JP4629034B2 - 剪断モード治療用超音波 - Google Patents

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Description

発明の技術分野
本発明は、剪断波を使用する超音波診断および治療適用に関する。
連邦政府-支援による研究に関する記述
本発明は、少なくとも一部は、米国立衛生研究所(National Institute of Health)によって与えられる付与番号NIH CA76550により米国政府の支援を受けて実施された。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
発明の背景
経頭蓋超音波ドップラー画像形成は、1980年代初期に開始されて以来、脳内の血流、出血および灌流を測定する能力を実証している。最近の研究は、パーキンソンおよび抑うつなどのある種の変性疾患を診断する可能性も調査している。これらの方法は、経頭蓋ドップラー超音波検査(TCD)または関連する経頭蓋カラードップラー超音波検査法(TCCS)を使用して、送信信号および後方散乱の周波数シフトを記録する。信号は、頭蓋骨を透過するために、一般に、比較的低い周波数(〜2 MHz)プローブで適用され、造影剤と併用使用されることが多い。頭蓋骨は高周波数の減衰が大きく、骨を低域通過フィルターとして作用させて低スペクトル周波数だけを戻すので、2 MHzを超える周波数を適用する利点はほとんどないと思われる。1 MHz以下の中心周波数も調査されており、より強い信号強度を示しているが、予想されるように解像度は低い。
経頭蓋手技の主な妨げは、頭蓋骨の形状、密度および音速の不規則さによって生じる強力な減衰およびゆがみである。これらの特性は、集合的に、超音波焦点の崩壊および/または受信された診断情報を空間的に位置合わせする能力の低下に寄与する。
ヒト頭蓋骨を通過する超音波の干渉性非侵襲性集束(Coherent noninvasive focusing)が、脳の数多くの治療的および診断的意味のために示唆されている。例えば、超音波は、脳腫瘍の経頭蓋(transskull)治療、標的薬物送達、改善された血栓性卒中治療、血流画像形成、内部出血の検出および断層撮影による脳の画像形成のためのツールとして考慮されている。ヒト頭蓋骨はこれらの適用の多くの臨床的実現の障害となっているが、検討は、経頭蓋集束の低侵襲性および非侵襲性収差補正方法を実証している。低侵襲性方法は、脳内にカテーテルを挿入して、頭蓋骨によって生じる振幅および位相ひずみを測定し、次いで超音波トランスデューサーアレイを使用してビームを補正するように設計されている受信プローブを使用する。または、完全に非侵襲性の方法は、X-線コンピュータ断層撮影法(CT)画像を使用して、頭蓋骨によって生じる縦波ひずみを予測する。治療アレイを用いる非侵襲性集束は縦波伝搬モデルを用いて実証されているが、集束が頭蓋骨表面近くに方向付けられると集束の振幅が低下することが観察された。
経頭蓋伝搬は主に縦のモードを含むという仮定は、小さいビーム入射角に有効であるが、縦波が臨界角に近づくので、約25°を超えると迅速に崩壊する。これは、縦モデルを使用したときの振幅の低下のもっともな説明である。集束が脳の辺縁に方向づけられるとき、アレイ要素の数が増加し、頭蓋骨に対して大きい入射角で配向される。
剪断波のモデル化は、振幅が重要でないとして、または重要であったとしても、得られるビームは非干渉性であり、予測が困難であると思われるとして却下されている。頭蓋骨の弾性波の速度に関する重要な情報が存在しないこともモデル化の考慮を阻止している。同様の問題は、他の骨組織の超音波伝搬に関して存在する。
発明の概要
超音波ビームは、剪断波により効果的に干渉的に骨を介して送信することができることが発見されている。これは、例えば、ビームと骨表面に対する法線の角度を、縦波の完全な反射を生じる臨界角(約20°)より大きくすることによって実施することができる。約25°〜60°の間の角度では、剪断波が発生し、骨を伝搬し、内部表面で縦波に変換され、骨の他の側の軟部組織に伝搬する。この所見はいくつかの意味を有する:第一に、剪断波は、縦波が軟部組織において有する伝搬速度とほぼ同じ伝搬速度を骨内で有する。従って、骨内での音速が大きい(2500〜3000 ms/s)ために、縦波である場合にそうであるのようには、波面は骨の種々の厚さによって大きくひずまされることはない。複雑な患者特有の収差補正を実施しないで、骨を通過する超音波ビームを集束することができる。例えば、比較的簡単な装置を用いて、脳の診断用超音波画像形成ならびに超音波脳治療および診断を実施することができる。第二の意味は、ビームの入口角を大きくすることができ、縦波を使用するより高いゲインで脳の広い容量に到達することができることである。第三に、頭蓋骨を通過する超音波集束の予測は、剪断波の伝搬モデル化を縦波伝搬モデルを組合わせることによって大きく改善することができる。骨層からの望ましくない反射は低下または排除され、診断情報の分析を容易にすることができる。
本発明の態様は以下の可能性の1つ以上を提供することができ、以下の用途の1つ以上に使用することができる。本発明は超音波診断および/または治療に使用することができ、骨を通過する超音波の送信を使用する方法の助けとなりうる。特に、本発明は、骨の血流を画像化しようとするシステムに適用でき、または既存の超音波画像形成および/または治療装置もしくは経骨超音波治療の独立型装置の増強/追加物となりえ、および/または超音波を使用する血液-脳関門(BBB)の開放を使用する技法もしくは超音波を使用して実施する任意の他の診断もしくは治療手技に適用することができる。超音波の集束は大幅に簡略化できると思われ、位相ひずみ補正は減少し、排除できる可能性があると思われる。現在超音波で到達することができる組織容量を増加することができる。また、本発明の態様は骨組織の空洞を検出することができるおよび/または骨表面からの望ましくない反射による空洞内容物の検出/測定は減少または排除される。
一般に、一局面において、本発明は、剪断波を使用して超音波信号を送達することによって被験者を診断する方法であって、骨に剪断波を誘導するため骨表面に対して入射角で骨表面に超音波メインビームの一部を適用し、剪断波のエネルギーが骨を通過して被験者の望ましい領域に第1の超音波エネルギーの実質的な部分を形成する段階、適用した超音波メインビームの反射および散乱したエネルギーの少なくとも1つを検出する段階および診断目的のために検出したエネルギーを分析する段階を含む方法を提供する。
本発明の実施は、以下の特徴の1つ以上を含んでもよい。超音波メインビームの一部を、被験者に対する縦波臨界角と被験者に対する剪断波臨界角の間で骨表面に提供する。分析する段階は、望ましい領域の少なくとも一部の画像を形成する段階を含む。望ましい領域は、超音波メインビームの送信ラインの線状領域である。超音波メインビームの一部を適用する段階は、超音波メインビームの一部を骨に適用する段階を含む。骨は頭蓋骨であり、超音波メインビームの一部は、頭蓋骨内の望ましい領域に到達するために入射角で頭蓋骨に方向づけられる。望ましい領域は副鼻腔および内耳腔の1つであり、本発明の方法は、望ましい領域に少なくとも部分的に流体が充満しているかどうかの指標を提供する段階をさらに含む。望ましい領域は歯および顎骨の1つであり、本発明の方法は、以下の1つをさらに含む:望ましい領域が虫歯および膿瘍の少なくとも1つを有するかどうかの指標を提供する段階;および望ましい領域の生体構造および血液灌流の少なくとも1つの画像を得る段階。
本発明の実施はまた以下の特徴の1つ以上も含んでもよい。少なくとも第1の超音波メインビームは異なる周波数の多数のパルスで適用される。異なる周波数は、約0.3 MHz〜約5 MHzの周波数の範囲内である。異なる周波数は、約1 MHz〜約3 MHzの周波数の範囲内である。パルスは、約1サイクル〜約100サイクルの範囲内の持続時間を有する。異なるパルスは、異なる周波数に関連する異なる減衰量を代償するための対応する異なる振幅を有する。少なくとも第1の超音波メインビームは多数サイクルのバーストで適用され、サイクルの少なくとも2つは、異なる周波数、異なる位相および異なる振幅の少なくとも1つを有する。
一般に、別の局面において、本発明は、剪断波を使用して被験者の標的領域に超音波信号を送達することによって被験者を診断するシステムであって、超音波エネルギーを送信するように構成されているトランシーバー、源からのメインビームの一部の超音波エネルギーが標的領域に超音波エネルギーの実質的な部分を形成する剪断波のエネルギーで剪断波を骨に誘導するように、送信される超音波エネルギーのメインビームの一部を被験者の骨表面に入射させるための、トランシーバーに接続されている方向づけ手段およびトランシーバーに接続されており、診断目的のために標的領域から戻されるメインビームの一部のエネルギーを分析するための分析手段を含むシステムを提供する。
本発明の実施は以下の特徴の1つ以上を含んでもよい。方向づけ手段は、メインビームの一部を、骨に対する縦臨界角と骨に対する剪断臨界角の間で骨表面に入射させるように構成されている。方向づけ手段は、(1)源に対する法線方向を第1の角度で骨表面に対して機械的に方向づけるように構成されている保定装置、(2)トランシーバーが複数の放射要素を含み、少なくとも第1のメインビームを電子的に方向づけるために複数の放射要素の位相および遅延の少なくとも1つを調節するように構成されている位相遅延アジャスターならびに(3)トランシーバーが複数の放射要素を含み、異なる時間で要素を作動して適宜メインビームを方向づけるように構成されている作動レギュレーターの少なくとも1つを含む。保定装置は、(1)法線が第1の角度で表面方向に方向づけられるように、被験者およびトランシーバーを一定の方法で接続する、および(2)法線が第1の角度で表面に方向付けられるようにトランシーバーを機械的に調節する、の少なくとも一方を行うように構成されている。トランシーバーは、超音波エネルギーを放射するように構成されている複数の要素を含み、システムがトランシーバーの少なくとも一部に超音波エネルギーを放射させ、放射されるエネルギーにより戻されるエネルギーの徴候(indicia)を処理して、トランシーバーに対する表面の少なくとも一部の配向を決定し、縦臨界角と剪断波臨界角の間で表面の一部に少なくとも部分的に方向づけさせるメインビームを有する源の要素だけを作動するように構成され、接続されているコントローラーを含む。コントローラーは、戻されるエネルギーの徴候を処理して、表面の少なくとも一部の画像を形成するように構成されている。
本発明の実施はまた、以下の特徴の1つ以上を含んでもよい。システムは、トランシーバーに接続されており、標的領域にエネルギーを送信するためにトランシーバーを作動してメインビームを生じるように構成されているコントローラーを含み、被験者の表面は被験者の頭蓋骨の外側表面である。システムは、トランシーバーに接続されており、トランシーバーを作動して異なる周波数および振幅の複数のパルスのメインビームを生じるように構成されている。異なる周波数は、約0.5 MHz〜約5 MHzの周波数範囲内である。異なる周波数は、約1 MHz〜約3 MHzの周波数範囲内である。パルスは、約1サイクル〜約100サイクルの範囲内の持続時間を有する。異なる振幅は、異なる周波数に関連する異なる減衰量を代償する。システムは、トランシーバーに接続されており、トランシーバーを作動して、多数サイクルのバーストでメインビームを生ずるように構成されているコントローラーを含み、サイクルの少なくとも2つは異なる周波数、異なる位相および異なる振幅の少なくとも1つを有する。分析手段は、標的領域に少なくとも部分的に流体が充満しているかどうかの指標を提供するように構成されている。
一般に、別の局面において、本発明は、剪断波を使用して被験者の標的領域に超音波信号を送達するシステムであって、超音波エネルギーを送信および受信するように構成されているトランスデューサー装置、トランスデューサー装置に接続されており、トランスデューサー装置を作動して超音波エネルギーを被験者に送信するように構成されているコントローラーおよびトランスデューサー装置に接続されており、標的領域において超音波エネルギーの実質的な部分を形成する剪断波のエネルギーで、第1のメインビームの超音波エネルギーが被験者に剪断波を誘導し、第1のメインビームからのエネルギーが標的領域に到達するように、トランスデューサー装置の少なくとも一部からの第1のメインビームの一部が、法線入射と患者に対する剪断臨界角の間の入射角で骨表面の一部に方向づけられることを確実にするように構成されている位置決め装置を含み、トランスデューサー装置に以下:サイクルの少なくとも2つが異なる周波数、異なる位相および異なる振幅の少なくとも1つを有する多数のサイクルを含むシングルパルス;および異なるパルスが異なる周波数および振幅を有する複数のパルスの少なくとも1つのエネルギーを送信させるようにコントローラーが構成されており、標的領域から戻り、トランスデューサー装置に受信される第1のメインビームの超音波エネルギーを分析して、戻されるエネルギーから診断情報を判定するようにトランスデューサーが構成されているシステムを提供する。
本発明の実施は、以下の特徴の1つ以上を含んでもよい。トランスデューサー装置は、超音波エネルギーを送信するように構成されている複数の要素を含み、コントローラーは、(1)縦臨界角より小さい第2の角度で被験者の表面の一部に入射すると思われる第2のメインビームを生じるように構成されているトランスデューサー装置の一部および(2)剪断波臨界角より大きい第3の角度で被験者の表面の一部に入射すると思われる第3のメインビームを生じるように構成されているトランスデューサーの一部の少なくとも1つの作動を阻止するように構成されている。異なる周波数は、約0.1 MHz〜約5 MHzの周波数範囲内である。異なる周波数は、約0.31 MHz〜約3 MHzの周波数範囲内である。パルスは、約1サイクル〜約100サイクルの範囲内の持続時間を有する。位置決め装置は、被験者および骨の少なくとも一方に対して適宜源を機械的に配向するために被験者に接続するように構成されている。トランスデューサーは、超音波エネルギーを送信するように構成されている複数の要素を含み、位置決め装置は、第1のメインビームを電子的に方向づけるために要素の位相に影響を与えるように構成されている。トランスデューサーは、超音波エネルギーを送信するように構成されている複数の要素を含み、コントローラーは、第1のメインビームを電子的に方向づけるために要素の作動時期に影響を与えるように構成されている。コントローラーは、戻されるエネルギーからコントローラーが判定する診断情報に基づいて、標的領域に少なくとも部分的に流体が充満しているかどうかの指標を提供するように構成されている。
本発明の実施はまた以下の特徴の1つ以上を含んでもよい。コントローラーは、標的領域における動きを刺激するために第2のメインビームを標的領域に方向づけるように構成されており、コントローラーは、戻されるエネルギーからコントローラーが判定する診断情報に基づいて、標的領域の動きの指標を提供するように構成されている。第1および第2のメインビームは異なる周波数を有する。コントローラーは、標的領域の動きを刺激するために第2および第3のメインビームを標的領域に方向づけるように構成されており、コントローラーは、戻されるエネルギーからコントローラーが判定する診断情報に基づいて、標的領域の動きの指標を提供するように構成されている。コントローラーは、戻されるエネルギーから標的領域の少なくとも一部の画像を形成するように構成されている。標的領域は被験者の線状領域であり、コントローラーは、戻されるエネルギーから線画像を形成するように構成されている。
一般に、別の局面において、本発明は、剪断波を使用して超音波信号を送達する方法であって、被験者に剪断波を誘導するため被験者の表面に対する少なくとも第1の入射角で被験者に少なくとも第1の超音波ビームの一部を適用し、剪断波のエネルギーが被験者の望ましい領域に治療レベルで第1の超音波エネルギーの実質的な部分を形成する段階を含む。
本発明の実施は以下の特徴の1つ以上を含んでもよい。第1の超音波メインビームの一部は、被験者に対する縦波臨界角と被験者に対する剪断波臨界角の間で被験者表面に適用される。少なくとも第1の超音波ビームの一部を適用する段階は、被験者に対する縦波臨界角と被験者に対する剪断波臨界角の間の多数の入射角で超音波エネルギーを適用して、望ましい領域に超音波エネルギーを集束させる段階を含む。本発明の方法は、さらに、第2の超音波ビームの少なくとも一部を被験者に適用して被験者に剪断波を誘導し、被験者の望ましい領域に第2の超音波を生じる段階、望ましい領域の少なくとも一部の画像を形成する段階および第2の超音波ビームの一部の超音波エネルギーが望ましい方法で望ましい領域に到達したかどうかを画像から同定する段階を含む。少なくとも第1の超音波ビームの一部を適用する段階は、少なくとも第1の超音波ビームの一部を骨に適用する段階を含む。骨は頭蓋骨であり、第1の超音波ビームの一部は頭蓋骨内の望ましい領域に到達するために第1の入射角で頭蓋骨に方向づけられる。
本発明の実施は以下の特徴の1つ以上を含んでもよい。少なくとも第1の超音波ビームの一部が、異なる周波数の多数のバーストで適用される。異なる周波数は、約0.1 MHz〜約5 MHzの周波数の範囲内である。異なる周波数は、約0.2 MHz〜約3 MHzの周波数の範囲内である。パルスは、連続波に対して約1サイクルの範囲内の持続時間を有する。少なくとも第1の超音波ビームの一部を適用する段階は、被験者に第3の超音波ビームの一部を適用して、被験者に剪断波を生じ、望ましい領域に第3の超音波剪断波を生じる段階を含む。第3の超音波ビームの一部は、第1の超音波ビームの一部と別である。少なくとも第1の超音波ビームの一部を適用する段階は、被験者に対する縦波臨界角より小さい第4の入射角で被験者に第4の超音波ビームの一部を適用する段階を含む。
一般に、別の局面において、本発明は、剪断波を使用して被験者の標的領域に超音波信号を送達するためのシステムであって、超音波エネルギーを送信するように構成されている源および源に接続されており、送信される超音波エネルギーの少なくとも第1のメインビームの一部を被験者の表面に入射させて被験者に剪断波を誘導し、剪断波のエネルギーが被験者の標的領域に治療レベルにおいて第1の超音波エネルギーの実質的な部分を形成する方向づけ手段を含むシステムを提供する。
本発明の実施は以下の特徴の1つ以上を含んでもよい。方向づけ手段は、(1) 源に対する法線方向を第1の角度で表面に対して機械的に方向づけるように構成されている保定装置ならびに(2)源が複数の放射要素を含み、少なくとも第1のメインビームを電子的に方向づけるために複数の放射要素の位相および遅延の少なくとも1つを調節するように構成されている位相遅延アジャスターの少なくとも1つを含む。保定装置は、(1)法線が第1の角度で表面方向に方向づけられるように、被験者および源を一定の方法で接続する、および(2)法線が第1の角度で表面方向に方向付けられるように源を機械的に調節する、の少なくとも一方を行うように構成されている。源は、超音波エネルギーを放射するように構成されている複数の要素を含み、システムは、源の少なくとも一部に超音波エネルギーを放射させ、放射されるエネルギーにより戻ってくるエネルギーの徴候を処理して、源に対する表面の少なくとも一部の配向を決定し、縦臨界角と剪断波臨界角の間で表面の一部に少なくとも部分的に方向づけされるメインビームを有する源の要素だけを作動するように構成され、接続されているコントローラーを含む。コントローラーは、反射されるエネルギーの証を処理して、表面の少なくとも一部の画像を形成するように構成されている。システムは、源に接続されており、源からの第2のメインビームの超音波エネルギーが被験者に剪断波を誘導し、第2のメインビームが標的領域に到達し、第2の角度が第1の角度と異なるように、被験者に対する縦臨界角と被験者に対する剪断臨界角の間の第2の角度で少なくとも一部が被験者の表面に入射すると思われる第1のメインビームおよび第2のメインビームを生じるために源を作動するように構成されているコントローラーを含む。
本発明の実施は以下の特徴の1つ以上を含んでもよい。システムは、源に接続されており、源を作動して、標的領域にエネルギーを送信するため第1のメインビームを生じるように構成されているコントローラーを含む。システムは、源に接続されており、源を作動して異なる周波数の複数のパルスの第1のメインビームを生じるように構成されているコントローラーを含む。異なる周波数は約0.1 MHz〜約5 MHzの周波数範囲内である。異なる周波数は約0.2 MHz〜約3 MHzの周波数範囲内である。パルスは、連続波に対して約1サイクルの範囲内の持続時間を有する。システムは、源に接続されており、被験者に対する縦臨界角より小さい第3の角度で少なくとも一部が被験者の表面に入射すると思われる第1のメインビームおよび第3のメインビームを生じるために源を作動するように構成されているコントローラーを含む。
一般に、別の局面において、本発明は、剪断波を使用して被験者の標的領域に超音波信号を送達するためのシステムであって、超音波エネルギーを送信するように構成されている源、源に接続されており、源に接続されており、源を作動して超音波エネルギーを被験者に送信するように構成されているコントローラーおよび源に接続されており、第1のメインビームの超音波エネルギーが被験者に剪断波を誘導し、送信される超音波エネルギーが標的領域に到達するように、源の少なくとも一部からの第1のメインビームの一部が、被験者に対する縦臨界角と被験者に対する剪断臨界角の間の第1の角度で被験者表面の一部に方向づけられることを確実にするように構成されている位置決め装置を含み、コントローラーが源に複数のパルスのエネルギーを送信させるように構成されており、各パルスが異なる周波数を有するシステムを提供する。
本発明の実施は以下の特徴の1つ以上を含んでもよい。源は、超音波エネルギーを送信するように構成されている複数の要素を含み、コントローラーは、(1)縦臨界角より小さい第2の角度で少なくとも一部が被験者の表面の一部に入射すると思われる第2のメインビームを生じるように構成されている源の一部および(2)剪断波臨界角より大きい第3の角度で少なくとも一部が被験者の表面の一部に入射すると思われる第3のメインビームを生じるように構成されている源の一部の少なくとも1つの作動を阻止するように構成されている。異なる周波数は、約0.1 MHz〜約5 MHzの周波数範囲内である。異なる周波数は、約0.2 MHz〜約3 MHzの周波数範囲内である。パルスは、連続波に対して約1サイクルの範囲内の持続時間を有する。位置決め装置は、被験者に対して適宜源を機械的に配向するために被験者に接続するように構成されている。源は、超音波エネルギーを送信するように構成されている複数の要素を含み、位置決め装置は、第1のメインビームを電子的に方向づけるために要素の位相に影響を与えるように構成されている。
本発明の種々の局面は以下の可能性の1つ以上を提供することができる。超音波は、骨、例えば、頭蓋骨を通過して伝搬することができると同時に、以前の技法と比較して、ひずみの少なさおよび信号強度の増強を経験し、より明確で正確な脳画像を可能にし、治療適用のために集束がすぐれている。覆っている骨層からの望ましくないエコーを減少することができ、標的組織から受信される診断情報の分析を容易にする。骨空洞および/またはそれらの内容物を検出することができる。経骨剪断モード伝搬は、血管の検出、腫瘍の検出、組織の形態および脳内の出血を含む数多くの画像形成問題に使用することができる。以前の技法よりひずみが少なくおよび/または位置精度の高い経骨超音波を提供することができる。
本発明のこれらの能力および他の能力は、本発明自体と共に、以下の図面、詳細は説明および特許請求の範囲を参照することによってさらに十分に理解される。
好ましい態様の詳細な説明
本発明の態様は、骨に剪断モードを意図的に誘導する経頭蓋骨および他の経骨伝搬の技法を提供する。経頭蓋骨伝搬では、入射波は骨層において入射縦波から剪断波へのモード変換を経験し、次いで脳内で縦波に戻る。頭蓋骨の剪断波速度は、縦波速度と比較して、すぐれた音響インピーダンス、少ない屈折および少ない位相変化を提供することができる。剪断波を使用して、超音波を脳内で集束することができる。超音波が、スネル(スネル)の臨界角を超える角度で骨に入射する場合には、縦波は骨内で誘導されない。数値解析が提供され、この現象の実証は、プラスチックファントムおよびエクスビボにおけるヒト頭蓋骨を使用して検討された。本発明の態様は、治療的および診断適用を含む種々の適用に使用することができ、以下に別個に考察されている。他の態様も本発明の範囲内である。
ある条件下において、大きい入射角を使用することによってひずみが少なく、信号振幅が大きい超音波を頭蓋骨に伝搬することが可能であることが観察されている。数値的検討および実験的検討は共に、これは頭蓋骨内に誘導される剪断モードの挙動によることを示している。超音波の入射角が縦圧力波のスネルの臨界角を超えると、骨内の伝搬は剪断波だけによる。縦波(皮膚)から剪断波(頭蓋骨)へのこの変換および縦波(脳)への戻りは、ひずみが大きい波または振幅が小さい波を必ずしも生じない。等方性ファントム材料を研究し、後にエクスビボにおけるヒト骨試料を研究した検討はこの仮説を裏付けている。実際、頭蓋骨内を剪断波として移動する集束ビームは、縦波よりひずみが少ないことが発見されている。集束ビームが、同じ頭蓋骨領域を伝搬する縦波より振幅が大きいことが観察された例もいくつかある。縦-横-縦の伝搬の成功は、主に、弾性(S)波速度(〜1400 m/s)と水の音速(〜1500 m/s)、皮膚の音速(〜1525 m/s)および脳の音速(〜1550 m/s)ならびに他の軟部組織の音速との類似性による可能性がある。一方、頭蓋骨内における関連周波数の縦波の音速の範囲は、これらの値の約2倍である。従って、頭蓋骨内に剪断-モードを意図的に生じることを、脳の画像を形成するためまたは脳内の異常を検出するための手段として使用することができる。同様の技法を生体の他の部分の治療的および/または診断的用途のためにまたはヒトもしくは他の動物の生体とは別の適用に使用することができる。
本発明の態様は、頭蓋骨を通過する集束を生じるまたは増強するための手段として頭蓋骨内に意図的に生じた剪断-モードを使用する。剪断モードは、経頭蓋骨伝搬モデルに組み入れられて、大きい入射角の超音波位相および振幅を予測することができることを実証している。この方法を例示するために、プラスチックの単層を通過する場を最初にモデル化した。次いで、この方法をヒト骨切片に適用し、実験測定値と比較する。この方法は脳内におけるより正確な集束に使用することができると思われ、現在の方法を越えて集束領域を拡大することができると思われる。
理論的な基礎
超音波の波長と比較して小さい頭蓋骨の湾曲に基づいて、頭蓋骨の内側面および外側面を、各々平坦に近いが、必ずしも平行ではない領域に切片化する。この近似は分析を簡単にするために実施するものであり、本発明の実施に必要ではない。問題のダイアグラムを図1に提供し、頭蓋骨表面のこれらの領域に入射する領域に分割した超音波場を示す。各領域は、伝搬領域の平均密度の関数として求められるLame定数を用いて単層等方性固体としてモデル化する。
任意に配向した等方性頭蓋骨層を通過する伝搬は、入射波のスペクトル分解および光線通路の決定ならびに場が頭蓋骨を通過するときの波数の角度(angular wavenumber)の関数としての減衰によって達成される。最初に縦波の高調波スペクトルの波成分は速度ポテンシャルに関して以下に考慮されている。一般化を損失することなく、所定の成分は基準フレーム内に見られ、表面法線はデカルトy-軸に配向され、z-軸は、伝搬軸と表面ベクトルとのクロス積の単位ベクトルによって規定される。このフレームにおいて、速度ポテンシャルは、
Figure 0004629034
(式中、ALは層表面に入射する縦波成分の振幅であり、ALRは反射した縦波の振幅であり、θは入射角であり、kxおよびkyは規定の基準フレームの波数ベクトルである)
と表される。添え字I〜IIIは、それぞれ、皮膚、頭蓋骨および脳を示すために使用されており、添え字LおよびSは縦波または剪断波をいう。従って、頭蓋骨内に送信される縦波ポテンシャルは以下:
Figure 0004629034
によって与えられ、
剪断ベクトルポテンシャルは
Figure 0004629034
である。
この作図を使用すると、各スペクトルの波成分は自身の独自の基準座標系内で見られるはずである。境界では、入射波は、反射波、送信される縦波および送信される剪断波に分かれる。これらの波の振幅は、Kino(Acoustic Waves: Devices, Imaging, and Analog Signal Processing, Englewood Cliffs, New Jersey: Prentice-Hall, 1987)によって概略が示されている方法を使用して入射波に対して求めることができる。具体的には、粒子変位の法線成分、
Figure 0004629034
は、境界で連続しているはずであり、法線応力は
Figure 0004629034
および剪断応力は
Figure 0004629034

所定の媒体の剪断波および縦波の音速は
Figure 0004629034
によってLame定数μおよびλに関連する。
振幅算出の詳細は添付資料Aに提供されている。各平面波解は、波数の1つの角度(single angular wavenumber)の挙動を作図している。これらの振幅は、各成分の波数ベクトル空間について算出される。しかし、これは添付資料Bに示すように、閉形式によって容易に実施することができる。
頭蓋骨内に伝搬した後、縦波および剪断波は別個に処理され、全波が脳に到達し、
Figure 0004629034
(式中、
Figure 0004629034
は、頭蓋骨内に入射する縦波および剪断波による縦波の振幅である)
に等しくなる。
速度ポテンシャルの値は、等式(1)〜(3)に代入し、
Figure 0004629034
について解くことにより、皮膚-骨界面において式(4)〜(6)を換算することによって見つけることができる。頭蓋骨-脳界面では、入射する剪断波および縦波の速度ポテンシャル振幅は、これらの送信振幅と骨内で経験される吸収損失の積に等しい。各スペクトル成分は頭蓋骨を通過する独立した光路長を有するので、その全吸収は、一般に、成分間で異なる。この問題の二次元的な表示を図1に示す。
脳内の波の振幅、
Figure 0004629034
を見つけるために、表面法線がデカルトy-軸に配向されており、関連の波数ベクトルがx-y平面にある基準フレームで問題を扱うことによって、問題を再度二次元に戻す。脳の軟部組織は流体様であるので、頭蓋骨内に入射する縦波は反射される剪断波、反射される縦波および送信される縦波にさらに分かれる。頭蓋骨内の剪断波も同様に分かれるが、屈折および送信角度が異なる。
脳の所定の地点の音圧は、平面領域の各スペクトル成分の振幅および位相について別個に解くことによって得られる。スペクトルを逆-変換して、測定面の圧力を得る。圧力振幅は、等式(4)および等式(5)により脳内のスカラー速度ポテンシャルの振幅、
Figure 0004629034
に関連する法線応力の負に等しい。圧力振幅は、添付資料Aに記載するように算出した。図23は、理想的なプラスチック(例えば、アクリル)層を移動した後の水中の無限の平面波によって生じる
Figure 0004629034
の角度依存を示す。
頭蓋骨の高い減衰係数に基づいて、頭蓋骨内の多重反射による追加の寄与は無視する。脳内の任意の地点の全音圧は、各スペクトル成分の光路長および全送信振幅を算出することによって求めることができる。相対的な音響相および全体的な減衰(吸収損失を含む)を算出する。トランスデューサーから脳内の測定地点までの場の光路長を求めるアルゴリズムは添付資料Bに提供されている。
診断適用
図2を参照すると、超音波診断システム10は、撮像装置12、n個のトランスデューサー要素16のフェーズドアレイ14、信号調節器18、コントローラー20、周波数発生器22および保定装置23を含む。システム10は、超音波診断の可能性を提供するように構成されている。システム10は、対象(ここでは患者30の頭蓋骨28)の1つ以上の特徴を測定し、対象(ここでは患者の脳内)内で集束される超音波エネルギー(例えば、約0.01 MHz〜約10 MHz、好ましくは約0.01 MHz〜約3 MHzの範囲)を適用するように構成されている。考察はここでは頭蓋骨に絞られているが、他の対象、例えば、副鼻腔、耳管等などの脳以外の領域を使用することができる。さらに、本発明は歯科適用(歯)、肋骨、脊椎または任意の他の骨への適用に使用することができる。本発明は、骨の空洞が空気または流体を含有するかどうかを判定するおよび/または流体の粘度を求めるために使用することができる。また、本発明は骨髄または骨の神経および血管を画像形成するために使用することができる。脊柱管の画像形成も可能である。本発明はまた、骨空洞、骨折および/または腫瘍を検出するためにも使用することができる。本発明はまた、剪断波速度と縦波速度を比較することによってまたは骨に力(例えば、超音波-誘導性の放射圧または機械力)を適用し、超音波を使用して変位を検出することによって、骨の特性を判定するために使用することもできる。
アレイ14への信号は駆動配列によって提供される。この配列は、Daum et al., 「Design and Evaluation of a Feedback Based Phased Array System for Ultrasound Surgery.」IEEE Trans. Ultrason. Ferroelectr. Freq. Control 45(2): 431-4, 1998に報告されているものと類似しているが、駆動周波数は、約0.1 MHz〜約10 MHzの間で選択される。駆動は、望ましい超音波信号を提供する他の技法によって実施することもできる。各トランスデューサー要素16への出力および位相は、手動で制御してもまたはソフトウェアおよびフィードバックを使用して自動的に制御してもよい。システム10は、たくさんの要素が好ましいが、適用に応じて、要素の非-協調的セットまたは単一の要素と使用することができる。
トランスデューサー要素16のアレイ14は、患者の頭部の外側表面または骨28を覆う他の表面上または付近に配置されるように構成されている。アレイ14は曲線形状、例えば、球状で構成されているが、線状を含む平面状などの他の形状の断面も可能である。アレイ14は、アレイ14の表面からある距離において超音波エネルギーを集束するために患者の頭部上または付近に配置されるように構成されている。アレイ14は種々のサイズであってもよく、例えば、ヒトの頭部に取り付けるために径30 cm以上であってもまたは径約1 mm以下であってもよい。要素16は、好ましくは、適用に依存する出力レベルの超音波を放出し、方向づけ、また超音波エネルギーを受信するように構成されている送信器である。アレイ14のトランスデューサー要素16は、好ましくは、示すように、アレイ14に配列されている圧電トランスデューサー要素である。トランスデューサー要素16(例えば、中心間間隔λ/2の圧電セラミック片)は、要素16間に接続されている制動機構(damping mechanical)に好適なシリコーンゴムまたは他の材料に取り付けられている。アレイ構成に他の材料も使用することができる。例えば、アレイ14は、1片以上の複合圧電材料または電気エネルギーを音響エネルギーに変換する任意の材料から製造することができる。
アレイ14は、周波数発生器22に接続されている信号調節器18に接続されている。周波数発生器22は、信号調節器18に、入力信号として共通のラジオ周波数(RF)信号を提供するように構成されている。要素16の一部または全てに別個の信号発生器を使用してもよい。ラジオ周波数発生器22は、信号調節器18に適当な信号を生じる任意の種類であってもよい。個々の周波数を使用してもよい。個々の信号発生器(例えば、デジタル波形発生器)を使用するとき、各信号の位相、振幅および遅延は、追加の回路を使用しないで、信号発生器によって設定することができる。励振により、超音波エネルギーを患者の頭蓋骨28に送信し、相対的遅延に応じて、選択した領域のエネルギーを患者の脳内に適宜集束させる。発生器22は調節器18に接続されて、発生器の出力信号を分割し、信号調節器18にn個の入力信号を提供する。
n対の増幅器241〜24nおよび信号調節器18の関連する遅延回路261〜26nが、周波数発生器22からのn個の入力信号の各々を受信するように接続されている。遅延回路26および増幅器24の各対は信号調節器18の通信路となる。遅延回路26は、発生器22からの入力信号の遅延(およびおそらく振幅)をそれぞれの遅延因子α1〜αnだけ変更または調節することによって増幅器24にn個の独立した出力信号を提供するように構成されている。増幅器241〜24nは、遅延回路26からの信号を増幅し、増幅器24およびトランスデューサー要素16に接続、例えば、同軸ケーブルによって個別に接続されているトランスデューサー要素16に増幅した信号を提供するように構成されている。
遅延回路26の遅延因子α1〜αnは、超音波エネルギーの通路に対象がないとき超音波ビームの方向づけを提供する。方向づけに関連する各要素16の位相遅延は既知の技法を使用してコンピュータ処理することができる。遅延α1〜αnはコントローラー20によって提供される。コントローラー20は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、配線(hardwiring)またはこれらのいずれかの組み合わせによって提供されうるロジックを含む。例えば、コントローラー20は、遅延回路26に遅延α1〜αnを提供し、適用するために、従来の方法でソフトウェア命令でプログラムされた汎用または特殊目的のデジタルデータプロセッサーであってもよいが、他の構成も使用することができる。
保定装置23は、アレイ14が、対象28に剪断波を誘導する角度で対象に超音波エネルギーを提供することができることを確実にする助けとなるように構成されている。アレイ14または1つの要素16に対する法線方向が、低安全係数を加える縦臨界角(スネル角)の間で、高安全係数を引く剪断臨界角 (それを超えると剪断波は対象28に伝搬しない)以下であるように、保定装置23は、対象28の外側面に対してアレイ14(または1つの要素16)を配向するように形作ることができる。軟部組織-頭蓋骨界面では、スネル角は約20°であり、剪断臨界角は約65°であるので、超音波は、好ましくは、約25°〜約60°の間の頭蓋骨に方向づけることができる。安全因子は、アレイ14または要素16のメインビームの幅を占める助けとなりうる。図24〜25を参照すると、アレイ14のメインビーム200は比較的狭く、0°の法線から3 dBで±3°である。1つの要素16のメインビーム202ははるかにひろく、0°の法線から3 dBで±30°である。診断適用では、メインビームは、アレイ(大規模または小規模)または1つの要素由来であるかどうかにかかわらず、好ましくは、狭い。保定装置23は、メインビーム200、202の少なくとも望ましい部分が、縦臨界角と剪断臨界角の間の入射角で対象28の表面に方向づけることを確実に可能にする助けをする。例えば、1つの要素16では、保定装置23は、要素16を収容し、対象28の表面に配置されて要素16を適宜配列するように構成されているブロックであってもよい。例えば、保定装置23は、ヒトの鼻に隣接するヒトの顔面に配置され、メインビーム202の少なくとも望ましい部分(例えば、出力の少なくとも閾値量)が、縦臨界角と剪断臨界角の間の角度で(例えば、ヒトの副鼻腔方向に)ヒトの頭蓋骨に方向づけられるように要素16を配向するように構成してもよい。また、縦波の臨界角と法線の間の狭い角度を使用することができる。
コントローラー20は、アレイ14からの超音波を適宜方向づけるように構成される。コントローラー20は、アレイ14からの超音波エネルギーを機械的および/または電子的に進める(steer)/方向づける(direct)ように構成される。コントローラー20は、保定装置23に命令信号を送信して、アレイ14の位置、従ってアレイ14の物理的な位置決め (すなわち、アレイ14からのメインビームの方向および/またはメインビームが対象28に入射する位置) を機械的に変更することができる。コントローラー20は、さらに、位相器26によって提供される位相または要素16の励振時期を制御して、アレイ14からの超音波ビームを電子的にスキャンすることができる。励振時期を制御することによって方向づけるためにいくつかの技法を使用してもよく、例えば、コントローラー20は遅延した励振信号を提供してもよく、またはコントローラー20は、異なる要素16などについて時間遅延した異なる量の共通の励振信号を提供してもよい。コントローラー20は、超音波メインビームの少なくとも望ましい量のエネルギーを、それが機械的および/または電子的に方向づけられていても、縦臨界角と剪断臨界角の間で対象28に方向づけることを確実にするように構成されている。超音波エネルギーは縦波から剪断波に変換され、対象28には剪断波として送信される。しかし、一部のエネルギーが、縦臨界角と剪断臨界角の間の範囲より大きいまたは小さい角度で対象28に方向づけられることがある。さらに、変換を誘導すると思われる対象28における移行(例えば、音響インピーダンスの変化)がある場合には(例えば、頭蓋骨から脳への移行)、剪断波は対象28内で縦波に戻ることがある。
アレイ14の機械的方向/配向は手動で調節してもよい。好ましくは、対象28の表面の角度は、CT(computer tomography)またはMR(magnetic resonance)スキャナーを使用しないで、視野で決定される。しかし、アレイ14に法線のビームが対象28において剪断波を生じる時期を示すためにガイドを提供してもよい。コントローラー20は、要素16を選択的に励振するようにさらに構成されている。従って、コントローラー20は、対象28において剪断波を生じる入射角を対象28に提供する要素を選択的に励振し、対象28において剪断波を生じない要素を励振しないことが可能である。さらに、異なる位置に方向づけられ、同じまたは異なる周波数および/または振幅の多重ビームをアレイ14から同時に生じることができる。
コントローラー20は、遅延回路26および増幅器24を制御し、対象28、ここでは頭蓋骨28から受信されるデータを処理して診断能力を提供するように構成されえいる。コントローラー20は、放射される超音波を対象28内のラインに沿って送信させ、対象28内の関心対象の広い領域をスキャンさせる(例えば、念入りに移動させる)ことができる。超音波が取る対象28のラインは方向を変えることがある(種々の音響インピーダンスの界面)。コントローラー20は、ビームの方向ならびにエネルギーを送信および受信する時間に基づいてアレイ14が受信する反射エネルギーを処理して画像を形成することができる。また、コントローラー20は、受信したエネルギーを処理して対象28の画像を形成する必要はない。コントローラー20は受信したエネルギーを処理して、他の診断情報、例えば、空隙が検出されるかどうか(例えば、歯または顎骨などの骨の空洞または膿瘍)、または空隙内の物質の有無(例えば、副鼻腔または内耳の流体)等のバイナリ情報を提供することができる。コントローラー20はまた情報を処理して、例えば、対象28の生体構造、対象28の血液灌流等の画像を形成することができる。
コントローラー20は、さらに、対象28に対して、診断適用のために、周波数発生器22、増幅器24および遅延回路26を制御して、アレイ14が供給する超音波エネルギーの周波数、大きさおよび位相に影響を与える。不均一な励振スキームは伝搬減衰を克服する助けとなり、エネルギー送達および受信特徴を改善することが発見されている。コントローラー20は、長時間の一連の放射でアレイを励振させて、対象28に送信される一連の長時間の超音波放射を生じるように構成されている。放射は、好ましくは、ある範囲の周波数において反復され、戻った信号は数値的に組み合わされる。例えば、約0.5 MHz〜約2.0 MHzの範囲の周波数の10サイクルのエネルギーを約0.01 MHzの間隔で頭蓋骨28に送信することができる。増幅器24は、好ましくは、スペクトルの各成分の望ましい(例えば、均一な)信号が送信(または受信)されるように制御される。また、送信される信号の出力は、好ましくは、減衰が大きい高周波数(例えば、頭蓋骨では約1 MHzより大きい)ではより大きく、例えば、受信される信号が、受信される周波数スペクトルにおいておおよそ望ましい(例えば、等しい)信号を有するように、2方向減衰損失に比例する。コントローラー20は、受信信号を合計し、信号に対応フィルターを適用して、構造的界面を回復するようにさらに構成されている。同じことは、周波数が望ましい範囲でスキャンされ、望ましい方法で振幅を調節して、異なる周波数に関連する減衰差を代償する1回の超音波放射送信においても実施することができる。パルス間またはパルス内の周波数は実質的に任意の方法で変わってもよく、例えば、線形的に増加または減少する、非-線形的に増加または減少する、単調に増加または減少する、無作為的等である。コントローラー20は、遅延回路26を制御して、パルス間またはパルス内の位相を変更するようにさらに構成されている。コントローラー20は、遅延回路26に作用して異なるパルスに異なる位相を持たせるおよび/またはシングルパルスにパルス内の異なる位相を持たせるようにすることができる。
診断適用のための出力レベルは、適用に応じて変わる。しかし、典型的には、診断適用のためには、放射持続時間は1〜100サイクルで、周波数は約0.1 MHz〜約5 MHzであり、好ましくは約0.5 MHz〜約3 MHzであるが、これらの値は例示的にすぎず、本発明の範囲に関して限定するものではない。
トランスデューサー16が受信する反射信号は、撮像装置12による処理のために電気信号に変換される。撮像装置12は、電気信号を処理して、スキャンした領域の画像を形成する。画像はコントローラー20に提供することができ、(例えば、画像を入手するために間欠的にエネルギーを適用することによって、または画像形成のための要素16および他の目的のための他の要素16のいくつかを使用することによって)他のアレイ14の使用と同時に入手することができる。
コントローラー20は、アレイ14からのデータおよび撮像装置12からの画像を分析するように構成されている。コントローラー20は反射信号を処理して、要素16が受信する戻される信号(または戻される信号がないこと)を分析して、特定の状態、例えば、患者の副鼻腔の流体に特徴的な徴候を同定することができる。
図3〜5は、図2を参照して、システム10の種々の構成を示し、診断適用に特に有用なシステム10の一部だけが示されている。例えば、図3〜4を参照すると、1つのトランスデューサーまたは小アレイのトランスデューサーが、アレイ14の代わりに超音波送信器32として使用されている。図3に示す構成は、好ましくは、画像が望ましくない診断適用に使用され、図4の構成は、分析のために画像を形成してもよい用途に有用である。例えば、示すように、超音波剪断波は、空洞36(副鼻腔または膿瘍等など)が存在する骨などの物質34を介して方向づけることができる。反射をコントローラー20で分析して、空洞34に流体が充満しているかどうかなどの種々の特性を判定することができる。図5は、図4に示すものと類似した構成を示し、送信される剪断波38の電子的または機械的スキャニングが矢印40で示されている。剪断波38は集束していないことが示されているが、送信器32の要素の位相を調節して波38を集束することができると思われる。
動作中は、図10を参照し、さらに図2〜9を参照して、システム10を使用して対象の診断を実施するおよび/または対象に治療を提供するプロセス110は、示される段階を含む。例示的な目的のために、対象は、図2に示すように頭蓋骨28であると仮定するが、これは例示的にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。プロセス110は例示的にすぎず、限定するものではなく、例えば、段階を追加、除去または再配列することによって変更することができる。
段階112では、アレイ14は対象28に対して位置決めされる。アレイ14(またはシングル要素トランシーバー)を手動でおよび/またはコントローラー20によって保定装置23を作動することによって位置決めすることができる。アレイ14は、対象28の表面に超音波エネルギーを送信して、対象28内で主に剪断波を生じるように位置決めされる。望ましい位置決めは、システム10のオペレーターが目視により判定したとき、対象28の表面の角度により設定することができる。対象28の表面の角度はまた、アレイ14を作動し、対象28の表面を画像形成することによっても設定することができる。表面の画像を使用してアレイ14を再度位置決めすることができるおよび/またはアレイ14からのビームを適宜電子的に方向づけることができる。
段階114では、トランスデューサー要素16は、対象28に方向づけられる望ましい超音波ビームを生じるように励振される。コントローラー20は、エネルギーを送信して、超音波エネルギーの望ましい方向、範囲およびエネルギーを提供して、(例えば、診断、画像形成および/または治療のための)望ましい結果を得るのに十分なエネルギーを望ましい領域または地点に提供するために望ましい要素16を選択する。コントローラー20は、選択した要素16が提供するエネルギーの周波数、位相、振幅および遅延を調節する。全体および/または個々の要素16としてのアレイ14からの望ましい量のエネルギーが、縦臨界角と剪断臨界角の間の入射角で対象28に入射し、対象28の望ましい領域に到達するように方向づけられるように、要素から要素への遅延は電子的に制御されたビーム方向を提供するために変わることがある。超音波エネルギーは、好ましくは、上記に考察するように、コード化した方法で提供され、ある範囲の周波数のエネルギーが放射され、出力の振幅は、送信される信号の周波数により(に応じて)変わる。ビームは広くてもまたは集束されていてもよい。要素は、対象において主に、剪断波ではなく、縦波を生じる超音波を提供するように選択され、励振されうる。アレイ14が送信するビームは縦波として頭蓋骨に入射し、剪断波として頭蓋骨を通過し、(例えば、脳内で)さらに伝搬するために縦波に戻る。
段階112および/または114は適用に応じて反復することができる。例えば、画像形成のためには、アレイ14を機械的に再度位置決めすることができるおよび/または超音波ビームの方向を、画像形成対象の全体の領域をカバーするように電子的に方向づけることができる。
段階116では、診断適用または画像形成適用のために、撮像装置12およびコントローラー20は受信した反射を処理して、適当な特徴を決定する。撮像装置12は、受信信号を対応する入射ビームの方向と共に収集することによって受信信号を処理して、(対象28内の平面において)対象28の画像を形成する。コントローラー20は、戻される指標を操作して、対象28内の空洞が流体を含有するかどうかの判定などの、画像とは必ずしも関連しない1つ以上の特性を判定する。診断適用のためには、撮像装置12が提供する画像はコントローラー20によって使用されない場合もあり、実際撮像装置12は任意の画像を提供しない場合もある。
治療適用
システム10は、診断適用に加えてまたは診断適用の代わりに別個にまたは同時に治療適用に使用することができる。システム10の要素は、一般に、上記のように作動する。しかし、治療適用のためには、別の撮像装置13が提供される場合があり、システム10は、治療用途のために調整された方法で超音波を提供するように構成されている。要素16は、好ましくは、治療適用のための高い出力レベル(適用に応じて使用されるレベル)の超音波を放出し、方向づけるように構成されている。
コントローラー20は、治療適用のために位相器26および増幅器24を制御するように構成されている。コントローラー20は、治療に適当である場合には(例えば、サーマルアブレーション)、送信される超音波を局所領域に集束させることができ、または適当な治療のための非集束的な方法で広い領域に適用させることができる(BBBを開放させるなどの低-出力適用)。
治療適用のための出力レベルは適用に依存して変わる。典型的には、治療適用のためには、放射期間は1サイクルから連続波であり、周波数は約0.1 MHz〜約3 MHzであり、好ましくは約0.2 MHz〜約2 MHzであるが、これらの値は例示的にすぎず、本発明の範囲に関して限定するものではない。超音波処理は、典型的には、1回のバーストまたは多数回のバーストを含み、超音波処理時間は約1マイクロ秒〜約1時間以上であり、適用に応じてパルス間の時間は変わる。
撮像装置13は、図2の他の装置とは独立に対象28の画像を得ることができる。例えば、撮像装置13はコンピュータ断層撮影法(CT)または磁気共鳴(MR)撮像装置であってもよい。撮像装置13は、撮像装置12と同様に、例えば、アレイ14を使用する超音波の治療適用の前または最中に調節が必要とされるかどうかを判定する際に使用するために、コントローラー20に画像を提供することができる。コントローラー20は、治療を受ける望ましい領域が実際に治療を受けているかどうかおよび望ましい治療に十分なエネルギーを受けているかどうかを画像から判定するように構成されている。望ましい標的領域以外の領域が超音波エネルギーを受けている(例えば、アブレーションされている)場合、または領域があまりにも多量のエネルギーを受けているまたは少量のエネルギーしか受けていない場合には、コントローラー20は要素16の励振を変更して状況を補正することができる。例えば、エネルギーを増加または低下しても、形成されるエネルギーの集束を小さくまたは大きくしても、局所領域を変更または移動してもよい等々である。
図6〜9は、サーマルアブレーション、組織または腫瘍の機械的破壊、BBB開放、遺伝子治療、標的薬物送達、化学反応の加速、化学物質の拡散の支援、温熱療法領域の温度を上昇させる適用、治療的価値を有する任意の他の超音波相互作用等などの治療用途に使用するように適合されている種々の構成を示す。図6は、1つの要素であってもまたは要素のアレイであってもよい1つの曲線形状の送信器42を示す。送信器42は、剪断波として対象46(例えば、頭蓋骨)に送信され、局所点または領域48において集束する集束超音波ビーム44を生じるように構成されている。なお、超音波ビーム44は、考察されている他の構成のビームと同様に、送信器42と対象46の間の縦波と対象46内の剪断波から構成されている。対象46の構造が変化すると(例えば、流体または脳組織などの他の物質で充填されているかどうかにかかわらず、骨から空洞へ)、送信されるビームは縦波に戻ることがある。これは、対象46が頭蓋骨である場合である。図7は、局所点/領域48にそれぞれのビーム44、45を集束するように構成されている2つの送信器42、43を有する以外は、図6の構成と同様の構成を例示する。送信器42、43は、1つのアレイの異なる部分、または物理的に異なる、例えば、異なるアレイ、異なる1つの要素、または1つの要素およびアレイであってもよい。図8は、対象28内で縦波を生じる入射超音波50も使用される以外は、図7と同様の構成を例示する。この構成は、例えば、送信器42、43が提供することができる出力以外に出力が望ましい場合に使用することができる。縦波は、送信器42、43が同じに部分であってもよいアレイ14によって提供されうる。図9は、対象46から移動され、治療適用(例えば、BBB開放、化学物質または遺伝子または他の物質の放出または活性化等)に十分なレベルの非集束超音波エネルギーを送信する線状送信器52(例えば、1つの要素または要素のアレイ)の使用を例示する。示すように、送信器は、送信器52に垂直で、対象46に対して縦臨界角と剪断臨界角の間のビーム54を提供するように機械的に位置決めされている。
操作時には、図26を参照し、さらに図2〜9を参照すると、システム10を使用して対象に治療を提供するための方法110は以下の段階を含む。例示的な目的のために、対象は、図2に示すように頭蓋骨28であると仮定されているが、これは例示的にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。方法210は例示的にすぎず、限定するものではなく、例えば、段階を追加、除去または再配列することによって変更することができる。段階212および214は上記に考察するものと同様である。
段階216では、対象28の望ましい領域を画像形成する。適用される超音波の集束精度を評価することができるように、撮像装置12および/または13を使用して望ましい領域および好ましくは周囲の容積を画像形成する。
段階218では、治療適用のために適当な補正を入射超音波エネルギーに加える。撮像装置13(または、アレイ14が画像形成および治療を提供するのに好適である場合には撮像装置12)によって形成される画像が、提供される超音波エネルギーが調節されるべきであることを示す場合には、コントローラー20がそれに応じて作動する。画像を分析して、例えば、望ましい領域および望ましい領域だけが加熱されているかどうかを確かめ、適用した超音波について望ましいレベルに満たないものを判定することができる。例えば、超音波エネルギーは集束が不良である、または間違ったスポットに集束される、またはあまりにも狭く集束されるまたは低すぎるもしくは強すぎる出力で集束される等である場合がある。コントローラー20は、分析される画像により励振の位相、振幅、遅延および/または周波数を調節することによってビームを修正させて、適用されるエネルギーを調節/補正し、対象28の望ましい位置に望ましい集束および量のエネルギーを生じることができる。コントローラー20はまた、保定装置23に、対象28に対するアレイ14の配向および関係を適宜変更させることができる。調節は、好ましくは、治療(例えば、サーマルアブレーションまたは他の非可逆的手技)のための全出力の適用の前に実施される。例えば、全出力に達しない出力を適用し、調節を行うべきであるかおよび何の調節を行うべきであるかについて画像から得られる予備的な判定を下し、調節を実施し、次いで治療用の全出力をアレイ14に適用することができる。調節はまた、治療の進行に基づいて治療用の全出力の適用中に行うことができる。
実験および実験結果
実験によって容易に実証することができる理想的な等方性のケースを提供するために、平行なプラスチックプレートファントムを使用してアルゴリズムを試験した。プラスチックの関連する値を表1に要約する。源は、径12 cmおよび曲率半径16 cmの1.5 MHz集束トランスデューサーであった。アルゴリズムの放射源関数は、源の後方の幾何学的焦点付近の平面から実験室で測定した圧力場を射影することによって得た。この場は、空間分解能0.5 mmで30×30領域で測定した。放射源関数は、添付資料AおよびBに数値により記載されているアルゴリズムを使用してプレートを伝播した。源から測定プレートまでの距離は121 mmであり、プラスチックの内側面から源までの距離は61 mmであった。
同様の方法を使用して、エクスビボにおいてヒト頭蓋冠(脳ケージ)を伝搬させた。実験室における測定により、水を内側および外側頭蓋骨表面との接触媒体として使用した。経頭蓋骨測定のための源は、径8 cmおよび曲率半径15 cmの0.74 MHz集束トランスデューサーであった。
数値アルゴリズムは、層の行列を使用する操作を使用してMatlab(登録商標)で実施した。操作は、1 GHz AMD-Based PCで実施した。5層の複雑な128×128の典型的な射影行列は算出に約30秒かかった。
Figure 0004629034
実験室における測定
頭蓋骨の位置合わせおよび密度
シミュレーションのためのデータは、CT画像(Siemens, SOMATOM, AH82 Bone Kernel)を使用して得られたデジタル化したヒト頭部プロファイルから入手した。頭蓋骨表面および内部の密度変化の座標は、これらの画像から得られる。スキャンは、視野200 mm×200 mmを使用して1 mm間隔で取った。ポリカーボネート定位フレームを各試料に取り付けて、頭蓋骨のアレイへの取り付けを可能にし、機械的位置決めシステムおよびCT画像の基準を提供した。算出は、考慮中の部分のビーム幅内に存在する骨においてだけ実施した。個々の頭蓋冠の形状および構造に関する情報は、物質の密度に比例する強度を戻した画像を組み合わせることによって得た。
画像の各ラインの1.4mg/cm3より大きい最も内側および最も外側の密度を検索する閾値フィルターを使用して、頭蓋骨の内側および外側表面の地点の座標を画像上で同定した。連続画像の地点を組み合わせて、頭蓋骨の内側および外側表面の三次元的表示を得た。各画像の画素強度も組み合わせて、後の処理のための三次元アレイを形成した。
位相アルゴリズムは、個々のアレイ要素に対する頭蓋骨の配向を正確に知ることに依存した。このタスクを実際に実施するためには、位相アルゴリズムは、頭蓋骨データをCT座標系からトランスデューサー座標フレームに平行移動して回転させ、頭蓋骨を機械的位置決めシステムの座標フレームからトランスデューサー座標フレームに平行移動して回転させた。頭蓋骨に取り付けたポリカーボネートフレームに配置した3つのマーカーを使用してプログラムを作動した。これらの位置は、約0.1 mmの精度で、位置決めシステムを用いて機械的に同定することができた。アルゴリズムは、座標フレーム間でマッピングする回転行列を作製した。
超音波測定
伝搬実験は、数値アルゴリズムを証明するために水槽内にセットした。測定は、反射を抑制するためにゴムを当てた水槽内の脱気した脱イオン水中で実施した。超音波信号は、特定の測定に個別のトランスデューサーによって発生させ、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)針状聴音装置(Precision Acoustic, Dorchester, UK)で受信した。強力な受信と精度の維持を保証する助けとするために、0.2 mm径の聴音装置を1.5 MHzの測定に使用し、0.5 mm径の聴音装置を0.74 MHzの測定に使用した。大きい周波数では小さい聴音装置を使用して、聴音装置の指向性を小さくする助けとし、位相の平均化を防ぐ助けとした。頭蓋骨(またはプラスチックプレート)は、回転式ステップモーター(Bloomfield, New YorkのVelmex社製)によって制御される角度で聴音装置とトランスデューサーの間に配置した。3D線形位置決めシステム(Velmex, Bloomfied, Model V P9000)により、聴音装置は、トランスデューサーの対称軸付近を中心とする測定領域をスキャンすることができる。トランスデューサーの信号は、出力増幅器(Rochester, New YorkのENI社製, Model 2100L)に供給されている任意の波形発生装置(Norwich, UKのWavetek社製, Model 305)によって発生された。聴音装置の電圧レスポンスは、Precision Acousticsプレアンプおよび増幅器(Beaverton, OregonのPreamble Instruments社製, Model 1820)を介して送信されてから、デジタルオシロスコープ(Wilsonville, OregonのTextronix社製, Model 380)によって記録された。GPIB(General Purpose Interface Bus)コントロールによって電圧波形をPCにダウンロードし、測定位置の振幅および位相を信号のFFTから算出し、トランスデューサー駆動周波数の値を取る。
11.8 mmのプラスチックプレートを試験水槽に配置し、音響伝搬を、表面から121 mmのトランスデューサーの対象軸で測定した。音圧は、増分1°で-70°〜70°の間で測定した。測定波形とシミュレーション波形の一致性を、各角度方向の振幅および位相を比較することによって評価した。シミュレーションの放射源関数は、プレートが存在しない水中のトランスデューサーを用いて取った圧力場の測定値であった。
経頭蓋骨測定のためには、2つの異なる取り付け手技を実施した。第1のものは、図11に示すように、頭蓋骨のほぼ一定の位置の異なる入射角での測定を可能にするように設計されていた。第2の構成は、図12に示すように、高い入射角での測定を可能にし、トランスデューサーと頭蓋骨の位置合わせは良好であったが、頭蓋骨の動きを容易にしなかった。最初の測定は、振幅のピークが縦波のスネル臨界角を超えて存在するかどうかを判定するために、振幅の頭蓋骨への角度依存を調査した。頭蓋骨の切片を0°〜55°の間で回転し、回転軸はトランスデューサー軸に垂直で、骨のラインに一致した。最大の角度55°は、この設定で得られるもっとも大きい値であった。
結果
プラスチックファントム
測定した場と予測した場の相関を図13に示す。参照として、プロットは、剪断波を無視した場合に得られる数値計算の振幅も含む。3つ全ての曲線の振幅および位相は、信号のスペクトルピークの縦臨界角である31°以下の入射角ではぴたりと一致している。しかし、この角度を超えると、縦波だけのシミュレーションは、試料内の弾性波だけで生じる振幅の第2の局所的な公理を予測することができない。測定データとシミュレーションの間の矛盾の主な原因は、シミュレーションにおける剪断波の吸収係数の過小評価による結果による可能性がある。この影響は、光路長が最も長い高い角度でさらに顕著になる。しかし、波の振幅が最小に近い20°〜30°の遷移領域を除いて、全ての角度のシミュレーションの超音波の位相と測定した超音波の位相の間には非常に良好な相関が見られる。この領域を無視すると、算出した残りの地点の76%は、π/6ラジアン以下だけ測定値から逸脱した。
経頭蓋測定
頭蓋骨を回転することによって、縦臨界角が約30°であることに基づいて、ほぼ完全に骨の剪断波伝搬による可能性がある局所的圧力伝達の極大が32°において観察された。さらに大きい入射角において剪断波としての波の起源に関するさらに別の証拠は、波の位相の角度依存を示す図14A〜Bに示す測定データにおいて見られた。図14Bに示すように、26°以下では、位相は縦だけの波の挙動によく類似している。26°〜32°の間では、傾斜は緩やかになり、剪断波と縦波を重ね合わせた寄与領域を示している。32°を超えると、剪断波の音速が水中の音速より小さくなるので、傾斜はほぼ線形になり、負になる。
同じ取り付け構成を使用して、異なる入射角について、分解能1 mmで30 mm×30 mm領域の場の測定を実施した。図15は、0°、15°および35°の入射角について、頭蓋骨を通過直後の場を示し、0°および15°の縦波モードで伝搬する場合より剪断波として頭蓋骨を伝搬する信号にはひずみが少ないことを示している。
第2のセットの測定は、CT画像との空間的相関のために、基準フレームに配置した頭蓋骨を用いて実施した。剪断波の速度の推定値だけを検討に使用したが、正確な空間的位置合わせおよび縦波モードのデータにより縦臨界角を同定することができた。頭蓋骨は、送信される信号が骨内の剪断波伝搬によることを保証するように配列した。図16は、シミュレーションアルゴリズムから判定するとき、頭蓋骨の外側表面が対称軸に対して32°で配向されている例を示す。シミュレーションと測定の間に矛盾があるが、シミュレーションは、集束した剪断波の存在を同定することができる。
基準フレームに配置した頭蓋骨を用いてデモンストレーションを実施し、CT画像との空間的相関を可能にした。正確な空間的位置合わせおよび縦波モードのデータにより、縦臨界角を同定することができた。しかし、剪断波の速度の推定値だけが検討に利用できた。頭蓋骨は、送信される信号が骨内の剪断波伝搬によることを保証するように配列した。図7は、頭蓋骨の外側面を対称軸に対して32°に配向した場のライン測定を示す。シミュレーションと測定の間には矛盾があるが、それにもかかわらず、シミュレーションは集束した剪断波の存在を同定することができ、ビームの形状は測定のものに類似していた。
診断適用-経頭蓋骨画像形成
経頭蓋画像形成では、反射される信号は頭蓋骨を2回伝搬し、測定可能で、好ましくはひずみの少ない信号で戻る。信号は、1 MHz Panametrics画像形成プローブおよびパルス-受信増幅器により分析した。ナイロンナット(c=2.6×106 mm/s Z=2.9 M Rayl)が画像形成用の対象として働いた。ナットは、細いスチール針で水槽の床の上方に浮かせた。A-ライン画像は、最初頭蓋骨に垂直で、次いで約33°の伝搬方向で得た。
損失、特に1 MHzを超える強い信号の減衰を克服する助けとするために、長時間の一連のバーストを頭蓋骨に送信する新たな励振スキームを使用した。バーストをある範囲の周波数において反復し、信号を数値的に組み合わせた。例示的な実験において、0.5 MHz〜2 MHzの範囲の周波数を0.01 MHzの間隔で10サイクル頭蓋骨に送信した。このシリーズの測定を図17Aに示す。次いで、ピーク値で割ることによって信号を正規化して、等しい重みを得、図17Bに示すように弱い周波数の信号を強調した。収集後、時間信号の全てを合計し、対応するフィルターを使用して構造的界面を回復した。得られた信号を図18Aに示す。この図は、1回のバーストと比較したとき、局在化および信号の振幅の大きな改善を証明している。周波数領域で正規化したスペクトルを得ることにより、対応するフィルタリングを適用した後に、界面の局在化をさらに良好にすることができる。さらに、トランスデューサーの強制的に駆動される振動は、応答の上限および下限のトランスデューサーの帯域幅を増加する可能性がある。また、数値信号を合わせたものは、1回のバーストで安全に達成されると思われる出力をはるかに超える正味出力を有する。従って、信号対ノイズ比の大きな改善が可能である。
A-ライン画像は、中心周波数0.91 MHzの集束広帯域トランスデューサーアレイを使用するC-スキャン画像形成実験で追跡調査した。画像を構成するためには、1 MHzのトランスデューサーをステップモーター保定装置に取り付けた。トランスデューサーの径は12.7 mmで、本実験の分解能の限界を示している。ナイロンナットのスキャンは、最初は水中で、次いで頭蓋骨断片を介してほぼ法線入射で、最後に約33度の角度で20 mm×20 mm領域で得た。ビームの方向づけによる軸方向(時間的)および放射状情報の組み合わせにより、三次元画像を構成し、評価することができる。対象の画像スライスを、一定時間のラインで図19に示す。画像の空間的解像度は、要素の上方で後方散乱したデータを直接検出する本発明の画像形成トランスデューサーの径によって制限される。
狭いビーム幅は、画像の鮮明さのかなりの改善を提供することが期待される。水のスキャンと経頭蓋骨スキャンとの間のひずみは、少なくとも一部には、画像獲得手技の方法によって生じる。トランスデューサーを頭蓋骨表面に移動するという行為は、頭蓋骨の厚さおよび音響特性の空間的な変動により追加のひずみを導入した。狭い超音波ビームを頭蓋骨を介して方向づける場合には、収差補正は必要ない場合がある。しかし、広域用のアレイを使用する場合には、非侵襲的な収差補正アルゴリズムを使用してもよい。
非侵襲的な位相収差補正は、頭蓋骨を通過する集束を回復させるために使用してもよい。この場合には、エクスビボにおける頭蓋骨のCTスキャンから位置あわせした情報を注意深く使用して位相のひずみを予測してもよい。しかし、画像形成ハードウェアの場合には、全体的な位相ひずみを、頭蓋骨の底部からの反射の符号から予測することも可能である。反射点は、脳内の仮想送信器として作用するとおもわれ、脳内の任意の点で集束するために使用してもよい。この方法の成功は、集束を改善し、頭部のCTスキャンの必要性をなくす可能性があるとおもわれる。実際には、中心周波数約0.5 MHz〜約2 MHzで、少なくとも100要素を有するトランスデューサーアレイを使用して、十分なビームの方向づけ能力を保証する助けとすることができる。
信号の改善は、SNRならびに対象のひずみが少なく、対象の位置の正確な測定に関して定量化されると思われる。装置の構成(例えば、図2に示すもの)は、好ましくは高速スイッチングマルチプレクサを使用して、多重チャネルからアレイ全域にわたって波形を記録することができる。入射角0度および33度における画像の比較を図20に示し、33度における画像ノイズの低下を示す。
診断適用-空洞の画像形成
経頭蓋方法の適用は、脳だけでなく、感染時流体が充満している、頭蓋内の副鼻腔への適用にも使用することができる。図21を参照すると、適用を実証するために、流体(水)を充満し、廃液することができる空洞を提供するプラスチックファントム130を開発した。以下の4つの状況の1つにおいて、ファントム130を介して信号を送信するために、中心周波数1-MHzのPanametricsトランスデューサー132を送信した:(1)空気が充填されている空洞134を有するファントム130を介して剪断波伝搬を誘導するための大きい入射角の超音波(>45°);(2)水が充填されている空洞134に、大きい入射角の超音波;(3)空気が充填されている空洞134を有するファントム130を介してほぼ全ての縦波伝搬を与える小さい入射角の超音波(<5°);および(4)水が充填されている空洞134に、小さい入射角。
剪断波を使用する空洞の画像形成の利点の例を、図22A〜Bに示す実験の結果に提供する。図22Aは、空洞に空気が充填されている場合および空洞に流体が充填されている場合の高角度の信号の時系列の劇的な差を示す。一方、図22Bに示す縦波の結果は、骨自体内の反射によって生じる追加の信号情報によって空気および流体を充填した場合において複雑になっており、画像形成状況の正確な診断を困難にしている。これらの結果は、実際には、剪断モードは、副鼻腔内の流体の存在を判定する方法として臨床適用を有すると思われることを示唆している。
考察
予備的なシミュレーションおよび実験測定は、干渉性の集束超音波ビームを剪断波だけの波として頭蓋骨を介して送信することができることを示した。0.7 MHz付近の駆動周波数では、骨内の剪断波伝搬による頭蓋骨のピーク振幅は、縦波の伝搬に似通っており、高い場合もあることが見出された。さらに、剪断波が低い全体的な位相シフトを経験したという事実は、非侵襲的な経頭蓋骨集束方法を単純化し、脳内のさらに広い領域に拡大する可能性を確認している。剪断波振幅は縦波モードより小さかったが、骨の局在化した領域を伝搬するとき、全体的なビームはひずみをあまり受けないという証拠が見られた。さらに、剪断波は、おそらく、剪断波の速度と水中の音速の類似性により、位相ひずみをあまり経験しなかった。比較可能な類似性は軟部組織において見られると思われる。シミュレーションデータと測定データのさらに正確な相関は、頭蓋骨の剪断波速度のさらに正確な測定値を使用して得ることができる。
経頭蓋骨適用に剪断波を意図的に使用するいくつかの可能な直接的な意味がある(しかし、本発明はこの適用に限定されない)。第1に、高い入射角における改善された集束のために、既存の非侵襲性経頭蓋骨位相化アルゴリズムに剪断波伝搬を追加することができる。これは、大きい入射角を使用する、頭蓋骨表面に近接して集束する場合には、特に重要である。第2に、剪断波伝搬は、狭い超音波ビームを、意図的に大きい入射角で頭蓋骨を介して方向付ける経頭蓋骨画像形成に適用を有しうる。第3に、剪断波伝搬は、周波数のドップラー偏移によって脳内の流動を検出するために使用することができると思われる。これらの技法は全て、考察されているメガヘルツ以下の周波数範囲で実施することができる。
他の態様は、添付の特許請求の範囲の範囲および精神の範囲内である。例えば、ソフトウェアの性質により、上記に記載する機能は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、配線(hardwiring)またはこれらのいずれかの組み合わせを使用して実施することができる。機能を実施する特徴は、機能の一部が異なる身体的位置において実施されるように、分布されることを含む種々の位置に身体的に配置することができる。さらに、異なる周波数および振幅を有する異なるパルスを使用する場合には、パルスは1つだけの周波数および1つだけの振幅を有する必要はない;1つ以上のパルスは2つ以上の周波数および/または振幅を有してもよい。または入射する超音波エネルギーは、剪断波を誘導するために、縦臨界角を超えて被験者に方向づける必要はない。入射角はスネル角より小さくてもよく、例えば、被験者および/または被験者の骨表面に対して法線方向であってもよい。しかし、望ましい量の剪断波エネルギーを生じる助けとなりうるので、縦波臨界角と剪断波臨界角の間の角度で入射するようにエネルギーを方向づけることが好ましい。
添付資料 A
圧力振幅は、等式(1)、(2)、(3)および(8)に記載する速度ポテンシャルについて解くことによって算出した。等式の線形代数同時解により、骨の剪断波および縦波の振幅は以下によって与えられ、
Figure 0004629034
および
Figure 0004629034
(式中、
Figure 0004629034
)、
送信される角度は、スネルの法則に関連して、θの関数であると理解される
Figure 0004629034
入射する縦波および剪断波から脳内に伝搬される波の振幅は以下に等しい
Figure 0004629034
および
Figure 0004629034
添付資料 B
層が平行であるかどうかにかかわらず、伝達関数は閉形式で書くことができる。z-軸の厚さ、Zn音速cnおよび各層(n=I、II、III)の密度については、層表面に垂直の単位ベクトル
Figure 0004629034
を算出する。所定の初期波数ベクトル
Figure 0004629034
については、任意の2つの表面界面の間(0, 0, z0)からの光線通路は、以下の距離を横断する
Figure 0004629034
(式中、図2に図示するように、
Figure 0004629034
は、z-軸から層と光線の切片まで層に延在するベクトルである)。波数ベクトルの通路の単位ベクトルは、
Figure 0004629034
によって与えられる。また、波数ベクトル配向への周波数依存が理解される。従って、光線位置ベクトルは
Figure 0004629034
に等しいはずである。初期波数バクトル配向、
Figure 0004629034
は既知であるが、第1およびそれ以降の層の波数ベクトルの方向は、以下の関係を使用して算出されるはずであり、
Figure 0004629034
全て同一平面にある入射波数ベクトル、送信される波数ベクトルおよび法線ベクトルを必要とする三次元空間におけるスネルの法則の結果である。等式(18)の右辺の送信される波数ベクトルは、等式の両辺に
Figure 0004629034
をクロスすることによって配向することができる。クロス積関係を使用すると、
Figure 0004629034
を示すことができる。
第n層の入射単位波数ベクトルは、第(n-1)層の送信される波に等しい。図2に示す第0層を除いて、等式(17)を算出するために
Figure 0004629034
が見つけられる。各層のz-軸の厚さを考慮すると、光線
Figure 0004629034
とn+1層の表面の交点は
Figure 0004629034
である。
一連のN層では、第N平面
Figure 0004629034
に到達する光線の位相は、等式(17)によって与えられる各光路長への位相寄与の合計である。平面zの空間位相は、図2に例示するように、
Figure 0004629034
によって、Nの光線の位相に関連する。極角γ0xy(ω)で最初の平面を去る光線は、N-1単位ベクトル
Figure 0004629034
によって決定される新たな配向γNxy(ω)で平面zに到達する。
Figure 0004629034

Figure 0004629034
、最初の平面の
Figure 0004629034
の位相を与える。
zの平面の圧力は、等式(21)に示される光線の位相および
Figure 0004629034
に与えられる送信係数に関して表すことができ、等式(22)の右辺の四角のブラケットの項はk0-スペースから新たなkN-スペースまでの場をマッピングする演算子として見ることができる。本発明の問題では、振幅、Tは、等式(15)および(16)ならびに成分関数、γNxyによって得られる。実際には、このマッピングには、zに線形空間行列(linearly spaced matrix)を生じる補間を必要とする。
(図1)頭蓋骨の一部の画像および頭蓋骨の層の簡易化した線画である。
(図2)本発明による超音波治療システムの概略図である。
(図3〜9)種々の適用に使用中の図2に示すシステムの例示的な部分の概略図である。
(図10)超音波診断適用のために図2に示すシステムを使用する方法のブロックフローダイアグラムである。
(図11〜12)経頭蓋測定の実験に使用する2つの異なる取り付け手法である。
(図13)入射角の関数としての圧力振幅および位相の実験およびシミュレーションのグラフ図のペアーである。
(図14A〜B)経頭蓋実験の入射角の関数としての圧力振幅および位相のプロットである。
(図15)種々の入射角で頭蓋骨を伝搬する超音波の画像である。
(図16)入射角32°において頭蓋骨を伝搬する超音波の磁場測定の測定およびシミュレーションのプロットである。
(図17A〜B)非-正規化および正規化暗号付き送信波形の画像である。
(図18A〜B)図17に示す励振に対する、それぞれ、積算、フィルター処理したおよびフィルター処理していないトランスデューサー応答のプロットである。
(図19)剪断波および縦波のA-ラインスキャンを示す。
(図20)頭蓋骨を通過する入射角0°および33°におけるナイロンナットの画像を示す。
(図21)超音波の剪断波伝搬を使用する空洞画像形成を試験するための実験装置の概略図である。
(図22A〜B)水を充満した空洞および空気を充満した空洞に入射する、それぞれ、剪断波および縦波に対する応答のプロットである。
(図23)プラスチック層への入射角の関数としての縦波および剪断波による圧力振幅のグラフ図である。
(図24)例示的な狭いメインビームアンテナパターンのグラフである。
(図25)例示的な広いメインビームアンテナパターンのグラフである。
(図26)超音波治療適用のために図2に示すシステムを使用する方法のブロックフローダイアグラムである。

Claims (19)

  1. 剪断波を使用して被験者の標的領域に超音波信号を送達するシステムであって、以下を含むシステム:
    超音波エネルギーを送信するように構成されている源;
    源に接続されており、源を作動して超音波エネルギーを被験者に送信するように構成されているコントローラー;および
    源に接続されており、送信される超音波エネルギーの少なくとも第1の縦波を被験者の表面に入射させて、該第1の縦波が被験者の第1の骨表面で第1の剪断波に変換され、かつ第1の骨表面の反対側の被験者の第2の表面で第2の縦波に変換されて、第2の縦波からのエネルギーが被験者の標的領域において治療レベルで超音波エネルギーの実質的な部分を形成するエネルギーをもって該標的領域に到達する、方向づけ手段であって、被験者に対する縦臨界角と被験者に対する剪断臨界角の間の第1の角度で被験者の第1の骨表面に第1の縦波を方向づけるように構成されている、方向づけ手段
  2. 方向づけ手段が、以下の少なくとも1つを含む、請求項1記載のシステム:
    (1)源に対する法線方向を第1の角度で表面に対して機械的に方向づけるように構成されている保定装置;ならびに
    (2)源が複数の放射要素を含み、少なくとも第1の縦波を電子的に方向づけるため複数の放射要素の位相および遅延の少なくとも1つを調節するように構成されている、位相/遅延アジャスター。
  3. 保定装置が、
    (1)法線が第1の角度で表面方向に方向づけられるように、被験者および源を一定の方法で接続する、ならびに
    (2)法線が第1の角度で表面方向に方向付けられるように源を機械的に調節する、
    うちの少なくとも1つを行うように構成されている、請求項2記載のシステム。
  4. 源が、超音波エネルギーを放射するように構成されている複数の要素を含み、システムが、源の少なくとも一部に超音波エネルギーを放射させ、放射されるエネルギーにより戻ってくるエネルギーの徴候(indicia)を処理して源に対する表面の少なくとも一部の配向を決定し、かつ、縦波臨界角と剪断波臨界角の間で表面の一部に少なくとも部分的に方向づけされるメインビームを有する源の要素だけを作動するように構成され、接続されているコントローラーを含む、請求項2記載のシステム。
  5. コントローラーが、反射されるエネルギーの徴候を処理して、表面の少なくとも一部の画像を形成するように構成されている、請求項4記載のシステム。
  6. 源に接続されており、第3の縦波の超音波エネルギーが被験者内で標的領域に到達する第4の縦波に変換される第2の剪断波を誘導し、第2の角度が第1の角度と異なるように、被験者に対する縦臨界角と被験者に対する剪断臨界角の間の第2の角度で少なくとも一部が被験者の表面に入射すると思われる第1の縦波および第3の縦波を生じるために源を作動するように構成されているコントローラーを含む、請求項1記載のシステム。
  7. 源に接続されており、源を作動して、標的領域にエネルギーを送信するため第1の縦波を生じるように構成されているコントローラーを含む、請求項1記載のシステム。
  8. 源に接続されており、源を作動して異なる周波数の複数のパルスの第1のメインビームを生じるように構成されているコントローラーを含む、請求項1記載のシステム。
  9. 異なる周波数が、約0.1 MHz〜約5 MHzの周波数範囲内である、請求項8記載のシステム。
  10. 異なる周波数が、約0.2 MHz〜約3MHzの周波数範囲内である、請求項9記載のシステム。
  11. パルスが、連続波に対して約1サイクルの範囲内の持続時間を有する、請求項9記載のシステム。
  12. 源に接続されており、被験者に対する縦臨界角より小さい第3の角度で被験者の表面に入射する第1の縦波および第5の縦波を生じるために源を作動するように構成されているコントローラーを含む、請求項1記載のシステム。
  13. 以下を含む、剪断波を使用して被験者の標的領域に超音波信号を送達するシステムであって、コントローラーが源に複数のパルスのエネルギーを送信させるように構成されており、各パルスが異なる周波数を有するシステム:
    超音波エネルギーを送信するように構成されている源;
    源に接続されており、源を作動して超音波エネルギーを被験者に送信するように構成されているコントローラー;および
    源に接続されており、第1の縦波が被験者の第1の骨表面で剪断波に変換されるとともに被験者の第1の骨表面の反対側の被験者の第2の表面で第2の縦波に変換され、第2の縦波からのエネルギーが標的領域に到達するように、源の少なくとも一部からの第1のメインビームの第1の縦波が、被験者に対する縦臨界角と被験者に対する剪断臨界角の間の第1の角度で被験者の第1の表面の一部に方向づけられることを確実にするように構成されている位置決め装置。
  14. 源が、超音波エネルギーを送信するように構成されている複数の要素を含み、コントローラーが、(1)縦臨界角より小さい第2の角度で少なくとも一部が被験者の第1の表面の一部に入射すると思われる第2のメインビームを生じるように構成されている源の一部および(2)剪断臨界角より大きい第3の角度で少なくとも一部が被験者の第1の表面の一部に入射すると思われる第3のメインビームを生じるように構成されている源の一部の少なくとも1つの作動を阻止するように構成されている、請求項13記載のシステム。
  15. 異なる周波数が、約0.1 MHz〜約5 MHzの周波数範囲内である、請求項13記載のシステム。
  16. 異なる周波数が、約0.2 MHz〜約3 MHzの周波数範囲内である、請求項15記載のシステム。
  17. パルスが、連続波に対して約1サイクルの範囲内の持続時間を有する、請求項15記載のシステム。
  18. 位置決め装置が、被験者に対して適宜源を機械的に配向するように被験者に接続するように構成されている、請求項13記載のシステム。
  19. 源が、超音波エネルギーを送信するように構成されている複数の要素を含み、位置決め装置が、第1のメインビームを電子的に方向づけるために要素の位相に影響を与えるように構成されている、請求項13記載のシステム。
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