JP4621343B2 - Novel substituted resorcin oxidation condensates - Google Patents

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JP4621343B2 JP2000272120A JP2000272120A JP4621343B2 JP 4621343 B2 JP4621343 B2 JP 4621343B2 JP 2000272120 A JP2000272120 A JP 2000272120A JP 2000272120 A JP2000272120 A JP 2000272120A JP 4621343 B2 JP4621343 B2 JP 4621343B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な置換レゾルシン酸化縮合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族化合物の酸化縮合物は、ホルマリンフリー・常温反応・副生成物は水だけという、環境に優しい酸化縮合法で製造できるため、最近、特に注目されるようになってきた(高分子、48、729 (1999)や化学と工業、53巻、4号、501-505 (2000)等)。
一方、炭素原子数の大きな炭化水素基をもつ芳香族ポリマーが開発され、ポリマーの結晶性、液晶性、粘弾性、溶解性等に関して様々な特徴が見い出されている。Macromolecules, 29, 1337, (1996)には該芳香族ポリエステルが、Macromolecules, 27, 7754 (1994)には該ポリアニリンが記載されている。
しかし、レゾルシン誘導体の酸化縮合物については、J. Polym. Sci. Part A, Polym. Chem. 35, 2259 (1997)に1,3-ジブトキシベンゼン酸化重合体が報告されているだけであった。また、この重合体が結晶性を示したという記載もなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、炭素原子数5以上の置換基をもつ、結晶性レゾルシン酸化縮合物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意研究した結果、以下の発明により上記課題を解決しうることを見出した。
(1)一般式(I)で表わされる置換レゾルシン化合物を酸化重合させて得られる置換レゾルシン酸化縮合物。
【0005】
【化2】

Figure 0004621343
【0006】
(式中、Qは炭素原子数5以上の炭化水素基または炭素原子数5以上の置換炭化水素基を表わす。QはQと同じであるか、Qと異なる場合は水素原子、炭素原子数1〜9の炭化水素基、炭素原子数1〜9の置換炭化水素基を表わす。R〜Rは互いに独立に、水素原子、炭素原子数1〜9の炭化水素基、炭素原子数1〜9の置換炭化水素基、炭素原子数1〜9の炭化水素オキシ基、炭素原子数1〜9の置換炭化水素オキシ基、アミノ基、炭素原子数1〜9の置換アミノ基、メルカプト基、炭素原子数1〜9の置換メルカプト基またはハロゲン原子であり、RとR及び/又はRとRが環を形成していてもよいが、Q、R、RまたはRのいずれか二つの基は水素原子である。)
(2)−100℃以上に5J/g以上の結晶融点を示すことを特徴とする(1)項記載の置換レゾルシン酸化縮合物。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の置換レゾルシン酸化縮合物は、一般式(I)で表わされる置換レゾルシン化合物を酸化重合させて得られる縮合物である。
上記一般式(I)において、Qは炭素原子数5以上の炭化水素基または炭素原子数5以上の置換炭化水素基である。
上記一般式(I)において、Qにおける炭化水素基の炭素原子数は5以上であればよいが、好ましくは5〜100であり、より好ましくは8〜50であり、さらに好ましくは10〜30であり、特に好ましくは12〜22である。該炭化水素基として、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルキル基またはシクロアルキル基であり、さらに好ましくはアルキル基であり、特に好ましくは−(CH2)n-1CH3または−CH(CH3)(CH2)n-3CH3(ただし、nは炭素原子数を表わす。)である。
上記一般式(I)のQにおける置換炭化水素基として、好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基等で置換された上記の炭化水素基である。
上記一般式(I)のQとしては、炭化水素基が好ましい。
上記一般式(I)において、QはQと同じ基であるか、Qと異なる基の場合は水素原子、炭素原子数1〜9の炭化水素基または炭素原子数1〜9の置換炭化水素基である。
上記一般式(I)におけるQがQと異なる場合の炭素原子数1〜9の炭化水素基として、好ましくは、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数3〜9のシクロアルキル基、炭素原子数7〜9のアラルキル基または炭素原子数6〜9のアリール基であり、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルエチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基等が挙げられる。
【0008】
上記一般式(I)におけるQがQと異なる場合の炭素原子数1〜9の置換炭化水素基として、好ましくは、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基等で置換された炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数3〜9のシクロアルキル基、炭素原子数7〜9のアラルキル基または炭素原子数6〜9のアリール基であり、具体例としては、トリフルオロメチル基、2−t−ブチルオキシエチル基、3−ジメチルアミノプロピル基等が挙げられる。
上記一般式(I)のQとしては、Qと同じ基、炭素原子数1〜9の炭化水素基または水素原子が好ましく、水素原子がさらに好ましい。
上記一般式(I)のR〜Rにおける炭素原子数1〜9の炭化水素基として、好ましくは、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数3〜9のシクロアルキル基、炭素原子数7〜9のアラルキル基または炭素原子数6〜9のアリール基であり、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルエチル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基等が挙げられる。
【0009】
上記一般式(I)のR〜Rにおける炭素原子数1〜9の置換炭化水素基は、好ましくは、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基等で置換された炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数3〜9のシクロアルキル基、炭素原子数7〜9のアラルキル基または炭素原子数6〜9のアリール基であり、具体例としては、トリフルオロメチル基、2−t−ブチルオキシエチル基、3−ジメチルアミノプロピル基等が挙げられる。
【0010】
上記一般式(I)のR〜Rにおける炭化水素オキシ基として、好ましくは、炭素原子数1〜9のアルコキシ基、炭素原子数3〜9のシクロアルコキシ基、炭素原子数7〜9のアラルキルオキシ基または炭素原子数6〜9のアリールオキシ基であり、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、ベンジルオキシ基、2−フェニルエトキシ基、1−フェニルエトキシ基、フェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、4−エチルフェニルオキシ基等が挙げられる。
上記一般式(I)のR〜Rにおける置換炭化水素オキシ基は、好ましくは、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基等で置換された炭素原子数1〜9のアルコキシ基、炭素原子数3〜9シクロアルコキシ基、炭素原子数7〜9のアラルキルオキシ基または炭素原子数6〜9のアリールオキシ基であり、具体例としては、トリフルオロメトキシ基、2−t−ブチルオキシエトキシ基、3−ジメチルアミノプロポキシ基等が挙げられる。
上記一般式(I)のR〜Rにおける炭素原子数1〜9の置換アミノ基とは、炭素原子数1〜9の炭化水素基で置換されたアミノ基であり、好ましくは、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数3〜9のシクロアルキル基、炭素原子数7〜9のアラルキル基または炭素原子数6〜9のアリール基で置換されたアミノ基であり、具体的にはメチルアミノ基、ジメチルアミノ基ジエチルアミノ基、ジ-n−プロピルアミノ基、ジ-iso−プロピルアミノ基、ジ-n−ブチルアミノ基、ジ-iso−ブチルアミノ基、ジ-t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、ベンジルアミノ基、2−フェニルエチルアミノ基、1−フェニルエチルアミノ基、フェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基、4−エチルフェニルアミノ基等が挙げられる。
【0011】
上記一般式(I)のR〜Rにおける炭素原子数1〜9の置換メルカプト基とは、炭素原子数1〜9の炭化水素基で置換されたメルカプト基であり、好ましくは、炭素原子数1〜9のアルキルメルカプト基、炭素原子数3〜9のシクロアルキルメルカプト基、炭素原子数7〜9のアラルキルメルカプト基または炭素原子数6〜9のアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルメルカプト基、エチルメルカプト基、n−プロピルメルカプト基、iso−プロピルメルカプト基、n−ブチルメルカプト基、iso−ブチルメルカプト基、t−ブチルメルカプト基、ペンチルメルカプト基、シクロペンチルメルカプト基、ヘキシルメルカプト基、シクロヘキシルメルカプト基、オクチルメルカプト基、ノニルメルカプト基、ベンジルメルカプト基、2−フェニルエチルメルカプト基、1−フェニルエチルメルカプト基、フェニルメルカプト基、4−メチルフェニルメルカプト基、4−エチルフェニルメルカプト基等が挙げられる。
上記一般式(I)のR〜Rにおけるハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子がより好ましく、フッ素原子、塩素原子がさらに好ましい。
【0012】
上記一般式(I)のR〜Rのうち、RとR及び/又はRとRが環を形成する場合は、5〜7員環が好ましく、RとR及び/又はRとRが−(CH)−基、−(CH)−基または−CH=CH−CH=CH−基として環を形成するものであることがさらに好ましい。
上記一般式(I)のRとして、好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜9の炭化水素基またはハロゲン原子である。より好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜9の炭化水素基であり、さらに好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基であり、特に好ましくは水素原子である。上記一般式(I)のR、RおよびRとして、好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜9の炭化水素基またはハロゲン原子である。より好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜9の炭化水素基であり、さらに好ましくは、水素原子である。
上記一般式(I)において、Q、R、RまたはRのいずれか二つの基は水素原子でなければならない。
本発明のポリマーにおいては、上記一般式(I)で表される置換レゾルシン化合物を単独または混合して酸化重合することにより得てもよく、下記一般式(II)で表されるフェノール化合物、(III)で表されるフェノール化合物及び/又は下記一般式(IV)で表わされるビスフェノール化合物と混合して酸化重合することにより得てもよい。
【0013】
【化3】
Figure 0004621343
【0014】
(式中、Rは互いに独立に、水素原子、炭素原子数1〜9の炭化水素基、炭素原子数1〜9の置換炭化水素基、炭素原子数1〜9の炭化水素オキシ基、アミノ基、炭素原子数1〜9の置換アミノ基、メルカプト基、炭素原子数1〜9の置換メルカプト基またはハロゲン原子であり、隣り合う二つのRが環を形成していてもよい。Rは酸素原子、硫黄原子、二価の炭化水素基または二価の置換炭化水素基を表わし、mは1又は0である。)
【0015】
上記一般式(II)〜(IV)のRにおける炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、アミノ基、置換アミノ基、メルカプト基、メルカプト基またはハロゲン原子炭化水素基の具体例は、上記一般式(I)におけるRのそれらと同様である。
上記一般式(II)〜(IV)のRのうち、隣り合う二つのRが環を形成する場合は、5〜7員環が好ましく、隣り合う二つのRが−(CH)−基、−(CH)−基または−CH=CH−CH=CH−基として環を形成するものであることがさらに好ましい。
上記一般式(II)〜(IV)のRとして、好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜9の炭化水素基、炭素原子数1〜9の炭化水素オキシ基またはハロゲン原子である。より好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜9の炭化水素基または炭素原子数1〜9の炭化水素オキシ基であり、さらに好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜9の炭化水素基であり、特に好ましくは水素原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基である。
【0016】
上記一般式(IV)のRにおける二価の炭化水素基としては、炭素原子数1〜9のアルキレン基、炭素原子数7〜9のアラルキレン基、または炭素原子数6〜9のアリーレン基が好ましく、具体例としては、メチレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、1,1−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2,2−プロピレン基、1,1−ブチレン基、2,2−ブチレン基、3−メチル−2,2−ブチレン基、3,3−ジメチル−2,2−ブチレン基、1,1−ペンチレン基、3,3−ペンチレン基、1,1−へキシレン基、1,1−ヘプチレン基、1,1−オクチレン基、1,1−ノニレン基、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基、フェニルメチレン基、1−フェニル−1,1−エチレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基が挙げられる。
上記一般式(IV)のRにおける二価の置換炭化水素基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ基等で置換された、炭素原子数1〜9のアルキレン基、炭素原子数7〜9のアラルキレン基、または炭素原子数6〜9のアリーレン基が好ましく、具体例としては、ヘキサフルオロ−2,2−プロピレン基、ペンタフルオロフェニルメチレン基、4−メトキシフェニルメチレン基、4−ジメチルアミノフェニルメチレン基等を挙げることができる。
上記一般式(IV)のRとしては、酸素原子または二価の炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜9のアルキレン基または炭素原子数7〜9のアラルキレン基がより好ましく、炭素原子数1〜6のアルキレン基がさらに好ましい。
【0017】
上記一般式(I)で表される置換レゾルシン化合物と、上記一般式(II)で表されるフェノール化合物、上記一般式(III)で表されるフェノール化合物及び/又は上記一般式(IV)で表わされるビスフェノール化合物を混合して用いる場合、その混合比は目的のポリマーの物性を損なわない範囲で適宜定められるが、該置換レゾルシン化合物が全フェノールモノマーに対して、好ましくは30モル%以上であり、より好ましくは50モル%以上であり、さらに好ましくは80モル%以上である(これらを以下にモノマーと呼ぶことがある)。
本発明の重合体は、Qが水素原子でない場合には、下記の基本構造式(V)で表わされる繰り返し単位を有する構造をもつものである。また、Qが水素原子の場合には、主として下記の基本構造式(VI)で表わされる繰り返し単位を有する構造をもつものであるが、下記の基本構造式(VII)で表わされる繰り返し単位を有する構造を含んでもよい。
【0018】
【化4】
Figure 0004621343
【0019】
本発明の重合体の数平均分子量に特に限定はないが、400〜1,000,000が好ましく、600〜100,000がより好ましく、700〜50,000がさらに好ましい。
本発明の重合体は、好ましくは、−100℃以上に5J/g以上の結晶融点を示す結晶性の重合体である。該重合体において、結晶融点は以下のようにして測定する。すなわち、示差走査熱量分析をアルゴン雰囲気下で実施し、まず10℃/minで−100℃まで冷却した後、10℃/minで−100℃から完全に溶融する温度まで昇温する。次に、再び−100℃まで冷却した後、10℃/minで−100℃から完全に溶融する温度まで再昇温する際に、−100℃以上に5J/g以上の吸熱ピークがあれば、そのピークトップ温度を結晶融点とし、そのピーク面積を結晶融解熱量とする。
結晶融点は−100℃以上300℃未満が好ましく、−50℃以上150℃未満がより好ましく、0℃以上150℃未満がさらに好ましく、30℃以上100℃未満が特に好ましい。また結晶融解熱量は10J/g以上が好ましく、20J/g以上がより好ましく、30J/g以上がさらに好ましく、40J/g以上が特に好ましい。結晶化の発熱ピーク熱量の上限は通常200J/gである。
本発明の重合体は、好ましくは実質的にゲル分を含まないものである。ゲル分のないことは、例えば重合体1mgが1,2−ジクロロベンゼン1mlに150℃で溶解することで確認できる。「実質的にゲル分を含まない」とは、重合体中に含有されるゲル分が好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下であることをいい、最も好ましくはゲル分が含有されないことをいう。
【0020】
以下に本発明の重合体の好ましい製造方法を詳細に説明する。
本発明の特徴は、上記一般式(I)で表される置換レゾルシン化合物を原料の酸化重合モノマーに用いることによりはじめて合成しうるということであり、酸化重合法は、電解酸化重合法でもよいが、化学酸化重合法が好ましい。
上記一般式(I)のQが水素でない場合、J. Polym. Sci. Part A, Polym. Chem. 35, 2259 (1997)に記載されるようにFeCl3、VOCl3、MoCl5等の酸化剤を当量用いる方法や、Macromolecules, 29, 7645 (1996)に記載されるようなVO錯体/酸素等の触媒を用いる方法がさらに好ましい。
【0021】
上記一般式(I)のQが水素の場合は、触媒と酸化剤を用いる方法がさらに好ましい。触媒の例としては、特公昭36−18692号公報、特開平10−53649号公報、特願2000−119826号記載の単座配位子/遷移金属錯体;特開平10−168179号公報、特願2000−121512号記載の二座配位子/遷移金属錯体;特開平9−144449号公報、特開平10−45904号公報、特開平9−324040号公報、特許第3035559号公報、特願2000−25621号記載の三座配位子/遷移金属錯体;特開平8−53545号公報、特開平9−324042号公報記載の四座または五座配位子/遷移金属錯体;特開平9−324043号公報記載の六座以上の配位子/遷移金属錯体;特開平9−324045号公報記載のメタロセン錯体;特開平8-208813号公報記載の金属微粒子;特開平9-107984号公報記載の酸化酵素等が好ましい。さらに好ましくは、単座配位子/遷移金属錯体、二座配位子/遷移金属錯体、三座配位子/遷移金属錯体、四座配位子/遷移金属錯体であり、特に好ましくは三座配位子/遷移金属錯体である。これらの触媒の使用量は、それぞれに記載されるフェノール化合物に対する使用量を、前記のフェノール性出発原料に対する使用量として、そのまま適用できる。また、反応溶媒、反応溶媒使用量、反応温度等の反応条件についても、それぞれに記載された反応条件を適用できる。
【0022】
酸化剤としては、酸素またはパーオキサイドが好ましい。酸素は不活性ガスとの混合物であってもよく、空気でもよい。またパーオキサイドの例としては、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、過酢酸、過安息香酸等を示すことができる。さらに好ましい酸化剤としては、酸素または過酸化水素である。該酸化剤の使用量に限定はないが、酸素を用いる場合はフェノールに対して通常、0.5当量以上大過剰に使用し、パーオキサイドを用いる場合はフェノールに対して通常、0.5〜3当量を使用する。
【0023】
本発明の置換レゾルシン酸化重合体は、単独でも、また、他のポリマー及び/又は改質剤との組成物として用いることができる。組成物のポリマー成分として、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル及びそれらの共重合体等のポリオレフィン類;ポリオキシメチレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)及びそれらの共重合体等のポリエーテル類;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ジナフタレート)、ポリ(4−オキシベンゾエート)、ポリ(2−オキシ−6−ナフタレート)及びそれらの共重合体等のポリエステル類;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド類;ポリカーボネート;ポリフェニレンサルファイド;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性ポリマーを挙げることができる。組成物の改質剤成分として、具体的には2,6−ジ−t−ブチルフェノール誘導体、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン類等の安定剤;ポリハロゲン化物、リン酸エステル等の難燃剤;界面活性剤;流動改質剤を挙げることができる。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
(i)モノマー合成及び分析
モノマー合成:使用したモノマーは、J. Am. Chem. Soc., 120, 12274 (1998)を参考にして合成した。
モノマーの転化率(Conv.):内部標準物質としてジフェニルエーテルを含む反応混合物15mgをサンプリングし、濃塩酸を若干量加えて酸性とし、メタノール2gを加え、測定サンプルとした。このサンプルを、高速液体クロマトグラフィー(東ソー社製SC8020システム、検出器:東ソー社製PD−8020、検出波長:278nm、カラム:YMC社製ODS−AM、展開溶媒:メタノール/水)により分析し、ジフェニルエーテルを内部標準物質として定量した。
【0025】
ポリマーの溶解性(Solubility):ポリマー1mgを1,2-ジクロロベンゼン(oDCBと略す。)1mlに加え、150℃に加熱したときの不溶部(ゲル分とする)の有無を観察した。
ポリマーの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw):ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分析し、標準ポリスチレン換算値として重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定した。oDCB/140℃条件:Polymer Laboratories社製PL-GPC210システム(RI検出)により、Polymer Laboratories社製PLgel 10um MIXED-B 3本をカラムとして、oDCB(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール0.01%w/v含有)を展開溶媒として、140℃で行った。
【0026】
ポリマーの結晶融点(Tm)および結晶融解熱量(Hm):示差走査熱量分析(MAC SCIENCE社 DSC3200S)をアルゴン雰囲気下で実施した。まず10℃/minで−100℃まで冷却した後、10℃/minで−100℃から完全に溶融する温度まで昇温する。次に、再び−100℃まで冷却した後、10℃/minで−100℃から再昇温する際に、−100℃以上で5J/g以上の吸熱ピークを示す場合、そのピークトップ温度を結晶融点(Tm)とし、そのピーク面積を結晶融解熱量(Hm)とした。このピークが見られない場合はN.D.とした。
【0027】
(ii)酸化重合
実施例1
電磁撹拌機を備えた25ml二つ口丸底フラスコに、酸素を充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素に置換した。これに、Cu(Cl)2(1,4,7−トリイソプロピル−1,4,7−トリアザシクロノナン)(J. Am. Chem. Soc., 120, 8529, (1998).参照、Cu(tacn)と略す。)0.03mmolを入れ、3-n-オクタデシロキシフェノール0.6mmolと、塩基として2,6-ジフェニルピリジン0.3mmolをトルエン1.2gに溶解したものを加えた。これを40℃に保温し、激しく撹拌した。72時間後(モノマー転化率:98%)、濃塩酸を加えて酸性にした後、メタノール25mlを加え、沈殿した重合体を濾取した。メタノール10mlで3回洗浄し、減圧乾燥した後、重合体を得た(収率:72%)。この重合体はoDCBに完全に溶解し、分子量はMn=800、Mw=1600であり、またTm=43℃、Hm=47J/gと結晶性を示した。
本重合体の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図1に示すが、約3500cm-1のO−H伸縮振動ピークがモノマーのそれと比較して相当減少していることから、本重合体は主にオキシフェニレン構造を有していることが分かった。
【0028】
【発明の効果】
本発明の置換レゾルシン酸化縮合物は、炭素原子数5以上の炭化水素基をもつ新規なポリマーであり、結晶性を発現しうる。本ポリマーは溶融成形材料またはフィルム材料として用いられるが、特にアルキル鎖の長いものは、ポリマーアロイ相溶化剤、側鎖結晶性熱可塑性エラストマー、表示材料、温度センサー等への特殊用途も期待され、その工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の重合体の赤外吸収スペクトルを示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel substituted resorcin oxidation condensate.
[0002]
[Prior art]
Oxidation condensates of aromatic compounds can be produced by an environmentally friendly oxidative condensation method in which formalin is free, room temperature reaction, and only by-products are water. 729 (1999) and Chemistry and Industry, 53, No. 4, 501-505 (2000)).
On the other hand, an aromatic polymer having a hydrocarbon group having a large number of carbon atoms has been developed, and various characteristics have been found regarding the crystallinity, liquid crystallinity, viscoelasticity, solubility and the like of the polymer. Macromolecules, 29, 1337, (1996) describes the aromatic polyester, and Macromolecules, 27, 7754 (1994) describes the polyaniline.
However, as for the oxidative condensate of resorcin derivative, only 1,3-dibutoxybenzene oxidation polymer was reported in J. Polym. Sci. Part A, Polym. Chem. 35, 2259 (1997). . Moreover, there was no description that this polymer showed crystallinity.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a crystalline resorcin oxidation condensate having a substituent having 5 or more carbon atoms.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies in view of the above problems, the present inventors have found that the above problems can be solved by the following invention.
(1) A substituted resorcin oxidation condensate obtained by oxidative polymerization of a substituted resorcin compound represented by the general formula (I).
[0005]
[Chemical 2]
Figure 0004621343
[0006]
(Wherein, Q 2 is either the .Q 1 representing a hydrocarbon group or substituted hydrocarbon group having a carbon number of 5 or more than 5 carbon atoms is the same as Q 2, if different from Q 2 is hydrogen atom, A hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms and a substituted hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms, wherein R 1 to R 4 are each independently a hydrogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms, carbon A substituted hydrocarbon group having 1 to 9 atoms, a hydrocarbon oxy group having 1 to 9 carbon atoms, a substituted hydrocarbon oxy group having 1 to 9 carbon atoms, an amino group, a substituted amino group having 1 to 9 carbon atoms, A mercapto group, a substituted mercapto group having 1 to 9 carbon atoms, or a halogen atom, and R 2 and R 3 and / or R 3 and R 4 may form a ring, but Q 1 , R 1 , R Any two groups of 2 or R 4 are hydrogen atoms.)
(2) The substituted resorcin-oxidized condensate according to (1), which exhibits a crystal melting point of 5 J / g or higher at −100 ° C. or higher.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The substituted resorcin oxidation condensate of the present invention is a condensate obtained by oxidative polymerization of a substituted resorcin compound represented by the general formula (I).
In the above general formula (I), Q 2 is a hydrocarbon group having 5 or more carbon atoms or a substituted hydrocarbon group having 5 or more carbon atoms.
In the general formula (I), the hydrocarbon group in Q 2 may have 5 or more carbon atoms, preferably 5 to 100, more preferably 8 to 50, and still more preferably 10 to 30. Especially preferably, it is 12-22. The hydrocarbon group is preferably an aliphatic hydrocarbon group, more preferably an alkyl group or a cycloalkyl group, still more preferably an alkyl group, and particularly preferably — (CH 2 ) n-1 CH 3 or -CH (CH 3) (CH 2 ) n-3 CH 3 ( where, n represents. the number of carbon atoms) is.
The substituted hydrocarbon group for Q 2 in the general formula (I) is preferably the above hydrocarbon group substituted with a halogen atom, a hydroxyl group, an alkoxy group, an amino group, a substituted amino group, or the like.
As Q 2 of the general formula (I), a hydrocarbon group is preferable.
In the general formula (I), Q 1 is either the same group as Q 2, hydrogen atoms in the case of different from Q 2 groups, substituted 1-9 hydrocarbon group or a carbon atom of 1 to 9 carbon atoms It is a hydrocarbon group.
As the hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms in the case of Q 1 in the above general formula (I) Q 2 is different from, preferably, an alkyl group having 1 to 9 carbon atoms, cycloalkyl having a carbon number of 3 to 9 Group, an aralkyl group having 7 to 9 carbon atoms or an aryl group having 6 to 9 carbon atoms, specifically, methyl group, ethyl group, n-propyl group, iso-propyl group, n-butyl group, iso group -Butyl group, t-butyl group, pentyl group, cyclopentyl group, hexyl group, cyclohexyl group, octyl group, nonyl group, benzyl group, 2-phenylethyl group, 1-phenylethyl group, phenyl group, 4-methylphenyl group , 4-ethylphenyl group and the like.
[0008]
The substituted hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms when Q 1 in the general formula (I) is different from Q 2 is preferably carbon substituted with a halogen atom, an alkoxy group, an amino group, a substituted amino group, or the like. An alkyl group having 1 to 9 atoms, a cycloalkyl group having 3 to 9 carbon atoms, an aralkyl group having 7 to 9 carbon atoms, or an aryl group having 6 to 9 carbon atoms. Specific examples include trifluoromethyl Group, 2-t-butyloxyethyl group, 3-dimethylaminopropyl group and the like.
Q 1 in the general formula (I) is preferably the same group as Q 2 , a hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms or a hydrogen atom, and more preferably a hydrogen atom.
As the hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms in R 1 to R 4 of the general formula (I), preferably an alkyl group having 1 to 9 carbon atoms, a cycloalkyl group having 3 to 9 carbon atoms, carbon An aralkyl group having 7 to 9 atoms or an aryl group having 6 to 9 carbon atoms, specifically, a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an iso-propyl group, an n-butyl group, an iso-butyl group; , T-butyl group, pentyl group, cyclopentyl group, hexyl group, cyclohexyl group, octyl group, nonyl group, benzyl group, 2-phenylethyl group, 1-phenylethyl group, phenyl group, 4-methylphenyl group, 4- An ethylphenyl group etc. are mentioned.
[0009]
The substituted hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms in R 1 to R 4 of the general formula (I) is preferably 1 carbon atom substituted with a halogen atom, an alkoxy group, an amino group, a substituted amino group or the like. An alkyl group having 9 to 9 carbon atoms, a cycloalkyl group having 3 to 9 carbon atoms, an aralkyl group having 7 to 9 carbon atoms, or an aryl group having 6 to 9 carbon atoms. Specific examples include a trifluoromethyl group, 2 -T-butyloxyethyl group, 3-dimethylaminopropyl group, etc. are mentioned.
[0010]
The hydrocarbon oxy group in R 1 to R 4 of the general formula (I) is preferably an alkoxy group having 1 to 9 carbon atoms, a cycloalkoxy group having 3 to 9 carbon atoms, or a 7 to 9 carbon atom. Aralkyloxy group or aryloxy group having 6 to 9 carbon atoms, specifically, methoxy group, ethoxy group, n-propoxy group, iso-propoxy group, n-butoxy group, iso-butoxy group, t-butoxy Group, pentyloxy group, cyclopentyloxy group, hexyloxy group, cyclohexyloxy group, octyloxy group, nonyloxy group, benzyloxy group, 2-phenylethoxy group, 1-phenylethoxy group, phenyloxy group, 4-methylphenyloxy Group, 4-ethylphenyloxy group and the like.
The substituted hydrocarbonoxy group in R 1 to R 4 in the general formula (I) is preferably an alkoxy group having 1 to 9 carbon atoms substituted with a halogen atom, an alkoxy group, an amino group, a substituted amino group, or the like, A C3-C9 cycloalkoxy group, a C7-C9 aralkyloxy group, or a C6-C9 aryloxy group. Specific examples include a trifluoromethoxy group, 2-t-butyloxy An ethoxy group, 3-dimethylamino propoxy group, etc. are mentioned.
The substituted amino group having 1 to 9 carbon atoms in R 1 to R 4 of the general formula (I) is an amino group substituted with a hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms, preferably a carbon atom. An amino group substituted by an alkyl group having 1 to 9 carbon atoms, a cycloalkyl group having 3 to 9 carbon atoms, an aralkyl group having 7 to 9 carbon atoms, or an aryl group having 6 to 9 carbon atoms; Is methylamino group, dimethylamino group diethylamino group, di-n-propylamino group, di-iso-propylamino group, di-n-butylamino group, di-iso-butylamino group, di-t-butylamino group Pentylamino group, cyclopentylamino group, hexylamino group, cyclohexylamino group, octylamino group, nonylamino group, benzylamino group, 2-phenylethylamino group, 1-phenylethyl Amino group, phenylamino group, 4-methylphenyl group, a 4-ethylphenyl amino group.
[0011]
The substituted mercapto group having 1 to 9 carbon atoms in R 1 to R 4 of the general formula (I) is a mercapto group substituted with a hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms, preferably a carbon atom. An alkyl mercapto group having 1 to 9 carbon atoms, a cycloalkyl mercapto group having 3 to 9 carbon atoms, an aralkyl mercapto group having 7 to 9 carbon atoms, or an aryl mercapto group having 6 to 9 carbon atoms, specifically methyl Mercapto group, ethyl mercapto group, n-propyl mercapto group, iso-propyl mercapto group, n-butyl mercapto group, iso-butyl mercapto group, t-butyl mercapto group, pentyl mercapto group, cyclopentyl mercapto group, hexyl mercapto group, cyclohexyl Mercapto group, octyl mercapto group, nonyl mercapto group, benzyl merca DOO group, 2-phenylethyl mercapto group, 1- phenylethyl mercapto group, phenylmercapto group, 4-methylphenyl mercapto group, such as 4-ethylphenyl mercapto group.
Examples of the halogen atom in R 1 to R 4 of the general formula (I) include a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom, and an iodine atom, and a fluorine atom, a chlorine atom, and a bromine atom are more preferable, and a fluorine atom, chlorine More preferred are atoms.
[0012]
Among R 1 to R 4 in the general formula (I), when R 2 and R 3 and / or R 3 and R 4 form a ring, a 5 to 7-membered ring is preferable, and R 2 and R 3 and More preferably, R 3 and R 4 form a ring as a — (CH 2 ) 3 — group, — (CH 2 ) 4 — group or —CH═CH—CH═CH— group.
R 3 in the general formula (I) is preferably a hydrogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms, or a halogen atom. More preferred is a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms, still more preferred is a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 4 carbon atoms, and particularly preferred is a hydrogen atom. As R 1, R 2 and R 4 in the above formula (I), is preferably a hydrogen atom, a hydrocarbon group or a halogen atom having 1 to 9 carbon atoms. More preferably, they are a hydrogen atom and a C1-C9 hydrocarbon group, More preferably, it is a hydrogen atom.
In the above general formula (I), any two groups of Q 1 , R 1 , R 2 or R 4 must be hydrogen atoms.
In the polymer of the present invention, the substituted resorcin compound represented by the general formula (I) may be obtained by oxidative polymerization alone or mixed, and the phenol compound represented by the following general formula (II): It may be obtained by oxidative polymerization by mixing with a phenol compound represented by III) and / or a bisphenol compound represented by the following general formula (IV).
[0013]
[Chemical 3]
Figure 0004621343
[0014]
(In the formula, R 5 is independently of each other a hydrogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms, a substituted hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms, a hydrocarbon oxy group having 1 to 9 carbon atoms, amino group, a substituted amino group having 1 to 9 carbon atoms, a mercapto group, a substituted mercapto group or a halogen atom having 1 to 9 carbon atoms, which may have two R 5 adjacent to form a ring .R 6 Represents an oxygen atom, a sulfur atom, a divalent hydrocarbon group or a divalent substituted hydrocarbon group, and m is 1 or 0.)
[0015]
Specific examples of the hydrocarbon group, substituted hydrocarbon group, hydrocarbon oxy group, amino group, substituted amino group, mercapto group, mercapto group or halogen atom hydrocarbon group in R 5 of the above general formulas (II) to (IV) are as follows: The same as those for R 3 in the general formula (I).
Of the R 5 in the general formulas (II) to (IV), when two adjacent R 5 form a ring, a 5- to 7-membered ring is preferable, and the two adjacent R 5 are — (CH 2 ). 3 - group, - (CH 2) 4 - it is further preferred as the group or -CH = CH-CH = CH- group is to form a ring.
R 5 in the general formulas (II) to (IV) is preferably a hydrogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms, a hydrocarbon oxy group having 1 to 9 carbon atoms, or a halogen atom. More preferably, it is a hydrogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms or a hydrocarbon oxy group having 1 to 9 carbon atoms, and more preferably a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 9 carbon atoms. And particularly preferably a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 6 carbon atoms.
[0016]
Examples of the divalent hydrocarbon group represented by R 6 in the general formula (IV) include an alkylene group having 1 to 9 carbon atoms, an aralkylene group having 7 to 9 carbon atoms, and an arylene group having 6 to 9 carbon atoms. Specific examples include methylene group, 1,1-ethylene group, 1,2-ethylene group, 1,1-propylene group, 1,3-propylene group, 2,2-propylene group, 1,1-butylene. Group, 2,2-butylene group, 3-methyl-2,2-butylene group, 3,3-dimethyl-2,2-butylene group, 1,1-pentylene group, 3,3-pentylene group, 1,1 -Hexylene group, 1,1-heptylene group, 1,1-octylene group, 1,1-nonylene group, 1,1-cyclopentylene group, 1,1-cyclohexylene group, phenylmethylene group, 1-phenyl -1,1-ethylene group, 1,2-phenylene group, , 3-phenylene group, and a 1,4-phenylene group.
Examples of the divalent substituted hydrocarbon group for R 6 in the general formula (IV) include an alkylene group having 1 to 9 carbon atoms and 7 carbon atoms substituted with a halogen atom, an alkoxy group, a disubstituted amino group, or the like. To 9 aralkylene group or arylene group having 6 to 9 carbon atoms are preferable, and specific examples include hexafluoro-2,2-propylene group, pentafluorophenylmethylene group, 4-methoxyphenylmethylene group, 4-dimethyl. An aminophenylmethylene group etc. can be mentioned.
R 6 in the general formula (IV) is preferably an oxygen atom or a divalent hydrocarbon group, more preferably an alkylene group having 1 to 9 carbon atoms or an aralkylene group having 7 to 9 carbon atoms, and the number of carbon atoms. 1-6 alkylene groups are more preferred.
[0017]
In the substituted resorcin compound represented by the general formula (I), the phenol compound represented by the general formula (II), the phenol compound represented by the general formula (III) and / or the general formula (IV) When the bisphenol compound represented is mixed and used, the mixing ratio is appropriately determined within a range not impairing the physical properties of the target polymer, but the substituted resorcin compound is preferably 30 mol% or more based on the total phenol monomer. More preferably, it is 50 mol% or more, and still more preferably 80 mol% or more (these may be referred to as monomers hereinafter).
When Q 1 is not a hydrogen atom, the polymer of the present invention has a structure having a repeating unit represented by the following basic structural formula (V). Further, when Q 1 is a hydrogen atom, it has a structure mainly having a repeating unit represented by the following basic structural formula (VI), but the repeating unit represented by the following basic structural formula (VII) The structure which has may be included.
[0018]
[Formula 4]
Figure 0004621343
[0019]
Although there is no limitation in particular in the number average molecular weight of the polymer of this invention, 400-1,000,000 are preferable, 600-100,000 are more preferable, 700-50,000 are further more preferable.
The polymer of the present invention is preferably a crystalline polymer having a crystalline melting point of 5 J / g or more at −100 ° C. or more. In the polymer, the crystal melting point is measured as follows. That is, differential scanning calorimetry is carried out in an argon atmosphere, and after first cooling to −100 ° C. at 10 ° C./min, the temperature is raised from −100 ° C. to a temperature at which it completely melts at 10 ° C./min. Next, after cooling to −100 ° C. again, when the temperature is increased again from −100 ° C. to a temperature completely melted at 10 ° C./min, if there is an endothermic peak of −10 ° C. or more, 5 J / g or more, The peak top temperature is the crystal melting point, and the peak area is the crystal melting heat.
The crystal melting point is preferably −100 ° C. or higher and lower than 300 ° C., more preferably −50 ° C. or higher and lower than 150 ° C., further preferably 0 ° C. or higher and lower than 150 ° C., particularly preferably 30 ° C. or higher and lower than 100 ° C. Further, the heat of crystal fusion is preferably 10 J / g or more, more preferably 20 J / g or more, further preferably 30 J / g or more, and particularly preferably 40 J / g or more. The upper limit of the exothermic peak heat quantity of crystallization is usually 200 J / g.
The polymer of the present invention is preferably substantially free of gel. The absence of gel content can be confirmed, for example, by dissolving 1 mg of polymer in 1 ml of 1,2-dichlorobenzene at 150 ° C. “Substantially free of gel content” means that the gel content contained in the polymer is preferably 5% by weight or less, more preferably 2% by weight or less, and most preferably the gel content is contained. It means not being done.
[0020]
Hereinafter, a preferred method for producing the polymer of the present invention will be described in detail.
A feature of the present invention is that it can be synthesized only by using the substituted resorcin compound represented by the general formula (I) as a raw material oxidative polymerization monomer, and the oxidative polymerization method may be an electrolytic oxidative polymerization method. Chemical oxidation polymerization is preferred.
When Q 1 in the above general formula (I) is not hydrogen, oxidation of FeCl 3 , VOCl 3 , MoCl 5, etc. as described in J. Polym. Sci. Part A, Polym. Chem. 35, 2259 (1997) A method using an equivalent amount of an agent and a method using a catalyst such as VO complex / oxygen as described in Macromolecules, 29, 7645 (1996) are more preferable.
[0021]
When Q 1 in the general formula (I) is hydrogen, a method using a catalyst and an oxidizing agent is more preferable. Examples of the catalyst include monodentate ligand / transition metal complexes described in Japanese Patent Publication No. 36-18692, Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-53649, and Japanese Patent Application No. 2000-11826; Japanese Patent Application No. 10-168179, Japanese Patent Application No. 2000. -12151212 bidentate ligand / transition metal complex; JP-A-9-144449, JP-A-10-45904, JP-A-9-324040, Japanese Patent No. 3035559, Japanese Patent Application 2000-25621 A tridentate ligand / transition metal complex described in JP-A-8-53545 and a tetradentate or pentadentate ligand / transition metal complex described in JP-A-9-324042; described in JP-A-9-324043 A hexadentate or higher ligand / transition metal complex; a metallocene complex described in JP-A-9-324045; a metal fine particle described in JP-A-8-208813; The oxidase described in the Japanese Patent Publication No. is preferable. More preferred are monodentate ligand / transition metal complex, bidentate ligand / transition metal complex, tridentate ligand / transition metal complex, tetradentate ligand / transition metal complex, and particularly preferred tridentate ligand. It is a ligand / transition metal complex. The usage amount of these catalysts can be applied as it is, with the usage amount for the phenol compound described in each of them being the usage amount for the phenolic starting material. Moreover, the reaction conditions described in each can be applied to the reaction conditions such as the reaction solvent, the amount of the reaction solvent used, and the reaction temperature.
[0022]
As the oxidizing agent, oxygen or peroxide is preferable. The oxygen may be a mixture with an inert gas or air. Examples of peroxides include hydrogen peroxide, t-butyl hydroperoxide, di-t-butyl peroxide, cumene hydroperoxide, dicumyl peroxide, peracetic acid, perbenzoic acid and the like. More preferred oxidizing agent is oxygen or hydrogen peroxide. The amount of the oxidizing agent used is not limited, but when oxygen is used, it is usually used in a large excess of 0.5 equivalents or more with respect to phenol, and when peroxide is used, it is usually 0.5 to 3 equivalents are used.
[0023]
The substituted resorcin-oxidized polymer of the present invention can be used alone or as a composition with other polymers and / or modifiers. Specific examples of the polymer component of the composition include polyolefins such as polyethylene, polypropylene, polystyrene, polyvinyl chloride, polymethyl methacrylate, polyvinyl acetate, polyacrylonitrile and copolymers thereof; polyoxymethylene, polyphenylene oxide, Polyethers such as poly (2,6-dimethyl-1,4-phenylene oxide), poly (2,5-dimethyl-1,4-phenylene oxide) and copolymers thereof; polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, Polyesters such as poly (ethylene-2,6-dinaphthalate), poly (4-oxybenzoate), poly (2-oxy-6-naphthalate) and copolymers thereof; polyamides such as nylon 6 and nylon 66 Polycarbonate; poly E double sulfide; polysulfone; polyether sulfone; polyether ether ketone; polyimide; polyetherimides; phenolic resins, urea resins, melamine resins, and thermosetting polymers such as epoxy resin. As a modifier component of the composition, specifically, stabilizers such as 2,6-di-t-butylphenol derivatives and 2,2,6,6-tetramethylpiperidines; polyhalides, phosphate esters, etc. Mention may be made of flame retardants; surfactants; flow modifiers.
[0024]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail based on examples, but the scope of the present invention is not limited by these examples.
(I) Monomer synthesis and analysis Monomer synthesis: The monomers used were synthesized with reference to J. Am. Chem. Soc., 120, 12274 (1998).
Conversion of monomer (Conv.): 15 mg of a reaction mixture containing diphenyl ether as an internal standard substance was sampled, acidified by adding a little concentrated hydrochloric acid, and 2 g of methanol was added to prepare a measurement sample. This sample was analyzed by high performance liquid chromatography (SC 8020 system manufactured by Tosoh Corporation, detector: PD-8020 manufactured by Tosoh Corporation, detection wavelength: 278 nm, column: ODS-AM manufactured by YMC, developing solvent: methanol / water), Diphenyl ether was quantified as an internal standard.
[0025]
Solubility of polymer: 1 mg of polymer was added to 1 ml of 1,2-dichlorobenzene (abbreviated as oDCB), and the presence or absence of an insoluble part (referred to as gel) was observed when heated to 150 ° C.
Number average molecular weight (Mn) and weight average molecular weight (Mw) of polymer: Analysis was performed by gel permeation chromatography, and weight average molecular weight (Mw) and number average molecular weight (Mn) were measured as standard polystyrene conversion values. oDCB / 140 ° C conditions: Using Polymer Laboratories PL-GPC210 system (RI detection), three Polymer Laboratories PLgel 10um MIXED-B columns, oDCB (2,6-di-t-butyl-4-methyl) Phenol 0.01% w / v) was used as a developing solvent at 140 ° C.
[0026]
Crystal melting point (Tm) and heat of crystal melting (Hm) of polymer: Differential scanning calorimetry (MAC SCIENCE DSC3200S) was performed under an argon atmosphere. First, after cooling to −100 ° C. at 10 ° C./min, the temperature is raised from −100 ° C. to a temperature at which it completely melts at 10 ° C./min. Next, after cooling again to −100 ° C., when the temperature is increased again from −100 ° C. at 10 ° C./min, if an endothermic peak of 5 J / g or more is exhibited at −100 ° C. or higher, the peak top temperature is set to The melting point (Tm) was taken as the peak area, and the heat of crystal fusion (Hm) was taken as the peak area. When this peak is not seen, N.I. D. It was.
[0027]
(Ii) Oxidative polymerization Example 1
A 2 L rubber balloon filled with oxygen was attached to a 25 ml two-necked round bottom flask equipped with a magnetic stirrer, and the inside of the flask was replaced with oxygen. Cu (Cl) 2 (1,4,7-triisopropyl-1,4,7-triazacyclononane) (see J. Am. Chem. Soc., 120, 8529, (1998).), Cu (abbreviated as (tacn)) 0.03 mmol was added, and 0.6 mmol of 3-n-octadecyloxyphenol and 0.3 mmol of 2,6-diphenylpyridine as a base dissolved in 1.2 g of toluene were added. This was kept at 40 ° C. and stirred vigorously. After 72 hours (monomer conversion: 98%), concentrated hydrochloric acid was added to acidify, 25 ml of methanol was added, and the precipitated polymer was collected by filtration. After washing three times with 10 ml of methanol and drying under reduced pressure, a polymer was obtained (yield: 72%). This polymer was completely dissolved in oDCB, the molecular weight was Mn = 800, Mw = 1600, and Tm = 43 ° C. and Hm = 47 J / g, showing crystallinity.
The infrared absorption spectrum (KBr method) of this polymer is shown in FIG. 1. Since the O—H stretching vibration peak at about 3500 cm −1 is considerably reduced compared to that of the monomer, Was found to have an oxyphenylene structure.
[0028]
【The invention's effect】
The substituted resorcin oxidation condensate of the present invention is a novel polymer having a hydrocarbon group having 5 or more carbon atoms, and can exhibit crystallinity. This polymer is used as a melt molding material or a film material, but especially those having a long alkyl chain are expected to be used for polymer alloy compatibilizers, side chain crystalline thermoplastic elastomers, display materials, temperature sensors, etc. Its industrial significance is great.
[Brief description of the drawings]
1 shows an infrared absorption spectrum of the polymer of Example 1. FIG.

Claims (2)

一般式(I)で表わされる置換レゾルシン化合物を酸化重合させて得られる、−100℃以上300℃未満に10J/g以上200J/g以下の結晶融点を示す置換レゾルシン酸化縮合物。
Figure 0004621343
(式中、Qは炭素原子数12〜30の−(CH n−1 CH (ただし、nは炭素原子数を表す。)を表わす。Q は水素原子を表わす。)
A substituted resorcin oxidation condensate obtained by oxidative polymerization of a substituted resorcin compound represented by the general formula (I) and having a crystal melting point of from 10 J / g to 200 J / g at from −100 ° C. to less than 300 ° C.
Figure 0004621343
(Wherein, Q 2 is carbon atoms 12 to 30 of the - (CH 2) n-1 CH 3 ( where, n is .Q 1 representing the representative) the number of carbon atoms represents the water MotoHara child..)
記酸化重合が、酸化剤及び三座配位子/遷移金属錯体を用いて行われる、請求項1記載の置換レゾルシン酸化縮合物。 Before SL oxidative polymerization is carried out using an oxidizing agent and a tridentate ligand / transition metal complex, substituted resorcinol oxide condensate of claim 1 wherein.
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