JP4634195B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
一方、短時間で画像形成を行う観点から、感光体から中間転写ベルト上に転写されたトナー像を、その転写後のなるべく早い時期に記録材上に転写することが望まれる。これは、中間転写ベルトからトナー像を転写した後の記録材を機外に排紙するまでのプロセス時間が同じであるとすれば、感光体から中間転写ベルト上に転写されたトナー像をその転写後のなるべく早い時期に記録材上に転写するほど、画像形成スピードが早まるからである。そのため、中間転写ベルト上のトナー像を記録材上に2次転写する2次転写領域は、感光体に対して、中間転写ベルトの表面移動方向下流側のなるべく近接した位置に配置することが望まれる。したがって、2次転写領域で中間転写ベルトの内周面に接触する2次転写ローラも、感光体に対して中間転写ベルト表面移動方向下流側のなるべく近接した位置に配置することが望まれる。
以上の結果、上記平板部材も上記2次転写ローラも、感光体ドラムに対して中間転写ベルト表面移動方向下流側のなるべく近接した位置に配置することが望まれるため、これらの要望の両方に応えるには、両者をなるべく近接するように配置しなければならない。
すなわち、上記平板部材は、中間転写ベルトの弛みや揺れを規制する観点から、高い剛性が求められるため、一般には金属製のものが用いられる。そのため、上記平板部材としては導電性部材であり、これを2次転写バイアスが印加される上記2次転写バイアスローラに近接配置すると、これらの間で放電(リーク放電)が発生するおそれがある。このようなリーク放電が発生すると、画像形成装置自体を誤動作させるノイズが発生したり、上記2次転写バイアスローラに印加される2次転写バイアスが一時的に減少したりするという不具合が発生する。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記バイアス印加支持回転体に回転駆動力を伝達する駆動力伝達手段を有し、該バイアス印加支持回転体を、上記画像形成手段が上記像担持体上に画像を形成する領域の該像担持体表面移動方向下流側近傍に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記画像形成手段により上記像担持体に形成された画像を上記マークとして用い、上記マーク検知手段の検知結果に基づいて、上記画像形成手段が上記像担持体に画像を形成する位置を補正する画像位置補正手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記画像形成手段により上記像担持体に形成された画像を上記マークとして用い、上記マーク検知手段の検知結果に基づいて、上記画像形成手段が上記像担持体に形成する画像の濃度を補正する画像濃度補正手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記放電防止バイアス印加手段として、上記導電性部材以外の他の部材に対してバイアスを印加する別バイアス印加手段を共用することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記別バイアス印加手段は上記バイアス印加手段であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5又は6の画像形成装置において、上記別バイアス印加手段に接続された上記他の部材に対し導電部材によって上記導電性部材を接続することにより、該別バイアス印加手段を上記放電防止バイアス印加手段として共用したことを特徴とするものである。
以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態1に係る画像形成装置としてのプリンタの一例を示す概略構成図である。このプリンタは、4つの潜像担持体としての感光体ドラムを備えた中間転写方式で電子写真方式のタンデム型画像形成装置である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記の数1に示す式で表される。すなわち、形状係数SF−1は、トナーを2次元平面に投影してできる投影面の最大長MXLNGを2乗した数値を、当該投影面の面積AREAで除したものに、100π/4を乗じて得た値である。SF−1の値が100の場合にはトナー形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど真球から外れた不定形であることを示す。
また、このような樹脂フィルムベルト以外にも、弾性層を有するものも用いることができる。弾性層を有する中間転写ベルト10の材料としては、ゴム、エラストマー、樹脂等が使用可能であり、ゴム、エラストマーとしては、例えば、天然ゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンコポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、水素化ニトリルゴム及び熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系及びフッ素樹脂系)等から1種類あるいは2種類以上を用いることができる。また、樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ケトン樹脂、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体及びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体及びスチレンアクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂及びアクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂及び変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等から1種類あるいは2種類以上を用いることができる。
また、中間転写ベルト10の表面に、感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kの汚染(ブリード)防止、トナー固着(フィルミング)防止、トナーの帯電制御、表面抵抗の調整、摩擦係数の制御等の目的で、種々の樹脂からなる表面被覆層を形成することが好ましい。この表面被覆層を形成する樹脂としては、公知の材料から適宜選定して用いることができる。具体的には、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ケトン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリブタジエン樹脂、塩素化ポリエチレン、塩化ビニリデン樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコーン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン・ブタジエン樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂、エチレン・アクリル樹脂などが使用でき、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
また、中間転写ベルト10は、体積抵抗率が107〜1012[Ω・cm]の範囲内で、かつ、表面抵抗率が109〜1015[Ω/□]の範囲内であることが望ましい。中間転写ベルト10の体積抵抗率及び表面抵抗率がこれらの範囲を超えると、転写に必要なバイアス値が高くなり、電源コストの増大を招く。また、転写工程、記録材剥離工程などで発生する放電によって中間転写ベルト10の表面の帯電電位が高くなり、かつ、自己放電が困難になるため、中間転写ベルト10の除電手段を設ける必要も生じてしまい、コストアップにつながる。一方、中間転写ベルト10の体積抵抗率及び表面抵抗率が上述した範囲を下回ると、中間転写ベルト10の帯電電位の減衰が早くなる。そのため、自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流がベルト面方向に流れてしまうためにトナーの飛び散りが発生し、画像のニジミが発生して画質が劣化する。
ここで、中間転写ベルト10の抵抗値は、次の測定方法により測定される値である。すなわち、まず、デジタル超高抵抗微少電流計(アドバンテスト社製:R8340A)にプローブ(内側電極直径50[mm]、リング電極内径60[mm]:JIS-K6911準拠)を接続し、体積抵抗率の測定時は、中間転写ベルト10の表裏に1000[V]の電圧を印加してdischargeを5[秒]として測定を行い、表面抵抗率の測定時は、中間転写ベルト10の表裏に500[V]の電圧を印加してdischargeを10[秒]として測定を行ったものである。この測定時の環境は、温度が22[℃]で、湿度が55[%]に固定した。
また、中間転写ベルト10のベルトクリーニング対向ローラ20に巻き付いたベルト部分との対向位置には、2次転写後の中間転写ベルト10上に残留した転写残トナーを除去するための中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置24が設けられている。ベルトクリーニング装置24は、中間転写ベルト10の表面に当接するクリーニングブレード23を備えており、このクリーニングブレード23により中間転写ベルト表面上の転写残トナーを掻き取ってクリーニングを行う。
具体的には、色ズレ補正制御モードにおいては、まず、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上に色ズレ補正用のトナーパターン(マーク)を形成し、これらの各色トナーパターンを中間転写ベルト10上に転写する。その後、各トナーパターンの位置を反射センサ17の検知タイミングから把握し、各色の相対的な位置ズレ量を算出する。そして、そのズレがなくなるように露光装置の露光タイミングを補正する。
また、画像濃度調整制御モードにおいては、まず、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上に画像濃度調整用のトナーパターン(マーク)を形成し、これらの各色トナーパターンを中間転写ベルト10上に転写する。その後、各トナーパターンの濃度を反射センサ17の受光量から把握し、各色の濃度が目標濃度となるように帯電器4Y,4C,4M,4Kの帯電バイアスや現像器6Y,6C,6M,6Kの現像バイアスを補正する。
なお、色ズレ補正制御モード及び画像濃度調整制御モードの内容は、これに限らず、他の方法であってもよい。
図5は、中間転写ユニットの外観とこれが挿脱されるプリンタ本体部分の内部構成を示す説明図である。
本実施形態1において、中間転写ユニット40は、上記中間転写ベルト10及びこれを掛け渡している2次転写バイアスローラ21、1次転写バイアスローラ11,12,13,14、センサ対向ローラ16、2次転写入口ローラ19、ベルトクリーニング対向ローラ20等の支持回転体を備えており、プリンタ本体に対して挿脱可能な構成になっている。この中間転写ユニット40は、プリンタ本体に対して略水平方向であって図5中矢印Aの方向に本プリンタ本体の正面側から挿脱自在である。以下、図5中矢印Aの方向を前後方向という。
本実施形態1において、センサ対向ローラ16はSUS等の金属製のローラである。そして、このセンサ対向ローラ16は、上述したように最大で−8000[V]のバイアスが印加されるバイアス印加支持回転体である2次転写バイアスローラ21に近接配置されている。詳しくは、2次転写バイアスローラ21に印加され得る最大バイアス(−8000[V])が2次転写バイアスローラ21に印加されたときに、センサ対向ローラ16を接地したとすればこれらの間で放電が発生し得る放電発生距離内に、近接配置されている。これは次の理由による。
一方、短時間で画像形成を行う観点から、各感光体ドラム1Y,1C,1M,1Kから中間転写ベルト10上に転写されたトナー像を、その転写後のなるべく早い時期に記録材上に転写することが望まれる。そのため、2次転写バイアスローラ21も、中間転写ベルト10の表面移動方向再下流側に位置する感光体ドラム1Kに対し、その下流側のなるべく近接した位置に配置することが望まれる。
以上より、センサ対向ローラ16も、2次転写バイアスローラ21も、感光体ドラム1Kに対して、中間転写ベルト10の表面移動方向下流側におけるなるべく近接した位置に配置することが望まれるため、両者は上述したように互いに近接して配置されることになる。
なお、一般に、電位差が1000[V]増えるごとに放電発生距離が1[mm]増えると概算することができる。よって、本実施形態1のように、最大で−8000[V]のバイアスが印加される2次転写バイアスローラ21の場合、その放電発生距離は約8[mm]となり、この距離内にセンサ対向ローラ16を配置するとこれを接地した場合にリーク放電が発生し得る。
図1は、2次転写バイアスローラ21とセンサ対向ローラ16との配置関係等の一例(以下、「構成例1」という。)を示す模式図である。
本構成例1においては、図示のように、2次転写電源を2次転写バイアスローラ21だけでなく、この2次転写バイアスローラ21に対して放電発生距離内に近接配置されたセンサ対向ローラ16にも接続されている。これにより、2次転写バイアスローラ21とセンサ対向ローラ16とをほぼ同電位にすることができる。その結果、2次転写バイアスローラ21にセンサ対向ローラ16が放電発生距離内に近接配置されていても、リーク放電が発生することはない。本実施形態1では、2次転写バイアスローラ21もSUS等の金属製のローラであるため、2次転写バイアスローラ21とセンサ対向ローラ16との間の抵抗値にほとんど差はない。よって、本構成例1によれば、2次転写バイアスローラ21の表面とセンサ対向ローラ16の表面との間の電位差もほとんど差がない。
図6は、2次転写バイアスローラ21とセンサ対向ローラ16との配置関係の他の例(以下、「構成例2」という。)を示す模式図である。
本構成例1においては、図示のように、2次転写電源は2次転写バイアスローラ21に接続されており、この2次転写バイアスローラ21とセンサ対向ローラ16とが導電部材によって互いに電気的に接続されている。本構成例2においても、上記構成例1の場合と同様に、2次転写バイアスローラ21とセンサ対向ローラ16とをほぼ同電位にすることができ、リーク放電の発生を防止できる。
図7は、2次転写バイアスローラ21とセンサ対向ローラ16との配置関係の更に他の例(以下、「構成例3」という。)を示す模式図である。
2次転写バイアスローラ21とセンサ対向ローラ16との間に抵抗差があって、上記構成例1や上記構成例2では2次転写バイアスローラ21の表面とセンサ対向ローラ16の表面との間の電位差が生じる場合がある。この場合でも、その電位差が放電開始電圧以下の小さいものであればリーク放電が発生することはない。すなわち、センサ対向ローラ16に印加されるバイアス(以下、「放電防止バイアス」という。)は、2次転写バイアスローラ21の表面とセンサ対向ローラ16の表面との間の電位差が放電を発生させないようにできるものであればよい。この観点から、本構成例3においては、図示のように、センサ対向ローラ16を2次転写電源とは異なる他の電源に接続している。他の電源は、2次転写バイアスローラ21の表面とセンサ対向ローラ16の表面との間の電位差が放電を発生させない範囲にするような放電防止バイアスをセンサ対向ローラ16に印加できるものであれば何でもよい。すなわち、放電防止バイアス印加専用の電源でも、他の用途に使用されている電源を流用してもよい。他の用途に使用されている電源を流用する場合には、必要に応じて、他の電源とセンサ対向ローラ16との間の電源ライン上にバイアス調整用の素子や回路を設けてもよい。
本構成例3においては、2次転写バイアスローラ21の表面とセンサ対向ローラ16の表面との電位差を放電開始電圧以下とすることができるので、リーク放電の発生を防止できる。
図8は、2次転写バイアスローラ21とセンサ対向ローラ16との配置関係の更に他の例(以下、「構成例4」という。)を示す模式図である。
本構成例4においては、図示のように、2次転写電源は2次転写バイアスローラ21に接続されており、2次転写電源とは異なる他の電源に接続されている他の部材にセンサ対向ローラ16が導電部材によって電気的に接続されている。センサ対向ローラ16が接続される他の部材は、中間転写ベルト10を掛け渡しているローラに限られず、また中間転写ユニット40の外部に設けられるローラ(例えば現像ローラ)であってもよい。また、当該他の部材としては、その形状や構造に限定されることはなく、あらゆる部材を利用できる。例えばクリーニングブレードに上記2次転写バイアスと同極性のバイアスを印加するような構成を採用している場合、このクリーニングブレードを上記他の部材として利用し、これにセンサ対向ローラ16を接続するようにしてもよい。
本構成例4においても、上記構成例3と同様に、2次転写バイアスローラ21の表面とセンサ対向ローラ16の表面との電位差を放電開始電圧以下とすることができるので、リーク放電の発生を防止できる。
次に、本発明の参考例(以下、本参考例を「参考例1」という。)について図面を参照しながら説明する。
図9は、本参考例1に係る画像形成装置としてのプリンタの一例を示す概略構成図である。このプリンタは、4つの潜像担持体としての感光体ドラムを備えた直接転写方式で電子写真方式のタンデム型画像形成装置である。なお、タンデム画像形成部の構成、給紙機構26,27,28の構成、定着装置25の構成等の上記実施形態1と同じ構成部分については説明を省略する。
感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上の各色トナー像は、上記転写領域で、この領域に搬送ベルト110の表面に担持された状態で搬送されてくる記録材29上に順次重なり合うように転写される。そして、この転写領域で各色トナー像が転写された記録材29は、出口ローラ121の曲率と、この出口ローラ121に印加される分離バイアスとによって搬送ベルト110上から分離し、定着装置25へと送られる。この定着装置25により、記録材29上のトナー像は記録材29に定着され、その後、記録材29は機外へ排紙される。
本参考例1においても、上記実施形態1と同様に、単色モード、2色モード、3色モード、フルカラーモードによって、画像形成を行うことができ、色ズレ補正制御モードと画像濃度調整制御モードも備えている。
次に、本発明の他の参考例(以下、本参考例を「参考例2」という。)について図面を参照しながら説明する。
図10は、本参考例2に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の内部構成を示す斜視図である。図11は、このインクジェット記録装置の機構部の側面図である。
このインクジェット記録装置は、装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ210を有する。このキャリッジ210には、記録ヘッド211が踏査されている。また、装置本体の内部には、記録ヘッド211へインクを供給するインクカートリッジ212も収納されている。装置本体の下部には、複数枚の記録材202を積載可能な給紙カセット203が正面側から抜き差し自在に装着されている。また、装置本体には、記録材202を手差しで給紙するための手差しトレイ204を開倒可能に取り付けられている。本インクジェット記録装置は、給紙カセット203または手差しトレイ204から給送される記録材202を取り込み、キャリッジ210の記録ヘッド211によって当該記録材上に画像を形成した後、背面側に装着された排紙トレイ205に排紙されるようになっている。
次に、上記実施形態1で説明したプリンタに上記構成例1を採用した実施例について説明する。
図12は、本実施例における2次転写バイアスローラ21及びセンサ対向ローラ16のプリンタ本体側の軸端部を示す模式図である。
本実施例において、2次転写バイアスローラ21及びセンサ対向ローラ16のプリンタ本体側軸端部は、それぞれ、中間転写ユニット40の支持フレーム41に対し、軸受部50A,50Bを介して回転自在に支持されている。これらの軸受部50A,50Bは、導電性をもつ円筒状の外ケーシングと、これと同軸の導電性をもつ円筒状の内ケーシングとによって内部に密閉空間を形成し、その密閉空間内に導電性のボールベアリングを複数充填したで導電性軸受である。この密閉空間内の隙間には導電性のオイルが充填されている。これらの軸受部50A,50Bの内ケーシングに2次転写バイアスローラ21及びセンサ対向ローラ16の回転軸21a,16aがそれぞれ取り付けられる。これらの軸受部50A,50Bは、樹脂で形成された絶縁性をもつ支持フレーム41に取り付けられる。
特に、上記実施形態1(上記構成例1乃至4を含む。)においては、上記環状のベルトが像担持体としての中間転写ベルト10であり、この中間転写ベルト10上に画像(トナー像)を形成する画像形成手段としてのタンデム画像形成部を備えた画像形成装置としてのプリンタを例に挙げて説明した。このプリンタによれば、2次転写バイアスローラ21とセンサ対向ローラ16とを近接配置してもこれらの間でリーク放電が発生するのを防止できる結果、リーク放電の発生による不具合、具体的には、プリンタ自体を誤動作させるノイズの発生や、2次転写領域に形成される転写電界が一時的に弱まり、また転写電流が一時的に少なくなることによる部分的な2次転写の抜けなどが発生するのを防止できる。
また、上記実施形態1(上記構成例1乃至4を含む。)においては、2次転写バイアスローラ21に印加された2次転写バイアスにより、中間転写ベルト10上に形成されたトナー像を記録材上に転写する。すなわち、上記バイアス印加支持回転体が2次転写バイアスローラ21である。2次転写バイアスローラ21は、一般にタンデム画像形成部等の画像形成手段に対して中間転写ベルト10の表面移動方向下流側のなるべく近接した位置に配置されるのが望ましい。このような位置は、センサ対向ローラ16等の他の部材の配置にも適する場合が多く、そのため2次転写バイアスローラ21にはこのような他の部材が近接配置したいことが多い。上記実施形態1(上記構成例1乃至4を含む。)においては、リーク放電の発生を防止できるので、この要望に応えることができる。
また、上記実施形態1(上記構成例1乃至4を含む。)のプリンタは、上記2次転写バイアスローラ21に回転駆動力を伝達する駆動力伝達手段としての駆動源等を備えており、タンデム画像形成部が中間転写ベルト10上にトナー像を形成する領域(1次転写領域)の中間転写ベルト表面移動方向下流側近傍に、2次転写バイアスローラ21を配置している。これにより、2次転写バイアスローラ21が駆動ローラ(駆動支持回転体)となるので、1次転写領域における中間転写ベルトが張り側となって突っ張ることになる。よって、1次転写領域で中間転写ベルト10が弛むことはなく、正確な1次転写が可能になる。
また、上記実施形態1(上記構成例1乃至4を含む。)のプリンタでは、上記タンデム画像形成部が、潜像担持体としての感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上にトナー像を形成して各トナー像を中間転写ベルト10上に転写するものである。この実施形態では、バイアス印加支持回転体が2次転写バイアスローラ21である場合について説明したが、1次転写バイアスローラ11,12,13,14であってもよい。すなわち、1次転写バイアスローラ11,12,13,14にセンサ対向ローラ16などの導電性部材を近接配置したい要望も考えられ、この場合もリーク放電の問題が生じ得る。したがって、上述した構成例1乃至4などの構成を採用してリーク放電を防止することにより、この要望に応えることができる。
また、上記参考例1及び2においては、上記環状のベルトが、外周面に記録材を担持して搬送するための記録材搬送部材としての搬送ベルト110,227であり、この搬送ベルト上の記録材にトナー像を形成する画像形成手段としてのタンデム画像形成部を備えた画像形成装置としてのプリンタを例に挙げて説明した。このプリンタによれば、バイアス印加支持回転体である出口ローラ121,231と、導電性部材であるセンサ対向ローラ116又はテンションローラ232とを近接配置しても、これらの間でリーク放電が発生するのを防止できる。その結果、リーク放電の発生による不具合、具体的には、プリンタ自体を誤動作させるノイズの発生や、分離バイアスが一時的に弱まることによる分離不良などが発生するのを防止できる。
また、上記参考例1では、上記タンデム画像形成部が、像担持体としての感光体ドラム1Y,1C,1M,1K上にトナー像を形成して各トナー像を搬送ベルト110,227上の記録材上に転写するものである。この参考例1では、バイアス印加支持回転体が出口ローラ121である場合について説明したが、転写バイアスローラ111,112,113,114であってもよい。すなわち、転写バイアスローラ111,112,113,114にセンサ対向ローラ116などの導電性部材を近接配置したい要望も考えられ、この場合もリーク放電の問題が生じ得る。したがって、上述した構成例1乃至4などの構成を採用してリーク放電を防止することにより、この要望に応えることができる。
また、上記実施形態1及び参考例1(上記構成例1乃至4を含む。)では、中間転写ベルト10又は搬送ベルト110の内周面にセンサ対向ローラ16,116が接触した部分の外周面と対向する位置に、中間転写ベルト10又は搬送ベルト110上のマークであるトナーパターンを検知するマーク検知手段としての反射センサ17を有する。このような構成においては、反射センサ17で正確にトナーパターンを検知すべく、その検知領域のベルト部分の弛みをなくすためにセンサ対向ローラ16,116等のバックアップ部材を設けるのが望ましい。そして、センサ対向ローラ16,116等のバックアップ部材は、ベルト部分の弛みをなくすための剛性が必要とされ、一般には金属等の導電性材料から形成される。このようなバックアップ部材を配置する場合、2次転写バイアスローラ21や出口ローラ121等のバイアス印加支持回転体に近接配置すると、リーク放電の問題が発生し得る。上述した構成例1乃至4などの構成を採用してリーク放電を防止することにより、センサ対向ローラ16,116等のバックアップ部材の配置の自由度を高めることができる。
また、上記実施形態1及び参考例1(上記構成例1乃至4を含む。)では、タンデム画像形成部により中間転写ベルト10又は搬送ベルト110に形成されたトナーパターンをマークとして用い、反射センサ17の検知結果に基づいて、タンデム画像形成部が中間転写ベルト10又は搬送ベルト110上の記録材にトナー像を形成する位置を補正する色ズレ補正制御モードを実行する画像位置補正手段としての制御部が設けられている。これにより、タンデム画像形成部による中間転写ベルト10又は搬送ベルト110上の記録材に対する転写位置を目標位置に補正でき、高品質な画像を形成することができる。
また、上記実施形態1及び参考例1(上記構成例1乃至4を含む。)では、タンデム画像形成部により中間転写ベルト10又は搬送ベルト110に形成されたトナーパターンをマークとして用い、反射センサ17の検知結果に基づいて、タンデム画像形成部が中間転写ベルト10又は搬送ベルト110上の記録材に形成するトナー像の濃度を補正する画像濃度調整制御モードを実行する画像濃度補正手段としての制御部が設けられている。これにより、タンデム画像形成部により中間転写ベルト10又は搬送ベルト110上の記録材に形成する画像の濃度を目標の濃度に補正でき、高品質な画像を形成することができる。
また、上記実施形態1乃至参考例2(上記構成例1乃至4を含む。)では、上記実施形態1で説明したように、センサ対向ローラ16,116又はテンションローラ232に放電防止バイアスを印加する放電防止バイアス印加手段としては、センサ対向ローラ16,116又はテンションローラ232以外の他の部材に対してバイアスを印加する別バイアス印加手段を共用している。具体的には、上記別バイアス印加手段は、センサ対向ローラ16,116又はテンションローラ232が近接配置される2次転写バイアスローラ21又は出口ローラ121,231にバイアスを印加する2次転写電源等である。これにより、放電防止バイアスを印加するための専用の電源を設ける必要がなくなり、省スペース化、低コスト化を図ることができる。
また、上記構成例2及び4で説明したように、上記2次転写電源等に接続された他の部材に対し、導電部材によってセンサ対向ローラ16,116又はテンションローラ232を接続するようにすれば、センサ対向ローラ16,116又はテンションローラ232の電位を、簡易な構成で、当該他の部材とほぼ同電位にすることができる。特に、当該他の部材が、センサ対向ローラ16,116又はテンションローラ232が近接配置される2次転写バイアスローラ21又は出口ローラ121,231であれば、これらの間をほぼ同電位にできることから、リーク放電の発生防止を簡易な構成で実現できる。
また、上記実施形態1で説明したように、上述したベルト装置を構成する構成部材のうちバイアス印加手段及び放電防止バイアス印加手段を別構成としたベルト装置である中間転写ユニット40として構成してもよい。具体的には、上記実施形態1の中間転写ユニット40は、複数の支持回転体に掛け渡された環状のベルトを備え、2次転写電源により2次転写バイアスが印加される2次転写バイアスローラ21に隣接してベルト内周面側に配置されるセンサ対向ローラ16が、これを接地したとすれば2次転写バイアスローラ21に2次転写バイアスを印加したときに放電が発生し得る放電発生距離内に近接配置され、センサ対向ローラ16を2次転写バイアスローラ21と導電部材によって接続している。このような中間転写ユニット40によれば、センサ対向ローラ16と2次転写バイアスローラ21との間を簡易な講師でほぼ同電位にできることから、これらの間のリーク放電の発生防止を簡易な構成で実現できる。なお、上記参考例1や2においても、同様に搬送ベルト110,227を有する搬送ベルトユニットとし、上記実施形態1の中間転写ユニット40と同様の構成とすれば、同様の効果を得ることができる。
また、以上の説明では、センサ対向ローラ16,116又はテンションローラ232等の導電性部材に近接するバイアス印加支持回転体が1つの場合について説明したが、導電性部材に近接するバイアス印加支持回転体が2つある場合にも、本発明は同様に適用することが可能である。この場合、導電性部材に近接する2つのバイアス印加支持回転体が互いに異なる大きさのバイアスが印加されるときには、各バイアス印加支持回転体との間で放電が発生しないような放電防止バイアス、具体的には上記互いに異なる大きさのバイアスの中間値をもつ放電防止バイアスを、導電性部材に印加するようにする。
また、本発明は、画像形成装置に限らず、複数の支持回転体に掛け渡された環状のベルトと、これらの支持回転体のうちの少なくとも1つに所定のバイアスを印加するバイアス印加手段とを備え、このバイアス印加手段によりバイアスが印加されるバイアス印加支持回転体に導電性部材を近接配置することが有効な装置に対して、広く有用である。
10 中間転写ベルト
16,116 センサ対向ローラ
17 反射センサ
21 2次転写バイアスローラ
29,202 記録材
40 中間転写ユニット
110,227 搬送ベルト
121,231 出口ローラ
210 キャリッジ
211 記録ヘッド
232 テンションローラ
Claims (7)
- 複数の支持回転体に掛け渡された環状のベルトからなる像担持体と、
該像担持体上に画像を形成する画像形成手段と、
上記複数の支持回転体のうちの少なくとも1つに所定のバイアスを印加するバイアス印加手段とを備え、
上記バイアス印加手段によりバイアスが印加されるバイアス印加支持回転体に上記所定のバイアスを印加することにより上記像担持体上に形成された画像を記録材上に転写する画像形成装置において、
上記バイアス印加支持回転体に対して上記像担持体の移動方向下流側に隣接して該像担持体の内周面側に配置される導電性部材が、これを接地したとすれば該バイアス印加支持回転体に上記所定のバイアスを印加したときに放電が発生し得る放電発生距離内に近接配置され、
上記所定のバイアスを印加したときの該バイアス印加支持回転体の表面と該導電性部材の表面との電位差が放電を発生しないものとなるように、該導電性部材にバイアスを印加する放電防止バイアス印加手段を有し、
上記像担持体の内周面に上記導電性部材が接触したベルト部分の外周面と対向する位置に、該像担持体上のマークを検知するマーク検知手段を配置したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記バイアス印加支持回転体に回転駆動力を伝達する駆動力伝達手段を有し、
該バイアス印加支持回転体を、上記画像形成手段が上記像担持体上に画像を形成する領域の該像担持体表面移動方向下流側近傍に配置したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2の画像形成装置において、
上記画像形成手段により上記像担持体に形成された画像を上記マークとして用い、
上記マーク検知手段の検知結果に基づいて、上記画像形成手段が上記像担持体に画像を形成する位置を補正する画像位置補正手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2の画像形成装置において、
上記画像形成手段により上記像担持体に形成された画像を上記マークとして用い、
上記マーク検知手段の検知結果に基づいて、上記画像形成手段が上記像担持体に形成する画像の濃度を補正する画像濃度補正手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記放電防止バイアス印加手段として、上記導電性部材以外の他の部材に対してバイアスを印加する別バイアス印加手段を共用することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5の画像形成装置において、
上記別バイアス印加手段は上記バイアス印加手段であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5又は6の画像形成装置において、
上記別バイアス印加手段に接続された上記他の部材に対し導電部材によって上記導電性部材を接続することにより、該別バイアス印加手段を上記放電防止バイアス印加手段として共用したことを特徴とする画像形成装置。
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