JP4622911B2 - 半導体装置の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
また、前記半導体装置の放熱板には、該放熱板に接合される半導体素子を覆って保護するためのハウジングが、熱硬化性の接着剤等の接合剤により接合されている。
例えば、図5に示すように、半導体素子103がはんだ104にて接合された放熱板102にハウジング105を接合する場合、ハウジング105が熱硬化性の接合剤106を介して載置された状態の放熱板102をホットプレート110上にセットし、該ホットプレート110により、放熱板102を通じて硬化性の接合材106を加熱するようにしている。
このように、放熱板102を通じて前記接合剤106を加熱して硬化させる場合、接合剤106は放熱板102からの伝熱により加熱されるため、放熱板102が接合剤106の硬化温度まで加熱される必要があるが、放熱板102の熱容量が大きいため、加熱を開始してから接合剤106の硬化温度に達するまでに多くの時間を要することとなって、ハウジング105の接合工程のサイクルタイムが長くなり半導体装置の生産性が低下する原因となっていた。
しかし、ヒータにより接合剤の塗布領域に相当する箇所を局所的に加熱した場合でも、ヒータから放熱板へ付与された熱は、接合剤の塗布領域に相当する箇所から、その周辺領域へ逃げていくため、ヒータからの熱を接合剤へ効率良く伝達させるのには限りがあった。
この放熱板等の反りや凹凸による隙間は、放熱板の下方にヒータを配置した場合にも同様に生じることがあり、接合剤への熱伝達の妨げとなるものである。
また、放熱板やハウジングに形成した溝や穴の加工精度等の理由により、該溝や穴の内周面にヒータを完全に密着させることは困難であるため、ヒータからの接合剤への熱伝達効率の向上には限度がある。
即ち、請求項1記載のごとく、冷却水路を有した冷却器にハウジングを接合して構成される半導体装置の製造方法であって、前記ハウジングを、熱硬化性接合剤を介して冷却器上にセットする工程と、前記冷却水路内に加熱した流体を通過させて、前記熱硬化性接合剤を硬化させる工程とを備える。
このように、加熱した流体は大きな面積を有する冷却水路の内周面全体に接触しながら冷却器を加熱するため、加熱した流体と冷却器との間の熱交換効率が高く、短時間で冷却器を加熱することができ、前記接合剤の硬化時間を短縮することができる。
特に、冷却器の冷却水路内にフィンが形成されている場合は、流体との接触面積を大きく確保することができ、流体からの伝熱を効率に行うことができるので、接合剤の硬化時間の短縮効果を高めることができる。
従って、ハウジング接合工程のサイクルタイムを全体的に短縮することができる。
また、冷却器の加熱は、該冷却器の下面にホットプレートやヒータを接触させるのではなく、空気等の流体を冷却器の内部に形成される冷却水路に通過させることで行っているので、冷却器表面に反りや凹凸があったとしても、加熱源となる流体を冷却器に確実に接触させることができ、高い熱伝達効率を安定して得ることができる。
さらに、加熱した流体を通過せさるのは、最初から冷却器に形成されている冷却水路であるので、該冷却器に別途追加工等を施す必要がなく、半導体装置をコストアップさせることもない。
これにより、冷却工程においても加熱工程の場合と同様に、冷却した流体と冷却器との間の熱交換効率を高くすることができ、短時間で冷却器を冷却することができる。
従って、ハウジング接合工程のサイクルタイムをさらに短縮することができる。
これにより、少ない量の流体で冷却器の加熱または冷却を行うことができるとともに、一旦加熱(冷却)して冷却水路内に供給された流体については、該冷却水路での熱交換による温度低下(上昇)分を加熱(冷却)するのみで、加熱源(冷却源)として再度冷却水路に供給することができるので、ハウジング接合工程の省エネルギー化を図ることができる。
これにより、流体の加熱器と冷却器とを別体に設けた場合に比べて、ハウジング接合工程を実施するための設備の構成を簡素化することができる。
このように、加熱器により加熱された流体は大きな面積を有する冷却水路の内周面全体に接触しながら冷却器を加熱するため、加熱した流体と冷却器との間の熱交換効率が高く、短時間で冷却器を加熱することができ、前記接合剤の硬化時間を短縮することができる。
特に、冷却器の冷却水路内にフィンが形成されている場合は、流体との接触面積を大きく確保することができ、接合剤の硬化時間の短縮効果を高めることができる。
従って、ハウジング接合工程のサイクルタイムを全体的に短縮することができる。
また、冷却器の加熱は、該冷却器の下面にホットプレートやヒータを接触させるのではなく、空気等の流体を冷却器の内部に形成される冷却水路に通過させることで行っているので、冷却器表面に反りや凹凸があったとしても、加熱源となる流体を冷却器に確実に接触させることができ、高い熱伝達効率を安定して得ることができる。
さらに、加熱した流体を通過せさるのは、最初から冷却器に形成されている冷却水路であるので、該冷却器に別途追加工等を施す必要がなく、半導体装置をコストアップさせることもない。
このように、冷却工程においても加熱工程の場合と同様に、冷却した流体と冷却器との間の熱交換効率を高くすることができ、短時間で冷却器を冷却することができる。
従って、ハウジング接合工程のサイクルタイムをさらに短縮することができる。
また、冷却器表面に反りや凹凸があったとしても、加熱源となる流体を冷却器に確実に接触させることができ、高い熱伝達効率を安定して得ることができる。
さらに、前記冷却器に別途追加工等を施す必要がなく、半導体装置をコストアップさせることもない。
半導体装置1は、パワー半導体素子に構成される複数の半導体素子3と、該半導体素子3がはんだ4を介して接合される冷却器2と、冷却器2に接合される半導体素子3を覆って保護するためのハウジング5とを備えており、インバータ装置等に用いられるパワーモジュールに構成されている。
また、冷却器2の内部には冷却水路2aが形成されており、該冷却水路2aは冷却水入口2bおよび冷却水出口2cにより外部と連通している。
特に、冷却水路2a内には複数のフィンを形成して、冷却水と接触する冷却水路2aの内周面の面積を増加させているため、優れた放熱特性が発揮される。
該熱硬化性の接合剤6としては、例えば熱硬化性のエポキシ樹脂等といった樹脂部材にて構成される接着剤が用いられている。
半導体製造装置10は、流体が循環する循環経路を構成する循環チューブ11と、該循環チューブ11内の流体を循環させるファン12と、循環チューブ11内を循環する流体を加熱および冷却する加熱冷却器13と、循環チューブ11内を循環する流体に含まれる異物等を除去するためのフィルタ14とを備えている。
循環チューブ11の一端部11aおよび他端部11bと、冷却水路2aの冷却水入口2bおよび冷却水出口2cとの接続部にはO−リング等のシール部材22を介装して、該接続部からの流体の漏れを防いでいる。
前記加熱冷却器13内にはヒータ13aが設けられている。
循環チューブ11および冷却水路2a内を循環する流体としては、本例では例えば空気が用いられている。
図3に示すように、ハウジング接合工程は、ハウジング5を冷却器2上にセットする、ハウジングセット工程(S01)と、循環チューブ11および冷却水路2a内で循環する流体を加熱して該冷却水路2a内を通過させ、ハウジング5と冷却器2との間に介装される熱硬化性の接合剤6を硬化させる、加熱・硬化工程(S02)と、前記接合剤6の硬化後に、冷却した流体を冷却水路2a内に通過させて該冷却水路2aを冷却する、冷却工程(S03)とを備えている。
ハウジングセット工程では、まず、冷却器2においてハウジング5を接合する箇所に熱硬化性の接合剤6を塗布し、該接合剤6の塗布位置にハウジング5をセットする。
ハウジング5を冷却器2上に接合剤6を介して組み付けた後、前記半導体製造装置10における循環チューブ11の一端部11aおよび他端部11bを、それぞれ冷却器2の冷却水入口2bおよび冷却水出口2cに接続する。
加熱・硬化工程では、前記ファン12および前記加熱冷却器13のヒータ13aを動作させて、該ヒータ13aにより加熱した循環チューブ11の流体をファン12により冷却水路2a内に送り込む。
冷却水路2a内に流入した流体は、冷却器2を加熱しながら冷却水路2a内を通過していき、冷却水出口2cから排出される。
このように、冷却水路2a内を通過する流体により加熱された冷却器2により、該冷却器2とハウジング5との間に介装される接合剤6が加熱され、この加熱により該接合剤6の硬化が進行する。
なお、加熱冷却器13による流体の加熱温度は、冷却器2により加熱される接合剤6が、該接合剤6の硬化温度以上となる程度の温度である。本例の場合、加熱冷却器13での流体の加熱温度は、例えば60℃〜150℃程度に設定される。
このように、フィルタ14により流体に含まれる異物を除去することにより、冷却水路2a内に異物が入り込んで該冷却水路2aを傷つけたり詰まらせたりすることを防止できる。
これにより、接合剤6の硬化状況を推定して、流体の加熱温度や冷却水路2aへの流入量や流入時間等の管理を行うことが可能となっている。
そして、接合剤6の硬化の完了後、冷却工程へ移行する。
冷却水路2a内に流入した流体は、冷却器2を冷却しながら冷却水路2a内を通過していき、冷却水出口2cから排出される。
冷却水路2a内を通過しながら冷却器2を冷却して該冷却水路2aから排出された流体の温度は、冷却水路2aに流れ込む前の温度よりも上昇しており、冷却水路2aから排出された流体は循環チューブ11内を循環して、加熱冷却器13にて再度冷却された後に冷却水路2aへ流入する。
冷却器2が所定温度まで冷却されると、加熱冷却器13による流体の冷却およびファン12による流体の循環を停止して冷却工程を終了し、ハウジング接合工程が完了する。
ハウジング接合工程の完了後、次工程へ移行する。
この場合、加熱した流体は大きな面積を有する冷却水路2aの内周面全体に接触しながら冷却器2を加熱するため、加熱した流体と冷却器2との間の熱交換効率が高く、短時間で冷却器2を加熱することができ、前記接合剤6の硬化時間を短縮することができる。
特に、冷却器2の冷却水路2a内には複数のフィンが形成されており、流体との接触面積を大きく確保することができて、流体からの伝熱を効率に行うことができるので、接合剤6の硬化時間の短縮効果を高めることができる。
これにより、ハウジング接合工程のサイクルタイムを全体的に短縮することができる。
さらに、加熱した流体を通過せさるのは、最初から冷却器2に形成されている冷却水路2aであるので、該冷却器2に別途追加工等を施す必要がなく、半導体装置1をコストアップさせることもない。
特に、冷却器2の冷却水路2a内に形成される複数のフィンにより、流体との接触面積を大きく確保することができ、冷却器2の冷却時間の短縮効果を高めることができる。
さらに、冷却した流体を通過せさるのは、最初から冷却器2に形成されている冷却水路2aであるので、該冷却器2に別途追加工等を施す必要がなく、半導体装置1をコストアップさせることもない。
このように、加熱・硬化工程および冷却工程の時間短縮を図ることができるため、ハウジング接合工程のサイクルタイムをさらに短縮することができる。
また、加熱器を設けた循環チューブ11と冷却器を設けた循環チューブ11とを別々に構成して、加熱・硬化工程と冷却工程とで、冷却器2に接続する循環チューブ11を交換する構成とすることもできる。
ただし、この場合は、冷却水路2a内での結露発生を防止するために、ハウジング接合工程の終了後に冷却水路2a内に液体が残留しないように留意する必要がある。
従って、流体として液体を用いるときは、揮発性の高い液体を用いることが望ましい。
2 冷却器
2a 冷却水路
3 半導体素子
4 はんだ
5 ハウジング
6 熱硬化性接合剤
10 半導体製造装置
11 循環チューブ
12 ファン
13 加熱冷却器
14 フィルタ
Claims (6)
- 冷却水路を有した冷却器にハウジングを接合して構成される半導体装置の製造方法であって、
前記ハウジングを、熱硬化性接合剤を介して冷却器上にセットする工程と、
前記冷却水路内に加熱した流体を通過させて、前記熱硬化性接合剤を硬化させる工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記半導体装置の製造方法は、
さらに、前記熱硬化性接合剤の硬化後に、前記冷却水路内に冷却した流体を通過させて、前記冷却器を冷却する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記冷却水路には、該冷却水路の出口から入口へかけて循環経路が接続され、
該循環経路により冷却水路内を通過する流体が循環される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記循環経路には、該循環経路および冷却水路内を循環する流体を加熱および冷却可能な加熱冷却器が備えられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。 - 冷却水路を有した冷却器にハウジングを接合して構成される半導体装置の製造装置であって、
前記冷却水路内を通過する流体と、
前記冷却水路内に流体を循環させる循環経路と、
該循環経路の途中部に配置され、前記流体を加熱可能な加熱器と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造装置。 - 前記半導体装置の製造装置は、さらに前記流体を冷却可能な冷却器を備えることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造装置。
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