JP4622192B2 - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気空燃比がリーン空燃比であるときには排気中の硫黄成分を吸蔵し、排気空燃比がストイキ空燃比以上であるときには吸蔵した硫黄成分を放出する触媒が排気通路内に設けられた内燃機関の燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の燃焼に用いられる燃料中には硫黄成分が含まれており、NOx(窒素酸化物)吸蔵還元型触媒のように、排気空燃比がリーン空燃比であるときには排気中の硫黄成分を吸蔵し、排気空燃比がストイキ空燃比であるときには吸蔵した硫黄成分を放出する触媒においては、硫黄被毒による浄化性能の悪化を招く。
そのため、触媒内に吸蔵された硫黄成分を放出するために、例えば、触媒内に吸蔵された硫黄成分が所定量に達したと推定されたときには排気空燃比をリッチ空燃比にする、いわゆる硫黄被毒回復処理を行うことが知られている。また、このように硫黄成分を放出する際に、硫化水素が生成し、触媒臭が発生する。
【0003】
そこで、特開2000−153132においては、上述した硫黄被毒回復処理中に、断続的にリーン燃焼運転を実施することにより、排気通路の後流に設けられた三元触媒により硫化水素を酸化し、以て、硫化水素の放出を抑制することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リーン燃焼運転中において、燃料タンク等の燃料供給系で発生する燃料蒸気を吸気系に排出するためのパージ処理等に基づいてストイキ運転要求がなされることがある。こうした場合、燃焼形態がリーン燃焼運転からストイキ燃焼運転に切り替えられるが、このときにも触媒に吸蔵された硫黄成分が放出される際に硫化水素が生成され、触媒臭が発生する。
【0005】
しかしながら、上記提案のものにあっては、こうした場合に対処するものではなく、ストイキ運転要求がなされた際の触媒臭の発生を招くという問題があった。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ストイキ運転要求を満たしながら、触媒臭の発生を抑制することができる内燃機関の燃焼制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、排気通路内の排気空燃比がリーン空燃比のときには排気中の硫黄成分を吸蔵し、排気空燃比がストイキ空燃比及びリッチ空燃比のときには吸蔵した硫黄成分を放出する触媒が設けられた内燃機関に適用される内燃機関の燃焼制御装置において、アイドル運転状態且つパージガスの流量が所定量よりも大きく且つ触媒の温度が所定値より大きいときにはリーン燃焼運転を行い、アイドル運転状態且つパージガスの流量が前記所定量よりも大きく且つ触媒の温度が前記所定値よりも小さいときにはストイキ燃焼運転を行うことを要旨としている。
【0008】
この発明によれば、パージガスの流量が所定量以上であることに基づくストイキ運転要求を満たしながら、触媒に吸蔵された硫黄成分の放出を抑えて硫化水素の生成を抑制することができ、触媒臭の発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、排気通路内の排気空燃比がリーン空燃比のときには排気中の硫黄成分を吸蔵し、排気空燃比がストイキ空燃比及びリッチ空燃比のときには吸蔵した硫黄成分を放出する触媒が設けられた内燃機関に適用される内燃機関の燃焼制御装置において、アイドル運転状態且つパージガスの流量が所定量よりも大きいときの空燃比の制御中心がリーン空燃比であり、前記制御中心がストイキ空燃比の近傍であり、前記制御中心がアイドル運転状態且つパージガスの流量が前記所定量よりも小さいときの制御中心と比較してストイキ空燃比に近いことを要旨としている。
この発明によれば、触媒臭が問題となるアイドル運転状態において、アイドル運転状態且つ前記ストイキ運転要求があるときには、空燃比が前記ストイキ運転要求がないときよりもストイキ空燃比に近く且つ前記ストイキ空燃比近傍にあるリーン空燃比に維持される。そのため、ストイキ運転要求を満たしながら、触媒に吸蔵された硫黄成分の放出を抑えて硫化水素の生成を抑制することができ、触媒臭の発生を抑制することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、アイドル運転状態且つパージガスの流量が所定量よりも大きく且つ触媒の温度が所定値より小さいときには空燃比の制御中心がストイキ空燃比に維持され、アイドル運転状態且つパージガスの流量が所定量よりも大きく且つ触媒の温度が所定値よりも大きいとき、空燃比の制御中心がリーン空燃比であり、前記制御中心がストイキ空燃比の近傍であり、前記制御中心がアイドル運転状態且つパージガスの流量が前記所定量よりも小さいときの制御中心と比較してストイキ空燃比に近いことを要旨としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記内燃機関は、筒内に直接燃料を噴射する筒内噴射式内燃機関であり、前記アイドル運転状態且つリーン燃焼運転が実行されるに際し、燃料噴射時期が圧縮行程に設定されることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、内燃機関は筒内に直接燃料を噴射する筒内噴射式内燃機関である。リーン燃焼運転が実行されると燃料量が不足して燃焼状態が悪化することになるが、筒内噴射式内燃機関では燃料噴射時期を圧縮行程に設定することにより点火プラグ周りの空燃比を濃くすることができ、燃焼状態の悪化を抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1は本実施形態にかかる燃焼制御装置及び同装置が適用される車両用エンジン10の概略構成を示している。
【0014】
同図1に示されるように、エンジン10には、その燃焼室11に燃料を直接噴射するインジェクタ12と、この噴射された燃料の点火を行う点火プラグ13とがそれぞれ設けられている。また、燃焼室11には、吸気系の一部を構成する吸気管14及び排気系の一部を構成する排気管15がそれぞれ接続されている。この吸気管14の途中には、サージタンク16が設けられており、更にその上流側には、吸入空気量を調節するスロットル弁17が設けられている。このスロットル弁17の開度は、自動車の室内に設けられたアクセルペダル18の踏込操作に応じて調整される。なお、上記アクセルペダル18の踏み込み量はアクセルポジションセンサ19によって検出される。アクセルペダル18には、このアクセルペダル18の踏み込みが行われていないことを検出するアイドルスイッチ20が設けられている。
【0015】
インジェクタ12は、デリバリパイプ25を介して、エンジン10の近傍に設けられた高圧ポンプ24に接続されている。燃料タンク21内の燃料は、低圧ポンプ22から燃料供給通路23を通じて高圧ポンプ24に供給される。更に、燃料は、高圧ポンプ24によって高圧に加圧された後、デリバリパイプ25に圧送され、同デリバリパイプ25からインジェクタ12に供給される。また、低圧ポンプ22から高圧ポンプ24に供給される燃料のうち、デリバリパイプ25に圧送されない余剰の燃料は、燃料リターン通路26を通じて燃料タンク21に戻される。
【0016】
これら燃料タンク21、各ポンプ22,24、燃料供給通路23、燃料リターン通路26、デリバリパイプ25、及びインジェクタ12により、エンジン10に燃料を供給するための燃料供給系が構成されている。
【0017】
また、このエンジンシステムには、燃料供給系で発生する蒸発燃料を捕集して大気中に放出することなくこれを処理する蒸発燃料処理機構30や、EGR機構(図示略)が設けられている。
【0018】
EGR機構は、周知のように、排気管15を流れる排気の一部をEGR通路(図示略)を通じて吸気管14(サージタンク16)に戻すことにより、燃焼温度を低下させて排気中に含まれるNOx(窒素酸化物)の低減を図るための機構である。
【0019】
蒸発燃料処理機構30は、蒸発燃料を吸着する吸着材が設けられたキャニスタ31を備えている。キャニスタ31には、燃料タンク21に繋がるベーパ通路32と、サージタンク16に繋がるパージ通路33とが接続されるとともに、同キャニスタ31に大気を導入するための大気導入通路34とが接続されている。また、上記パージ通路33の途中には、同通路33を開閉するパージ制御弁35が設けられている。
【0020】
燃料供給系に発生する蒸発燃料は、燃料タンク21からベーパ通路32を通じてキャニスタ31内に導入され、その内部に設けられた吸着材によって一旦吸着される。パージ制御弁35が開かれると、キャニスタ31内には大気導入通路34を通じて大気が導入されるようになる。従って、キャニスタ31に吸着されている燃料は、この大気とともにベーパ通路32を通じてサージタンク16内にパージガスとして排出される(パージされる)。このパージガスに含まれる蒸発燃料は、インジェクタ12から噴射される燃料とともに、燃焼室11において燃焼される。また、このようにして吸気系にパージされるパージガスの流量は、パージ制御弁35の開度に基づいて調節される。
【0021】
更に、排気管15には三元触媒36が設けられ、さらにその下流側にはNOx吸蔵還元型触媒37が設けられている。燃焼室11から排気管15に排出される排出ガスはこれら各触媒36,37によって浄化される。NOx吸蔵還元型触媒37はその触媒温度が所定値以上になると活性化する。そして、NOx吸蔵還元型触媒37は排気空燃比がリーン空燃比であるときには排気ガス中の硫黄成分を吸蔵し、排気空燃比がストイキ空燃比以上であるときには吸蔵した硫黄成分を放出するようになっている。
【0022】
上記のように構成されたエンジン10においては空燃比フィードバック制御が行われるとともに、その運転状態に応じて燃焼形態がストイキ燃焼運転とリーン燃焼運転とに切り替えられるようになっている。ストイキ燃焼運転はストイキ空燃比で混合気を燃焼させるものであり、リーン燃焼運転はストイキ空燃比よりもリーンな空燃比で混合気を燃焼させるものである。こうしたストイキ燃焼運転及びリーン燃焼運転は燃料噴射形態を変更することによる均質燃焼及び成層燃焼によっても実現することができる。こうした成層燃焼は、スロットル弁17をほぼ全開状態にして燃焼室11内に多量の燃焼用空気を導入した後、圧縮行程中にインジェクタ12から燃焼室11内に直接燃料を噴射供給し、この噴射燃料を点火プラグ13周りに集めた状態で同点火プラグ13による混合気への点火を行うことによって実行される。この成層燃焼においては、点火時の点火プラグ13周りに燃料濃度の高い混合気が存在するため、燃焼室11内全体の混合気の平均空燃比を大幅にリーン側の値にしても、混合気の良好な着火性を得ることが可能になる。なお、インジェクタ12からの燃料噴射の形態としては、例えば燃料噴射初期の燃料が点火時の点火プラグ13周りに達するような形態が採用される。この成層燃焼時の混合気の平均的な空燃比(A/F)は、ストイキ空燃比(A/F=14.5)よりもリーン(例えばA/F=25〜50)に設定される。
【0023】
一方、均質燃焼時には、燃料噴射時期は吸気行程中に設定される。従って、燃焼室11内には、燃料濃度の略均一な混合気の層が形成されて点火が行われるようになる。また、空燃比は理論空燃比と等しくなるように設定される。
【0024】
これら成層燃焼と均質燃焼との間における燃焼形態の切り替えは、機関負荷及び機関回転速度といったエンジン10の運転状態に基づいて行われ、例えば低負荷低回転域では燃焼形態が成層燃焼に、高負荷高回転域では燃焼形態が均質燃焼にそれぞれ設定される。
【0025】
こうした燃焼形態の切り替えは、エンジン10の各種制御を統括する電子制御装置(以下、「ECU」という。)40によって行われる。このECU40には、こうした各種制御を実行するために、エンジン10の運転状態等を検出する各種センサが接続されており、これらセンサからの検出信号が適宜取り込まれる。
【0026】
例えば、ECU40には、アクセルポジションセンサ19、アイドルスイッチ20の他に、サージタンク16内の圧力(吸気圧)の大きさを検出する吸気圧センサ51、排気中の酸素濃度を検出する空燃比センサ52の検出信号が入力されている。また、ECU40には、機関回転速度を検出する回転速度センサ53、エンジン10の冷却水温度(冷却水温)を検出する水温センサ54、車両の走行速度を検出する車両速度センサ55、並びに外気温度を検出する外気温センサ56の検出信号がそれぞれ入力されている。
【0027】
これらセンサ等によって検出されるエンジン10の運転状態や車両の走行状態に基づいて、燃料形態の切替制御やパージガスの流量制御、均質燃焼時における空燃比フィードバック制御といった各種制御がECU40によって実行される。また、ECU40は、こうした各種制御を実行するためのプログラムや演算用マップ、制御の実行に際して算出される各種データ等を記憶するメモリ41を備えている。
【0028】
次に、本実施形態の燃焼制御装置により実行される燃焼形態の切替制御について説明する。
この燃焼形態の切替制御では、リーン燃焼運転中において、蒸発燃料処理機構30によって吸気系にパージされているパージガスの流量を監視している。このパージガスの流量が燃料供給系に発生している蒸発燃料を処理するのに十分ではないときに、ストイキ運転要求がなされた場合には、リーン燃焼運転を禁止して燃焼形態を強制的にストイキ燃焼運転に切り替えるようにしている。
【0029】
このようにリーン燃焼運転からストイキ燃焼運転への切替が行われると、上述したようにリーン燃焼運転中にNOx吸蔵還元型触媒37に吸蔵された硫黄成分がストイキ燃焼運転に切り替えられることによって放出され、この際に硫化水素が生成し、触媒臭が発生する。特にエンジン10のアイドル運転状態では車両が停止している場合が多く、この触媒臭が問題となる。そこで、本実施形態のECU40は、アイドル運転状態にてストイキ運転要求がなされた場合には、制御中心をストイキ空燃比よりもリーン寄りとした空燃比フィードバック制御を実行する。また、本実施形態のECU40は、ストイキ空燃比よりもリーン寄りとした空燃比フィードバック制御を実行するに際し、燃焼室11内の燃焼状態が悪化するのを防止するために、燃料噴射時期を圧縮行程に設定する。その結果、点火プラグ13周りに燃料濃度の高い混合気が存在するため、燃焼室11内全体の混合気の平均空燃比をリーン側の値にしても、混合気の良好な着火性を得ることが可能となる。
【0030】
以下、ECU40が実行する燃焼形態の切替制御の詳細について図2〜図3を併せ参照して説明する。
図2は、燃焼形態を切替える際の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、ECU40により所定時間毎の割込処理として実行される。
【0031】
この処理に際しては、まず、ステップ100において、ストイキ運転要求がなされていないかどうかが判定される。このストイキ運転要求は、蒸発燃料処理機構30の処理能力が要求処理能力を下回っているときになされる以外に、ブレーキの制動力をアシストするブレーキブースタ(図示略)の負圧が低下した際にもなされるようになっている。
【0032】
ステップ100でストイキ運転要求がなされていないと判定された場合には、ステップ110に進み、ストイキ運転要求がなされていると判定された場合にはステップ120に進む。
【0033】
ステップ110では成層運転時の燃料の噴射量、噴射時期が算出され、本処理は一旦終了される。
一方、ステップ120ではストイキ運転時の燃料の基本噴射量が算出される。
【0034】
ステップ120に続くステップ130では、機関運転状態がアイドル運転状態であり、かつ、NOx吸蔵還元型触媒37の触媒温度が所定温度TC0以上であるかどうかが判定される。ステップ130で肯定判定されるとステップ140に進み、否定判定されるとステップ160に進む。
【0035】
ステップ140では圧縮行程における噴射時期が算出される。次のステップ150において制御中心がストイキ空燃比よりもリーン寄りとなるようなストイキフィードバック(F/B)係数kafが算出される。図3に示すように、このF/B係数の算出において、減少させる側の積分量NIは増加させる側の積分量PIよりも大きな値に設定され、減少させる側のスキップ量NSは増加させる側のスキップ量PSよりも大きな値に設定される。従って、このときの空燃比の制御中心は鎖線で示されるように、破線で示されるストイキ空燃比の制御中心よりもリーン側となる。ステップ150の処理が済むと、本処理は一旦終了される。
【0036】
また、ステップ160では吸気行程における噴射時期が算出される。次のステップ170において制御中心がストイキ空燃比となるようなストイキF/B係数が算出される。このF/B係数の算出において、減少させる側の積分量及び増加させる側の積分量は等しい値に設定され、減少させる側のスキップ量及び増加させる側のスキップ量も等しい値に設定される。従って、このときの空燃比の制御中心はストイキ空燃比の制御中心となる。ステップ170の処理が済むと、本処理は一旦終了される。
【0037】
以上説明した態様をもって燃焼形態を制御する本実施形態の燃焼制御装置によれば、以下に記載するような作用効果を奏することができるようになる。
(1)エンジン10のアイドル運転状態において、NOx吸蔵還元型触媒37からの硫黄成分の放出による硫化水素の生成に基づく触媒臭が問題となる。本実施形態ではエンジン10のアイドル運転状態であってリーン燃焼運転中にストイキ運転要求がなされると、制御中心をストイキ空燃比よりもリーン寄りとした空燃比フィードバック制御が行われる。そのため、ストイキ運転要求を満たしながら、NOx吸蔵還元型触媒37に吸蔵された硫黄成分の放出を抑えて硫化水素の生成を抑制することができ、触媒臭の発生を抑制することができる。
【0038】
(2)ECU40は制御中心をストイキ空燃比よりもリーン寄りとした空燃比フィードバック制御を実行するに際し、燃料噴射時期を圧縮行程に設定するようにしている。筒内噴射式内燃機関であるエンジン10において燃料噴射時期を圧縮行程に設定することにより点火プラグ13周りの空燃比を濃くすることができ、燃焼状態の悪化を抑制することができる。
【0039】
(3)ECU40はNOx吸蔵還元型触媒37の触媒温度が所定値以上のとき、制御中心をストイキ空燃比よりもリーン寄りとした空燃比フィードバック制御を実行するようにしている。触媒温度が高いときNOx吸蔵還元型触媒37に吸蔵された硫黄成分の放出量が多くなるが、このときには制御中心をストイキ空燃比よりもリーン寄りとした空燃比フィードバック制御が行われる。そのため、ストイキ運転要求を満たしながら、NOx吸蔵還元型触媒37に吸蔵された硫黄成分の放出を抑えて硫化水素の生成を抑制することができ、触媒臭の発生を抑制することができる。
【0040】
なお、実施形態は以下のようにその構成や制御態様を変更することもできる。
・ 上記実施形態においてリーン燃焼運転中にストイキ運転要求がなされた場合のF/B係数kafを図4に示すようにして算出するようにしてもよい。すなわち、F/B係数kafの減少側の積分量NIを増加側の積分量PIよりも大きな値に設定するとともに、減少側のスキップ量NSを増加側のスキップ量PSよりも大きな値に設定し、F/B係数kafをリーン側において所定時間T0だけ保持するようにする。このようにすれば、空燃比の制御中心は鎖線で示されるように、破線で示されるストイキ空燃比の制御中心よりも確実にリーン側となり、硫化水素の発生を確実に抑制することができる。
【0041】
・ 上記実施形態においてリーン燃焼運転中にストイキ運転要求がなされた場合のF/B係数kafを、減少側の積分量NI及びスキップ量NSのいずれか一方を、増加側の積分量PI及びスキップ量PSのいずれか一方よりも大きな値に設定することにより算出するようにしてもよい。
【0042】
・ 上記実施形態において、三元触媒36の上流に空燃比を直接検出する空燃比センサ60を設け、リーン燃焼運転からストイキ燃焼運転への切替時において空燃比センサ60の検出信号をリーン側となるように空燃比を制御するようにしてもよい。
【0043】
・ 上記実施形態では、成層燃焼として燃料噴射時期を圧縮行程後期に設定する燃焼(強成層燃焼)のみを行うエンジンを想定していた。こうした強成層燃焼の他、例えば燃料を吸気行程と圧縮行程とに分割して噴射することにより、成層強度を弱めた燃焼(弱成層燃焼)を行うエンジンに対して本発明にかかる燃焼制御装置を適用することもできる。また、均質燃焼として、空燃比を理論空燃比に設定した燃焼(均質ストイキ燃焼)の他、空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定した燃焼(均質リーン燃焼)を行うエンジンに対して本発明にかかる燃焼制御装置を適用するようにしてもよい。
【0044】
次に、上記実施形態から把握できる他の技術的思想を、以下に記載する。
・ 請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記制御中心をストイキ空燃比よりもリーン寄りとした空燃比フィードバック制御を実行するためのフィードバック係数における減少側の積分量は増加側の積分量よりも大きな値に設定されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
【0045】
・ 請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃焼制御装置において、前記制御中心をストイキ空燃比よりもリーン寄りとした空燃比フィードバック制御を実行するためのフィードバック係数における減少側のスキップ量は増加側のスキップ量よりも大きな値に設定されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態にかかる燃焼制御装置及び同装置が適用されるエンジンの概略構成図。
【図2】燃焼形態の切替制御の処理手順を示すフローチャート。
【図3】リーン燃焼からストイキ燃焼運転への切替時のストイキF/B係数と空燃比との関係を示す説明図。
【図4】別例におけるリーン燃焼からストイキ燃焼運転への切替時のストイキF/B係数と空燃比との関係を示す説明図。
【符号の説明】
10…エンジン、11…燃焼室、12…インジェクタ、13…点火プラグ、14…吸気管、15…排気管、16…サージタンク、17…スロットル弁、19…アクセルポジションセンサ、20…アイドルスイッチ、21…燃料タンク、22…低圧ポンプ、23…燃料供給通路、24…高圧ポンプ、25…デリバリパイプ、26…燃料リターン通路、30…蒸発燃料処理機構、31…キャニスタ、32…ベーパ通路、33…パージ通路、34…大気導入通路、35…パージ制御弁、40…電子制御装置(ECU)。
Claims (4)
- 排気通路内の排気空燃比がリーン空燃比のときには排気中の硫黄成分を吸蔵し、排気空燃比がストイキ空燃比及びリッチ空燃比のときには吸蔵した硫黄成分を放出する触媒が設けられた内燃機関に適用される内燃機関の燃焼制御装置において、
アイドル運転状態且つパージガスの流量が所定量よりも大きく且つ触媒の温度が所定値より大きいときにはリーン燃焼運転を行い、
アイドル運転状態且つパージガスの流量が前記所定量よりも大きく且つ触媒の温度が前記所定値よりも小さいときにはストイキ燃焼運転を行う
ことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。 - 排気通路内の排気空燃比がリーン空燃比のときには排気中の硫黄成分を吸蔵し、排気空燃比がストイキ空燃比及びリッチ空燃比のときには吸蔵した硫黄成分を放出する触媒が設けられた内燃機関に適用される内燃機関の燃焼制御装置において、
アイドル運転状態且つパージガスの流量が所定量よりも大きいときの空燃比の制御中心がリーン空燃比であり、前記制御中心がストイキ空燃比の近傍であり、前記制御中心がアイドル運転状態且つパージガスの流量が前記所定量よりも小さいときの制御中心と比較してストイキ空燃比に近い
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項2に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
アイドル運転状態且つパージガスの流量が所定量よりも大きく且つ触媒の温度が所定値より小さいときには空燃比の制御中心がストイキ空燃比に維持され、
アイドル運転状態且つパージガスの流量が所定量よりも大きく且つ触媒の温度が所定値よりも大きいとき、空燃比の制御中心がリーン空燃比であり、前記制御中心がストイキ空燃比の近傍であり、前記制御中心がアイドル運転状態且つパージガスの流量が前記所定量よりも小さいときの制御中心と比較してストイキ空燃比に近い
ことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃焼制御装置において、
前記内燃機関は、筒内に直接燃料を噴射する筒内噴射式内燃機関であり、
アイドル運転状態且つリーン燃焼運転が実行されるに際し、燃料噴射時期が圧縮行程に設定される
ことを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
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