JP4615114B2 - ウェハアライナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハ等のウェハを搬送する際に、ウェハの位置合せを行うアライナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
IC等の半導体素子の製造過程においては、多数の半導体ウェハをカセット内に積み重ねて収納して、該カセットをプロセス装置等に搬入し、プロセス装置等の内部でカセットからウェハを一枚ずつ取り出して所定の保持手段の上に移送するようにしている。またプロセス装置等で処理が終了したウェハは、元のカセットに戻すか、または他のカセットに収納して装置から搬出するようにしている。
【0003】
半導体ウェハには、SEMI規格の円形のウェハ(以下、円形ウェハという)と、正方形のウェハ(以下、方形ウェハという)との2種類があり、大きさも数種類ある。円形ウェハは、NC装置などによってほぼ真円に近い状態に加工されており、直径や、平坦部(または切欠部)の大きさは規格によって決まっている。
【0004】
半導体ウェハをカセットからターンテーブル等の上に移送する際や、ターンテーブル等の上からカセット等に移送する際には、ウェハの中心合わせを行う必要がある。
【0005】
本明細書では、ウェハを保持するターンテーブルの回転中心軸線と直交し、ターンテーブル上のウェハの板面に沿う1つの平面(例えばウェハの上面)を「基準面」と呼ぶ。またターンテーブルの回転中心と基準面との交点を「基準点」と呼ぶ。そして、基準面上で基準点を通るように「基準軸」を設定する。本明細書では、この基準軸をX軸とも呼ぶ。
【0006】
図1は、円形ウェハの中心合わせについての説明図で、同図(A)は、ウェハWFの中心Wcと基準点Tcとが異なる位置にある状態を示し、同図(B)は、ウェハWFの中心Wcを基準点Tcに合わせた状態を示している。
【0007】
図1から分かるように、円形ウェハWFの中心合わせとは、同図(A)のようにウェハの中心Wcが基準点Tcからずれている状態から同図(B)に示すように、ウェハの中心Wcを基準点Tcに合わせることをいう。
【0008】
また図2は、方形ウェハの中心合わせを説明するもので、同図(A)は、方形ウェハWFの中心Wcと基準点Tcとが異なる位置にある状態を示し、同図(B)は、ウェハの中心Wcをターンテーブルの回転中心等の基準点Tcに合わせた状態を示している。
図2から分かるように、方形ウェハの中心合わせとは、同図(A)のようにウェハの中心Wcが基準点Tcからずれている状態から同図(B)に示すように、ウェハの中心Wcを基準点Tcに合わせることをいう。
【0009】
なお図2に示した例では、ウェハの中心合わせをした状態で、ウェハの辺が任意に設定されたX軸またはY軸等に対して垂直または平行になっているが、図3に示したように、ウェハの辺がX軸等に対して垂直または平行でなくても、ウェハの中心Wcと基準点Tcとを一致させれば、中心合わせをしたことになる。
【0010】
本明細書では、ウェハが円形である場合も、方形である場合も、基準面上でのウェハの中心Wcと基準点Tcとの間の直線距離(図1AのLe及び図2AのLe)を「偏心距離」と呼ぶことにする。
またウェハの中心Wcが基準点Tcからずれている状態で基準面上でウェハの中心Wcと基準点Tcとを結ぶ直線Aeを偏心角度軸と呼び、この偏心角度軸が基準軸に対して成す角(図1Aのθe及び図2Aのθe)を偏心角と呼ぶ。
上記のように、偏心距離と偏心角とを定めると、偏心角を零にするようにターンテーブルを回転させ、次いで偏心距離を零にするようにウェハWFとターンテーブルとを基準軸の方向に相対的に変位させることにより、ウェハWFの中心合せを行うことができる。
【0011】
ウェハの面内結晶方位を示したり、半導体製造装置内でウェハの位置決めをしたりするために、円形ウェハの外周部の一部にオリエンテーションフラット(オリフラと略称される。)と呼ばれる平坦部や、Vノッチと呼ばれる切欠部が設けられることが多い。このように平坦部やVノッチが設けられている場合には、平坦部やVノッチを所定の向きに向ける必要があり、そのために、上記中心合せに加えて、ウェハの角度合せを行う必要がある。同様に、正方形のウェハの場合も、面内結晶の方位を合わせたり、半導体製造装置内でウェハを位置決めしたりするために角度合わせを行う必要があることが多い。
【0012】
図4は、外周の一部に平坦部(オリフラ)OFが設けられている円形ウェハWFの角度合わせを行った状態を示した説明図で、この例では、平坦部の中心線(ウェハの中心Wcと平坦部の中心cとを結ぶ直線)Acの方向を、X軸に対して特定の角度(図示の例では90度)を成す方向に一致させた状態を角度合わせが行われた状態としている。
【0013】
なお円形ウェハにおいては、平坦部OFの幅を規定する中心角αが、規格により定まっているので、平坦部の中心線Acは、ウェハの中心Wcと平坦部の始端部aとを結ぶ直線、またはウェハの中心Wcと平坦部の終端部bとを結ぶ直線に対して(α/2)度の角度をなす直線である。
【0014】
円形ウェハの角度合わせとは、ウェハの平坦部(平坦部の代りに切欠部が設けられる場合も同様)の中心線Acの方向を、基準となる軸(図4の例ではX軸)に対して特定の角度を成す方向、または基準となる軸の方向に一致させることをいう。
図4の例では、ウェハの平坦部の中心線Acが角度合せの基準となる軸(図示の例ではX軸)に対してなす特定の角度を90度としているが、この特定の角度は、90度に限るものではなく、他の角度(例えば0°や45度等)でもよい。即ち、平坦部の中心線の方向を基準軸の方向に一致させた状態を角度合わせが行われた状態とするように基準軸を設定する場合もある。
【0015】
図5は、方形ウェハWFの角度合わせを行った状態を示した説明図で、この例では、一例として、X軸(基準軸)を角度合せの基準とする軸にとり、方形ウェハの中心線Acの方向をX軸に対して90度を成す方向に一致させた状態を、角度合わせが行われた状態としている。方形ウェハの場合、4つの辺のそれぞれを平坦部と見做すことができるので、方形ウェハの中心線とは、ウェハの中心Wcといずれか1つの辺の中心cとを結ぶ直線である。図5から分かるように、方形ウェハの角度合わせとは、ウェハの中心線Acの方向を、基準となる軸に対して特定の角度をなす方向に合わせることをいう。
図5の例では、ウェハの中心線Acが角度合せの基準となる軸(図示の例ではX軸)に対してなす特定の角度を90度としているが、この特定の角度は、90度に限るものではなく、他の角度(例えば0°や45度等)でもよい。
【0016】
なお、円形ウェハの場合も、方形ウェハの場合も、角度合せの際に基準とする軸は、X軸(中心合せに用いる基準軸)に限られるものではなく、例えばX軸と直交するY軸等を基準の軸として角度合わせをしてもよい。
このように、角度合せの基準とする軸は、中心合せの際に用いる基準軸とは別個に設定することができるが、本明細書では、説明を簡単にするために、角度合せの基準とする軸を中心合せに用いる基準軸(X軸)と同一の軸としている。
【0017】
上記のように、ウェハの位置が基準の位置からずれている場合には、ウェハの中心合せだけでなく、ウェハの角度合せをも行うことが必要になることがあるが、本明細書では、ウェハの中心合わせ及び角度合わせの内、少なくとも中心合わせを行うことを、ウェハの位置合せ(アライメント)を行うという。
【0018】
通常、ウェハを収納するカセットや、ウェハに対して各種の処理を行うプロセス装置等には、ウェハの中心合わせを行う機能及び角度合わせを行う機能は備わっていないため、ウェハを移送する経路の途中に、ウェハの中心合わせ及び角度合わせを行う機能を有するウェハアライナ装置を配置して、ウェハの中心合わせ及び角度合わせを行っている。
【0019】
なお半導体ウェハに限らず、液晶表示板の基板等に各種の処理を施す際にも、基板の中心合せ及び角度合せが行われる。本明細書では、半導体ウェハだけでなく、中心合せや角度合せを必要とする基板等をすべて含む意味で「ウェハ」という語を用いる。
【0020】
前述のように、ウェハには円形ウェハと方形ウェハとがあり、それぞれのウェハには種々の大きさのものがあるが、従来は1台のウェハアライナ装置で、形状が異なるウェハや大きさが異なるウェハに対応することができなかったため、ウェハの形状及び大きさに応じて、それぞれに適合するウェハアライナ装置を用いる必要があった。
【0021】
円形のウェハ用のウェハアライナ装置としては、例えば、本出願人が提案した特開平5−343501号に示す装置がある。この既提案のアライナ装置は、ウェハを保持するターンテーブルと該ターンテーブルを回転させる回転駆動機構とを有するウェハ回転装置と、ターンテーブルをその軸線と直角な平面に沿って少なくとも一方向に移動させるターンテーブル移動装置と、ウェハを保持してターンテーブルの軸線方向に変位させるリフタと、ターンテーブルの回転中心軸線と直交しターンテーブル上のウェハの板面に沿う平面を基準面として、該基準面とターンテーブルの回転中心軸線との交点を基準点としたときの上記基準点とウェハのエッジとの間の距離の情報を含むエッジ位置情報を与えるエッジ位置検出信号をウェハのエッジを非接触で検出して出力するエッジ位置検出器と、ターンテーブルの回転角度を検出して角度検出信号を出力する回転角度検出器と、ウェハを保持したターンテーブルを所定の角度ずつ回転させながら上記エッジ位置検出信号と角度検出信号とをサンプリングしてサンプリングしたエッジ位置検出信号及び角度検出信号を記憶する記憶装置と、エッジ位置検出信号及び角度検出信号にそれぞれ含まれるエッジ位置情報及び回転角度情報を用いてウェハの基準位置に対する偏心量を演算する偏心量演算手段と、偏心量演算手段により演算された偏心量に応じてウェハ回転装置とターンテーブル移動装置とリフタとを制御してウェハの位置を基準位置に合せる位置合せ手段とを備えている。
【0022】
また、正方形のウェハ用のウェハアライナ装置としては、図36に示したように、エアシリンダ(図示せず。)を駆動源としたチャックC,CによりウェハWFを保持して機械的に位置決めを行うようにした装置が用いられている。なお図36において、LFはその上面にウェハWFを載せて保持する保持具で、この保持具は、図示しない機構により、上下方向及び図示の矢印y方向に変位させられるようになっている。ウェハWFは、保持具LFにより保持された状態でチャックC,Cの間に移送される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
従来のウェハアライナ装置では、SEMI規格の円形ウェハと正方形のウェハとの双方の中心合わせ及び角度合わせを行うことができなかったため、半導体プロセス装置において、円形のウェハと正方形のウェハとの双方に対応するためには、2種類のウェハアライナ装置を用意しておく必要があり、設備費が高くなるという問題があった。
【0024】
また従来のウェハアライナ装置では、SEMI規格のウェハと正方形のウェハとを切り替える際に、アライナ装置を入れ替える必要があるため、調整項目が多くなり、ウェハを切り替える際の作業が面倒になるという問題があった。
更に、正方形のウェハに対して用いられていた従来のアライナ装置は、機械的接触方式によりウェハの中心合わせと角度合わせとを行うものであるため、中心合わせ及び角度合わせを行う際にパーティクルが発生し易いという問題があった。
また正方形のウェハに対して用いる従来のアライナ装置は、ウェハのサイズが変更になった際にチャックの調整を行う必要があるため、作業に手間取るという問題があった。
【0025】
なお、円形ウェハの偏心量を求める場合と同様に、方形ウェハを回転させてエッジ位置検出器によりそのエッジ(外周縁)位置を全周に亘って検出することにより、方形ウェハの4辺の各部の位置データを求め、この位置データからウェハの偏心量を演算することが考えられる。しかしながら、方形ウェハの場合には、該ウェハを1回転させた際にウェハのエッジとエッジ位置検出器との間に生じる相対的な変位量が大きいため、エッジ位置検出器として検出範囲が著しく長いものを用いることが必要になる。そのため、方形ウェハの場合には、円形ウェハのエッジを検出する場合に用いていたエッジ位置検出器をそのまま用いることがでず、エッジ位置検出器として特注品を用いることが必要になって、そのコストが高くなるという問題が生じる。
【0026】
本発明の目的は、円形ウェハ用のアライナ装置に用いられていたものと同様のエッジ位置検出器を用いて方形ウェハの位置合せを行うことができるようにしたウェハアライナ装置を提供することにある。
【0027】
本発明の他の目的は、円形ウェハと方形ウェハとの双方の位置合せを行うことができるようにしたウェハアライナ装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるウェハアライナ装置は、図35に示したように、ウェハWFを保持するターンテーブル9と該ターンテーブルを回転させる回転駆動機構とを有するウェハ回転装置100と;ターンテーブル9をその軸線と直角な平面に沿って少なくとも一方向に移動させるターンテーブル移動装置101と;ウェハWFをターンテーブル9の軸線方向に沿って上下に変位させるウェハ昇降装置102と;ターンテーブル9の回転中心軸線と直交しターンテーブル上のウェハWFの板面に沿う平面を基準面として、該基準面と回転中心軸線との交点を基準点としたときの基準点とウェハのエッジとの間の距離の情報を含むエッジ位置情報を与えるエッジ位置検出信号をウェハのエッジを非接触で検出して出力するエッジ位置検出器12と;ターンテーブル9の回転角度を検出して角度検出信号を出力する回転角度検出器103と;ウェハWFを保持したターンテーブル9を所定の角度ずつ回転させながらエッジ位置検出信号と角度検出信号とをサンプリングしてサンプリングしたエッジ位置検出信号及び角度検出信号を記憶する記憶装置22と;エッジ位置検出信号及び角度検出信号にそれぞれ含まれるエッジ位置情報及び回転角度情報を用いてウェハの基準位置に対する偏心量を演算する偏心量演算手段104と;偏心量演算手段104により演算された偏心量に応じてウェハ回転装置100とターンテーブル移動装置101とウェハ昇降装置102とを制御してウェハの位置を基準位置に合せる位置合せ手段105とを備えたウェハアライナ装置を対象とする。
【0029】
本発明においては、上記偏心量演算手段104が、ウェハが正方形である場合に、基準面上における基準点とウェハの中心との間の距離を偏心距離Leとして演算し、基準面上で基準点と該基準点からずれた位置にあるウェハの中心とを結ぶ軸を偏心角度軸として該偏心角度軸が、基準面上で基準点を通るように設定された方形ウェハ用基準軸に対してなす角を偏心角θeとして演算する方形ウェハ偏心量演算手段104Bを備えている。
本発明においてはまた、上記偏心量演算手段104を、方形ウェハ偏心量演算手段の外に更に、円形ウェハ偏心量演算手段104Aを備えた構成とすることができる。この円形ウェハ偏心量演算手段は、ウェハWFが円形である場合に、基準面上における基準点とウェハの中心との間の距離を偏心距離Leとして演算し、基準面上で基準点と該基準点からずれた位置にあるウェハの中心とを結ぶ軸を偏心角度軸として該偏心角度軸が、基準面上で基準点を通るように設定された円形ウェハ用基準軸に対してなす角を偏心角θeとして演算する。
【0030】
上記方形ウェハ偏心量演算手段は、基準点に中心が一致し、ウェハの4辺と8つの点で交わるように半径Rが設定された仮想の基準円とウェハの4辺との8つの交点のそれぞれと基準点とを結ぶ直線が基準面上で方形ウェハ用基準軸に対してなす角を8つの交点のそれぞれの交点角度データとして、該交点角度データを検出する交点角度データ検出手段と;交点角度データ検出手段により検出された交点角度データと基準円の半径Rとを用いて、偏心距離Leを演算する方形ウェハ偏心距離演算手段と、交点角度データ検出手段により検出された交点角度データと基準円の半径Rとを用いて偏心角θeを演算する方形ウェハ偏心角演算手段とを備えた構成とするのが好ましい。
【0031】
本発明の好ましい実施態様では、上記交点角度データ検出手段が、ウェハを保持したターンテーブルを初期位置から予め定めた回転方向に回転させたときに最初に基準円と2点で交わることになるウェハの一辺と基準円との2つの交点の内、エッジ位置検出器側に近い方の交点を第1の交点A1 とし、該第1の交点よりも回転方向の後方側に順次並ぶ7つの交点をそれぞれ第2ないし第8の交点A2 ないしA8 として、第1ないし第8の交点A1 ないしA8 と基準点とをそれぞれ結ぶ直線が方形ウェハ用基準軸に対して成す第1ないし第8の角度θa1ないしθa8を第1ないし第8の交点角度データとして検出するように構成される。
【0032】
また本発明好ましい実施態様では、上記偏心距離及び偏心角を演算するために、偏心量演算用角度演算手段を設け、偏心角を演算するために更に初期偏角演算手段と偏心角演算用距離演算手段とを設ける。
この場合、初期偏角演算手段は、上記基準面上で第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線に基準点から下ろした垂線が方形ウェハ用基準軸に対して成す角度(θa1+θa2)/2から90°を引いた角度をウェハの初期偏角θini として演算する。
【0033】
また偏心量演算用角度演算手段は、交点角度データ検出手段により検出された交点角度データを用いて、第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線に基準点から下ろした垂線が第1の交点A1 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ1 =(θa2−θa1)/2と、第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線に基準点から下ろした垂線が第3の交点A3 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ2 =(θa4−θa3)/2と、第5の交点A5 と第6の交点A6 とを結ぶ直線に基準点から下ろした垂線が第5の交点A5 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ3 =(θa6−θa5)/2と、第7の交点A7 と第8の交点A8 とを結ぶ直線に基準点から下ろした垂線が第7の交点A7 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ4 =(θa8+360−θa7)/2またはθ4 =(θa8−θa7)/2とを偏心量演算用角度として演算する。
【0034】
また上記偏心角演算用距離演算手段は、偏心量演算用角度θ1 ないしθ4 と基準円の半径Rとを用いて、第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線と基準点との間の距離L1 =Rcosθ1 と、第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線と基準点との間の距離L2 =Rcosθ2 と、第5の交点A5 と第6の交点A6 とを結ぶ直線と基準点との間の距離L3 =Rcosθ3 と、第7の交点A7 と第8の交点A8 とを結ぶ直線と基準点との間の距離L4 =Rcosθ4 とを偏心角演算用距離として演算する。
【0035】
この場合、方形ウェハ偏心距離演算手段は、ウェハの中心を通り前記第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線と直交する直線と基準点との間の距離Δx=R(cosθ4 −cosθ2 )/2と、ウェハの中心を通り第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線と直交する直線と基準点との間の距離Δy=R(cosθ1 −cosθ3 )/2とを求めて、ウェハの中心と基準点との間の距離である偏心距離Le=(Δx2 +Δy2 )1/2 を演算する。
【0036】
また方形ウェハ偏心角演算手段は、偏心角θeを演算式θe=tan−1{(L1 −L3 )/(L4 −L2 )}+θini により演算する。
【0037】
円形ウェハ偏心量演算手段は、ウェハの円周部上に第1の特定位置Px1と、該第1の特定位置からそれぞれ90°,180°及び270°離れた第2ないし第4の特定位置Px2,Px3及びPx4とを定めてこれら第1ないし第4の特定位置におけるエッジ位置情報と回転角度情報とを求める特定位置検出手段と、第1ないし第4の特定位置Px1〜Px4のそれぞれの位置におけるエッジ位置情報を用いて、基準面上での基準点とウェハの中心との間の距離を偏心距離として演算する偏心距離演算手段と、ウェハが初期位置にあるときに基準点と第1の特定位置とを結ぶ直線を基線として、円形ウェハ用基準軸が基線に対して成す基線傾斜角θSTを演算し、基準点とウェハの中心点とを結ぶ直線を偏心角度軸として偏心角度軸が基線に対して成す角度を偏心角演算用角度θ0 として演算して、偏心角演算用角度θ0 から基線傾斜角θSTを減じて偏心角θeを演算する円形ウェハ偏心角演算手段とを備えた構成とするのが好ましい。
【0038】
円形ウェハの外周に平坦部またはVノッチ部が設けられている場合には、ウェハの外周に設けられた平坦部または切欠部の位置を検出する平坦部または切欠部検出手段を設けて、該平坦部または切欠部検出手段により検出された平坦部または切欠部の両端位置を含むウェハの円周部上に上記第1の特定位置Px1と、該第1の特定位置からそれぞれ90°,180°及び270°離れた第2ないし第4の特定位置Px2,Px3及びPx4とを定めるようにする。
【0039】
上記円形ウェハ用基準軸と方形ウェハ用基準軸とは同一の軸でもよく、異なる軸でもよいが、構成を簡単にするためには、両基準軸は同一の軸であることが好ましい。
【0040】
上記のように、方形ウェハの4辺と仮想した基準円との交点の角度データを用いてウェハの偏心量を演算するようにすると、円形ウェハのエッジを検出するために用いるエッジ位置検出器と同様に検出部の長さが比較的短いエッジ位置検出器を用いて、方形ウェハの偏心量を検出することができる。また方形ウェハの偏心量を検出するために用いるエッジ位置検出器としては、従来円形ウェハのエッジを検出するために用いられていたエッジ位置検出器をそのまま用いることもできる。したがって、本発明によれば、装置のコストを上昇させることなく、方形ウェハの位置合わせを行わせることができるという利点が得られる。
【0041】
また本発明において、円形ウェハ偏心量演算手段と方形ウェハ偏心量演算手段との双方を備えた構成とした場合には、ハードウェアを何等変更することなく、円形のウェハの位置合せを行う状態と、方形ウェハの位置合せを行う状態とをソフトウェア上で切り替えることができるため、円形ウェハと方形ウェハとの切り替えに要する手間を削減して、半導体装置や液晶表示板等の製造能率を向上させることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
以下に示す実施形態は、本出願人が先に、円形ウェハの中心合わせと角度合わせとを行うために提案したウェハアライナ装置(特開平5−343501号)を改良して、円形ウェハだけでなく、正方形のウェハの中心合わせ及び角度合わせをも行うことができるようにしたものである。
そのため、本実施形態においては、ウェハが円形である場合の偏心量を演算する円形ウェハ偏心量演算手段と、ウェハが正方形である場合の偏心量を演算する方形ウェハ偏心量演算手段とを設けて、ウェハの形状に応じてこれらの偏心量演算手段のいずれかによりウェハの偏心量を演算し、演算した偏心量を零にするようにウェハの中心合せと角度合せとを行う。
【0043】
本発明に係わるウェハアライナ装置のハードウェアとしては、特開平5−343501号に示された既提案のものをそのまま用いることができる。
図6は、既提案の装置のハードウェアの構成を示したものである。同図において、1はベースフレーム、2は図示のX1 −X2 方向(X軸方向)に延びるように設けられてベースフレーム1の上に固定されたガイドレール、3はガイドレール2の上を転動する車輪を備えたX軸テーブルで、X軸テーブル3は、ガイドレール2によりX1 −X2 方向のみに移動するようにガイドされている。ベースフレーム1の上にはまたX軸駆動用電動機4が取り付けられ、この電動機4の出力軸に送りネジ5が連結されている。送りネジ5は、X軸テーブル3に設けられた図示しない雌ネジ部に螺合され、電動機4により送りネジ5が回転駆動されることにより、X軸テーブル3が図示のX1 −X2 方向に移動させられるようになっている。
【0044】
電動機4には、X軸テーブル3のX方向の移動量の情報を含むパルス信号を出力するX軸エンコーダ6が取り付けられている。このX軸エンコーダ6は、例えば、電動機4が微小角度回転する毎にパルス信号を発生するように構成されていて、このエンコーダ6から得られる信号からX軸テーブル3の移動量が検出される。
【0045】
X軸テーブル3の上には、θ軸駆動用電動機7が取り付けられ、電動機7により駆動される回転軸8の上端にターンテーブル9が取り付けられている。ターンテーブル9は、その上面が水平に保たれるように設けられていて、電動機7により、回転軸8の中心軸線に沿うθ軸の回りに回転駆動される。ターンテーブル9の上には中心合わせ及び角度合わせの対象とするウェハが載置される。本発明では、輪郭形状が円形を呈する円形ウェハと、輪郭形状が正方形を呈する方形ウェハとを対象とするが、図6においては、ターンテーブル上に円形ウェハWFが載置されている。
【0046】
図示してないが、ターンテーブル9は、その上に載置されたウェハWFを固定するために、例えば真空吸着器等からなるウェハ固定手段を備えていて、該ウェハ固定手段を動作させることにより、ウェハをターンテーブルに対して固定することができるようになっている。
【0047】
θ軸駆動用電動機7の回転軸8には、θ軸エンコーダ11が取り付けられている。このエンコーダ11は、回転軸8が微小角度回転する毎にパルス信号を発生するように構成されていて、このエンコーダが出力パルスを計数することによりターンテーブルの回転角を検出することができるようになっている。
【0048】
この例では、ターンテーブル9と、電動機7を含むターンテーブル回転駆動機構とにより、ウェハ回転装置100(図35参照)が構成され、電動機4と送りネジ5と該送りネジにより移動させられるX軸テーブル3とにより、ターンテーブルをその軸線と直角な平面に沿ってX軸方向に移動させるターンテーブル移動装置101が構成されている。
またθ軸エンコーダ11により、ターンテーブル9の回転角度を検出する回転角度検出器103が構成され、X軸エンコーダ6により、ターンテーブルのX軸方向への移動量を検出するターンテーブル移動量検出器が構成されている。
ベースフレーム1にはまた、ウェハWFの端縁(エッジ)位置を検出するエッジ位置検出器12が支柱13を介して支持されている。
図示のエッジ位置検出器12は、ターンテーブル9の上に保持されたウェハWFの外周寄りの部分を間にしてウェハWFと直交する方向(垂直方向)に相対するように配置された投光器12a及び受光器(光センサ)12bを備えている。
【0049】
このエッジ位置検出器は、その投光器12a及び受光器12bがそれぞれ同方向に一直線状に延びる投光窓及び受光窓を備えたリニアセンサからなっていて、投光器12a及び受光器12bにそれぞれ設けられた投光窓及び受光窓は、それぞれの長手方向をウェハの径方向に向けた状態で、かつウェハWFの外周寄りの部分を非接触で受け入れることができる寸法のギャップを介して対向配置されている。
【0050】
このエッジ位置検出器においては、投光器12aと受光器12bとの間に挿入されたウェハのエッジ位置の変化に応じて受光窓の投光窓から遮られる部分の長さが変化し、受光窓の投光窓から遮られる部分の長さの変化に応じて受光器12bの受光量が変化する。受光器12bは、受光量に相応した(例えば比例した)アナログ信号を出力するため、受光器12bの出力は、ウェハWFのエッジ位置の情報を含む信号となる。このエッジ位置検出器としては、CCD(電荷結合素子)や、PSD(Position Sensitive Detector)(商品名)を用いることができる。
【0051】
ベースフレーム1にはまた、支持フレーム14を介してエアシリンダ15が支持されている。エアシリンダ15は、そのピストンロッドを垂直上方に向けた状態で設けられていて、該ピストンロッドの上端にリフタ16が取り付けれている。エアシリンダ15には、図示しない圧縮空気供給源から電磁弁17を介して圧縮空気が供給され、該エアシリンダにより、リフタ16を上下方向(図示のZ方向)に駆動する駆動機構が構成されている。
【0052】
リフタ16は、ターンテーブル9の外周に相応する位置よりも更に外側の位置をターンテーブル9と干渉することなく上下に変位し得るように設けられたフォーク状の部分を有する部材からなっていて、ターンテーブル9の上面よりも更に上方に設定された上昇位置と、ターンテーブル9の上面よりも下方に設定された退避位置との間を変位させられる。
【0053】
この例では、エアシリンダ15と、該エアシリンダにより駆動されるリフタ16と、エアシリンダへのエアの供給を制御する電磁弁17とにより、ウェハ昇降装置が構成されており、ウェハ固定手段(例えば真空吸着器)によるウェハWFのターンテーブルに対する固定を解除した状態で、電磁弁17からエアシリンダ15に圧縮空気を供給してリフタ16を上方に変位させることにより、ウェハWFを該リフタにより下方から支えて、ターンテーブル9から離反した状態になる離反位置まで変位させることができるようになっている。またエアシリンダ15への空気の供給を停止してリフタ16を退避位置に向けて下降させることにより、ウェハWFをターンテーブル9上に保持させることができるようになっている。
【0054】
X軸駆動用電動機4、θ軸駆動用電動機7及び電磁弁17を制御するため、A/D変換器20、CPU(中央演算処理装置)21及び記憶装置22等を有するコンピュータと、DMAデータ転送回路23と、X軸駆動用電動機4及びθ軸駆動用電動機7をそれぞれ制御するX軸電動機制御回路24及びθ軸電動機制御回路25と、X軸電動機制御用比較器26及びθ軸電動機制御用比較器27とを備えた制御部が設けられている。
【0055】
A/D変換器20は、エッジ位置検出器12の受光器12bが出力するエッジ位置検出信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換して、CPU21や記憶装置22に与える。なおエッジ位置検出器12がエッジ位置検出信号をデジタル信号として出力する場合、A/D変換器20は不要である。
【0056】
上記の装置において、エッジ位置検出器12は、ターンテーブル9の回転中心軸線と直交し、ターンテーブル上のウェハWFの板面に沿う平面を基準面として、該基準面と前記回転中心軸線との交点(以下単にターンテーブルの回転中心という。)を基準点としたときの基準点とウェハWFの外周のエッジとの間の距離の情報を含むエッジ位置情報を与えるエッジ位置検出信号を、ウェハWFのエッジを非接触で検出して出力するものである。
【0057】
図7は、エッジ位置検出器12がウェハWFのエッジ位置(端縁位置)を検出している状態を模式的に示したものである。同図に見られるように、投光器12aが発した光はウェハWFにより遮られ、発光器12aが発した光の一部が減じられて受光器12bに到達する。
従って、受光器12bとして、受光量に比例して出力信号の大きさが変化する光センサを用いると、その出力信号Sは受光器12bの端からウェハWFのエッジ位置までの距離Dに比例した信号となる。
【0058】
図8は、エッジ位置検出器12の出力特性の一例を示した特性図であり、出力信号Sが受光器12bの受光量に比例して変化する様子を示している。図8に示した出力信号Sは、アナログ信号(電圧信号)からなっていて、受光器12bの端からウェハWFのエッジ位置までの距離Dに比例して変化する。本明細書では、この距離Dを「エッジ距離」と呼ぶことにする。エッジ距離Dは、(出力信号S)×(エッジ位置検出器12の仕様によって決まる係数)で演算することができる。
【0059】
このように、エッジ位置検出器12の出力信号Sは、受光器12bの端からウェハWFのエッジ位置までの距離であるエッジ距離Dに比例しており、基準点Tc(ターンテーブル9の回転中心)から受光器12bの端までの距離は既知(一定)であるため、このエッジ位置検出器12の出力信号Sからターンテーブル上のウェハWFのエッジ位置の基準点Tcに対する情報(エッジ位置情報)を得ることができる。本明細書では、この信号Sをエッジ位置検出信号と呼ぶ。
【0060】
基準点Tcから受光器12bの端までの距離をEとした場合、基準点からウェハのエッジまでの距離はE−Dにより与えられる。ウェハの偏心量を求める際には、エッジ距離Dを用いて演算を行ってもよく、基準位置からエッジまでの距離E−Dを用いて演算を行ってもよいが、以下の説明では、エッジ距離Dを用いて演算を行うものとする。
【0061】
エッジ位置検出信号Sをアナログ信号とする場合、その信号は電圧信号に限られるものではなく、電流信号であってもよい。またエッジ位置検出信号Sはデジタル信号であってもよい。
【0062】
上記のようなエッジ位置検出器12を用いた場合、ウェハWFの中心Wcが基準点Tcに対してエッジ位置検出器12側に偏位している場合にエッジ位置検出信号Sが小さくなり、ウェハWFの中心Wcが基準点Tcに対してエッジ位置検出器12と反対側に偏位している場合にエッジ位置検出信号Sが大きくなる。
【0063】
円形ウェハのエッジを上記エッジ位置検出器12により検出した場合に得られるエッジ位置検出信号Sと、ウェハの回転角θとの関係を図10及び図11に示した。
図10は、外周に平坦部を有しない円形ウェハWFをターンテーブル9上に載せた場合に得られるエッジ位置検出信号Sとウェハの回転角θと関係示した説明図である。
【0064】
図10(A)は、同図(B)に示すように、基準点(ターンテーブルの回転中心)Tcとターンテーブルの上に載せられているウェハWFの中心Wcとが一致している場合について示したもので、この例では、基準点Tcとエッジ位置検出器12の中心とを結ぶ直線をX軸方向(X軸テーブルの移動方向)に一致させ、基準点Tcを通り、X軸に直交する軸をY軸としている。エッジ位置検出器12は、その受光器の受光窓の長さ方向に延びる中心軸線をX軸に一致させた状態で配置されている。X軸は、円形ウェハの偏心量(偏心距離及び偏心角)を求める場合の基準軸(円形ウェハ用基準軸)である。
図10(A)から明らかなように、ウェハWFの中心Wcが基準点Tcに一致している場合には、エッジ位置検出信号Sがターンテーブル9の回転角度θの変化に対して一定の値を示す。
【0065】
また図10(C)は、同図(D)に示すように、ターンテーブル9の上に載せられたウェハWFの中心位置Wcが基準点Tcに対して偏心距離Leだけずれ、かつ、基準点TcとウェハWFの中心Wcとを結ぶ直線がX軸に対して偏心角θeだけ傾いているときに得られるエッジ位置検出信号Sをターンテーブルの回転角θに対して示したものである。
【0066】
図10(C)から明らかなように、ウェハWFの中心Wcが基準点Tcからずれている場合には、エッジ位置検出信号Sがターンテーブルの回転角θに対して示す変化の曲線が略正弦波形状を呈する。
図10(C)においては、エッジ位置検出信号Sの最大値をSmax とし、最小値をSmin としている。また、最大値Smax に対応するターンテーブル9の回転角度をθmax とし、最小値Smin に対応するターンテーブル9の回転角度をθmin としている。
【0067】
図11(B)ないし(E)は、同図(A)に示すように、外周に平坦部イが設けられたウェハWFをターンテーブル9の上に載せた場合に得られるエッジ位置検出信号Sをターンテーブルの回転角θに対して示したもので、同図(B)ないし(E)はそれぞれ、ウェハが種々の異なる方向に偏心した状態でターンテーブル9の上に載せられた場合のエッジ位置検出信号Sの変化を示している。
なお、図11(B)ないし(E)において、θcは平坦部イの中心位置に対応するターンテーブル9の回転角度を示している。
【0068】
本発明のアライナ装置に設けられるコンピュータは、所定のプログラムを実行することにより、ウェハを保持したターンテーブルを所定の角度ずつ回転させながらエッジ位置検出信号と角度検出信号とをサンプリングして、サンプリングしたエッジ位置検出信号及び角度検出信号にそれぞれ含まれるエッジ位置情報及び回転角度情報を用いてウェハの基準位置に対する偏心量を演算する偏心量演算手段と、偏心量演算手段により演算された偏心量に応じてウェハ回転装置とターンテーブル移動装置とウェハ昇降装置とを制御してウェハの位置を基準位置に合せる位置合わせ手段とを構成する。
【0069】
本発明のアライナ装置において、ターンテーブル9上にウェハWFが搬入されると、ターンテーブル9に設けられた真空吸引手段等によりウェハWFがターンテーブル9に固定される。ウェハがターンテーブルに固定されると、先ず偏心量演算手段がウェハWFの偏心量を演算する過程を行う。この過程では、ウェハWFを初期位置から一方向に単位角度Δθずつ回転させて、ウェハWFが単位角度回転する毎にエッジ位置検出信号Sをサンプリングし、サンプリングしたエッジ位置検出信号Sのデジタル換算値を記憶装置22に記憶させる。このようにしてサンプリングしたエッジ位置検出信号を微分処理してウェハWFの平坦部の両端位置でのエッジ位置検出信号の特異な変化を検出することにより、ウェハの平坦部の両端位置を検出する。そして、平坦部の両端位置を含むウェハWFの円周部の任意の位置に第1ないし第4の特定位置を設定し、これらの特定位置でのエッジ位置情報を用いて、ウェハの偏心量を演算する。
【0070】
位置合わせ手段は、上記のようにして演算された偏心量に応じてウェハ回転装置とターンテーブル移動装置と昇降装置とを制御することにより、ウェハの位置合せを行う。
【0071】
なおウェハの偏心量を演算する際には、先ずウェハWFの全周に亘ってエッジ位置検出信号をサンプリングして、サンプリングしたすべての信号を記憶装置に記憶させた後に、記憶させたエッジ位置検出信号を記憶装置から読み出してウェハの平坦部の検出を行うようにしてもよいが、偏心量の演算を効率よく行うためには、ウェハWFの各部のエッジ位置情報をサンプリングする毎に、サンプリングしたエッジ位置検出信号を微分処理して平坦部の検出を行うようにするのが好ましい。
【0072】
コンピュータは、ターンテーブル9を単位角度Δθずつ回転させる毎に読み込んだエッジ位置検出信号Sxのデジタル変換値とθ軸エンコーダ(回転角度検出器)7により検出された回転角度とを読み込み、x番目のサンプリング位置で読込んだエッジ位置検出信号Sxと、x番目のサンプリング位置においてθ軸エンコーダ7により検出された回転角度θx とを一対のエッジ位置データとして、例えば図9に示すようなテーブル(以下エッジ位置情報テーブルと呼ぶ。)の形で、記憶装置22に記憶する。
【0073】
図示の例では、エッジ位置検出器12から読み出したエッジ位置検出信号をメモリに記憶させる動作を迅速に行なわせるために、DMAデータ転送回路(ダイレクトメモリアクセス回路)23を設けている。DMAデータ転送回路23は、コンピュータの入出力機器相互間、入出力機器と記憶装置間、及び記憶装置内のメモリ相互間のデータの転送を、CPU21を経由することなく、直接行わせる働きをする回路である。DMAデータ転送回路がCPU21との間でやり取りする信号は、データバスの解放、復帰のための信号だけである。従って、DMAデータ転送回路を用いて入出力機器間、入出力機器とメモリ間、及びメモリ相互間のデータの転送を行わせると、データの転送を行う際のCPU21の占有時間を、CPUを介してデータの転送を行わせる場合の数%以下にすることができる。そのため、DMAデータ転送回路23を用いると、ウェハのエッジ位置の検出・記憶動作と、データの処理とをウェハの回転中に実施することができるようになる。
【0074】
なおエッジ位置検出信号のサンプリング間隔を与える単位回転角度Δθは実際には、充分微小な値(例えば0.05°)に設定されるが、図9に示した例では、説明を簡単にするため、単位回転角度Δθを1°としている。
【0075】
図9において、θ及びSの添字xはサンプリング回数をカウントするカウンタのカウント値である。このカウンタのカウント値は、ターンテーブル9が単位回転角度Δθだけ回転する毎に+1ずつ増加(インクリメント)される。カウント値xの初期値は0である。
【0076】
図9に示したターンテーブルの回転角度θx は、乗算記号を「*」とすると、次式で示すことができる。
θx =x*Δθ …(1)
【0077】
なお、エッジ位置情報テーブルは、x番目にサンプリングされたエッジ位置検出信号Sxから求められるエッジ距離Dと回転角度θxとを用いて作成してもよいが、以下の説明では、図9に示したように、エッジ位置検出信号Sxと回転角度θxとを用いてエッジ位置情報テーブルを作成するものとする。
【0078】
CPU21が実現する偏心量演算手段は、ウェハが円形である場合に該ウェハの偏心量を演算する円形ウェハ偏心量演算手段と、ウェハが正方形である場合に該ウェハの偏心量を演算する方形ウェハ偏心量演算手段とにより構成される。
円形ウェハ偏心量演算手段は、ウェハが円形である場合に、基準面上における基準点とウェハの中心との間の距離を偏心距離Leとして演算し、基準面上で基準点と該基準点からずれた位置にあるウェハの中心とを結ぶ軸を偏心角度軸として該偏心角度軸が、基準面上で基準点を通るように設定された円形ウェハ用基準軸に対してなす角を偏心角θeとして演算する。
【0079】
また方形ウェハ偏心量演算手段は、ウェハが正方形である場合に、基準面上における基準点とウェハの中心との間の距離を偏心距離Leとして演算し、基準面上で基準点と該基準点からずれた位置にあるウェハの中心とを結ぶ軸を偏心角度軸として該偏心角度軸が、基準面上で基準点を通るように設定された方形ウェハ用基準軸に対してなす角を偏心角θeとして演算する。
【0080】
位置合わせ手段は、ウェハが円形である場合には、上記円形ウェハ偏心量演算手段により演算された偏心距離Le及び偏心角θeを実質的に零にするようにウェハの中心合せを行い、ウェハが正方形である場合には、上記方形ウェハ偏心量演算手段により演算された偏心距離Le及び偏心角θeを実質的に零にするようにウェハの中心合せ及び角度合わせを行う。
【0081】
上記の位置合わせ手段は、偏心量演算手段により演算されたウェハWFの偏心距離Le及び偏心角θeを零にするために必要な電動機4及び7の回転量を演算して、演算した回転量だけ電動機4及び7を回転させることを指令するX軸電動機回転量指令信号及びθ軸電動機回転量指令信号をそれぞれX軸電動機制御回路24及びθ軸電動機制御回路25に入力する。
【0082】
X軸電動機制御回路24及びθ軸電動機制御回路25はそれぞれ、CPU21が出力するX軸電動機回転量指令信号及びθ軸電動機回転量指令信号を、電動機4及び7のそれぞれの回転量を与えるX軸電動機回転量信号及びθ軸電動機回転量信号に変換し、これらの回転量信号をそれぞれX軸電動機制御用比較器26及びθ軸電動機制御用比較器27に与える。
【0083】
比較器26及び27はそれぞれ、X軸電動機回転量信号及びθ軸電動機回転量信号と、エンコーダ6及び11がそれぞれ出力するX軸電動機回転量検出信号及びθ軸電動機回転量検出信号(電動機4及び7の実際の回転量を示す信号)とを比較して、比較した信号の差信号により電動機4及び7を駆動することにより、ウェハの偏心距離Le及び偏心角θeを零にするために必要なだけ電動機4及び7を回転させる。
【0084】
なおX軸テーブル3を駆動するX軸駆動用電動機4及びターンテーブル9を駆動するθ軸駆動用電動機7としてパルスモータを用いる場合には、エンコーダ6及び11と比較器26及び27とを省略して、CPU21が出力する回転量指令信号に応じて電動機4及び7に駆動パルスを与えるだけでX軸テーブル3及びターンテーブル9を演算された量だけ変位させることができる。
【0085】
円形ウェハの偏心量の演算
次に円形ウェハ偏心量演算手段がウェハの偏心量を演算する際の演算方法につき説明する。前述のように、角度合せを必要とする円形ウェハは、その外周に平坦部イまたはVノッチを有していて、該平坦部イまたはVノッチを所定の方向に向けるように角度合せをする。したがって、円形ウェハの偏心量を演算する際には、先ずその外周の平坦部イまたはVノッチの位置を判別する。
【0086】
外周の一部に平坦部イが設けられた円形ウェハWFをターンテーブル9上に載せた場合には、図11(B)ないし(E)に見られるように、エッジ位置検出信号S(エッジ距離Dに比例する信号)、平坦部イの部分において他の円周形状の部分とは著しく異なる変化を示す。このようなエッジ位置検出信号Sの変化の特異性を利用することにより、平坦部イの位置を判別することができる。
同様に、ウェハの外周に平坦部の代りにVノッチが設けられている場合にも、そのVノッチの部分でエッジ位置検出信号の波形が特異な変化を示すので、その変化の特異性を利用してVノッチの位置を判別することができる。
以下ウェハの外周の一部に平坦部イが設けられている場合について、その平坦部を判別する方法を説明する。
【0087】
平坦部の判別方法1
一例として、エッジ位置検出信号Sが図11(C)のような変化を示す場合について説明する。
平坦部におけるエッジ位置検出信号Sの変化の特異性を抽出するためには、エッジ位置検出信号Sを回転角θに対して微分すればよい。図12は、図11(C)に示したエッジ位置検出信号Sを微分した結果を示したイメージ図である。図11(C)のエッジ位置検出信号Sを微分すると、図12に示すように、その微分値ΔS/Δθは、平坦部の両端において極めて大きな変化率を示す。したがって、図12に示すように、エッジ位置検出信号Sの微分値ΔS/Δθを適切な値の基準値K1p,K1mと比較して、微分値ΔS/Δθが基準値K1pより大きくなるときのカウント値xを求めれば、平坦部の始端位置までの回転角度(平坦部の始端位置が検出されたときのターンテーブルの回転角度)θx0を求めることができ、微分値ΔS/Δθが基準値K1mより小さくなるときのカウント値xを求めることにより、平坦部の終端位置までの回転角度(平坦部の終端位置が検出されたときのターンテーブルの回転角度)θx1を求めることができる。このとき平坦部の中心位置までの回転角度θcは下記の(2)式または(3)式により求めることができる。
θc=(θx0+θx1)/2 …(2)
θc=θx0+{(θx1−θx0)/2} …(3)
ただし、ターンテーブル9の回転角度は、360度までであるので、算出した回転角度が360度を越える場合は、その算出値から360度を減算して、360度以内の角度に変換する必要がある。
【0088】
図6に示したアライナ装置では、ターンテーブル9の回転角度θx と、回転角度θx に対応したエッジ位置検出信号Sx とが、図9に示すようなテーブルの形で記憶装置に記憶されているので、上述した微分値ΔS/Δθは、次式によって求めることができる。
ΔS/Δθ=(Sx −Sx-1 )/Δθ …(4)
ここでΔθはターンテーブル9の単位回転角度である。また例えばサンプリング回数を計数するカウンタのカウント値がx=10である場合、Sx =S10であり、Sx-1 =S9 である。
【0089】
上記の(4)式によりエッジ距離の微分値ΔS/Δθを演算して、ΔS/Δθ>k1pとなるときのカウント値xを求めれば、平坦部の始端位置に対応するターンテーブル9の回転角度θx0を求めることができる。同様に、ΔS/Δθ<k1mとなるときのカウント値を求めることにより、平坦部の終端位置に対応するターンテーブル9の回転角度θx1を求めることができる。
【0090】
平坦部の判別方法2
上述した「平坦部の判別方法1」だけでも平坦部イを検出することができるが、上記の判別方法に加えて、または上記の方法に代えて、以下に示す判別方法2を行うようにしてもよい。
図13は、「平坦部の判別方法2」を説明する説明図であり、同図(A)は図12のエッジ位置検出信号Sの微分波形を拡大して示した図である。
図13(A)に示した例において、x回目にサンプリングされたエッジ位置検出信号Sx に対して演算した微分値をΔSx /Δθ、1回前にサンプリングされたエッジ位置検出信号Sx-1 に対して演算した微分値をΔSx-1 /Δθとし、これらの微分値ΔSx /ΔθとΔSx-1 /Δθとの比ΔSx /ΔSx-1 (=(ΔSx/Δθ)/(ΔSx-1 /Δθ))を求めて回転角θに対して図示すると、図13(B)に示すようになる。
【0091】
即ち、ウェハが回転中心に対して偏心している場合、エッジ位置検出信号Sの微分値ΔSx /Δθは、全体としては回転角θに対してほぼ正弦波状(実際にはエッジの形状の微小な変化により細かいノイズが乗る)に変化し、ターンテーブルの回転角度が平坦部の始端位置に対応する回転角度θx0に一致したときに正のピーク値に向けて急峻に立ち上がる。エッジ位置検出信号Sの微分値ΔSx /Δθはまた、回転角度が平坦部の中心に対応する角度θcに一致する位置で符号が正から負に変化し、回転角度が平坦部の終端位置に対応する回転角度θx1に一致する位置で負のピーク値からほぼ零に急峻に変化する。微分値ΔSx /Δθがほぼ零から正のピーク値に急峻に立ち上がる平坦部の始端位置(角度θx0の位置)では、微分値の比の分子ΔSx/Δθの大きさに比べて分母ΔSx-1 /Δθの大きさが非常に小さい(ほぼ零である)ため、微分値の比は図13(B)に示すように、非常に大きなピーク値を有するパルス波形e1 を呈する。
【0092】
また微分値の比ΔSx /ΔSx-1 は、微分値が正から負に変化する平坦部の中心位置(角度θcの位置)の前後で負側に変化するパルス波形e2 及び正側に変化するパルス波形e3 を呈し、平坦部の終端部の位置(角度θx1の位置)でほぼ零に変化するパルス波形e4 を呈する。平坦部の終端部の位置では、微分値の比の分子ΔSx/Δθの大きさに比べて分母ΔSx-1 /Δθの大きさが大きいため、平坦部の終端部位置θx1で生じる微分値の比のパルス波形e4 は、図13(B)に示すように小さなピーク値を示す。微分値の比ΔSx /ΔSx-1 はまた、微分値ΔS/Δθが負から正に変化する位置(図13の角度θf の位置)の前後で負側に変化するパルス波形e5 及び正側に変化するパルス波形e6 を呈する。 このように、微分値の比ΔSx /ΔSx-1 は、平坦部の始端部の位置(θx0)でピーク値が非常に大きいパルス波形e1 を呈るすため、適当な基準値(しきい値)kを設定してこのパルス波形e1 を検出することにより、平坦部の始端部の位置を他の位置と明確に区別して検出することができる。
【0093】
図6に示したアライナ装置では、図9に示すように、ターンテーブル9の回転角度θx と、回転角度θx に対応したエッジ位置検出信号Sx とが記憶装置に記憶されているので、上記微分値の比(ΔSx /ΔSx-1 )は、次式により演算することができる。
ΔSx /ΔSx-1 ={(Sx −Sx-1 )/Δθ}/{(Sx-1 −Sx-2 )/
Δθ}
=(Sx −Sx-1 )/(Sx-1 −Sx-2 ) …(5)
【0094】
上記の式により演算された微分値の比(ΔSx /ΔSx-1 )が基準値kを超えた時[(ΔSx /ΔSx-1 )>kとなった時]のカウント値xを求めれば、平坦部の始端部の位置に対応するターンテーブル9の回転角度θxoを検出することができる。
【0095】
またx回目にサンプリングされたエッジ位置検出信号Sx について演算した微分値ΔSx /Δθと、その次(x+1回目)にサンプリングされたエッジ位置検出信号Sx+1 について演算した微分値ΔSx+1 /Δθとの比ΔSx /ΔSx+1 [=(ΔSx /Δθ)/(ΔSx+1 /Δθ)]を求めると、該微分値の比ΔSx /ΔSx+1 は、図13(C)に示すように、平坦部の終端部位置θx1で非常に大きなピーク値を有するパルス波形e1 ´を呈する。従って、適当な基準値(しきい値)k´を設定してこのパルス波形e1 ´を検出することにより、平坦部の終端部位置に対応する回転角度θx1を他の位置に対応する回転角度と明確に区別して検出することができる。
【0096】
上記微分値の比(ΔSx /ΔSx+1 )は、次式により演算することができる。ΔSx /
ΔSx+1 ={(Sx −Sx-1 )/Δθ}/{(Sx+1 −Sx )/Δθ}
=(Sx −Sx-1 )/(Sx+1 −Sx ) …(6)
上記の式により演算された微分値の比(ΔSx /ΔSx+1 )が基準値k´を超えた時のカウント値xを求めれば、平坦部の終端部に対応するターンテーブル9の回転角度θx1を検出することができる。
【0097】
平坦部の判別方法3
エッジ位置検出信号Sの2次微分値Δ2 S/Δ2 θ={(ΔSx /Δθ)−(ΔSx-1 /Δθ)}/Δθを求めると、図37に示すように、平坦部の始端部の位置及び終端部の位置に対応するターンテーブル9の回転角度θx0及びθx1で非常に大きなピーク値を有するパルス波形e6 及びe7 を呈する。従って、適当な基準値(しきい値)k″を設定してこのパルス波形e6 及びe7 を検出することにより、平坦部の始端部の位置及び終端部の位置に対応する回転角度θx0及びθx1を他の位置に対応する回転角度と明確に区別して検出することができる。
【0098】
偏心量の演算方法
次に図14を参照して、エッジ位置検出信号Sを用いて行う偏心量の演算方法の一例を説明する。前述のように、エッジ位置検出信号Sx とターンテーブルの回転角度θx とから、平坦部の始端位置(ターンテーブル9の回転角度θxoに対応するウェハの円周上の位置)、及び平坦部の終端位置(ターンテーブル9の回転角度θx1に対応するウェハの円周上の位置)を求めることができる。
【0099】
このようにしてウェハの平坦部の位置が検出されたときに、該平坦部の両端位置(始端位置及び終端位置)を含むウェハの円周上の任意の位置に、基準点(ターンテーブルの回転中心)Tcを中心にして90度間隔で第1ないし第4の特定位置Px1ないしPx4を設定すると、これらの特定位置におけるエッジ距離と回転角度の情報を用いてウェハの偏心距離と偏心角とを演算することができる。
【0100】
上記第1ないし第4の特定位置Px1ないしPx4は、ウェハの円周上(平坦部を除く部分)の任意の位置に定めることができるが、ここでは、簡単にするために、図14に示したように、ウェハの平坦部の終端位置(角度θx1の位置)を第1の特定位置Px1とし、基準点Tcを中心にして、第1の特定位置Px1からそれぞれ90度,180度及び270度離れた位置[角度θx2(=θx1+90度)の位置、角度θx3(=θx1+180度)の位置及び角度θx4(=θx1+270度)の位置]を第2の特定位置Px2ないし第4の特定位置Px4とする。これら第1の特定位置ないし第4の特定位置Px1ないしPx4でそれぞれエッジ位置検出器12が出力するエッジ位置検出信号Sx1,Sx2,Sx3及びSx4から求めたエッジ距離をそれぞれDx1、Dx2、Dx3及びDx4とする。
ただし、ターンテーブル9の回転角度は360度までであるので、θx1、θx2、θx3及びθx4が360度を越える場合には、算出されたθx1、θx2、θx3及びθx4の内、360度を越える角度について360度を減算して、360度以内の角度に変換する必要がある。
【0101】
角度θx1ないしθx4の位置におけるエッジ位置検出信号Sx1、Sx2、Sx3及びSx4が分かると、ウェハWFの中心位置Wcの基準点Tcに対する偏心距離Le と、偏心角演算用角度θ0 と、偏心角θeとを下記の(7)式ないし(9)式により演算することができる。ここで、偏心角θeは、基準点Tcと該基準点からずれているウェハの中心Wcとを結ぶ直線を偏心角度軸としたときに、該偏心角度軸がX軸(円形ウェハ用基準軸)に対して成す角度である。
Le=(1/2)*{(Dx1−Dx3)2 +(Dx2−Dx4)2 }1/2
…(7)
θ0 =tan−1{(Dx2−Dx4)/(Dx1−Dx3)} …(8)
θe =θ0 −θST …(9)
【0102】
ここで、偏心角演算用角度θ0 は、ターンテーブルが360度回転して回転開始前と同じ初期位置に戻った時に、基準点TcとウェハWFの中心位置Wcとを結ぶ偏心角度軸が、第1の特定位置Px1と第3の特定位置Px3とを結ぶ直線(この直線を「基線」と呼ぶことにする。)に対してなす角度である。
また式(9)において、角度θSTは、図14に示すように、X軸が第1の特定位置Px1と第3の特定位置Px3とを結ぶ直線に対してなす角度である。図14に示した例では、角度θSTの大きさが(360°−θx1)に相当するので、θx1が決定されるとθSTは既知となる。
【0103】
ウェハの中心合わせ及び角度合わせ(ウェハの位置合わせ)
図6に示したアライナ装置では、上記のようにして偏心距離Le 、偏心角θe 及び偏心角演算用角度θ0 を求めた後、位置合わせ過程を行う。この位置合わせ過程では、以下に示すステップ(a)ないし(e)を行ってウェハの中心合わせと角度合わせとを行う。
(a)CPU21からθ軸電動機制御回路25に対して、ターンテーブル9をθe だけ回転させるための指令を与える。これによりウェハの偏心角を零にして、ウェハWFの中心位置WcをX軸上に移動させる。
(b)次に、CPU21から電磁弁17に指令を与えてエアシリンダ15を動作させ、リフタ16を上昇させて、ウェハWFをターンテーブル9から持ち上げる。
(c)次いで、CPU21からX軸電動機制御回路24にX軸テーブル3をLe だけ移動させるための指令を与える。
これにより、X軸駆動用電動機4を回転させてX軸テーブル3をLe だけ移動させて偏心距離を零にし、ウェハの中心Wcを基準点(ターンテーブルの中心)Tcに一致させる。
(d)その後、CPU21から電磁弁17に指令を与えてリフタ16を下降させ、ウェハWFをターンテーブル9の上に戻す。これにより、ウェハの中心合わせを完了する。
(e)CPU21からθ軸電動機制御回路25に指令を与えて、ウェハWFの平坦部の中心線が所定の角度を向く位置までターンテーブル9を回転させて、ウェハの角度合わせを行う。
なお、X軸テーブル3が移動する方向は次のようにして判定できる。即ち、ターンテーブル9が或回転角度にあるときのエッジ位置検出信号をS1 とし、180°異なる方向でのエッジ位置検出信号をS2 としたときに、S1 とS2 とを比較して、S1 >S2 ならば、X軸テーブル3の移動方向はエッジ位置検出器12から遠ざかる方向であり、S1 <S2 ならばエッジ位置検出器へ近づく方向である。
【0104】
一般にウェハの中心合わせが完了した際には、平坦部イの中心線が規定の方向に対して図14に示した角度θk+(α/2)[°]傾いている。ここでθkを偏心量修正後傾き角と呼ぶことにする。
ウェハの角度合わせを行うためには、偏心角θe及び偏心距離Leをそれぞれ零にする修正を行った後に、平坦部の中心線Acを所定の方向に向けるように、ターンテーブル9の角度を修正する必要がある。ここで、平坦部の中心線AcをX軸に一致させるように角度合わせを行うものとすると、図14に示した偏心角θe及び偏心距離Leを零にした後、偏心量修正後傾き角θkにα/2を加えた角度θk+(α/2)[°]だけターンテーブルの角度を修正する必要がある。上記のように第1の特定位置Px1を平坦部の終端部位置に設定した場合、図14において、偏心距離Le が充分に小さいときには、偏心距離Leを零にした状態で、傾き角θkが前述の偏心角演算用角度θ0 にほぼ等しいため、実用上は、ターンテーブル9を図14においてθ0 +(α/2)だけ反時計方向に回転させることにより角度合わせを行うことができる。
【0105】
しかしながら、偏心距離Le が大きい場合、または偏心距離Leが小さくても、正確に平坦部の中心線を所定角度に一致させたい場合には、偏心角演算用角度θ0 、偏心距離Le、平坦部の終端位置を与える角度θx1、及び角度θx1に対応するエッジ位置検出信号Sx1等から、数学的に偏心量修正後傾き角θkを演算して、図14において、ターンテーブル9をθk+(α/2)[°]だけ反時計方向に回転させる必要がある。
【0106】
ここで、偏心量修正後傾き角θk は、図14に示すように、ターンテーブル9の回転中心位置TcとウェハWFの中心位置Wcとを結ぶ直線(偏心角度軸)が、ウェハWFの中心位置Wcと平坦部の終端位置とを結ぶ直線に対してなす角度である。
【0107】
図14に示した例の場合、下記のようにして数学的に偏心量修正後傾き角θkを演算することができる。
先ず、ターンテーブル9の回転中心位置Tc から第1の特定位置Px1までの距離p、偏心量Le及び偏心角演算用角度θ0 から、ウェハWFの中心位置Wc と位置Px1との間の距離r(ウェハの半径)を以下に示す(10)式により演算する。ここで距離pは、エッジ位置検出器12とターンテーブル9との間の距離(この距離はアライナ装置の仕様により決まっている。)からエッジ距離Dx1を差し引くことにより求めることができる。
r=[{p2 +Le 2 −2*p*Le *cos(θ0 )]1/2
…(10)
なおウェハWFの直径、平坦部の大きさ等は仕様で決っているので、ウェハWFの半径rは、仕様で決まっているウェハの直径から求めるようにしてもよい。
【0108】
また、図14に示した位置Px1から偏心角度軸に対して垂直な直線を引いたときの交点の位置をPk とし、角度Pk Px1 Tc をβとすると、角度βは次式により求めることができる。
β=180−90−θ0 [°] …(11)
【0109】
また位置Pk から位置Px1までの距離qは、ターンテーブル9の回転中心位置Tc から位置Px1までの距離pと(11)式により演算された角度βとから次式により演算することができる。
q=p*cosβ …(12)
従って、偏心量修正後傾き角θk は次式により演算することができる。
θk =sin−1(q/r) [°] …(13)
【0110】
上記の説明では、平坦部の中心線AcをX軸に一致させた状態を角度合わせが行われた状態としたが、平坦部の中心軸線をX軸に対して特定の角度φだけ傾いた方向に向けた状態を角度合わせが行われた状態とする場合もある。この場合も、偏心距離Leが充分に小さければ、中心合わせが行われた状態からターンテーブルをφ−{θ0 +(α/2)}[°]だけ回転させることにより、角度合わせを行うことができる。
【0111】
また偏心量Le が大きい場合、または偏心量が小さくても、角度合わせが行われた状態で平坦部の中心線の方向をX軸に対して特定の角度φだけ傾いた方向に正確に一致させたい場合は、前述の例と同様に、偏心角演算用角度θ0 の代わりに偏心量修正後傾き角θkを使用してφ−{θk+(α/2)}[°]だけターンテーブル9を回転させる。
【0112】
なお、上記の説明ではターンテーブル9を360度まで回転させたが、平坦部が検出され、第1ないし第4の特定位置Px1ないしPx4におけるエッジ距離Dx1〜Dx4と回転角度θx1〜θx4が得られて、偏心距離Le,偏心角演算用角度θ0 及び偏心角θeが演算された所で、エッジ位置の検出を中止し、その後ターンテーブル9を初期位置まで回転させて、中心合わせ及び角度合わせを行うようにしてもよい。
【0113】
また、第1ないし第4の特定位置Px1ないしPx4のそれぞれにおけるエッジ距離Dx1ないしDx4及び回転角度θx1ないしθx4のデータが得られた所でエッジ位置検出のためのターンテーブル9の回転を中止して、偏心距離Le,偏心角演算用角度θ0 及び偏心角θeを演算し、その後、ターンテーブル9を初期位置まで回転させることなく、エッジ距離Dx1ないしDx4及び回転角度θx1及びθx4のデータが得られた位置から中心合わせ及び角度合わせを行う過程に移行するようにしてもよい。但しこの場合は、ターンテーブルは初期位置に戻っていないので、ターンテーブルの回転を中止した位置までの回転角度θx を加味して、ウェハの中心合わせ及び角度合わせを行う際の変位量及び回転量を決める必要がある。
【0114】
次に、図15ないし図20を用いて、輪郭形状が正方形を呈する方形ウェハの偏心量を求める方法を説明する。
方形ウェハWFの偏心量を検出する場合には、図15に示すように、ターンテーブルの回転中心を基準点Tcとして、該基準点Tcに中心が一致し、直径2RがウェハWFの対角線の長さよりも短い基準円Cを基準面上に仮想する。基準面は、円形ウェハの場合と同様に、ターンテーブル9の回転中心軸線と直交し、ターンテーブル上のウェハWFの板面に沿う平面である。基準円Cの直径2Rは、ウェハWFの偏心量が最も大きい場合でも該基準円Cが必ずターンテーブル上のウェハWFの4辺と8つの交点で交わるように、小さめに設定しておく。また基準面上に、基準点Tcを通る方形ウェハ用基準軸(X軸)を設定する。図示の例では、円形ウェハ用基準軸と同様に、基準点Tcとエッジ位置検出器12の中心とを結ぶ直線に沿うようにX軸を設定している。
【0115】
方形ウェハWFの偏心量を検出する際にも、ターンテーブル9を一方向に単位回転角度Δθずつ回転させて、ターンテーブルが単位角度Δθ回転する毎に読み込んだエッジ位置検出信号Sx(または該信号から求めたエッジ距離Dx)と回転角度θxとを記憶させて、図9に示したものと同様な構造のエッジ位置情報テーブルを作成する。
【0116】
ターンテーブルがΔθ回転する毎に読み込んだエッジ位置検出信号に含まれるエッジ位置情報に基づいて、基準点(ターンテーブルの回転中心)Tcから一定の距離R(基準円の半径)の位置に一致するウェハWFの外周側のエッジ位置を、基準円CとウェハWFの4辺との交点A1 ,A2 ,…,A8 として検出する。そして、これらの交点A1 ,A2 ,…,A8 のそれぞれと基準点Tcとを結ぶ直線が基準面上で方形ウェハ用基準軸(X軸)に対してなす角を8つの交点A1 ,A2 ,…,A8 のそれぞれの交点角度データとして検出し、これらの交点角度データを用いてウェハWFの偏心量を演算する。
【0117】
方形ウェハWFを1回転させた場合に得られるエッジ位置検出信号Sを、種々の偏心状態についてグラフ化すると図16ないし図19のようになる。
図16(A)は、同図(B)に示すように、初期位置にあるウェハの偏心量が零(偏心距離及び偏心角が共に零)である場合に、ウェハWFを初期位置から時計方向に1回転させたときのエッジ位置検出信号Sの変化を回転角度θに対して示している。この例では、方形ウェハWFの中心位置が基準位置Tc(ターンテーブル9の回転中心)に一致し、ウェハWFの相対する2辺B1 ,B3 がX軸と平行になっていて、他の相対する2辺B2 ,B4 がX軸と直交している状態を偏心量が零の状態としている。
【0118】
エッジ位置検出信号Sは、ウェハWFがエッジ位置検出器12から外れている時に最大値Sm を示す。エッジ位置検出信号の最大値Sm は、実際のエッジ距離(ウェハのエッジから受光器12bの端部までの距離)を反映していないが、方形ウェハWFの偏心量を演算する際には、ウェハの4辺と基準円Cとの交点の角度データを検出すればよいので、エッジ位置検出信号の最大値Sm が実際のエッジ距離を現していなくてもなんら差し支えがない。
【0119】
エッジ位置検出信号Sは、ウェハWFがエッジ位置検出器12の隙間内に進入すると直線的に減少していく。エッジ位置検出信号Sは、ウェハWFの角部の先端がX軸上に位置した時に最小になり、その後再び直線的に増加してウェハがエッジ位置検出器12から外れたときに最大値Sm に達する。エッジ位置検出信号Sの変化を示す折れ線と、基準円Cの半径Rに相当する値DR を示す直線との交点が基準円Cとウェハの4辺との交点A8 ,A1 ,A2 ,…,A7 となり、これらの交点における回転角度θa8,θa1,θa2,…,θa7がそれぞれ交点角度データとなる。
【0120】
図16においてθ1 〜θ4 は後記する偏心量演算用角度で、θ1 は、第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線に基準点Tcから下ろした垂線が第1の交点A1 と基準点Tcとを結ぶ直線に対してなす角度であり、θ2 は、第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線に基準点Tcから下ろした垂線が第3の交点A3 と基準点Tcとを結ぶ直線に対してなす角度である。またθ3 は、第5の交点A5 と第6の交点A6 とを結ぶ直線に基準点Tcから下ろした垂線が第5の交点A5 と基準点Tcとを結ぶ直線に対してなす角度であり、θ4 は、第7の交点A7 と第8の交点A8 とを結ぶ直線に基準点Tcから下ろした垂線が第7の交点A7 と基準点Tcとを結ぶ直線に対してなす角度である。偏心量が零のとき、θ1 =θ2 =θ3 =θ4 となる。
【0121】
図17(A)は、同図(B)に示すように、ターンテーブルが初期位置にある状態で、ウェハWFの中心Wcが基準点Tcに一致し、ウェハの角度がずれている場合に得られるエッジ位置検出信号Sを回転角度θに対して示したものである。
【0122】
また図18(A)は、同図(B)のように、ウェハWFが初期位置にある状態で、その中心Wcが基準点Tcからずれ、角度はずれていない場合に得られるエッジ位置検出信号Sを回転角度θに対して示したものである。
【0123】
更に図19(A)は、同図(B)のように、ウェハWFが初期位置にある状態で、その中心Wc及び角度が共にずれている場合に得られるエッジ位置検出信号Sを示したものである。
【0124】
方形ウェハ偏心量演算手段は、上記交点角度データを検出する交点角度データ検出手段と、初期偏角演算手段と、偏心量演算用角度演算手段と、偏心角演算用距離演算手段と、方形ウェハ偏心距離演算手段と、方形ウェハ偏心角演算手段とを備えることにより構成される。
【0125】
交点角度データ検出手段は、図15に示すように、ウェハを初期位置から予め定めた回転方向に回転させた際に最初に基準円Cと2点で交わることになるウェハWFの一辺と該基準円Cとの2つの交点のうち、エッジ位置検出器12側に近い方の交点を第1の交点A1 とし、該第1の交点よりも回転方向の後方側に順次並ぶ7つの交点をそれぞれ第2ないし第8の交点A2 ないしA8 として、第1ないし第8の交点A1 ないしA8 と基準点Tcとをそれぞれ結ぶ直線が方形ウェハ用基準軸(X軸)に対して成す第1ないし第8の角度θa1ないしθa8(θa3〜θa8は図示せず。)を第1ないし第8の交点の角度データとして検出する。
【0126】
初期偏角演算手段は、第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線に基準点Tcから下ろした垂線が方形ウェハ用基準軸(X軸)に対して成す角度(θa1+θa2)/2から90°を引いた角度をウェハWFの初期偏角θini として演算する。即ち、初期偏角θini は下記の式により与えられる。
θini ={(θa1+θa2)/2}−90[°] …(14)
【0127】
偏心量演算用角度演算手段は、交点角度データ検出手段により検出された交点角度データを用いて、第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が第1の交点A1 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ1 と、第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が前記第3の交点A3 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ2 と、第5の交点A5 と第6の交点A6 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が第5の交点A5 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ3 と、第7の交点A7 と第8の交点A8 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が前記第7の交点A7 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ4 とを偏心量演算用角度として下記の(15)ないし(19)式により演算する。
θ1 =(θa2−θa1)/2 …(15)
θ2 =(θa4−θa3)/2 …(16)
θ3 =(θa6−θa5)/2 …(17)
θ4 =(θa8+360−θa7)/2 …(18)
ただし、A1 がA8 よりも先に検出されるときは、
θ4 =(θa8−θa7)/2 …(19)
【0128】
偏心角演算用距離演算手段は、上記偏心量演算用角度θ1 ないしθ4 と、基準円Cの半径Rとを用いて、第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線と基準点Tcとの間の距離L1 と、第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線と基準点Tcとの間の距離L2 と、第5の交点A5 と第6の交点A6 とを結ぶ直線と基準点Tcとの間の距離L3 と、第7の交点A7 と第8の交点A8 とを結ぶ直線と基準点Tcとの間の距離L4 とを偏心角演算用距離として下記の(20)〜(23)式により演算する。
L1 =Rcosθ1 …(20)
L2 =Rcosθ2 …(21)
L3 =Rcosθ3 …(22)
L4 =Rcosθ4 …(23)
【0129】
方形ウェハ偏心距離演算手段は、ウェハWFの中心を通り、第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線と直交する直線と基準点Tcとの間の距離Δxと、ウェハWFの中心を通り、第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線と直交する直線と基準点Tcとの間の距離Δyとを下記の(24)〜(25)式により演算する。
Δx=Rcosθ4 −Rcosθ2 /2=(L4 −L2 )/2 …(24)Δy=Rcosθ1 −Rcosθ3 /2=(L1 −L3 )/2 …(25)
また、ウェハの中心と基準点との間の距離である偏心距離Leを下記の式により演算する。
Le=(Δx2 +Δy2 )1/2 …(26)
なお、X軸に直交する軸をY軸としてウェハWFの中心の座標を(x1 ,y1 )とすると、x1 ,y1は下記の(27)〜(28)式で演算することができる。
x1 =Δx*cosθini −Δy*sinθini …(27)
y1 =Δx*sinθini +Δy*cosθini …(28)
【0130】
また方形ウェハ偏心角演算手段は、ウェハWFの中心と基準点Tcとを結ぶ直線が第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線に平行で基準点Tcを通る直線に対して成す角度をθwf とし、ウェハWFの中心と基準点Tcとを結ぶ直線が方形ウェハ用基準軸(X軸)に対して成す角度を偏心角θeとして下記の(29)〜(30)式により演算する。
θwf =tan−1{(L1 −L3 )/(L4 −L2 )} …(29)
ただし、L4 −L2 =0のときは、θwf=90[°]とする。
θe=θwf+θini …(30)
【0131】
上記のようにして偏心距離Le及び偏心角θeを求めた後、位置合わせ過程を行う。この位置合わせ過程では、先ず、CPU21からθ軸電動機制御回路25に対して、ターンテーブル9をθeだけ回転させるための指令を与える。これによりターンテーブル9を所定の方向(図20の例では反時計方向)に回転させて、ウェハWFの中心位置WcをX軸上に移動させる。
このときのウェハWFの中心の座標を(x2 ,y2 )とすると、x2 ,y2 は下記の(31)〜(32)式で演算することができる。
x2 =x1 *cos(−θe)−y1 *sin(−θe) …(31)
y2 =x1 *sin(−θe)+y1 *cos(−θe) …(32)
次いで、CPU21から電磁弁17に指令を与えてエアシリンダ15を動作させ、リフタ16を上昇させて、ウェハWFをターンテーブル9から持ちあげる。
【0132】
次に、CPU21からX軸電動機制御回路24にX軸テーブル3をLeだけ移動させるための指令を与える。
なお、移動する方向は、このときのウェハWFの中心の座標(x2 ,y2 )のx2 が、
x2 >0ならばエッジ位置検出器12に近づける方向へ、
x2 <0ならばエッジ位置検出器12から遠ざかる方向である。
これにより、X軸駆動用電動機4を回転させてX軸テーブル3をX軸に沿ってLeだけ移動させて偏心量を修正し、基準点(ターンテーブルの中心)TcをウェハWFの中心Wcに一致させる。
その後、CPU21から電磁弁17に指令を与えてリフタ16を下降させ、ウェハWFをターンテーブル9の上に戻してウェハの中心合わせを完了する。
次いで、CPU21からθ軸電動機制御回路25に指令を与えて、ウェハWFの平坦部の中心線が所定の角度を向く位置までターンテーブル9を回転させて、ウェハの角度合わせを行う。次いで、ウェハを次工程に送るための処理を行う。
【0133】
上記の例では、X軸方向にのみ変位するX軸テーブル3にターンテーブル9を取り付けているが、互いに直交するX軸方向とY軸方向とに変位するX−Yテーブルにターンテーブルを取付けて、ターンテーブルを互いに直交する2方向に変位し得るようにしておくと、偏心量の修正を更に簡単に行うことができる。
即ち、ターンテーブルがX,Y2方向に変位し得るようになっている場合には、先ずリフタを上昇させて、ウェハをターンテーブルから分離し、X−Yテーブルを水平方向に(X,Y方向に)偏心距離(Δx,Δy)だけ移動させて、基準点をウェハの中心Wcに一致させる。その後、リフタを下降させて、ウェハをターンテーブル上に降ろし、ウェハをターンテーブルに固定する。次いで、偏心角を零にするようにターンテーブルを回転させてウェハの角度合せを行う。次いで、ウェハを次工程に送るための処理を行う。
【0134】
上記のアライナ装置においてコンピュータが実施するプログラムのメインルーチン、方形ウェハの偏心量を演算する方形ウェハ用サブルーチン、円形ウェハの偏心量を演算する円形ウェハ用サブルーチン、及び位置合わせ用のサブルーチンのアルゴリズムを示すフローチャートの一例を図21ないし図30に示した。以下これらにつき説明する。
【0135】
メインルーチン
図21は同プログラムのメインルーチンを示したものである。このメインルーチンが開始されると、先ずそのステップ1において、上位の制御装置からウェハの種類(円形ウェハであるか方形ウェハであるか)と、ウェハの大きさに関する情報とがアライナ装置のCPU21に送信される。
次いでステップ2において、X軸電動機制御回路24に制御信号を与えてX軸駆動用電動機4を回転させることにより、X軸テーブル3を移動させて、ターンテーブル9をウェハ受け入れ位置(エッジ位置検出器12に干渉されることなく、ウェハをターンテーブル上にセットすることができる位置)に移動させる。また、ターンテーブルの現在の回転角度を0度の位置(初期位置)とするように、θ軸エンコーダ11の出力パルスを計数するカウンタをリセットする。
その後、ステップ3において、図示しない搬入ロボットに指令を与えて、ウェハWFをターンテーブル9上にセットし、真空吸着器等のウェハ固定手段によりウェハWFをターンテーブル9上に固定する。
【0136】
次いで、ステップ4では、X軸テーブル3を移動させて、ターンテーブル9を搬入されたウェハの位置合わせを行うのに適した位置(ターンテーブル上のウェハのエッジをエッジ位置検出器により検出するのに適した位置)まで移動させ、その時のターンテーブルの回転中心位置を基準点とするようにX軸エンコーダ6の出力パルスを検出するカウンタをリセットする。
なお、このときの基準点Tcから受光器12bの端までの距離をEとする。
またステップ5において、そのときのターンテーブルの回転中心位置(基準点)とエッジ位置検出器12の端部位置との間の距離を算出する。
【0137】
次いでステップ6に進み、ターンテーブル上のウェハが円形であるか、方形であるかを、ステップ1で受信した情報に基づいて判定する。その結果、ウェハが方形であるときには、ステップ7に進んで、方形ウェハの偏心量を演算する方形ウェハ用サブルーチンに移行し、ウェハが円形であるときには、ステップ8に進んで円形ウェハの偏心量を演算する円形ウェハ用サブルーチンに移行する。
ウェハの偏心量が演算された後、ステップ9において演算された偏心量を零にするようにウェハの位置合わせ(中心合わせ及び角度合わせ)を行い、メインルーチンを終了する。
上記方形ウェハ用サブルーチンにより方形ウェハ偏心量演算手段が構成される。また円形ウェハ用サブルーチンにより、円形ウェハ偏心量演算手段が構成され、これら方形ウェハ偏心量演算手段及び円形ウェハ偏心量演算手段により、偏心量演算手段が構成される。
【0138】
方形ウェハ用サブルーチン
次に、図22ないし図26を参照して、方形ウェハの偏心量を演算するサブルーチンでの処理を説明する。
前述のように、方形ウェハの偏心量を求める過程では、ターンテーブルを単位回転角度Δθずつ回転させて、エッジ位置検出信号Sxをサンプリングし、エッジ位置検出信号Sxが基準円の半径Rに相当するしきい値SR に等しくなる位置をウェハの各辺と基準円との交点として検出して、順次検出される複数の交点を交点A1 ないしA8 として特定する。この場合、ターンテーブルの回転を開始する位置(初期位置)においてエッジ位置検出器12がウェハWFのいずれの部分を検出しているかにより、交点の特定の仕方が相違する。図22ないし図26に示したサブルーチンでの処理の理解を容易にするため、初期位置にあるウェハとエッジ位置検出器との位置関係を4つのケースに場合分けして、それぞれのケースにおいてエッジ位置検出器から得られるエッジ位置検出信号Sxと回転角θxとの関係を図31ないし図34に示した。
【0139】
図31は、ウェハが初期位置にあるときに、たまたま図15に示す交点A1 がエッジ位置検出器により検出されていて、その後ウェハが回転を開始したときに、エッジ位置検出信号のレベルが増加する場合に得られるエッジ位置検出信号Sxと回転角θxとの関係を示している。
【0140】
また図32は、ウェハが初期位置にあるときに、たまたま図15に示す交点A8 がエッジ位置検出器により検出されていて、その後ウェハが回転を開始したときに、エッジ位置検出信号が減少していく場合に得られるエッジ位置検出信号Sxと回転角θxとの関係を示している。
【0141】
更に図33は、図15に示したように、ウェハが初期位置にあるときに、ウェハがエッジ位置検出器により検出されていない場合を示し、図34は、ウェハが初期位置にある時に、図15に示す交点A8 と交点A1 との間のウェハの角部付近がエッジ位置検出器により検出されている場合を示している。
なお図31ないし図34において丸で囲まれた数字は、図22ないし図26に示した方形ウェハ用サブルーチンで用いる場合分けのための変数fの値を示している。
【0142】
図22ないし図26に示した方形ウェハ用サブルーチンが開始されると、先ずそのステップ1において、初期設定を行う。この初期設定では、θ軸エンコーダが検出する回転角度θxを零にし、カウント値xを零にする。また場合分けのための変数f及びgを零にし、エッジ位置検出器が出力するエッジ位置検出信号Sxのしきい値SR を設定する。このしきい値SR は、基準面上に仮想する基準円の半径Rに相当するエッジ位置検出信号Sxの値(エッジ位置検出器12がウェハWFの各辺と基準円との交点を検出したときのエッジ位置検出信号の大きさ)である。
【0143】
次いでステップ2に進み、θ軸エンコーダ11からターンテーブルの回転角度θxとエッジ位置検出信号Sxとを読み込んで記憶装置に記憶する。その後ステップ3に進んでSxの値が零であるか否かを見ることにより、エッジ位置検出信号Sxが出力されているか否かを判定する。その結果、エッジ位置検出信号Sxが出力されていると判定されたときには、ステップ4に進むが、Sx=0のとき(エッジ位置検出信号が出力されていないとき)は、再度エッジ位置検出信号が出力されているか否かを判定する。ステップ4では、カウント値xが1以上か否かを判定する。その結果、xが1以上でないと判定されたとき(x=0のとき)は、変数fの値を設定するためにステップ5に進む。また、ステップ4において、xが1以上であると判定されたときは図23のステップ11に進む。
ステップ5では、そのエッジ位置検出信号Sxの大きさがしきい値SR に等しいか否かを判定し、エッジ位置検出信号Sxがしきい値SR に等しいときにはステップ6に進んで、変数fをf=0のままとする。この状態は、ウェハが初期位置にある時(ウェハが未だ回転を開始していないとき)に、図15に示す交点A1 またはA8 がエッジ位置検出器12により検出されている状態であり、この場合に得られるエッジ位置検出信号Sxと回転角θxとの関係は、図31または図32に示したようになる。
【0144】
ステップ5においてエッジ位置検出信号Sxの大きさがしきい値SR に等しくないと判定されたときには、次いでステップ7においてエッジ位置検出信号Sxがしきい値SR よりも大きいか否かを判定する。その結果、エッジ位置検出信号Sxがしきい値SR よりも大きいと判定されたときには、ステップ8に進んで変数fをf=1とする。またステップ7においてエッジ位置検出信号Sxがしきい値SR よりも小さいと判定されたときにはステップ9に進んでfをf=2とする。図22のステップ10は、後記する過程により新たなエッジ位置検出信号Sx及び回転角θxが読み込まれた際にDMAによりこれらのデータを直接記憶装置に転送する過程を示している。
【0145】
図22のステップ6,8または9で変数fの値が決定された後、図23のステップ11に進んで変数fの値が0であるか否かを判定する。その結果f=0であると判定されたときには、ステップ12に進んで現在のターンテーブルの回転角度θxと、対応するエッジ位置検出信号Sxとを(初期位置で検出された交点のデータを)暫定的に交点A0 のデータとして記憶させる。次いでステップ13に進んでターンテーブルをΔθだけ回転させてθxをΔθ増加させ、カウント値xを1増加させる。ステップ14及びステップ15は、図22のステップ10及びステップ2と同様である。
次いでステップ16に進んでエッジ位置検出信号Sxの大きさがしきい値SR に等しいか否かを判定する。その結果、エッジ位置検出信号Sxの大きさがしきい値SR に等しいと判定された場合には、ステップ17に進んで変数fをf=0のままとして、図22のステップ10に進んで、新たなSxとθxとを記憶装置に記憶させる。
【0146】
ステップ16においてエッジ位置検出信号Sxがしきい値SR に等しくないと判定されたときには、次いでステップ18でエッジ位置検出信号Sxがしきい値SR よりも大きいか否かを判定し、SxがSR よりも大きいと判定されたとき(図31の場合)には、ステップ19に進んでf=3とするとともに、ステップ12で暫定的に交点AO のデータとして記憶したエッジ位置検出信号Sx及び回転角θxを、交点A1 のデータとして記憶装置に記憶させる。またステップ18においてエッジ位置検出信号Sxの大きさがしきい値SR よりも小さいと判定されたとき(図32の場合)には、ステップ20に進んで、f=2とするとともに、ステップ12で暫定的に交点AO のデータとして記憶したエッジ位置検出信号Sx及び回転角θxを、交点A8 のデータとして記憶装置に記憶させる。
【0147】
またステップ11においてf=0でないと判定されたときには、ステップ21に進んでfが奇数であるか否かを判定する。その結果fが奇数であると判定されたときには、図24のステップ22に進み、fが偶数であると判定されたときには、図25のステップ31に進む。
【0148】
図23のステップ21でfが奇数であると判定されて図24のステップ22に進んだときには、初期位置で検出されたエッジ位置検出信号Sxの大きさがしきい値SR 以下であるか否かを判定し、その結果S≦SR である場合には、ステップ23に進んで変数gをg=f−1とする。次いでステップ24に進んでSxと回転角度θxとを交点Agのデータとして記憶装置に記憶させる。この場合g=0であるとき(初期位置で図33の状態にあるとき)には、g=8として、交点A8 のデータとして記憶させる。
【0149】
その後、ステップ25において変数fを1増加させる。これにより、fの値は偶数になる。次いでステップ26において回転角θxが360°以上であるか否か(ターンテーブルが1回転したか否か)を判定し、回転角θxが360°以上である場合には、図26のステップ43に進む。またステップ26において回転角θxが360°未満であると判定されたときには、ステップ27に進んでfが10以上であるか否かを判定し、fが10以上である場合には、図26のステップ40に進む。ステップ27でfが10未満であると判定されたときには、ステップ28に進んでターンテーブルをΔθ回転させて回転角度θxをΔθ増加させるとともに、カウント値xを1増加させる。次いで図22のステップ10に移行して、回転角度θxとエッジ位置検出信号Sxとを記憶装置に転送する。図24のステップ22においてSxがSR よりも大きいと判定されたときには、ステップ29に進んで回転角θxが360°以上であるか否かを判定し、θxが360°以上である場合には、図26のステップ43に飛ぶ。
【0150】
ステップ29で回転角θxが360°未満であると判定されたときには、ステップ30に進んでターンテーブルをΔθ回転させて回転角度θxをΔθ増加させ、カウント値xを1増加(インクリメント)した後、図22のステップ10に移行して、回転角度θxとエッジ位置検出信号Sxとを記憶装置に転送する。
【0151】
図23のステップ21でfが偶数であると判定されて、図25のステップ31に進んだときには、Sxの大きさがSR 以上であるか否かを判定し、その結果、SxがSR 以上である場合には、ステップ32に進んで変数gから1を減算し、ステップ33においてθxとSxとを交点Agのデータとして記憶する。次いでステップ34において変数fを1だけ増加させる。これによりfの値は奇数になる。次いでステップ35に進んで回転角度θxが360°以上であるか否かを判定し、その結果、θxが360°以上である場合には、図26のステップ43に進む。ステップ35においてθxが360°未満であると判定されたときには、ステップ36に進んでfが9以上であるか否かを判定し、fが9以上でない場合には、ステップ37に進んでターンテーブルをΔθ回転させて回転角度θxをΔθ増加させるとともに、カウント値xを1増加させる。次いで図22のステップ10に移行して、回転角度θxとエッジ位置検出信号Sxとを記憶装置に転送する。ステップ36でfが9以上である場合は、図26のステップ40に進む。
【0152】
また図25のステップ31においてSxがしきい値SR 未満であると判定されたときには、ステップ38に進んで回転角θxが360°以上であるか否かを判定する。その結果回転角度θxが360°未満である時には、ステップ39に進み、ターンテーブルをΔθ回転させて回転角度θxをΔθ増加させ、カウント値xを1増加(インクリメント)した後、図22のステップ10に移行して、回転角度θxとエッジ位置検出信号Sxとを記憶装置に転送する。
ステップ38においてθxが360°以上であると判定されたときには、図26のステップ43に進む。
【0153】
図24のステップ27または図25のステップ36から図26のステップ40に進んだときには、回転角度θxが360°以上であるか否かを判定し、その結果θxが360°未満であると判定されたときには、ステップ41に移行して、ターンテーブルをΔθ回転させて回転角度θxをΔθ増加させるとともに、カウント値xを1増加させる。次いでステップ42に進み回転角度θxが360°以上であるか否かを判定する。
【0154】
ステップ40及び42で回転角度θxが360°以上であると判定されたとき、図24のステップ26及び29で回転角度θxが360°以上であると判定されたとき、及び図25のステップ35及び38で回転角度θxが360°以上であると判定されたときには、次いで図26のステップ43に移行して初期偏角θini を演算し、ステップ44において図20に示した偏心量演算用角度θ1 〜θ4 を演算する。その後ステップ45でcosθ1 〜cosθ4 を演算し、ステップ46でターンテーブルの中心(基準点)とウェハのエッジとの間の距離L1 〜L4 を演算する。またステップ47で図20のΔx及びΔyを演算した後、ステップ48で偏心距離Leを演算し、ステップ49及び50でそれぞれ角度θwf及び偏心角θeを演算する。その後ステップ51で角度θkを演算してメインルーチンに戻る。
【0155】
図22ないし図26に示した例では、ステップ2ないしステップ42により、基準点Tcに中心が一致し、ウェハWFの4辺と8つの点で交わるように半径Rが設定された仮想の基準円CとウェハWFの4辺との8つの交点のそれぞれと基準点とを結ぶ直線が基準面上で方形ウェハ用基準軸に対してなす角を8つの交点のそれぞれの交点角度データとして、該交点角度データをエッジ位置検出信号及び角度検出信号に基づいて検出する交点角度データ検出手段が構成される。
【0156】
図22ないし図26に示した例で構成される交点角度データ検出手段では、ウェハを保持したターンテーブルを初期位置から予め定めた回転方向に回転させたときに最初に基準円と2点で交わることになるウェハの一辺と基準円との2つの交点の内、エッジ位置検出器側に近い方の交点を第1の交点A1 とし、該第1の交点よりも回転方向の後方側に順次並ぶ7つの交点をそれぞれ第2ないし第8の交点A2 ないしA8 として、第1ないし第8の交点A1 ないしA8 と基準点とをそれぞれ結ぶ直線が方形ウェハ用基準軸に対して成す第1ないし第8の角度θa1ないしθa8を第1ないし第8の交点角度データとして検出するようにしている。 また図26のステップ43により、基準面上で第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線に基準点から下ろした垂線が方形ウェハ用基準軸に対して成す角度(θa1+θa2)/2から90°を引いた角度をウェハの初期偏角θini として演算する初期偏角演算手段が構成される。
【0157】
更に図26のステップ44により、交点角度データ検出手段により検出された交点角度データを用いて、第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線に基準点から下ろした垂線が第1の交点A1 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ1 =(θa2−θa1)/2と、第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が第3の交点A3 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ2 =(θa4−θa3)/2と、第5の交点A5 と第6の交点A6 とを結ぶ直線に基準点から下ろした垂線が第5の交点A5 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ3 =(θa6−θa5)/2と、第7の交点A7 と第8の交点A8 とを結ぶ直線に基準点から下ろした垂線が第7の交点A7 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ4 =(θa8+360−θa7)/2(ただし、A1 がA8 よりも先に検出されるときは、θ4 =(θa8−θa7)/2)とを偏心量演算用角度として演算する偏心量演算用角度演算手段が構成される。
【0158】
また図26のステップ45と46とにより、偏心量演算用角度θ1 ないしθ4 と基準円の半径Rとを用いて、第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線と基準点との間の距離L1 =Rcosθ1 と、第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線と前記基準点との間の距離L2 =Rcosθ2 と、第5の交点A5 と第6の交点A6 とを結ぶ直線と基準点との間の距離L3 =Rcosθ3 と、第7の交点A7 と第8の交点A8 とを結ぶ直線と基準点との間の距離L4 =Rcosθ4 とを偏心角演算用距離として演算する偏心角演算用距離演算手段が構成される。
【0159】
更に図26のステップ47及び48により、ウェハの中心を通り第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線と直交する直線と基準点との間の距離Δxと、ウェハの中心を通り前記第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線と直交する直線と前記基準点との間の距離Δyとを求めて、ウェハの中心と基準点との間の距離である偏心距離Le=(Δx2 +Δy2 )1/2 を演算する方形ウェハ偏心距離演算手段が構成され、ステップ49及び51により偏心角θe=θwf+θini =tan−1{(L1 −L3 )/(L4 −L2 )}+θini (ただし、L4 −L2 =0のときは、θwf=90[°])を演算する方形ウェハ偏心角演算手段が構成される。
【0160】
円形ウェハ用サブルーチン
次に図27及び図28を参照して円形ウェハ用サブルーチンの構成を説明する。
このサブルーチンでは、先ずステップ1において初期設定を行い、回転角度θx及びカウント値xを0とするとともに、エッジ位置検出信号の微分値の比ΔSx /ΔSx+1 のレベルを判定するためのしきい値k´を設定する。
次いでステップ2において現在のエッジ位置検出信号Sxを回転角度θx(0°)とともに記憶する。その後ステップ3でSxが0であるか否か(エッジ位置検出信号が出力されているか否か)を判定し、Sxが0でないことが検出されたときに、ステップ4でΔSx=Sx−Sx-1 を演算する。ステップ3において、Sx=0のとき(エッジ位置検出信号が出力されていないとき)は、再度エッジ位置検出信号が出力されているか否かを判定する。
次いでステップ5においてx−1が正であるか否かを判定し、x−1が正でないとき(x=0又は1のとき)には、ステップ6に進んで、ターンテーブルをΔθ回転させて回転角度θxをΔθ増加させるとともに、カウント値xを1増加させる。ステップ6を行った後、ステップ7に進む。ステップ7は、新たなエッジ位置検出信号Sx 及び回転角θx が読み込まれた際にDMAによってこれらのデータを直接記憶装置に転送する過程を示している。その後、ステップ2に戻って、ステップ2からステップ5までを再び行う。x≧2のときステップ5では、x−1>0となっているので、次いでステップ8に移行し、微分値の比ΔSx/ΔSx+1 がしきい値k´以上であるか否かを判定する。その結果、微分値の比ΔSx /ΔSx+1 (図13C参照)がしきい値k´未満であると判定されたときには、ステップ9に進んで、回転角度θxが360°以上であるか否かを判定し、θxが360°未満の場合には、ステップ10に進んで初期位置からの回転角度がθx1の第1の特定位置Px1(図14参照)と、該第1の特定位置からそれぞれ90°、180°及び270°離れた角度θx2〜θx4の位置である第2ないし第4の特定位置Px2ないしPx4の設定が完了しているか否かを判定する。
【0161】
このとき第1ないし第4の特定位置Px1ないしPx4の設定は完了していないので、次いでステップ6に移行し、ターンテーブルをΔθ回転させて回転角度θxをΔθ増加させるとともに、カウント値xを1増加させる。次いでステップ7でθx及びSxをDMAにより記憶装置22に転送し、その後ステップ2〜ステップ10〜ステップ6の過程を繰り返す。ステップ8で微分値の比ΔSx /ΔSx+1 がしきい値k以上であると判定されたとき(ウェハの平坦部の終端部位置が検出されたとき)にステップ11に移行して、ウェハの平坦部の終端部の位置(初期位置から角度θx1の位置)を第1の特定位置Px1として設定し、この第1の特定位置Px1からそれぞれ90°、180°及び270°離れた角度θx2〜θx4の位置を第2ないし第4の特定位置Px2ないしPx4として設定する。
【0162】
次いでステップ12において、θx1の位置のエッジ位置検出信号を読み込んで記憶させ、ステップ13で全ての特定位置のエッジ位置が検出されたか否かを判定する。今の場合は、全ての特定位置のエッジ位置が検出されていないので、次いでステップ6に移行し、ターンテーブルをΔθ回転させて回転角度θxをΔθ増加させるとともに、カウント値xを1増加させる。ステップ7でθx及びSxを記憶装置に転送した後、テップ2からステップ10を繰り返し、ステップ10で第1ないし第4の特定位置の設定が完了しているか否かを判定する。このときステップ10では第1ないし第4の特定位置の設定が完了していると判定されるので、ステップ14に移行し、第1ないし第4の特定位置(角度θx1〜θx4の位置)のエッジ位置の検出(エッジ位置検出信号の読み込み)が完了したか否かを判定する。その結果、全ての特定位置のエッジ位置の検出が完了していないと判定されたときには、ステップ6に戻って、ターンテーブルをΔθ回転させて回転角度θxをΔθ増加させるとともに、カウント値xを1増加させる。その後、全ての特定位置のエッジ位置が検出されるまで同じ過程を繰り返し、ステップ14において全ての特定位置のエッジ位置の検出が完了したと判定されたときに図28のステップ15に移行する。またステップ13において全ての特定位置のエッジ位置の検出が完了したと判定されたときにも図28のステップ15に移行する。図27のステップ9において回転角度θxが360°以上になっていると判定されたときには、図28のステップ17に移行する。
【0163】
第1ないし第4の特定位置(角度θx1〜θx4の位置)でのエッジ位置の検出が完了して、図28のステップ15に移行したときには、ウェハを続けて回転させ、次いでステップ16において回転角度θxが360°以上になったか否かを判定する。ステップ16において回転角度θxが360°以上になったと判定されたときに、ステップ17に移行し、エッジ位置検出器12の端部から第1ないし第4の特定位置におけるウェハのエッジまでの距離Dx1〜Dx4を演算する。ステップ16において回転角度θxが360°以上でないと判定されたときには、ステップ15に戻って回転角度θxが360°以上になるまでウェハを続けて回転させる。
次いで、ステップ18において、Dx1〜Dx4とθx1〜θx4とを用いて、偏心距離Leと、偏心角演算用角度θ0 と、偏心角θe とを演算し、メインルーチンに戻る。なおウェハの角度合わせを行う際に、正確を期する場合、または偏心距離が大きい場合には、ステップ18において偏心量修正後傾き角θk を演算しておく。
【0164】
図27及び図28に示した円形ウェハ用サブルーチンにおいては、ステップ2ないしステップ9により、ウェハの外周に設けられた平坦部または切欠部の位置を検出する平坦部または切欠部検出手段が構成される。
またステップ2ないしステップ14により、平坦部または切欠部検出手段により検出された平坦部または切欠部の両端位置を含む前記ウェハの円周部上に第1の特定位置Px1と、該第1の特定位置からそれぞれ90°,180°及び270°離れた第2ないし第4の特定位置Px2,Px3及びPx4とを定めてこれら第1ないし第4の特定位置におけるエッジ位置情報と回転角度情報とを求める特定位置検出手段が構成される。
【0165】
更に、図28のステップ17及び18により、第1ないし第4の特定位置Px1〜Px4のそれぞれの位置におけるエッジ位置情報と回転角度情報とを用いて、基準面上での基準点とウェハの中心との間の距離を偏心距離として演算する偏心距離演算手段と、ウェハが初期位置にあるときに基準点と第1の特定位置とを結ぶ直線を基線として、円形ウェハ用基準軸が基線に対して成す基線傾斜角θSTを演算し、基準点とウェハの中心点とを結ぶ直線を偏心角度軸として、偏心角度軸が基線に対して成す角度を偏心角演算用角度θ0 として演算して、偏心角演算用角度θ0 から基線傾斜角θSTを減じて偏心角θeを演算する円形ウェハ偏心角演算手段とが構成される。
【0166】
位置合わせ手段
上記のようにしてウェハの偏心量が演算された後、メインルーチンに戻って、そのステップ9で位置合わせ(中心合わせ及び角度合わせ)を行う。位置合わせの手順を図29及び図30に示した。
図29は、図6に示したように、ターンテーブルを移動させるためにX軸移動機構のみが設けられている場合に行われる位置合わせの手順を示したものである。この場合は、先ずステップ1において偏心角θeを零にするように、ターンテーブルをθeだけ回転させて、ウェハの中心位置を基準軸(X軸)上に位置させる。次いでステップ2では、ウェハWFの固定を解除した後リフタ16を上昇させ、これによりウェハWFを持ち上げて、ターンテーブルから分離する。この状態でステップ3を行って、ターンテーブルをX軸方向にLeだけ移動させて、偏心距離Leを零にする。次いでステップ4においてリフタを下降させ、ウェハをターンテーブル上に固定する。次いでステップ5でターンテーブルを{θ0 +(α/2)}[°](偏心距離が充分に小さい場合)または{θk+(α/2)}[°](偏心距離が比較的大きい場合)回転させて、ウェハの角度合わせを行い、ステップ6においてウェハを次工程に移動させるための処理を行う。
なお、θ0 を使用する場合は、偏心距離Leの許容値を設定しておき、偏心距離Leが許容値を超えたときは、位置合わせをした後に再度エッジ位置を検出する工程から行ってもよい。
【0167】
次に、図30は、ターンテーブルを二次元的に移動させるようにX,Y駆動機構が設けられている場合の位置合わせの手順を示したもので、この場合は、ステップ1においてウェハの固定を解除した後リフタを上昇させて、ウェハをターンテーブルから分離し、次いでステップ2においてターンテーブルを二次元的に移動させて偏心量(偏心距離及び偏心角)を一度で零にする。その後、ステップ3でリフタを下降させてウェハをターンテーブルに固定し、ステップ4でウェハの角度合わせを行う。次いで、ステップ5でウェハを次工程に送るための処理を行う。
なお、θ0 を使用する場合は、偏心距離Leの許容値を設定しておき、偏心距離Leが許容値を超えたときは、位置合わせをした後に再度エッジ位置を検出すする工程から行ってもよい。
【発明の効果】
【0168】
以上のように、本発明によれば、方形ウェハの4辺と仮想した基準円との交点の角度データを用いてウェハの偏心量を演算するようにしたので、円形ウェハのエッジを検出するために用いる検出部の長さが比較的短いエッジ位置検出器をそのまま用いて、方形ウェハの偏心量を検出することができる。従って、本発明によれば、装置のコストを上昇させることなく、方形ウェハの位置合わせを行わせることができるという利点が得られる。
【0169】
また本発明において、円形ウェハ偏心量演算手段と方形ウェハ偏心量演算手段との双方を備えた構成とした場合には、ハードウェアを何等変更することなく、円形ウェハの位置合せを行う状態と、方形ウェハの位置合せを行う状態とをソフトウェア上で切り替えるようにすることができるため、円形ウェハと正方形のウェハとの切り替えに要する手間を削減して、半導体装置や液晶表示板等の製造能率を向上させることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)及び(B)は、円形ウェハの中心合わせを説明する説明図である。
【図2】 (A)及び(B)は方形ウェハの中心合わせを説明する説明図である。
【図3】 方形ウェハの中心合わせを完了した状態の一例を示した説明図である。
【図4】 外周の一部に平坦部が設けられている円形ウェハの角度合わせを行った状態を示した説明図である。
【図5】 方形ウェハの角度合わせを行った状態を示した説明図である。
【図6】 本発明に係わるアライナ装置のハードウェアの構成例を示した構成図である。
【図7】 本発明の実施形態で用いるエッジ位置検出器を説明する説明図である。
【図8】 図7のエッジ位置検出器の受光器から得られるエッジ位置検出信号と受光器への入射光量との関係を示した線図である。
【図9】 本発明に係わるアライナ装置において記憶装置に格納されるエッジ位置情報テーブルの構成例を示した図表である。
【図10】 (A)は円形ウェハが偏心していない場合に得られるエッジ位置検出信号を回転角度に対して示した線図、(B)は円形ウェハが偏心していない状態を示した説明図である。(C)は円形ウェハが偏心している場合に得られるエッジ位置検出信号を回転角度に対して示した線図、(D)は円形ウェハが偏心している状態を示した説明図である。
【図11】 (A)は外周に平坦部が設けられているウェハの説明図である。(B)ないし(E)は(A)のウェハのエッジをエッジ位置検出器により検出した場合に得られるエッジ位置検出信号の種々の例を示した線図である。
【図12】 エッジ位置検出信号を回転角に対して微分した微分値が回転角度に対して示す変化の一例を示した線図である。
【図13】 エッジ位置検出信号の微分値及び該微分値の比が回転角度に対して示す変化を示した線図である。
【図14】 円形ウェハの偏心量の演算の説明に用いる説明図である。
【図15】 方形ウェハの偏心量の演算の説明に用いる説明図である。
【図16】 (A)は方形ウェハが偏心していないときにエッジ位置検出器から得られるエッジ位置検出信号の波形を示した線図である。(B)は(A)のエッジ位置検出信号が得られるときのウェハの状態と該ウェハに対して仮想した基準円とを示した説明図である。
【図17】 (A)は方形ウェハの角度がずれているときにエッジ位置検出器から得られるエッジ位置検出信号の波形を示した線図である。(B)は同図(A)のエッジ位置検出信号が得られるときのウェハの状態を示した説明図である。
【図18】 (A)は方形ウェハの位置ずれが生じているときにエッジ位置検出器から得られるエッジ位置検出信号の波形を示した線図である。(B)は同図(A)のエッジ位置検出信号が得られるときのウェハの状態を示した説明図である。
【図19】 (A)は方形ウェハの角度ずれと位置ずれとが生じているときにエッジ位置検出器から得られるエッジ位置検出信号の波形を示した線図である。(B)は同図(A)のエッジ位置検出信号が得られるときのウェハの状態を示した説明図である。
【図20】 方形ウェハの偏心量を演算する際に用いる説明図である。
【図21】 本発明に係わるアライナ装置においてコンピュータが実行するプログラムのメインルーチンの構成例を示したフローチャートである。
【図22】 本発明に係わるアライナ装置においてコンピュータが実行するプログラムの方形ウェハ用サブルーチンの構成例の一部を示したフローチャートである。
【図23】 本発明に係わるアライナ装置においてコンピュータが実行するプログラムの方形ウェハ用サブルーチンの構成例の他の一部を示したフローチャートである。
【図24】 本発明に係わるアライナ装置においてコンピュータが実行するプログラムの方形ウェハ用サブルーチンの構成例の更に他の一部を示したフローチャートである。
【図25】 本発明に係わるアライナ装置においてコンピュータが実行するプログラムの方形ウェハ用サブルーチンの構成例の更に他の一部を示したフローチャートである。
【図26】 本発明に係わるアライナ装置においてコンピュータが実行するプログラムの方形ウェハ用サブルーチンの構成例の更に他の一部を示したフローチャートである。
【図27】 本発明に係わるアライナ装置においてコンピュータが実行するプログラムの円形ウェハ用サブルーチンの構成例の一部を示したフローチャートである。
【図28】 本発明に係わるアライナ装置においてコンピュータが実行するプログラムの円形ウェハ用サブルーチンの構成例の他の一部を示したフローチャートである。
【図29】 本発明に係わるアライナ装置が行う位置合わせ工程のアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図30】 本発明に係わるアライナ装置が行う位置合わせ工程のアルゴリズムの他の例を示したフローチャートである。
【図31】 方形ウェハの各辺と基準円との交点を求める際のエッジ位置検出信号と回転角との間の関係の一例を示した線図である。
【図32】 方形ウェハの各辺と基準円との交点を求める際のエッジ位置検出信号と回転角との間の関係の他の例を示した線図である。
【図33】 方形ウェハの各辺と基準円との交点を求める際のエッジ位置検出信号と回転角との間の関係の他の例を示した線図である。
【図34】 方形ウェハの各辺と基準円との交点を求める際のエッジ位置検出信号と回転角との間の関係の他の例を示した線図である。
【図35】 本発明に係わるアライナ装置の全体的な構成を示したブロック図である。
【図36】 従来の方形ウェハ用アライナ装置の構成を示した斜視図である。
【図37】 エッジ位置検出信号の回転角に対する2次微分値が回転角度に対して示す変化の一例を示した線図である。
【符号の説明】
WF…ウェハ、3…X軸テーブル、4…X軸駆動用電動機、6…X軸エンコーダ、7…θ軸駆動用電動機、9…ターンテーブル、11…θ軸エンコーダ、12…エッジ位置検出器、15…エアシリンダ、16…リフタ、22…記憶装置、100…ウェハ回転装置、101…ターンテーブル移動装置、102…ウェハ昇降装置、103…回転角度検出器、104…偏心量演算手段、104A…円形ウェハ偏心量演算手段、104B…方形ウェハ偏心量演算手段、105…位置合わせ手段。
Claims (7)
- ウェハを保持するターンテーブルと該ターンテーブルを回転させる回転駆動機構とを有するウェハ回転装置と、前記ターンテーブルをその軸線と直角な平面に沿って少なくとも一方向に移動させるターンテーブル移動装置と、前記ウェハをターンテーブルの軸線方向に沿って上下させるウェハ昇降装置と、前記ターンテーブルの回転中心軸線と直交し前記ターンテーブル上のウェハの板面に沿う平面を基準面として、該基準面と前記回転中心軸線との交点を基準点としたときの前記基準点と前記ウェハのエッジとの間の距離の情報を含むエッジ位置情報を与えるエッジ位置検出信号を前記ウェハのエッジを非接触で検出して出力する単一のエッジ位置検出器と、前記ターンテーブルの回転角度を検出して角度検出信号を出力する回転角度検出器と、前記ウェハを保持したターンテーブルを所定の角度ずつ回転させながら前記エッジ位置検出信号と前記角度検出信号とをサンプリングしてサンプリングしたエッジ位置検出信号及び角度検出信号を記憶する記憶装置と、前記エッジ位置検出信号及び角度検出信号にそれぞれ含まれるエッジ位置情報及び回転角度情報を用いて前記ウェハの基準位置に対する偏心量を演算する偏心量演算手段と、前記偏心量演算手段により演算された偏心量に応じて前記ウェハ回転装置とターンテーブル移動装置とウェハ昇降装置とを制御して前記ウェハの位置を基準位置に合せる位置合せ手段とを備えたウェハアライナ装置であって、
前記偏心量演算手段は、前記ウェハが正方形である場合に、前記基準面上における前記基準点と前記ウェハの中心との間の距離を偏心距離Leとして演算し、前記基準面上で前記基準点と該基準点からずれた位置にある前記ウェハの中心とを結ぶ軸を偏心角度軸として該偏心角度軸が、前記基準面上で前記基準点を通るように設定された方形ウェハ用基準軸に対してなす角を偏心角θeとして演算する方形ウェハ偏心量演算手段を具備し、
前記方形ウェハ偏心量演算手段は、
前記基準点に中心が一致し、前記ウェハの4辺と8つの点で交わるように半径Rが設定された仮想の基準円と前記ウェハの4辺との8つの交点のそれぞれと前記基準点とを結ぶ直線が前記基準面上で前記方形ウェハ用基準軸に対してなす角を前記8つの交点のそれぞれの交点角度データとして、該交点角度データを検出する交点角度データ検出手段と、
前記交点角度データ検出手段により検出された交点角度データと前記基準円の半径Rとを用いて、前記偏心距離Leを演算する方形ウェハ偏心距離演算手段と、
前記交点角度データ検出手段により検出された交点角度データと前記基準円の半径Rとを用いて前記偏心角θeを演算する方形ウェハ偏心角演算手段と、
を具備しているウェハアライナ装置。 - ウェハを保持するターンテーブルと該ターンテーブルを回転させる回転駆動機構とを有するウェハ回転装置と、前記ターンテーブルをその軸線と直角な平面に沿って少なくとも一方向に移動させるターンテーブル移動装置と、前記ウェハをターンテーブルの軸線方向に沿って上下させるウェハ昇降装置と、前記ターンテーブルの回転中心軸線と直交し前記ターンテーブル上のウェハの板面に沿う平面を基準面として、該基準面と前記回転中心軸線との交点を基準点としたときの前記基準点と前記ウェハのエッジとの間の距離の情報を含むエッジ位置情報を与えるエッジ位置検出信号を前記ウェハのエッジを非接触で検出して出力する単一のエッジ位置検出器と、前記ターンテーブルの回転角度を検出して角度検出信号を出力する回転角度検出器と、前記ウェハを保持したターンテーブルを所定の角度ずつ回転させながら前記エッジ位置検出信号と前記角度検出信号とをサンプリングしてサンプリングしたエッジ位置検出信号及び角度検出信号を記憶する記憶装置と、前記エッジ位置検出信号及び角度検出信号にそれぞれ含まれるエッジ位置情報及び回転角度情報を用いて前記ウェハの基準位置に対する偏心量を演算する偏心量演算手段と、前記偏心量演算手段により演算された偏心量に応じて前記ウェハ回転装置とターンテーブル移動装置とウェハ昇降装置とを制御して前記ウェハの位置を基準位置に合せる位置合せ手段とを備えたウェハアライナ装置であって、
前記偏心量演算手段は、前記ウェハが正方形である場合に、前記基準面上における前記基準点と前記ウェハの中心との間の距離を偏心距離Leとして演算し、前記基準面上で前記基準点と該基準点からずれた位置にある前記ウェハの中心とを結ぶ軸を偏心角度軸として該偏心角度軸が、前記基準面上で前記基準点を通るように設定された方形ウェハ用基準軸に対してなす角を偏心角θeとして演算する方形ウェハ偏心量演算手段を具備し、
前記方形ウェハ偏心量演算手段は、
前記基準点に中心が一致し、前記ウェハの4辺と8つの点で交わるように半径Rが設定された仮想の円を基準円として、前記ウェハを保持したターンテーブルを初期位置から予め定めた回転方向に回転させたときに最初に前記基準円と2点で交わることになる前記ウェハの一辺と前記基準円との2つの交点の内、前記エッジ位置検出器側に近い方の交点を第1の交点A1 とし、該第1の交点よりも回転方向の後方側に順次並ぶ7つの交点をそれぞれ第2ないし第8の交点A2 ないしA8 として、前記第1ないし第8の交点A1 ないしA8 と前記基準点とをそれぞれ結ぶ直線が前記方形ウェハ用基準軸に対して成す第1ないし第8の角度θa1ないしθa8を第1ないし第8の交点角度データとして検出する交点角度データ検出手段と、
前記基準面上で前記第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が前記方形ウェハ用基準軸に対して成す角度(θa1+θa2)/2から90°を引いた角度を前記ウェハの初期偏角θini として演算する初期偏角演算手段と、
前記交点角度データ検出手段により検出された交点角度データを用いて、前記第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が前記第1の交点A1 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ1 =(θa2−θa1)/2と、前記第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が前記第3の交点A3 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ2 =(θa4−θa3)/2と、前記第5の交点A5 と第6の交点A6 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が前記第5の交点A5 と前記基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ3 =(θa6−θa5)/2と、前記第7の交点A7 と第8の交点A8 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が前記第7の交点A7 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ4 =(θa8+360−θa7)/2またはθ4 =(θa8−θa7)/2とを偏心量演算用角度として演算する偏心量演算用角度演算手段と、
前記偏心量演算用角度θ1 ないしθ4 と前記基準円の半径Rとを用いて、前記第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線と前記基準点との間の距離L1 =Rcosθ1 と、前記第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線と前記基準点との間の距離L2 =Rcosθ2 と、前記第5の交点A5 と第6の交点A6 とを結ぶ直線と前記基準点との間の距離L3 =Rcosθ3 と、前記第7の交点A7 と第8の交点A8 とを結ぶ直線と前記基準点との間の距離L4 =Rcosθ4 とを偏心角演算用距離として演算する偏心角演算用距離演算手段と、
前記ウェハの中心を通り前記第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線と直交する直線と前記基準点との間の距離Δx=R(cosθ4 −cosθ2 )/2と、前記ウェハの中心を通り前記第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線と直交する直線と前記基準点との間の距離Δy=R(cosθ1 −cosθ3 )/2とを求めて、前記ウェハの中心と前記基準点との間の距離である前記偏心距離Le=(Δx 2 +Δy 2 ) 1/2 を演算する方形ウェハ偏心距離演算手段と、 前記偏心角θe=tan −1 {(L1 −L3 )/(L4 −L2 )}+θini を演算する方形ウェハ偏心角演算手段と、
を具備しているウェハアライナ装置。 - ウェハを保持するターンテーブルと該ターンテーブルを回転させる回転駆動機構とを有するウェハ回転装置と、前記ターンテーブルをその軸線と直角な平面に沿って少なくとも一方向に移動させるターンテーブル移動装置と、前記ウェハをターンテーブルの軸線方向に沿って上下させるウェハ昇降装置と、前記ターンテーブルの回転中心軸線と直交し前記ターンテーブル上のウェハの板面に沿う平面を基準面として、該基準面と前記回転中心軸線との交点を基準点としたときの前記基準点と前記ウェハのエッジとの間の距離の情報を含むエッジ位置情報を与えるエッジ位置検出信号を前記ウェハのエッジを非接触で検出して出力する単一のエッジ位置検出器と、前記ターンテーブルの回転角度を検出して角度検出信号を出力する回転角度検出器と、前記ウェハを保持したターンテーブルを所定の角度ずつ回転させながら前記エッジ位置検出信号と前記角度検出信号とをサンプリングしてサンプリングしたエッジ位置検出信号及び角度検出信号を記憶する記憶装置と、前記エッジ位置検出信号及び角度検出信号にそれぞれ含まれるエッジ位置情報及び回転角度情報を用いて前記ウェハの基準位置に対する偏心量を演算する偏心量演算手段と、前記偏心量演算手段により演算された偏心量に応じて前記ウェハ回転装置とターンテーブル移動装置とウェハ昇降装置とを制御して前記ウェハの位置を基準位置に合せる位置合せ手段とを備えたウェハアライナ装置であって、
前記偏心量演算手段は、
前記ウェハが円形である場合に、前記基準面上における前記基準点と前記ウェハの中心との間の距離を偏心距離Leとして演算し、前記基準面上で前記基準点と該基準点からずれた位置にある前記ウェハの中心とを結ぶ軸を偏心角度軸として該偏心角度軸が、前記基準面上で前記基準点を通るように設定された円形ウェハ用基準軸に対してなす角を偏心角θeとして演算する円形ウェハ偏心量演算手段と、
前記ウェハが正方形である場合に、前記基準面上における前記基準点と前記ウェハの中心との間の距離を偏心距離Leとして演算し、前記基準面上で前記基準点と該基準点からずれた位置にある前記ウェハの中心とを結ぶ軸を偏心角度軸として該偏心角度軸が、前記基準面上で前記基準点を通るように設定された方形ウェハ用基準軸に対してなす角を偏心角θeとして演算する方形ウェハ偏心量演算手段と、
を具備し、
前記方形ウェハ偏心量演算手段は、
前記基準点に中心が一致し、前記ウェハの4辺と8つの点で交わるように半径Rが設定された仮想の基準円と前記ウェハの4辺との8つの交点のそれぞれと前記基準点とを結ぶ直線が前記基準面上で前記方形ウェハ用基準軸に対してなす角を前記8つの交点のそれぞれの交点角度データとして、該交点角度データを検出する交点角度データ検出手段と、
前記交点角度データ検出手段により検出された交点角度データと前記基準円の半径Rとを用いて、前記偏心距離Leを演算する方形ウェハ偏心距離演算手段と、
前記交点角度データ検出手段により検出された交点角度データと前記基準円の半径Rとを用いて前記偏心角θeを演算する方形ウェハ偏心角演算手段と、
を具備しているウェハアライナ装置。 - ウェハを保持するターンテーブルと該ターンテーブルを回転させる回転駆動機構とを有するウェハ回転装置と、前記ターンテーブルをその軸線と直角な平面に沿って少なくとも一方向に移動させるターンテーブル移動装置と、前記ウェハをターンテーブルの軸線方向に沿って上下させるウェハ昇降装置と、前記ターンテーブルの回転中心軸線と直交し前記ターンテーブル上のウェハの板面に沿う平面を基準面として、該基準面と前記回転中心軸線との交点を基準点としたときの前記基準点と前記ウェハのエッジとの間の距離の情報を含むエッジ位置情報を与えるエッジ位置検出信号を前記ウェハのエッジを非接触で検出して出力する単一のエッジ位置検出器と、前記ターンテーブルの回転角度を検出して角度検出信号を出力する回転角度検出器と、前記ウェハを保持したターンテーブルを所定の角度ずつ回転させながら前記エッジ位置検出信号と前記角度検出信号とをサンプリングしてサンプリングしたエッジ位置検出信号及び角度検出信号を記憶する記憶装置と、前記エッジ位置検出信号及び角度検出信号にそれぞれ含まれるエッジ位置情報及び回転角度情報を用いて前記ウェハの基準位置に対する偏心量を演算する偏心量演算手段と、前記偏心量演算手段により演算された偏心量に応じて前記ウェハ回転装置とターンテーブル移動装置とウェハ昇降装置とを制御して前記ウェハの位置を基準位置に合せる位置合せ手段とを備えたウェハアライナ装置であって、
前記偏心量演算手段は、
前記ウェハが円形である場合に、前記基準面上における前記基準点と前記ウェハの中心との間の距離を偏心距離Leとして演算し、前記基準面上で前記基準点と該基準点からずれた位置にある前記ウェハの中心とを結ぶ軸を偏心角度軸として該偏心角度軸が、前記基準面上で前記基準点を通るように設定された円形ウェハ用基準軸に対してなす角を偏心角θeとして演算する円形ウェハ偏心量演算手段と、
前記ウェハが正方形である場合に、前記基準面上における前記基準点と前記ウェハの中心との間の距離を偏心距離Leとして演算し、前記基準面上で前記基準点と該基準点からずれた位置にある前記ウェハの中心とを結ぶ軸を偏心角度軸として該偏心角度軸が、前記基準面上で前記基準点を通るように設定された方形ウェハ用基準軸に対してなす角を偏心角θeとして演算する方形ウェハ偏心量演算手段と、
を具備し、
前記方形ウェハ偏心量演算手段は、
前記基準点に中心が一致し、前記ウェハの4辺と8つの点で交わるように半径Rが設定された仮想の円を基準円として、前記ウェハを保持したターンテーブルを初期位置から予め定めた回転方向に回転させたときに最初に前記基準円と2点で交わることになる前記ウェハの一辺と前記基準円との2つの交点の内、前記エッジ位置検出器側に近い方の交点を第1の交点A1 とし、該第1の交点よりも回転方向の後方側に順次並ぶ7つの交点をそれぞれ第2ないし第8の交点A2 ないしA8 として、前記第1ないし第8の交点A1 ないしA8 と前記基準点とをそれぞれ結ぶ直線が前記方形ウェハ用基準軸に対して成す第1ないし第8の角度θa1ないしθa8を第1ないし第8の交点角度データとして検出する交点角度データ検出手段と、
前記基準面上で前記第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が前記方形ウェハ用基準軸に対して成す角度(θa1+θa2)/2から90°を引いた角度を前記ウェハの初期偏角θini として演算する初期偏角演算手段と、
前記交点角度データ検出手段により検出された交点角度データを用いて、前記第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が前記第1の交点A1 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ1 =(θa2−θa1)/2と、前記第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が前記第3の交点A3 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ2 =(θa4−θa3)/2と、前記第5の交点A5 と第6の交点A6 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が前記第5の交点A5 と前記基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ3 =(θa6−θa5)/2と、前記第7の交点A7 と第8の交点A8 とを結ぶ直線に前記基準点から下ろした垂線が前記第7の交点A7 と基準点とを結ぶ直線に対してなす角度θ4 =(θa8+360−θa7)/2またはθ4 =(θa8−θa7)/2とを偏心量演算用角度として演算する偏心量演算用角度演算手段と、
前記偏心量演算用角度θ1 ないしθ4 と前記基準円の半径Rとを用いて、前記第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線と前記基準点との間の距離L1 =Rcosθ1 と、前記第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線と前記基準点との間の距離L2 =Rcosθ2 と、前記第5の交点A5 と第6の交点A6 とを結ぶ直線と前記基準点との間の距離L3 =Rcosθ3 と、前記第7の交点A7 と第8の交点A8 とを結ぶ直線と前記基準点との間の距離L4 =Rcosθ4 とを偏心角演算用距離として演算する偏心角演算用距離演算手段と、
前記ウェハの中心を通り前記第1の交点A1 と第2の交点A2 とを結ぶ直線と直交する直線と前記基準点との間の距離Δx=R(cosθ4 −cosθ2 )/2と、前記ウェハの中心を通り前記第3の交点A3 と第4の交点A4 とを結ぶ直線と直交する直線と前記基準点との間の距離Δy=R(cosθ1 −cosθ3 )/2とを求めて、前記ウェハの中心と前記基準点との間の距離である前記偏心距離Le=(Δx2 +Δy2 )1/2 を演算する方形ウェハ偏心距離演算手段と、 前記偏心角θe=tan−1{(L1 −L3 )/(L4 −L2 )}+θini を演算する方形ウェハ偏心角演算手段と、
を具備しているウェハアライナ装置。 - 前記円形ウェハ偏心量演算手段は、
前記ウェハの円周部上に第1の特定位置Px1と、該第1の特定位置からそれぞれ90°,180°及び270°離れた第2ないし第4の特定位置Px2,Px3及びPx4とを定めてこれら第1ないし第4の特定位置におけるエッジ位置情報と回転角度情報とを求める特定位置検出手段と、
前記第1ないし第4の特定位置Px1〜Px4のそれぞれの位置におけるエッジ位置情報を用いて、前記基準面上での前記基準点と前記ウェハの中心との間の距離を前記偏心距離として演算する偏心距離演算手段と、
前記ウェハが初期位置にあるときに前記基準点と前記第1の特定位置とを結ぶ直線を基線として、前記円形ウェハ用基準軸が前記基線に対して成す基線傾斜角θSTを演算し、前記基準点と前記ウェハの中心点とを結ぶ直線を偏心角度軸として該偏心角度軸が前記基線に対して成す角度を偏心角演算用角度θ0 として演算して、前記偏心角演算用角度θ0 から前記基線傾斜角θSTを減じて前記偏心角θeを演算する円形ウェハ偏心角演算手段と、
を備えている請求項3または4に記載のウェハアライナ装置。 - 前記円形ウェハ偏心量演算手段は、
前記ウェハの外周に設けられた平坦部または切欠部の位置を検出する平坦部または切欠部検出手段と、
前記平坦部または切欠部検出手段により検出された平坦部または切欠部の両端位置を含む前記ウェハの円周部上に第1の特定位置Px1と、該第1の特定位置からそれぞれ90°,180°及び270°離れた第2ないし第4の特定位置Px2,Px3及びPx4とを定めてこれら第1ないし第4の特定位置におけるエッジ位置情報と回転角度情報とを求める特定位置検出手段と、
前記第1ないし第4の特定位置Px1〜Px4のそれぞれの位置におけるエッジ位置情報を用いて、前記基準面上での前記基準点と前記ウェハの中心との間の距離を前記偏心距離として演算する偏心距離演算手段と、
前記ウェハが初期位置にあるときに前記基準点と前記第1の特定位置とを結ぶ直線を基線として、前記円形ウェハ用基準軸が前記基線に対して成す基線傾斜角θSTを演算し、前記基準点と前記ウェハの中心点とを結ぶ直線を偏心角度軸として該偏心角度軸が前記基線に対して成す角度を偏心角演算用角度θ0 として演算して、前記偏心角演算用角度θ0 から前記基線傾斜角θSTを減じて前記偏心角θeを演算する円形ウェハ偏心角演算手段と、
を備えている請求項3または4に記載のウェハアライナ装置。 - 前記円形ウェハ用基準軸と前記方形ウェハ用基準軸とは同一方向に延びるように設定されている請求項3,4,5または6に記載のウェハアライナ装置。
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