JP4632476B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置に係り、特に複数の振動素子が2次元的に配列されているマトリクスアレイプローブを装備してリアルタイムで3次元画像を得ることの可能な超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の循環器用セクタ走査型1次元アレイプローブでは、限られた肋間の音響窓から画角60゜〜90゜のような広範囲の偏向と、アーティファクトノイズを小さくするために必要な十分小さなグレーティングサイドローブレベルの両立という観点から、例えば中心周波数2.5MHz程度のプローブでは1/2波長程度の0.3mm未満の振動素子刻みで64〜128個の振動素子を1次元的に配列して20mm程度の開口を有するものが一般的に用いられている。この場合、エレベーション方向(仰角方向)には振動素子は分割されておらず、従ってこの方向への電子的な走査はできない。
【0003】
近年、このエレベーション方向にも振動素子を分割して、方位方向だけでなくエレベーション方向にも電子的な偏向を可能としたマトリクスアレイプローブにより、電子的な走査によって生体内を3次元で高速に走査することのできるリアルタイム3次元超音波診断装置がデューク大学などから報告されている。ここで、2次元アレイに必要な振動素子の数を考えると、前述の1次元アレイでの要求から最低でも4096(=64×64)程度と非常に大きなものとなる。そこで、2次元アレイに配置された全振動素子の中から適度に間引いた有効振動素子のみを用いることで、必要となる送受信回路のチャンネル数を軽減する方式(以下、スパース方式と称する)が提案されている。
【0004】
システムのコストや消費電力を可能な限り少なく抑えるという点で、スパース方式はリアルタイム3次元超音波診断装置において重要な技術と考えられる。
超音波のビーム幅すなわち方位分解能は、開口の大きさに逆比例するので、高い方位分解能を得るためには、2次元アレイ上において大きな開口で送受信する必要がある。スパース方式を用いて2次元走査(例えばBモード)を行う場合には、その大きな開口の中に使える振動素子を分布させる必要があるので、振動素子の配置密度が小さくなる。
【0005】
一方、リアルタイム3次元超音波診断装置では、リアルタイム性の確保のために一般的には多段(M段とする)の並列同時受信が必要とされる。これは生体内での音速が1500m/sec程度という制約によるもので、超音波の繰り返し周波数が音速/視野深度/2[Hz]以下に制限されることに伴い、例えば16cm程度の視野深度を得るためには超音波の繰り返し周波数は4.6kHz程度に制限される。ここで、走査領域が60゜×60゜、走査間隔が1゜×1゜のセクタ走査の場合、20Volume/sec程度のボリュームレートを得るには、
20[V/s]≧M×4.6k[1/s]/(60×60[V]/1゜×1゜)により、M≧16と大きなMが必要となることが分かる。従って、16=4゜×4゜程度の広い領域に超音波のエネルギーを送信する必要が生ずるので、送信ビーム幅を大きくするためには送信開口がある程度小さく制限されることになる。
【0006】
このことは、従来と同等の方位分解能を得るために配置されたスパースアレイの振動素子配置を用いてリアルタイム3次元用の走査をする場合には、送信開口の制約からに実際に送信に使える有効振動素子数が少なくなるので、送信できる超音波のエネルギーが減少し、感度が劣化するという問題を生ずることを意味する。
【0007】
逆に、リアルタイム3次元用に感度を確保するために、小さい開口に高密度で振動素子を配置したスパースアレイでは、従来のような高い方位分解能を実現することが困難となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、スパース方式でリアルタイム3次元走査を行う超音波診断装置において、開口可変においても、感度と方位分解能とを両立することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2次元的に配列された複数の振動素子と、前記振動素子を介して被検体に超音波を送信する送信回路と、前記振動素子を介して前記被検体からエコーを受信する受信回路とを有する超音波診断装置において、前記複数の振動素子の中の複数の第1振動素子は前記送信回路と前記受信回路との少なくとも一方に接続され、前記複数の振動素子の中の複数の第2振動素子は前記複数の振動素子の中の複数の第3振動素子とそれぞれスイッチにより選択的に前記送信回路と前記受信回路との少なくとも一方に接続されていて、前記スイッチの切り替えにより開口が変化することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
まず、本実施形態の原理について説明する。
ここで、振動素子間隔が0.3mm×0.3mmで、マトリクス数が64×64=4096素子を有する正方形のマトリクスアレイを考える(最大開口19.2mm×19.2mm)。送信と受信共にスパース方式(送受信回路やケーブル等による有効チャンネル数の制限に合わせて、通常それより多い振動素子をランダムあるいは規則的に間引いて駆動すること)で行うのが一般的である。ここでは、有効チャンネル数が1024チャンネルで、それにあわせて送受信を全素子数4096の1/4に相当する1024個の素子で行う例を述べる。
【0011】
従来の2次元走査(例えばBモード)で高い方位分解能を確保するために最大の開口64×64の領域に、ランダムスパースと呼ばれる方式で1024個の振動素子を配置する。振動素子配置の一例を図1(a)に示す。図中の黒い部分が有効振動素子(駆動素子)の位置を表している。また、この開口で中心周波数2.5MHz、帯域幅1.4MHz(比帯域80%)のガウス波形を送信し、焦点を60mm(偏向角は0[゜])にして、60mm深さを観測した場合における方位方向の1次元の音圧分布を計算機でシミュレーションした結果を、図1(b)に実線で示す。図中横軸は角度[゜]を、縦軸は音圧のRMS値を意味し、最大値で規格化した[dB]単位で示した。−6dBでのビーム幅は2.1゜であり、この時のピーク値を0dBとする。
【0012】
一方、図1(a)の振動素子配置で、リアルタイム3次元走査に必要な並列同時受信のために、例えば2倍の広い送信ビーム幅を得るには、開口を半分の32×32の領域に制限する必要がある。するとこの小さい開口の領域には期待値で32×32/4=256個の振動素子が含まれることになる。つまり、小開口駆動の場合、送受信回路側からは1024チャンネル使えるにもかかわらず、256個の振動素子しか活用していない。この条件による開口を図1(a)の中央部の小さい正方領域で、その音圧分布を図1(b)に破線で示す。ビーム幅の違いを分かりやすくするために、本例もその最大値で規格化してある。−6dBでのビーム幅は倍の4.0゜に広がっているが、この場合のピーク値は−11.9dBに減少している。これは焦点上の音圧が振動素子数(厳密には有効振動素子面積)に比例することに伴って送信感度は、約12dB(≒20×Log10(256/1024))劣化する。
【0013】
そこで、本発明においては、小開口駆動でも、大開口駆動の場合と同じく、有効チャンネル数1024のすべてを活用することで感度劣化が起きないようにすることにある。有効チャンネル数は、送信回路のチャンネル数と受信回路のチャンネル数との少ない方に決まるが、一般的には、送信回路のチャンネル数と受信回路のチャンネル数とは同数に設定されている。
【0014】
そこで、図3に原理を示しているように、本実施形態では、マトリクスアレイプローブの例えば4096個の振動素子の中で、アレイ全域の略中央に位置する有効チャンネル数に同じ32×32(1024素子)の大きさの内側領域内のランダムな256個の振動素子(この振動素子を以下、C素子と称する)を送信回路と受信回路に接続するとともに、内側領域の外周を取り囲む3072素子が含まれる外側領域内のランダムな768個の振動素子(この振動素子を以下、L素子と称する)を、内側領域内の残りの768個の振動素子(この振動素子を以下、S素子と称する)と768個のスイッチSWにより送信回路と受信回路とに選択的に接続するものである。なお、外側領域内の残りの2304個の振動素子(この振動素子を以下、A素子と称する)は、送信回路と受信回路とのいずれにも電気的に接続されていないものであある。
【0015】
3次元走査に際しては、内側領域のC素子と、スイッチにより選択した外側領域のL素子との合計1024チャンネルを使って大開口駆動を行い、一方、Bモード等の2次元走査に際しては、内側領域のC素子と、スイッチにより選択した内側領域のS素子との合計1024チャンネルを使って小開口駆動を行う。
【0016】
このようにすれば、大開口駆動時でも小開口駆動時でも常に、最大の1024チャンネルを用いて送受信を行うことができる。従って、大開口の方位分解能重視の用途と、小開口のリアルタイム3次元の用途の両者で最大感度が達成されるものである。
【0017】
特に本実施形態の小開口駆動の場合においては、小開口領域内の全ての振動素子を使うことができるので、感度が改善されるばかりではなく、スパースアレイでの劣化要因であるサイドローブレベルも減少し、アーティファクトノイズが小さくなるという効果も生ずる。これは、論文などで報告されているとおり、分解能(ビーム幅)は振動素子数には大きくは依存せず開口で決まるが、平均的なサイドローブは振動素子数に依存して減少することによる。実際に図2に示した1024素子を用いた小開口駆動時の音圧分布を計算機でシミュレーションした結果によると、図中実線が32×32の小開口領域を1024素子を用いた場合には、従来のようにスパースで256素子だけを用いた破線と比較して、ビーム幅は変わらないが、サイドローブは−2〜−3dB減少している。また、ピーク値は0dBに改善されている。
【0018】
図4には、本実施形態による超音波診断装置の構成を示している。この超音波診断装置は、一般的に、マトリクスアレイプローブヘッド1と、プローブケーブル2と、装置本体3と、主に画像表示を行うディスプレイ4とから構成される。装置本体2は、チャンネル数が例えば1024チャンネルの送信回路31と、通常、送信回路と同じチャンネル数(1024チャンネル)の受信回路32と、送受兼用素子(C素子、S素子)を送信時には送信回路31に、また受信時には受信回路32に接続を切り替えるための電子スイッチ回路35と、受信信号に基づいてBモード等の2次元画像と3次元画像との両方を生成可能な画像生成回路33とを備え、さらに特徴的な構成要素として、大開口駆動と小開口駆動との切り替えを制御する制御回路34を装備している。
【0019】
マトリクスアレイプローブヘッド1には、振動素子が例えば64×64のサイズでマトリクス上にアレイされている素子アレイ11と、3D(3次元)/2D(2次元)のユーザによる選択に伴う制御回路34の制御に従って2種の振動素子(L素子とS素子)を送信回路31及び受信回路32に対して選択的に接続するための例えば768個のスイッチ13を実装したスイッチ回路12とが装備されている。
【0020】
なお、スイッチ回路12は、図4に示したようにマトリクスアレイプローブヘッド1に装備させることには限定されず、図5に示すように、プローブケーブル2のコネクタ21に実装してもよいし、また、図6に示すように、装置本体3に設けてもよい。
【0021】
ここで、768個のスイッチ13に対して個別に制御回路34から制御信号線を配してもよいが、768個のスイッチ13に対する制御回路34からの1本の制御信号線を1個又は複数個のスイッチ13で共用させることで制御線数の削減を図ることができる。これは図4の場合、ケーブル2を細線化できるという利点がある。但し、送信に用いる場合は振動素子を高電圧で駆動するために高耐圧のスイッチ13がある程度の規模で必要となるので、ヘッド1を小さくして操作性を良くしたり、発熱源としないようにするという観点からは、図5のコネクタ21に装備させるか、又は図6の装置本体3に装備させるのが望ましい。
【0022】
スイッチ13の数としては、必要以上に回路構成を大きくしないという意味で、最小限にとどめるのが望ましい。上述の例では、小開口領域で常に用いられる256チャンネルの振動素子(C素子)については、基本的にスイッチ13を必要としないので、送信回路31や受信回路32のチャンネル数よりも少ない数で構成が可能となる利点がある。但し、SWを介在させたチャンネルとそうでないチャンネルとの信号特性の差異が十分小さいことが条件であり、この条件が満足されない場合や、以下に述べるような積極的な用途のために全てのチャンネルにSWを介在させておいてももちろん構わない。
【0023】
次に、歩留まり改善効果を生じる本実施形態の応用例について説明する。本来はスイッチ回路35を介して接続されているはずの内側領域内の256個の振動素子(C素子)に対して、本来は非接続の外側領域内の2304個の振動素子(A素子)から任意の256個を選んで256のペアを組んでおき、各ペアごとにスイッチを介して送信回路31及び受信回路32に接続し、さらに制御回路34からの制御線をスイッチに個別に設けておく。そして、定常的には、スイッチはC素子側に接続しておき、不幸にしてこの256個のC素子の中で製造上の不具合や、経年変化によって特性が劣化しているようなケースが発生したとき、その不具合の生じたC素子に代えてA素子を選択するように、それに対応するスイッチを制御する。
【0024】
同様に、外側領域内の768個の振動素子(L素子)に関しても、本来は非接続の外側領域内の2304個の振動素子(A素子)の残りから任意の768個を選んで768のペアを組んでおき、各ペアごとにスイッチを介して送信回路31及び受信回路32に接続し、さらに制御回路34からの制御線をスイッチに個別に設けておく。そして、定常的には、スイッチはL素子側に接続しておき、不幸にしてこの768個のL素子の中で製造上の不具合や、経年変化によって特性が劣化しているようなケースが発生したとき、その不具合の生じたL素子に代えてA素子を選択するように、それに対応するスイッチを制御する。あるいは、外側領域内の768個の振動素子(L素子)とペアをなす内側領域内の768個の素子(S)との間で、いずれかの素子が不具合になったとき、他方の正常な素子を開口変化に関わらず、選択するようにしてもよい。
【0025】
このようにすれば、常に最大のチャンネル数の振動素子を有効に活用することができるので、感度確保の面からは好ましい。ここで、ランダムスパースの場合は、振動素子の配置がランダムに決められているので、本来の候補以外の振動素子が選択された場合でも、その数が使われている総振動素子素より十分に小さければ平均的なビーム特性は変化しにくいという特性があるので、ビーム特性の劣化の程度は小さいと考えられる。
【0026】
従来の装置では不具合チャンネルの影響を避けるため、通常はそのチャンネルを無効(送信であれば駆動しない、受信であれば重みをゼロにするなど)とすることが多い(不具合のモードがノイズ発生源となるような深刻な場合は特に無効にしなければならない)。このような不具合となる振動素子は従来の1次元アレイでは十分小さく抑えられているが、製造が困難な2次元アレイについては必ずしも十分とは限らないことが考えられる。また、2次元アレイには非常に高価という側面もある。スパースアレイではそもそも振動素子数を間引いているので、感度的に不利であり、有効な振動素子面積を可能な限り大きくするためのこのような工夫は、2次元アレイの信頼性や感度性能の安定性を改善し、場合によっては歩留まり改善するという効果も期待される。
【0027】
なお、上述の説明では、2次元走査時の開口は送信時と受信時とで同じ大開口で変化しないし、また同様に3次元走査時でも、その開口は送信時と受信時とで同じ小開口で変化しないものであった。しかし、3次元走査時には、図7に示すように、送受信でスイッチ13を切り替えて、送信時には、内側領域内のS素子を選択して、小開口駆動を行い、受信時には、外側領域内のL素子を選択して、大開口を用いて受信するようにしてもよい。
【0028】
(第2実施形態)
図8には、第2実施形態に係る超音波診断装置の構成を示している。上述の第1実施形態では、2次元走査時と3次元走査時とで送信開口を変化させ、それに伴って、受信開口も、2次元走査時と3次元走査時とで変化させるようにしていたが、本実施形態では、図8に示すように、外側領域のL素子は、スイッチ13を介して受信回路32には接続されていない。そして、外側領域内の768個のV素子が、受信回路32に接続されている。つまり、受信回路32には、第1実施形態と同様の内側領域のC素子と、外側領域のV素子とが、接続されている。従って、受信開口は、2次元走査時と3次元走査時とで変化しないで、常に、大開口で固定される。
【0029】
そして、受信回路32で行われるビームフォーミングでは、各超音波ビームは多段フォーカスで形成させているが、その開口をフォーカスの深度に応じて実質的に変化させる、つまりフォーカスの深度が浅いところから深くなるに伴って、実質的な開口を大きく拡大させるように変化させ、その開口の変化は、ビームフォーミングにおける各素子の信号加算に際して、重み付け加算を採用し、開口変化に伴って無効とすべき素子の信号に対する重み係数を有効素子よりも極端に低い例えばゼロとか1といった低い値に設定することで好適に実現される。
【0030】
(第3実施形態)
また、図9に示すように、用いる回路のチャンネル数が比較的少ない場合には、送受信兼用素子をなくして、送信専用素子(C素子,S素子,L素子)と、受信専用素子(M素子,N素子)とで完全に分離化することで、受信開口を常に大開口で固定的にしてもよい。ここで、送信回路31及び受信回路32の有効チャンネル数を512と仮定すると、例えば、内側領域の送信専用のC素子は128個、内側領域の送信専用のS素子は384個、内側領域のS素子とスイッチ13を介して送信回路31に選択的に接続される外側領域の送信専用のL素子は384個でそれぞれ設計される。また、受信専用として、内側領域のM素子が128個、外側領域のN素子は384個でそれぞれ設計される。このように送受信で完全に分離すると、送受信切換え用の電子スイッチ回路35が不要になるという効果が生じる。
【0031】
(第4実施形態)
第3実施形態では、送受信で素子11を分離し、しかも受信開口を大口径で固定するようになっていたが、それを可変にしてもよい。図10に示すように、送信に関しては、図9の例と同じである。一方、受信に関しては、内側領域の128個のE素子が受信回路32に固定的に接続され、また内側領域の384個のG素子が、外側領域の384個のH素子と、スイッチ14を介して受信回路32に選択的に接続されるようになっている。このスイッチ14の切り替えにより、受信開口を大開口と小開口とで切り替え可能になる。このように受信開口を切り替え可能とすることにより、例えば肋骨の間にプローブ1を当てて、その間から心臓等を覗き込むように走査する場合には、受信開口を小さくして、肋骨によるバリア効果を低減することができる。
【0032】
(第5実施形態)
超音波診断装置においては、距離方向へのビームのつながりを均一にする目的で、Fナンバー(開口サイズ/焦点距離)を一定に保つように、開口と焦点距離との間で制御を行うのが一般的である。つまり、焦点距離が大きくなるにつれて開口を大きく制御するようにしている。このような用途が有効に機能するためには、開口切り替えが、これまで述べてきたような段階では足りず、3段階以上で可能であることが好ましい。本実施形態は、開口を3段階以上で切り替え可能とするものである。なお、ここでは、説明の便宜上、開口を3段階で切り替え可能とする場合を説明する。
【0033】
図11に、これを実現するプローブヘッド内の素子アレイ14と、スイッチ15,16との接続関係を示している。他の部分の構成は第1実施形態のそれと同一であるので図示及び説明を省略する。説明及び理解を簡単にするために、素子アレイ14は8×8素子(=64)とし、送信回路及び受信回路の有効チャンネル数を16と仮定する。開口は、有効チャンネル数と同じ4×4素子が含まれる内側領域に同じ小開口駆動と、内側領域の外周を取り囲む20素子が含まれる中間領域に同じ中開口駆動と、中間領域の外周を取り囲む28素子が含まれる外側領域に同じ大開口駆動との3段階で変化する。
【0034】
本実施形態では、マトリクスアレイプローブのここでは64個の振動素子の中で、内側領域内のランダムな4個の振動素子(この振動素子を以下、Q素子と称する)を送信回路と受信回路に接続する。また、内側領域内の残りの12個の振動素子のうち、ランダムな6個の振動素子(この振動素子を以下、P素子と称する)を、中間領域内のランダムな6個の振動素子(この振動素子を以下、O素子と称する)と、スイッチ15により送信回路と受信回路とに選択的に接続する。さらに、内側領域内のさらに残りの6個の振動素子(この振動素子を以下、Y素子と称する)を、外側領域内のランダムな6個の振動素子(この振動素子を以下、X素子と称する)と、スイッチ16により送信回路と受信回路とに選択的に接続する。なお、中間領域内の残りの14個の振動素子(この振動素子を以下、Z素子と称する)は、送信回路と受信回路とのいずれにも電気的に接続されていないし、また外側領域内の残りの22個の振動素子(この振動素子を以下、R素子と称する)は、送信回路と受信回路とのいずれにも電気的に接続されていないものである。
【0035】
大開口駆動に際しては、接続されている内側領域のQ素子と、スイッチ15により選択した中間領域のO素子と、スイッチ16により選択した外側領域のX素子との合計16チャンネルを使い、また中開口駆動に際しては、内側領域のQ素子と、スイッチ16により選択した内側領域のY素子と、スイッチ15により選択した中間領域のO素子との合計16チャンネルを使い、さらに小開口駆動では、内側領域のQ素子と、スイッチ15により選択した内側領域のP素子と、スイッチ16により選択した内側領域のY素子とのやはり合計16チャンネルを使ってそれぞれ行われる。
【0036】
このようにすれば、大開口駆動時でも中開口駆動駆動時でも小開口駆動時でも常に、最大の16チャンネルを用いて送受信を行うことができる。開口変化で、感度が低下することはない。
【0037】
さらに、図12に示すように、スイッチ15を介してペアをなすP素子とO素子とのペアリングに関しては、配線(O−P接続パス)の全長を最短化するために、中間領域のO素子各々に対して、内側領域内でQ素子とY素子以外で、O素子との距離の総和が最も短くなるように内側領域のP素子を選定して組み合わせる。同様に、スイッチ16を介してペアをなすX素子とY素子とのペアリングに関しては、配線(X−Y接続パス)の全長を最短化するために、外側領域のX素子各々に対して、内側領域内でQ素子とP素子以外で、X素子との距離の総和が最も短くなるように内側領域のY素子を選定して組み合わせる。
【0038】
このようにペアリングを行えば、内側領域から最も離れている外側領域の振動素子を基準としてそこからの距離に応じてペアが決まるので、全ての接続パスの合計長を最小に抑えることが可能となり、各振動素子から回路のチャンネルに至る電気的な信号の特性を可能な限りばらつかないようにするという観点では望ましい接続となる。但し、この例では、開口を大きくしていくにつれて、外側から順次内側へ向かって振動素子が埋められていくことになるので、ビーム形状形成の面からは好ましくない状況も生ずると考えられる。
【0039】
というのも、スパースアレイの場合は、振動素子の空間的な分布の具合が振幅方向への重み付けを行ったのと似た効果があり、外側の振動素子の密度が高いということは相対的に外側の振動素子の寄与が大きくなることから、中央外部で重みの小さいドーナツ状の開口が設定される傾向があるためである。この場合、良く知られているように形成されるメインビームは若干狭くなるものの、1次サイドローブが不当に極大化することがあり、コントラスト分解能を高くするためには好ましくないと考えられる。逆に、もし内側の振動素子からSW接続する振動素子を埋めていけば、中央部で重みの大きい開口が設定されることになり、1次サイドローブが減少する傾向があるので、ビーム形成の面ではより好ましいものと考えられる。
【0040】
このような傾向を示すための実例として、スパース配置の分布重みを意図的に変えた場合の音圧分布を計算機シミュレーションした結果を、図13と図14に示している。前述の図1(b)で破線の特性を得たのと同様の条件(32×32開口、256振動素子)を基準とし、内側領域の密度(重み)を大きくした場合と外側領域の密度を大きくした場合を比較した。図13はこれらのスパース振動素子配置を示したもので、図13(a)は密度一様(図1(a)の小開口と等価)、図13(b)は中央が密、図13(c)は中央が粗の例である。一様な密度の場合を基準として他の例を比較すると、中央が粗の場合ではサイドローブが大きいが、中央が密の場合ではサイドローブが減少していることが分かる。
【0041】
そこで、中央の密度を大きくするための接続の例として、「開口の大きさが最小のものより大きい場合に、スイッチで選択される開口の大きさの増加に伴って順次最小の開口領域内部の内側から外側に向かって振動素子が選択されるようにすると共にスイッチに接続される振動素子同士の距離の全スイッチにおける総和が可能な限り小さく」なるような接続の方法を図15に基づいて説明する。この場合でも上記同様の理由から、接続パスの合計が可能な限り小さくなるようにしておくのが好適と考えられ、併用の条件とした。
【0042】
まず、図12の例と同様に、内側領域から4個のQ素子を、中間領域から6個のO素子を、そして外側領域から6個のX素子をランダムに選択する。次に外側領域の6個のX素子について、内側領域の空いている28個の振動素子の中からより中央寄りであって且つ各X素子Xからの距離が短い6個の振動素子をY素子として選定し、スイッチ16にX−Y接続パスで接続する。そして、中間領域に含まれるO素子について、内側領域の残り22個の振動素子の中から中央寄りであって且つ各O素子からの距離が短い6個のP素子Pを選定し、スイッチ15にO−P接続パスで接続する。
【0043】
このようにすれば、最小の開口から見てより大きな開口を選択していく場合に、最小の開口領域の外側に振動素子が多く分布する傾向が軽減され、選んでいる開口領域に対して相対的に中央部に重みのある配置が実現される。従って、サイドローブが不当に極大化することがないようにするという観点で望ましい接続となる。
【0044】
以上、上記の実施形態では開口を3段階で可変とした例について述べたが、基本的な考え方を更に多くの段階に可変する場合に適用できることは容易に類推されるであろう。
【0045】
また、本発明に係わる振動素子の配置と切り替えの例は、上述してきたような実施形態だけにとどまらず、様々に変形可能であることは言うまでもない。例えば、(イ)第5実施形態の考え方は送信開口や受信開口あるいはその両者の開口に対して適応可能である、(ロ)選択候補となる各開口の重心はアレイ中央部に位置させておくのが望ましいが、ずれていても良い、(ハ)スパースの配置はランダム配置を例としたが、論文等で報告されている周期的スパース配置であっても基本的に構わない。
【0046】
また、配置パターンないし開口形状の切り換えに関しても、開口形状は矩形、円形、あるいは楕円など任意であり、矩形でも円形でも振動素子数一定となるように接続する例もある。これには、良く知られている矩形開口の特性と円形開口の特性の違いを用途に応じて使い分けるような実施形態が考えられる。ここで、矩形開口の作る音圧分布は2次元のsinc関数の積(方位方向のsinc×エレベーション方向のsinc)で表され、「メインビーム幅は狭いが、1次サイドローブが大きく十文字様の分布となる」性質がある。一方、円形開口の作る音圧分布は2次元のBessel関数で表され、同じ外周開口を持つ矩形開口の場合と比較して、「メインビーム幅は20%ほど広いが、1次サイドローブは4dB弱小さく一様に分布する」性質がある。従って、振動素子接続候補の一方を矩形開口用のスパース配置にしておき、他方を円形開口用のスパース配置にしておいて、方位分解能が重視されるBモード断層像を得るような走査モードの場合にはSWで矩形開口を用い、空間的に一様な分解能が要求されるCモード断層像を得る場合(走査的には3次元に相当)にはスイッチで円形開口を用いる使い方が好適といえる。
【0047】
もちろん、矩形の振動素子配置で四隅の振動素子を「使わず」に円形の開口を得ることもできるが、これだと有効面積がπ/4に減少するので、感度的にロスが大きい(送信共に−2.1dBずつ劣化)。よって、感度の高い矩形開口と円形開口の両立のためにはSWによる切り換えのメリットが生ずる。本実施形態では、矩形開口用のスパース配置パターンと円形開口用のスパース配置パターンを各々独立に配置してから必要な振動素子(基本的に両開口で共有されなかった振動素子)に対して所定の振動素子同士のペアリングを行ってもよいし、あるいは矩形開口を第一の実施形態で言うところの大開口領域に、円形開口を小開口領域として考え、所定の振動素子同士のペアリングを行ってもよい。
【0048】
さらに、生体の音響窓を考慮した開口形状の変化に関しても、本発明の応用が考えられる。すなわち、開口が一定の形状でなく、動的に変形されるような場合にも本発明の適用が可能である。例えば、心臓の検査を想定して、マトリクスアレイプローブを胸壁上に置いた場合において、音響インピーダンスが周囲の軟部組織と大きく異なる肋骨の存在により、プローブと肋骨との間で多重反射が発生して、受信信号の波形が大きく歪んでしまう場合が考えられる。この様子を模式的に図16(a),図16(b),図16(c),図16(d)に示した。このような所定の特性から著しく異なる信号を与えるような振動素子に接続される回路のチャンネル(第1実施形態の後半で述べた「不具合チャンネル」と実質的に同じ意味)はノイズ源となるものと考え、そのチャンネルを無効(送信であれば駆動しない、受信であれば重みをゼロにするなど)とすることで、画質への影響を低減することを試みる提案が最近なされている(特願平10−40828号参照)。
【0049】
ここで、基本的に不具合チャンネルを「使わない」ようにしているので、感度の劣化が生ずるのは明らかである。そこで、本発明の第2実施形態で示したような複数の大きさを有する開口に対して、第1実施形態の後半で述べた不具合チャンネルの回避のための振動素子選択の考えを適用し、さらに上記提案を併用することを考える。これは図16(a)に示すように、肋骨と干渉すると考えられる振動素子の位置が、マトリクスアレイプローブの開口のうち、縁に相当するより大きな開口を選択するための振動素子の位置に生じやすいと考えられることによる。すなわち、大きな開口の縁は不具合となっても、小開口の部分は不具合とはなりにくいことが想定される。従って、大開口が選択されているケースで、このような不具合チャンネルを検出した場合には、そのチャンネルを「使わない」のではなく、本発明のスイッチによって小開口領域の振動素子に切り換えて有効に用いるようにする。
【0050】
このようにすれば、生体からの不要なノイズ源となる振動素子を回避するために、開口が一定の形状でなく、動的に変形されるような場合にも、感度劣化が少ない画像を提供することができるようになる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、スパース方式でリアルタイム3次元走査を行う超音波診断装置において、開口可変においても、感度と方位分解能とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は従来においてランダムスパース方式の開口(大開口、小開口)を示す図、(b)は(a)の各開口に対応した方位方向に関する1次元の音圧分布のシミュレーション結果を示す図。
【図2】(a)は従来において小開口領域内の全ての振動素子を駆動する場合の振動素子密度を示す図、(b)は(a)の場合の1次元の音圧分布のシミュレーション結果を示す図。
【図3】本発明の原理説明図。
【図4】第1実施形態に係る超音波診断装置の構成図。
【図5】図4の変形例を示す図。
【図6】図4の他の変形例を示す図。
【図7】第1実施形態の3Dスキャンにおいて、送信時と受信時とで開口を変化させる動きを示すタイムチャート。
【図8】第2実施形態に係る超音波診断装置の構成図。
【図9】第3実施形態に係る超音波診断装置の構成図。
【図10】第4実施形態に係る超音波診断装置の構成図。
【図11】第5実施形態の主要部の構成図。
【図12】図11の振動素子のペアリングを示す図。
【図13】第5実施形態において、小開口駆動時の駆動素子密度であって、(a)は密度一様、(b)は中央密、(c)は中央粗の場合を示す図。
【図14】図13の各密度に対応する1次元の音圧分布のシミュレーション結果を示す図。
【図15】図11の振動素子の他のペアリングを示す図。
【図16】多重反射の受信信号に対する影響を示す図。
【符号の説明】
1…マトリクス超音波プローブ、
2…ケーブル、
3…装置本体、
4…ディスプレイ、
11…振動素子アレイ、
12…スイッチ回路、
13…スイッチ、
31…送信回路、
32…受信回路、
33…画像生成回路、
34…制御回路。

Claims (25)

  1. 2次元的に配列された複数の振動素子と、前記振動素子を介して被検体に超音波を送信する送信回路と、前記振動素子を介して前記被検体からエコーを受信する受信回路とを有する超音波診断装置において、
    前記複数の振動素子の中の複数の第1振動素子は前記送信回路と前記受信回路との少なくとも一方に接続され、前記複数の振動素子の中の複数の第2振動素子は前記複数の振動素子の中の複数の第3振動素子とそれぞれスイッチにより選択的に前記送信回路と前記受信回路との少なくとも一方に接続されていて、前記スイッチの切り替えにより開口が変化することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記第1振動素子は前記第2振動素子とともに内側領域に分布し、前記第3振動素子は外側領域に分布していることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記内側領域内の振動素子の数に対する前記第1振動素子の数の割合は、前記外側領域内の振動素子の数に対する前記第3振動素子の数の割合と同じであることを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
  4. 前記第1振動素子と前記第2振動素子との合計素子数は、前記第1振動素子と前記第3振動素子との合計素子数と同じであることを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
  5. 前記第1振動素子と前記第2振動素子との合計素子数は前記内側領域内の振動素子数に一致し、前記第3振動素子の素子数は前記外側領域内の振動素子数よりも少ないことを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
  6. 前記第1振動素子と前記第2振動素子とは前記内側領域に比較的密に分布し、前記第3振動素子は前記外側領域に比較的粗に分布することを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
  7. 前記第1振動素子と前記第2振動素子との合計素子数と、前記第1振動素子と前記第3振動素子との合計素子数とはそれぞれ、前記送信回路のチャンネル数に一致することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  8. 前記第1振動素子と前記第2振動素子との合計素子数と、前記第1振動素子と前記第3振動素子との合計素子数とはそれぞれ、前記受信回路のチャンネル数に一致することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  9. 前記スイッチの数は、前記送信回路のチャンネル数よりも少ないことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  10. 前記スイッチの数は、前記受信回路のチャンネル数よりも少ないことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  11. 前記スイッチを共有する第2振動素子とそれとペアをなす第3振動素子との距離の総和が最小化するように前記第2振動素子と前記第3振動素子とがペアリングされていることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  12. 前記スイッチは、前記振動素子とともにプローブに組み込まれていることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  13. 前記スイッチは、プローブコネクタに組み込まれていることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  14. 前記スイッチは、前記送信回路及び前記受信回路とともに超音波診断装置本体に組み込まれていることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  15. 前記スイッチを一元的に制御する制御回路を備えることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  16. 前記スイッチを個別に制御する制御回路を備えることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  17. 任意の第2振動素子とそれとペアをなす第3振動素子との一方を固定的に使用するために任意のスイッチを他のスイッチとは分離して制御する制御回路を備えることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  18. 前記第1振動素子は前記送信回路と受信回路とに接続され、前記第2振動素子は前記第3振動素子と選択的に前記送信回路に接続され、さらに外側領域における第4振動素子が前記受信回路に固定的に接続されることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  19. 前記第1振動素子は前記送信回路に固定的に接続され、前記第2振動素子は前記第3振動素子と選択的に前記送信回路に接続され、さらに内側領域における第4振動素子と外側領域における第5振動素子とが前記受信回路に固定的に接続されることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  20. 前記第1振動素子は前記送信回路に固定的に接続され、前記第2振動素子は前記第3振動素子と選択的に前記送信回路に接続され、さらに内側領域における第4振動素子が前記受信回路に固定的に接続され、内側領域における第5振動素子が外側領域の第6振動素子と前記受信回路に選択的に接続されることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  21. 2次元的に配列された複数の振動素子と、前記振動素子を介して被検体に超音波を送信する送信回路と、前記振動素子を介して前記被検体からエコーを受信する受信回路とを有する超音波診断装置において、
    前記複数の振動素子には前記送信回路と前記受信回路との少なくとも一方に対してスイッチにより選択的に接続される振動素子のペアが複数含まれ、前記スイッチの切り替え制御により開口が様々に変化するようになっていることを特徴とする超音波診断装置。
  22. 前記開口の拡大に伴って、前記送信回路と前記受信回路との少なくとも一方に接続される振動素子の内側領域の密度が外側領域の密度よりも高くなるように、ペアリングがなされていることを特徴とする請求項21記載の超音波診断装置。
  23. 前記開口の変化に関わらず、前記送信回路と前記受信回路との少なくとも一方に接続される振動素子の各開口内での密度が一定になるように、ペアリングがなされていることを特徴とする請求項21記載の超音波診断装置。
  24. 2次元的に配列された複数の振動素子と、前記振動素子を介して被検体に超音波を送信する送信回路と、前記振動素子を介して前記被検体からエコーを受信する受信回路とを有する超音波診断装置において、
    前記複数の振動素子の中には、複数の第1振動素子と、前記複数の第1振動素子とそれぞれスイッチにより選択的に前記送信回路と前記受信回路との少なくとも一方に接続される複数の第2振動素子とが含まれていて、前記スイッチの切り替えにより開口が変化することを特徴とする超音波診断装置。
  25. 2次元的に配列された複数の超音波振動素子と、
    第1の領域内を第1の超音波振動素子密度で駆動する第1の送信モードと、前記第1の領域より広い第2の領域を第1の超音波振動素子密度より低い第2の超音波振動素子密度で駆動する第2の送信モードとを切り換える制御手段と、
    前記モードに応じて前記超音波振動素子の一部に対して送信用の駆動信号を送る送信手段と、
    前記超音波振動素子で受波された信号に基づいて超音波画像を生成する受信信号処理手段とを備え、
    前記制御手段は、3次元走査を行なう場合に、前記第1の送信モードを選択し、2次元走査を行なう場合に、前記第2の送信モードを選択するものであることを特徴とする超音波診断装置。
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