよい。例えば、他のデータとしては、携帯端末32に表示される画面上で用いられるメニュー情報や、コンテンツを正しく再生するためのエンコード情報など、コンテンツの視聴を補助する情報などがあげられる。
また、以下、通信装置211−1乃至211−3を個々に区別する必要がない場合、単に、通信装置211とも称する。この通信装置211は、3台に限定されず、2台でも4台でもさらに多くの台数で構成されてもよく、また、その配置も、図11の例に限定されない。
さらに、通信装置211は、図4の通信装置31と同様の構成をしているので、以下、図5の構成は、通信装置211の構成としても用いられる。
携帯端末32は、通信アンテナ42を備えており、ユーザにより携帯され、空間内の所定の領域に挿入されることで、所定の領域を通信可能領域とした通信装置211と無線通信を行う。
ユーザが携帯することで、各通信可能領域内に滞在(存在)する携帯端末32は、その領域を、通信可能領域とする通信装置211から送信されるコンテンツの各データを受信し、受信したコンテンツ数に応じて、受信したコンテンツのデータからなる表示信号や音声信号を生成し、対応する画像や音声を、LCD112およびスピーカ113から出力させる。
例えば、通信可能領域41A、41B、または41Cに存在する携帯端末32は、対応する1つの通信装置211からコンテンツの各データを受信すると、1つのコンテンツの画像や音声を、LCD112およびスピーカ113から出力させる。
通信可能領域41AB、または41BCに存在する携帯端末32は、対応する2つの通信装置211からコンテンツの各データを受信すると、2つのコンテンツで構成される画像や、どちらか一方の音声を、LCD112およびスピーカ113から出力させる。
通信可能領域41ABCに存在する携帯端末32は、3つの通信装置211からコンテンツの各データを受信すると、3つのコンテンツで構成される画像や、いずれか1つの音声を、LCD112およびスピーカ113から出力させる。
以上のように、図11のサービス提供システム201においては、空間領域に応じて、携帯端末に受信可能なコンテンツのデータが異なる。すなわち、サービス提供システム201においては、ユーザが所持した携帯端末が存在する空間領域に応じて異なるサービスが提供される。
したがって、ユーザは、携帯端末を携帯し、所定の空間領域に移動するだけで、移動した位置に応じたサービスを受けることができる。これにより、サービス提供システム201においては、ユーザに対して、アンビエントなサービスを提供することが可能になる。
図12は、図11のサービス提供システム201における携帯端末32の機能構成例を示すブロック図である。図12に示される機能ブロックは、CPU101により所定のプログラムが実行されることで実現される。
データ取得制御部231は、無線通信部108を介して受信された通信装置211からのコンテンツ(コンテンツの数、コンテンツを構成するデータの種類、または、コンテンツに付加されたメタデータなど)に応じて、データ生成部232を制御し、受信したコンテンツのデータからなる表示信号や音声信号を生成させる。
データ生成部232は、データ取得制御部231の制御のもと、受信したコンテンツのデータの中から、所定の静止画像データまたは動画像データを重畳して、表示信号を生成し、生成した表示信号を、データ出力制御部233に出力する。また、データ生成部232は、データ取得制御部231の制御のもと、受信したコンテンツのデータの中から、所定の音声データを、そのままあるいは合成して、音声信号を生成し、生成した音声信号を、データ出力制御部233に出力する。
データ出力制御部233は、データ生成部232により生成された表示信号を、画像信号処理部110に出力し、画像信号処理部110を制御し、対応する画像を、LCD112に表示させたり、データ生成部232により生成された音声信号を音声信号処理部111に出力し、音声信号処理部111を制御し、対応する音声を、スピーカ113から出力させる。
次に、図13および図14のフローチャートを参照して、図11のサービス提供システム201の処理を説明する。
図13の例においては、サービス提供システム201においては、ユーザの携帯端末32に対して、通信装置211−1からコンテンツAの動画像データ、静止画像データ、および音声データが配信され、通信装置211−2からコンテンツBの動画像データ、静止画像データ、および音声データが配信され、通信装置211−3からコンテンツCの動画像データ、静止画像データ、および音声データが配信されるよう設定されている。
通信装置211−1の無線通信部58は、図14のステップS111において、指向性アンテナ41−1から、通信可能領域41A(通信可能領域41AB、通信可能領域41ABCを含む)に向けてコンテンツAのデータ(動画像データ、静止画像データ、および音声データ)を送信している。
通信装置211−2の無線通信部58は、ステップS121において、指向性アンテナ41−2から、通信可能領域41B(通信可能領域41AB、通信可能領域41BC、通信可能領域41ABCを含む)に向けてコンテンツBのデータ(動画像データ、静止画像データ、および音声データ)を送信している。
通信装置211−3の無線通信部58は、ステップS131において、指向性アンテナ41−3から、通信可能領域41C(通信可能領域41BC、通信可能領域41ABCを含む)に向けてコンテンツBのデータ(動画像データ、静止画像データ、および音声データ)を送信している。
携帯端末32を携帯(所持)するユーザは、このサービス提供システム201のサービスを受けるため、通信装置211−1乃至211−3によるそれぞれの通信可能領域のうち、所望のコンテンツを視聴することが可能な通信可能領域に移動する。
ユーザ所望の通信可能領域に滞在する携帯端末32の無線通信部108は、ステップS141において、通信アンテナ42を介して、その領域を通信可能領域とした通信装置211の指向性アンテナ41から送信されるコンテンツの各データを受信し、コンテンツの受信を、データ取得制御部231に通知し、ステップS142に進む。
データ取得制御部231は、ステップS142において、無線通信部108が受信したコンテンツに応じて、データ生成部232を制御し、受信したコンテンツのデータからなる表示信号を生成させる。データ生成部232は、表示信号を生成し、生成した表示信号を、データ出力制御部233に出力し、ステップS143に進む。
データ出力制御部233は、ステップS143において、データ生成部232からの表示信号を、画像信号処理部110に出力し、画像信号処理部110を制御し、表示信号に対応する画像をLCD112に表示させる。これにより、LCD112には、通信装置211のうちのいずれかからのコンテンツが表示される。
なお、このとき、音声信号は、データ取得制御部231の制御により、必要に応じて、データ生成部232を制御して生成され、データ出力制御部233、音声信号処理部111を介してスピーカ113に出力される。
具体的には、図13の例の場合、通信可能領域41Aに存在する携帯端末32の無線通信部108には、通信装置211−1の指向性アンテナ41−1からのコンテンツAのみのデータ(動画像データ、静止画像データ、および音声データ)が受信される。
したがって、携帯端末32のデータ取得制御部231は、コンテンツAのみが受信されたことを判定し、データ生成部232を制御し、コンテンツAの動画像データの画像が大きく表示されるように、表示信号を生成させ、そして、コンテンツAの音声データに対応する音声信号を生成させる。
表示信号は、データ出力制御部233の制御のもと、画像信号処理部110を介して、LCD112に出力され、音声信号は、データ出力制御部233の制御のもと、音声信号処理部111を介して、スピーカ113に出力される。
これにより、図13に示されるように、通信可能領域41Aに存在する携帯端末32のLCD112には、コンテンツAの、例えば、動画像データに対応する画像からなる画面251が表示され、携帯端末32のスピーカ113からは、コンテンツAの音声データに対応する音声が出力される。
また、例えば、通信可能領域41ABに存在する携帯端末32の無線通信部108には、通信装置211−1の指向性アンテナ41−1からのコンテンツAのデータ(動画像データ、静止画像データ、および音声データ)と、通信装置211−2の指向性アンテナ41−2からのコンテンツBのデータが受信される。
したがって、携帯端末32のデータ取得制御部231は、コンテンツAおよびコンテンツBが受信されたことを判定し、データ生成部232を制御し、コンテンツAの動画像データの画像と、コンテンツBの動画像データの画像が2つ並べて表示されるように、2つの動画像データを重畳させて表示信号を生成させ、そして、コンテンツAまたはコンテンツBの音声データのどちらか(例えば、コンテンツB)に対応する音声信号を生成させる。
表示信号は、データ出力制御部233の制御のもと、画像信号処理部110を介して、LCD112に出力され、音声信号は、データ出力制御部233の制御のもと、音声信号処理部111を介して、スピーカ113に出力される。
これにより、図13に示されるように、通信可能領域41ABに存在する携帯端末32のLCD112には、コンテンツAおよびコンテンツBの、例えば、静止画像データに対応する画像が2つ並んで構成される画面252が表示され、携帯端末32のスピーカ113からは、コンテンツBの音声データに対応する音声が出力される。
さらに、例えば、通信可能領域41ABCに存在する携帯端末32の無線通信部108には、通信装置211−1の指向性アンテナ41−1からのコンテンツAのデータ(動画像データ、静止画像データ、および音声データ)、通信装置211−2の指向性アンテナ41−2からのコンテンツBのデータ、および通信装置211−3の指向性アンテナ41−3からのコンテンツCのデータが受信される。
したがって、携帯端末32のデータ取得制御部231は、コンテンツA、コンテンツB、およびコンテンツCが受信されたことを判定し、データ生成部232を制御し、コンテンツAの静止画像データの画像と、コンテンツBの静止画像データの画像、コンテンツCの静止画像データの画像を3つ並べて表示されるように、3つの静止画像データを重畳させて表示信号を生成させ、そして、音声信号は生成させない。
表示信号は、データ出力制御部233の制御のもと、画像信号処理部110を介して、LCD112に出力される。
これにより、図13に示されるように、通信可能領域41ABに存在する携帯端末32のLCD112には、コンテンツA、コンテンツB、およびコンテンツCの、例えば、静止画像データに対応する画像が3つ並んで構成される画面253が表示され、携帯端末32のスピーカ113からは、何も出力されない。
すなわち、携帯端末32においては、1つのコンテンツのみが受信された場合には、そのコンテンツの動画像データに対応する画像が表示され、コンテンツの音声データが出力されるので、ユーザは、そのコンテンツの動画像を視聴することができる。
携帯端末32においては、2つのコンテンツのみが受信された場合には、そのコンテンツの動画像データに対応する画像が、1つのコンテンツが受信される場合よりも小さく表示され、そのうちの1つのコンテンツの音声データが出力されるので、ユーザは、そのコンテンツの動画像を簡単に視聴して、所望のコンテンツのみが受信される領域に移動することができる。
携帯端末32においては、3つのコンテンツのみが受信された場合には、そのコンテンツの静止画像データに対応する画像が、2つのコンテンツが受信される場合よりも小さく表示されるので、ユーザは、そのコンテンツの静止画像を簡単に見て、どのようなコンテンツが配信されているのかをしり、所望のコンテンツのみが受信される領域に移動することができる。
なお、データに対応する画像の表示方法と音声の出力方法は、上述した方法および組み合わせに限らない。例えば、2つの音声データを両方とも出力させるようにしてもよいし、3つの動画像データに対応する画像を並べて表示させるようにしてもよい。さらにその画面内の画像の並べ方も、図13の例には限定されない。また、これらの出力を制御するデータも、メタデータとして通信装置211から送信されるようにすることもできる。
以上のように、サービス提供システム201においては、ユーザが所持した携帯端末が存在する空間領域に応じて異なるサービスが提供される。したがって、ユーザは、携帯端末を携帯し、所定の空間領域に移動するだけで、移動した位置に応じたサービスを受けることができる。
図15は、本発明を適用したサービス提供システム301の構成例を示している。なお、図15のサービス提供システム301は、図4のサービス提供システム21の他の構成例であり、図4の例の場合と対応する部分には、対応する符号が付してあり、その説明は繰り返しになるので適宜省略する。
このサービス提供システム301においては、通信装置311−1および311−2は、図4の通信装置31と同様に、それぞれ指向性を有する指向性アンテナ41−1および41−2を備えており、指向性アンテナ41−1および41−2を用いて、指向性アンテナ41−1および41−2の通信可能領域41Aおよび41Bに存在する携帯端末32と無線通信を行う。
通信装置311−1および311−2は、指向性アンテナ41−1および41−2を用いての無線通信以外の通信によりネットワーク312に接続されており、所定のデータを相互に受け渡しすることができるように構成されている。
このネットワーク312は、例えば、無線LAN(Local Area Network)などで構成されるが、有線のネットワークであってもよく、通信装置311−1および311−2間の通信は、暗号化などによりセキュアに接続されている。
また、図15の例においては、ネットワーク312には、携帯端末313−1乃至313−3も接続されている。
通信装置311−1および311−2は、図4の通信装置31−1および31−2と同様に、指向性アンテナ41−1の通信可能領域41Aと指向性アンテナ41−2の通信可能領域41Bが重なる通信可能領域41ABが形成されるように、所定の空間内に配置されており、指向性アンテナ41−1および41−2を用いて、サービス提供システム301のサービスを受けるユーザの携帯端末32が必要な認証情報となるデータを送信する。
また、通信装置311−1は、図4の通信装置31−3の処理も行う。すなわち、通信装置311−1は、サービス提供システム301のサービスを受けるユーザの携帯端末32に対して認証処理を行い、認証処理により認証された携帯端末32に対して、サービス提供システム301のサービスの提供を開始する。
例えば、図15の例においては、携帯端末32をネットワーク312に接続させ、携帯端末32が有する静止画像データなどを、ネットワーク312を介して、他の携帯端末313−1乃至313−3に送信させ、携帯端末313−1乃至313−3から出力させるなどのサービスが提供される。
携帯端末32は、通信可能領域41AB内において、通信可能領域41ABを通信可能領域とする通信装置311−1および通信装置311−2とデータの送受信を行い、得られたデータを、復号または合成などのデータ処理を行うことで、認証情報を取得し、取得した認証情報を、通信装置311−1に送信し、通信装置311−1による認証を得る。
これにより、携帯端末32またはそれを所持したユーザは、サービス提供システム301のサービスの提供を受けることができる。
携帯端末313−1乃至313−3は、携帯端末32と同様に構成され、ネットワーク312に接続される装置(例えば、通信装置311−1および311−2や、他の携帯端末313)から供給されるコンテンツのデータ(静止画像データや動画像データ)などを受信し、受信した画像データに対応する画像を表示させる。
なお、携帯端末313−1乃至313−3は、携帯端末32のネットワーク312へ接続が許可された場合には、ネットワーク312を介して、携帯端末32からのデータを受信することもできる。
以上のように、図15のサービス提供システム301においても、図4のサービス提供システム21と同様に、ユーザが所持した携帯端末が、所定の空間領域(すなわち、通信可能領域41AB)に一定時間存在することが、ネットワーク312に接続し、ネットワーク312に接続される装置や端末と情報交換ができるというサービスの提供を受ける条件として設定されている。
なお、図15に示されるネットワーク312に接続される通信装置311−1および311−2も、図4のネットワーク33に接続される通信装置31−1乃至31−3と同様に、ネットワーク1つのサービス提供装置ともみなされる。
以下、通信装置311−1および311−2、並びに携帯端末313−1乃至313−3を個々に区別する必要がない場合、単に、通信装置311、並びに携帯端末313と称する。
なお、通信装置311は、図4の通信装置31と同様の構成をしているので、以下、図5の構成は、通信装置311の構成としても用いられる。
また、携帯端末313は、図3の通信端末32と同様の構成をしているので、以下、図6の構成は、携帯端末313の構成としても用いられる。さらに、携帯端末313においては、CPU101が所定のプログラムを実行することで、図12に示される機能ブロックが実現される。したがって、以下、図12の機能構成例は、携帯端末313の機能構成例としても用いられる。
図16は、図15のサービス提供システム21における携帯端末32の機能構成例を示すブロック図である。図16に示される機能ブロックは、CPU101により所定のプログラムが実行されることで実現され、図7の例の場合と、コンテンツ送信部321が追加された点が異なるだけであり、その他は、基本的に図7の例の場合と同様である。
認証処理制御部131は、無線通信部108を介して、通信装置311に対して、認証情報を要求したり、データ処理部132や認証データ送信部133を制御する他に、さらに、通信装置311から認証が通知されると、コンテンツ送信部321を制御し、携帯端末32において視聴(表示)中のコンテンツのデータを、無線通信部108を介して送信させる。
コンテンツ送信部321は、認証処理制御部131の制御のもと、携帯端末32において視聴中のコンテンツのデータを、無線通信部108および通信アンテナ42を介して、通信装置311に送信する。
次に、図17および図18を参照して、図15のサービス提供システム301により提供されるサービスについて説明する。なお、図17および図18においては、指向性アンテナ41のみが示されており、通信装置311は省略されている。
図17の例においては、ある部屋(空間)に設置されている指向性アンテナ41−1および41−2(通信装置311−1および311−2)、図示せぬ各ユーザは、携帯端末313−1乃至313−3を所持し、部屋の中央に配置されるテーブルを囲むソファに座っている。
これらの携帯端末313−1乃至313−3は、通信装置311−1および311−2とともに、図15のネットワーク312に接続されており、携帯端末313−1乃至313−3においては、例えば、通信装置313−1の記憶部57に記憶されているコンテンツの画像データが、ネットワーク312を介して受信され、対応する「友人」の画像がそれぞれのLCD112に表示されている。
また、ユーザが携帯する携帯端末32には、例えば、記憶部106に記憶されているコンテンツの画像データに対応する「風景」の画像が表示されている。
ユーザは、部屋の中央に設置されるテーブルの中央の領域に、携帯端末32を配置し、携帯端末32を所定の時間、その位置に滞在させる。すなわち、このテーブルの中央の領域は、通信装置311−1が有する指向性アンテナ41−1の通信可能領域41Aと、通信装置311−2が有する指向性アンテナ41−2の通信可能領域41Bとが重なる領域(通信可能領域41AB)である。
まず、図8および図9を参照して上述したように、携帯端末32により認証情報が要求され、通信装置311−1により携帯端末32に対して暗号化された認証データが送信され、通信装置311−2により携帯端末32に暗号鍵データが送信される。
一方、暗号化された認証データを送信した通信装置311−1は、指向性アンテナ41−1を介して、認証情報を要求してくるので、携帯端末32は、暗号鍵データで暗号化された認証データを復号し、認証情報を取得し、取得した認証情報を、無線通信部108および通信アンテナ42を介して送信する。
通信装置311−1は、携帯端末32からの認証情報に基づいて、携帯端末32を認証し、サービスを提供する。すなわち、図17の例の場合、通信装置311−1は、携帯端末32、並びにネットワーク312に接続されている装置に認証を通知することで、携帯端末32のネットワーク312への接続を許可する。これにより、携帯端末32は、ネットワーク312に接続されている装置と、ネットワーク312を介して、通信することができる。
より具体的には、図17の例においては、携帯端末32は、通信装置311−1からの認証の通知に応じて、表示中のコンテンツの画像データ(以下、単に画像データとも称する)を、無線通信部108および通信アンテナ42を介して送信する。通信装置311−2は、携帯端末32からの画像データを、指向性アンテナ41および無線通信部58を介して受信し、受信した画像データを、通信部56を介して、ネットワーク312に接続されている携帯端末313−1乃至313−3に送信する。
携帯端末313−1乃至313−3は、通信アンテナ42および無線通信部108を介して、通信装置311−2からの画像データを受信すると、受信した画像データに対応する画像をLCD112に表示させる。
これにより、図18に示されるように、携帯端末313−1乃至313−3のLCD112には、携帯端末32のLCD112に表示されている画像と同じ「風景」の画像が表示される。
なお、携帯端末32は、通信装置311−2を介して、携帯端末313−1乃至313−3に画像データを送信するように説明したが、通信装置311−1を介してであってもよく、さらに、携帯端末32には、ネットワーク312への接続が許可されている。したがって、携帯端末32から、直接、ネットワーク312を介して、携帯端末313−1乃至313−3に送信するようにしてもよい。
次に、図19のフローチャートを参照して、図15のサービス提供システム301の処理を説明する。
図17を参照して上述したように、ある部屋(空間)に設置されている通信装置311−1および311−2、並びに、部屋に滞在するユーザに保持されている携帯端末313−1乃至313−3は、図15のネットワーク312に接続されており、携帯端末313−1乃至313−3においては、例えば、通信装置313−1の記憶部57に記憶されているコンテンツの画像データが、ネットワーク312を介して受信され、対応する「友人」の画像がLCD112に表示されている。
また、ユーザが携帯する携帯端末32には、例えば、記憶部106に記憶されているコンテンツの画像データに対応する「風景」の画像が表示されている。
ユーザは、通信装置311−1および311−2が設置されている部屋のテーブルの中央の通信可能領域41ABに、携帯端末32を配置し、携帯端末32を所定の時間、通信可能領域41ABに滞在させる。
まず、携帯端末32、並びに通信装置311−1および311−2により、図9を参照して上述したステップS11乃至S13、ステップS21およびS22、並びに、ステップS31およびS32の処理が実行される。
すなわち、通信可能領域41ABに存在する携帯端末32の無線通信部108は、通信アンテナ42を介して、通信装置311−1および311−2からの呼びかけ電波を受信すると、認証処理制御部131は、無線通信部108を制御し、通信アンテナ42を介して、通信装置311−1および311−2に対してそれぞれ認証情報を要求させる。
通信装置311−1の無線通信部58は、指向性アンテナ41−1を介して、携帯端末32からの認証情報の要求を受信すると、CPU51は、携帯端末32からの要求に対して、通信装置311−2と共有の暗号鍵データを用いて、認証情報を暗号化し、暗号化された認証データを、無線通信部58および指向性アンテナ41−1を介して、通信可能領域41A(通信可能領域41ABも含む)に存在する携帯端末32に送信させる。
一方、通信装置311−2の無線通信部58も、指向性アンテナ41−2を介して、携帯端末32からの認証情報の要求を受信すると、CPU51は、携帯端末32からの要求に対して、通信装置311−1と共有の暗号鍵データを、無線通信部58および指向性アンテナ41−2を介して、通信可能領域41B(通信可能領域41ABも含む)に存在する携帯端末32に送信させる。
携帯端末32の無線通信部108は、通信アンテナ42を介して、通信装置311−1からの暗号化された認証データを受信し、通信装置311−2からの暗号鍵データを受信すると、認証処理制御部131は、データ処理部132を制御し、暗号鍵データを用いて、認証データを復号させ、認証情報を取得させる。データ処理部132は、取得した認証情報を、認証データ送信部133に供給する。
以上のようにして、携帯端末32の認証データ送信部133には、認証情報が供給される。
なお、通信装置311−1の無線通信部58は、暗号化された認証データを、指向性アンテナ41−1を介して送信した後、指向性アンテナ41からの通信可能領域41A(通信可能領域41ABも含む)に向けて、認証情報を要求する呼びかけ電波を送出している。
通信可能領域41ABに存在する携帯端末32の無線通信部108は、通信アンテナ42を介して、通信装置311−1からの呼びかけ電波を受信すると、認証処理制御部131に通知する。
認証処理制御部131は、図19のステップS211において、認証データ送信部133を制御し、無線通信部108および通信アンテナ42を介して、認証情報を送信させる。
通信装置311−1の無線通信部58は、指向性アンテナ41−1を介して、携帯端末32からの認証情報を受信し、CPU51に供給する。CPU51は、ステップS221において、認証処理を実行する。
すなわち、通信装置311−1のCPU51は、認証情報が、現在の正しい認証情報であるか否かを判定し、正しい認証情報であると判定すると、ステップS222に進み、無線通信部58および指向性アンテナ41−1を介して、認証を通知するとともに、通信部56およびネットワーク312を介して、通信装置311−2にも、携帯端末32の認証を通知する。
なお、このとき、通信装置311−1のCPU51は、通信部56およびネットワーク312を介して、各携帯端末313にも、携帯端末32の認証を通知するようにしてもよい。
携帯端末32の無線通信部108は、通信アンテナ42を介して、認証の通知を受信し、認証処理制御部131に、認証を通知する。認証処理制御部131は、ステップS212において、コンテンツ送信部321を制御し、現在視聴中のコンテンツの画像データを、無線通信部108および通信アンテナ42を介して送信させる。
一方、通信装置311−2の通信部56は、ネットワーク312を介して、通信装置311−1からの携帯端末32の認証の通知を受信し、CPU51に供給しており、CPU51は、携帯端末32の認証を認識している。
通信装置311−2の無線通信部58は、指向性アンテナ41−2を介して、携帯端末32からの画像データを受信すると、CPU51は、ステップS231において、通信部56を制御し、無線通信部58により受信された画像データを、ネットワーク312を介して、携帯端末313に送信する。
携帯端末313の無線通信部108は、ステップS241において、ネットワーク312および通信アンテナ42を介して、通信装置311−2からの画像データを受信し、受信した画像データを、携帯端末313のデータ取得制御部231(図12)に供給する。
データ取得制御部231は、データ生成部232を制御し、画像データに対応する表示信号を生成させる。データ生成部232は、生成した表示信号を、データ出力制御部233に出力する。データ出力制御部233は、ステップS242において、画像信号処理部110を制御し、データ生成部232からの表示信号に対応する画像を、LCD112に表示させる。
これにより、図18に示されるように、携帯端末313−1乃至313−3のLCD112には、携帯端末32のLCD112に表示されている画像と同じ画像が表示される。
以上のように、ユーザは、指向性アンテナ41−1および指向性アンテナ41−2の通信可能領域41ABに、所定の時間携帯端末32を配置させるだけで、携帯端末32を、ネットワーク312に接続させることができる。
これにより、携帯端末32のコンテンツのデータを、ネットワーク312に接続されている他の携帯端末32にも送信させることができ、そのコンテンツを、他の携帯端末32にも表示させることができる。
なお、図19のステップS231における通信装置311−2を介しての画像データの送信は、通信装置311−1と通信装置311−2の2台で行うようにしてもよい。この場合、上述したステップS222の認証通知後のコンテンツの送信処理は、通信可能領域41ABに滞在している携帯端末32のみに限定したサービスとなり、特定領域に対して限定したサービスが提供されることになる。
図20は、本発明を適用したサービス提供システム351の構成例を示している。なお、サービス提供システム351は、図15のサービス提供システム301の他の例であり、図4の場合と対応する部分には、対応する符号が付してある。
すなわち、図20のネットワーク312は、例えば、有線のLANで構成される。このネットワーク312には、サービス提供システム351を管理するサーバ363が接続され、図15の携帯端末313−1乃至313−3の代わりに、大型スピーカ371−1および371−2を有する装置364−1、および大画面ディスプレイ372を有する装置364−2も接続されている。
このサービス提供システム351においても、通信装置311−1および311−2により認証された結果、認証済みの携帯端末32をネットワーク312に接続させ、携帯端末32が視聴中の、携帯端末32(あるいはサーバ363)が有するコンテンツのデータなどを、ネットワーク312を介して、装置364−1および364−2に送信させ、装置364−1および364−2から出力させるなどのサービスが提供される。
サーバ363は、通信装置311−1および311−2間のデータ(認証情報や暗号鍵データなど)の管理や、ネットワーク312の接続リストを有し、ネットワーク312の接続状態などの管理などを行う。また、サーバ363は、コンテンツのデータを記憶しており、ネットワーク312を介して、あるいは、直接、アクセスしてきた端末や装置に対して、コンテンツのデータを提供する。
なお、図20に示されるネットワーク312に接続される通信装置311−1および311−2、サーバ363も、図4のネットワーク33に接続される通信装置31−1乃至31−3と同様に、1つのサービス提供装置ともみなされる。
装置364−1は、大型スピーカ371−1および371−2を有し、ネットワーク312に接続される装置(例えば、通信装置311−1および311−2やサーバ363)から供給されるコンテンツの音声データなどを受信し、受信した音声データに対応する音声を、大型スピーカ371−1および371−2から出力させる。
装置364−2は、大画面ディスプレイ372を有し、ネットワーク312に接続される装置(例えば、通信装置311−1および311−2やサーバ363)から供給されるコンテンツの画像(静止画像または動画像)データなどを受信し、受信した画像データに対応する画像を、大画面ディスプレイ372に表示させる。
なお、装置364−1および装置364−2は、携帯端末32のネットワーク312へ接続が許可された場合には、ネットワーク312を介して、携帯端末32からのデータを受信することもできる。
以上のように、図20のサービス提供システム351においても、図15のサービス提供システム301と同様に、ユーザが携帯した携帯端末が、所定の空間領域(すなわち、通信可能領域41AB)に一定時間存在することが、ネットワーク312に接続し、ネットワーク312に接続される装置や端末と情報交換ができるというサービスの提供を受ける条件として設定されている。
なお、以下、装置364−1および装置364−2を個々に区別する必要がない場合、単に、装置364と称する。
図21は、サーバ363の構成例を示すブロック図である。
CPU411は、ROM412に記憶されているプログラム、または記憶部418からRAM413にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM413にはまた、CPU411が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU411、ROM412、およびRAM413は、バス414を介して相互に接続されている。このバス414にはまた、入出力インタフェース415も接続されている。
入出力インタフェース415には、キーボード、マウスなどよりなる入力部416、CRT、LCDなどよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部417、ハードディスクなどより構成される記憶部418、モデム、ターミナルアダプタ、またはネットワークインタフェースなどより構成される通信部419が接続されている。通信部419は、ネットワーク312などを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース415にはまた、必要に応じてドライブ420が接続され、磁気ディスク421、光ディスク422、光磁気ディスク423、あるいは半導体メモリ424などのリムーバブルメディアが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部418にインストールされる。
なお、図示は省略するが、装置364−1および364−2も、図21に示したサーバ363と基本的に同様の構成を有するコンピュータにより構成される。そこで、以下の説明においては、図21の構成は、装置364−1および364−2の構成としても引用される。
ここで、CPU411が、各種のプログラムを実行することにより、図21のコンピュータは、サーバ363や装置364−1および364−2として機能することとなる。
例えば、装置364−1および364−2において、CPU411により所定のプログラムが実行されることで、図12の例と同様の機能ブロックが実現される。したがって、以下、図12の機能構成例は、装置364−1および364−2の機能構成例としても用いられる。
次に、図22および図23を参照して、図20のサービス提供システム351により提供されるサービスについて説明する。なお、図22および図23においては、指向性アンテナ41、大型スピーカ371−1および371−2、並びに大画面ディスプレイ372のみが示されており、対応する通信装置311、装置364−1および364−2などの図示は省略されている。
図22の例においては、ある部屋(空間)に設置されている指向性アンテナ41−1および41−2(通信装置311−1および311−2)、図示せぬサーバ362、大型スピーカ371−1および371−2(装置364−1)、並びに、大画面ディスプレイ372(装置364−2)は、図20のネットワーク312に接続されており、大型スピーカ371−1および371−2や、大画面ディスプレイ372からは何も出力されていない。
例えば、ユーザは、携帯する携帯端末32を操作して、サーバ362と1対1(アドホックモード)で通信を行い、サーバ363の記憶部418に記憶されているコンテンツを視聴している。すなわち、携帯端末32は、無線通信部108を制御し、通信アンテナ42を介して、サーバ362から所望のコンテンツの画像(動画像)データおよび音声データを受信し、受信した画像データに対応する画像をLCD112に表示させ、受信した音声データに対応する音声をスピーカ113から出力させている。
これにより、図22の携帯端末32のLCD112には、サーバ362からのコンテンツの画像データに対応する「風景」の画像が表示されており、スピーカ113からは、サーバ362からのコンテンツの音声データに対応する音声451が出力されている。
ユーザは、通信装置311−1および311−2が設置されている部屋のテーブルの中央に位置する通信可能領域41ABに、携帯端末32を配置し、携帯端末32を所定の時間、その通信可能領域41ABに滞在させる。
まず、図17の例と同様に、通信可能領域41ABに存在する携帯端末32に対して、通信装置311−1および311−2から認証情報の元となるデータが送信され、携帯端末32は、認証情報を取得し、通信装置311−1からの要求に応じて、通信アンテナ42を介して認証情報を送信する。
通信装置311−1は、携帯端末32からの認証情報に基づいて、携帯端末32を認証し、サービスを提供する。すなわち、図22の例の場合、通信装置311−1は、携帯端末32並びにネットワーク312に接続されている装置に認証を通知することで、携帯端末32のネットワーク312への接続を許可する。これにより、携帯端末32は、ネットワーク312に接続されている装置と、ネットワーク312を介して、通信することができる。
より具体的には、図22の例においては、携帯端末32は、通信装置311−1からの認証の通知に応じて、視聴中のコンテンツの音声を、装置364−1が有する大型スピーカ371−1および371−2から出力させ、視聴中のコンテンツの画像を、装置364−2が有する大画面ディスプレイ372に表示させる。
すなわち、携帯端末32は、視聴中のコンテンツ情報を、無線通信部108および通信アンテナ42を介して送信する。このコンテンツ情報は、携帯端末32の識別情報、コンテンツ名、コンテンツの視聴中の位置などが含まれる。通信装置311−2は、携帯端末32からのコンテンツ情報を、指向性アンテナ41および無線通信部58を介して受信し、受信したコンテンツ情報を、通信部56を介して、ネットワーク312に接続されているサーバ363に送信する。
サーバ363は、携帯端末32からのコンテンツ情報を受信すると、コンテンツ情報に基づいて、いままで、携帯端末32に直接送信していたコンテンツのデータ送信をやめ、コンテンツ情報に含まれる視聴中の位置から、コンテンツの音声データを、ネットワーク312を介して、装置364−1に送信し、コンテンツの画像データを、ネットワーク312を介して、装置364−2に送信する。
装置364−1は、ネットワーク312および通信部419を介して、コンテンツの音声データを受信すると、受信した音声データに対応する音声を大型スピーカ371−1および371−2から出力させる。装置364−2は、ネットワーク312および通信部419を介して、コンテンツの画像データを受信すると、受信した画像データに対応する画像を大画面ディスプレイ372に表示させる。
これにより、図23に示されるように、大型スピーカ371−1および371−2からは、図22において携帯端末32のスピーカ113から出力されていた音声の続きの音声461が出力され、大画面ディスプレイ372には、図22において携帯端末32のLCD112から出力されていた画像の続きの「風景」の画像が表示される。
なお、図23の場合、同じコンテンツの画像を表すため、同じ画像が示されている。
また、携帯端末32は、ネットワーク312への接続が許可されている。したがって、携帯端末32から、直接、ネットワーク312を介して、サーバ363に指示を送信するようにしてもよい。
次に、図24のフローチャートを参照して、図20のサービス提供システム351の処理を説明する。
図22を参照して上述したように、ある部屋(空間)において、ネットワーク312に接続されている大型スピーカ371−1および371−2や、大画面ディスプレイ372からは何も出力されていない。
また、携帯端末32のLCD112には、サーバ362からのコンテンツの画像データに対応する「風景」の画像が表示されており、スピーカ113からは、サーバ362からのコンテンツの音声データに対応する音声451が出力されている。
ユーザは、通信装置311−1および311−2が設置されている部屋のテーブルの中央の通信可能領域41ABに、携帯端末32を配置し、携帯端末32を所定の時間、通信可能領域41ABに滞在させる。
まず、携帯端末32、並びに通信装置311−1および311−2により、図9を参照して上述したステップS11乃至S13、ステップS21およびS22、並びに、ステップS31およびS32の処理が実行される。
その結果、携帯端末32においては、通信装置311−1からの暗号化された認証データが受信され、通信装置311−2からの暗号鍵データが受信され、これらのデータが用いられて、認証情報が取得されることで、携帯端末32の認証データ送信部133には、認証情報が供給されている。なお、この処理は、図9または図19を参照して上述した処理と同様であり、繰り返しになるのでその説明は省略する。
通信装置311−1の無線通信部58は、暗号化された認証データを、指向性アンテナ41−1を介して送信した後、指向性アンテナ41−1からの通信可能領域41A(通信可能領域41ABも含む)に向けて、認証情報を要求する呼びかけ電波を送出している。
通信可能領域41ABに存在する携帯端末32の無線通信部108は、通信アンテナ42を介して、通信装置311−1からの呼びかけ電波を受信すると、認証処理制御部131に通知する。
認証処理制御部131は、図24のステップS311において、認証データ送信部133を制御し、無線通信部108および通信アンテナ42を介して、認証情報を送信させる。
通信装置311−1の無線通信部58は、指向性アンテナ41−1を介して、携帯端末32からの認証情報を受信し、CPU51に供給する。CPU51は、ステップS321において、認証処理を実行する。
すなわち、通信装置311−1のCPU51は、認証情報が、現在の正しい認証情報であるか否かを判定し、正しい認証情報であると判定すると、ステップS322に進み、無線通信部58および指向性アンテナ41−1を介して、認証を通知するとともに、通信部56およびネットワーク312を介して、通信装置311−2およびサーバ363にも、携帯端末32の認証を通知する。
これに対応して、サーバ363の通信部419は、ネットワーク312を介して、通信装置311−1からの携帯端末32の認証の通知を受信し、CPU411に供給し、CPU411は、ネットワーク312の接続リストに追加している。
なお、このとき、通信装置311−1のCPU51は、通信部56およびネットワーク312を介して、各装置364にも、携帯端末32の認証を通知するようにしてもよい。
携帯端末32の無線通信部108は、通信アンテナ42を介して、認証の通知を受信し、認証処理制御部131に、認証を通知する。認証処理制御部131は、ステップS312において、コンテンツ送信部321を制御し、現在、視聴中のコンテンツ情報を、無線通信部108および通信アンテナ42を介して送信させる。
通信装置311−1の無線通信部58は、指向性アンテナ41−1を介して、携帯端末32からのコンテンツ情報を受信すると、CPU51は、ステップS233において、通信部56を制御し、無線通信部58により受信されたコンテンツ情報を、ネットワーク312を介して、サーバ363に送信する。
サーバ363の通信部419は、ネットワーク312を介して、通信装置311−1からのコンテンツ情報を受信すると、受信したコンテンツ情報をCPU411に供給する。CPU411は、ステップS331において、コンテンツ情報(携帯端末32の識別情報、コンテンツ名、コンテンツの視聴中の位置など)に基づいて、通信部419を制御し、携帯端末32へのコンテンツのデータ送信を停止させ、視聴中の位置からのコンテンツのデータを、ネットワーク312を介して、装置364に送信させる。
装置364の通信部419は、ステップS341において、ネットワーク312を介して、サーバ363からのコンテンツのデータを受信すると、受信したデータを、装置364のデータ取得制御部231(図12)に供給し、ステップS342に進む。
例えば、装置364−1のデータ取得制御部231は、データ生成部232を制御し、コンテンツの音声データに対応する音声信号を生成させる。データ生成部232は、生成した音声信号を、データ出力制御部233に出力する。データ出力制御部233は、ステップS342において、データ生成部232からの音声信号に対応する音声を、出力部417を構成する大型スピーカ371−1および371−2に出力させる。
また、装置364−2のデータ取得制御部231は、データ生成部232を制御し、コンテンツの画像データに対応する表示信号を生成させる。データ生成部232は、生成した表示信号を、データ出力制御部233に出力する。データ出力制御部233は、ステップS342において、データ生成部232からの表示信号に対応する画像を、出力部417を構成する大画面ディスプレイ372に表示させる。
以上により、図23に示されるように、大型スピーカ371−1および371−2からは、図22において携帯端末32のスピーカ113から出力されていた音声の続きの音声461が出力され、大画面ディスプレイ372には、図22において携帯端末32のLCD112から出力されていた画像の続きの「風景」の画像が表示される。
以上のように、ユーザは、指向性アンテナ41−1および指向性アンテナ41−2の通信可能領域41ABに、携帯端末32を配置させるだけで、携帯端末32を、ネットワーク312に接続させることができる。
これにより、携帯端末32が、サーバ363から視聴中のコンテンツのデータを、ネットワーク312に接続されている他の装置に送信して、他の装置が有する大型スピーカ371−1および371−2や、大画面ディスプレイ372から出力させることができる。
すなわち、ユーザは、複数の指向性アンテナの通信可能領域に、携帯端末を配置させるだけで、小さな携帯端末のLCDやスピーカで視聴していたコンテンツを、ネットワークに接続されている他の装置の大型スピーカや大画面ディスプレイで視聴することができる。
以上のように、所定の空間内に、複数の指向性アンテナの通信可能領域を形成し、形成された通信可能領域を利用することにより、所定の空間内のユーザに、それぞれが存在する領域の性質に応じて、異なるレベルのサービスを行うことができる。
なお、上記説明においては、動画像、静止画像や音楽コンテンツを用いて説明したが、本発明は、動画像、静止画像や音楽に限らず、アプリケーションなどのコンテンツにも適用することができる。
また、上記説明においては、ネットワークに接続される装置として、携帯端末または大型スピーカや大画面ディスプレイを有する装置の例を説明したが、パーソナルコンピュータで構成することができることはもちろん、例えば、携帯電話機、その他のPDA(Personal Digital Assistant)機器や、AV(Audio Visual)機器などの再生装置、記録再生装置や家電(家庭用電化製品)などのCE(Consumer Electronics)機器などで構成することもできる。
さらに、上記説明においては、指向性アンテナを用いる無線通信の方式として、IEEE802.11bを用いて説明したが、IEEE802.11b方式のみに限定されず、本発明は、IEEE802.11a方式、Bluetooth(登録商標)、あるいは、その他の方式にも適用される。さらに、本発明は、指向性アンテナを用いずとも指向性を有する無線通信方式にも適用される。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、図5または図21に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)81または421、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)82または422、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)83または423、もしくは半導体メモリ84または424などよりなるリムーバブルメディアのようなパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM53または412や、記憶部57または418に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体から図5や図21のコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、デジタル衛星放送用の人工衛星を介して、図5や図21のコンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、図示せぬネットワークを介して、図5や図21のコンピュータに有線で転送してインストールすることもできる。
なお、本明細書において、フローチャートに示されるステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
11−1,11−2 通信装置,11A,11B,11AB 通信可能領域,12−1乃至12−3 通信装置,12A,12B,12C,12AB,12BC,12ABC 通信可能領域,21 サービス提供システム,31−1乃至31−3 通信装置,32 携帯端末,33 ネットワーク,41−1乃至41−3 指向性アンテナ,41A,41B,41C,41AB,41BC,41ABC 通信可能領域,42 通信アンテナ,201 サービス提供システム,211−1乃至211−3 通信装置,301 サービス提供システム,311−1乃至311−3 通信装置,312 ネットワーク,313−1乃至313−3 携帯端末,351 サービス提供システム,363 サーバ,364−1,364−2 装置