JP4630596B2 - 半導体レーザ装置の製造方法 - Google Patents

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Description

窒化物半導体レーザ装置などの半導体レーザ装置及びその製造方法に関するものである。
GaN、AlGaN、GaInN、AlGaInNなどの窒化物半導体は、AlGaInAs系半導体やAlGaInP系半導体に比べてバンドギャップEgが大きく、かつ直接遷移の半導体材料であるという特徴を有している。このため、これらの窒化物半導体は、紫外線から緑色に当たる短波長の光の発光が可能な半導体レーザや、紫外線から赤色まで広い発光波長範囲をカバーできる発光ダイオードなどの半導体発光素子を構成する材料として注目されており、高密度光ディスクやフルカラーディスプレー、さらには環境・医療分野など、広く応用が考えられている。
又、この窒化物半導体は熱伝導性がGaAs系半導体などよりも高く、高温・高出力動作の素子の応用に期待されている。さらに、AlGaAs系半導体における砒素(As)、ZnCdSSe系半導体におけるカドミウム(Cd)などに相当する材料及びその原料(アルシン(AsH3))などを使用しないため、環境への負荷が小さい化合物半導体材料として期待されている。
又、従来、半導体レーザ素子を用いた半導体レーザ装置を製造するとき、粘着剤に有機物を含む粘着シートが用いられる。即ち、個々の半導体レーザ素子を得るには、まず、複数の半導体レーザ素子が作製されたウエーハを劈開し、共振器端面を形成してバー形状(以下LDバーとする)にする。そして、この形成したLDバーから個々の半導体レーザ素子を分割する分割工程において、LDバーをダイヤモンドペンなどを用いてスクライブラインを形成して劈開する際、分割した半導体レーザ素子が、ばらばらにならないように、スクライブラインを形成する面と反対側の面(即ち、LDバーの上面(表面側)にスクライブラインを形成する場合はLDバーの裏面側、又は、LDバーの裏面側にスクライブラインを形成する場合はLDバーの上面側)に、粘着シートを貼着する。
このようにして分割された半導体レーザ素子は粘着シートにより、つながった状態であるので、粘着シートを引き伸ばして半導体レーザ素子を分離する。その後、半導体レーザ素子は一つずつピックアップされて、チップテストが実施される。チップテスト終了後、半導体レーザ素子は、再び粘着シートに貼り付けられ、一つずつピックアップされてヒートシンク、ステムなどに搭載され、更に、蓋体が取り付けられ、半導体レーザ装置が製造される。
上述のようにして、粘着剤に有機物が含まれた粘着シートを用いるので、製造された半導体レーザ素子に有機物が粘着してしまう。又、ヒートシンク、ステム及び蓋体などにも、製造工程中に有機物が付着している場合がある。又、個々の分割された半導体レーザ素子をヒートシンク、ステムなどの搭載するダイボンディング工程において、大気中に含まれるシロキサンなどのSi(シリコン)の有機物が、半導体レーザ素子、ヒートシンク、支持体及び蓋体などに付着する。
こうようにして付着した有機物は大気中に揮発し、揮発した有機物は雰囲気を介して半導体レーザ素子から出射しているレーザ光により化学反応を起こす。その結果、光強度の最も強いレーザ出射端面に、光CVD(Photo Chemical Vapor Deposition)効果によって、Si(シリコン)又はC(炭素)などから成る有機物などの物質が成膜される。このような現象は、光子一つ当りのエネルギーが高くて化学反応を促進しやすい発振波長が550nm以下のレーザ、特に、発振波長が420nm以下と紫外域近傍で発振する窒化物半導体レーザ素子を用いた半導体装置において、顕著なものとなる。
このレーザ出射面に有機物などの物質が成膜されると、出力するレーザ強度を低下させるだけではなく、レーザ出射面であるレーザ端面(共振器端面)の反射率にも変化を引き起こし、結果、レーザ駆動時の動作電流が変動し、レーザの寿命特性が大きく悪化する。このような問題に対して、レーザチップを搭載した支持体に、レーザ光又は紫外線などのエネルギービームを照射したり、又は、ECR(Electron Cycrotron Resonance)方式によって生成したプラズマに照射して、レーザチップ及び蓋体に付着した粘着物を除去又は変質させる方法が提案されている(特許文献1参照)
特開2004−40051号公報
しかし、上述の特許文献1による技術をもちいて、半導体レーザ素子、支持体、ステムなどに付着した物質を除去すると、紫外線などのエネルギービームを照射した場合は、クリーニングは十分にできず、特にSi(シリコン)を含む有機物が除去できない。又、ECR方式によって生成されたプラズマに照射した場合は、半導体レーザ素子に与えるダメージが大きく、処理後、半導体レーザ素子の特性が悪化し、寿命が短くなるという問題があった。
本発明は、このような問題を鑑みて、半導体レーザ素子、ステム及び蓋体などに付着した有機物を除去し、半導体レーザ素子の動作時における光CVD効果によるレーザ出射端面への成膜を抑制し、レーザ寿命特性の良好な半導体レーザ装置及び、その製造方法を提案することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、半導体レーザ素子を搭載したステム及び蓋体双方をプラズマに曝してクリーニング処理を行う第1ステップを備えた半導体レーザ装置の製造方法において、当該第1ステップでクリーニング処理に用いるプラズマ装置が、プラズマ処理装置の反応容器内に2枚の平板電極が平行に設置され、2枚の前記平板電極の内の少なくとも片方に高周波電源より高周波電力を印加して高周波電極とすることで2枚の前記平板電極の間の空間にプラズマを生成する平行平板方式のプラズマ処理装置であることを特徴とする。
このような方法によると、比較的プラズマ密度の低い(1010cm-3程度)プラズマを生成でき、半導体レーザ素子にダメージを与えることなく、前記クリーニング処理を実施できる。又、2枚の前記平板電極のどちらか1つに高周波電力を印加するものとしても構わないし、前記平板電極の2枚双方に高周波電力を印加してプラズマを生成するものとしても構わない。
又、このような半導体レーザ装置の製造方法において、前記第1ステップで、プラズマ生成に用いるガスが不活性ガス又は反応性ガス又はその混合ガスであるとしても構わない。
又、このような半導体レーザ装置の製造方法において、前記第1ステップで用いる前記平行平板方式のプラズマ処理装置で、前記高周波電極以外の電極が電気的に直接接地され、接地電極となっているとしても構わない。
又、このような半導体レーザ装置の製造方法において、前記第1ステップで、前記半導体レーザ素子を搭載した前記ステムと前記蓋体の双方を、同時、又は、別々に、前記プラズマに曝すことで前記クリーニング処理を実施するものとしても構わない。
このような方法によって、前記半導体レーザ装置を構成する前記半導体レーザ素子を搭載した前記ステム及び前記蓋体から、有機物やシリコン化合物などの不純物を除去、又は変質することができる。
又、このような半導体レーザ装置の製造方法において、前記第1ステップで、前記高周波電極上に前記半導体素子を搭載した前記ステム及び前記蓋体を設置し、前記プラズマに曝すことで前記クリーニング処理を実施するものとしても構わない。
又、このような半導体レーザ装置の製造方法において、前記第1ステップで、前記接地電極上に前記半導体素子を搭載した前記ステム及び前記蓋体を設置し、同時、又は、別々に、前記プラズマに曝すことで前記クリーニング処理を実施するものとしても構わない。
又、このような半導体レーザ装置の製造方法において、前記第1ステップと、前記クリーニング処理を行った前記半導体レーザ素子を搭載した前記ステムに前記蓋体を設置する設置室まで前記ステムと前記蓋体とを移動させる第2ステップと、を備えるとともに、当該第2ステップで、前記半導体素子を搭載した前記ステム及び前記蓋体を前記設置室に移動させる際、前記半導体素子を搭載した前記ステム及び前記蓋体が大気雰囲気に曝されないように不活性ガスが封止された気密性の備えた箱に入れて移動するものとしても構わない。
又、このような半導体レーザ装置の製造方法において、前記第1ステップと、前記クリーニング処理を行った前記半導体レーザ素子を搭載した前記ステムに前記蓋体を設置する設置室まで前記ステムと前記蓋体とを移動させる第2ステップと、を備えるとともに、当該第2ステップで、前記半導体素子を搭載した前記ステム及び前記蓋体を前記設置室に移動させる際、前記半導体素子を搭載した前記ステム及び前記蓋体が大気雰囲気に曝されないように不活性ガスが封止された気密性の備えた移動路を通り移動させるものとしても構わない。
又、このような半導体レーザ装置の製造方法において、前記第1ステップと、前記第2ステップと、前記半導体レーザ素子に搭載した前記ステムに前記蓋体を前記設置室内で設置する第3ステップと、を備えるとともに、当該第3ステップで、前記設置室内で前記半導体レーザ素子を搭載した前記ステムを前記蓋体に載置、固定する際、大気雰囲気に曝されないように不活性ガス中で実施するものとしても構わない。
このような方法によって、前記半導体素子を搭載した前記ステム及び前記蓋体に大気中に含まれる有機物やシリコン化合物などの不純物が付着することが防止できる。
又、本発明の半導体レーザ装置は、上述したいずれかに記載の前記半導体レーザ装置の製造方法によって製造されることを特徴とする。
又、本発明の半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子が窒化物半導体層を備えるものとしても構わない。
又、本発明の半導体レーザ装置は、前記半導体レーザ素子の発振波長が550nm以下であることを特徴とする。
本発明によると、半導体レーザ素子などを搭載したステム及び蓋体の双方を、平行平板方式のプラズマ処理装置を用いて比較的プラズマ密度の低い(1010cm-3程度)プラズマを生成し、その生成したプラズマに曝すことで、半導体レーザ素子にダメージを与えることなく、半導体レーザ素子、基板、電極などに付着した有機物やシリコン化合物が、除去又は変質させられる。
又、本発明によると、半導体レーザ素子、ヒートシンクなどを搭載したステム、及び、蓋体の双方をプラズマに曝すことでクリーニング処理をおこなっているので、半導体レーザ装置を構成する部品全体から、有機物やシリコン化合物を除去できる。又、半導体レーザ素子などを搭載したステムに蓋体を載置、固定する際も、大気雰囲気に曝さないように不活性ガス中で行うので、大気中に含まれる有機物やシリコン化合物から成る不純物が付着することが防止される。
上述したことにより、本発明は、半導体レーザ装置の動作時に、レーザ光により有機物やシリコン化合物などに化学反応が生じることを防ぎ、光CVD効果によるレーザ光出射端面への物質の成膜を抑制することができる。よって、レーザ光出射端面に物質が成膜されることによるレーザ光の吸収率及び反射率の変動が抑えられ、半導体レーザ素子の駆動電流の異常変動が回避され、半導体レーザ装置の寿命特性の向上を実現することができる。
本発明の実施形態を図面を参照し説明する。図3(a)は窒化物半導体レーザ素子がヒートシンクを介して搭載されたステムと、当該ステムに載置される蓋体の上面図である。図3(b)は図3(a)の側面図である。
半導体レーザ装置340は、例えば、半導体レーザ素子350を、円盤状のステム320と中空円筒状の蓋体330とから成る5.6φのキャン型パッケージに搭載したものである。蓋体330は、一端部は開放されており、もう一方の端部には半導体レーザ素子350から出射されたレーザを半導体レーザ装置340の外部に取り出すための取り出し窓330Aが設けられている。又、蓋体330は銅又は鉄などの金属を材料として作製されており、取り出し窓330Aは半導体レーザ素子350から出射されるレーザが透過することのできるガラス、プラスティックなどの材料から作製されている。そして、SiCから成るヒートシンク310を介して半導体レーザ素子350を搭載したステム320に覆いかぶせるように蓋体330を載置して、半導体レーザ装置340が構成される。
又、図3(a)に示すように、半導体レーザ素子350は、GaN基板301と、当該GaN基板301上に形成された複数の窒化物半導体薄膜などの積層体である窒化物半導体成長層302と、p側電極303と、n側電極304と、金属多層膜305Aと、から構成されている。又、窒化物半導体成長層302の表面にp側電極303が形成されるとともに、GaN基板301の裏面側には、GaN基板301に近い側から順に、n側電極304とメタライズのための金属多層膜305Aが、それぞれ、形成されている。
このようにして構成されている半導体レーザ素子350は、GaN基板301の裏面側の金属多層膜305AがAu70Sn30ハンダ312を介してヒートシンク310の表面側に固定されている。又、半導体レーザ素子350が搭載されたヒートシンク310は、当該ヒートシンク310の裏面側でSnAg3Cu0.5ハンダ313を介してステム320の一部である支持基体321に搭載、固定されている。又、ヒートシンク310の表側と裏面側には、それぞれ、メタライズのための金属多層膜305B、305Cが形成されている。
又、p側電極303はワイヤ314Aを介してピン316に、n側電極304は金属多層膜305A、Au70Sn30ハンダ312、金属多層膜305B及びワイヤ314Bを介してピン311に電気的に接続されている。更に、ステム320とピン311、316との間には、絶縁リング311A、316Aとが、それぞれ、設けられており、ピン311、316と、ステム320及びその一部である支持基体321との間は、絶縁リング311A、316Aを用いて電気的に絶縁されている。このピン311、316は、ステム320とは絶縁された外部接続端子322A、322Bに電気的に接続しており、当該外部接続端子322A、322Bより半導体レーザ素子の電流が供給される。又、外部接続端子322Cはステム320と電気的に接続している。
上述したように半導体レーザ素子350などから半導体レーザ装置340が構成されるが、次に、半導体レーザ素子350について説明する。図4に半導体レーザ素子の概略断面図を示す。図4に示すように窒化物半導体成長層302は、例えば、GaN基板301の表面に、n型GaNコンタクト層402と、n型AlGaNクラッド層403と、n型GaNガイド層404と、InGaN多重量子井戸活性層405と、p型AlGaN蒸発防止層406と、p型GaNガイド層407と、p型AlGaNクラッド層408と、p型GaNコンタクト層409とが、順に積層され構成される。
p型AlGaNクラッド層408及びp型GaNコンタクト層409には、共振器方向に延在したストライプ状のリッジが設けられている。即ち、図4に示した半導体レーザ素子は、リッジストライプ構造を備える。更に、p側電極303とp型AlGaNクラッド層408及びp型GaNコンタクト層409との間には、リッジ部分を除いて、電流狭窄のための絶縁膜410が設けられている。尚、本明細書において、絶縁膜410は窒化物半導体成長層302に含まれるものとする。
尚、窒化物半導体成長層302に用いられる材料は上述の材料に限定されるものではなく、他の窒化物系化合物半導体、例えば、p型クラッド層にp型AlGaInNを、多重量子井戸活性層にGaInNAsもしくはGaInPなどを用いても構わない。又、クラッド層は多層構造でも多重量子井戸構造を用いても構わない。更に、n型GaNコンタクト層402とn型AlGaNクラッド層403の間に、InGaNなどのクラック防止層を挿入しても構わない。又、GaN基板301とn型GaNコンタクト層402との間にバッファ層を挿入しても構わない。又、共振器方向にストライプ状に延在したリッジは、p型AlGaNクラッド層408及びp型GaNコンタクト層409のみではなく、p型GaNガイド層407、p型AlGaN蒸発防止層406及びInGaN多重量子井戸活性層405までの途中いずれかまで掘り込んで形成しても構わない。
更に、本実施形態では半導体レーザ素子350の作製にGaN基板301を用いたが、基板材料はGaNに限定されるものではなく、InN、AlNあるいはGaN、InN、AlNの混晶半導体でも構わなく、サファイア、スピネル、SiC、Si、又は、窒化物以外のGaAs、GaPなどのIII−V族化合物でも構わない。
以下に、本実施形態の半導体レーザ装置の製造方法について、図3及び図4を参照して説明する。
まず、半導体レーザ素子の製造に一般的に用いられている周知の技術を適宜適用して、GaN基板301上に、図4で示したような複数の窒化物半導体薄膜などから成る窒化物半導体成長層302及びp側電極303を形成する。尚、本実施形態のp電極303の材料は、p型GaNコンタクト層409に近い側からPd(15nm)/Mo(15nm)/Au(200nm)とする。
次に、n型GaN基板301上に窒化物半導体成長層302の各層を積層する際の当該n型GaN基板301の厚みは略350μmであるが、n側電極304の形成前に、GaN基板301の裏面側から、研磨もしくはエッチングを行うことにより基板の一部を除去し、ウエーハの厚みを通常40〜150μm程度までに薄くする。その後、n側電極304としてGaN基板301に近い側から、Ti(30nm)/Al(150nm)を形成し、さらに金属多層膜305Aとして、Mo(8nm)/Pt(15nm)/Au(250nm)を形成する。
このようにしてp側電極303及びn側電極304が形成され、窒化物半導体から成る積層体302の各層が積層されたウエーハを劈開することにより、半導体レーザ素子350の共振器端面を形成する。このとき、半導体レーザ素子350の共振器長が500μmとなるように、ウエーハの劈開が行われる。このようにウエーハの劈開することで得られたバー(LDバー)を更に劈開することにより、レーザチップである半導体レーザ素子350に分割する。上述したように、このLDバーから個々の半導体レーザ素子350を分割する分割工程において、LDバーをダイヤモンドペンなどを用いてスクライブラインを形成して劈開する際、分割した半導体レーザ素子350が、ばらばらにならないように、スクライブラインを形成する面と反対側の面に、粘着シートを貼着する。この粘着シートの粘着剤には有機物などが含まれており、分割した半導体レーザ素子350に付着、残留する恐れがある。尚、共振器端面の形成はエッチングによって形成してもよい。又、チップへの分割はダイシング、レーザアブレーション法等を用いても構わない。このようにして得られた半導体レーザ素子350をチップの状態でパルス駆動により特性評価を行ったところ、閾値電流値をリッジ部分の面積で割った閾値電流密度の値は3.5kA/cm2であった。
このようにして得られた半導体レーザ素子350を支持基体321上に搭載(マウント)する。以下に、ダイボンディング法を用いて実施されたマウント工程について説明する。
図3(a)に示されているように、表面と裏面に金属多層膜305B、305Cがそれぞれ形成されたヒートシンク310の表面に、層厚が略200μmで、シート状の融点290℃のAu70Sn30ハンダ312を設ける。次に、ヒートシンク310をAu70Sn30ハンダ312の融点よりも若干高い温度まで加熱し、Au70Sn30ハンダ312が溶けたところで、上述の方法で得られた半導体レーザ素子350を、p側電極303側を上にしてn側電極304側がヒートシンク310の金属多層膜305B側に対向するようにし、ヒートシンク310上に載置する。更に、荷重を適宜加えながら、半導体レーザ素子350とヒートシンク310とをAu70Sn30ハンダ312によく馴染ませ、Au70Sn30ハンダ312を凝固させ、ヒートシンク310上に半導体レーザ素子350を固定する。
次に、支持基体321上に融点220℃のSnAg3Cu0.5ハンダ313を設ける。そして、支持基体321をSnAg3Cu0.5ハンダ313の融点よりも若干高い温度まで加熱し、SnAg3Cu0.5ハンダ313が溶けたところで、上述の方法で得られた半導体レーザ素子350を搭載したヒートシンク310を、裏面に形成された金属多層膜305C側を支持基体321側に対向させて、支持基体321上に載置する。更に、荷重を適宜加えながら半導体レーザ素子350を搭載したヒートシンク310と支持基体321とをSnAg3Cu0.5ハンダ313によく馴染ませる。その後、支持基体321を冷却し、SnAg3Cu0.5ハンダ313を凝固させ、図3に示されたヒートシンク310を介して支持基体321に固定された半導体レーザ素子350を得る。引き続き、ワイヤボンダを用いて、p側電極をワイヤ314Aを介してピン316に、n側電極304を金属多層膜305A、Au70Sn30ハンダ312、金属多層膜305B及びワイヤ314Bを介してピン311に電気的に接続する。
尚、本実施形態ではp側電極303の材料として、Pd/Mo/Auを用いたが、Pd以外に、例えば、Co、Cu、Ag、Ir、Sc、Au、Cr、Mo、La、W、Al、Tl、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Pt、Niとその化合物を用いても構わなく、又、Au以外にNi、Ag、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Zn、Si、Ge、Alとその化合物を用いても構わなく、各層厚についても、上述した値に限定されるものではない。又、本実施形態ではn側電極304の材料として、Ti/Alを用いたが、Ti以外にHfを用いても構わなく、各層厚も上述した値に限定されるものではない。
又、本実施形態ではヒートシンク310の材料として、SiCを用いたがAlN、GaAs、Si、ダイヤモンドなどの絶縁性材料であれば、単結晶、多結晶、アモルファスのいずれを用いても構わない。
又、ヒートシンク310表面(金属多層膜305B側)上に設けるハンダ材は、Au70Sn30に限定されるものではなく、SuAgCu、In、PbSn、いずれのハンダ材を用いても構わなく、更に、AuSnハンダにおいても、AuとSnの比率は限定されるものではない。又、ヒートシンク310の裏面(金属多層膜305C側)と支持基体321との間のハンダ材もSuAg3Cu0.5に限定されるものではなく、AuSn、In、PbSn、導電性ペーストのいずれでも構わない。又、SuAgCuハンダにおいても、SuとAgとCuの比率は限定されない。尚、ヒートシンク310表面(金属多層膜305B側)上に設けるハンダ材の融点は、ヒートシンク310の裏面(金属多層膜305C側)と支持基体321との間のハンダ材の融点より高いものとする。
又、支持基体321を備えるステム320はCuもしくはFeを主体とする金属から成り、その表面にNi膜/Au膜もしくはNi膜/Cu膜/Au膜が順にメッキ形成されている。
次に、図3に示した半導体レーザ素子350を搭載したステム320と蓋体330をプラズマ処理装置のチャンバー内に導入し、不活性ガス及び反応性ガスを用いて、プラズマ処理を実施する。以下、図1及び図2を参照し、その処理方法を説明する。
図1及び図2に示すように、プラズマ処理に用いる装置は平行平板方式のプラズマ装置である。チャンバー内に2枚の平行な電極3、5が設置され、高周波電源1を用いブロッキングコンデンサ2を介して片方の電極3に高周波電力を印加することで、2枚の電極3、5に挟まれた空間にプラズマ4が生成される。尚、本実施形態では高周波電力を印加する電極3とは別のもう1枚の電極5は電気的に接地(アース)しているものとする。通常、このような平行平板方式のプラズマ装置だと1010cm-3程度の電子密度(=イオン密度)のプラズマ4が電極上に均一に生成される。又、上述した方法で作製した半導体レーザ素子350を搭載したステム320と蓋体330とは、分離した状態で、平行平板方式のプラズマ処理装置が備える2枚に電極の内のいずれかの上に載置されてプラズマ処理が実施される。尚、本明細書において、高周波電力が印加されている電極3を「RF電極」、接地されている電極5を「接地電極」とする。
このような平行平板方式のプラズマ処理装置を用いて、被処理物をプラズマ処理する際、被処理物6を接地電極5上において処理を行うアノードカップリング方式と、RF電極3上において処理を行うカソードカップッリング方式の2種類の方法がある。図1に示すように、半導体レーザ素子350を搭載したステム320及び蓋体330から成る被処理物6を接地電極5上に配置して処理を行うアノードカップッリング方式では、生成したプラズマのもつ電位(プラズマ電位)とアース(電位=0)との間に形成される電位差(数V程度)によって加速されたイオンと、中性種であるラジカルによって、処理が行われる。それに対し、図2に示すように、被処理物6をRF電極上に配置して処理を行うカソードカップリング方式では、プラズマ電位とRF電極に高周波電力を印加することで生じるバイアス電圧(可変)との電位差によって加速されたイオンと、中性種であるラジカルによって、処理が行われる。尚、本実施形態では半導体レーザ素子350を搭載したステム320と蓋体330と、を同時にプラズマ処理するものとしたが、別々に処理するものとしても構わない。
このような2種類の処理方法の内、本実施形態では被処理物6を接地電極5上に載置するアノードカップリング方式で、プラズマを用いたクリーニングを実施した。RF電極3に印加する高周波電力は300Wとし、プラズマ生成に用いるガスとしてAr(アルゴン)ガスとO2(酸素)ガスの混合ガス(混合比は、50:50)を用い、チャンバー内の圧力は80mTorrに調節し、プラズマ処理の時間は60秒間として、クリーニングを実施した。
この混合ガスによるプラズマ処理によって、半導体レーザ素子350を構成するGaN基板301上や、p側電極303及びn側電極304、又は半導体レーザ素子350の端面などに付着した有機物が除去、又は変質させられる。このようにして、半導体レーザ素子350をヒートシンク310などを介してステム320に搭載した後、半導体レーザ素子350を搭載したステム320全体及び蓋体330の双方をプラズマに曝してクリーニングを実施するのは、半導体レーザ素子350だけのクリーニングを実施して有機物を除去しても、半導体レーザ素子350以外のヒートシンク310、ステム320、又は蓋体330のいずれかに有機物又はシリコン化合物などが残っていると、半導体レーザ装置340の動作時にレーザが出射端面から出射されたとき、揮発した有機物などが光CVD効果による化学反応をおこし、その結果、レーザ光出射端面に膜が形成されてしまうからである。このようなことを防止するために、半導体レーザ素子350を搭載したステム320全体及び蓋体330の双方をプラズマに曝してクリーニングを実施して、有機物又はシリコン化合物などを除去する。このことにより、半導体レーザ素子350の動作時に、光CVD効果によるレーザ光出射端面への成膜が抑制され、半導体レーザ素子350の寿命特性を向上させることができる。
このようにしてプラズマ処理を行うことでクリーニングが実施された蓋体330を、同じくクリーニングが実施された半導体レーザ素子350を搭載したステム320に、例えば、乾燥窒素雰囲気中で設置することで、半導体レーザ装置340を作製する。又、このことにより、蓋体330でカバーされて外部雰囲気と遮断された半導体レーザ素子350、ヒートシンク310、ステム320及び蓋体330の内部は、再び有機物やシリコン化合物などによって汚染されることが防止される。
尚、蓋体330のステム320への設置を実施する雰囲気は、上述した窒素に限定されるものではなく、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Xe(キセノン)などの希ガス雰囲気でも構わない。又、蓋体330のステム320への設置は、プラズマ処理によるクリーニングを実施した後、出来る限り速やかに行うのが好ましく、更に好ましくは、クリーニング後、直ちに行うのが好ましい。
又、半導体レーザ素子350とヒートシンク310などを搭載したステム320及び蓋体330をプラズマ処理のよるクリーニングを実施した後、ステム320への蓋体330の設置を行う設置室までステム320及び蓋体330を移動させる際、ステム320及び蓋体330を大気雰囲気にさらすことで大気中に含まれる有機物やシリコン化合物などのレーザにより化学反応する物質に汚染されることを防止するために、ステム320及び蓋体330を、N2(窒素)、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Xe(キセノン)などの不活性ガスが封止された気密性を備えたボックスなどに入れて移動することが好ましい。又、上述した不活性ガスで封止された気密性を備えた移動路を通り、移動させても構わない。
上述したようにして、図3に示した本実施形態の半導体レーザ装置340が作製される。次に、この半導体レーザ装置を340を5個作製し、得られた半導体レーザ装置340について、エージング試験を行い、エージング特性を求めた。この際、エージング試験は、環境温度60℃、光出力値30mW固定、直流電流(DC)駆動の条件下で実施された。得られた本実施形態の半導体レーザ装置340の試験結果を、図5に示す。
又、本実施形態の半導体レーザ装置340に対する比較例1として、半導体レーザ素子350とヒートシンク310などを搭載したステム320及び蓋体330の双方を、プラズマ処理によるクリーニングを実施しないで、5個の半導体レーザ装置を作製した。プラズマ処理によるクリーニングを実施しないこと以外は、本実施形態の半導体レーザ装置340と同様の条件とするものである。
又、本実施形態の半導体レーザ装置340に対する比較例2として、半導体レーザ素子350とヒートシンク310などを搭載したステム320及び蓋体330の双方を、プラズマ処理によるクリーニングを実施せず、水銀ランプを用いて酸素雰囲気で波長254nmの紫外線を照射することでクリーニングを実施した5個の半導体レーザ装置を作製した。プラズマ処理ではなく紫外線を用いてクリーニングを実施した以外は、本実施形態の半導体レーザ装置340と同様の条件とするものである。
又、本実施形態の半導体レーザ装置340に対する比較例3として、半導体レーザ素子350とヒートシンク310などを搭載したステム320及び蓋体330の双方を、ECR方式によりプラズマを生成・維持するECRプラズマ装置のチャンバー内に導入し、ステム320及び蓋体330にECRプラズマに曝すことでクリーニングを実施した5個の半導体レーザ装置を作製した。即ち、本実施形態の半導体レーザ装置が平行平板方式のプラズマ装置によるプラズマに曝すことでクリーニングを実施するのに対して、比較例3の半導体レーザ装置はECR方式のプラズマに曝すことでクリーニングを実施している。このこと以外は、本実施形態の半導体レーザ装置340と同様の条件とするものである。
このようにして作製された比較例1、2、3、それぞれ5個の半導体レーザ装置についても、本実施形態の半導体レーザ装置340と同様に、エージング試験を行い、エージング特性を求めた。この際、エージング試験は、環境温度60℃、光出力値30mW固定、直流電流(DC)駆動の条件下で実施された。得られた比較例1、2、3の半導体レーザ装置の試験結果を、それぞれ、図6、7、8に示す。
図5は、本実施形態の5個の半導体レーザ装置340について、エージング時間と駆動電流との関係を示す。図5に示すように、平行平板方式のプラズマ処理装置を用い、接地電極5上に、半導体レーザ素子350とヒートシンク310などを搭載したステム320及び蓋体330から成る被処理物6を載置し、プラズマに曝すことでクリーニングを実施した本実施形態の半導体レーザ装置340は、エージング時間を長くしても動作電流は、ほぼ初期値を維持している。又、作製された5個の半導体レーザ装置340のエージング特性について、駆動電流のばらつきが10mA程度と少なく、エージング特性がそろっている。又、図2に示すように、被処理物6をRF電極3上に置いて処理を行うカソードカップリング方式によって、被処理物6のクリーニングを実施した場合においても、図5に示すような、被処理物6をアノードカップリング方式でプラズマに曝してクリーニングを実施した場合と同様の良好なエージング特性が得ることができた。
図6は、比較例1の5個の半導体レーザ装置について、エージング時間と駆動電流との関係を示す。プラズマ処理を用いたクリーニングを実施していない比較例1の半導体レーザ装置は、エージング時間が長くなると駆動電流の増大が顕著であり、又、作製された5個の半導体レーザ装置の間で、駆動電流のばらつきが大きく、エージング特性が揃っていない。
図7は、比較例2の5個の半導体レーザ装置について、エージング時間と駆動電流との関係を示す。紫外線照射によるクリーニングを実施した比較例2の半導体レーザ装置について、エージング時間の経過に伴う駆動電流の増大は比較例1の半導体レーザ装置よりは小さいものの、駆動電流が増大している。又、比較例1と同様に、作製された5個の半導体レーザ装置の間で、駆動電流のばらつきが大きく、エージング特性が揃っていない。
図8は、比較例3の5個の半導体レーザ装置について、エージング時間と駆動電流との関係を示す。図8に示すように、ECR方式のプラズマ処理装置を用い、チャンバー内に、半導体レーザ素子350とヒーシンク310などを搭載したステム320及び蓋体330から成る被処理物6を導入し、ECR方式によるプラズマに曝すことでクリーニングを実施した本実施形態の半導体レーザ装置は、5個の半導体レーザ装置の内1個は、本実施形態の半導体レーザ装置340と同様に、エージング時間を長くしても、駆動電流は初期値を維持している。しかしながら、他の4個の半導体レーザ装置については、エージング時間20時間以内に駆動電流が急激に増大して、エージング特性が急速に劣化する結果となった。
上述した図5、6、7、8の結果より、本実施形態の半導体レーザ装置340は、上述した平行平板方式のプラズマを用いたクリーニングを実施することにより、半導体レーザ装置340の動作時に出射されるレーザで光CVD効果による化学反応が発生してレーザ出射端面に膜が形成されることが抑制されるとともに、この出射端面に形成される膜によるレーザ光の吸収率及び反射率の変動が防止され、駆動電流の異常変動がなく、比較例1、2、3より優れたエージング特性(寿命特性)を得ることができた。
このような、本実施形態と比較例1、2、3との特性の違いの原因について調べた。比較例1、2、3の半導体レーザ装置について、不活性ガス中、又は、真空中で蓋体330を半導体レーザ装置から外し、半導体レーザ素子350の表面をオージェ電子分光法により解析を行った。その結果、比較例1及び2の半導体レーザ装置については、有機物の付着を示すC(カーボン)や、シリコン化合物の付着を示すSi(シリコン)が多量に検知された。又、本実施形態の半導体レーザ装置340と比較例3の半導体レーザ装置については、カーボンやシリコンなどは検出されなかった。この結果より、比較例1及び2の半導体レーザ装置が良好なエージング特性を得られなかったのは、半導体レーザ素子350の端面に有機物又はシリコン化合物が付着していたためであると考えられる。
又、オージェ電子分光法による解析でカーボンやシリコンなどが検出されなかった比較例3について、良好なエージング特性が得られなかったのは、半導体レーザ素子350自体がダメージを受けたためであると考えられる。比較例3の半導体レーザ装置はECR方式によるプラズマを用いてクリーニングを実施しているが、通常、ECR方式によってプラズマを生成すると平行平板方式によるプラズマと比較して、より高密度(1011cm-3〜1012cm-3程度)のプラズマを得ることができる。このため、プラズマから半導体レーザ素子350に入射する単位時間、単位面積当たりのイオンの入射量(フラックス)が、ECR方式によるプラズマの方が平行平板方式によるプラズマよりも大きい。このため、入射したイオンによる半導体レーザ素子350が受けるダメージが平行平板方式のプラズマを用いた場合と比較して大きくなり、図8に示すように、良好なエージング特性が得られなかったと考えられる。
又、比較例3の半導体レーザ装置のエージング特性が悪い原因として上述したこと以外に考えられるものに、ECR方式のプラズマは、平行平板方式のプラズマと比較して、プラズマが生成される圧力領域が数mTorr程度と低いことが挙げられる。プラズマを生成する圧力が低いと、プラズマ中の電子の平均自由工程が長くなり、電子が電場により加速される距離が長くなるため、結果、電子のもつ運動エネルギーである電子温度Teが大きくなる。電子温度Teの値が高いと、結果的に、プラズマのもつ電位と半導体レーザ素子350が置かれた電極における電位との差が大きくなり、プラズマから出射して半導体レーザ素子350に入射するイオンが加速されるエネルギーが大きくなる。このため、半導体レーザ素子350が入射したイオンによって受けるダメージが大きくなったと考えられる。更に、ECR方式によってプラズマを生成する際、磁場が必要である。プラズマ中に磁場が存在すると、プラズマ密度の分布が不均一になりやすく、半導体レーザ素子350上に生成されたプラズマについて、その密度分布が不均一であると、半導体レーザ素子350に入射するイオンのフラックスなどが、半導体レーザ素子350表面の位置よって異なる。その結果、半導体レーザ素子350の中で電位差が生じ、その生じた電位差により半導体レーザ素子350内で大きなダメージが生じたと考えられる。
尚、本実施形態において、プラズマ4の生成にもちいたガスは、Ar(アルゴン)とO2酸素の混合ガス(混合比は、50:50)であるが、これに限定されるものではなく、He(ヘリウム)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、Xe(キセノン)及びN2(窒素)などの不活性ガス、O2(酸素)、CCl4などの塩素系ガス、CF4などのフッ素系ガス、及び、これらの混合ガスを用いても構わない。又、混合ガスの混合比も上述した値に限定されるものではない。RF電極3に印加する高周波電力も300Wに限定されるものではなく、プラズマ4を生成する際のプラズマ装置のチャンバー内の圧力も80mTorrに限定されず、更に、プラズマ4に曝して処理を行う処理時間も60秒に限定されるものではない。
又、本実施形態では片側の電極3に高周波電力を印加して、残りの電極5を接地する平行平板方式のプラズマ装置を用いるものとしたが、両方の電極双方に高周波電力を印加するの平行平板方式のプラズマ装置を用いるものとしても構わない。
又、上述した実施形態では、ステム320と蓋体330とから成るキャン形パッケージを用いるものとして説明したが、キャン型パッケージに限定されるものではなく、例えば、キャリア型でも構わない。又、ステム320には半導体レーザ素子350以外の半導体素子、例えば、受光素子などが搭載されていても構わない。
上述した実施形態では、半導体レーザ装置340について説明したが、本発明は、レーザカプラー、光ピックアップ装置など、半導体レーザ素子を用いる他の半導体デバイス装置にも適用可能である。
本発明の実施形態におけるクリーニングを実施するプラズマ処理装置の概略図である。 本発明の実施形態におけるクリーニングを実施するプラズマ処理装置の変形例の概略図である。 本発明の実施形態における半導体レーザ装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施形態における半導体レーザ素子の構成を示す概略断面図である。 本発明の実施形態における半導体レーザ装置のエージング時間と駆動電流の相関図である。 本発明の比較例1における半導体レーザ装置のエージング時間と駆動電流の相関図である。 本発明の比較例2における半導体レーザ装置のエージング時間と駆動電流の相関図である。 本発明の比較例3における半導体レーザ装置のエージング時間と駆動電流の相関図である。
符号の説明
1 高周波電源
2 ブロッキングコンデンサ
3 RF電極
4 プラズマ
5 接地電極
6 被処理物
301 GaN基板
302 窒化物半導体成長層
303 p側電極
304 n側電極
305A 金属多層膜
305B 金属多層膜
305C 金属多層膜
310 ヒートシンク
311 ピン
311A 絶縁リング
312 Au70Sn30ハンダ
313 SnAg3Cu0.5ハンダ
314A ワイヤ
314B ワイヤ
316 ピン
316A 絶縁リング
320 ステム
321 支持基体
322A 外部接続端子
322B 外部接続端子
322C 外部接続端子
330 蓋体
330A 取り出し窓
340 半導体レーザ装置
350 半導体レーザ素子
402 n型GaNコンタクト層
403 n型AlGaNクラッド層
404 n型GaNガイド層
405 InGaN多重量子井戸活性層
406 p型AlGaN蒸発防止層
407 p型GaNガイド層
408 p型AlGaNクラッド層
409 p型GaNコンタクト層
410 絶縁膜

Claims (7)

  1. 半導体レーザ素子を搭載したステム及び蓋体双方をプラズマに曝してクリーニング処理を行う第1ステップと、
    前記クリーニング処理を行った前記半導体レーザ素子を搭載した前記ステムに前記蓋体を設置する設置室まで前記ステムと前記蓋体とを移動させる第2ステップと、
    を備え、
    当該第2ステップで、前記半導体素子を搭載した前記ステム及び前記蓋体を前記設置室に移動させる際、前記半導体素子を搭載した前記ステム及び前記蓋体が大気雰囲気に曝されないように不活性ガスが封止された気密性の備えた箱に入れて移動し、
    前記第1ステップでクリーニング処理に用いるプラズマ装置が、プラズマ処理装置の反応容器内に2枚の平板電極が平行に設置され、2枚の前記平板電極の内の少なくとも片方に高周波電源より高周波電力を印加して高周波電極とすることで2枚の前記平板電極の間の空間にプラズマを生成する平行平板方式のプラズマ処理装置であることを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  2. 前記第1ステップで、プラズマ生成に用いるガスが不活性ガス又は反応性ガス又はその混合ガスであることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  3. 前記第1ステップで用いる前記平行平板方式のプラズマ処理装置で、前記高周波電極以外の電極が電気的に直接接地され、接地電極となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  4. 前記第1ステップで、前記半導体レーザ素子を搭載した前記ステムと前記蓋体の双方を、同時、又は、別々に、前記プラズマに曝すことで前記クリーニング処理を実施することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  5. 前記第1ステップで、前記高周波電極上に前記半導体素子を搭載した前記ステム及び前記蓋体を設置し、前記プラズマに曝すことで前記クリーニング処理を実施することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  6. 前記第1ステップで、前記接地電極上に前記半導体素子を搭載した前記ステム及び前記蓋体を設置し、同時、又は、別々に、前記プラズマに曝すことで前記クリーニング処理を実施することを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  7. 前記第1ステップと、前記第2ステップと、前記半導体レーザ素子に搭載した前記ステムに前記蓋体を前記設置室内で設置する第3ステップと、を備えるとともに、
    当該第3ステップで、前記設置室内で前記半導体レーザ素子を搭載した前記ステムを前記蓋体に載置、固定する際、大気雰囲気に曝されないように不活性ガス中で実施することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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