JP4635220B2 - 複数の化学物質の測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被検試料中に含まれる複数の化学物質の測定方法に関する。
被検試料中の化学物質の濃度を測定するためには、目的とする化学物質の濃度を測定できるセンサが種々用いられている。しかし、一般に、センサの特異性は必ずしもそれほど高くはなく、被検試料中に複数の化学物質が含まれる場合には、それらが互いに影響を及ぼすため、単にセンサ応答を測定するだけでは正確な化学物質濃度を測定することができない。
本願発明者らは、先にニューラルネットワークを利用して、複数の化学物質の濃度の測定方法を発明し、特許出願した(特許文献1)。また、本願発明者らは、先に妨害物質が共存する被検試料中の被検物質の濃度を簡便、かつ正確に測定することができる、ニューラルネットワークを用いた被検物質の定量方法を提供した(非特許文献1)。
日本分析化学会第53年会講演要旨集 文献「ニューロコンピューティング入門」(森北出版 1997年、坂和正敏・田中雅博 共著) Using Additive Noise in Backpropagation Training L.Holmstrom, P.Koistinen, IEEE Trans. Neural Networks, Vol.3, No.1, pp.24-38, Jan (1992)) 「乱数とモンテカルロ法」(森北出版、1978年、宮武修、脇本和昌 共著) 国際公開公報WO 03/044498 A1
上記のとおり、ニューラルネットワークを利用して被検試料中の複数の化学物質の濃度を測定する方法は、既に知られている。しかし、これらの公知の方法よりもさらに正確に化学物質濃度を測定することができれば望ましいことは言うまでもない。センサ応答に基づき、ニューラルネットワークを駆使して化学物質濃度を推定する場合、データ数が多いほど正確な推測が可能になるが、化学データはいちいち計測する必要があるため、データの数には限りがある。限られたデータ数でもより正確に化学物質濃度を測定することが可能な方法が望まれる。
したがって、本発明の目的は、ニューラルネットワークを利用して被検試料中の複数の化学物質の濃度を測定する公知の方法よりもさらに正確に該化学物質の濃度を測定することができる、被検試料中の複数の化学物質の濃度の測定方法を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、測定された実データの系の確率分布を推定し、推定分布に従って生成した多数の擬似データ生成し、これをニューラルネットワークに学習させることにより、限られた実測データ数でも高精度に被検試料中の複数の化学物質の濃度を測定することが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、各既知濃度の複数の化学物質を含む標準試料に、該化学物質の濃度を測定する1又は複数のセンサを適用し、センサ応答を測定することにより、複数の該化学物質の濃度とそれに対応するセンサ応答の組みからなる化学データを得る第1工程と、
得られた化学データを滑らかに補間する曲面を作成する第2工程と、
第2工程における化学データの補間誤差を確率変数として捉え、補間誤差の確率密度関数を推定する第3工程と、
前記第3工程で得られる補間誤差の推定確率密度関数に従う擬似乱数ベクトルを生成し、前記第2工程において得られた補間曲面上のベクトルからランダムに選び出したベクトル擬似補間ベクトルに、擬似補間誤差ベクトルとして足し合わせて新たなデータベクトルを生成することを多数繰り返すことで、補間曲面・補間誤差の特徴を反映した多数のデータベクトルである擬似データを生成する第4工程と、
前記第4工程で生成した前記擬似データをニューラルネットワークに学習させる第5工程と、
未知の被検試料について前記センサを適用し、センサ応答を測定する第6工程と、
前記第5工程で学習済みとなったニューラルネットワークに、第6工程で測定されたセンサ応答を入力し、前記ニューラルネットワークの出力より複数の該化学物質の未知濃度を推定する第7工程とを含む、被検試料中の複数の化学物質濃度の測定方法を提供する。
本発明により、限られた実測データ数でも高精度に被検試料中の複数の化学物質の濃度を測定することが可能な複数の化学物質濃度の新規な測定方法が提供された。本発明の方法によれば、測定された実データの系の確率分布を推定し、推定分布に従って生成した多数の擬似データ生成し、これをニューラルネットワークに学習させるので、限られたデータ数でもより正確に化学物質濃度を測定することが可能である。
工程1
工程1では、各既知濃度の複数の化学物質を含む標準試料に、該化学物質の濃度を測定する1又は複数のセンサを適用し、センサ応答を測定することにより、複数の該化学物質の濃度とそれに対応するセンサ応答の組みからなる化学データを得る。この工程自体は公知の方法により行うことができる。
センサとしては、目的とする化学物質濃度を測定することができる、公知のいずれのセンサをも利用することができる。下記実施例では、その濃度の測定を目的とする1つの標的物質を基質とする酵素を含む酵素電極を作用電極として用いるボルタンメトリーにおいて複数の電位における電流を測定することにより化学データを得たが、必ずしもこの方法に限定されるものではなく、測定原理を異にする他の種々の公知のセンサを用いることができる。また、下記実施例では、目的とする標的物質の濃度を測定できる1つのセンサを用い、その測定を妨害する妨害物質の存在下で標的物質の濃度及び妨害物質の濃度を測定したが、本発明の方法は必ずしもこのような場合に限定されるものではなく、求めたい複数の化学物質の濃度をそれぞれ異なるセンサで測定することもできる。
工程2
本工程では、「工程1」で得られたデータの補間を行う。以下、データの補間に先立ち行われる前処理について、「工程2-1」、「工程2-2」に記す。また前処理後のデータの補間について「工程2-3」に記す。
[工程2-1 センサ応答に対する前処理]
Figure 0004635220
Figure 0004635220

Figure 0004635220
下記実施例では120成分の応答を扱うので、となる。

Figure 0004635220
に対して
Figure 0004635220
のように変換を施す。
Figure 0004635220

Figure 0004635220
以上の変換を前処理として行い、[0,1]の範囲に正規化されたセンサ応答ベクトル
Figure 0004635220
を導出する。
[工程2-2 化学物質の濃度に対する前処理]
Figure 0004635220
Figure 0004635220
下記実施例では、4種類の化学物質の濃度推定を行うので、J=4となる。前処理として、
Figure 0004635220
に対して
Figure 0004635220
として変換を行う。
この変換により、[0.1,0.9]の範囲に正規化されたベクトル
Figure 0004635220
を導出する。
下記実施例では、データの構成は下記表1に示すとおりである。
Figure 0004635220
[工程2-3 データの補間]
Figure 0004635220
Figure 0004635220
各データセットにおいて、データセットの各要素間を滑らかに内挿する。内挿法としは階層型ニューラルネットワークが望ましい。階層型ニューラルネットワークについては、非特許文献2に記載がある。階層型ニューラルネットワークは結合加重wを調整することで、非線形関数を近似する能力を持つ。
本工程では、各データセット
Figure 0004635220
ごとに階層型ニューラルネットワークを用意する。データセットiを学習し、データセットiの各要素間を補間する階層型ニューラルネットワークをANNi Interpolationとする。
ANNi Interpolationによる、データセット
Figure 0004635220
の学習では、各要素
Figure 0004635220
中の
Figure 0004635220
をANNi Interpolationの入力とし、
Figure 0004635220

Figure 0004635220

Figure 0004635220
からランダムに選ばれたデータ
Figure 0004635220
の学習誤差
Figure 0004635220

Figure 0004635220
Figure 0004635220
ηは学習係数と呼ばれるパラメータである。woldは前回の学習で得た結合加重を、wnewは今回の学習で更新した結合荷重を表す。学習を行った後、ANNi Interpolationの入出力関係によってデータセット
Figure 0004635220
の各要素間は滑らかに補間される。階層型ニューラルネットワークの構造および学習に関するパラメータは下記表2のように設定した。
Figure 0004635220
はANNi Interpolation
Figure 0004635220
を入力した時の出力を表す。wiはANNi Interpolationの結合加重を表す。
Figure 0004635220
以上の学習を各データセット
Figure 0004635220
について行い、各データセットの要素を補間する
Figure 0004635220
の結合加重
Figure 0004635220
を導出する。以後、学習により導出した結合加重
Figure 0004635220
を用いて、学習済みのANNi Interpolationの出力を
Figure 0004635220
として表す。
工程3
本工程では、「工程2」のデータ補間における補間誤差を確率変数として捉え、補間誤差の確率密度関数を推定する。以下、「工程3-1」において補間誤差の算出法について、「工程3-2」において補間誤差の前処理について、「工程3-3」では補間誤差の分布の推定について記す。
[工程 3-1 補間誤差の算出]
データセット
Figure 0004635220
に対するANNi Interpolationの補間誤差について、d番目のデータ
Figure 0004635220
に対する補間誤差をeidとして下記のように導出する。
Figure 0004635220
[工程3-2 補間誤差の前処理]
各補間誤差
Figure 0004635220
に対し、下記のようなスケール変換を前処理として行う。
Figure 0004635220
[工程3-3 補間誤差の分布推定]
各データセット
Figure 0004635220

Figure 0004635220
Figure 0004635220
を定義する。
補間誤差ベクトルを確率変数ベクトル
Figure 0004635220
として考える。
Figure 0004635220

Figure 0004635220
Figure 0004635220
ここでsは補間誤差ベクトルの標本共分散行列を表している。
ただしsが正則、つまりS-1が存在するために下の式のように
対角成分に小さな正数Δを加える。
Figure 0004635220
ここでEはIxIの単位行列を表す。
Δは0.01に設定した。
パラメータhは以下のように設定する。
Figure 0004635220
Figure 0004635220
に対して、
Figure 0004635220
を算出し、
Figure 0004635220
を最大化するhmaxをパラメータhとして採用する。
この設定法はCross-Validated-Methodと呼ばれ、非特許文献3に記載がある。hmaxの探索は以下のアルゴリズムで行う。
[工程3-3-2 hmaxの探索法]
次のようなアルゴリズムでhmaxを探索する。
(i)初期化
探索範囲の下限α及び上限β(α<β)、探索幅
Figure 0004635220
を決定。
Figure 0004635220
とする。
(ii)繰り返し
(ii-ア) hに
Figure 0004635220
を加える。h>βなら終了。そうでなければ(ii-イ)へ進む。
(ii-イ)
Figure 0004635220
なら
Figure 0004635220
とする。(ii-ア)へ戻り、
さらに繰り返す。
パラメータは下記の表3のように設定した。
Figure 0004635220
工程4
本工程では、「工程2」で得られた補間および「工程3」で推定した補間誤差の分布についての特徴を反映した擬似データを生成する。以下、「工程4-1」において、補間誤差ベクトルの推定確率密度関数P(ε)に従う擬似乱数である「擬似補間誤差ベクトル」を生成する手法を記す。「工程4-2」においては、「工程2」で補間された曲面上に存在するベクトルから、一様な擬似乱数に基づいて「擬似補間ベクトル」を生成する方法を、「工程4-3」では、擬似補間誤差ベクトルおよび擬似補間ベクトルを用いて擬似データを生成する手法を記す。
[工程4-1 擬似補間誤差ベクトルの生成]
補間誤差ベクトルの推定確率密度関数P(ε)に従う擬似的な乱数により擬似補間誤差ベクトルを生成する。P(ε)に従う擬似補間誤差ベクトル
Figure 0004635220
を生成する手法は以下の通りである。
まず、独立な(0,1)の一様分布から2I個の独立した乱数
Figure 0004635220
を生成し、
Figure 0004635220
について
Figure 0004635220
を算出する。そして、0からNまでの整数の中から等確率で1つの整数を選び出す。その整数Zにより
Figure 0004635220
として、擬似補間誤差ベクトル
Figure 0004635220
を算出する。
ここで
Figure 0004635220
DはS=DTDとなるような三角行列である。Dはcholesky分解により求める。cholesky分解については非特許文献4に記載がある。
さらにアフィン変換
Figure 0004635220
を前処理として行い、前処理済みの擬似補間誤差ベクトル
Figure 0004635220
を算出する。
以上の作業をある上限a1回繰り返すことで、P(ε)に従うa1個の擬似補間誤差ベクトルを前処理したベクトルの集合
Figure 0004635220
を得る。
[工程4-2 擬似補間ベクトルの生成]
データを補間する階層型ニューラルネットワーク
Figure 0004635220
を用いて、データ間を補間する曲面上において、ランダムにベクトル:擬似補間ベクトルを生成する。
擬似補間ベクトルは以下のように生成される。
まず、
Figure 0004635220

Figure 0004635220

Figure 0004635220
を生成し、ランダムな入力ベクトル
Figure 0004635220
とする。
次に、各
Figure 0004635220
に入力し、各ANNi Interpolationから出力
Figure 0004635220
を導出し、ベクトル
Figure 0004635220
を生成する。このようにして、データを補間する曲面上のベクトル
Figure 0004635220
を擬似補間ベクトルとして生成する。
以上の操作を上限回数a2まで行うことにより、擬似補間ベクトルの集合
Figure 0004635220
を導出する。
[工程4-3 擬似データの生成]
「工程4-1」、「工程4-2」で生成した擬似補間誤差ベクトルと擬似補間ベクトルにより擬似データを生成する。
擬似データの生成アルゴリズムは以下の通りである。
(i)初期化
b=1とする。
(ii)繰り返し
(ii-1) 1からa1までの整数をランダムに選択(すべての整数が選ばれる確率は等確率)。
選ばれた整数をA1とする。
(ii-2) 1からa2までの整数をランダムに選択(すべての整数が選ばれる確率は等確率)。
選ばれた整数をA2とする。
(ii-3)
Figure 0004635220
とする。
(ii-2) bが上限a3を上回れば終了。そうでなければbに1を加え、(ii-1)に戻り、 さらに繰り返す。
以上のアルゴリズムにより擬似データの集合
Figure 0004635220
パラメータa1、a2、a3は下記表4のように設定した。
Figure 0004635220
工程5
本工程では、センサ応答を入力とし、センサ応答に対応する複数の該化学物質の未知濃度を出力する階層型ニューラルネットワークANNquantificationの学習を行う。ANNquantificationの学習には、擬似データの集合
Figure 0004635220
を用いる。
[工程5-1 擬似データの前処理]
ANNquantificationに擬似データの集合
Figure 0004635220
を学習させる前に、前処理としてスケール変換を行い、
Figure 0004635220
を算出する。
Figure 0004635220
[工程5-2 階層型ニューラルネットワークによる擬似データの学習]
前処理済みの擬似データの集合
Figure 0004635220
をANNquantificationに学習させる。入力には
Figure 0004635220
を、出力への教師信号として
Figure 0004635220
を与える。学習はオンラインモードのバックプロパゲーションで行う。オンラインモードのバックプロパゲーションでは、一回の学習につきランダムに選ばれたi番目のデータに対する学習誤差
Figure 0004635220
を小さくするように、階層型ニューラルネットワークANNquantificationの結合加重wを以下の式のように調整していく。
Figure 0004635220
構造及び学習に関するパラメータは下の表5のように設定した。
Figure 0004635220
ここで、
Figure 0004635220
は結合加重wを持つANNquantification
Figure 0004635220
を入力したときのANNquantificationの出力ベクトルを表す。
以上の学習によりANNquantificationの結合加重がw*に調整される。学習済みのANNquantification
の出力を
Figure 0004635220
表す。
工程6
本工程では、未知濃度の複数の化学物質を含む未知試料に対して、工程1と同様にセンサを適用し、センサ応答を測定する。
工程7
本工程では、「工程4」で擬似データを学習した階層型ニューラルネットワークANNquantificationを利用して未知資料のセンサ応答から未知試料に含まれる複数の化学物質の濃度を推定する。
[工程7-1階層型ニューラルネットワークによる未知濃度推定]
濃度が未知の試料に対するセンサ応答
Figure 0004635220
から、擬似データを学習した階層型ニューラルネットワークを利用して試料の未知濃度を推定する。まずセンサ応答を正規化するための前処理を下記の式のように行う。
Figure 0004635220
正規化されたセンサ応答
Figure 0004635220
を学習済みのANNquantificationに入力し、ANNquantificationの出力
Figure 0004635220
により、センサ応答に対する試料の正規化された未知濃度を推定する。gjはANNquantificationのj番目の出力ユニットからの出力である。下記の式のように、正規化された形から元のスケールになるよう変換を行う。
Figure 0004635220
そして、
Figure 0004635220
をi番目の化学物質の未知濃度として、複数の化学物質の未知濃度を推定する。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
工程1
(1) 試薬
本研究に用いた試薬は以下の通りである。
GOD: Aspergillus niger 由来Type II-S (EC 1.1.3.4) Sigma-Aldrich社製
ポリ (エチレングリコール)ジグリシジルエーテル (分子量400): Aldrich社製
アスコルビン酸(AA):和光純薬工業製
アセトアミノフェン(AAP): 和光純薬工業製
尿酸( UA): 和光純薬工業製
リン酸緩衝食塩水 (PBS), pH7.4: Gibco BRL製
(2) オスミウムメディエーターの作製
ポリ (1-ビニルイミダゾール)n-オスミウム(PVIn-Os)はAdam Hellerらの手法(Anal. Chem. 1993, 65, 3512-3517)に従って合成した。具体的には次のようにして合成した。すなわち、6 mlの1-ビニルイミダゾールと0.5 gの2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)をアルゴン気流下で2時間、70℃で加熱した。反応溶液を放冷後、生じた沈殿をメタノールに溶解し、その溶液をアセトンに攪拌しながら滴下した。溶液を濾過し、黄色い沈殿(ポリビニルイミダゾール)を濾取した。ポリイミダゾールとビス(2,2'-ビピリジン)ジクロロオスミウムをエタノール中で3日間還流し、オスミウムメディエーター(PVIn-Os)を合成した。
(3) 装置
電気化学測定には以下のポテンショスタットおよび電極を用いた。
ALS CH Instruments Electrochemical Analyzer Model 1000
φ3 mm PFCEカーボン電極(BAS社製)
Ptカウンター電極(BAS社製)
飽和KCl銀塩化銀参照電極(BAS社製)
(4) グルコース電極の作製
メディエーターPVIn-Osおよび架橋剤ポリ (エチレングリコール)ジグリシジルエーテル(peg 400)をそれぞれ5 mg/ml,2.5 mg/mlになるよう、純水(Milli-Q(商品名)水)にて溶解した。また、GODは4 mg/ml になるよう、PBSにて溶解した。
研磨したカーボン電極表面にPVIn-Os溶液2μl,GOD溶液2μl,peg 400溶液1.2μlをマイクロシリンジにて滴下し、シリンジの先を用いて溶液をよく混合した。室温・遮光条件で48時間乾燥させ、電極表面上に酵素固定化膜を作製した。
(5) 測定
グルコースおよび共存妨害物質の電気化学測定は酵素を固定した作用電極、Pt対極、Ag|AgCl参照極を用いた3電極系によるCVにて行った。装置の設定値は以下のとおりであった。
最低電位: 0 V
最高電位: 0.6 V
スキャン速度: 0.5 V/s
試料間隔(sample interval): 0.001 V
感度: 1x10-5 A/V
CVは、具体的には次のようにして行なった。すなわち、電気化学測定用セルに測定溶液を入れ、ポテンショスタットにつないだ作用電極、対極、参照極を差し入れた。電極に溶液をなじませて3分間静止した後、ポテンショスタットにて作用電極に0-600 mVの間で1 mV間隔に観測される電流を検出した。
測定では、10 mlのPBSにグルコースと共存妨害物質の溶液を添加した後3分間静置して各濃度のサンプルに対する電流を測った。
下記の表6のような、センサ応答、複数の化学物質の組計30個をデータとしてサンプリングした。
Figure 0004635220
より詳細には、前記複数の30組のデータは、下記の表7に示す通りであった。
Figure 0004635220
工程2〜7
工程2〜7は、先に詳述した方法により行なった。
結果
30個のデータを用い、leave-one-outクロスバリデーションを行った結果、以下の表8のような濃度推定結果が得られた。
Figure 0004635220
表8の推定値と実験値の相違を平均相対誤差で評価した結果を表9に示す。
Figure 0004635220
以上のように、本手法では少ないデータを利用した場合において、複数の化学物質の濃度を精度良く推定することができる。
工程2についてのソースコードを図1〜図16に示す。工程3,工程4についてのソースコードを図17〜図26に示す。 (ただし工程3-3における標本共分散行列の逆行列の算出は図27〜図31、工程4-1のcholesky分解についてのソースコードは図32〜図36である。)工程5,工程6についてのソースコードを図37〜図51に示す。
工程2に用いたニューラルネットワークのソースコードを示す図である。 図1の続きを示す図である。 図2の続きを示す図である。 図3の続きを示す図である。 図4の続きを示す図である。 図5の続きを示す図である。 図6の続きを示す図である。 図7の続きを示す図である。 図8の続きを示す図である。 図9の続きを示す図である。 図10の続きを示す図である。 図11の続きを示す図である。 図12の続きを示す図である。 図13の続きを示す図である。 図14の続きを示す図である。 図15の続きを示す図である。 工程3及び4に用いたニューラルネットワークのソースコードを示す図である。 図17の続きを示す図である。 図18の続きを示す図である。 図19の続きを示す図である。 図20の続きを示す図である。 図21の続きを示す図である。 図22の続きを示す図である。 図23の続きを示す図である。 図24の続きを示す図である。 図25の続きを示す図である。 工程3-3に用いたニューラルネットワークのソースコードを示す図である。 図27の続きを示す図である。 図28の続きを示す図である。 図29の続きを示す図である。 図30の続きを示す図である。 工程4-1に用いたニューラルネットワークのソースコードを示す図である。 図32の続きを示す図である。 図33の続きを示す図である。 図34の続きを示す図である。 図35の続きを示す図である。 工程3及び4に用いたニューラルネットワークのソースコードを示す図である。 工程5及び工程6に用いたニューラルネットワークのソースコードを示す図である。 図38の続きを示す図である。 図39の続きを示す図である。 図40の続きを示す図である。 図41の続きを示す図である。 図42の続きを示す図である。 図43の続きを示す図である。 図44の続きを示す図である。 図45の続きを示す図である。 工程3-3に用いたニューラルネットワークのソースコードを示す図である。 図47の続きを示す図である。 図48の続きを示す図である。 図49の続きを示す図である。 図50の続きを示す図である。

Claims (6)

  1. 各既知濃度の複数の化学物質を含む標準試料に、該化学物質の濃度を測定する1又は複数のセンサを適用し、センサ応答を測定することにより、複数の該化学物質の濃度とそれに対応するセンサ応答の組みからなる化学データを得る第1工程と、
    得られた化学データを滑らかに補間する曲面を作成する第2工程と、
    第2工程における化学データの補間誤差を確率変数として捉え、補間誤差の確率密度関数を推定する第3工程と、
    前記第3工程で得られる補間誤差の推定確率密度関数に従う擬似乱数ベクトルを生成し、前記第2工程において得られた補間曲面上のベクトルからランダムに選び出したベクトル擬似補間ベクトルに、擬似補間誤差ベクトルとして足し合わせて新たなデータベクトルを生成することを多数繰り返すことで、補間曲面・補間誤差の特徴を反映した多数のデータベクトルである擬似データを生成する第4工程と、
    前記第4工程で生成した前記擬似データをニューラルネットワークに学習させる第5工程と、
    未知の被検試料について前記センサを適用し、センサ応答を測定する第6工程と、
    前記第5工程で学習済みとなったニューラルネットワークに、第6工程で測定されたセンサ応答を入力し、前記ニューラルネットワークの出力より複数の該化学物質の未知濃度を推定する第7工程とを含む、被検試料中の複数の化学物質濃度の測定方法。
  2. 前記複数の化学物質は、目的とする1つの標的化学物質と、その測定にとっての妨害物質であり、前記センサは、該標的化学物質を測定するセンサである請求項1記載の方法。
  3. 前記センサ応答の測定は、前記標的物質を基質とする酵素を含む酵素電極を作用電極として用いるボルタンメトリーにおいて複数の電位における電流を測定することにより行われる請求項2記載の方法。
  4. 前記酵素がオキシダーゼである請求項3記載の方法。
  5. 前記オキシダーゼがグルコースオキシダーゼである請求項4記載の方法。
  6. 前記妨害物質が、アスコルビン酸、アセトアミノフェン及び尿酸から成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項5記載の方法。
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