JP4627686B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波診断装置に関し、特に、骨などの硬組織の診断に利用される超音波診断装置に関する。
骨粗鬆症などの骨代謝疾患の診断や易骨折性の判定、また、骨折治療後の骨癒合を定量的に診断するために、骨強度などの力学的特性の簡便かつ定量的な測定が望まれている。
骨形成や骨癒合の評価はX線写真に大きく依存しているが、X線写真では骨強度を定量的に診断することは困難である。骨強度の従来の測定法として測定対象のサンプル骨の強度試験が知られているものの、サンプル骨の摘出手術が必要であり侵襲的である。また、骨量や骨密度の測定法として、汎用X線CTの利用、DXA(二重エネルギー吸収測定法)装置などが実用化にいたっている。しかし、これらはあくまで骨量を測定する手段であって、骨強度を評価することはできない。また、X線を照射する点では非侵襲的であるとは言えない。
このほかの骨強度を定量評価する試みとしては、創外固定器に歪みゲージを装着してその固定器の歪みを計測する歪みゲージ法、骨に外部から振動を加え固有振動数を評価する振動波法、降伏応力を生じた骨から発生する音波を検出するアコースティックエミッション法などが既存の方法として挙げられる。しかし、これらの方法は適応できる治療法に制限があること、骨に侵襲を加える必要があること、さらに評価精度などの点において問題が残されている。
こうした背景において、本願の発明者らは、骨の力学的特性を非侵襲的かつ定量的に評価する超音波診断装置を提案している(特許文献1参照)。
特開2004−298205号公報
特許文献1に記載された超音波診断装置は、骨に対して複数の超音波ビームを形成し、各超音波ビームに対応した複数のエコー信号を取得して各エコー信号ごとに骨表面に対応する表面ポイントを特定し、複数のエコー信号から得られる複数の表面ポイントに基づいて骨表面の形状データを生成するものである。そして、骨に対して外的作用を及ぼした場合における形状データの変化に基づいて骨の力学的特性が評価される。これにより、エコー信号に基づく骨表面の形状データから、生体内の骨の力学的特性を非侵襲的かつ定量的に評価することができるという画期的な技術である。
本願の発明者らは、上記特許文献1に記載された画期的な技術をさらに改良し、骨などの硬組織の力学的特性をさらに高い精度で評価する手法について研究を重ねてきた。特に、硬組織の代表例である骨が弾性と同時に粘性を備えた粘弾性体であることを考慮して、粘弾性体としての骨の評価について研究を重ねてきた。
本発明は、このような背景において成されたものであり、その目的は、骨などの硬組織の粘弾性を評価することができる超音波診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の好適な態様である超音波診断装置は、硬組織に対して超音波ビームを形成してエコー信号を取得する送受波手段と、硬組織の表面に対応した表面ポイントをエコー信号から検出する表面検出手段と、検出された表面ポイントに基づいて硬組織の形態を反映させた形態量を計測する形態量計測手段と、硬組織に対して外的作用を及ぼした状態からその外的作用を取り除いた後の前記形態量の復帰変化に基づいて、硬組織の力学的特性の評価量を計測する評価量計測手段と、を有することを特徴とする。
上記構成において、硬組織の形態を反映させた形態量とは、骨などの硬組織の外に表れている形やありさまを反映させた量であり、例えば、硬組織表面の歪み量や硬組織表面の変位量などである。硬組織に対して荷重などの外的作用を及ぼすことによって形態量が変化する。硬組織が弾性に加えて粘性を備えている場合、外的作用の変化に対して形態量が遅延を伴って変化する。上記構成では、外的作用を取り除いた後の形態量の復帰変化(遅延の度合い)に基づいて評価量を計測している。つまり、計測された評価量が硬組織の粘弾性を反映させた量となる。その結果、上記構成の超音波診断装置により、硬組織の粘弾性を評価することができる。
望ましくは、前記評価量計測手段は、前記評価量として、硬組織に対して外的作用を及ぼした状態からその外的作用を取り除いた後に、前記形態量が、外的作用を及ぼす前の状態に対応した復帰基準値に達するまでの時間を計測する、ことを特徴とする。望ましくは、前記復帰基準値は、硬組織に対して外的作用を及ぼした状態の形態量である最大形態量に基づいて設定される、ことを特徴とする。
また上記目的を達成するために、本発明の好適な態様である超音波診断装置は、生体内の骨に対して超音波ビームを形成してエコー信号を取得する送受波手段と、骨の表面に対応した表面ポイントをエコー信号から検出し、表面ポイントの動きに追従して表面ポイントを追跡するトラッキング手段と、追跡された表面ポイントに基づいて骨の歪みを反映させた形態量を計測する形態量計測手段と、骨に対して荷重を及ぼした状態からその荷重を取り除いた後の前記形態量の復帰変化に基づいて、骨の力学的特性の評価量を計測する評価量計測手段と、を有し、前記評価量計測手段は、前記評価量として、骨に対して荷重を及ぼした状態からその荷重を取り除いた後に、前記形態量が、荷重を及ぼす前の状態に対応した復帰基準値に達するまでの時間を計測する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記形態量計測手段は、前記形態量として、追跡された表面ポイントに基づいて骨表面の歪み量を計測する、ことを特徴とする。望ましくは、前記形態量計測手段は、前記形態量として、表面ポイントの変位量を計測する、ことを特徴とする。
本発明により、骨などの硬組織の粘弾性を評価することが可能になる。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成図である。プローブ10は超音波探触子であり、被検体50の体表に当接して用いられる超音波探触子が好適である。もちろん被検体内に挿入して用いられる超音波探触子を利用してもよい。プローブ10は、被検体50の体内の骨52に向けて超音波ビーム40を形成する。プローブ10としては、超音波ビーム40を電子走査するリニア電子スキャンプローブ(リニアプローブ)が好適であるが、セクタ電子スキャンなどの方式を利用するものでもよい。なお、診断対象となる骨52は、例えば、脛骨や腓骨などである。骨52上に設定されるトラッキングポイント42については後に詳述する。
送受信部12は、プローブ10を制御して、断層面(図1に示す被検体50の切断面)内において超音波ビーム40を電子走査する。プローブ10がリニアプローブの場合、例えば120本の超音波ビーム40(図1には、後に詳述するエコートラッキング用の超音波ビーム5本のみを図示している)が次々に電子走査され、各超音波ビーム40ごとにエコー信号が取得される。取得された複数のエコー信号は断層画像形成部18に出力され、断層画像形成部18は複数のエコー信号に基づいて骨の断層画像(Bモード画像)を形成する。
送受信部12で取得されたエコー信号は、エコートラッキング処理部20へも出力される。エコートラッキング処理部20は、各エコー信号から骨表面部を抽出してトラッキングする、いわゆるエコートラッキング処理を行うものである。エコートラッキング処理には、例えば、特開2001−309918号公報に詳述される技術が利用される。エコートラッキング処理には、例えば5本のトラッキング用エコー信号が利用される。トラッキング用エコー信号は、断層画像形成に利用されるエコー信号(例えば120本のエコー信号)の中から選択されてもよく、あるいは、断層画像形成用のビームとは別に、5本のトラッキング用エコー信号を形成してもよい。
図1に示す5本の超音波ビーム40は、各々、トラッキング用エコー信号を取得するためのビームである。検査者は操作パネル16を介して、送受制御部14に対して超音波の送受波に関する指示を入力し、送受制御部14は検査者の指示に基づいて送受信部12を制御する。これにより、トラッキング用エコー信号を取得するための超音波ビーム40が、検査者の指示に基づいて、骨表面の診断部位に送波される。超音波の送受波において骨表面からは強い反射波が取得される。従って、被検体内から取得される各エコー信号は、骨表面に対応する部分において大きな振幅となって取得される。
図2は、各エコー信号の骨表面部を示す模式図である。図2に示すように、各エコー信号は骨表面に対応する部分で大きな振幅となる範囲60を示す。単に振幅の大きな部分として骨表面部を捉えた場合、範囲60の中のどの部分が表面部に対応するのかが不明であり、結果として範囲60程度の抽出誤差が生じてしまう。エコートラッキング処理では、各エコー信号の代表点としてゼロクロス点62が検知され、検知されたゼロクロス点62をトラッキングすることで抽出精度を飛躍的に高めている。
ゼロクロス点62は、トラッキングゲート期間64内においてエコー信号の振幅が正から負へ、または、負から正へと極性が反転するタイミングとして検知される。図2ではエコー信号の振幅が正から負へと極性反転するタイミングがゼロクロス点62である。ゼロクロス点62が検知されるとその点を中心として、新たにトラッキングゲートが設定される。そして、次回、同じ部位から取得されるエコー信号においては、新たに設定されたトラッキングゲート期間64内でゼロクロス点62が検知される。このようにして、各エコー信号ごとにゼロクロス点62が表面ポイントとしてトラッキングされる。
図3は、5つのエコー信号による骨表面部のトラッキングの様子を説明するための図である。本実施形態の超音波診断装置では、骨の形態を反映させた形態量として骨の歪み量が計測される。骨の歪み量は、基準状態(骨に対して荷重を掛けない状態:荷重無)と計測状態(例えば、荷重を掛けた状態:荷重有)との間における表面ポイントの変位から求めることができる。そこで、本実施形態においては、各エコー信号ごと(各超音波ビームごと)に表面ポイントの基準状態からの変位が計測される。
図3(A)は、荷重無における骨52に対するトラッキングの様子を示すものである。骨52に向けられた5本の超音波ビーム40の各々に対応する各エコー信号68は、骨表面に対応する部分で大きな振幅(振幅極大部69)を示している。なお、5本の超音波ビーム40には、図の上から順に、ビーム番号1からビーム番号5が付されている。各超音波ビームごとに振幅極大部69内においてゼロクロス点(図2の符号62)が表面ポイントとして検知されているため、極めて高精度に骨表面位置が特定される。
図3(B)は、荷重有における骨52に対するトラッキングの様子を示すものである。図3(A)と同様に、骨52に向けられた5本の超音波ビーム40の各々に対応する各エコー信号68は、骨表面に対応する部分で大きな振幅(振幅極大部69)を示している。なお、荷重が掛けられた影響により、図3(A)の骨52に比べて図3(B)の骨52は歪み(骨のたわみ具合)が大きくなっている。図3においてはエコートラッキング用エコー信号が5本の例を示したが、5本以外の複数本でも計測可能である。
図1に戻り、エコートラッキング処理部20において、各エコー信号ごとに、つまり各超音波ビーム40ごとにトラッキングされる表面ポイントがトラッキングポイント42である。歪み量計測部22は、基準状態(荷重無状態)と計測状態(例えば、荷重有状態)との間における表面ポイント(トラッキングポイント42)の変位を各超音波ビーム40ごとに計測して、5本の超音波ビーム40の各々から表面ポイントの変位を計測する。つまり、図3に示したビーム番号1からビーム番号5までの各超音波ビームについて、荷重無と荷重有との間におけるゼロクロス点の移動量が変位として計測される。その結果、骨表面の5点に関する変位が得られる。歪み量計測部22は、骨表面の5点に関する変位から骨の歪み量を算出する。
図4は、骨の歪み量の算出手法を説明するための図である。図4には、超音波ビームのビーム位置を縦軸とし、表面ポイントの変位を横軸とした座標系が示されている。そして、その座標系上に、各超音波ビームのビーム位置とその超音波ビームで計測された変位とを対応付けた点として5つの実測点70がポイントされている。ビーム位置は、エコートラッキング用の超音波ビームの各々の位置(図1における各超音波ビーム40の高さ)であり、上から(高い方から)順にビーム番号1からビーム番号5までのビーム番号によって特定される。
骨の歪み量を算出するにあたっては、まず、5つの実測点70を結ぶ補間ライン72が生成される。補間ライン72は、例えば、スプライン補間や最小二乗補間などを利用して5つの実測点70を曲線補間することによって得ることができる。そして、5つの実測点70のうちの二つの端点を結ぶ直線74と補間ライン72との比較に基づいて補間ライン72の曲がりの程度が評価される。具体的には、直線74から最も離れた位置に存在する補間ライン72上の点である最大変位点80と直線74との距離dに基づいて、直線74の長さLと距離dから骨の歪み量γ=d/Lが算出される。
なお、骨の歪み量の計測には、前述の特許文献1に記載された手法が利用されてもよい。つまり、計測状態における骨の複数の表面ポイントを結ぶ補間ラインを生成し、その補間ラインから骨の歪み量を算出してもよい。また、特許文献1に詳述されるように、荷重無における補間ラインと荷重有における補間ラインの両端部を一致させるように重ね合わせて、二つの補間ラインの間の最大変位量Δdと補間ラインの長さLに基づいて、骨の歪み量γ=Δd/Lを算出してもよい。
本実施形態においては、荷重を変化させた各状態ごとに骨の歪み量γが計測される。そこで、骨に対する荷重の掛け方について説明する。
図5は、骨に対する荷重の掛け方を説明するための図であり、被検体50とその体内の骨52が示されている。骨52は、例えば、下肢下腿骨の脛骨である。図5に示すように、被検体(足)50を図の下側から二つの固定用枕90で固定し、二つの固定用枕90の間のおよそ中央付近において図の上側から荷重が掛けられる。その結果、骨52に対して三点荷重が掛けられる。そして、二つの固定用枕90の間のおよそ中央付近において図の下側からプローブ10が被検体50の体表に当てられ、プローブ10が骨52に向けて超音波ビームを形成する。
なお、骨52に対する荷重の掛け方は、図5に示す三点荷重方式に限定されない。例えば、被検体50を起立させた状態で一点に荷重を掛ける方式でもよい。また、プローブ10の位置についても、荷重に対する骨52の変形を確認できる程度において、図5の位置から左右に(足の上下方向に)ずらしてもよい。
骨52に対する荷重は、対象骨が健常骨であれば、25ニュートン程度で十分な評価が可能である。健常骨に対して25ニュートン程度の荷重であれば、通常、侵襲性の問題は殆どない。対象骨が骨折などの異常骨であれば、侵襲性を考慮して荷重量を減らすなどの措置をとるべきことは言うまでもない。
本実施形態においては、荷重を変化させた各状態ごとに骨の歪み量γが計測され、荷重の変化に対する骨の歪み量の追従の度合いから骨の粘弾性が評価される。そこで、まず、骨の粘弾性をモデルに基づいて説明する。
図6は、骨の粘弾性を説明するための粘弾性モデルを示す図である。図6に示す粘弾性モデルは、弾性体として機能するバネ94と粘性体として機能するダッシュポット96によるフォークト(Voigt)モデルと呼ばれるモデルである。
図7は、フォークトモデルによる応力と骨の歪みとの関係を説明するための図である。図7(a)は、横軸を時間軸とした場合の応力の変化を示しており、図7(b)は、図7(a)と同一時間軸における歪みの変化を示している。フォークトモデル(図6)では、粘性体として機能するダッシュポット(96)は、バネの動きを妨げる方向に作用する。このため、フォークトモデルによる骨の歪み(バネの変位に対応)は、図7に示すように、応力の変化に対して遅延を伴って変化する。
フォークトモデルのような単純なモデルの場合、基準となる応力が掛けられた状態における歪み量γから、応力が変化した後に、歪み量がγの1/e(eは自然対数の底)に変化するまでの時間を遅延時間と呼び、これを粘弾性の評価のパラメータとして利用する。本実施形態においても、この遅延時間を粘弾性の評価のパラメータとして利用してもよいが、実際の骨は、弾性体と粘性体が複雑な結合を持った構造であるため、単純なフォークトモデルのパラメータとは異なるパラメータを採用してもよい。そこで、次に本実施形態における粘弾性の評価について詳述する。
図8は、本実施形態における粘弾性の評価方法を説明するための図であり、横軸を時間、縦軸を歪み量γとしたグラフが示されている。以下、図8を利用して粘弾性の評価方法を説明する。なお、図1に示した部分には、図1の符号を付して説明する。
まず、荷重が掛けられる前の状態、つまり図8における時間軸の原点から、骨52の表面ポイントのエコートラッキングを開始する。上述したように、主にエコートラッキング処理部20の機能によって骨52の表面部がトラッキングされる。なお、これ以降の時刻においてもエコートラッキングが継続され、荷重を変化させた各状態ごとに歪み量計測部22において歪み量が計測される。
次に、骨52に対して、侵襲を伴わないようにゆっくりと荷重を掛ける。つまり、図8における荷重増加時間内において荷重を徐々に増加させる。荷重増加時間は、例えば10秒である。
次に、目標となる荷重量に到達後、一定時間その荷重量をそのまま維持する。つまり、図8における歪み安定時間内において荷重量を一定に保持する。これは、粘弾性体である骨52のクリープ現象(応力の変化に対する歪みの遅延)を考慮した措置である。このとき、エコートラッキングにより骨表面の動きを観察することによって、クリープ現象の完了(歪み量の安定)を確認することができる。歪み安定時間は、例えば10秒である。
そして、歪み量が安定すると、図8の抜重開始タイミングで荷重が一気に取り除かれる。荷重が取り除かれると、骨52は、粘弾性を備えるため徐々に、荷重を掛ける前の状態に戻る。この際、遅延時間計測部24において、骨52の歪み量が、荷重を掛けた状態における最大歪み量γ0から復帰基準値γ1(γ0のaパーセント:例えば5パーセント)に戻るまでの遅延時間tが計測される。こうして計測された遅延時間tが、骨52の粘弾性を反映させた評価量となる。
例えば、健常骨の遅延時間t1と計測対象の骨の遅延時間t2とを比較した結果、t1>t2であったとすると、健常骨に比べて計測対象の骨は、粘性度が低いと評価できる。このため、計測対象の骨は、例えば、衝撃に対する柔軟性に欠けるもろい骨であり骨粗鬆症などの症状を疑うことができる。逆に、t2>t1であったとすると、健常骨に比べて計測対象の骨は、弾性度(剛性度)が低いと評価できる。このため、計測対象の骨は、例えば、クル病(骨に対してカルシウムの沈着が不足し、健常レベルの硬さを持たなくなる症状)などの疾患を疑うことができる。
このように、骨の粘弾性に着目した評価が可能になることにより、臨床的に有用な情報を得ることが可能になる。なお、図8においては、最大歪み量γ0から復帰基準値γ1(γ0のaパーセント)に戻るまでの遅延時間tを計測しているが、復帰基準値γ1を得るための割合aは、確認すべき骨の種類や症状に応じて適宜設定される。また、前述のフォークトモデルにならって、歪み量がγ0の1/e(eは自然対数の底)に変化するまでの時間を遅延時間としてもよい。
図1に戻り、遅延時間計測部24によって、上述のように遅延時間が計測されると、計測された遅延時間が表示画像形成部32に伝えられる。表示画像形成部32には、断層画像形成部18において形成された断層画像データも供給されており、表示画像形成部32は、その断層画像データに基づいて骨の断層画像を形成してディスプレイ34に表示させる。また、表示画像形成部32には、歪み量計測部22で計測された各時刻における骨の歪み量のデータも伝えられており、表示画像形成部32は、その歪み量のデータに基づいて各時刻における骨の歪み量を示す画像、例えば、図8に示すような横軸を時間、縦軸を歪み量としたグラフを形成してディスプレイ34に表示させる。また、遅延時間計測部24によって計測された遅延時間の値を表示させる。骨の断層画像、歪み量のグラフ、遅延時間の値は、同時に表示されてもよいし検査者の選択操作などに応じて切り替え表示されてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態により骨の粘弾性を評価することができることを説明した。ちなみに、骨に対して繰り返し周期的な荷重を掛けて歪み量を計測し、荷重量と歪み量との間のヒステリシス特性を得ることによって、ヒステリシスループの面積などから骨の粘弾性を評価することもできる。しかし、ヒステリシス特性を得るためには、周期的に(動的に)荷重を掛ける必要があり、荷重を掛ける機構などが複雑になる。また、被験者に対して繰り返し荷重を掛けることは、被験者に対する負担も大きい。
これに対し、上述した本発明の実施形態では、繰り返し荷重を掛ける必要が無く、その意味において、骨の静的粘弾性を評価しているといえる。本発明の実施形態においては、繰り返し荷重を掛ける必要が無いため、荷重を掛ける機構を単純化することが可能であり、何よりも、被験者に対する繰り返し荷重を避けることができるため、極めて非侵襲的な評価が可能になる。
また、本発明の実施形態では、粘弾性を評価するための評価量が、スカラー量である遅延時間であるため、歪みの変化する方向などを厳密に計測する必要がない。このため、プローブの厳密な位置調整が無くても、再現性あるデータを取得することが容易であるなどのメリットもある。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
例えば、上述の実施形態では、歪み量計測部(図1の符号22)において、粘弾性の評価のための形態量として歪み量が計測されている。しかし、粘弾性の評価のための形態量は、粘弾性を反映させた他の計測量であってもよい。例えば、ある一本の超音波ビーム上における表面ポイントの変位であってもよい。つまり、ある超音波ビーム上における表面ポイントが荷重の変化に応じて移動する際の変位を継続的に計測することにより、図8における縦軸を、歪みγから変位dに換えたグラフを得ることも可能である。なお、図8における縦軸を変位dに換えた場合においても、歪みγの場合と同様に、荷重を掛けた状態における最大変位d0から復帰基準値d1(d0のaパーセント)に戻るまでの遅延時間tが、粘弾性を反映させた評価量として計測される。
本発明に係る超音波診断装置の全体構成図である。 各エコー信号の骨表面部を示す模式図である。 骨表面部のトラッキングの様子を説明するための図である。 骨の弾性量の算出手法を説明するための図である。 骨に対する荷重の掛け方を説明するための図である。 骨の粘弾性を説明するための粘弾性モデルを示す図である。 フォークトモデルによる応力と骨の歪みの関係を説明するための図である。 本実施形態における粘弾性の評価方法を説明するための図である。
符号の説明
10 プローブ、20 エコートラッキング処理部、22 歪み量計測部、24 遅延時間計測部。

Claims (5)

  1. 硬組織に対して超音波ビームを形成してエコー信号を取得する送受波手段と、
    硬組織の表面に対応した表面ポイントをエコー信号から検出する表面検出手段と、
    検出された表面ポイントに基づいて硬組織の形態を反映させた形態量を計測する形態量計測手段と、
    硬組織に対して外的作用を及ぼした状態からその外的作用を取り除いた後の前記形態量の復帰変化に基づいて、硬組織の力学的特性の評価量を計測する評価量計測手段と、
    を有し、
    前記評価量計測手段は、前記評価量として、硬組織に対して外的作用を及ぼした状態からその外的作用を取り除いた後に、前記形態量が、外的作用を及ぼす前の状態に対応した復帰基準値に達するまでの時間を計測する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項に記載の超音波診断装置において、
    前記復帰基準値は、硬組織に対して外的作用を及ぼした状態の形態量である最大形態量に基づいて設定される、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 生体内の骨に対して超音波ビームを形成してエコー信号を取得する送受波手段と、
    骨の表面に対応した表面ポイントをエコー信号から検出し、表面ポイントの動きに追従して表面ポイントを追跡するトラッキング手段と、
    追跡された表面ポイントに基づいて骨の歪みを反映させた形態量を計測する形態量計測手段と、
    骨に対して荷重を及ぼした状態からその荷重を取り除いた後の前記形態量の復帰変化に基づいて、骨の力学的特性の評価量を計測する評価量計測手段と、
    を有し、
    前記評価量計測手段は、前記評価量として、骨に対して荷重を及ぼした状態からその荷重を取り除いた後に、前記形態量が、荷重を及ぼす前の状態に対応した復帰基準値に達するまでの時間を計測する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項に記載の超音波診断装置において、
    前記形態量計測手段は、前記形態量として、追跡された表面ポイントに基づいて骨表面の歪み量を計測する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 請求項に記載の超音波診断装置において、
    前記形態量計測手段は、前記形態量として、表面ポイントの変位量を計測する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
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JP2004298205A (ja) * 2003-03-28 2004-10-28 Aloka Co Ltd 超音波診断装置

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