JP3729558B2 - Process for producing poly-1,4-phenylene ether - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリ−1,4−フェニレンエーテルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2,6−ジメチルフェノールの遷移金属錯体触媒を用いた酸化重合(例として、特公昭63−6091号公報、特開昭59−131627号公報等、多数を挙げることができる。)によって得られるポリ−(2,6−ジメチルフェニレンエーテル)(以下、PPEと略すことがある。)は有用な樹脂であることが知られている。しかし、PPEは、芳香環に置換されたメチル基が酸化劣化を受けやすいため、PPE単独で溶融成形することが難しいという欠点があり、一般にはポリスチレンとのポリマーアロイとして汎用エンプラに位置づけられている。
【0003】
一方、ポリ−1,4−フェニレンエーテル(以下、PAOと略すことがある。)は、Europ.Polym.J.,4,275 (1968).に記載されているように融点が298℃(ガラス転移温度は83℃)であり、一般にスーパーエンプラと呼ばれるポリフェニレンサルファイドの融点(285℃)を凌ぎ、ポリエーテルエーテルケトンの融点(334℃)に次ぐ高い融点を有しており、超高耐熱性の樹脂としてその有用性は極めて大である。
【0004】
PAOの製造方法としては、Europ.Polym.J.,4,275 (1968).にp−ブロモフェノールのナトリウム塩を銅触媒存在下で重合することが記載されているが、反応温度が200℃と高温が必要であり、また反応量と当量の塩が生成するという問題があった。
特開昭59−56426号公報には、フェノールの電解酸化重合によりPAOを製造する方法が記載されているが、単位時間あたりのポリマー生産量が電極表面積に支配されるため、大量生産が困難であった。
また、特公昭44−28918号公報には、4−フェノキシフェノールを光増感剤存在下、特定波長の光を照射する方法が提案されているが、重合の進行とともにフェノールが副生すること、及び光照射による方法のため大量生産が困難である等が問題であった。
さらに、特公昭44−28917号公報には、4−フェノキシフェノールをフェノールが蒸留される温度に加熱する方法も提案されているが、高温が必要であり、フェノールが副生するという問題点があった。
【0005】
これらの問題点を解決する方法として、反応温度が比較的低く、脱離する副生成物質が水である等の理由から、遷移金属錯体触媒による酸化重合法は優れた方法である。フェノールの遷移金属錯体触媒による酸化重合方法の例として、特公昭36−18692号公報、工業化学雑誌,72 巻,10 号,106 (1969) 、特公昭48−17395号公報等が挙げられるが、これらの方法ではオルト位分岐またはC−C結合構造が生じるという問題があった。
【0006】
ここでオルト位分岐とは、フェノール重合体中のベンゼン環が1,2,4−三置換ベンゼン構造をとることを指し、本来望まれる1,4−二置換ベンゼン構造の連鎖を乱す構造である。
またC−C結合構造とは、フェノールの重合が、酸素原子とベンゼン環との反応で起こらずに、ベンゼン環同士の反応で起こり、結果的にビフェニル構造が生じることを指す。
オルト位分岐やC−C結合構造が多くなると融点が低くなり、ついにはPAOは融点を示さない非晶性樹脂となって、高融点による超高耐熱性樹脂としての有用性を失う。
【0007】
特公昭36−18692号公報および工業化学雑誌,72 巻,10 号,106 (1969).では、3級アミンと第一銅塩の触媒による酸化重合において、フェノールのオルト位での反応を妨害するために嵩高い置換基を有する3級アミン(2,6−ジメチルピリジン等が示されている。)を用いることが提案されている。しかし、この方法で得られた重合体でも、C−C結合構造を含む上に、オルト位分岐の抑制も十分ではなく、融点が観測されない非晶性樹脂であるなど、PAOと呼べるものではなかった。
【0008】
一方、Tetrahedron,23,2253 (1967). に4−フェノキシフェノールを第一銅塩とN,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン触媒により酸化重合する例が示されているが、この方法で得られる重合体も、オルト位分岐が多く、融点は観測されなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、現状の遷移金属錯体触媒を用いる酸化重合法ではオルト位分岐やC−C結合構造が多く生成し、有用なポリマーは得られていない。そこで現状の課題としては、融点を示すことのできるPAOを製造することにある。即ち本発明の目的は、C−C結合構造が生成せず、かつオルト位の分岐も少ないという構造の制御された、融点を示す、ポリ−1,4−フェニレンエーテルを製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような状況下にあって、本研究者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、特定の遷移金属錯体触媒の存在下に特定の原料を用いる酸化重合法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち本発明は、下記一般式(I)で表されるメタロセン錯体を触媒として、下記構造式で表される原料を酸化剤存在下で重合するポリ−1,4−フェニレンエーテルの製造方法にかかるものである。
(式中、Mは第4〜11族の第一遷移元素系列の遷移金属原子である。R 1 〜R 5 はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基またはハロゲン原子であり、隣接するものどうしが環を形成してもよい。nは1または2である。nが2の場合、それぞれ2つのR 1 〜R 5 は同一でも異なっていてもよく、R 1 〜R 5 のかわりに2価の共有架橋基を介して2つのシクロペンタジエニル環を結合していてもよい。Xはカウンターイオンである。xはXの個数であり、Mの価数に応じて、0〜3の整数である。)
(式中、mは数平均ユニット数を表し、1<mである。)
次に本発明を詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
(1)遷移金属錯体触媒
本発明で使用する触媒は、下記一般式(I)で表されるメタロセン錯体である。
(式中、Mは第4〜11族の第一遷移元素系列の遷移金属原子である。R 1 〜R 5 はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基またはハロゲン原子であり、隣接するものどうしが環を形成してもよい。nは1または2である。nが2の場合、それぞれ2つのR 1 〜R 5 は同一でも異なっていてもよく、R 1 〜R 5 のかわりに2価の共有架橋基を介して2つのシクロペンタジエニル環を結合していてもよい。Xはカウンターイオンである。xはXの個数であり、Mの価数に応じて、0〜3の整数である。)
【0013】
本発明の遷移金属錯体触媒における遷移金属原子は、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第4〜11族の遷移金属原子である。好ましくは、第一遷移元素系列の遷移金属原子であり、特に好ましくはFeである。
該遷移金属原子の価数は、自然界に通常存するものを適宜選択して使用することができ、例えばFeの場合は2〜5価を用いることができる。
【0014】
本発明のメタロセン錯体としては、η5 配位結合により遷移金属原子と結合するシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を有する錯体を挙げることができる。
本発明において配位子とは、化学大辞典(第1版、東京化学同人、1989年)に記載の通り、ある原子に配位結合で結合している分子またはイオンを指す。結合に直接かかわっている原子を配位原子という。
【0016】
上記一般式(I)において、R1 〜R5 はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基またはハロゲン原子であり、隣接するものどうしが環を形成してもよい。
【0017】
R1 〜R5 における炭化水素基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、アラルキル基及びアリール基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0018】
R1 〜R5 における置換炭化水素基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、二置換アミノ基、ニトロ基等で置換された炭化水素基であり、具体例としては、トリフルオロメチル基、2−t−ブチルオキシエチル基、3−ジフェニルアミノプロピル基等が挙げられる。
【0019】
R1 〜R5 におけるハロゲン原子として好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、さらに好ましくは塩素原子、臭素原子である。
【0020】
R1 〜R5 は隣接するものどうしが環を形成してもよいが、そのようなシクロペンタジエニル骨格を有する配位子の例としては、インデニル基、フルオレニル基等が挙げられる。
【0021】
上記一般式(I)において、nは1または2である。nが2の場合、2つのR1 〜R5 はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、R1 〜R5 のかわりに2価の共有架橋基を介して2つのシクロペンタジエニル環を結合していてもよい。
【0022】
2価の共有架橋基の例としては、二官能性の炭化水素基、置換炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、リン含有基、及びオキソ基、チオ基等が挙げられ、具体例としては、炭化水素基としてメチレン基、1,2−エチレン基、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基等のアルキレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基等のシクロアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基等を挙げることができ、ケイ素含有基としてはジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジフェニルシリレン基等を挙げることができ、窒素含有基として、N(メチル)、N(iso−プロピル)、N(フェニル)等を挙げることができ、リン含有基として、P(メチル)、P(iso−プロピル)、P(フェニル)等を挙げることができる。好ましくは、メチレン基、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、オキソ基である。
【0023】
上記一般式(I)において、Xはカウンターイオンである。カウンターイオンの例としてはブレンステッド酸の共役塩基が挙げられ、具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボーレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、水酸化物イオン、酸化物イオン、メトキサイドイオン、エトキサイドイオン等が挙げられる。
xはXの個数であり、Mの価数に応じて、0〜3の整数である。
【0024】
好ましくは、上記一般式(I)においてR1 〜R5 がそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基であり、nが2でxが0である、ビス(置換)シクロペンタジエニル錯体である。
【0025】
本発明の遷移金属錯体の合成法は、例えば「The Merk Index(11th edition)」No.3985,Merk&Co.,Inc.に記載の方法等により得ることができる。
該遷移金属錯体は、あらかじめ合成された錯体を用いることができるが、反応系中で錯体を形成させてもよい。
【0026】
また本発明の遷移金属錯体触媒には、錯体の原料、合成過程および/または酸化重合過程で、溶媒などが配位していても良い。
【0027】
本発明においては、該触媒を単独でまたは混合して使用することができる。
本発明においては、該触媒は任意の量で用いることができるが、一般的にはフェノール性出発原料に対する遷移金属化合物の量として0.01〜50モル%が好ましく、0.02〜10モル%がより好ましい。
【0028】
(2)フェノール性出発原料
本発明においては、フェノール性出発原料として、下記構造式で表される原料を用いる。
(式中、mは数平均ユニット数を表し、1<mである。)
【0029】
数平均ユニット数m=1の場合、つまりフェノールのみから重合する場合には、たとえ特公昭36−18692号公報および工業化学雑誌,72 巻,10 号,106 (1969) で提案されているようなフェノールのオルト位での反応を妨害する触媒を用いても、得られる重合体はC−C結合構造を含み、オルト位の分岐が多く、融点が観測されないものとなり、有用なポリ−1,4−フェニレンエーテルを製造することが不可能となる。
【0030】
数平均ユニット数mが1より大きい場合の具体例を挙げると、4−フェノキシフェノール、4−(4−フェノキシフェノキシ)フェノール、4−{4−(4−フェノキシフェノキシ)フェノキシ}フェノール等の1,4−フェニレンエーテル構造ユニットを2以上の整数個もつフェノール性化合物、及びこれらの化合物とフェノールから選ばれる少なくとも2種以上の混合物である。4−フェノキシフェノールは市販のものを入手することができ、他の化合物は公知の方法により得ることができる。例えばTetrahedron, 23, 2253 (1967). に記載の方法を例示することができる。
【0031】
数平均ユニット数mは、1.01≦m≦6であることが好ましく、1.05≦m≦2であることがより好ましい。フェノール性出発原料として、4−フェノキシフェノールを用いることがさらに好ましい。
【0032】
(3)酸化重合
本発明において、酸化剤は任意のものが使用されるが、好ましくは酸素またはパーオキサイドが使用できる。酸素は不活性ガスとの混合物であってもよく、空気でもよい。またパーオキサイドの例としては、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、過酢酸、過安息香酸等を示すことができる。酸化剤としてさらに好ましくはハイドロパーオキサイドである。
【0033】
本発明において、酸化剤の使用量に特に限定はなく、酸素を用いる場合は、フェノール性出発原料に対して通常、当量以上大過剰に使用する。パーオキサイドを用いる場合は、フェノール性出発原料に対して通常、当量以上3当量以下を使用するが、当量以上2当量以下を使用するのが好ましい。
【0034】
本発明の反応は、反応溶媒の不在下でも実施することは可能であるが、一般には溶媒を用いることが望ましい。溶媒はフェノール性出発原料に対し不活性でかつ反応温度において液体であれば、特に限定されるものではない。好ましい溶媒の例を示すならば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、シクロヘキサン等の鎖状及び環状の脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール等のアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物類;水等が挙げられる。これらは単独あるいは混合物として使用される。
【0035】
該溶媒を用いる場合は、フェノール性出発原料の濃度が好ましくは0.5〜50重量%、より好ましくは1〜30重量%になるような割合で使用される。
本発明を実施する反応温度は、反応媒体が液状を保つ範囲であれば特に制限はない。溶媒を用いない場合はフェノール性出発原料の融点以上の温度が必要である。好ましい温度範囲は0℃〜180℃であり、より好ましくは0℃〜150℃である。
【0036】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
【0037】
フェノール性出発原料の転化率(Conv. ):
内部標準物質としてジフェニルエーテルを含む反応混合物15mgをサンプリングし、濃塩酸を若干量加えて酸性とし、メタノール2gを加え、測定サンプルとした。このサンプルを、高速液体クロマトグラフィー(ポンプ:ウォーターズ社製600Eシステム、検出器:ウォーターズ社製UV/VIS−486、検出波長:278nm、カラム:YMC社製ODS−AM、展開溶媒:メタノール/水=50:50よりスタートして25分後に100/0となるよう変化させ、その後45分まで保持)により分析し、ジフェニルエーテルを内部標準物質として定量した。
【0038】
重合体の赤外吸収スペクトル分析およびピーク面積定量:
パーキンエルマー社製1600赤外分光光度計(KBr法)を用いて測定した。ピーク面積の定量は解析ソフト(パーキンエルマー社製GRAMS Analyst 1600)を用いて行った。
【0039】
重合体のC−C結合構造量(C-C/C-O ):
赤外吸収スペクトルについて、C−C結合構造ピーク面積を996〜1004cm-1の面積とし、C−O結合構造ピーク面積を996〜1018cm-1の面積からC−C結合構造ピーク面積を差し引いた値とした。重合体のC−C結合量の目安として、C−C結合構造ピーク面積/C−O結合構造ピーク面積により求めた値(C-C/C-O )を用いた。なお、C−C結合構造ピークが観測されない場合は、N.D.と記した。
【0040】
重合体のオルト位分岐量(o/p ):
赤外吸収スペクトルについて、オルト位分岐ピーク面積を960〜986cm-1の面積とした。重合体のオルト位分岐量の目安として、オルト位分岐ピーク面積/パラ位連結C−O結合構造ピーク面積により求めた値(o/p )を用いた。
【0041】
重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw):
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポンプ:ウォーターズ社製600Eシステム、検出器:ウォーターズ社製UV/VIS−484、検出波長:254nm、カラム:ウォーターズ社製Ultrastyragel Linear=2本+1000A=1本+100A=1本、展開溶媒:クロロホルム)により分析し、標準ポリスチレン換算値として重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定した。
【0042】
重合体の融点:
窒素雰囲気下の熱分析(島津社製DSC−50)で、まず10℃/minで室温から300℃まで昇温し(1st scan)、次に−10℃/minで300℃から室温まで降温し、再び10℃/minで室温から350℃まで昇温した(2nd scan)。2nd scanにおいて、100℃以上で10J/g以上の吸熱ピークについて、最高温のピーク温度を融点とした。
【0043】
実施例1
電磁撹拌機を備えた25ml二つ口丸底フラスコに、窒素を充填したゴム風船を取付け、フラスコ内を窒素に置換した。これに、フェロセン(Fe(Cp)2 と記す。)0.030mmolを入れ、4−フェノキシフェノール(4-PhOPhOH )1.2mmolをo−ジクロロベンゼン(o-DCB )3gに溶解したものを加え、さらにt−ブチルハイドロパーオキサイド(tBuOOH)1.8mmolを加えた。内容物を攪拌しながら、フラスコを50℃のウォーターバスで2.5時間保温した。反応終了後、2mmolのNa2SO3を溶解した水溶液を加えた後、メタノール60を加え、沈殿した重合体を濾取した。メタノール10で3回、イオン交換水10で3回、さらにメタノール10mlで3回洗浄し、100℃で5時間減圧乾燥した後、重合体を得た。この重合体の分析結果を表1に示し、赤外吸収スペクトルを図1に示す。
【0044】
比較例1
電磁撹拌機を備えた25ml二つ口丸底フラスコに、酸素を充填したゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素に置換した。これに、塩化第一銅(CuCl)0.030mmolを入れ、フェノール(PhOH)0.6mmolと2,6−ジメチルピリジン(Me2Py )0.030mmolをニトロベンゼン(PhNO2 )1.2gに溶解したものを加えた。内容物を攪拌しながら、フラスコを60℃のウォーターバスで8時間保温した。反応終了後、濃塩酸数滴を加えて酸性にした後、メタノール20mlを加え、沈殿した重合体を濾取した。メタノール10mlで3回洗浄し、100℃で5時間減圧乾燥した後、重合体を得た。この重合体の分析結果を表1に示し、赤外吸収スペクトルを図2に示す。
【0045】
比較例2および3
フェノール性出発原料、触媒、溶媒、反応温度、反応時間を表1に示すように変えた以外は、比較例1と同様にして重合体を得た。表1に結果を示す。なお、teedはN,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、PhMeはトルエンを表す。
【0046】
重合体の融点は、実施例1の重合体は187℃に融点を有していたが、比較例1〜3の重合体は融点が観測されなかった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の特定のフェノール性出発原料を使用し、かつ本発明の触媒を用いた酸化重合方法によって、C−C結合構造がなく、オルト位の分岐も少なく、融点を有し、着色の少ないポリ−1,4−フェニレンエーテルを経済的に製造でき、本発明の工業的価値はすこぶる大である。また、本法で得られる重合体は、C−C結合構造が生成していないことから、架橋構造がないと考えられ、機械特性等の改善も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の重合体の赤外吸収スペクトル。
【図2】比較例1の重合体の赤外吸収スペクトル。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing poly-1,4-phenylene ether.
[0002]
[Prior art]
Poly obtained by oxidative polymerization using a transition metal complex catalyst of 2,6-dimethylphenol (for example, JP-B-63-6091, JP-A-59-131627, etc., can be mentioned in large numbers). -(2,6-dimethylphenylene ether) (hereinafter sometimes abbreviated as PPE) is known to be a useful resin. However, PPE has a drawback that it is difficult to melt-mold with PPE alone because the methyl group substituted on the aromatic ring is susceptible to oxidative degradation, and is generally positioned as a general-purpose engineering plastic as a polymer alloy with polystyrene. .
[0003]
On the other hand, poly-1,4-phenylene ether (hereinafter sometimes abbreviated as PAO) has a melting point of 298 ° C. (glass transition temperature) as described in Europ. Polym. J., 4,275 (1968). Is 83 ° C), which exceeds the melting point of polyphenylene sulfide (285 ° C), generally called super engineering plastics, and is higher than the melting point of polyetheretherketone (334 ° C). Its usefulness is extremely large.
[0004]
As a method for producing PAO, it is described in Europ. Polym. J., 4,275 (1968). Polymerization of sodium salt of p-bromophenol in the presence of a copper catalyst, but the reaction temperature is as high as 200 ° C. And a salt equivalent to the reaction amount is generated.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 59-56426 describes a method for producing PAO by electrolytic oxidation polymerization of phenol. However, since the amount of polymer production per unit time is governed by the electrode surface area, mass production is difficult. there were.
Japanese Patent Publication No. 44-28918 has proposed a method of irradiating 4-phenoxyphenol with light of a specific wavelength in the presence of a photosensitizer, but that phenol is by-produced as the polymerization proceeds, In addition, the problem is that mass production is difficult due to the method using light irradiation.
Furthermore, Japanese Patent Publication No. 44-28917 also proposes a method of heating 4-phenoxyphenol to a temperature at which phenol is distilled, but there is a problem that high temperature is required and phenol is by-produced. It was.
[0005]
As a method for solving these problems, the oxidative polymerization method using a transition metal complex catalyst is an excellent method because the reaction temperature is relatively low and the by-product to be eliminated is water. Examples of the oxidative polymerization method using a transition metal complex catalyst of phenol include Japanese Patent Publication No. 36-18692, Industrial Chemical Journal, Vol. 72, No. 10, 106 (1969), Japanese Patent Publication No. 48-17395, and the like. These methods have a problem that an ortho-position branching or a C—C bond structure occurs.
[0006]
Here, the ortho-position branching means that the benzene ring in the phenol polymer has a 1,2,4-trisubstituted benzene structure, and is a structure that disrupts the originally desired 1,4-disubstituted benzene structure chain. .
The C—C bond structure means that the polymerization of phenol does not occur due to the reaction between the oxygen atom and the benzene ring but occurs due to the reaction between the benzene rings, resulting in a biphenyl structure.
As the number of ortho-branched and C—C bond structures increases, the melting point decreases, and finally PAO becomes an amorphous resin that does not exhibit a melting point, and loses its usefulness as an ultra-high heat resistant resin due to its high melting point.
[0007]
In Japanese Patent Publication No. 36-18692 and Journal of Industrial Chemistry, Vol. 72, No. 10, 106 (1969). In the oxidative polymerization catalyzed by tertiary amines and cuprous salts, the reaction at the ortho position of phenol is hindered. Therefore, it has been proposed to use a tertiary amine having a bulky substituent (2,6-dimethylpyridine or the like is shown). However, even the polymer obtained by this method is not an PAO because it contains a C—C bond structure, is not sufficiently suppressed in ortho-position branching, and is an amorphous resin whose melting point is not observed. It was.
[0008]
On the other hand, Tetrahedron, 23, 2253 (1967). Shows an example in which 4-phenoxyphenol is oxidatively polymerized with cuprous salt and N, N, N ′, N′-tetraethylethylenediamine catalyst. The resulting polymer also had many ortho-position branches and no melting point was observed.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, in the oxidative polymerization method using the current transition metal complex catalyst, many ortho-position branches and C—C bond structures are formed, and useful polymers are not obtained. Therefore, the current problem is to produce a PAO that can exhibit a melting point. That is, an object of the present invention is to provide a method for producing a poly-1,4-phenylene ether having a controlled melting point and having a structure in which no C—C bond structure is formed and there are few ortho-position branches. There is.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
Under such circumstances, the present inventors have conducted intensive research to achieve the above object, and as a result, found an oxidative polymerization method using a specific raw material in the presence of a specific transition metal complex catalyst. It came to complete.
[0011]
That is, the present invention relates to a process for producing poly-1,4-phenylene ether in which a metallocene complex represented by the following general formula (I) is used as a catalyst and a raw material represented by the following structural formula is polymerized in the presence of an oxidizing agent. Is.
(In the formula, M is a transition metal atom of the first transition element group of Groups 4 to 11. R 1 to R 5 are each independently a hydrogen atom, a hydrocarbon group, a substituted hydrocarbon group, or a halogen atom, for the adjacent ones good to form a ring .n is 1 or 2 .n 2, the two R 1 to R 5 each may be the same or different, the R 1 to R 5 Alternatively, two cyclopentadienyl rings may be bonded via a divalent covalent bridging group, X is a counter ion, x is the number of X, and 0 depending on the valence of M. It is an integer of ~ 3.)
(In the formula, m represents the number average unit number, and 1 <m.)
Next, the present invention will be described in detail.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(1) Transition metal complex catalyst The catalyst used in the present invention is a metallocene complex represented by the following general formula (I) .
(In the formula, M is a transition metal atom of the first transition element group of Groups 4 to 11. R 1 to R 5 are each independently a hydrogen atom, a hydrocarbon group, a substituted hydrocarbon group, or a halogen atom, for the adjacent ones good to form a ring .n is 1 or 2 .n 2, the two R 1 to R 5 each may be the same or different, the R 1 to R 5 Alternatively, two cyclopentadienyl rings may be bonded via a divalent covalent bridging group, X is a counter ion, x is the number of X, and 0 depending on the valence of M. It is an integer of ~ 3.)
[0013]
The transition metal atom in the transition metal complex catalyst of the present invention is a group 4-11 transition metal atom in the periodic table of elements (IUPAC Inorganic Chemical Nomenclature Revised Edition 1989). Preferred are transition metal atoms of the first transition element series, and particularly preferred is Fe.
As the valence of the transition metal atom, those normally existing in nature can be appropriately selected and used. For example, in the case of Fe, 2 to 5 valences can be used.
[0014]
Examples of the metallocene complex of the present invention include a complex having a ligand having a cyclopentadienyl skeleton bonded to a transition metal atom by η 5 coordination bond.
In this invention, a ligand refers to the molecule | numerator or ion which has couple | bonded with a certain atom by the coordinate bond as described in a chemical dictionary (1st edition, Tokyo Chemical Dojin, 1989). An atom directly involved in a bond is called a coordination atom.
[0016]
In the general formula (I), R 1 to R 5 are each independently a hydrogen atom, a hydrocarbon group, a substituted hydrocarbon group, or a halogen atom, and adjacent ones may form a ring.
[0017]
As the hydrocarbon group for R 1 to R 5 , an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an aralkyl group, and an aryl group are preferable. Specifically, a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an iso-propyl group, Examples include n-butyl group, iso-butyl group, t-butyl group, pentyl group, cyclopentyl group, hexyl group, cyclohexyl group, octyl group, decyl group, benzyl group, phenyl group, naphthyl group and the like.
[0018]
The substituted hydrocarbon group in R 1 to R 5 is a hydrocarbon group substituted with a halogen atom, an alkoxy group, an amino group, a disubstituted amino group, a nitro group or the like. Specific examples include a trifluoromethyl group, 2 -T-butyloxyethyl group, 3-diphenylaminopropyl group, etc. are mentioned.
[0019]
A halogen atom in R 1 to R 5 is preferably a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom or an iodine atom, more preferably a chlorine atom or a bromine atom.
[0020]
The adjacent R 1 to R 5 may form a ring, but examples of such a ligand having a cyclopentadienyl skeleton include an indenyl group and a fluorenyl group.
[0021]
In the above general formula (I), n is 1 or 2. When n is 2, two R 1 to R 5 may be the same or different, and instead of R 1 to R 5 , two cyclopentadienyl rings are bonded via a divalent covalent bridging group. It may be.
[0022]
Examples of the divalent covalent crosslinking group include a bifunctional hydrocarbon group, a substituted hydrocarbon group, a silicon-containing group, a nitrogen-containing group, a phosphorus-containing group, an oxo group, a thio group, and the like. Is a hydrocarbon group such as a methylene group, a 1,2-ethylene group, a dimethylmethylene group, a diphenylmethylene group or the like, a cycloalkylene group such as a 1,2-cyclopentylene group or a 1,2-cyclohexylene group, An arylene group such as a phenylene group and a naphthylene group can be exemplified, and a silicon-containing group can include a dimethylsilylene group, a diethylsilylene group, a diphenylsilylene group and the like, and a nitrogen-containing group can include N (methyl), N (Iso-propyl), N (phenyl) and the like, and phosphorus-containing groups include P (methyl), P (iso-propyl), P (phenyl) And the like can be given. Preferred are a methylene group, a dimethylmethylene group, a diphenylmethylene group, a dimethylsilylene group, a diphenylsilylene group, and an oxo group.
[0023]
In the above general formula (I), X is a counter ion. Examples of counter ions include Bronsted acid conjugate bases. Specific examples include fluoride ions, chloride ions, bromide ions, iodide ions, sulfate ions, nitrate ions, carbonate ions, perchlorate ions, Tetrafluoroborate ion, hexafluorophosphate ion, methanesulfonate ion, trifluoromethanesulfonate ion, toluenesulfonate ion, acetate ion, trifluoroacetate ion, propionate ion, benzoate ion, hydroxide ion, oxide Ions, methoxide ions, ethoxide ions, and the like.
x is the number of X and is an integer of 0 to 3 depending on the valence of M.
[0024]
Preferably, it is a bis (substituted) cyclopentadienyl complex in which R 1 to R 5 are each independently a hydrogen atom or a hydrocarbon group, n is 2 and x is 0 in the above general formula (I).
[0025]
The method for synthesizing the transition metal complex of the present invention is described in, for example, “The Mark Index (11th edition)” 3985, Merk & Co. , Inc. Or the like.
As the transition metal complex, a previously synthesized complex can be used, but the complex may be formed in the reaction system.
[0026]
Further, the transition metal complex catalyst of the present invention may be coordinated with a solvent or the like in the complex raw material, synthesis process and / or oxidative polymerization process.
[0027]
In the present invention, these catalysts can be used alone or in combination.
In the present invention, the catalyst can be used in any amount, but in general, the amount of the transition metal compound relative to the phenolic starting material is preferably 0.01 to 50 mol%, preferably 0.02 to 10 mol%. Is more preferable.
[0028]
(2) Phenolic starting material In the present invention, a raw material represented by the following structural formula is used as the phenolic starting material.
(In the formula, m represents the number average unit number, and 1 <m.)
[0029]
In the case of the number average unit number m = 1, that is, when polymerizing only from phenol, as proposed in Japanese Patent Publication No. 36-18692 and Journal of Industrial Chemistry, Vol. 72, No. 10, 106 (1969) Even when a catalyst that interferes with the reaction at the ortho position of phenol is used, the resulting polymer contains a C—C bond structure, has many branches at the ortho position, and no melting point is observed. It becomes impossible to produce phenylene ether.
[0030]
Specific examples of the case where the number average unit number m is larger than 1 include 1, 4-phenoxyphenol, 4- (4-phenoxyphenoxy) phenol, 4- {4- (4-phenoxyphenoxy) phenoxy} phenol, and the like. A phenolic compound having an integer of two or more 4-phenylene ether structural units, and a mixture of at least two selected from these compounds and phenol. 4-Phenoxyphenol can be obtained commercially, and other compounds can be obtained by known methods. For example, the method described in Tetrahedron, 23, 2253 (1967) can be exemplified.
[0031]
The number average unit number m is preferably 1.01 ≦ m ≦ 6, and more preferably 1.05 ≦ m ≦ 2. More preferably, 4-phenoxyphenol is used as the phenolic starting material.
[0032]
(3) Oxidative polymerization In the present invention, any oxidizing agent may be used, but preferably oxygen or peroxide can be used. The oxygen may be a mixture with an inert gas or air. Examples of peroxides include hydrogen peroxide, t-butyl hydroperoxide, di-t-butyl peroxide, cumene hydroperoxide, dicumyl peroxide, peracetic acid, perbenzoic acid and the like. More preferred as an oxidizing agent is hydroperoxide.
[0033]
In the present invention, the amount of the oxidizing agent to be used is not particularly limited. When oxygen is used, it is usually used in an excessive amount equivalent to or larger than the phenolic starting material. In the case of using a peroxide, an equivalent amount of 3 equivalents or less is usually used with respect to the phenolic starting material, but it is preferable to use an equivalent amount of 2 equivalents or less.
[0034]
Although the reaction of the present invention can be carried out in the absence of a reaction solvent, it is generally desirable to use a solvent. The solvent is not particularly limited as long as it is inert to the phenolic starting material and is liquid at the reaction temperature. Examples of preferred solvents include aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene and xylene; chain and cyclic aliphatic hydrocarbons such as heptane and cyclohexane; halogenated hydrocarbons such as chlorobenzene, dichlorobenzene and dichloromethane; acetonitrile Nitriles such as benzonitrile; alcohols such as methanol, ethanol, n-propyl alcohol and iso-propyl alcohol; ethers such as dioxane, tetrahydrofuran and ethylene glycol dimethyl ether; N, N-dimethylformamide, N-methylpyrrolidone and the like Amides; nitro compounds such as nitromethane and nitrobenzene; water and the like. These are used alone or as a mixture.
[0035]
When the solvent is used, the concentration of the phenolic starting material is preferably 0.5 to 50% by weight, more preferably 1 to 30% by weight.
The reaction temperature for carrying out the present invention is not particularly limited as long as the reaction medium is kept in a liquid state. When no solvent is used, a temperature higher than the melting point of the phenolic starting material is required. A preferred temperature range is 0 ° C to 180 ° C, more preferably 0 ° C to 150 ° C.
[0036]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples, but the scope of the present invention is not limited by these examples.
[0037]
Conversion of phenolic starting material (Conv.):
15 mg of a reaction mixture containing diphenyl ether as an internal standard substance was sampled, acidified by adding a small amount of concentrated hydrochloric acid, and 2 g of methanol was added to prepare a measurement sample. This sample was subjected to high performance liquid chromatography (pump: 600E system manufactured by Waters, detector: UV / VIS-486 manufactured by Waters, detection wavelength: 278 nm, column: ODS-AM manufactured by YMC, developing solvent: methanol / water = Starting from 50:50, it was changed to 100/0 after 25 minutes, and then maintained until 45 minutes), and diphenyl ether was quantified as an internal standard substance.
[0038]
Infrared absorption spectrum analysis and peak area quantification of polymers:
It measured using the Perkin-
[0039]
Polymer C—C bond structure (CC / CO 2):
For the infrared absorption spectrum, the C—C bond structure peak area was 996 to 1004 cm −1 , and the C—O bond structure peak area was subtracted from the 996 to 1018 cm −1 area from the C—C bond structure peak area. It was. As a measure of the C—C bond amount of the polymer, the value (CC / CO 2) obtained from the C—C bond structure peak area / C—O bond structure peak area was used. In addition, when a CC bond structure peak was not observed, it described as ND.
[0040]
Ortho branching amount of polymer (o / p):
For the infrared absorption spectrum, the ortho-position branching peak area was 960 to 986 cm −1 . As a measure of the ortho-position branching amount of the polymer, the value (o / p) obtained from the ortho-position branching peak area / para-position-linked C—O bond structure peak area was used.
[0041]
Number average molecular weight (Mn) and weight average molecular weight (Mw) of the polymer:
Gel permeation chromatography (pump: Waters 600E system, detector: Waters UV / VIS-484, detection wavelength: 254 nm, column: Waters Ultrastyragel Linear = 2 lines + 1000A = 1 line + 100A = 1 line, Analyzing with a developing solvent: chloroform), the weight average molecular weight (Mw) and the number average molecular weight (Mn) were measured as standard polystyrene conversion values.
[0042]
Polymer melting point:
In thermal analysis under a nitrogen atmosphere (DSC-50 manufactured by Shimadzu Corporation), the temperature is first raised from room temperature to 300 ° C. at 10 ° C./min (1st scan), and then the temperature is lowered from 300 ° C. to room temperature at −10 ° C./min The temperature was raised again from room temperature to 350 ° C. at 10 ° C./min (2nd scan). In the 2nd scan, for the endothermic peak at 100 ° C. or higher and 10 J / g or higher, the highest peak temperature was taken as the melting point.
[0043]
Example 1
A rubber balloon filled with nitrogen was attached to a 25 ml two-necked round bottom flask equipped with a magnetic stirrer, and the inside of the flask was replaced with nitrogen. To this was added 0.030 mmol of ferrocene (Fe (Cp) 2), and 1.2 mmol of 4-phenoxyphenol (4-PhOPhOH) dissolved in 3 g of o-dichlorobenzene (o-DCB) was added. Further, 1.8 mmol of t-butyl hydroperoxide (tBuOOH) was added. While stirring the contents, the flask was kept warm in a 50 ° C. water bath for 2.5 hours. After completion of the reaction, an aqueous solution in which 2 mmol of Na 2 SO 3 was dissolved was added, methanol 60 was added, and the precipitated polymer was collected by filtration. After washing 3 times with methanol 10, 3 times with ion-exchanged water 10 and 3 times with 10 ml of methanol and drying under reduced pressure at 100 ° C. for 5 hours, a polymer was obtained. The analysis results of this polymer are shown in Table 1, and the infrared absorption spectrum is shown in FIG.
[0044]
Comparative Example 1
A rubber balloon filled with oxygen was attached to a 25 ml two-necked round bottom flask equipped with a magnetic stirrer, and the inside of the flask was replaced with oxygen. To this was added 0.030 mmol of cuprous chloride (CuCl) and 0.6 mmol of phenol (PhOH) and 0.030 mmol of 2,6-dimethylpyridine (Me2Py) dissolved in 1.2 g of nitrobenzene (PhNO2). It was. While stirring the contents, the flask was kept in a 60 ° C. water bath for 8 hours. After completion of the reaction, the reaction mixture was acidified with a few drops of concentrated hydrochloric acid, 20 ml of methanol was added, and the precipitated polymer was collected by filtration. After washing three times with 10 ml of methanol and drying under reduced pressure at 100 ° C. for 5 hours, a polymer was obtained. The analysis results of this polymer are shown in Table 1, and the infrared absorption spectrum is shown in FIG.
[0045]
Comparative Examples 2 and 3
A polymer was obtained in the same manner as in Comparative Example 1 except that the phenolic starting material, catalyst, solvent, reaction temperature, and reaction time were changed as shown in Table 1. Table 1 shows the results. Here, teed represents N, N, N ′, N′-tetraethylethylenediamine, and PhMe represents toluene.
[0046]
Regarding the melting point of the polymer, the polymer of Example 1 had a melting point of 187 ° C., but no melting point was observed for the polymers of Comparative Examples 1 to 3.
[0047]
[Table 1]
[0048]
【The invention's effect】
As described above, the oxidative polymerization method using the specific phenolic starting material of the present invention and using the catalyst of the present invention has no C—C bond structure, few ortho-position branches, and a melting point. In addition, it is possible to economically produce poly-1,4-phenylene ether with little coloration, and the industrial value of the present invention is extremely great. Moreover, since the polymer obtained by this method does not have a C—C bond structure, it is considered that there is no crosslinked structure, and improvement in mechanical properties and the like can be expected.
[Brief description of the drawings]
1 is an infrared absorption spectrum of the polymer of Example 1. FIG.
2 is an infrared absorption spectrum of the polymer of Comparative Example 1. FIG.
Claims (4)
(式中、Mは第4〜11族の第一遷移元素系列の遷移金属原子である。R 1 〜R 5 はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、置換炭化水素基またはハロゲン原子であり、隣接するものどうしが環を形成してもよい。nは1または2である。nが2の場合、それぞれ2つのR 1 〜R 5 は同一でも異なっていてもよく、R 1 〜R 5 のかわりに2価の共有架橋基を介して2つのシクロペンタジエニル環を結合していてもよい。Xはカウンターイオンである。xはXの個数であり、Mの価数に応じて、0〜3の整数である。)
(式中、mは数平均ユニット数を表し、1<mである。) A process for producing poly-1,4-phenylene ether, wherein a raw material represented by the following structural formula is polymerized in the presence of an oxidizing agent using a metallocene complex represented by the following general formula (I) as a catalyst.
(In the formula, M is a transition metal atom of the first transition element series of Groups 4 to 11. R 1 to R 5 are each independently a hydrogen atom, a hydrocarbon group, a substituted hydrocarbon group, or a halogen atom, for the adjacent ones good to form a ring .n is 1 or 2 .n 2, the two R 1 to R 5 each may be the same or different, the R 1 to R 5 Alternatively, two cyclopentadienyl rings may be bonded via a divalent covalent bridging group, X is a counter ion, x is the number of X, and 0 depending on the valence of M. It is an integer of ~ 3.)
(In the formula, m represents the number average unit number, and 1 <m.)
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