JP4625573B2 - Ground improvement method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、改良対象地盤中に硬化材を高圧噴射して攪拌混合することで多数の地盤改良杭を造成する地盤改良工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の地盤改良工法においては、地盤中に硬化材を高圧噴射することによる地盤の膨張や変形といった弊害が生じることがある。たとえば、既設地盤改良杭の周囲に新たな地盤改良杭を造成する場合、その新たな地盤改良杭を造成するために噴射した硬化材の体積相当分だけ周囲地盤が膨張し、その結果、既設地盤改良杭に対して過大な側圧が作用してそれを損壊させてしまうことも想定される。
【0003】
従来、そのような問題に対する対策として、二重ロッドや三重ロッドを備えた高圧噴射攪拌機を用いて硬化材を空気や水とともに地盤中に噴射することが行われている。そのようにすると、単に硬化材のみを噴射する場合に比べて硬化材が遠方まで到達し、そのため改良範囲を拡大できる(つまり太径の地盤改良杭を造成できる)ばかりでなく、また硬化材を噴射、地盤改良杭を造成中にスライムを地表に排出させることにより、地盤改良による体積膨張が緩和され地盤変形も軽減される効果があるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように硬化材を空気や水とともに地盤中に噴射する工法では、硬化材のみを噴射する場合に比べてコスト高であるし、それに用いる高圧噴射攪拌機も複雑かつ大掛かりなものとなるばかりでなく、空気や水とともに噴射した硬化材の一部が地表にまで噴出し、この排泥スライムをバキューム車等で回収し産業廃棄物として処分する処理が必要となるという別の問題を生じる。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は地盤改良杭の造成に際しての硬化材噴射による地盤に対する悪影響を防止し得る有効な地盤改良工法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、改良対象地盤中に硬化材を噴射して攪拌混合することで多数の地盤改良杭を造成する地盤改良工法において、改良対象地盤に対してまず削孔機を用いて先行削孔を形成するとともに後段において実施する硬化材噴射による地盤体積増加相当分の排土を先行して行い、前記削孔機を引き抜いた後に、先端部に攪拌翼と硬化材噴射孔を有するロッドを備えた高圧噴射攪拌機を用いてそのロッドを先行削孔内に貫入して孔底部に至らしめた後、硬化材噴射孔から先行削孔の周囲に硬化材を噴射せしめつつロッドを引き上げることにより、先行削孔を中心としてその先行削孔よりも太径の地盤改良杭を造成することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明の地盤改良工法を実施する際に、削孔機により形成する先行削孔の径を、高圧噴射攪拌機における攪拌翼の径と同等とすることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2記載の地盤改良工法を既設地盤改良杭の相互間において実施することにより、既設地盤改良杭の相互間にそれらの間の間隙を埋める新たな地盤改良杭を造成することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1〜図4を参照して説明する。本実施形態の地盤改良工法は、図1に示すように、既に造成されている既設地盤改良杭1(以下、既設杭1と略す)の間に、それらの間の間隙を埋めるように新たな地盤改良杭2を造成する場合に本発明を適用したものである。
【0010】
この場合、既設杭1の間に単に硬化材を噴射して新たな地盤改良杭2を造成することでは、既設杭1間の地盤体積が大きく膨張して既設杭1に過大な側圧が作用することが不可避であり、したがって既設杭1が側圧による損壊を受ける懸念があるので、本実施形態では図2〜図4に示す工程で地盤改良杭2を造成することによりそれを有効に防止するようにしている。
【0011】
・先行削孔工程
まず、図2に示すような汎用の削孔機3たとえばスクリューロッド4を備えたアースオーガーを用いて、図1に示すように既設杭1の間に先行削孔5を形成する。その先行削孔5の径は既設杭1の間に形成できる範囲で適宜設定すれば良いが、後段の工程において使用する高圧噴射攪拌機6における攪拌翼8の径と同等程度としておくことが好ましい。そして、先行削孔5を形成する際に、後段での硬化材噴射による地盤体積増加相当分の排土を先行して行う。より具体的には、スクリューロッド4を正転させて地盤に貫入した後、引抜き時に正転および逆転を併用して所定量の排土を行えば良い。
【0012】
なお、既設杭1が鉛直に形成されていないような場合、あるいは既設杭1が途中で側方に膨出しているような場合には、先行削孔5を形成する際にスクリューロッド4が既設杭1に干渉してしまうことも想定されるが、その場合は構わず既設杭1を削ってしまって差し支えない。勿論、削孔機3としてアースオーガーを用いることで、そのような場合であっても既設杭1を支障なく削って先行削孔5を精度良く鉛直に形成することが可能である。
【0013】
・高圧噴射攪拌工程
次いで、図3に示すような高圧噴射攪拌機6を用いて地盤改良杭2の造成を行う。図示例の高圧噴射攪拌機6は汎用のボーリングマシンタイプのもので、硬化材のみを高圧噴射する単管式のロッド7を有し、その先端部に攪拌翼8と硬化材噴射孔(図示されず)を備えたものであり、そのロッド7を先に形成した先行削孔5内に貫入させていく。この際、上記のように先行削孔5の径を攪拌翼8の径と同等程度としておくことによりロッド7の貫入を極めて容易に行うことができ、攪拌翼8およびロッド7には削孔性能を持たせる必要が殆どない。
【0014】
図3(b)に示すように攪拌翼8を先行削孔5の底部に至らしめた後、硬化材噴射孔から硬化材を周囲に高圧噴射し、ロッド7を回転させて攪拌翼8により攪拌混合しつつロッド7を引き上げていく。これにより、(c)に示すように先行削孔5を中心としてそれよりも太径の地盤改良杭2が形成されていく。この際、硬化材の到達範囲は図1に鎖線で示すように既設杭1間の間隙全体にわたるようにする。その硬化材噴射仕様は、排泥量を現場で測定し、これと硬化材の到達距離を考慮して硬化材の噴射時間を設定する(時間当たり噴射量、噴射圧力は一定)。そのような硬化材噴射では、予め改良範囲の一部を排土しているため、既設杭1を傷めることはなく、したがって形成される地盤改良杭2は円筒状にはならず既設杭1の間の間隙の形状に倣ってそれを自ずと埋める形状に形成されることになる。勿論、硬化材噴射により想定される地盤体積増加相当分の排土が既になされているので、既設杭1間において地盤が大きく膨張したり変形することはない。
【0015】
以上のように、アースオーガー等の削孔機3により既設杭1の間に先行削孔5を形成して予め所定量の排土を行った後に、高圧噴射攪拌機6により硬化材を高圧噴射して攪拌することで地盤改良杭2を形成することにより、既設杭1の間の間隙全体を確実に埋めるような地盤改良杭2を効率的に施工することができ、しかも既設杭1に過大な側圧がかかってそれを損壊させてしまう懸念もない。
【0016】
なお、上記実施形態は既設杭1の間に新たに地盤改良杭2を形成する際に適用する場合の例であるが、本発明はそのような場合に適用するに限られず、地盤の膨張や変形が懸念される場合全般に広く適用できるものである。たとえば図5に示すように既存構造物10に接するように地盤改良杭2を形成するような場合において、上記と同様にまず先行削孔5を形成して所定量の排土を行った後、それを中心として硬化材噴射を行って地盤改良杭2をラップさせた状態で形成することで、硬化材噴射による地盤の膨張や変形を防止でき、過大な側圧が既存構造物10にかかるといった悪影響を防止することができる。
【0017】
また、上記実施形態のように先行削孔5の径は攪拌翼8の径と同等とすることが好ましいが、必ずしもそれに限るものでもなく、攪拌翼8に削孔性能を持たせることができるような場合には、先行削孔5を小径に形成してそれを攪拌翼8により拡径しながらロッド7を貫入することでも良い。
【0018】
【発明の効果】
請求項1の発明は、改良対象地盤に対してまず削孔機により先行削孔を形成して後段の硬化材噴射による地盤体積増加相当分の排土を先行して行い、しかる後に、先行削孔の内部からその周囲に硬化材を噴射せしめて先行削孔より太径の地盤改良杭を造成するので、硬化材噴射に伴う地盤の変形や膨張を有効に防止することができ、周辺地盤に対する悪影響を防止することができる。
【0019】
請求項2の発明は、削孔機により形成する先行削孔の径を、高圧噴射攪拌機における攪拌翼の径と同等とするので、高圧噴射攪拌機のロッドを先行削孔に対して容易に貫入することができ、攪拌翼やロッドに削孔性能を持たせる必要がない。
【0020】
請求項3の発明は、上記の地盤改良工法を既設地盤改良杭の相互間において実施することで既設地盤改良杭の相互間に新たな地盤改良杭を造成するので、既設地盤改良杭の間の間隙全体を確実に埋めるような地盤改良杭を効率的に施工することができ、しかも既設地盤改良杭に過大な側圧がかかってそれが損壊してしまうような懸念もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である地盤改良工法の概要を示す図である。
【図2】 同、先行削孔工程を示す図である。
【図3】 同、高圧噴射攪拌工程を示す図である。
【図4】 同、工程図である。
【図5】 本発明の他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1 既設地盤改良杭(既設杭)
2 地盤改良杭
3 削孔機(アースオーガー)
4 スクリューロッド
5 先行削孔
6 高圧噴射攪拌機
7 ロッド
8 攪拌翼[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a ground improvement method for creating a large number of ground improvement piles by high-pressure jetting of a hardened material into the ground to be improved and stirring and mixing.
[0002]
[Prior art]
In this type of ground improvement method, there are cases where adverse effects such as expansion and deformation of the ground due to high-pressure injection of a hardener into the ground may occur. For example, when creating a new ground improvement pile around the existing ground improvement pile, the surrounding ground expands by the volume equivalent to the volume of the hardened material injected to create the new ground improvement pile. It is also assumed that excessive side pressure acts on the improved pile and destroys it.
[0003]
Conventionally, as a countermeasure against such a problem, a high-pressure jet stirrer provided with a double rod or a triple rod is used to inject a hardening material into the ground together with air or water. In that case, the hardened material reaches farther than when only the hardened material is sprayed, so that the range of improvement can be expanded (that is, a large-diameter ground improvement pile can be created), and the hardened material It is said that by discharging slime to the ground surface during jetting and ground improvement piles, volume expansion due to ground improvement is alleviated and ground deformation is also reduced.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the method of injecting the hardened material into the ground together with air and water as described above, the cost is higher than in the case of injecting only the hardened material, and the high-pressure jet agitator used therefor is also complicated and large. Not only that, but a part of the hardened material sprayed together with air and water is ejected to the surface of the earth, which causes another problem that the waste mud slime needs to be collected with a vacuum car and disposed of as industrial waste. .
[0005]
In view of the above circumstances, an object of the present invention is to provide an effective ground improvement method capable of preventing an adverse effect on the ground due to injection of a hardener when a ground improvement pile is created.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The invention of
[0007]
The invention of
[0008]
The invention of
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. As shown in FIG. 1, the ground improvement method of the present embodiment is renewed so as to fill a gap between existing ground improvement piles 1 (hereinafter abbreviated as existing piles 1) that have already been created. The present invention is applied when the
[0010]
In this case, by simply injecting a hardening material between the existing
[0011]
Pre-drilling process First, using a general-
[0012]
In addition, when the
[0013]
-High-pressure jet stirring process Next, the
[0014]
As shown in FIG. 3 (b), the
[0015]
As described above, after the
[0016]
In addition, although the said embodiment is an example in the case of applying when forming the
[0017]
In addition, the diameter of the preceding
[0018]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the present invention, first a prior drilling hole is formed on the ground to be improved by a drilling machine, and the earth corresponding to the increase in the ground volume by the subsequent hardening material injection is performed in advance. Since the hardened material is sprayed from the inside of the hole to the periphery to create a ground improvement pile with a diameter larger than that of the preceding hole, it is possible to effectively prevent deformation and expansion of the ground due to the injection of the hardened material. Adverse effects can be prevented.
[0019]
In the invention of
[0020]
In the invention of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an overview of a ground improvement method according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a view showing a preceding drilling step.
FIG. 3 is a view showing a high-pressure jet stirring step.
FIG. 4 is a process diagram of the same.
FIG. 5 is a diagram showing another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Existing ground improvement pile (existing pile)
2
4
Claims (3)
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