JP4623870B2 - バイオセンサ及びその測定感度調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はバイオセンサ及びその測定感度調整方法に関し、特に、生体中の生体関連物質を測定するための、生物由来の生産物質を利用したバイオセンサ及びその測定感度調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
血液や尿等の生体体液中の特定成分を定量的に検出する、いわゆるバイオセンサを使用した測定器が実用化されている。このような測定器においては、小型で使い捨てであるバイオセンサが試験片として装着され、この試験片に例えば血液を滴下することで血液中のグルコース、乳酸やコレステロール等の濃度測定が行われる。
【0003】
図4は従来の一般的なバイオセンサの構成を説明するための分解斜視図であり、図において、短冊形状であるシート状の絶縁性基材102の表面の長手方向の一端部には、端子103,104が所定の間隔を隔てて設けられている。さらに、基材102表面には端子103,104とそれぞれ接続され、長手方向に沿って伸びるストライプ状のリード電極110,111が設けられている。基材102の端子103,104の設けられている端部に対して他端側の領域には、所定の間隔を隔てて対向して設けられた測定極105及び対極106が設けられており、測定極105はリード電極110と接続され、対極106はリード電極111と接続されている。端子103、104、リード電極110,111、及び測定極105及び対極106は導電性カーボンペースト等をスクリーン印刷することで形成される。絶縁層116は端子103,104の表面、並びに測定極105及び対極106の表面を除く基材102上に設けられている。測定極105及び対極106上には、被測定成分に対応した生物由来の酵素、メディエータ等よりなる反応試薬(図示せず)が塗布されている。この基材102上の、端子103,104が設けられている領域以外の領域上には、スペーサ107を介在させてカバー108が取り付けられている。スペーサ107には、端子103、104に対して反対側の端部から、端子103、104側に向かって、測定極105及び対極106上を通過する位置まで伸びるストライプ状の切りこみ109が設けられている。また、カバー108の、上記スペーサ107の切り込み109の端子103,104側の端部上の位置には、開口部108aが設けられている。
【0004】
図5は、従来のバイオセンサの構成を示す斜視図であり、このバイオセンサは、図4に分解図として示したバイオセンサを組み合わせたものであり、図において、図4と同一符号は同一または相当する部分を示している。
【0005】
図6は、従来のバイオセンサを用いた被試験物の測定方法を説明するための模式図であり、図において、図4と同一符号は同一または相当する部分を示しており、図5に示したバイオセンサ101は、図6に示すようなカード形状の測定器112のバイオセンサ装着部113に端子103,104側を挿入することで測定器112に装着される。測定器112の表面には、測定結果を表示する表示部114を設けている。測定器112のバイオセンサ装着部113内には、バイオセンサ101が装着されたときにバイオセンサ101の端子103,104と電気的にそれぞれ接続される正極、及び負極の電極(図示せず)を備えており、測定器112はこの電極からバイオセンサ101に電流を流すことができる。
【0006】
以下、バイオセンサを用いた被試験物の測定方法を被試験物が例えば血液である場合について説明する。測定器112に試験片であるバイオセンサ101を装着した後、バイオセンサ101の端部に、血液を点着することで、この血液は、スペーサ107に形成されている切り込み109に毛細管現象にて吸い込まれ、測定極105及び対極106上に塗布された反応試薬に達し、この反応試薬と酵素反応する。次に、測定器112より試験片101の端子103,104へ電圧を印加して上述した酵素反応における反応生成物を酸化し、その時発生する酸化電流を測定器112側で測定する。測定した酸化電流値に基づき被測定成分の濃度を換算する。
【0007】
以上のバイオセンサを用いた測定は糖濃度測定用電極に血液を浸漬した際に生じる、糖の酵素反応による電流値の変化から血糖値を換算する原理に基づいている。この測定のための装置の構成は測定装置本体である測定器112と糖濃度測定用電極として機能するバイオセンサ101とに分かれており、使用時にバイオセンサ101を測定器112に挿入して、使用するバイオセンサに合わせて、測定器112の測定感度を校正してから実際の測定を行っている。
【0008】
校正する手段としては、校正用標準液を滴下して一連の測定操作を実行して測定器112の校正を行うか、バイオセンサのロット番号に合わせて補正用チップを測定器112本体に挿入して感度の補正を行う必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に述べたバイオセンサは生物由来の酵素が用いられているため、バイオセンサ作製条件や使用する酵素のロット番号の違いによりバイオセンサ感度が変化するため、測定する前にバイオセンサを校正する操作が必要となり、補正用チップを測定器本体に挿入する等の補正操作が行われている。そのため操作が煩雑になる欠点となっている。
【0010】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、バイオセンサ作製条件や使用する酵素のロット番号の違いによるバイオセンサ感度の変化をその変化量に応じて常に一定の感度を示すように補正したバイオセンサ、及びその感度調整方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るバイオセンサは、生物由来の生産物質を含む試薬が表面に塗布された、互いに対向して設けられた2つの測定用電極と、該2つの測定用電極のそれぞれに接続された2つのリード電極と、該2つのリード電極の少なくともいずれか一方に挿入された抵抗体とを備えたものである。
【0012】
また、上記バイオセンサにおいて、上記抵抗体がトリミングすることで抵抗値を調整可能としたものである。。
【0013】
また、上記バイオセンサにおいて、上記抵抗体は着脱可能な抵抗体であり、異なる抵抗値の抵抗体と交換可能としたものである。
【0014】
また、上記バイオセンサにおいて、上記抵抗体をレーザ光線によりトリミングが可能な材質としたものである。
【0015】
また、上記バイオセンサにおいて、上記2つの測定用電極は、それぞれ測定極及び対極であり、上記抵抗体を、上記2つのリード電極のうちの上記測定極と接続されたリード電極に挿入したものである。
【0016】
また、上記バイオセンサにおいて、上記抵抗体を覆うカバーを備えているようにしたものである。
【0017】
また、本発明は、生物由来の生産物質を含む試薬が表面に塗布された、互いに対向して設けられた2つの測定用電極と、該2つの測定用電極のそれぞれに接続された2つのリード電極と、該2つのリード電極の少なくともいずれか一方に挿入されたトリミング可能な抵抗体とを備えたバイオセンサの測定感度調整方法であって、上記抵抗体をトリミングして抵抗値を変更することで測定感度を調整するようにしたものである。
【0018】
また、本発明は、生物由来の生産物質を含む試薬が表面に塗布された、互いに対向して設けられた2つの測定用電極と、該2つの測定用電極のそれぞれに接続された2つのリード電極と、該2つのリード電極の少なくともいずれか一方に挿入された着脱可能な抵抗体とを備えたバイオセンサの測定感度調整方法であって、上記抵抗体を異なる抵抗値を持つ抵抗体に取りかえることで測定感度を調整するようにしたものである。
【0019】
また、上記バイオセンサの測定感度調整方法において、上記測定感度の調整後に、上記抵抗体をカバーにより保護するようにしたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係るバイオセンサの構造を示す図であり、図において、短冊形状であるシート状の絶縁性基材2表面の長手方向の一端部には、端子3,4が所定の間隔を隔てて設けられている。さらに、絶縁性基材2表面には端子3,4とそれぞれ接続された長手方向に沿って伸びるストライプ状のリード電極10,11が設けられている。絶縁性基材2の端子3,4が設けられている端部に対して他端側の領域には、所定の間隔を隔てて対向して設けられた測定極5及び対極6が設けられており、測定極5はリード電極10と接続され、対極6はリード電極11と接続されている。また、測定極5側にあるリード電極10の途中には、このバイオセンサの測定感度を微調整するための、大きさをトリミング可能な抵抗体15が挿入されている。端子3、4、リード電極10,11、抵抗体15、測定極5及び対極6は導電性カーボンペースト等をスクリーン印刷することで形成される。測定極5と対極6との表面には、これらを覆うように、被測定成分に対応した酵素、メディエータ等よりなる反応試薬56が塗布されている。絶縁性基材2の端子3,4の近傍、反応試薬56、及び抵抗体15の近傍、を除く領域上には、リード電極10,11を覆うように絶縁層が形成されている。
【0021】
本実施の形態1に係るバイオセンサは、絶縁性基材2の表面に測定極5、対極6、抵抗体15、及びリード電極10、11をスクリーン印刷等により形成後に、リード電極10、11を保護するためのレジストペースト等を絶縁層17として生産ライン上でスクリーン印刷することで形成される。このとき、端子3,4の近傍上、反応試薬56上、抵抗体15上、及びリード電極10の抵抗体15の両側近傍上には絶縁層17は形成しない。リード電極10の抵抗体15の両側近傍上に絶縁層17を形成しないのは、抵抗体15の抵抗値を測定するためにリード電極10のこれらの領域を、抵抗値測定端子として利用するためである。
【0022】
次に本実施の形態1に係るバイオセンサの測定感度調整方法について説明する。まず、被測定成分と反応試薬とが反応する測定極5上の反応面積を絶縁層17の成形後に生産ライン上で測定する。そして、この反応面積とバイオセンサの作製条件や使用する酵素のロット番号の違い等に応じて算出した単位面積あたりの抵抗値とに基づいて、バイオセンサ同士の測定感度が同じとなるような、抵抗体15の抵抗値を決定する。つぎに、抵抗値の測定のため、リード電極10の抵抗体15両側近傍のあらかじめ絶縁層17が形成されていない部分に抵抗値測定器(図示せず)の測定用端子をそれぞれ当て、抵抗体15の抵抗値を確認しながら、決定した抵抗値になるようにレーザトリミング等により抵抗体をトリミングする。このようにして抵抗体15の抵抗値を変化させ目的の抵抗値にする。
【0023】
このトリミング方法の一例としては、抵抗体15をV字形状にYAGレーザ等によりトリミングする方法があり、1回のトリミング量を事前に決めておき、一度トリミングした後、目的の抵抗値となっているかを確認するために抵抗体15の抵抗値の測定を行い、目的の抵抗値になっていない場合はもう一度トリミングを行って抵抗値の測定をする、という繰り返しによって抵抗値15を目的の抵抗値にする。この場合、抵抗体15としてはレーザ光によりトリミング可能な材質を用いる。
【0024】
このように、本実施の形態1によれば、リード電極10の途中にトリミング可能な抵抗体15を設けるようにしたので、バイオセンサ作製条件や使用する酵素のロット番号の違いによるバイオセンサ感度の変化要因があっても、その変化量に応じて抵抗体をトリミングすることによりバイオセンサ感度を微調整し、常に一定の感度を示すように調整できる効果がある。
【0025】
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態1に係るバイオセンサの構造を示す図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当する部分を示している。本実施の形態2に係るバイオセンサは上記実施の形態1に係るバイオセンサにおいて、トリミング可能な抵抗体をリード電極上に挿入する代わりに、着脱可能な抵抗チップ25をリード電極20に挿入するようにしたものであり、リード電極20は測定極5と端子3とを接続しており、抵抗チップ25が挿入される部分は所定の間隔を隔てるよう切断されており、抵抗チップ25が挿入されて互いに接続されている。
【0026】
本実施の形態2に係るバイオセンサは、絶縁性基材2の表面に測定極5、対極6、及びリード電極20、11を形成後に、リード電極20、11を保護するためのレジストペースト等を絶縁層17として生産ライン上でスクリーン印刷することで形成される。この絶縁層17の形成は、リード電極20の抵抗チップ25を装着させる部分を切断した開回路状態で行う。絶縁層17は、上記実施の形態1と同様に、抵抗チップ25を装着させる部分と装着後の抵抗値検査に必要なリード電極10の抵抗チップ25に接触する部分の近傍には形成しない。また、端子3,4の近傍上、反応試薬56上にも絶縁層17は形成しない。
【0027】
次に本実施の形態2に係るバイオセンサの測定感度調整方法について説明する。まず、被測定成分と反応試薬とが反応する測定極5上の反応面積を絶縁層17の成形後に生産ライン上で測定する。そして、この反応面積とバイオセンサ作製条件や使用する酵素のロット番号の違い等に応じて算出した単位面積あたりの抵抗値とに基づいて、バイオセンサ同士の測定感度が同じとなるような、抵抗チップ25の抵抗値を決定する。つぎに、目的の抵抗値を持った抵抗チップをリード電極20の切断部分に絶縁層17の成形後に装着する。そして装着後、装着部の接触抵抗等の変動要因も含めた抵抗値が目的とする値となっているかどうかを、抵抗チップ25の両側のあらかじめ絶縁していない所に測定端子を当てて抵抗値を測定することで検査する。そして、目的の抵抗値となっていない場合には、装着した抵抗チップ25を目的の抵抗値となるような抵抗値を持つ他の抵抗チップと交換する。
【0028】
このように、本実施の形態2によれば、リード電極20の途中に異なる抵抗値を有する着脱可能な抵抗チップ25を設けるようにしたので、バイオセンサ作製条件や使用する酵素のロット番号の違いによるバイオセンサ感度の変化要因があっても、抵抗チップをその変化量に応じた抵抗値を有する抵抗チップに交換することによりバイオセンサ感度を微調整し、常に一定の感度を示すように調整できる効果がある。
【0029】
(実施の形態3)
図2は、本発明の実施の形態3に係るバイオセンサの構造を説明するための分解斜視図であり、実際には、絶縁性基材2上にスペーサ7、及びカバー8が積層されている。この実施の形態3に係るバイオセンサは、上記実施の形態1に係るバイオセンサにおいて、絶縁性基材2の表面及び抵抗体15を保護するためのスペーサ7及びカバー8を設けるようにしたものであり、図において、図1と同一符号は同一又は相当する部分を示しており、スペーサ7には端子3、4に対して反対側に位置する端部から、端子3、4側に向かって、測定極5及び対極6上を通過する位置まで伸びるストライプ状の切りこみ29が設けられている。また、カバー8の、上記スペーサ7の切り込み29の端子103,104側の端部上の位置には、開口部28が設けられている。スペーサ7及びカバー8は、絶縁性基材2表面の出力電極3、4が設けられている近傍部を除く領域を覆うよう、絶縁性基材2上に積層されている。
【0030】
このバイオセンサにおいては、バイオセンサの端子3,4に対して反対側の端部に、被測定物、例えば血液を点着することで、この被測定物は、スペーサ7に形成されている切り込み29に毛細管現象にて吸い込まれ、測定極5及び対極6に上に塗布された反応試薬56に達する。これにより被測定物の被測定成分の測定が可能となる。
【0031】
このような本実施の形態3によれば、絶縁性基材上にスペーサ7、カバー8を設けたことにより、抵抗体15の表面を外部から保護することができる。バイオセンサは使用者による取り扱いが不可欠であるため、抵抗体15をスペーサ7、カバー8で保護することで、取り扱い時に抵抗体に傷がつくことによる測定精度の劣化等のトラブルを防ぐことができる。
【0032】
(実施の形態4)
図3は、本発明の実施の形態4に係るバイオセンサの構造を説明するための斜視図であり、説明のために、絶縁性基材2上に積層されたスペーサ7、及びカバー8を分解した状態で示している。この実施の形態4に係るバイオセンサは、上記実施の形態2に係るバイオセンサにおいて、絶縁性基材2の表面及び抵抗チップ25を保護するためのスペーサ37及びカバー38を設けるようにしたものであり、図において、図7と同一符号は同一又は相当する部分を示しており、スペーサ37には端子3、4に対して反対側に位置する端部から、端子3、4側に向かって、測定極5及び対極6上を通過する位置まで伸びるストライプ状の切りこみ39が設けられている。さらに、抵抗チップ25とその近傍の上部に位置する領域にも開口部36が設けられている。また、カバー38の、上記スペーサ37の切り込み39の端子103,104側の端部上の位置には、開口部35が設けられている。スペーサ37及びカバー38は、絶縁性基材2表面の出力電極3、4が設けられている近傍部を除く領域を覆うよう、絶縁性基材2上に積層されている。
【0033】
このバイオセンサにおいては、バイオセンサの端子3,4に対して反対側の端部に、被測定物、例えば血液を点着することで、この被測定物は、スペーサ37に形成されている切り込み29に毛細管現象にて吸い込まれ、測定極5及び対極6に上に塗布された反応試薬に達する。これにより被測定物の被測定成分の測定が可能となる。
【0034】
このような本実施の形態4によれば、絶縁性基材上にスペーサ37、カバー38を設けたことにより、抵抗チップ25の表面を外部から保護することができ、上記実施の形態3と同様の効果を奏するとともに、スペーサ37に開口部36を設けたことにより、抵抗チップ25の厚さに関わらず、スペーサ37及びカバー38を絶縁性基材2に対して隙間なく積層することが可能となる。
【0035】
なお、本実施の形態4においては、実施の形態2に係るバイオセンサを用いて説明したが、本発明は、上記実施の形態1において、抵抗体15が厚膜である場合においても適用できるものであり、このような場合においても、上記実施の形態4と同様の効果を奏する。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るバイオセンサによれば、生物由来の生産物質を含む試薬が表面に塗布された、互いに対向して設けられた2つの測定用電極と、該2つの測定用電極のそれぞれに接続された2つのリード電極と、該2つのリード電極の少なくともいずれか一方に挿入された抵抗体とを備えたから、バイオセンサの感度に応じて抵抗体の抵抗値を調整することで、測定器に伝達される電流値を変化させることができ、バイオセンサ作製条件や使用する酵素のロット番号の違いによるバイオセンサ感度の変化要因があっても、常に一定の感度を示すバイオセンサを提供できることより、バイオセンサを使用するに当たっての補正操作が不要となり、補正時の誤操作の防止や測定時間の短縮を実現できる効果がある。
【0037】
また、本発明によれば、上記バイオセンサにおいて、上記抵抗体がトリミングすることで抵抗値を調整可能としたから、バイオセンサの感度に応じて抵抗体をトリミングしてその抵抗値を調整することで、測定器に伝達される電流値を変化させることができ、バイオセンサ作製条件や使用する酵素のロット番号の違いによるバイオセンサ感度の変化要因があっても、常に一定の感度を示すバイオセンサを提供できることより、バイオセンサを使用するに当たっての補正操作が不要となり、補正時の誤操作の防止や測定時間の短縮を実現できる効果がある。
【0038】
また、本発明によれば、上記バイオセンサにおいて、上記抵抗体は着脱可能な抵抗体であり、異なる抵抗値の抵抗体と交換可能としたから、バイオセンサの感度に応じて抵抗体を異なる抵抗値を有する抵抗体に交換することで、測定器に伝達される電流値を変化させることができ、バイオセンサ作製条件や使用する酵素のロット番号の違いによるバイオセンサ感度の変化要因があっても、常に一定の感度を示すバイオセンサを提供できることより、バイオセンサを使用するに当たっての補正操作が不要となり、補正時の誤操作の防止や測定時間の短縮を実現できる効果がある。
【0039】
また、本発明によれば、上記バイオセンサにおいて、上記抵抗体をレーザ光線によりトリミングが可能な材質としたので、抵抗値の調整を容易にかつ高精度に行うことができる効果がある。
【0040】
また、本発明によれば、上記バイオセンサにおいて、上記2つの測定用電極は、それぞれ測定極及び対極であり、上記抵抗体を、上記2つのリード電極のうちの上記測定極と接続されたリード電極に挿入したので、バイオセンサの感度に応じて抵抗体の抵抗値を調整することで、測定器に伝達される電流値を変化させることができ、バイオセンサ作製条件や使用する酵素のロット番号の違いによるバイオセンサ感度の変化要因があっても、常に一定の感度を示すバイオセンサを提供できる効果がある。
【0041】
また、本発明によれば、上記バイオセンサにおいて、上記抵抗体を覆うカバーを備えているようにしたから、抵抗体のトリミング部やリード電極との接続部をカバーにより保護することによって、使用時における抵抗体のキズや破損等によるトラブルを防止することができ、取り扱いの容易なバイオセンサを提供できる効果がある。
【0042】
また、本発明によれば、生物由来の生産物質を含む試薬が表面に塗布された、互いに対向して設けられた2つの測定用電極と、該2つの測定用電極のそれぞれに接続された2つのリード電極と、該2つのリード電極の少なくともいずれか一方に挿入されたトリミング可能な抵抗体とを備えたバイオセンサの測定感度調整方法であって、上記抵抗体をトリミングして抵抗値を変更することで測定感度を調整するようにしたから、バイオセンサ作製条件や使用する酵素のロット番号の違いによるバイオセンサ感度の変化要因があっても、常に一定の感度を示すバイオセンサを提供でき、バイオセンサを使用するに当たっての補正操作が不要となり、補正時の誤操作の防止や測定時間の短縮を実現できる効果がある。
【0043】
また、本発明によれば、生物由来の生産物質を含む試薬が表面に塗布された、互いに対向して設けられた2つの測定用電極と、該2つの測定用電極のそれぞれに接続された2つのリード電極と、該2つのリード電極の少なくともいずれか一方に挿入された着脱可能な抵抗体とを備えたバイオセンサの測定感度調整方法であって、上記抵抗体を異なる抵抗値を持つ抵抗体に取りかえることで測定感度を調整するようにしたから、バイオセンサ作製条件や使用する酵素のロット番号の違いによるバイオセンサ感度の変化要因があっても、常に一定の感度を示すバイオセンサを提供でき、バイオセンサを使用するに当たっての補正操作が不要となり、補正時の誤操作の防止や測定時間の短縮を実現できる効果がある。
【0044】
また、本発明によれば、上記バイオセンサの測定感度調整方法において、上記測定感度の調整後に、上記抵抗体をカバーにより保護するようにしたから、使用時における抵抗体のキズや破損等によるトラブルを防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るバイオセンサの構造を示す平面図
【図2】本発明の実施の形態3係るバイオセンサの構造を示す分解斜視図
【図3】本発明の実施の形態4に係るバイオセンサの構造を示す分解斜視図
【図4】従来のバイオセンサの構造を示す分解斜視図
【図5】従来のバイオセンサの構造を示す斜視図
【図6】従来のバイオセンサを測定器に装着した状態を示す斜視図
【図7】本発明の実施の形態2に係るバイオセンサの構造を示す斜視図
【符号の説明】
1 バイオセンサ
2 絶縁性基材
3,4 端子
5 測定極
6 対極
7,37 スペーサ
8,38 カバー
29,39 切り込み
10,11,20 リード電極
15 抵抗体
17 絶縁層
25 抵抗チップ
35 開口部
36 開口部
56 反応試薬
112 測定器本体
113 試験片装着部
114 表示部
Claims (7)
- 絶縁基板の表面に、
生物由来の生産物質を含む試薬が表面に塗布された、互いに対向して設けられた2つの測定用電極と、
該2つの測定用電極のそれぞれに接続された2つのリード電極と、
該2つのリード電極の少なくともいずれか一方に挿入された抵抗体とを備え、
上記抵抗体は着脱可能な抵抗体であり、異なる抵抗値の抵抗体と交換可能であることを特徴とするバイオセンサ。 - 請求項1に記載のバイオセンサにおいて、
上記2つの測定用電極は、それぞれ測定極及び対極であり、
上記抵抗体は、上記2つのリード電極のうちの上記測定極と接続されたリード電極に挿入されていることを特徴とするバイオセンサ。 - 請求項1に記載のバイオセンサにおいて、
上記抵抗体を覆うカバーを備えていることを特徴とするバイオセンサ。 - 請求項1に記載のバイオセンサにおいて、
上記抵抗体を覆うカバー及びスペーサを備え、前記スペーサには、前記抵抗体の近傍に位置する領域に開口部を有することを特徴とするバイオセンサ。 - 絶縁基板の表面に、生物由来の生産物質を含む試薬が表面に塗布された、互いに対向して設けられた2つの測定用電極と、該2つの測定用電極のそれぞれに接続された2つのリード電極と、該2つのリード電極の少なくともいずれか一方に挿入された着脱可能な抵抗体とを備えたバイオセンサの測定感度調整方法であって、
上記抵抗体を異なる抵抗値を持つ抵抗体に取りかえることで測定感度を調整することを特徴とするバイオセンサの測定感度調整方法。 - 請求項5に記載のバイオセンサの測定感度調整方法において、
上記測定感度の調整後に、上記抵抗体をカバーにより保護することを特徴とするバイオセンサの測定感度調整方法。 - 請求項5に記載のバイオセンサにおいて、
上記測定感度の調整後に、上記抵抗体をカバー及び前記抵抗体の近傍に位置する領域に開口部を有するスペーサとにより保護することを特徴とするバイオセンサの測定感度調整方法。
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