JP4623045B2 - 液晶装置及び電気光学装置並びに電子機器 - Google Patents
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Description
このような液晶装置では、バックライトとして例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などが用いられており、このLEDに供給する電流量を調整して照明光の強度を制御する制御回路が設けられている。ここで、電子機器の外部の明るさに応じて液晶パネルによる良好な表示を行うために、例えばフォトダイオードやフォトトランジスタなどによって構成されて環境光の強度を計測する光センサを有し、制御回路がこの光センサによる計測結果に基づいてバックライトの強度を調整する液晶装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
光センサによる環境光の強度の計測方法の1つとして、所定の周期で光センサの受光面に環境光が照射されるように構成し、この受光面に環境光が照射されてから光電変換による電気信号が出力されるまでの時間である反応時間を計測することによって光の強度を算出する方法がある。ここで、光センサは、光の強度が高くなるにしたがって反応時間が短縮する特性を有する。
この発明では、複数の受光手段に同一の構造を採用した場合において、受光面の面積が広くなるにしたがって感度が高くなる。したがって、各受光手段の受光面の面積を調整することで、各受光手段における感度を設定することができる。
この発明では、各受光面を近接して設けることで、各受光手段に対してほぼ同一の条件で環境光が照射される。したがって、各受光素子で受光する環境光の強度のムラが小さくなるので、環境光の強度をより正確に求めることができる。
この発明では、制御手段が環境光の強度に基づいて照明手段による照明光の強度を制御するので、液晶装置の外部の明るさによらず適切な表示を液晶パネルにおいて行うことができると共に、照明手段の消費電力を低減することができる。
この発明では、切替手段が受光手段の感度に基づいて選択した最適な受光手段で取得した強度情報を基に、制御手段が照明手段による照明光の強度を制御する。これにより、より適切な照明光の強度で表示することができる。
本発明にかかる液晶装置は、その環境光の強度において検出範囲にある受光素子が複数存在する場合に、感度が最も低い一の受光素子で取得した強度情報を選択し、この強度情報を基に照明光の強度を制御する。ここで、上述したように受光する光の強度が高くなるにしたがって環境光の強度の分解能が小さくなることから、感度が最も低い一の受光素子で取得した強度情報を選択することで、より環境光の強度を正確に測定することができる。
この発明では、上述と同様に、感度の異なる受光素子を複数設けることで、環境光の強度に対する分解能をより高くすることができる。また、環境光の強度に対する検出範囲を拡大することができる。
さらに、強度情報に応じて電気光学パネルにおける画像の表示状態が最適化されており、例えば電気光学物質層に対して過剰な電圧が印加されることを回避するので、電気光学物質層の長寿命化を図ることができる。
この発明では、環境光の強度に対する分解能をより高くすることができると共に、電子機器による環境光の強度の検出範囲を拡大することができる。
液晶装置10は、透過型のTFT(Thin Film Transistors:薄膜トランジスタ)アクティブマトリックス方式の液晶装置である。そして、液晶装置10は、図1及び図2に示すように、液晶パネル11と、液晶パネル11の背面側に設けられたバックライト(照明手段)12と、バックライト12に供給する電流を調整して照明光の強度を制御するバックライト制御回路(制御手段)13とを備えている。
また、液晶パネル11の前面側と背面側とには、それぞれ偏光板(図示略)が設けられている。この一対の偏光板はそれぞれ特定方向に振動する直線偏光のみを透過させるものであり、透過軸が互いにほぼ直交すると共に、上記配向膜のラビング方向とほぼ45度で交差するように配置されている。
このTFTアレイ基板22の画像表示領域25と重なる領域には、複数の走査線31、信号線32、TFT33及び画素電極34とが設けられている。また、TFTアレイ基板22の画像表示領域25の側方には、第1から第3受光素子(受光手段)35〜37が設けられている。そして、TFTアレイ基板22の上記一辺に沿って信号線駆動回路38が設けられている。さらに、TFTアレイ基板22の上記一辺と隣接する二辺に沿って走査線駆動回路39、40が設けられている。また、TFTアレイ基板22の張出部22Aには、第1から第3受光素子35〜37や信号線駆動回路38、走査線駆動回路39、40の端子群である端子部41が設けられている。なお、第1から第3受光素子35〜37、信号線駆動回路38、走査線駆動回路39、40及び端子部41は、配線42により適宜電気的に接続されている。
この画素領域は、各走査線31と各信号線32とによって囲まれた領域である。また、画素領域は、平面視において、対向基板23に設けられたカラーフィルタ(図示略)の配置領域と重なるように形成されている。
そして、TFT33のゲートにはそれぞれ走査線31が電気的に接続されており、TFT33のドレインには画素電極34がそれぞれ電気的に接続されている。
また、画素電極34に書き込まれた画像信号のリークを防止するため、画素電極34と並列に保持容量43が接続されている。
ここで、第1から第3受光面35A〜37Aの面積は、第1受光面35Aが最も広く、第2受光面36A、第3受光面37Aの順で狭くなっている。したがって、第1から第3受光素子35〜37の環境光に対する感度は、第1受光素子35が最も高く、第2受光素子36、第3受光素子37の順で低くなっている。
ここで、第1から第3受光素子35〜37のそれぞれにおける光の強度の検出範囲は、反応時間が例えば1ms〜80msとなる範囲と規定している。これは、反応時間が1msより小さい場合には、光の強度が高すぎることから精度よく光の強度を算出することができないためであり、反応時間が80msより大きい場合には、光の強度が小さすぎるためである。なお、反応時間が1msより小さい状態を飽和状態とし、反応時間が80msより大きい状態を非応答状態とする。
また、本実施形態において、第1受光素子35の検出範囲と第2受光素子36の検出範囲との一部が重複し、第2受光素子36の検出範囲と第3受光素子37の検出範囲との一部が重複するようにそれぞれの感度が設定されている。
走査線駆動回路39、40は、複数の走査線31に対して所定のタイミングで走査信号をパルス的に線順次で供給するように構成されている。
これら信号線駆動回路38及び走査線駆動回路39、40は、トランジスタやダイオード、キャパシタなどを組み合わせた電子回路によって構成されており、TFT33や受光素子35と同様に、TFTアレイ基板22の上面に部分的に形成された非晶質ポリシリコン膜または非晶質ポリシリコン膜を結晶化させたポリシリコン膜に対して、部分的な不純物の導入や活性化を行うことで形成されている。したがって、TFT33や受光素子35と同じ製造工程で形成することができる。
また、表示領域遮光膜52は、平面視で格子状またはストライプ状を有しており、周辺遮光膜51の内側の領域である画像表示領域25を覆うように設けられている。
カラーフィルタ膜53は、上述した各画素領域に対応するように平面視でマトリックス状に配列形成された複数のカラーフィルタによって構成されている。
対向電極54は、画素電極34と同様にITOなどの透光性導電材料によって形成された平面膜である。
バックライト制御回路13は、図2に示すように、第1から第3受光素子35〜37とフレキシブル基板44を介して電気的に接続される切替部(切替手段)58とバックライト12と電気的に接続される電流供給部59とを備えている。
この携帯電話機60は、本体部61と、この本体部61の下端部にヒンジ機構を介して連結された蓋部62とを備えており、蓋部62が本体部61に対して開閉自在となっている。そして、本体部61には、上述した液晶装置10からなる表示部63と、複数の操作キーが配列された操作部64と受話口65とアンテナ66とが設けられている。また、蓋部62には、送話口67が設けられている。
まず、切替部58が第1から第3受光素子35〜37に対して検出開始信号を発信する。これにより、第1から第3受光素子35〜37は、それぞれ環境光を受光して光電変換し、変換した電気信号を強度情報として切替部58に出力する。そして、切替部58では、第1から第3受光素子35〜37の反応時間から検出範囲内と判断した1つの受光素子の強度情報を選択し、反応時間から環境光の強度を求める。
ここで、それぞれ光の強度の検出範囲が異なる第1から第3受光素子35〜37が設けられているので、環境光の強度を高い分解能で検出することができ、また、検出範囲が拡大する。そして、2つの受光素子が検出範囲内となっているときに感度の低い一方の受光素子を選択するので、分解能がより高められる。
その後、切替部58は所定時間の経過後に第1から第3受光素子35〜37に対して再び検出開始信号を発信し、上述と同様の手順によってバックライト12の照明光の強度を調整する。
以上のようにして、バックライト12の照明光の強度を制御する。
そして、第1から第3受光面35A〜37AをTFTアレイ基板22の画像表示領域25と重なる領域の側方に近接して設けているので、第1から第3受光面35A〜37Aに対してほぼ同一の強度の環境光が照射される。これにより、環境光の強度をより正確に検出することができる。また、携帯電話機60の使用者が目視する表示部63の近傍における環境光の強度の計測を行うことができる。
切替部58が第1から第3受光素子35〜37のうち2つが検出範囲内となっている場合に、感度の低い一方から出力された強度情報を選択するので、より環境光の強度を正確に測定することができる。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第1の実施形態の液晶装置10では第1から第3受光素子35〜37がTFTアレイ基板22の画像表示領域25と重なる領域の側方に設けられているが、第2の実施形態における液晶装置では、液晶パネル71において第1から第3受光素子72〜74の第1から第3受光面72A〜74Aが走査線駆動回路39と同様にTFTアレイ基板22の上記一辺と隣接する二辺の一方に沿って設けられている点である。
例えば、上記実施形態では各受光素子の検出範囲の一部が重複するように構成されているが、各受光素子における環境光の強度の検出範囲は適宜変更してもよい。ここで、各検出範囲が重ならないように構成することで、検出範囲の一部を重なるように構成することと比較して、複数の受光素子全体における検出範囲を拡大することができる。このとき、切替部は、受光素子が飽和状態または非応答状態となったときに検出範囲にある一の受光素子から出力された強度情報を選択するように構成されている。
また、受光素子で受光した環境光の強度に基づいて照明光の強度を制御しているが、環境光の強度に基づいて液晶パネルで表示する画像を補正する構成としてもよい。
また、切替部が各受光素子の反応時間にもとに環境光の強度を求めているが、各受光素子から出力された電圧信号や電流信号を基に環境光の強度を求める構成としてもよい。
また、受光素子の配置箇所は複数であれば3箇所に限らず、2箇所であっても4箇所以上に設けてもよい。
また、受光面の面積を調整することで各受光素子における感度を設定しているが、受光素子を構成する半導体材料や導入する不純物などの材料を調整することや、受光素子の構造を調整することによって各受光面における感度を設定してもよい。
また、環境光の強度によらずバックライトから照射された照明光を利用して液晶パネルで画像を表示させる透過型の液晶装置であるが、環境光の強度が弱いときにはバックライトの照明光を用いて表示を行い、環境光の強度が強いときには液晶パネルの前面側から入射した環境光を液晶パネル内に設けた反射層で反射させて表示を行う半透過反射型の液晶装置としてもよい。
また、カラーフィルタを対向基板の液晶層側の上面に形成しているが、対向基板の前面側の上面に形成してもよいし、カラーフィルタをTFTアレイ基板上に形成してもよい。
ここで、電気光学装置としては、有機EL装置に限らず、他の電気光学パネルを有する電気光学装置であってもよい。
さらに、上記実施形態では液晶装置を備える電子機器について説明しているが、このような電気光学装置を備える電子機器としてもよい。
また、タイミングジェネレータや電源回路、バックライト制御回路がフレキブルプリント基板を介して信号線駆動回路や走査線駆動回路、受光素子などに接続されているが、これらの一部または全てを信号線駆動回路や走査線駆動回路と同様に、TFTアレイ基板上に形成してもよい。
また、TFTアレイ基板の上面には、これらの信号線駆動回路や走査線駆動回路などに加えて、画像信号上の画像信号をサンプリングして信号線に供給するサンプリング回路や複数の信号線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行してそれぞれ供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時における携帯電話機の品質や欠陥などを検査するための検査回路などを設けることが可能である。
また、TFTアレイ基板の上面に信号線駆動回路や走査線駆動回路が形成されているが、例えばこれら信号線駆動回路や走査線駆動回路の機能を有する駆動用LSIが実装されたCOF(Chip On Film)基板をTFTアレイ基板上の走査線及び信号線と異方性導電材料を介して電気的、機械的に接続する構成としてもよい。
さらに、一対の偏光板のいずれか一方または双方の内側に、必要に応じて光学補償フィルムを設けてもよい。光学補償フィルムを用いることで、液晶装置を正面視した場合と斜視した場合とにおける液晶層の位相差を補償することができ、光漏れを減少させてコントラストを増加させることができる。ここで、光学補償フィルムとして、屈折率異方性が負のディスコティック液晶分子などをハイブリッド配向させてなる負の一軸性媒体を使用することが可能である。また、屈折率異方性が正のネマティック液晶分子などをハイブリッド配向させてなる正の一軸性媒体を使用することも可能である。さらに、負の一軸性媒体と正の一軸性媒体とを組み合わせて使用することも可能である。その他、各方向の屈折率がnx>ny>nzとなる二軸性媒体や、負のC−Plateなどを使用してもよい。
Claims (3)
- 液晶パネルと、前記液晶パネルに照明光を照射する照明手段を備えてなり、前記照明光の強度が環境光の強度に応じて制御される液晶装置において、
前記環境光を受光する第1の受光素子、及び前記第1の受光素子の前記環境光に対する感度より低い感度である第2の受光素子を含み、
前記第1及び第2の受光素子は、それぞれが検出できる光の強度の範囲の一部が重複してなり、
前記第1及び第2の受光素子が受光した前記環境光の強度が検出範囲内にあるかどうかを判定し、受光した前記環境光の強度が検出範囲内にある受光素子が前記第1及び第2の受光素子のいずれか一方の場合は、前記一方の受光素子からの出力信号に基づいて前記照明光の強度を制御し、受光した前記環境光の強度が検出範囲内にある受光素子が前記第1及び第2の受光素子の両方の場合は、前記第2の受光素子からの出力信号に基づいて前記照明光の強度を制御する、
液晶装置。 - 電気光学物質層を有する電気光学パネルを備えてなり、前記電気光学パネルの表示状態が環境光の強度に応じて制御される電気光学装置において、
前記環境光を受光する複数の受光素子を備えてなり、
前記環境光を受光する第1の受光素子、及び前記第1の受光素子の前記環境光に対する感度より低い感度である第2の受光素子を含み、
前記第1及び第2の受光素子は、それぞれが検出できる光の強度の範囲の一部が重複してなり、
前記第1及び第2の受光素子が受光した前記環境光の強度が検出範囲内にあるかどうかを判定し、受光した前記環境光の強度が検出範囲内にある受光素子が前記第1及び第2の受光素子のいずれか一方の場合は、前記一方の受光素子からの出力信号に基づいて前記電気光学パネルの表示状態を制御し、受光した前記環境光の強度が検出範囲内にある受光素子が前記第1及び第2の受光素子の両方の場合は、前記第2の受光素子からの出力信号に基づいて前記電気光学パネルの表示状態を制御する、
電気光学装置。 - 表示部を備えてなり、前記表示部の表示状態が環境光の強度に応じて制御される電子機器において、
前記環境光を受光する複数の受光素子を備えてなり、
前記環境光を受光する第1の受光素子、及び前記第1の受光素子の前記環境光に対する感度より低い感度である第2の受光素子を含み、
前記第1及び第2の受光素子は、それぞれが検出できる光の強度の範囲の一部が重複してなり、
前記第1及び第2の受光素子が受光した前記環境光の強度が検出範囲内にあるかどうかを判定し、受光した前記環境光の強度が検出範囲内にある受光素子が前記第1及び第2の受光素子のいずれか一方の場合は、前記一方の受光素子からの出力信号に基づいて前記表示部の表示状態を制御し、受光した前記環境光の強度が検出範囲内にある受光素子が前記第1及び第2の受光素子の両方の場合は、前記第2の受光素子からの出力信号に基づいて前記表示部の表示状態を制御する、
電子機器。
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