JP4625773B2 - 車両前照灯 - Google Patents
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Description
ここで、楕円系反射面は、回転楕円面,楕円柱だけでなく、楕円面を基本とした自由曲面を含むものである。
さらに、上記反射面3は、バルブ2の光軸Oから上側と下側で異なる曲率を備えており、上側がより拡散性の強い配光パターンを与えるように形成されている。
従って、全体として、図8(C)に示すように、配光パターンに関して、中心から右側では水平線よりやや下方にて水平に、そして中心から左側に向かって斜め上方に延び、さらに左方にて水平線よりやや上側に位置するカットオフラインCが形成され、このカットオフラインCの下側のみに対して、すれ違いビーム用の配光パターンが形成されるようになっている。
従って、全体として、図7(D)に示すように、前述した反射面3の上側からの光(図7(A)参照)及び下側からの光(図7(B)参照)による配光パターンが、そのまま重なり合うことになり、走行ビーム用の配光パターンが形成されるようになっている。
従って、反射面3の上側及び下側でそれぞれ反射された光による配光パターンは、すれ違いビームの場合も走行ビームの場合も、それぞれ図7(A)及び図7(B)で示された同じ配光パターンである。
このため、反射面3の上側及び下側の形状を、一方のビーム、即ちすれ違いビームまたは走行ビームの配光パターンに対して最適化しようとすると、他方のビーム、即ち走行ビームまたはすれ違いビームの配光パターンを最適化することができなかった。
この場合、上記追加の楕円系反射面は、遮光部材と連動して、あるいは遮光部材と連動せずに独立して切換えられる。これにより、運転状況に応じて、追加の楕円系反射面を切換えて、光源から反射面の開口部に入射する光を、正面中心付近に集光させて、例えば高速道路走行時の遠方視認性を確保したり、あるいは市街地走行時に適した比較的広い範囲に拡散させて、前方に向かって照射するようになっている。
この場合、上記可動部分が挿入位置にある場合、この可動部分が反射面の固定部分と一体的に光源からの光を前方に向かって反射させ、投影レンズを介して前方に向かって照射する。
これに対して、上記可動部分が退避位置にある場合、追加リフレクタが反射面の固定部分と一体的に光源からの光を前方に向かって反射させ、投影レンズを介して前方に向かって照射する。
従って、上記可動部分が挿入位置及び退避位置にあるとき、それぞれ互いに異なる配光パターンが得られるようになっている。
これにより、反射面は、可動部分を含む全体が一体となって、光源からの光を第二の焦点に向かって集束させることになる。
従って、反射面で反射された光は、遮光部材により遮断されることなく、すべて投影レンズに入射し、投影レンズを介して前方に向かって照射されることになる。
その際、上記反射面は、可動部分が第一の照射位置に在るときに、走行ビーム用に最適化された配光パターンを形成するようになっていると共に、最大光度を与える光が遮光部材により遮断されないので、例えば中心における十分な最大光度が得られ、遠方視認性が向上することになる。
これにより、上記反射面の可動部分が第二の照射位置に移動することによって、この可動部分で反射された光は、反射面の第二の焦点位置に向かって集束せず、やや拡散して投影レンズに向かうことになる。
従って、反射面で反射された光は、大部分がその第二の焦点位置に向かって集束し、遮光部材により一部が遮断されて、投影レンズを介して前方に向かって照射される。
その際、反射面の可動部分で反射された光がやや拡散されて前方に向かって照射されるので、路肩,縁石や歩行者等に関する広い角度範囲の視認性が向上することになる。
従って、走行ビーム時には、可動部分が所定位置に位置することによって、反射面全体により走行ビーム用に最適化された配光パターンが得られ、中心付近の最大光度が向上することにより、遠方視認性が向上する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1において、車両前照灯10は、光源としてのバルブ11と、上記バルブ11からの光を前方に向かって反射させる反射面12と、上記反射面12の前方に配置された投影レンズ13と、上記反射面12と投影レンズ13との間に配置された遮光部材14と、上記遮光部材14を揺動させる駆動装置15と、上記反射面12の後述する一部(可動部分)12aを移動させる移動装置16と、から構成されている。
は、その光軸Oが前方に向かってほぼ水平に配置され、ソケットにより固定保持されると共に、給電されるようになっている。
ここで、上記バルブ11は、その発光部が光軸Oに沿って延びるように配置されることになる。
これにより、上記反射面12の可動部分12aは、走行ビーム時には、反射面12の他の部分と一体化され所定位置(第一の位置)にあり、一つの反射面を形成するようになっている。また、上記可動部分12aは、すれ違いビーム時には、後方に移動して、図2に示す退避位置(第二の位置)に持ち来たされるようになっている。
上記反射面12は、その可動部分12aが上記所定位置にあるとき、全体として走行ビーム用に最適化された配光パターンを与えるように、形成されている。
上記遮光部材14は、図1に示すように、上記投影レンズ13の光源側の焦点位置即ち上記反射面12の第二の焦点位置F2付近の挿入位置に配置されている。また、上記遮光部材14は、その上縁14aが、上記配光パターンにカットオフラインを形成するために、所定形状に形成されている。
ここで、上記駆動装置15は、例えばソレノイド等から構成されている。
尚、上記移動装置16は、反射面12の可動部分12aを光軸Oに沿って前後方向に移動することができればよく、前述した駆動装置15の駆動源を利用して、反射面12の可動部分12aを移動するようにしてもよい。
これにより、上記移動装置16は、すれ違いビーム時には、上記反射面12の可動部分12aを照射方向からみて後方に比較的短い距離、例えばバルブ11の発光部11aの光軸方向の長さの半分程度(数mm)移動する。この移動装置16による上記反射面12の可動部分12aの移動量は、発光部11aの長さに応じて定めればよく、例えば一般的な車両用灯具に用いられる光源ではおよそ2.0から3.0mmである。
また、上記移動装置16は、走行ビーム時には、図2に示すように、上記反射面12の可動部分12aを前方の所定位置に移動する。これにより、この可動部分12aは反射面12の他の部分と一体の反射面を形成する。
バルブ11から出射した光は、直接に、または上記反射面12で反射されて、この反射面12の第二焦点F2付近に向かって前方に進み、投影レンズ13により集束されながら、前方に向かって照射される。
これにより、前方に向かって照射される光は、その一部が上記遮光部材14により遮断される。この前方に向かって照射される光は、その上縁14aによりカットオフラインを形成されて、前方に向かって照射されることになる。
即ち、上記バルブ11の最大光度を与える部分の光は、上記反射面12の可動部分12aにより反射され、その第二の焦点F2からずれて集束する。従って、この光は、やや拡散した光として、投影レンズ13に入射し、前方に向かって照射される。
従って、車両前照灯10によれば、路肩,縁石や歩行者等の視認性が良好なすれ違いビーム用に最適化された配光パターンが形成されることになる。
これにより、前方に向かって照射される光は、上記遮光部材14により遮断されることなく、すべて投影レンズ13を介して、前方に向かって照射されることになる。
この配光パターンは、すれ違いビーム時における反射面の上側で反射された光L1による配光パターンと同じである。
即ち、上記バルブ11の最大光度を与える部分の光は、上記反射面12の可動部分12aにより反射され、その第二の焦点F2に向かって集束する。従って、この光は、中心付近に集光する光として、投影レンズ13に入射し、前方に向かって照射される。
この配光パターンは、すれ違いビーム時における反射面の上側で反射された光L2による配光パターンと比較して、中心付近の集光性がより一層高められることになる。
この場合、最大光度となる光が、反射面12と一体となった可動部分12aにより反射され、集束して投影レンズ13を介して前方に向かって照射される。このため、最大光度となる光が中心付近に集光されるので、遠方視認性の良好な走行ビーム用に最適な配光パターンが得られることになる。
従って、走行ビーム時にもすれ違いビーム時にも、それぞれ最適な配光パターンが得られると共に、走行ビーム及びすれ違いビーム時の配光パターンの切換えが、反射面12の可動部分12aが光軸方向に関して僅かに移動するだけで行なわれ得る。これにより、移動装置16が小型に構成され得ると共に、可動部分12aの移動のために必要なスペースも少なくて済む。このため、車両前照灯10の全体が小型に構成され得ることになる。
上記可動部分12aは、すれ違いビーム時、即ち退避位置にあるとき、図5(A)に示すように、左右及び下方に関してやや拡散した配光パターンを形成する。これにより、中心付近の集光性が緩和されると共に、左右の路肩,縁石や歩行者等の視認性が向上することに照る。
これに対して、上記可動部分12aは、走行ビーム時、即ち所定位置にあるとき、図5(B)に示すように、中心付近に関して集束した配光パターンを形成する。これにより、中心付近の集光性が高められるので、遠方視認性が向上することになる。
図6(A)は、車両前照灯10によるすれ違いビーム時の配光パターン(L1+L2)を示している。この配光パターンによれば、左右に関して広い範囲に亘る照射範囲が確保されており、路肩,縁石や歩行者等の視認性が向上することが分かる。
この場合、中心光度は、37000cd程度である。
この場合、中心光度は、88000cd程度となる。
図6(C)は、すれ違いビーム時の配光パターンであって、図6(A)に示した本発明実施形態による車両前照灯のすれ違いビーム時の配光パターンと比較して、左右の広がりが十分ではない。
この場合、中心光度は、41000cd程度である。
これに対して、図6(D)は、走行ビームビーム時の配光パターンであって、図6(B)に示した本発明実施形態による車両前照灯の走行ビーム時の配光パターンと比較して、中心付近の最大光度がやや低く、52000cd程度である。
11 バルブ(光源)
12 反射面
12a 可動部分
13 投影レンズ
14 遮光部材
14a 上縁
15 駆動装置
16 移動装置
Claims (3)
- 光源と、
第一の焦点位置が前記光源付近に位置し、且つ第二の焦点位置が前記光源からほぼ水平に延びる前記光源の光軸上に位置するように配置され、前記光源に対して可動する可動部分と固定される固定部分とを有する凹状の楕円系の反射面と、
前記光源側の焦点位置が前記反射面の第二の焦点位置付近に配置された凸状の投影レンズと、
前記反射面から前記投影レンズへの反射光を遮光するように前記反射面の第二の焦点位置付近の挿入位置に配置され、上縁がすれ違いビーム用の配光パターンのカットオフラインを画成するように形成された遮光部材と、
前記遮光部材を、前記反射面から前記投影レンズまでの光路中から退避して反射光を遮光しない退避位置と前記挿入位置とに挿抜するための駆動装置と、を備える車両前照灯であり、
前記反射面の可動部分は、反射面の下側の光軸に近い領域に配置され、
前記反射面の可動部分が、
前記反射面の固定部分と一体化されて一つの反射面を形成し、前記第二の焦点位置付近に反射光を照射して全体として走行ビーム用の配光パターンを形成する第一の照射位置と、前記第二の焦点位置付近とは異なる位置に反射光を照射して全体としてすれ違いビーム用の配光パターンを形成する第二の照射位置とを光軸方向に沿って前後に移動し、
前記遮光部材が、
前記反射面の可動部分が第一の照射位置にある場合には前記退避位置にあり、前記反射面の可動部分が第二の照射位置にある場合には前記挿入位置にある、車両前照灯。 - 前記反射面の可動部分の移動距離が、
光源の発光部の光軸方向の長さに応じて設定される、請求項1に記載の車両前照灯。 - 前記反射面の可動部分の移動は、前記駆動装置の動力源を利用して行われる、請求項1または請求項2に記載の車両前照灯。
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