JP4624243B2 - Tunnel lining concrete placing method and wife formwork device - Google Patents
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Description
本発明は、トンネル覆工用型枠を用いて覆工コンクリートを形成するトンネル覆工コンクリート打設方法、及び該覆工コンクリート打設方法において用いる妻型枠装置に関する。 The present invention relates to a tunnel lining concrete placing method for forming lining concrete using a tunnel lining formwork, and a wife formwork apparatus used in the lining concrete placing method.
例えば山岳トンネル工法等のトンネル工法において、掘削したトンネルの内周面の地山を覆って構築されるトンネル覆工コンクリートを形成するための方法として、コンクリート覆工用型枠を用いる工法が一般的に採用されている。コンクリート覆工用型枠50は、図3(a),(b)に示すように、例えば馬蹄形等のアーチ形状部分52を含む形状のトンネル53の内周面54に沿って、トンネル53の側壁部55から上部に亘って設置されるものであり、設置されたコンクリート覆工用型枠50と、トンネル53の内周面54の吹き付けコンクリート56によって覆われる地山との間の空間部61に、好ましくは無筋コンクリートを打設して硬化させることにより、トンネル底部のインバート部51のコンクリートと連続させるようにして、覆工コンクリートが形成されることになる。
For example, in tunnel construction methods such as the mountain tunnel construction method, a method using a concrete lining formwork is generally used as a method for forming tunnel lining concrete that is constructed to cover the natural ground on the inner peripheral surface of the excavated tunnel. Has been adopted. As shown in FIGS. 3A and 3B, the
また、コンクリート覆工用型枠50としては、例えばパラセントルと呼ばれる組立式のトンネル覆工用型枠の他、スライドセントルと呼ばれる移動式のトンネル覆工用型枠が知られており、トンネル53の掘削作業の進行に伴なって、例えば10m程度の所定のスパン毎にコンクリート覆工用型枠50を据え付け直しながら、トンネル53の掘進方向の後方から前方に向かって、コンクリート覆工用型枠50を用いてトンネル53の側部及び上部の覆工コンクリートを順次打設形成して行くことになる。
As the
そして、コンクリート覆工用型枠50を用いてトンネルの側部及び上部の覆工コンクリートを打設するには、例えば図4(a)〜(d)に示すように、設置したコンクリート覆工用型枠50に設けられた検査窓56からコンクリートを打設可能な高さ領域として、例えばトンネル53の側壁部55からアーチ形状部分52の肩部までの領域に対しては、検査窓56を介してコンクリート57を供給すると共に、バイブレータ58を検査窓56から挿入し、供給されたコンクリート57を締固めながらコンクリート57を打設する。しかる後に、検査窓56からコンクリート57を供給しながらバイブレータ58によって締固めることが困難な高さ領域として、トンネル53の冠部(クラウン部)59(図3参照)の領域に対しては、コンクリート覆工用型枠50の天端部に設けた吹き上げ口としてのコンクリート打設孔60から、コンクリートを吹き上げ方式で打ち込み、締固めを行うことなく冠部59のコンクリート57を形成するパターンが採用されている。
Then, in order to place the lining concrete on the side and upper part of the tunnel using the
より具体的には、所定位置にコンクリート覆工用型枠50を設置した後に、例えば側壁部55の下部より、下段の検査窓56を介してコンクリート57を流し込みながらバイブレータ58を用いて締固める工程(図4(a)参照)と、さらに側壁部55の上部のアーチ形状部分52に向かって、中段の検査窓56を介してコンクリート57を流し込みながらバイブレータ58を用いて締固める工程(図4(b)参照)と、さらにアーチ形状部分52の冠部59の手前まで、上段の検査窓56及び必要に応じてコンクリート打設孔60を介してコンクリート57を流し込みながら、バイブレータ58を用いて締固める工程(図4(c)参照)と、冠部59の既設覆工コンクリート62側の部分からコンクリート打設孔60を介して順次コンクリート57を流し込み、締固めを行うことなく妻型枠63までコンクリートを充填する工程(図4(d)参照)とにより、覆工コンクリートが打設されることになる。
More specifically, after the
上述のような従来のコンクリート覆工用型枠50を用いた覆工コンクリートの打設方法では、トンネル冠部(クラウン部)59に打設されたコンクリート57の締固めを行うことができないことから、当該冠部59における覆工コンクリートの品質上の信頼性が低くなり、特に既設覆工コンクリート62の付近では、エア溜まりや空洞が発生しやすくなる。また、吹き上げ口としてのコンクリート打設孔60から集中してコンクリート覆工用型枠50と地山との間の空間61にコンクリート57が打設されるので、コンクリート57がコンクリート打設孔60から周囲に流れる際の軌跡が縞模様として覆工コンクリートの表面に残りやすくなり、仕上りが悪くなる。
In the method of placing lining concrete using the conventional
これに対して、トンネル冠部に打設されたコンクリートの締固めを行うことができるようにする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の覆工コンクリート打設方法では、山岳トンネル工法とは異なるシールド工法によってトンネルを築造する際に、セグメントとセントルとの間の空隙のクラウン部に、トンネル軸方向に延伸するガイドレールと、ガイドレールに沿って動く棒状バイブレータとを設置しておき、既設側からクラウン部の空隙にコンクリートを棒状バイブレータで締固めつつ打設し、コンクリートの充填に伴って、棒状バイブレータをガイドレールに沿って既設側から妻板側に向けて移動させるようにしたものである。また、特許文献1の覆工コンクリート打設方法では、ガイドレールは例えば二次覆工コンクリートの段取筋を兼ねて設けられるようになっている。
しかしながら、特許文献1に記載のトンネルのクラウン部にコンクリートを打設する方法では、棒状バイブレータをトンネル軸方向に案内するガイドレールを予め設けておく必要があるため、段取筋等を設置することなく好ましくは無筋コンクリートを用いて覆工コンクリートが形成される山岳トンネル等においては、その施工に多くの手間を要することになる。また特に、トンネル冠部の覆工コンクリートが相当の幅を有していて、所望の品質が得られるようにするには複数の振動締固め装置を用いてトンネル冠部のコンクリートを広範囲に亘って効果的に締固める必要がある場合には、ガイドレールを設置するのにさらに多くの手間を要することになりる。 However, in the method of placing concrete on the crown portion of the tunnel described in Patent Document 1, it is necessary to provide a guide rail that guides the rod-shaped vibrator in the tunnel axis direction in advance, so that a setup line or the like is installed. In a mountain tunnel or the like in which lining concrete is formed using unreinforced concrete, a lot of labor is required for the construction. In particular, the tunnel crown lining concrete has a considerable width, and in order to obtain the desired quality, a plurality of vibration compaction devices are used to spread the tunnel crown concrete over a wide range. If effective compaction is required, more work is required to install the guide rail.
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、バイブレータ等の振動締固め装置をトンネル軸方向に案内するガイドレールを予め設けておくことなく、複数の振動締固め装置を用いて、トンネル冠部に供給されたコンクリートを、所望の品質が得られるように広範囲に亘って効果的に締め固ながら打設してゆくことのできるトンネル覆工コンクリート打設方法及び妻型枠装置を提供することを目的とする。 The present invention has been made paying attention to such a conventional problem, and a plurality of vibration compaction devices can be provided without previously providing a guide rail for guiding the vibration compaction device such as a vibrator in the tunnel axis direction. Can be used to place concrete supplied to the tunnel crown while effectively compacting the concrete over a wide range so that the desired quality can be obtained, and the wife mold An object is to provide a frame device.
本発明は、トンネル覆工用型枠を用いて覆工コンクリートを形成するトンネル覆工コンクリート打設方法において、トンネル冠部の下方まで覆工コンクリートの両側部分を打設したら、既に形成された既設覆工コンクリートのトンネル冠部の端面と対向させて、先行打設した両側部分よりも上方のトンネル冠部の覆工断面形状に合致する形状を備える妻型枠を、トンネル覆工用型枠の外周面に沿ってトンネル軸方向にスライド可能に配置すると共に、該妻型枠からこれと前記既設覆工コンクリートの端面との間の冠部空間にコンクリート供給口と振動締固め装置の振動締固め部とを配設し、前記冠部空間に前記コンクリート供給口からコンクリートを供給し、供給されたコンクリートを前記振動締固め装置によって締固めながら、前記妻型枠を前記既設覆工コンクリートから離れる側にスライド移動させつつ前記トンネル冠部の覆工コンクリートを打設する工程を含むトンネル覆工コンクリート打設方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。 The present invention relates to a tunnel lining concrete placement method for forming lining concrete using a tunnel lining formwork, and when both sides of the lining concrete are placed to the lower side of the tunnel crown, Facing the end face of the tunnel crown part of the lining concrete, the wife form frame with a shape that matches the lining cross-sectional shape of the tunnel crown part above the oppositely placed both sides of the tunnel lining formwork Along with the outer peripheral surface slidably arranged in the tunnel axial direction, and the vibration compaction of the concrete supply port and the vibration compaction device into the crown space between the end form and the end surface of the existing lining concrete. And the concrete is supplied to the crown space from the concrete supply port, and the concrete is supplied while the supplied concrete is compacted by the vibration compaction device. By providing a tunnel lining concrete 設方 method comprising the step of pouring the lining concrete of the tunnel crown while sliding on the side away from the existing lining concrete, in which to achieve the above objects.
そして、本発明のトンネル覆工コンクリート打設方法は、前記妻型枠の移動による前記冠部空間の容積の増加量と、コンクリートの供給量とをバランスさせながら前記トンネル冠部の覆工コンクリートを打設することが好ましい。 And the tunnel lining concrete placement method of the present invention provides the lining concrete of the tunnel crown while balancing the amount of increase in the volume of the crown space due to the movement of the end form and the supply amount of concrete. It is preferable to cast.
また、本発明のトンネル覆工コンクリート打設方法は、前記冠部空間の内部のコンクリートから前記妻型枠に負荷されるコンクリート圧を略一定に保持しながら前記トンネル冠部の覆工コンクリートを打設することが好ましい。 In the tunnel lining concrete placing method of the present invention, the tunnel crown lining concrete is cast while maintaining the concrete pressure applied to the end form from the concrete inside the crown space substantially constant. It is preferable to install.
さらに、本発明のトンネル覆工コンクリート打設方法は、前記冠部空間に加圧供給されるコンクリートからの圧力によって前記妻型枠を前記既設覆工コンクリートから離れる側に押し出しながらスライド移動させるようにすることもできる。 Furthermore, the tunnel lining concrete placing method of the present invention is configured to slide and move the end form frame to the side away from the existing lining concrete by pressure from the concrete supplied under pressure to the crown space. You can also
また、本発明は、トンネル覆工用型枠を用いて覆工コンクリートを形成するトンネル覆工コンクリート打設方法において、トンネル冠部の覆工コンクリートを打設する際に用いる妻型枠装置であって、トンネル冠部の覆工断面形状に合致する形状を備え、前記トンネル覆工用型枠の外周面に沿って配置される妻型枠と、該妻型枠と連結ロッドを介して連結されて当該妻型枠と所定の間隔をおいて対向配置される補助枠部とからなるスライド基台と、該スライド基台に設けられたスライド移動手段と、前記妻型枠及び前記補助枠部に支持されて、先端のコンクリート供給口が前記妻型枠の前記補助枠部とは反対側に開口するコンクリート供給管と、前記妻型枠及び前記補助枠部に支持されて、振動締固め部が前記妻型枠の前記補助枠部とは反対側に突出配置される振動締固め装置とからなる妻型枠装置を提供することにより、上記目的を達成したものである。 Further, the present invention is a wife formwork apparatus used when placing lining concrete of a tunnel crown in a tunnel lining concrete placing method for forming lining concrete using a tunnel lining formwork. And having a shape that matches the cross-sectional shape of the lining of the tunnel crown, and is connected to the wife mold frame that is disposed along the outer peripheral surface of the tunnel lining mold frame, and the wife mold frame via a connecting rod. A slide base comprising an auxiliary frame portion disposed opposite to the wife mold frame at a predetermined interval, slide moving means provided on the slide base, and the wife mold frame and the auxiliary frame portion. Supported by a concrete supply pipe with a concrete supply port at the tip opening on the side opposite to the auxiliary frame portion of the end form frame, supported by the end form frame and the auxiliary frame portion, and a vibration compaction portion Opposite to the auxiliary frame part of the wife formwork By providing a wife mold apparatus comprising a vibrating compaction apparatus to be projected placed to one in which to achieve the above objects.
そして、本発明の妻型枠装置は、前記妻型枠の上側周縁部分には地山との間の隙間をシールする上側周縁シール部材が取り付けられ、前記妻型枠の下端部分には先行打設された両側部分の覆工コンクリートの天端面との間の隙間をシールする下端シール部材が取り付けられていることが好ましい。 In the wife formwork apparatus according to the present invention, an upper edge seal member that seals a gap with a natural ground is attached to the upper edge part of the wife formwork, and the lower end part of the wife formwork is advanced. It is preferable that a lower end sealing member for sealing a gap between the ceiling end surfaces of the lining concrete on both side portions provided is attached.
本発明のトンネル覆工コンクリート打設方法又は妻型枠装置によれば、バイブレータ等の振動締固め装置をトンネル軸方向に案内するガイドレールを予め設けておくことなく、複数の振動締固め装置を用いてトンネル冠部に供給されたコンクリートを、所望の品質が得られるように広範囲に亘って効果的に締め固ながら打設してゆくことができる。 According to the tunnel lining concrete placing method or the end form device of the present invention, a plurality of vibration compaction devices can be provided without providing guide rails for guiding the vibration compaction device such as a vibrator in the tunnel axial direction in advance. The concrete used and supplied to the tunnel crown can be placed while being effectively compacted over a wide range so that the desired quality can be obtained.
本発明の好ましい一実施形態に係るトンネル覆工コンクリート打設方法は、図1(a)〜(d)に示すように、例えば山岳トンネル工法において、コンクリート覆工用型枠10を用いてトンネル12の側部及び上部の覆工コンクリート11を打設形成してゆく際に、特にトンネル12の冠部(クラウン部)13の覆工コンクリート11aを、これより下方の両側部分11bとして例えばトンネル12の側壁部及びアーチ形状部分の覆工コンクリート11を打設した後に、充分に締固めながら打設してゆくための方法として採用されたものである。
As shown in FIGS. 1A to 1D, a tunnel lining concrete placing method according to a preferred embodiment of the present invention is a
ここで、本実施形態では、コンクリート覆工用型枠10は、従来技術として公知の例えばスライド移動式のセントルであり、トンネル12の掘削作業の進行に伴なって、例えば10m程度の所定のスパン毎にトンネル12の掘進方向の後方から前方に向かって据え付け直しながら、トンネル12の側部及び上部の覆工コンクリート11を順次打設形成してゆくことを可能にするものである。また、本実施形態では、覆工コンクリート11の両側部分11bは、例えば従来の工法と同様の方法により、設置したコンクリート覆工用型枠10に設けられた検査窓14を介してコンクリートが供給されると共に、振動締固め装置としてのバイブレータを検査窓14から挿入して供給されたコンクリートを締固めることによって、当該両側部分11bの覆工コンクリート11が、トンネル冠部13の覆工コンクリート11aに先行して打設されることになる。
Here, in the present embodiment, the
そして、本実施形態のトンネル覆工コンクリート打設方法は、トンネル覆工用型枠10を用いて覆工コンクリート11を形成する覆工コンクリート打設方法において、トンネル冠部13の下方まで覆工コンクリート11の両側部分11bを打設したら、既に形成された既設覆工コンクリート15のトンネル冠部13の端面15aと対向させて、先行打設した両側部分11bよりも上方のトンネル冠部13の覆工断面形状に合致する形状を備える妻型枠16を、トンネル覆工用型枠10の外周面10aに沿ってトンネル軸方向Xにスライド可能に配置すると共に、妻型枠16から当該妻型枠16と既設覆工コンクリート15の端面15aとの間の冠部空間17にコンクリート供給口18aと振動締固め装置19の振動締固め部19aとを配設し、冠部空間17にコンクリート供給口18aからコンクリートを供給し、供給されたコンクリートを振動締固め装置19によって締固めながら、妻型枠16を既設覆工コンクリート15から離れる側にスライド移動させつつトンネル冠部13の覆工コンクリート11aを打設する工程を含んでいる。
And the tunnel lining concrete placement method of this embodiment is the lining concrete placement method in which the
また、本実施形態では、妻型枠16を既設覆工コンクリート15の端面15aと対向させてトンネル覆工用型枠10の外周面10aにスライド可能に配置し、且つ冠部空間17にコンクリート供給口18aと振動締固め装置19の振動締固め部19aとを配設する手段として、例えば図2に示す妻型枠装置20が用いられる。
Further, in the present embodiment, the
すなわち、図2に示す本実施形態の妻型枠装置20は、トンネル覆工用型枠10を用いて覆工コンクリート11を形成するトンネル覆工コンクリート打設方法において、トンネル冠部13の覆工コンクリート11aを打設する際に用いる型枠装置であって、トンネル冠部13の覆工断面形状に合致する形状を備え、トンネル覆工用型枠10の外周面10aに沿って配置される妻型枠16と、この妻型枠16と連結ロッド22を介して連結されて妻型枠16と所定の間隔をおいて対向配置される補助枠部23とからなるスライド基台21と、このスライド基台21の例えば連結ロッド22に支持されて設けられたスライド移動手段としての駆動モータ25及び走行車輪26と、妻型枠16及び補助枠部23に支持されて、先端のコンクリート供給口18aが妻型枠16の補助枠部23とは反対側に開口するコンクリート供給管18と、妻型枠16及び補助枠部23に支持されて、振動締固め部19aが妻型枠16の補助枠部23とは反対側に突出配置される振動締固め装置19とによって構成される。
That is, the
スライド基台21を構成する妻型枠16は、トンネル冠部13の覆工コンクリート11aの厚さに相当する幅を有する金属製や合成樹脂製の帯状のプレート部材を、トンネル覆工用型枠10の天面部分の湾曲した外周面10aの形状に沿うように弧状に湾曲させて形成される。また妻型枠16は、その湾曲形状の両側の下端部分が、先行打設される両側部分11aの覆工コンクリート11の予め設定された天端面の高さに対応させて、横方向に切り欠かれている。さらに、妻型枠16には、上部中央部分にコンクリート供給管18の先端部分を嵌着させるための供給管取付け孔24が開口形成されると共に、供給管取付け孔24の両側には、各々所定間隔をおいて、振動締固め装置19の振動締固め部19aを挿通係止するための係止孔27が複数開口形成されている。さらにまた、妻型枠16の補助枠部23側の面には、妻型枠16と補助枠部23とを連結一体化する連結ロッド22の一端部が接合固定されている。
The
また、本実施形態によれば、妻型枠16の上側周縁部分には、内周面が吹付けコンクリートによって覆われたトンネル掘削後の地山30(図1参照)との間の隙間をシールする例えばゴム板、ゴムチューブ等からなる上側周縁シール部材28が取り付けられている。また、妻型枠16の下端部分には、先行打設された両側部分11bの、好ましくはまだ固まらない状態の覆工コンクリート11の天端面との間の隙間をシールする例えばゴム板、ゴムチューブ等からなる下端シール部材29が取り付けられている。これらのシール部材28,29が設けられていることにより、冠部空間17にコンクリートが供給打設された際に、冠部空間17から補助枠部23側にコンクリートが漏れ出るのを効果的に回避することが可能になる。なお、妻型枠16の下側周縁部分に、トンネル覆工用型枠10の外周面10aとの間の隙間をシールする下側周縁シール部材をさらに設けておくこともできる。また、妻型枠16の補助枠部23側の面に、冠部空間17の内部に供給されたコンクリートから妻型枠16に負荷されるコンクリート圧を計測する圧力センサー31を取り付けておくこともできる。
Further, according to the present embodiment, the upper peripheral portion of the
スライド基台21を構成する補助枠部23は、好ましくは妻型枠16よりも一回り小さな金属製や合成樹脂製の帯状のプレート部材を、トンネル覆工用型枠10の外周面10aの湾曲形状に沿うように弧状に湾曲させて形成され、トンネル覆工用型枠10の天面部から浮かせた状態で配置されるようになっている。また、補助枠部23の妻型枠16側の面には、妻型枠16と補助枠部23とを連結一体化する連結ロッド22の他端部が接合固定され、これによって補助枠部23は、妻型枠16と例えば1m程度の間隔をおいて対向配置される。さらに、補助枠部23には、上部中央部分にコンクリート供給管18を挿通させるための供給管挿通孔32が開口形成されると共に、供給管挿通孔32の両側には、各々所定間隔をおいて、振動締固め装置19のケーブル部19bや駆動モータ25への動力ケーブル33を挿通するためのケーブル挿通孔34が複数開口形成されている。
The
妻型枠16と補助枠部23とを連結一体化する連結ロッド22は、金属製や合成樹脂製の棒状部材であって、本実施形態では、上部中央部分に配置されるコンクリート供給管18を挟んだ両側に各々一対づつ所定の間隔を置いて設けられている。また、各一対の連結ロッド22は、スライド移動手段としての駆動モータ25や走行車輪26を設置するための取付け台としても機能し、走行車輪26の車軸26aを回転可能に支持すると共に、駆動モータ25をトンネル覆工用型枠10の外周面10aから浮かせた状態で保持固定する。さらに、連結ロッド22には、反力用磁石35が取り付けられており、連結ロッド22がトンネル覆工用型枠10の外周面10aに吸引される方向に磁力を作用させることにより、走行車輪26とトンネル覆工用型枠10の外周面10aとの間の摩擦力を高めて、スライド基台21をスライド移動させる際に走行車輪26がスリップするのを効果的に防止できるようになっている。
The connecting
コンクリート供給管18は、例えば内径が100mm程度の大きさの金属製のフレキシブルな配管部材であって、補助枠部23の供給管挿通孔32及び妻型枠16の供給管取付け孔24の両者に挿通されることにより、妻型枠16及び補助枠部23によって支持される。また、先端部分が妻型枠16の供給管取付け孔24に嵌着されて、補助枠部23とは反対側に僅かに突出した状態で係止されることにより、先端のコンクリート供給口18aが補助枠部23とは反対側の冠部空間17に臨んで開口する状態を強固に保持することができるようになっている。なお、コンクリート供給管18の他端部は、例えばトンネル覆工用型枠10の内側を経て、後方の既設覆工コンクリート15の内部に設けられたコンクリートポンプ36と接続しており(図1参照)、これによってコンクリートがコンクリートポンプ36から冠部空間17に圧送供給されるようになっている。
The
振動締固め装置19は、例えば電磁式振動体やモータの回転力によって振動する振動体等を内部に備える棒状バイブレータからなる振動締固め部19aと、この振動締固め部19aと接続して延設する、接続線等が収容されたフレキシブルな動力供給ホースからなるケーブル部19bとによって構成される、公知のコンクリート用の締固め装置を好ましく用いることができる。ケーブル部19bが補助枠部23のケーブル挿通孔34に挿通され、振動締固め部19aの基端部分が妻型枠16の係止孔27に挿通係止されることにより、振動締固め装置19は妻型枠16及び補助枠部23によって支持される。また、振動締固め部19aは、その基端部分が妻型枠16の係止孔27に挿通係止されることにより、冠部空間17に例えば400〜500mm程度の長さで突出する状態を強固に保持することができるようになっている。
The
そして、本実施形態によれば、従来技術と同様に検査窓14を介してコンクリートを締固めつつ両側部分11bの覆工コンクリート11を打設したら、トンネル覆工用型枠10のトンネル冠部13の外周面10aに、妻型枠装置20を、妻型枠16をトンネル掘進方向Xの後方側に、補助枠部23をトンネル掘進方向Xの前方側に配置した状態でセットする。これによって、既設覆工コンクリート15のトンネル冠部13の端面15aと近接して対向した状態で、妻型枠16がトンネル覆工用型枠10の外周面10aに沿ってトンネル軸方向Xにスライド可能に配置されることになる。また、妻型枠16から冠部空間17に、コンクリート供給管18の先端のコンクリート供給口18aと振動締固め装置19の振動締固め部19aとが配設されることになる(図1(a)参照)。
And according to this embodiment, if the lining
このような状態から、コンクリートポンプ36を稼動し、コンクリート供給管18を介して、妻型枠装置20がセットされた状態の冠部空間17へコンクリートを圧送供給することにより、冠部空間17には、コンクリート供給口18aを介してコンクリートが充填されてゆくことになる(図1(b)参照)。また、振動締固め装置19を駆動することにより、冠部空間17に供給充填されたコンクリートは、振動締固め部19aによって効果的に締固められることになる。
From this state, the
冠部空間17にコンクリートが充填されたら、妻型枠装置20のトンネル軸方向(掘進方向)Xの前方への移動により、既設覆工コンクリート15から離れる側に妻型枠16をスライド移動させつつ、容積が増大した冠部空間17にさらにコンクリートを供給すると共に、供給されたコンクリートを締固めながら、引き続いてトンネル冠部13のコンクリートを打設する作業が行われる(図1(c)参照)。
When the
そして、妻型枠装置20をスライド移動しつつ、妻型枠16がトンネル覆工用型枠10の前端部に至るまでコンクリートを打設し、振動締固め装置19の振動締固め部19aを冠部空間17から引き抜いて撤去することにより(図1(d)参照)、当該トンネル覆工用型枠10が据え付けられたスパンにおける、トンネル冠部13を含む覆工コンクリート11の打設作業が終了する。なお、妻型枠装置20がトンネル覆工用型枠10の前端部まで移動するのに先立って、トンネル覆工用型枠10の前方部分に、トンネル覆工用型枠10からはみ出した部分の妻型枠装置20を支持するための仮受け台37を設けておくことが好ましい。
Then, while sliding the
ここで、本実施形態では、妻型枠装置20のトンネル軸方向Xの前方への移動により、既設覆工コンクリート15から離れる側に妻型枠16をスライド移動させつつ、容積が増大した冠部空間17にさらにコンクリートを供給しながらトンネル冠部13のコンクリートを打設する工程においては、妻型枠16の移動による冠部空間17の容積の増加量と、コンクリートの供給量とをバランスさせながらトンネル冠部13の覆工コンクリート11aを打設してゆくように、妻型枠16の移動を管理することができる。すなわち、走行車輪26に取り付けたエンコーダ等により妻型枠16の移動量を計測すると共に、コンクリートの供給量を制御して、冠部空間17の容積の増加量と、コンクリートの供給量とを容易にバランスさせることが可能になる。
Here, in the present embodiment, a crown portion whose volume is increased while the
また、本実施形態では、冠部空間17の内部のコンクリートから妻型枠16に負荷されるコンクリート圧を略一定に保持しながらトンネル冠部13の覆工コンクリート11aを打設してゆくように、妻型枠16の移動を管理することもできる。すなわち、妻型枠16の補助枠部23側の面に取り付けた圧力センサー31によって、冠部空間17の内部に供給されたコンクリートから妻型枠16に負荷されるコンクリート圧を計測し、例えばコンクリート圧が0.5N/mm2になる前に妻型枠16を移動させるように妻型枠16及びコンクリートの供給量を制御することが可能になる。
Further, in the present embodiment, the lining concrete 11a of the
さらに、本実施形態では、冠部空間17に加圧供給されるコンクリートからの圧力によって、妻型枠16を既設覆工コンクリート15から離れる側に押し出しながらスライド移動させるようにすることもできる。これによって妻型枠16の移動の管理をさらに容易に行うことが可能になる。
Furthermore, in the present embodiment, the
そして、本実施形態のトンネル覆工コンクリート打設方法又は妻型枠装置20によれば、バイブレータ等の振動締固め装置をトンネル軸方向に案内するガイドレールを予め設けておくことなく、複数の振動締固め装置19を用いてトンネル冠部13に供給されたコンクリートを、所望の品質が得られるように広範囲に亘って効果的に締め固ながら打設してゆくことができる。すなわち、本実施形態によれば、コンクリート供給口18aと振動締固め装置19の振動締固め部19bとが配設された妻型枠16を、当該妻型枠16と既設覆工コンクリート15の端面15aとの間の冠部空間17に供給充填されるコンクリートの供給量に応じて、トンネル覆工用型枠10の外周面10aに沿ってトンネル軸方向Xにスライド移動させて行くだけの簡易な構成によって、多くの手間を要することなく、トンネル冠部13の覆工コンクリート11aを充分に締固めながら打設してゆくことができる。また、妻型枠16に、トンネル冠部13の幅や厚さに応じて複数の振動締固め部19bを適宜の位置に配設して容易に取り付けることができ、これらのトンネル冠部13の覆工断面形状に応じて配設された複数の振動締固め部19bによって、トンネル冠部13に供給されたコンクリートを、所望の品質が得られるように広範囲に亘って効果的に締め固ながら打設してゆくことが可能になる。
And according to the tunnel lining concrete placing method or the end
さらに、本実施形態によれば、妻型枠16を既設覆工コンクリート15の端面15aに近接配置した状態から、冠部空間17にコンクリートを供給して打設してゆくので、既設覆工コンクリート15の近傍部分に空洞が生じ難く、また冠部空間17に供給されるのと略同時に供給されたコンクリートを振動締固め部19bによって締固めることができるので、高品質の覆工コンクリート11aを得ることが可能になる。さらにまた、コンクリート供給口18aは、妻型枠16の移動に伴なって移動するので、打設されたコンクリート自体はほとんど移動することがなく、したがって縞模様のない仕上りのきれいな覆工コンクリート11aを得ることが可能になる。
Furthermore, according to the present embodiment, the concrete is supplied and placed in the
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明は、山岳トンネル以外のその他のトンネルにおける冠部の覆工コンクリートを形成するべく採用することができる。また、妻型枠の上側周縁部分や下端部分にはシール部材を設ける必要は必ずしもない。さらに、トンネル覆工用型枠の外周面との間に覆工空間を形成するトンネルの内周面は、吹き付けコンクリートによって覆われる地山の他、1次覆工を行った後のトンネル内周面による、2次覆工を行うための覆工面であっても良い。さらにまた、上述の構成の妻型枠装置以外の装置や部材を用いて、本発明のトンネル覆工コンクリート打設方法に適用することもできる。 The present invention is not limited to the above-described embodiment, and various modifications can be made. For example, the present invention can be employed to form crown lining concrete in other tunnels other than mountain tunnels. Further, it is not always necessary to provide a seal member on the upper peripheral edge or lower end of the wife formwork. Furthermore, the inner peripheral surface of the tunnel, which forms a lining space between the outer periphery of the tunnel lining formwork, is the inner periphery of the tunnel after the primary lining as well as the ground covered with sprayed concrete. It may be a lining surface for performing secondary lining by a surface. Furthermore, the present invention can be applied to the tunnel lining concrete placing method of the present invention using devices and members other than the above-mentioned wife formwork device.
10 コンクリート覆工用型枠
10a トンネル覆工用型枠の外周面
11 覆工コンクリート
11a 冠部の覆工コンクリート
11b 両側部分の覆工コンクリート
12 トンネル
13 トンネル冠部
14 検査窓
15 既設覆工コンクリート
15a 既設覆工コンクリートの端面
16 妻型枠
17 冠部空間
18 コンクリート供給管
18a コンクリート供給口
19 振動締固め装置
19a 振動締固め装置の振動締固め部
19b 振動締固め装置のケーブル部
20 妻型枠装置
21 スライド基台
22 連結ロッド
23 補助枠部
25 駆動モータ(スライド移動手段)
26 走行車輪(スライド移動手段)
28 上側周縁シール部材
29 下端シール部材
30 地山
35 反力用磁石
36 コンクリートポンプ
X トンネル軸方向(トンネル掘進方向)
DESCRIPTION OF
26 Traveling wheel (slide moving means)
28 Upper
Claims (6)
トンネル冠部の下方まで覆工コンクリートの両側部分を打設したら、既に形成された既設覆工コンクリートのトンネル冠部の端面と対向させて、先行打設した両側部分よりも上方のトンネル冠部の覆工断面形状に合致する形状を備える妻型枠を、トンネル覆工用型枠の外周面に沿ってトンネル軸方向にスライド可能に配置すると共に、該妻型枠からこれと前記既設覆工コンクリートの端面との間の冠部空間にコンクリート供給口と振動締固め装置の振動締固め部とを配設し、
前記冠部空間に前記コンクリート供給口からコンクリートを供給し、供給されたコンクリートを前記振動締固め装置によって締固めながら、前記妻型枠を前記既設覆工コンクリートから離れる側にスライド移動させつつ前記トンネル冠部の覆工コンクリートを打設する工程を含むトンネル覆工コンクリート打設方法。 In the tunnel lining concrete placement method of forming lining concrete using a tunnel lining formwork,
After placing both sides of the lining concrete to the lower part of the tunnel crown, face the end face of the tunnel crown of the existing lining concrete that has already been formed. A wife mold having a shape that matches the cross-sectional shape of the lining is disposed so as to be slidable in the tunnel axial direction along the outer peripheral surface of the tunnel lining mold, and from the wife mold and the existing lining concrete A concrete supply port and a vibration compaction unit of the vibration compaction device are disposed in the crown space between the end surfaces of
While supplying concrete from the concrete supply port to the crown space, the tunnel is slid to the side away from the existing lining concrete while the supplied concrete is compacted by the vibration compaction device. A tunnel lining concrete placing method including a step of placing crown lining concrete.
トンネル冠部の覆工断面形状に合致する形状を備え、前記トンネル覆工用型枠の外周面に沿って配置される妻型枠と、該妻型枠と連結ロッドを介して連結されて当該妻型枠と所定の間隔をおいて対向配置される補助枠部とからなるスライド基台と、該スライド基台に設けられたスライド移動手段と、前記妻型枠及び前記補助枠部に支持されて、先端のコンクリート供給口が前記妻型枠の前記補助枠部とは反対側に開口するコンクリート供給管と、前記妻型枠及び前記補助枠部に支持されて、振動締固め部が前記妻型枠の前記補助枠部とは反対側に突出配置される振動締固め装置とからなる妻型枠装置。 In the tunnel lining concrete placing method for forming lining concrete using a tunnel lining formwork, a wife formwork device used when placing the lining concrete of the tunnel crown,
A shape that matches the cross-sectional shape of the lining of the tunnel crown, and a wife mold frame that is disposed along the outer peripheral surface of the tunnel lining mold frame, and is connected to the wife mold frame via a connecting rod A slide base composed of an auxiliary frame portion arranged to face the wife mold frame at a predetermined interval, a slide moving means provided on the slide base, and supported by the wife mold frame and the auxiliary frame portion. The concrete supply pipe at the tip is supported by the concrete supply pipe that opens to the opposite side of the auxiliary frame portion of the wife mold frame, the wife mold frame and the auxiliary frame portion, and the vibration compaction portion is the wife A wife formwork device comprising a vibration compaction device that protrudes from the side opposite to the auxiliary frame portion of the formwork.
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