JP4618267B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は金属膜の研磨方法に関し、特に半導体装置の配線工程における半導体装置の製造方法に関する。
近年、半導体集積回路(以下LSIと記す)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下CMPと記す)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成において頻繁に利用される技術である。
この技術は、例えば特許文献1に開示されている。
また、最近はLSIの高速性能化を達成するために、配線材料を従来のアルミニウム合金から低抵抗の銅合金を利用しようとすることが試みられている。しかし、銅合金はアルミニウム合金配線の形成で頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難である。そこで、加工して溝の形成された絶縁膜上に銅合金薄膜を堆積し、溝内に埋め込まれた部分以外の銅合金薄膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン法が主に採用されている。この技術は、例えば特許文献2に開示されている。
配線に用いられる銅合金等の金属のCMPに用いられる研磨剤は、固体砥粒と酸化性物質を主成分とするものが一般的である。酸化性物質の酸化作用で金属表面を酸化しながら、固体砥粒によってその酸化物を機械的に除去するのが基本的なCMPのメカニズムである。これに関しては、非特許文献1に開示されている。
固体砥粒としては、数10〜数100nmの粒子径を持つアルミナ砥粒やシリカ砥粒が知られているが、一般に市販されている金属研磨用の固体砥粒のほとんどは前者である。
酸化性物質としては、過酸化水素(H22)、硝酸第二鉄(Fe(NO33)、
過ヨウ素酸カリウム(KIO3)が一般に広く用いられており、これらは例えば、上記の非特許文献1に開示されている。
米国特許No.4944836 特開平2−278822号公報 株式会社サイエンスフォーラム発行 柏木正弘編集「CMPのサイエンス」1997年8月20日発行 第299頁から第300頁
しかしながら、従来の金属膜研磨用の固体砥粒を主成分として含む研磨剤を用いてCMPにより配線及びプラグを形成する場合、以下の(1)〜(8)に挙げる問題が発生している。
(1)絶縁膜に形成された溝の内部に埋め込まれる金属配線の表面中央部分が周辺部分よりも過剰に研磨されて凹む現象(以後ディシングと記す)や配線部周囲の絶縁膜表面が研磨される現象(以後エロージョンと記す)が発生する(図5(a)(b))。
本来、金属膜研磨用の研磨剤の金属/絶縁膜の選択比は10以上とかなり高いものであるが、この値は平坦な金属膜のみが形成されたウエハと平坦な絶縁膜のみが形成されたウエハを用いてそれぞれ別々にCMPを行い、両者の研磨速度の比をとって得られたものである。
しかし、配線パターンとなる溝が形成された絶縁膜上に金属膜が堆積されたウエハのCMPでは、局所的に過剰に研磨される箇所が発生することが知られている
。これは、CMP前のウエハ表面には配線パターンとなる溝を反映した凹凸が金属膜の表面に生じており、CMPを行う場合にパターン密度に応じて局所的に高い圧力がかかり、その部分の研磨速度が速くなるためである。
したがって、ディシングやエロージョンは金属部分の面積が広いパッド(0.1mm角程度の面積)や密集配線パターンで顕著な問題となる。これらは、ジャーナルオブ・エレクトロケミカル・ソサエテイ第141巻第10号、1994年10月、第2842頁〜第2848頁(J.Electrochem.Soc.Vol.141,No.10,October 1994,p.2842〜p.2848)に記載されている。
(2)研磨用の固体砥粒によりスクラッチ(研磨傷)が発生する。特に、金属研磨の砥粒の主材料であるアルミナは絶縁膜の主材料である酸化シリコンよりも硬度が高い。そのため、配線用金属膜の表面だけでなくCMPによって露出した絶縁膜の表面にもスクラッチが発生する。絶縁膜表面のスクラッチには研磨剤が残留して重金属イオン汚染による半導体素子の動作不良が生じたり、上層配線の加工形状に影響を与え短絡不良を発生させたりする。また、金属膜表面のスクラッチは導通不良やエレクトロマイグレーション耐性の劣化の原因となる。
スクラッチを防ぐために研磨荷重や定盤回転数を低くしてCMPを行う方法が取られている。しかし、銅のような軟質金属ではこの方法でもスクラッチを防ぐことは難しい。
軟質研磨布を用いることによりスクラッチを低減できるが、ディシングやエロージョンが大きくなりCMP後の平坦性は劣化する。そこで硬質研磨布で途中までCMPを行った後、軟質研磨布で仕上げ研磨を行う2段階CMPも提案されている。しかしながら、この場合スループットが低下するという新たな問題が生じる。
(3)CMPを行うと研磨砥粒と金属膜表面の間に高い摩擦力が生じるため、金属膜と下地絶縁層との間や、下地絶縁層内の塗布ガラス(以下SOGという)と化学気相蒸着(以下CVDという)酸化膜の間ではがれが発生する。はがれ防止策として研磨荷重や定盤回転数を低くする方法もあるが、完全に防止しようとすると研磨速度が下がり研磨時間が長くなるため実用的ではない。また、軟質研磨布を用いると解決する場合もあるが、ディシングやエロージョンが大きくなり、CMP後の平坦性が劣化する。
(4)CMP直後のウエハ表面には研磨砥粒が多数残留するために、次工程を行う前に洗浄を行い、規定値以下(例えば0.2マイクロメートル以上の異物数がウエハ当たり100個以下)まで異物数を取り除かなければならない。このためには化学的な洗浄だけでなく機械的な洗浄を併用する洗浄機を必要とした。
その洗浄技術は図11に示すように非常に複雑であり、主に薬液を併用したブラシ洗浄とメガソニック洗浄が行われている。ブラシ材料は金属膜表面を傷つけない特殊な材料でなくてはならず、薬液としては例えば水酸化アンモニウムやフッ酸水溶液等が用いられる。
メガソニック洗浄は800kHz以上の高周波振動を洗浄液に加えて砥粒を基体から遊離させる洗浄方法であり、従来の超音波振動(40kHz)による洗浄方法よりも強力な洗浄手段である。この洗浄においては砥粒が基体から遊離するに足るだけのエネルギーもしくは力を加える必要がある。一方、金属膜や絶縁膜に損傷を与えない範囲に出力を設定しなければならない。以上のようなCMP後洗浄プロセスの例としては、例えば「月刊セミコンダクターワールド(Semiconductor World)」1995年5月号の172頁に開示されている。
(5)CMPに用いる消耗品のコストが高い。これは研磨剤で用いる砥粒の製造コストが高く、粒子サイズを揃えるためにも極めて注意を要するからである。特にアルミナ砥粒はシリカ砥粒に比べて数倍高価である。
また、研磨布は一般的に発泡ポリウレタンが用いられている。CMPを行うと、
この研磨布に研磨砥粒が付着して、いわゆる”目詰まり”現象を起こして研磨速度が低下する。
これを防止するために適宜ダイヤモンド粒子を固着させた砥石(以下コンディショナと記す)で研磨布表面を削る必要があった。そのため研磨布の寿命は短くなり、研磨砥粒に次ぐ高コストの消耗品となっていた。CMPプロセスのコストに関しては、例えばリアライズ社最新技術講座1996年5月「CMP装置と関連材料の最新動向とその問題点」に記載されている。
(6)CMP関連装置及び設備の問題として、上記のCMP装置や後洗浄装置以外にも研磨剤供給装置、研磨剤を含む廃液の処理装置が必要となり、CMP設備全体にかかるコストが非常に高いものになっていた。研磨剤供給装置では砥粒の沈殿を防止するための攪拌装置も必要とし、配管内にも沈殿しないように常に研磨剤を循環するような機構も必要とした。その廃液処理コストも高く、再利用技術も必要とされている。
(7)CMP工程全体のスループットが低いことも問題である。CMP装置内では上記の研磨布のコンディショニング、金属膜等を研磨する1次CMPと露出した絶縁膜表面のダメージ層等を除去する2次CMP(バフ研磨)を行うことが一般的である。上記の後洗浄装置はブラシ洗浄があるため、通常ウエハを枚葉で洗浄する。したがってCMP工程全体のスループットは半導体装置製造工程中で最も低い状況となっている。CMP工程全体のプロセス例としては、例えば「月刊セミコンダクターワールド(Semiconductor World)」1995年5月号の172頁に詳しく記載されている。
(8)CMP装置は発塵の原因となる研磨砥粒を多量に使用しているにもかかわらず、クリーンルーム内に設置しなければならないという問題がある。CMP装置に排気ダクト等の発塵を抑制する機構を設け、クリーンルーム内に特別の部屋を設置するなどしてクリーン度を維持する必要があり、そのためのコストもかかる。
上記の問題点は全て高濃度の研磨砥粒を含む研磨剤によってCMPを行うことが原因となっている。しかし、従来のCMPの方法は酸化性物質によって金属表面を酸化し、この酸化層を研磨砥粒によって機械的に除去することによって新たに露出した金属表面を再度酸化して、酸化層の形成/機械的除去を繰り返して研磨速度を上げていた。すなわち、研磨砥粒は酸化層を速やかに除去すべく機械的除去効果を生じさせるために必要であり、研磨砥粒を加えないと実用的な研磨速度に達しなかった。
特開平7−233485公報には、研磨砥粒を添加しない研磨液(0.1重量%のアミノ酢酸と13重量%の過酸化水素)でCMPを実施した比較例が記載されている。この場合の研磨速度は10nm/minで、アルミナ研磨砥粒を添加した研磨液の約1/10、シリカ研磨砥粒を添加した研磨液の約2/7の研磨速度であることが記載されている。
図2は前記公報に基づいて追試を行った結果である。これは前記公報の結果を再現するために、0.1重量%のアミノ酢酸と過酸化水素を含有した研磨液(砥粒は含まない)で、研磨速度とエッチング速度の過酸化水素水濃度依存性を測定したものである。なお、図2では30%過酸化水素水の濃度で図示しており、前記公報に記載の図面と対応させるには0.3倍して換算すればよい。研磨布としてはロデール社の硬質布IC1000を用いた。定盤(定盤直径:340mm)とホルダの回転数はともに60rpm、研磨荷重は220g/cm2とした(本発明のCMP条件と同一にした)。図2の結果から、砥粒を含まない場合にはせいぜい20nm/minで実用的な研磨速度が得られないことが分かる。過酸化水素濃度が低いとエッチング速度が速く研磨の安定性が悪くなる。一方、過酸化水素濃度を高めれば安定性は増すが研磨速度が著しく低くなり処理能力の点では不利である。
さらに詳細に調べると、静水液エッチング速度(攪拌しない研磨液に静止した試料を浸した際のエッチング速度)が過酸化水素水の高濃度側でも完全に0にはならないことも分かった。また研磨液を攪拌して同様にエッチング速度(攪拌液エッチング速度:CMP中のエッチング速度に近い)を測定すると、エッチング速度が増加して研磨速度の1/2倍を超えることが分かる。
したがって、砥粒を含有させることによって研磨速度を上げ、研磨速度と攪拌エッチング速度の比(以下、速度比と記す)を高めないと研磨液として使用できないことが分かった。速度比が低いと研磨面に接していない凹部でのエッチングが進行し平坦性が損なわれる。実際にこれら過酸化水素水の濃度を変えた研磨液を用いてCMPを行った結果、40分から1時間30分の研磨時間を要した。
形成された銅配線の断面図を図22に示す。シリコン酸化膜の加工溝に残されるはずの銅はほとんどがエッチングされて溶出し、蛇行配線(配線幅0.3マイクロメートルから3マイクロメートル、長さ40mm)を用いて導通試験を行った結果、歩留まりは0%であった。したがって、これをLSI配線として用いることはできなかった。これは研磨速度が遅いために、長い研磨時間の間にエッチングが進行したことが原因である。
アミノ酢酸の濃度を上げれば研磨速度は上がるが、同時に攪拌エッチング速度も上がり、上記の結果と同様になる。エッチングを抑制するには、水酸化カリウムを添加して研磨液をpH10.5のアルカリ性にすればよいことが前記公報に記載されている。しかし、水酸化カリウムはシリコン酸化膜をエッチングするために選択比が低下し、エロージョンが発生するという問題が生じる。さらに残留したカリウムイオンが絶縁膜中を拡散して、半導体素子の特性劣化を引き起こすという問題が生じる。
以上のような問題は、アミノ酢酸自体が酸化銅を水溶性化する特性が低いことに起因している。これは図9に示したpH−酸化還元電位図(M.プールベイ、「アトラスオブ・エレクトロケミカル・イクイリブリア・イン・アクエアス・ソリューション」(M.Pourbaix,「Atlas of Electrochemical Equilibria in Aqueous Solutions」)1975年NACE発行の第387頁に開示されている。)からわかるように、銅が銅イオンとして水溶性化する範囲(腐食域)がpH7以下であるのに対して、アミノ酢酸は中性でその効果が弱いからである。
図26に銅の腐食域と不働態域における腐食速度(エッチング速度)の違いを示した。実線は図9において酸化還元電位が等しい場合の腐食速度を示したものである。代表例として、腐食域ではクエン酸と過酸化水素水を混合した研磨液、不働態域ではアミノ酢酸と過酸化水素水を混合した研磨液の腐食速度をプロットした。両研磨液は等モル比で作製して比較した。このように腐食域では不働態域と比較して非常に速い速度で銅が水溶性化されてイオン化される。
この点に関しては、1996年CMP−MICコンファレンス予稿集,第123頁にも記載されている。実際にアミノ酢酸は酸化銅をエッチングする効果がないことが前記論文に記載されているが、酸化銅を水溶性化する効果がないと、CMPを行った後に露出した絶縁膜上に酸化銅が残り、配線間の電気的短絡の原因となる。なお、砥粒を含む研磨剤であれば機械的作用により酸化銅は容易に除去される。
また従来からある金属のエッチング液は上記の腐食域にあるが、これをそのままLSI多層配線形成用のCMP研磨液として用いることができるとは限らない。
CMP研磨液では逆にエッチング速度が遅い方が適しているからである。例えば、砥粒加工学会誌、1997年、第41巻、第1号、第231頁から第233頁に硝酸水溶液を用いた銅表面の研磨実験に関して記載されている。砥粒がないと研磨速度が低くなるものの、スクラッチの発生がないために研磨液として適していると述べられているが、この研磨液のエッチング速度は調べられておらず、配線構造の形成もなされていない。実際にこの研磨液の追試を行った結果、1%硝酸水溶液の銅の静水液エッチング速度は50nm/minであり、上記学会誌に記載の研磨速度約80nm/minに対して十分に大きな比が取れなかった。さらに埋め込み配線を形成するためにCMPを行うと、配線部分として残すべき部分の銅もエッチングされてほとんど消失してしまった。このようにエッチング速度が制御されていない研磨液では研磨を行うことはできるが、埋め込み配線を形成することはできない。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、(1)埋め込み配線形成時のデ
ィシングやエロージョンの発生の抑制、(2)スクラッチや(3)はがれ等の損
傷の低減、(4)CMP後洗浄の簡素化、(5)研磨液と研磨布のコスト低減、
(6)研磨剤供給/処理設備の簡素化、(7)高スループット化、(8)低発塵化
の少なくとも1つを実現することのできる研磨方法や半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的は金属膜の研磨方法において、研磨砥粒を含まない又含むとしても1重量%未満の低濃度の研磨砥粒を含み、pH及び酸化還元電位が金属膜の腐食域である研磨液を用いて、金属膜表面を機械的に摩擦することにより達成される。必要に応じて腐食を抑制する物質(防食性物質)を研磨液に添加しても良い。
上記目的は、酸化性物質(金属の電子を奪い原子価を高める作用のある物質)と、酸化物を水溶性化する物質とを含む研磨液1を用いて、金属膜表面を機械的に摩擦することにより達成される。なお、この場合、Cu、W、Ti、TiN、Al等の金属膜に適用できる。
上記目的は前記金属を水溶性化する物質を含む研磨液2を用いて、金属膜表面を機械的に摩擦することにより達成される。なお、この場合は主にイオン化傾向が水素よりも低い金属であるAl等の金属膜に適用できる。前記金属を水溶性化する物質としては塩酸や有機酸等の酸もしくは水酸化アンモニウム等のアルカリが挙げられる。また、イオン化傾向が水素よりも高い銅も、前記金属を水溶性化する物質として水酸化アンモニウムを用いることにより上記目的は達成される。
上記研磨液のpH及び酸化還元電位が金属の腐食域であることにより前記金属を水溶性化することが可能になり、研磨基板表面に露出した絶縁膜表面での金属の残留を低減することができる。各金属の腐食域は前記プールベイのpH−酸化還元電位図に記載されている。例えば銅の場合、図9に示したようにpH<7、酸化還元電位>0.2であればCu2+イオンとして溶解する。もしくは、pH>12.5のアルカリ域であればCuO22-イオンとして溶解する。従って、銅を研磨する場合にはいずれかの腐食域にすることが望ましい。
但し、前記プールベイ図はH2O系であり、他の反応物が研磨液に含まれている場合はpH−酸化還元電位図内の腐食域の占める範囲は変化する。本発明で示す腐食域は、そのような添加物も含めて研磨液が金属を腐食するpH及び酸化還元電位の範囲にある物質を含むかどうかで定義する。研磨液に腐食性物質と防食性物質の両者を含む場合は、前者が本発明で示す腐食域に入る。
上記の物質が含まれた研磨液1でCMPを行うと、まず金属表面が酸化性物質によって酸化され、表面に薄い酸化層が形成される。次に酸化物を水溶性化する物質が供給されると前記酸化層が水溶液となって溶出して前記酸化層の厚さが減る。酸化層が薄くなった部分は再度酸化性物質に晒されて酸化層の厚さが増し、この反応を繰り返してCMPが進行する。その際、図4(a)に示したような金属表面の凸部50は常に研磨布の機械的摩擦を受けるため、表面の反応生成物は除去され易く、かつ局所的に加熱されるために反応が促進され、上記の酸化/水溶性化の繰り返し反応は凹部49よりも速く進行する。すわなち、凸部50の研磨速度は速くなり平坦化される。
防食性物質は金属表面に付着して凹部の反応を抑制し、最終的に平坦性を向上する効果がある。防食性物質を添加しても研磨液がプールベイ図の腐食域にあれば、研磨布の摩擦によって防食性物質が除去された金属表面の凸部で前記の反応が進行し、最終的に平坦化される。すなわち、研磨液が腐食性と防食性の両者を兼ね備え、研磨布の機械的摩擦によって両者の効果をCMP中に制御する点が重要である。防食性物質の研磨液への添加濃度は、金属表面の凸部に付着した防食性物質が研磨布の機械的摩擦によって除去される程度で良い。添加濃度の目安として、研磨速度を50nm/min以上に保ち、かつ攪拌エッチング速度が数nm/min以下であることが望ましい(速度比が50程度)。それ以上の濃度で
添加するとCMP速度が低下することがある。但し、無添加で研磨速度が十分に高く、かつエッチング速度が数nm/min以下と小さい場合には、防食性物質を添加しなくても平坦性よく研磨することができる。
従来のCMPの方法が酸化性物質によって金属表面を酸化し、この酸化層を研磨砥粒によって機械的に除去することによって研磨速度を上げていたのに対して、本発明では研磨砥粒濃度を低減する代わりに、酸化物を水溶性化する物質を添加することによって、実質的に研磨布の機械的摩擦のみで実用的な研磨速度を得る。
上記の(1)から(8)の目的は、以下の研磨砥粒濃度範囲で達成される。
上記の(1)ディシングとエロージョンを抑制する目的は、上記の研磨砥粒の濃度を0.05重量%以下にすることにより達成される。
上記の(2)絶縁膜表面に発生するスクラッチを低減する目的は、上記の研磨砥粒の濃度を1重量%未満にすることにより達成される。
上記の(2)金属膜表面に発生するスクラッチを低減する目的は、上記の研磨砥粒の濃度を0.1重量%以下にすることにより達成される。
上記の(3)はがれを低減する目的は、上記の研磨砥粒の濃度を0.5重量%以下にすることによって達成される。
上記の(4)洗浄性を向上する目的は、上記の研磨砥粒の濃度を0.01重量%以下にすることによって達成される。
上記の(5)研磨液と研磨布のコストを低減する目的は、上記の研磨砥粒の濃度を0.001重量%以下にすることによって達成される。
上記の(6)研磨剤供給/処理設備の問題を解決する目的は、上記の研磨砥粒の濃度を0.0001重量%以下にすることによって達成される。
上記の(7)スループットを向上する目的は、上記の研磨砥粒の濃度を0.01重量%以下にすることによって達成される。
上記の(8)発塵を抑制する目的は、上記の研磨砥粒を添加しないことによって達成される。
上記の酸化性物質としては過酸化水素が金属成分を含まず、かつ強酸ではないため最も望ましい。硝酸第二鉄及び過ヨウ素酸カリウムは金属成分を含むが酸化力が強いために研磨速度を高くする効果がある。
上記の酸化物を水溶性化する物質としては酸があり、金属イオン(例えばCu2+表的なものである。
また、有機酸もしくはその塩は毒性が低く研磨液として扱い易い。例えば、クエン酸、フタル酸、酢酸、乳酸、酒石酸に代表される有機酸及びそれらの塩が挙げられる。塩は溶解度を高める効果があり、金属成分を含まないもの、例えばアンモニウム塩、もしくは半導体素子に悪影響を及ぼさない元素(例えばアルミニウム等)を含むものが望ましい。
上記の酸のうち、クエン酸は食品添加物としても一般に使用されており、毒性が低く、廃液としての害も低く、臭いもなく、水への溶解度も高いために本発明の研磨液に使用する酸として望ましい。
フタル酸は水への溶解度が低いために塩にすることが望ましい。但し、塩にしてpHが変化しても研磨液を金属の腐食域に保つようにする必要がある。例えばフタル酸を銅の研磨液として用いる場合、フタル酸分子内の2個のカルボキシル基のうち、一つのみを置換したフタル酸水素塩であれば水への溶解度が増加し、かつpHを酸性(腐食域)に保つことができるため研磨液として適している。2個のカルボキシル基を置換したフタル酸塩では研磨液はほぼ中性になり、CMP速度が低下する。他の有機酸に関しても同様である。
上記の酸化性物質と酸化物を水溶性化する物質は、両者の作用を合わせ持つ薬剤であれば1種類でも構わない。例えば銅を溶解する硝酸はその例である。添加薬液が少なくなることにより研磨液作製に要する時間とコストを下げることが可能になる。酸化力を高めるために過酸化水素のような他の酸化性物質を混合することもできる。
また、上記の酸化物を水溶性化する物質として水酸化アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウムのいずれかを含むものでもよい。研磨液にアンモニウムイオンが含まれている場合には、上に示したように腐食域が変化し、pH>4.5であってもCu(NH32+イオンとして銅を溶解させる作用がある。なお、Cu−NH3−H2O系に関するpH−酸化還元電位図は、例えばジャーナルオブ・エレクトロケミカル・ソサエテイー、142巻、7号、1995年7月、第2381頁(J.Electrochem.Soc.Vol.142,No.7,July、1995、p.2381)に記載されている。
酸化やエッチングを抑制する物質としては、防食性物質及び界面活性剤が挙げられる。研磨液中に混合することでエッチングが抑制され、かつ十分な研磨速度が得られる物質であれば良い。特に銅合金の防食性物質としてはベンゾトリアゾール(以下BTAと記す)が最も効果が大きい。他に実用上使えるものとしては、トリルトリアゾール(以下TTAと記す)、BTAカルボン酸(以下BTA−COOHと記す)等のBTAの誘導体、シスチン、ハロ酢酸、グルコース、ドデシルメルカプタン等も防食効果がある。
上記の機械的摩擦を加える手段は1重量%以上の研磨砥粒を研磨液に供給しない研磨布を用いることができる。研磨布の最適硬度はCMPを行う対象物によって異なるが、例えば0.1mm角の銅電極パターンをダマシン法によって形成し、そのディシングの許容量が100nm以下である場合は、CMPを行う荷重で研磨布を0.1mm角の開口部に押し付けた際に、その開口部から研磨布が圧縮されて押し出される量が100nm以下であることが好ましい。硬質の研磨布はこの条件をこの条件を満たすものであり、これを用いることによってディシングを抑制することができる。なお、ダマシン法とは開口を有する絶縁膜上に金属膜を形成後、研磨し、開口部内部に金属膜を残す技術である。
但し、最大1マイクロメートル程度のプラグを形成する場合は軟質研磨布を用いることもできる。研磨布の硬度は、スクラッチや剥がれが発生しない程度であれば高いほど望ましいが、配線やプラグのパターン以外の基体表面の凹凸、例えばウエハのそり等には追随できる程度に軟らかい硬度の研磨布である必要がある。
研磨布から供給される研磨砥粒は、研磨液の砥粒濃度と同様、上記の(1)から(8)の目的に応じて上限が異なる。例えば、上記の(1)ディシングとエロージョンを抑制する目的は、砥粒濃度を0.05重量%以下にすることによって達成される。
ここで研磨速度が10nm/min以下の研磨液は、例えば800nmの金属膜1枚のCMPを行う場合に80分を要するので配線構造を作製するのに実用的ではなく、上記のスループットの問題とコストの問題を解決していないため本発明では研磨液として定義しない。
また、研磨速度とエッチング速度の比が5倍以上、できれば10倍以上が好ましい。これ以下であれば、たとえ研磨速度が高くても、CMP中に発生するエッチング作用によって配線構造を寸法精度良く作製できなくなる。エッチング速度は数nm/min以下であることが望ましい。
本発明はスクラッチやディシング、エロージョン等の発生しやすい銅合金やアルミニウム合金のCMPにおいて最も効果があるが、他のメタルCMP、例えばタングステン及びタングステン合金、チタン及びチタン合金等(特に窒化チタン)においても絶縁膜上に発生するスクラッチの低減には有効である。
本発明の研磨砥粒を含まない研磨液でCMPを行う方法は、従来の研磨砥粒を含む研磨剤でCMPを行う方法と比較して、スクラッチや剥がれ、ディシング、エロージョンを抑制する効果があり、かつ高度の洗浄プロセスや研磨剤供給/処理装置を必要とせず、研磨剤や研磨布等の消耗品のコストを抑さえ、かつ実用的な研磨速度でCMPを行うことが可能である。
以下、本発明を図面を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本実施例では銅のCMPを行うことによって銅配線を形成する方法について説明する。図1は本発明の実施例において使用するCMP装置を示す概略図である
。研磨布17が貼り付けられた定盤11の上をバッキングパッド18によってウエハ14を支持したホルダ12が回転してCMPを行う構造になっている。CMP中にウエハがはずれないようにリテーナリング13が設けられている。CMP中における研磨荷重は220g/cm2、定盤とホルダの回転数はともに60rpmとした。なお、研磨荷重や回転数はこれに限られるものではない。一般に、荷重や定盤回転数を増やすことにより研磨速度が速くなるが、図25に示したようにスクラッチが入りやすくなる。但し、本発明では研磨砥粒濃度が低いので、又は含まないので荷重に対する研磨傷の発生は少ない。研磨布はロデール社製の硬質布IC1000を用いた。
本発明の研磨液は定盤上に設けられた第1の供給口15から研磨布上に約30cc/minの速度で滴下してCMPを行う。CMPが終了した段階で第1の供給口15を閉じて研磨液の供給を停止し、第2の供給口16から純水を約3000cc/minの速度で供給してリンスを15〜30秒間行う。その後ウエハを乾燥しないような状態でメガソニック洗浄を行い、研磨液を除去した後、ウエハを乾燥させる。
まず、配線パターンが形成されていないウエハを用いて本発明の研磨液の研磨特性を調べた。試料はシリコンウエハ上に厚さ200nmのシリコン酸化膜を形成した後、接着層として厚さ50nmのTiN膜と厚さ800nmのCu膜をスパッタリング法によって真空中で連続成膜したものである。ウエハ直径は4インチである。
本実施例で用いた研磨液は酸化性物質及び酸化物を水溶性化する物質である有機酸を混合したものである。酸化性物質としては過酸化水素水(30%H22水溶液)、有機酸としてはクエン酸を用いた。クエン酸は水への溶解度が高いという利点がある。混合比を最適化するため、濃度を変えて研磨速度とエッチング速度を調べた。なお、研磨液の温度は室温である。エッチング速度とは研磨液中に試料を浸した際に銅表面がエッチングされる速度であり、CMP中に過剰にエッチングが進行すると配線構造が形成されないため、できるだけ低い方が望ましい
。エッチング速度は、図2と同様に静水液エッチング速度と攪拌液エッチング速度を調べた。研磨速度とエッチング速度は電気抵抗値変化から換算して求めた。
図3に研磨液の過酸化水素水濃度依存性を調べた結果を示す。クエン酸濃度は0.03重量%で一定とした。研磨速度と静水液エッチング速度の比も合わせて示してある。研磨速度は過酸化水素水の濃度が10体積%のときに最大値84nm/minを示しているが、エッチング速度は5体積%以下で5nm/min以下の低い値になっているため、研磨速度とエッチング速度の比をとると、5体積%で最も高い比30を示した。過酸化水素水のみ、もしくはクエン酸のみでは10nm/min以下の研磨速度となり、埋め込み配線を形成する目的には十分な研磨速度ではない。すなわちクエン酸と過酸化水素水の両方が含有されていることが必要である。そこで5体積%の過酸化水素水と0.03重量%のクエン酸を純水に混合した研磨液を用いて、銅の埋め込み配線パターンを作製した。図9に示したように本研磨液は銅の腐食域にある。
埋め込み配線を形成する試料の研磨前の断面構造の例を図4(a)に示す。不純物ドープ層や絶縁膜が形成されたシリコン基板25上に厚さ500nmのBPSG膜(ホウ素とリンが添加されたシリコン酸化膜)24と厚さ500nmのシリコン酸化膜23を成膜し、リソグラフィ工程及びドライエッチ工程によって深さ500nmの配線用の溝パターンをシリコン酸化膜23内に形成した。その上に接着層として厚さ50nmのTiN層22を成膜した後に厚さ800nmの銅薄膜21をスパッタリング法により真空中で連続成膜した。さらに段差被覆性を良くするためにスパッタ装置内で摂氏450度で30分間の真空熱処理を行った。シリコン基板25にはソース、ドレイン等の不純物ドープ層が形成されているが、ここでは省略して記載していない。
この試料を、5体積%の過酸化水素水と0.03重量%のクエン酸を純水に混合した研磨液を用いてCMPを行った結果、図4(b)のように、ディシングやエロージョンが約50nm以下となる形状に加工することができた。形成された銅配線の電気抵抗率を測定した結果、TiN層の部分も含めて1.9マイクロオームセンチメートルの値を得た。また、蛇行配線(配線幅0.3マイクロメートルから3マイクロメートル、長さ40mm)や櫛形配線(配線間隔0.3マイクロメートルから3マイクロメートル、長さ40mm)を用いて導通/絶縁試験を行った結果、ほぼ100%の歩留まりが得られた。
次に銅のプラグを本発明の研磨液によって形成した例を示す。成膜方法とCMP条件は上記の埋め込み配線の形成方法と同様である。図17(a)〜図17(c)に形成した直径0.5マイクロメートルの銅プラグの構造を示す。図17(a)はCMP前の断面構造、図17(b)はCMP後の断面断面、図17(c)は上面から見た構造である。プラグの場合は絶縁膜の開口部が1マイクロメートル以下であるため、軟質研磨布(例えばロデール社製のSuba800やXHGM1158)でも図17(b)のようにディシングやエロージョンなく形成することができた。硬質研磨布(IC1000)を使えることは言うまでもない。
CMPの終点検出に関しては問題なく行うことができた。終点検出方法として、CMP装置の研磨定盤もしくはウエハホルダの回転トルクの変化に基づいて行った場合、図23に示す信号が得られた。約350秒経過した時点でCuの研磨が終了し、TiNを研磨する段階になるとトルク信号強度が強くなり、その後の約400秒経過した時点で強度が落ちることから判定できた。
また、研磨処理後の研磨液の光学的スペクトル変化に基づいて終点検出することもできた。研磨処理前の研磨液は透明であるが、銅を研磨することによって銅イオンが研磨液に溶け込み、研磨液は青くなる。そこで図24に示したように研磨処理が終わって流れ出た研磨液の光信号強度を波長725nmで測定した結果、研磨が終了した段階で強度が下がり終点検出できることがわかった。従来の研磨砥粒が添加された研磨液では研磨液が白濁しているため、光スペクトルの変化で測定することが困難であった。また、研磨布の一部に穴を開け、ウエハ表面からの光反射スペクトル変化に基づいて終点検出することも可能であった。この場合も研磨液に砥粒が含まれているとウエハ表面に付着した白濁の研磨液によって信号にノイズが入り、測定が困難であった。
本実施例では、酸化剤として過酸化水素を用いたが、過酸化水素の代わりに硝酸第二鉄や過ヨウ素酸カリウムを用いても配線構造を形成できる。但し、鉄やカリウムの汚染対策が必要になる。
また、水酸化アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウムのいずれかを含む研磨液でCMPを行っても同様に埋め込み配線構造を形成することができた。
(実施例2)
本実施例では、実施例1で用いた研磨液に防食性物質を添加してさらに研磨特性を向上する方法について説明する。防食性物質の添加によって図3に示したエッチング速度が低下し、研磨速度とエッチング速度の比がさらに高くなる。このことによって、CMP中に銅表面が過剰にエッチングされるのを防止でき、かつCMP後に銅研磨面が酸化されるのを防ぐことが可能になる。
防食剤はBTAを用いた。5体積%の過酸化水素水と0.03重量%のクエン酸を純水に混合した研磨液に、BTAを0.1%添加した。BTAを添加しても、本研磨液のpHと酸化還元電位はほとんど変化せず、図9に示した銅の腐食域にある。実施例1と同様に銅のエッチング速度を調べた結果、BTA添加前と比較して約6分の1に低減することができた。そこでこの研磨液を用いて、実施例1と同様の条件でCMPを行った結果、銅研磨面の腐食を抑制し図4に示した埋め込み配線を形成することができた。形成された銅配線の電気抵抗率を測定した結果、TiN層の部分も含めて1.9マイクロオームセンチメートルの値を得た。また、蛇行配線(配線幅0.3マイクロメートルから3マイクロメートル、長さ40mm)や櫛形配線(配線間隔0.3マイクロメートルから3マイクロメートル、長さ40mm)を用いて導通/絶縁試験を行った結果、ほぼ100%の歩留まりが得られた。
また、オーバーCMPを長時間(例えば2倍の時間)行った場合、BTAを添加しない研磨液では図16(a)のように銅配線部が約100nmの深さだけエッチングされて周辺の絶縁膜部分よりも凹む減少が観察されたが、BTAを添加した研磨液を用いることにより図16(b)のように数10nm以下に抑制することができた。なお、オーバーCMPはウエハ全体で研磨残りがないようにするために行うものである。
上記研磨液を濃厚にしたものでも同様に配線構造を作製できた。例えば30体積%の過酸化水素水と0.15重量%のクエン酸と0.3%のBTAを純水に混合したものが良好であった。研磨液が濃厚な場合、ウエハ内の研磨均一性が向上する効果があった。研磨液が希薄な場合の均一性が10%以上であったのに対して、濃厚液の均一性は8%以下になった。但し、希薄液は研磨液を安価に作製できる効果がある。
また、金属を水溶性化する物質として水酸化アンモニウムを用いる場合もBTAを添加した研磨液とすることにより上記の効果が得られ、埋め込み銅配線を形成することができる。
(実施例3)
本実施例では砥粒濃度低減によるディシングとエロージョンの抑制効果を調べた。実施例2の研磨液(5体積%の過酸化水素水と0.03重量%のクエン酸と0.1%のBTAを純水に混合したもの)と、比較例としてこの研磨液にアルミナ砥粒(粒子径:約200nm)を2.5%加えたものを用意した。これらの研磨液を用いて実施例2と同様に埋め込み配線を形成し、図5に定義したディシング量とエロージョン量の配線幅依存性を、幅0.4マイクロメートルから90マイクロメートルで、長さ400マイクロメートルの配線の断面写真を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影して測定した。図6(a)(b)に計測結果を図7及び図8にSEM観察に基づき描いた断面の形状を示す。
図6(a)(b)からディシング量、エロージョン量ともに配線幅が太くなる
につれて大きくなる傾向にあるが、アルミナ砥粒をなくすことによってディシング量は約半分に低減され、幅4マイクロメートル以下の配線のエロージョン量はほとんどSEMでは観察できない程度(10nm以下)にまで低減された。図8(a)(b)の比較から90マイクロメートルの配線幅では顕著な差が観察される。
次にディシング量とエロージョン量のアルミナ砥粒濃度依存性を調べた。両値の計測は図5に示した定義に従って行った。アルミナ砥粒濃度は0.0001重量%、0.001重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%の7種類の研磨液を用意した。その結果、アルミナ砥粒濃度が0.05重量%以下になると両値ともアルミナ砥粒が入っていない研磨液と同程度の値になり、誤差の範囲(20nm以下)で図6(b)の結果と一致した。これにより、アルミナ砥粒濃度が0.05重量%以下の研磨液を用いてCMPを行うことにより、ディシングとエロージョンを抑制した埋め込み配線構造を形成できることが分かった。
(実施例4)
本実施例では砥粒濃度の低減によるスクラッチ抑制効果を調べた。実施例2の研磨液(5体積%の過酸化水素水と0.03重量%のクエン酸と0.1%のBTAを純水に混合したもの)と、これにアルミナ砥粒(粒子径:約200nm)を0.0001重量%、0.001重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2.5重量%、5重量%添加した研磨液を用意した。これらの研磨液を用いて配線パターンの無い銅薄膜表面とシリコン酸化膜表面のCMPを行った。
その結果、1重量%以上のアルミナ砥粒濃度の研磨液でCMPを行ったシリコン酸化膜表面には、図25に示したようにウエハ当たり100〜1000個の点状スクラッチが光学顕微鏡で観察されたが、0.5重量%以下のアルミナ砥粒濃度の研磨液でCMPを行ったウエハでは数個程度まで抑制された。スクラッチの大きさは1マイクロメートル以下であるため、この程度のスクラッチ数であれば配線構造を形成する目的では問題とならないレベルである。
次に銅表面に形成されるスクラッチを調べた。0.5重量%以上のアルミナ砥粒濃度の研磨液でCMPを行った銅表面には目視で判別可能な線状のスクラッチが発生した。アルミナ砥粒濃度が増えるにしたがってウエハ当たりのスクラッチ発生個数は増加する傾向であった。0.1重量%のアルミナ砥粒濃度の研磨液でCMPを行ったウエハで発生するスクラッチ数は数個であるが、この試料をSEMによるウエハ断面の観察とAFM(原子間力顕微鏡)で表面の凹凸観察を行った結果、スクラッチの深さは100nm程度であることがわかった。埋め込み銅配線の深さが500nmであるため、100nmのスクラッチは問題となる。
0.1重量%以下のアルミナ砥粒濃度の研磨液でCMPを行った銅表面では目視で判別可能なスクラッチは消滅した。これらの試料をSEMとAFMで観察を行った結果、スクラッチの深さは10nm程度であることがわかった。この程度であれば配線の電気抵抗にほとんど影響を与えることはない。
さらに、スクラッチの発生を低減できるので研磨荷重と定盤回転数を増加することができ、研磨速度を上げることが可能になるという効果もあった。
実際に砥粒濃度0.1重量%以下の研磨液を用いて実施例1と同様にして埋め込み配線を形成し、蛇行配線(配線幅0.3マイクロメートルから3マイクロメートル、長さ40mm)や櫛形配線(配線間隔0.3マイクロメートルから3マイクロメートル、長さ40mm)を用いて導通/絶縁試験を行った結果、ほぼ100%の歩留まりが得られた。
(実施例5)
本実施例では砥粒濃度の低減による剥がれ抑制効果を調べた。実施例2の研磨液(5体積%の過酸化水素水と0.03重量%のクエン酸と0.1%のBTAを純水に混合したもの)と、これにアルミナ砥粒を0.0001重量%、0.001重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、5重量%、10重量%添加した研磨液を用意した。試料は、厚さ800nmの銅薄膜を厚さ5nm(実施例1の1/10の厚さ)のTiN層をはさんでシリコン酸化膜上にスパッタリングで成膜したものを用いた。この試料を上記の研磨液を用いてCMPを行った。
その結果、1重量%以上のアルミナ砥粒濃度の研磨液でCMPを行ったウエハ周辺部から剥がれが銅層とTiN層との間で発生した。アルミナ砥粒と銅表面に発生する摩擦力が原因と考えられる。0.5重量%以下のアルミナ砥粒濃度の研磨液でCMPを行ったウエハでは摩擦力が低下し、剥がれは全く発生しなかった。さらに、剥がれの発生が減少すると研磨荷重と定盤回転数を増加することができ、研磨速度を上げることが可能になるという効果もあった。
そこで、砥粒濃度0.5重量%以下の研磨液を用いて実施例2と同様にして埋め込み配線を形成した。試料は、図4のTiN層22を5nmにした試料を用いた。その結果、銅薄膜の剥がれなく埋め込み配線を形成することができた。
(実施例6)
本実施例では砥粒濃度の低減による洗浄性の向上の効果を調べた。実施例2の研磨液(5体積%の過酸化水素水と0.03重量%のクエン酸と0.1%のBTAを純水に混合したもの)と、これにアルミナ砥粒を0.0001重量%、0.001重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、5重量%、10重量%添加した研磨液を用意した。これらの研磨液でシリコン酸化膜上に形成された銅薄膜とTiN薄膜をCMPによって除去し、表面に現れたシリコン酸化膜表面を純水により洗浄を行った後、残存するアルミナ砥粒(欠陥数)を面盤欠陥装置を用いて調べた。大きさが0.2マイクロメートル以上の欠陥についてウエハ当たりの数を測定した。ウエハの大きさは4インチである。
その結果、図10に示したようにアルミナ砥粒濃度の低減に従い欠陥数は減少し、濃度0.01重量%以下であればメガソニック洗浄のみで欠陥数を100個以下に低減できることがわかった。従来は、1重量%以上の濃度のアルミナ砥粒研磨液を用いていたために、ポリビニルアルコール(PVA)のブラシ洗浄とメガソニック洗浄を併用して、欠陥数を100個以下に低減していた。したがって、砥粒濃度が0.01重量%以下の研磨液を用いて研磨を行うことにより洗浄工程数を減らす効果がある。もしくは従来と同様の洗浄工程を行うことによって、より異物数を減らす効果がある。
(実施例7)
本実施例では、砥粒濃度の低減によりCMP処理工程数を低減できることを示す。図11に従来の研磨液を用いた場合のCMPの処理工程を示す。従来のCMP装置では、例えばアルミナ砥粒濃度が1重量%以上と高く、砥粒の研磨布への目詰まりを防ぐために、CMPを行う前に数10秒から数分間の研磨布のコンディショニングを行っていた。
また、研磨により露出したシリコン酸化膜等の絶縁膜表面のダメージ層を除去する目的で、埋め込み配線層を形成するためのメタルCMPの後に、絶縁膜のCMPを数10秒から2分程度行っていた。その後、ウエハを乾燥することなく洗浄工程に移り、砥粒除去の目的でアンモニア液による第1ブラシ洗浄を行う。さらにシリコン酸化膜等の絶縁膜表面のダメージ層の金属汚染を除去するために希フッ酸(HF)による第2ブラシ洗浄を行っていた。最終的にメガソニック洗浄により目的のレベルまで砥粒を除去した後、ウエハを乾燥していた。
図12に本発明に係る0.01重量%未満の低濃度研磨砥粒含有研磨液を用いた場合のCMP工程全体を示す。CMP装置では砥粒の目詰まりがほとんど発生しなくなるため、新品の研磨布を用いる場合以外はほとんどコンディショニングが不要になった。砥粒濃度が1/10倍になれば、研磨布の寿命が10倍になった。また、シリコン酸化膜表面のスクラッチ等によるダメージ層が無くなるため、絶縁膜のCMPも不要となった。洗浄工程ではメガソニック洗浄のみで従来のレベル(欠陥数)まで洗浄可能であった。
全反射蛍光X線により重金属汚染を評価した結果、この点に関してもメガソニック洗浄のみで従来のレベルまで洗浄可能であった。最終的に従来のCMP工程と比較して、2分の1程度に工程時間が短縮された。図12の工程は砥粒濃度が0.01重量%以下であれば実用上使用可能であるが、0.005重量%以下が望ましい。
(実施例8)
本実施例では砥粒濃度の低減による研磨布と研磨剤のコスト削減の効果を調べた。
銅CMP用のアルミナ研磨剤はCMP時間をオーバー研磨時間も含めて5分とし、100cc/分の速度でCMP装置内に研磨剤を供給すると1回のCMPで1リットル使用される。又、研磨布は約400枚のCMPで1枚を消耗する。さらに、CMP装置の他に後洗浄装置が必要である。
従来のアルミナ砥粒濃度が1重量%以上の研磨液を用いたCMPを行う場合のCMP関連コストの内訳を図13に示す。他の半導体関連装置と異なり、消耗品である研磨布と研磨剤のコストが全体の約70%を占めることがわかる。
これに対して、本発明の研磨液ではアルミナ砥粒濃度を0.001%以下に低減することによりCMP関連コストを大きく削減することが可能になる。研磨液に添加する薬液のコストは必要になるが、従来のアルミナ研磨剤のコストの1/100程度である。研磨布のコストも、従来行っていたコンディショニングの頻度が少なくなるので削減可能である。
CMP装置に関しても、アルミナ砥粒濃度が0.0001%以下であれば研磨剤供給装置、研磨剤撹拌機構、研磨剤処理装置等の設備が不要になり、アルミナ砥粒濃度が0になればクリーンルーム内の発塵防止対策も不要になり、従来品と比較してコスト削減となる。洗浄装置に関しても、従来のブラシ洗浄が不要となるため半分程度のコストになる。以上の結果から、本発明の研磨液を用いることによってCMP関連全体で約70%のコストを削減することができる。
(実施例9)
本実施例では、硝酸とBTAを使った研磨液で埋め込み銅配線を形成する方法を説明する。硝酸は銅に対して酸化作用があり、かつ硝酸自身の酸の性質で銅を水溶性化することが可能であるため、1薬液で本発明の2種の作用を兼ねることが可能である。BTAは実施例2と同様にエッチングを抑制する効果があり、研磨速度とエッチング速度の比を高めることが可能になる。このことによって、CMP中に銅表面が過剰にエッチングされるのを防止でき、かつCMP後に銅研磨面が過度に酸化されるのを防ぐことが可能になる。研磨液の濃度は硝酸:0.2体積%、BTA:0.01重量%を純水に混合した水溶液である。図9に示したように本研磨液は銅の腐食域にある。
実施例1と同様に銅のエッチング速度を調べた結果、BTAの添加によって約6分の1に低減することができた。そこでこの研磨液を用いて、実施例1と同様の条件でCMPを行った結果、銅研磨面の腐食を抑制して埋め込み配線を形成することができた。形成された銅配線の電気抵抗率を測定した結果、TiN層の部分も含めて1.9マイクロオームセンチメートルの値を得た。また、蛇行配線(
配線幅0.3マイクロメートルから3マイクロメートル、長さ40mm)や櫛形配線(配線間隔0.3マイクロメートルから3マイクロメートル、長さ40mm
)を用いて導通/絶縁試験を行った結果、ほぼ100%の歩留まりが得られた。
また、BTAを添加しない研磨液では銅配線部がエッチングされて周辺の絶縁膜部分よりも凹む現象が観察されたが(特に硝酸濃度が1%以上と高い場合には銅が消失した)、BTAを添加した研磨液を用いることにより図16(b)のよ
うに数10nm以下に抑制することができた。
この研磨液にアルミナ砥粒を添加すると、0.1重量%を越える濃度で銅研磨面に、1重量%を越える濃度でシリコン酸化膜にスクラッチが発生した。また、0.5重量%を越える濃度の研磨液で下地TiN層が5nmの銅薄膜のCMPを行うと剥がれが発生した。これらの濃度以下にアルミナ砥粒を低減することによってスクラッチと剥がれを防止できた。さらに濃度0.01重量%以下であればメガソニック洗浄のみで欠陥数を100個以下に低減でき、薬液によるブラシ洗浄は不要となることがわかった。
次に形成した埋め込み配線のディシング量とエロージョン量の評価を行った。図6に示した結果と同様に、アルミナ砥粒濃度が0.05重量%以下になると両値ともアルミナ砥粒が入っていない研磨液と同程度の値になり、誤差の範囲(20nm以下)で図6(b)と一致した。したがって、この研磨液を用いてCMPを行うことによって、図4及び図17に示したようなディシングとエロージョンを抑制した埋め込み配線構造及びプラグ構造を形成できた。
(実施例10)
本実施例では実施例9の研磨液(硝酸:0.5体積%、BTA:0.01重量
%)で積層配線構造を作製し、その効果を示す実験を行った。比較実験として従来のアルミナ砥粒を1重量%含む研磨液を用いたCMPも行った。
図14に従来の研磨液によってCMPを行った結果得られた2層配線構造を示す。シリコン基板部25にはソース、ドレイン等の拡散層が形成された半導体素子が作製されているが、ここでは省略して記載していない(図15から図20も同様)。1層目の配線21間の絶縁膜部23に生じたディシング36やエロージ
ョン37、スクラッチ38による表面の凹みが原因となり、その上に成膜した絶縁膜35表面にもそれぞれ金属膜の研磨残り32、33、34が生じ、その研磨残りが2層目の銅配線31間での電気的短絡の問題として発生した。なお、39はTiN層、52はスルーホール層の絶縁膜層である。
一方、図15に示したように砥粒を含まない研磨液でCMPを行った試料ではそのような問題は発生しなかった。なお、銅配線の上にはTiN層が無いため、銅がシリコン酸化膜中を拡散して半導体素子を汚染する可能がある。それを防止するために銅配線上にシリコン窒化膜を50nm形成してあるが、図14、15中には省略して記載していない(図18、19、20も同様に省略してある)。
図18には1層目の配線21と2層目の配線31を銅プラグ40によって接続された部分を示した。プラグも含めて各層で上記の研磨液でCMPを行って作製したものである。図14に示したようなディシングやエロージョン、スクラッチによる電気的短絡の不良問題は全く発生しなかった。また、研磨液は実施例1及び実施例2で記載したものでも同様に多層配線を形成することができた。
図20のように、プラグ部分を被覆性の高いCVD法によるタングステン膜で形成することもできる。但し、タングステンはプラグ中央部にシーム43(キーホール等と呼ぶこともある。)が形成され易く、そこから研磨液が内部にしみ込
み下地銅配線21を一瞬のうちに腐食させる問題が発生することがある。図20(a)にその様子を示した。44が腐食した銅配線部である。その際は、タングステンの研磨液に銅の防食剤、例えばBTAを添加することにより、タングステン内部にしみ込んだ研磨液が洗浄工程で除去されるまでに銅配線の腐食を防止することができた。図20(b)にその結果を示した。また研磨液に砥粒が含まれていないために、シーム内に砥粒が残留することがない。
図19にはデュアルダマシン法によって2層配線を形成した試料を示した。これは1層目の配線に対するプラグと第2層目の配線とを一度の研磨で作製する技術である。ここでは1層目の配線層を上記研磨液で研磨後、プラグと2層目の配線層も上記の研磨液でCMPを行って作製したものである。41がデュアルダマシンによって形成されたプラグ部分である。図14に示したようなディシングやエロージョン、スクラッチによる電気的短絡の不良問題は全く発生しなかった。また、研磨液は実施例1及び実施例2で記載したものでも同様に多層配線を形成することができた。
図21には本発明の研磨液を用いてシリコン基板の不純物ドープ層45上にタングステンプラグ42を形成して銅配線21と接続した様子を示した。この上層に上記に示したように多層配線を形成することによって各半導体素子を接続してLSIを作製して動作することを確認した。
本発明を実施したCMP装置を示す図である。 従来の方法でCMPを行った場合の銅の研磨速度とエッチング速度の過酸化水素水濃度依存性を示す図である。 本発明の方法でCMPを行った場合の銅の研磨速度とエッチング速度の過酸化水素水濃度依存性を示す図である。 (a)はCMP前の試料の配線部の断面構造を示す図、(b)はCMP後の試料の配線部の断面構造を示す図、(c)はCMP後の試料の平面図である。なお、点線は(b)の断面位置である。 (a)はディシングを示す図、(b)はエロージョンを示す図である。 本発明の効果を示す図であり、(a)は従来の方法でCMPを行った試料のエロージョン量とディシング量、(b)は本発明の方法でCMPを行った試料のエロージョン量とディシング量である。 (a)は従来の方法でCMPを行った試料の断面図、(b)は本発明の方法でCMPを行った試料の断面図である。 (a)は従来の方法でCMPを行った試料の断面図、(b)は本発明の方法でCMPを行った試料の断面図である。 銅のpH−酸化還元電位図である。 ウエハ上欠陥数の研磨液中のアルミナ砥粒濃度依存性を示す図である。 従来のCMPプロセスを示す説明図である。 本発明のCMPプロセスを示す説明図である。 本発明によりCMP関連コストの低減効果を示す図である。 (a)は従来研磨液により多層配線を形成した試料の断面構造を示す図、(b)は試料の平面図である。なお、点線は(a)の断面位置である。 (a)は本発明の研磨液により多層配線を形成した試料の断面構造を示す図、(b)は試料の平面図である。点線は(a)の断面位置である。 (a)はオーバーCMPにより配線部がエッチングされた試料の断面構造を示す図、(b)は防食性物質によりエッチングを抑制した図である。 (a)はCMP前の試料のプラグ部の断面構造を示す図、(b)はCMP後の試料のプラグ部の断面構造を示す図、(c)はCMP後の試料の平面図である。点線は(b)の断面位置である。 (a)は本発明の研磨液により多層配線を形成した試料の断面構造を示す図、(b)は試料平面図である。点線は(a)の断面位置である。 (a)は本発明の研磨液によりデュアルダマシン法によって多層配線を形成した試料の断面構造を示す図、(b)は試料の平面図である。点線は(a)の断面位置である。 (a)は本発明の研磨液によってタングステンプラグを形成する際に下地銅配線がタングステンの研磨液の沁み込みによって腐食した様子を示す図、(b)はタングステンの研磨液にBTAを添加することによって腐食を防止した様子を示す図である。 本発明の研磨液によって基板の拡散層上にプラグと配線を形成した様子を示す試料の断面図である。 (a)はアミノ酢酸系の研磨液を用いてCMPを行った試料の配線部の断面図、(b)は試料の平面図である。点線は(a)の断面位置である。 本発明の研磨液を用いてCMP装置のトルク信号強度から終点検出した結果を示す図である。 本発明の研磨液を用いて光信号強度から終点検出した結果を示す図である。 砥粒を含む研磨液を用いてCMPを行った際にシリコン酸化膜上に発生したスクラッチの個数の研磨荷重依存性を示す図である。 銅の腐食域と不働態域における腐食速度の違いを示す図である。
符号の説明
11…研磨定盤、12…ウエハホルダ、13…リテーナー、14…ウエハ、15…研磨液供給口、16…純水供給口、17…研磨布、18…バッキングパッド、21…Cu、22…TiN、23:1層目の配線層部分のSiO2膜、24…BPSG膜、25…不純物ドープ層や絶縁膜が形成されたSi基板、31…2層目のCu配線、32…1層目のCu配線のディシングによって2層目の絶縁膜の凹みに形成された金属膜の研磨残り、33…1層目のCu配線近傍のエロージョンによって2層目の絶縁膜の凹みに形成された金属膜の研磨残り、34…1層目の絶縁膜表面のスクラッチによって2層目の絶縁膜の凹みに形成された金属膜の研磨残り、35…2層目のSiO2膜、36…1層目のCu配線のディシング、37…1層目のCu配線近傍のエロージョン、38…1層目の絶縁膜表面のスクラッチ、39…2層目のTiN、40…プラグ、41…デュアルダマシンによって形成されたプラグ、42…タングステン、43…シーム、44…1層目の銅配線の腐食部分、45…不純物ドープ層、48…銅が溶出して絶縁膜が露出した部分、49…金属膜表面の凹部、50…金属膜表面の凸部、52…1層目の配線層と2層目の配線層の間のスルーホール層の絶縁膜。

Claims (21)

  1. 基板上に形成された凹凸を有する銅もしくは銅を主成分とする合金もしくは銅化合物からなる金属膜を研磨して平坦化する半導体装置の製造方法において、
    前記金属膜を酸化させるための過酸化水素を含む物質である酸化性物質、前記酸化性物質で酸化された酸化物を水溶化するための水溶化物質及び1重量%未満の研磨砥粒を含み、
    pH及び酸化還元電位が前記金属膜の腐食域であるような研磨液を用い、研磨布により前記金属膜表面を研磨することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記水溶化物質は、有機酸を含む物質であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記有機酸は、クエン酸、乳酸、酒石酸、フタル酸、酢酸のいずれかを含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記水溶化物質は、アンモニウム化合物を含む物質であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記アンモニウム化合物は、水酸化アンモニウムであることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 上記金属膜は第1の金属層及び第2の金属層を有し、前記第1の金属層が水溶性化される速度は前記第2の金属層が水溶性化される速度よりも速いことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 上記第1の金属層は銅もしくは銅を主成分とする合金もしくは銅化合物を含むこと、上記第2の金属層はチタンやチタン合金もしくはチタン化合物を含むことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 基板上に形成された凹凸を有する銅もしくは銅を主成分とする合金もしくは銅化合物からなる金属膜を研磨して平坦化する半導体装置の製造方法において、
    前記金属膜を酸化させるための過酸化水素を含む物質である酸化性物質、前記酸化性物質で酸化された酸化物を水溶化するための水溶化物質及び1重量%未満の研磨砥粒を含み、pH<7、酸化還元電位>0.2である研磨液を用い、研磨布により前記金属膜表面を研磨することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 前記水溶化物質は、有機酸を含む物質であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記有機酸は、クエン酸、乳酸、酒石酸、フタル酸、酢酸のいずれかを含むことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記水溶化物質は、アンモニウム化合物を含む物質であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記アンモニウム化合物は、水酸化アンモニウムであることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 上記金属膜は第1の金属層及び第2の金属層を有し、前記第1の金属層が水溶性化される速度は前記第2の金属層が水溶性化される速度よりも速いことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 上記第1の金属層は銅もしくは銅を主成分とする合金もしくは銅化合物を含むこと、上記第2の金属層はチタンやチタン合金もしくはチタン化合物を含むことを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 基板上に形成された凹凸を有する銅もしくは銅を主成分とする合金もしくは銅化合物からなる金属膜を研磨して平坦化する半導体装置の製造方法において、
    前記金属膜を酸化させるための過酸化水素を含む物質である酸化性物質、前記酸化性物質で酸化された酸化物を水溶化するための水溶化物質及び1重量%未満の研磨砥粒を含み、pH>12.5である研磨液を用い、研磨布により前記金属膜表面を研磨することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 前記水溶化物質は、有機酸を含む物質であることを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記有機酸は、クエン酸、乳酸、酒石酸、フタル酸、酢酸のいずれかを含むことを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記水溶化物質は、アンモニウム化合物を含む物質であることを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
  19. 前記アンモニウム化合物は、水酸化アンモニウムであることを特徴とする請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
  20. 上記金属膜は第1の金属層及び第2の金属層を有し、前記第1の金属層が水溶性化される速度は前記第2の金属層が水溶性化される速度よりも速いことを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
  21. 上記第1の金属層は銅もしくは銅を主成分とする合金もしくは銅化合物を含むこと、上記第2の金属層はチタンやチタン合金もしくはチタン化合物を含むことを特徴とする請求項20に記載の半導体装置の製造方法。
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