JP4613280B2 - 睡眠時無呼吸症候群スクリーニングシステム及びその動作プログラム - Google Patents

睡眠時無呼吸症候群スクリーニングシステム及びその動作プログラム Download PDF

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Description

本発明は、生体の血中酸素飽和度に関する測定データに基づき、睡眠時無呼吸症候群(SAS;Sleep Apnea Syndrome)のスクリーニングを行うシステム、及びその動作プログラムに関するものである。
睡眠中の無呼吸や低呼吸から様々な症状を引き起こすSASは、高血圧、脳血管障害や虚血性心疾患の誘因となるばかりではなく、眠気に伴う生産性の低下や重大な労働災害を引き起こすと考えられ、近年社会問題化している。SASのスクリーニング方法の一つとして、被験者の睡眠中における動脈血の酸素飽和度(本明細書において「SpO」又は「血中酸素飽和度」という)の変動を測定する方法がある。これは、無呼吸又は低呼吸状態が生じると酸素供給が行われず血中酸素飽和度が低下するという関係があるからである。
従来、血中酸素飽和度を測定する装置としてパルスオキシメータが知られている。このパルスオキシメータは、例えば発光部と受光部とを備えるプローブを被験者の指に装着する等して、光を生体(指)に向けて投光し、生体を経由した光の光量変化をパルス信号として測定し、毎秒ごとの測定値を移動平均することによって血中酸素飽和度の時間変化を求めるものである(例えば特許文献1、特許文献2参照)。そして、無呼吸に伴う血中酸素飽和度の低下ピークであるDipの出現回数を求めることで、SASの重症度が判定される。かかる重症度の診断指標として、ODI(Oxygen desaturation index;1時間当たりの血中酸素飽和度の低下ピーク発生回数)が一般的に用いられている。
被験者は、パルスオキシメータを用いたSASのスクリーニングの結果、ODI値が一定の閾値を超過していることが判明した場合には、SAS患者の疑いがあるものとして医療機関等において精密検査を受けることとなる。なお、専ら医療機関において用いられる診断指標として、上記血中酸素飽和度のほか、脳波、口・鼻の気流、いびき、胸・腹の動き、体位などの評価パラメータを検出するポリソムノグラフィ(PSG;polysomnography)を用いて導出されるAHI(Apnea Hipopnea Index;1時間当たりの無呼吸及び低呼
吸回数)がある。
ところで、SAS患者における無呼吸症状の発生には体位依存性がある。すなわち、図17(a)に示すように、仰臥位睡眠時には舌根や軟口蓋の沈下により咽頭腔が塞がれ易くなり、上気道が閉塞されて無呼吸症状が出現し易い。これに対し、図17(b)に示すように、側臥位又は伏臥位睡眠時には、舌根や軟口蓋の沈下が発生し難くなることから上気道は維持され、比較的無呼吸症状は出現し難い。
特開平1−153139号公報 米国特許第6529752号公報
SASスクリーニングの主な目的は、SASの疑いのある者をなるべく広い範囲でトラップし、医療機関等で精密検査を受けさせる契機を提供することにある。またODIは、プローブを指に装着するだけで計測が行えるパルスオキシメータを用い、被験者が自宅で日常睡眠に近い状態で求めることができる有用な指標である。しかしながら、上述の通り無呼吸症状の発生には体位依存性があるので、被験者においてSASスクリーニングの実施日にたまたま側臥位又は伏臥位で睡眠している時間が長い場合には、睡眠総時間に対し
てDipの出現回数が少なくなることから、ODI値が低く検出されてしまうことが起こり得る。結果として、その被験者が実際にはSAS患者であるにも拘わらず、これが看過されてしまう可能性があり、上記SASスクリーニングの主目的に反するという不具合があった。
そこで、被験者の体位に関連付けて血中酸素飽和度を計測し、側臥位、伏臥位及び仰臥位などの体位別ODIを求める手法が提案されている。この手法によれば、無呼吸症状が発生し易い仰臥位睡眠時におけるODI(仰臥位ODI)を別離して評価することが可能となる。しかし、この方法を実施するためには、体幹部に加速度センサ等の体位センサを取り付ける必要があり(指先等の末端部であると体位を検知できない)、被験者の装着負担が大きく、また専ら指先付近に装着されるパルスオキシメータと前記加速度センサとを繋ぐケーブルが必要となり煩雑さが否めない。なお、パルスオキシメータに加速度センサを内蔵させることで前記ケーブルの使用は省けるが、この場合はパルスオキシメータを体幹部に装着することとなるので、被験者の装着負担が一層大きくなってしまう。
また、上掲の特許文献2には、パルスオキシメータにより被験者の全睡眠期間中に取得された血中酸素飽和度の測定データを、スイッチ操作により単位時間区画に切り分けた上で、その単位時間区画毎にDipのようなイベントをカウントする方法が開示されている。この方法によれば、単位時間区画毎にODI値を求めることで、SAS被疑者をトラップできる可能性が拡大できるようになる。しかし、この方法を採用したとしても、単に測定データを単位時間で区画しただけでは、仰臥位睡眠時間の割合が少ないケースにおいては的確にSAS被疑者を知見出来ない虞がある。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたもので、体位センサを用いることなく、的確にSASの疑いがある者を知見できるSASスクリーニングシステム、及びその動作プログラムを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る睡眠時無呼吸症候群スクリーニングシステムは、被験者の血中酸素飽和度に関する測定データを検出する測定手段と、前記測定手段により取得された測定データに対して所定のデータ解析処理を行うことで血中酸素飽和度の時系列データを生成する解析処理手段と、前記血中酸素飽和度の時系列データから、当該血中酸素飽和度の所定の低下ピークであるDipを検出するDip検出手段と、前記時系列データから、前記Dipが所定の条件で連続的に発生しているDip連続発生時間帯を抽出する時間帯抽出手段と、前記Dip連続発生時間帯において発生したDipの回数と、抽出された前記Dip連続発生時間帯の時間和とから、単位時間当たりのDip発生率である第1のODI値を求めるODI算出手段と、前記第1のODI値を表示する表示手段とを具備することを特徴とする。
この構成によれば、時間帯抽出手段によりDipが所定の条件で連続的に発生しているDip連続発生時間帯が抽出される。この時間帯は、いわゆる閉塞性のSAS患者である場合、仰臥位で睡眠している可能性がきわめて高い時間帯であると言うことができる。つまり、このDip連続発生時間帯において発生したDipの回数と、Dip連続発生時間帯の時間和とから求められた第1のODI値は、仰臥位ODIの値に略等しいものであると言うことができる。従って、被験者においてSASスクリーニングの実施日に側臥位又は伏臥位での睡眠時間割合が多い場合であっても、的確にSASの疑いがあるか否かを評価できるデータを取得することができるようになる。
上記構成において、前記Dip連続発生時間帯の時間和が所定の時間長さを有しているか否かを判定し、所定の時間長さを有している場合に、前記ODI算出手段に第1のOD
I値を求める演算を行わせる指示信号を与える判定手段を備えることが望ましい(請求項2)。
Dip連続発生時間帯の時間和があまりに短い場合、その時間和に基づき導出された第1のODI値は、誤差要因が占める割合が高くなり信頼性が低い値となる。この構成によれば、そのような場合には第1のODI値が算出されず、一定の信頼性が担保できる場合(時間和が所定の時間長さを有している場合)にのみ第1のODI値が算出されるので、第1のODI値の信頼性を向上させることができる。
また、上記構成において、前記表示手段の表示動作を制御する表示制御手段をさらに備え、前記ODI算出手段は、前記時系列データの総時間と、Dip検出手段により検出されたDipの総回数とから、単位時間当たりのDip発生率である第2のODI値を求めることが可能とされ、前記表示制御手段は、前記表示手段に前記第1のODI値及び/又は第2のODI値を表示させる構成とすることが望ましい(請求項3)。
この構成によれば、体位別のODI値とも言える第1のODI値だけでなく、被験者の全睡眠期間を対象として求められる通常のODI値である第2のODI値も求められ、これらが表示手段に表示可能となる。重症のSAS患者や中枢性のSAS患者の場合、一般に無呼吸症状の発生に体位依存性はない。一方、中度、軽度のSAS患者の場合、体位依存性が存在する。従って、2つのODI値を求めることで、これらの患者を識別することが可能となる。
この場合、前記表示制御手段は、前記第1のODI値と第2のODI値とを比較し、第2のODI値が第1のODI値に比べて所定値よりも小さい場合に、前記表示手段に所定の識別情報を付加して前記第1のODI値を表示させるようにすることができる(請求項4)。
上述の通り、第1のODI値は、仰臥位ODIの値に略等しいと評価できる。従って、例えば第2のODI値を従前と同様な被験者の睡眠総時間を対象としたODI値と扱う一方で、第1のODI値には「体位別ODI値」などという識別情報を付して表示させるようにすれば、ユーザの利便性を向上させることができる。
上記いずれかの構成において、前記表示制御手段は、前記第1のODI値に加えて、前記Dip連続発生時間帯の時間和も前記表示手段に表示させることが望ましい(請求項5)。この構成によれば、Dip連続発生時間帯の時間和が表示手段に表示されるので、その時間長さに基づき、求められた第1のODI値の信頼性を概略的に推定できるようになる。
本発明の請求項6に係る睡眠時無呼吸症候群スクリーニングシステムの動作プログラムは、所定の演算処理手段及び表示手段を備える睡眠時無呼吸症候群スクリーニングシステムの前記演算処理手段に具備されているコンピュータに、被験者の血中酸素飽和度に関す
る測定データを取得するステップと、前記測定データに対して所定のデータ解析処理を行うことで血中酸素飽和度の時系列データを生成するステップと、前記血中酸素飽和度の時系列データから、当該血中酸素飽和度の所定の低下ピークであるDipを検出するステップと、前記時系列データから、前記Dipが所定の条件で連続的に発生しているDip連続発生時間帯を抽出するステップと、前記Dip連続発生時間帯において発生したDipの回数と、抽出された前記Dip連続発生時間帯の時間和とから、単位時間当たりのDip発生率であるODI値を求めるステップと、前記ODI値を前記表示手段に表示させるステップとを実行させることを特徴とする。
請求項1及び請求項6に係る発明によれば、体位センサに依存することなく、的確にSASの疑いがあるか否かを評価できる臨床的に意義のある評価値としてのODI値を取得することができる。従って、SASの疑いがある被験者を見落とす可能性が従来法に比べてきわめて低いSASスクリーニングシステム及びその動作プログラムを提供できる。
請求項2に係る発明によれば、第1のODI値の信頼性を向上させることができるので、一層的確にSASの疑いがあるか否かを評価できるようになる。
請求項3に係る発明によれば、第1のODI値及び第2のODI値という2つのODI値を求めることで、無呼吸症状発生に就寝体位依存性がある患者と、体位依存性がない患者とを識別することが可能となり、システムの利用性を向上させることができる。
請求項4に係る発明によれば、例えば第1のODI値を「体位別ODI値」として表示させることができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
請求項5に係る発明によれば、表示手段に表示された時間和の時間長さに基づき、求められた第1のODI値の信頼性を概略的に推定できるので、再測定の必要性等を簡易に判定することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るSASスクリーニングシステムS0の構成を簡略的に示すブロック図である。このSASスクリーニングシステムS0は、被験者の指先等から血中酸素飽和度(SpO)情報を測定する測定手段11、測定手段11により取得された測定データに対して所定のデータ解析処理を行う演算処理手段12、演算処理手段12により求められたODI値(第1のODI値)を表示する表示手段13、及び前記測定データ等を記憶する記憶手段14を備えて構成されている。
測定手段11は、被験者のSpO情報に関連するパラメータを測定できるものであれば特に制限はない。この測定手段11は、所定のセンシングエレメント、該センシングエレメントの駆動並びにセンシングエレメントから出力される測定信号に対して信号処理(A/D変換等)を行う測定回路等を含んで構成される。例えば2波長光電脈波データに基づきSpOを測定する場合は、前記センシングエレメントとしては、LED等の発光素子(2波長LED)とシリコン受光素子等の受光素子とが用いられる。
演算処理手段12は、制御プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、一時的にデータを格納するRAM(Random Access Memory)及び制御プログラム等をROMから読み出して実行する中央演算処理装置(CPU)やDSP(Digital Signal Processor)等から構成され、機能的に解析処理手段121、Dip検出手段122、時間帯抽出手
段123及びODI検出手段124を備えている。
解析処理手段121は、測定手段11により取得された測定データ、例えば2波長光電脈波データに基づいてサンプリング周期毎のSpO値(瞬時SpO値)を求めると共に、この瞬時SpO値を時間軸に展開してSpOの時系列データを生成する。
Dip検出手段122は、解析処理手段121にて求められるSpOの時系列データから、当該SpOの所定の低下ピークであるDip(一時的な落ち込み)を検出する。なお、Dipとは、ここではSpO値が所定の閾値以下に低下したことを指すのではなく、任意の時点におけるSpO値(ベースライン)に比べて、所定時間内に所定レベル以上の大きな低下傾向を示した場合を指すものとする(後記で詳述する)。
時間帯抽出手段123は、SpOの時系列データから、前記Dipが所定の条件で連続的に発生しているDip連続発生時間帯を抽出する。時間帯抽出の基準は適宜設定して良いが、通常のSAS患者であれば長くて1分程度のインターバルで無呼吸症状が出ることから、例えば1つのDipが検出されてから1〜5分程度以内に次のDipが検出されるパターンが3回以上連続している時間帯を、Dip連続発生時間帯として抽出するように設定することができる。
ODI検出手段124は、前記Dip連続発生時間帯において発生したDip回数と、抽出された前記Dip連続発生時間帯の時間和とを求め、前記Dip回数を時間和で除することにより、単位時間当たりのDip発生率であるODI値を求める演算を行う。
表示手段13は、例えば、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)、7セグメントLED、有機フォトルミネセンス表示装置、CRT(Cathode Ray Tube)及びプラズマ表示装置等の表示装置からなる。この表示手段13には、少なくともODI検出手段124により求められたODI値が表示され、必要に応じて前記Dip連続発生時間帯の時間和などが表示されるものであり、これらの情報が、文字情報、画像情報或いは光点灯情報等、必要に応じた任意の形態で表示される。
記憶手段14は、測定手段11により計測された脈波データや、演算処理手段12によるデータ解析結果等を一時的に格納するものである。この記憶手段14としては、RAMやEPROM(Erasable and Programmable ROM)などを用いることができる。
以上の通り構成されたSASスクリーニングシステムS0の動作例を簡単に説明する。測定が開始されると、測定手段11により、所定のサンプリング周期毎に生体情報が計測され、測定データが出力される。この測定データは、A/D変換等の信号処理が為された後、時刻情報に関連付けて記憶手段14に格納される。このような測定動作が測定期間中繰り返され、記憶手段14に測定データが蓄積される。
そして、測定終了後、演算処理手段12により記憶手段14の測定データが読み出され、ODIが算出される。具体的には、解析処理手段121によりSpOの時系列データが生成され、Dip検出手段122により前記時系列データからDipが検出され、時間帯抽出手段123によりDip連続発生時間帯が抽出された上で、ODI検出手段124によりDip連続発生時間帯におけるODI値が求められる。そして、求められたODI値は、適宜な表示形態で、表示手段13へ表示されるものである。
このようなSASスクリーニングシステムS0によれば、ODI値の算出前によりDip連続発生時間帯が抽出される。この時間帯は、中度、軽度のSAS患者の場合、仰臥位で睡眠している時間帯を含む時間帯と扱うことができる。つまり、このDip連続発生時間帯において発生したDipの回数と、Dip連続発生時間帯の時間和とから求められた第1のODI値は、仰臥位ODIの値に略等しいものとなる。従って、被験者においてSASスクリーニングの実施日に側臥位又は伏臥位での睡眠時間割合が多い場合であっても、的確にSASの疑いがあるか否かを評価できるデータを取得することができる。それゆえ、SASの疑いがある被験者を見落とす可能性が従来法に比べてきわめて低いSASスクリーニングシステムS0を提供できる。
以上説明したSASスクリーニングシステムS0を実機として提供するに際しては、様々なハード構成を取ることができる。図2は、上記測定手段11、演算処理手段12、表示手段13及び記憶手段14を、被験者に装着可能な単一機器であるパルスオキシメータ20に搭載してなるSASスクリーニングシステムS1を示す外観構成図である。このパルスオキシメータ20(SASスクリーニングシステムS1)は、被験者の手首付近に装着可能とされたパルスオキシメータ本体部21と、被験者の指先に装着可能とされたプローブ22とを備え、両者が信号ケーブル201で電気的に接続されてなる。
パルスオキシメータ本体部21には、電源スイッチ211、LCD等からなる表示部212(表示手段13に相当する)、ベルト係止部213等が備えられているほか、その内部に、前記測定手段11の一部、演算処理手段12及び記憶手段14に相当する機能を果たす電気回路が収納されている。また、プローブ22には、測定手段11の一部を構成する発光素子と受光素子とが備えられている。かかるSASスクリーニングシステムS1によれば、必要な機能が全て搭載されたウェアラブルな単一機器としてシステムが構成されるので、可搬性に優れたコンパクトなシステムとすることができる。
図3は、本発明に係るシステムの他のハード構成例を示すもので、被験者に装着可能なパルスオキシメータ20’とパーソナルコンピュータPCとがUSBケーブル等の通信ケーブルCで接続されてなるSASスクリーニングシステムS2を示す外観構成図である。このSASスクリーニングシステムS2では、上記測定手段11及び記憶手段14の機能がパルスオキシメータ20’に備えられ、上記演算処理手段12及び表示手段13の機能がパーソナルコンピュータPCに備えられる(勿論、パルスオキシメータ20’にも演算処理手段12及び表示手段13の機能が備えられていても良い)構成とされる。このようなSASスクリーニングシステムS2とすれば、記憶手段14から測定データをダウンロードし、パーソナルコンピュータPCにより高度なデータ解析が行えるようになる。
以下、図2に示したハード構成のSASスクリーニングシステムS1について、より具体的な実施形態の一例について説明する。図4は、図2に示したパルスオキシメータ20の電気的構成を示すブロック図である。このパルスオキシメータ20のプローブ22には、発光部221及び受光部222が備えられ、またパルスオキシメータ本体部21には、上記表示部212の他、測定回路部30、制御部40、メモリ部51、操作部52、I/F部53(通信部)及び電源部54が備えられている。
発光部221は、異なる2つの波長λ1、λ2を発生するLEDから構成され、例えば赤色領域の波長λ1の赤色光を発生する赤色LEDと、赤外線領域の波長λ2の赤外光を発生する赤外LEDとが用いられる。一方、受光部222は、発光部221から発せられた光を受光し、その受光した光強度に応じた電流を生成する光電変換素子からなる。該光電変換素子としては、少なくとも前記波長λ1および波長λ2に対して光感応性を有するシリコンフォトダイオード(Silicon Photo Diode)等の受光素子を用いることができる。
発光部221と受光部222とは、SpOを測定する生体組織(例えば指先)を挟み生体の透過光を検出できるように対向配置されるか、生体からの反射光を検出できるように隣接配置される。これにより、発光部221から発せられる両波長λ1、λ2の光が、生体を経由した上で受光部222にて受光されるようになり、2波長光電脈波データが取得されるようになる。
測定回路部30は、発光部221に接続される発光制御回路31と、受光部222に接続されるA/D変換回路32とを備えている。発光制御回路31は、後述する制御部40の測定制御部41から所定のサンプリング周期で与えられる発光制御信号に基づき、発光部221の赤色LEDと赤外LEDとを交互に発光させる制御を行う。これにより、発光部221から赤色光(λ1)と赤外光(λ2)とが交互に射出される。A/D変換回路32は、同様に測定制御部41により制御され、発光部221の発光に同期して受光部222から出力される光電変換信号(測定信号)を取得し、これをデジタル信号に変換して制御部40へ向けて出力する。
酸素は、血液中のヘモグロビンの酸化・還元によって運搬されている。このヘモグロビンは、酸化されると赤色光(λ1)の吸収が減少して赤外光(λ2)の吸収が増加し、逆に還元されると赤色光(λ1)の吸収が増加して赤外光(λ2)の吸収が減少するという光学的特性を有している。プローブ22及び測定回路部30はこの特性を利用すべく構成されたものであり、受光部222で検出された赤色光(λ1)及び赤外光(λ2)の透過光量の変動を計測することで、SpOを求めることが可能となる。
制御部40は、CPU等からなり、パルスオキシメータ本体部21に収容されている各部の動作制御を行うもので、機能的に測定制御部41、記録制御部42、演算処理部43及び表示制御部44を備えて構成されている。
測定制御部41は、所定の測定プログラムに則り発光部221及び受光部222による測定動作を制御する。具体的には、前記発光制御回路31及びA/D変換回路32にタイミングパルス等を与え、サンプリング周期毎に発光部221を発光させると共に、その発光タイミングに同期させて受光部222から光電変換信号(測定データ)を取得させる。
記録制御部42は、CPUに備えられているタイマー機能等を用い、A/D変換回路32から出力されるデジタル測定データを、測定時刻情報に関連付けてメモリ部51に記録させる動作を制御する。
演算処理部43は、プローブ22により取得され一旦メモリ部51に格納された光電脈波データを使用して(或いはプローブ22により取得された光電脈波データに対して直接)、ODI値を求めるためのデータ解析処理を行う。この演算処理部43の詳細な機能構成については、図5に基づいて後記で詳述する。
表示制御部44は、測定中の状態情報(測定中であることを示すパイロット情報等)や、若しくは演算処理部43で求められたODI値等を、所定の表示形態で表示部212へ表示させる表示動作を制御する。その表示態様の具体例については、図14に基づいて後記で説明する。
表示部212は、LCD(Liquid Crystal Display)表示装置等からなり、上述した測定中の状態情報や症例に応じた解析結果等が、文字・数字・記号、絵記号、キャラクタ情報等の適宜な表示情報として表示される。
メモリ部51は、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリからなり、当該パルスオキシメータ20の動作プログラム等を記憶する他、当該パルスオキシメータ20において取得された測定データが格納される。すなわち、メモリ部51には、測定回路部30から与えられる2波長光電脈波データ若しくは前記2波長光電脈波データから求めた瞬時SpO値が、サンプリング時刻に関連付けて一時的に格納される。
操作部52は、操作ボタン等からなり、制御部40に対して測定開始指示や各種の操作指示情報を入力するためのものである。I/F部53は、メモリ部51に記録されているデータを、パーソナルコンピュータ等の他の電気機器へ移送する際など、データ通信を可能とするためのインターフェイス装置である。電源部54は、所定の電源回路、ボタン電池等の電源電池等を備え、パルスオキシメータ20の各機能部へ駆動電圧を供給するものである。
次に、演算処理部43の詳細構成について説明する。図5は、演算処理部43の機能構成を示す機能ブロック図である。この演算処理部43は、機能的に、前処理部431、SpOデータ生成部432(解析処理手段)、Dip検出部433(Dip検出手段)、時間帯抽出部434(時間帯抽出手段)、判定部435(判定手段)及びODI算出部436(ODI算出手段)を備えて構成されている。
前処理部431は、メモリ部51に所定のサンプリング周期で取得され時刻情報に関連付けて記憶されている光電脈波データを読み出して、時間軸に展開するデータ整列処理を行い、上述の赤色光(λ1)及び赤外光(λ2)の2波長について光電脈波波形をそれぞれ生成する。図6は、1つの波長について前処理部431で生成される光電脈波波形61の一例を示すグラフ(脈波のサンプリング周波数=30Hz)である。
さらに前処理部431は、ノイズ除去処理や光電脈波波形61に対する移動平均処理を行う。図6に示す光電脈波波形61は、生の脈波データをそのままプロットしたものであるが、このような生の光電脈波波形61には微小測定時間範囲における脈波データのゆらぎがしばしば表れる。このため、前処理部431は、例えば時間軸上にプロットされた脈波データの5個移動平均(中心データと、その前後2個のデータの平均を求める)を取る演算を、光電脈波波形61の時間軸に沿って順次行う移動平均処理を行う。
SpOデータ生成部432は、2波長光電脈波波形(前処理部431でデータ処理された波形データ)からサンプリング周期毎の瞬時SpO値を求めて、これを時間軸に展開することによりSpOの時系列データであるSpO曲線を生成する。図7は、このようなSpO曲線62の一例を示すグラフ(時間軸を上段と下段に分けて表記している)である。当該SpO曲線62において、SpO値が一時的に落ち込んでいる部分が観測されているが、これが上述のDipである。
Dip検出部433は、SpOの時系列データ(SpO2曲線62)に基づいて、SpO値の低下ピークであるDipを検出する演算を行う。また、Dip検出部433は、検出されたDipが、被験者の無呼吸状態若しくは低呼吸状態と連関性のある有意なDipであるか否かの判定を行う。すなわち、Dip検出部433は所定のDip検出指標を有し、検出されたDipと前記Dip検出指標とを比較することで「有意なDip」であるか否かを判定する。
Dipを検出することは、当該被験者について取得されたSpO曲線62に関し、無呼吸乃至は低呼吸のイベントを検出することに相当する。図8は、Dipの検出指標を模式的に示す図である。前記Dip検出指標としては、例えばSpO曲線62の低下勾配、低下度、低下状態持続時間、回復時間(上昇度)などが用いられる。例えばDip検出部433は、図8に示すように、SpO曲線62から抽出されたDipについて、次の要件を満たす場合にそれが「有意なDip」であると判定する。
持続時間;8〜120sec
低下勾配;≧1%/10sec
低下度 ;≧2%〜≧5%
回復時間;<20sec
ここで求められるDipは、一定の基準値からの低下度等ではなく、逐次変動するSpO曲線62の任意の点(被験者の睡眠期間中における任意の時点;ベースライン)からの低下度等に基づくものである。すなわち、計測開始当初のSpO値に比較して所定量だけ低下したのか、或いは一定値以下にSpO値が低下したのかを見るのではなく、各々のDipの開始点からの低下度がどの程度であるかを検出指標としている。これによりSpO値の低下を的確に検出することができるようになる。
時間帯抽出部434は、SpO曲線62から、前記Dipが所定の条件で連続的に発生しているDip連続発生時間帯を抽出する。その抽出基準は、上述の通り、例えば1つのDipが検出されてから1〜5分程度以内に次のDipが検出されるパターンが3回以上連続している時間帯を、Dip連続発生時間帯として抽出するように設定することができる。
このような時間帯抽出部434を設ける意義について説明する。図9は、ある被験者について、一回の測定(睡眠総時間=約2.3時間)で取得された2波長光電脈波データに基づくSpOのトレンドグラフである。ここでは、一時間単位でデータを区分し、上段に第(1)ピリオドとして最初の1時間分に係るSpO曲線63を、中段に第(2)ピリオドとして次の1時間分に係るSpO曲線64を、下段に第(3)ピリオドとして残りの17分間分に係るSpO曲線65を各々示している。医師等がこのトレンドグラフを見た場合、第(1)ピリオドの前半や第(2)ピリオドの中盤付近にDipが集中発生している期間が認められることから、当該被験者においてSASの疑いが有るものと判断し、PSGのような精密検査の受診を推奨することができる。しかし、SASスクリーニングにおいて、睡眠総時間を対象として求められたODI値に基づいた判定を行うと、かかる被験者を健常者と扱ってしまう場合が生じ得る。
図10は、第(1)〜第(3)ピリオド別に、SpO曲線63〜65についてそれぞれDipの数とODI値とを求めて表した表形式の図である。最下欄には、睡眠総時間に対応するDipの数とODI値とを示している。この測定例では、従来の一般的なSASスクリーニング方法で求められるODI値は、睡眠総時間を対象として求められることから「12.7」となる。ここで、例えばSASの陰性と陽性との閾値=15とされている場合、当該被験者は第(2)ピリオドではODI値=20という陽性の結果が出ているにも拘わらず、陰性という結果をアウトプットしてしまうこととなる。
また、仮に1時間のピリオド単位でODI値を求めるようにした場合でも、ここで例示している第(2)ピリオドのように比較的仰臥位睡眠姿勢が長いと推定されるピリオドがたまたま表れなかったときは、同様に陰性のODI値が導出されてしまうことになる。つまり、もし被験者が第(2)ピリオドにおいて伏臥位睡眠姿勢を取ったことに起因して有意なDipが検出されなかったような場合、第(1)ピリオドにおいて比較的短期間ながらSASの兆候的なDipが集中発生しているにも拘わらず、第(1)ピリオドのODI値=8であることから、これが看過されてしまうこととなる。さらに、第(2)ピリオドに表れているDip集中発生部が、時間的にシフトして第(2)ピリオドと第(3)ピリオドとに跨って表れたような場合も、各ピリオドにおいて陰性の値を導出してしまう可能性がある。このように、単純に単位時間別にODI値を求めるようにしただけでは、SASの疑いのある者をなるべく広い範囲でトラップするというSASスクリーニングの目的が十分に達成できない場合がある。
そこで時間帯抽出部434は、上述のような抽出基準でDip連続発生時間帯を抽出する。図11は、図9に示すSpOのトレンドグラフからDip連続発生時間帯のみを抽出して示したグラフである。すなわち、第(1)ピリオドからは、そのSpO曲線63におけるDip集中発生部631、632に対応するDip連続発生時間帯t1、t2が抽出されている。また第(2)ピリオドからは、そのSpO曲線64におけるDip集中発生部641に対応するDip連続発生時間帯t3が抽出されている。一方、第(3)ピリオドには顕著なDip集中発生部が存在しないことから、Dip連続発生時間帯は抽出されていない。このようにして抽出されたDip連続発生時間帯t1〜t3を対象としてODI値を求めるようにすれば、確実にSASの疑いのある者をトラップできるようになる。
図12は、時間帯抽出部434におけるDip連続発生時間帯の抽出アルゴリズム説明するためのタイムチャートである。時間帯抽出部434は、SpO曲線66を構成する瞬時SpO値を時間軸に沿って順次比較して大小判定しつつ、隣接するDip間の間隔を判定することでDip連続発生時間帯を抽出する。前記大小判定処理により、SpO曲線66において最初に表れるDip1からは、瞬時SpO値が低下を開始する時刻t11と、低下ピーク値を示す時刻t12と、低下開始前のレベルにほぼ復元する時刻t13とが検出される。これに続いて表れるDip2、Dip3においても、同様に時刻t21〜t23、時刻t31〜t33が検出されることとなる。
時間帯抽出部434は、時刻t11〜t13までの大小判定処理によりDip1を認識すると、これを基準Dipとして記憶する。続いて、Dip1の復元時刻t13からDip2の開始時刻t21までのインターバルtaをカウントする。所定の閾値時間(例えば1〜5分)以内にインターバルtaが終われば、Dip1とDip2とは「連続」と判定され、連続数=2という値が記憶される。なお、閾値時間を超過してもインターバルtaが終わらなければ、Dip1の基準Dipとしての地位はリセットされる。そして、その後にDip2が認識された場合は、そのDip2が基準Dipとして記憶される。
引き続き時間帯抽出部434は、Dip2の復元時刻t23からDip3の開始時刻t31までのインターバルtbをカウントし、閾値時間以内にインターバルtbが終われば、Dip1〜Dip3までは「連続」と判定され、連続数=3という値が記憶される。ここで、Dip連続発生時間帯の抽出条件として「Dipの連続数=3」が設定されている場合、時間帯抽出部434は、Dip1の開始時刻t11からDip3の復元時刻t33までをDip連続発生時間帯として認識する。以後、復元時刻t33から閾値時間以内に次のDipが認識されれば、Dip連続発生時間帯をその復元時刻まで延長して認識する処理が繰り返される。
これに対し、図12に示しているように、復元時刻t33から閾値時間の満了時刻となる時刻txまでインターバルtcが継続した場合、時間帯抽出部434は、開始時刻t11からDip3の復元時刻t33までを1つのDip連続発生時間帯として確定的に認識する。しかる後、次のDipが認識されると、上記と同様な処理が行われる。なお、Dip間のインターバルの取り方は、Dipの開始時刻同士の間、Dipの低下ピーク値時刻の間としても良い。
図5に戻って、判定部435は、前記Dip連続発生時間帯の時間和が所定の時間長さを有しているか否かを判定し、所定の時間長さを有している場合に、ODI算出部436にODI値を求める演算を行わせる指示信号を与える。これは、Dip連続発生時間帯の時間和があまりに短い場合(例えば)、その時間和に基づき導出されたODI値は、誤差要因が占める割合が高くなり信頼性が低い値となるためである。
具体的には判定部435は、図11に示した例では、Dip連続発生時間帯t1〜t3の時間和を求め、その時間和が予め設定された閾値時間を超過しているか否かに基づき、ODI値を求める演算を行わせるか否かの判定を行う。時間和の閾値時間は任意に設定して良いが、例えば20〜30分程度に設定することができる。また、測定時間(被験者の睡眠総時間)に応じ、例えば睡眠総時間が4時間のときは閾値時間は30分、6時間以上のときは1時間というように設定しても良い。また、被験者の個人特性等に応じて、操作部52(図4参照)から適宜な閾値時間を入力できるようにしても良い。
ODI算出部436は、判定部435からの演算指示信号を受けて、Dip連続発生時間帯において発生したDip回数と、抽出されたDip連続発生時間帯の時間和とを求め(或いは判定部435から時間和情報を取得して)、前記Dip回数を時間和で除することにより、Dip連続発生時間帯におけるODI値(第1のODI値)を求める演算を行う。例えば、図11に示した例のようにDip連続発生時間帯が抽出された場合は、図13に示すように、Dip連続発生時間帯t1〜t3において発生したDip回数を、このDip連続発生時間帯t1〜t3の時間和t1+t2+t3で除することにより、第1のODI値を求める。
またODI算出部436は、必要に応じてSpOの時系列データの総時間(睡眠総時間)、つまり図9に示すSpO曲線63〜65を対象としてDip検出部433により検出されたDipの総回数に基づいて、いわゆる従来型のODI値である第2のODI値を求めることも可能とされている。重症のSAS患者や中枢性のSAS患者の場合、一般に無呼吸症状の発生に体位依存性はないが、中度、軽度のSAS患者の場合、体位依存性が存在する。従って、上述した第1のODI値と、この第2のODI値とを求めることで、これらの患者を識別することが可能となる。
表示制御部44は、上記第1のODI値及び/又は第2のODI値の他、所定の情報を表示部212へ表示させる制御を行う。具体的には、第1のODI値と第2のODI値とを比較し、第2のODI値が第1のODI値に比べて所定値だけ小さい場合、第1のODI値には「体位別ODI」という識別情報を付加して表示部212に表示させる。これは、第1のODI値が概ね仰臥位睡眠時におけるODI値に等しいものと扱えるからである。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、表示制御部44は、Dip連続発生時間帯の時間和も表示部212に表示させる。かかる表示を行うことで、表示されたDip連続発生時間帯の時間和の長さに基づき、求められた第1のODI値の信頼性を概略的に推定できるようになる。従って、ユーザにおいて再測定の必要性等を簡易に判定することができる。
図14は、表示部212におけるSASスクリーニング結果の表示態様の一例を示す平面図である。ここでは「ODI」の値(睡眠総時間を対象とする第2のODI値が相当)、「体位別ODI」の値(Dip連続発生時間帯を対象とする第1のODI値が相当)、「時間和」の値(抽出されたDip連続発生時間帯の時間和が相当)を数値で表示させる例を示している。また、「評価」欄を設け、結果を端的に示す絵記号と共に、「精密検査を受けて下さい」などといったメッセージが表示される例を示している。
以上の通り構成されたパルスオキシメータ20(SASスクリーニングシステムS1)の動作について、図15、図16に示すフローチャートに基づいて説明する。図15は、パルスオキシメータ20の全体的な動作フローを示すフローチャートである。
先ず、パルスオキシメータ20を被験者の体の適宜な箇所(手首等)に装着すると共にプローブ22を測定指にクリッピングし、パルスオキシメータ20の電源スイッチ211(図2参照)を投入して、測定モードに設定される(ステップS1)。この後、計測が開
始されるが、終夜パルスオキシメトリを実施する場合等には、被験者が睡眠に入るまでの時間を考慮して、所定時間経過後に計測が開始されるようタイマーセットを行うようにしても良い。
計測が開始されると、所定のサンプリング周期であるかが確認され(ステップS2)、前記サンプリング周期が到来すると(ステップS2でYES)、プローブ22により被験者の2波長光電脈波データが取得される(ステップS3)。その後、A/D変換回路32(図4参照)によるA/D変換や所定の演算処理が行われた後に、これら測定データがパルスオキシメータ本体部21のメモリ部51へ時刻情報に関連付けて格納される(ステップS4)。
そして、測定を終了するかが確認され(ステップS5)、所定の測定期間中である場合(ステップS5でNO)は、前記ステップS2に戻って処理が繰り返され、測定データがメモリ部51に蓄積される。一方、所定の測定期間が終了した場合や、被験者が所定の測定期間中に完全覚醒して測定動作を強制終了させたような場合(ステップS5でYES)は、ここでパルスオキシメータ20を用いた計測動作は終了する。
その後、取得された光電脈波データのデータ解析を行う解析モードの実行を指示する操作信号が操作部52から与えられたか否かが確認される(ステップS6)。解析モード実行指示が与えられた場合(ステップS6でYES)、メモリ部51に蓄積された光電脈波の測定データが読み出され、各種症例に対応する測定データ解析が行われる(ステップS7)。
図16は、図15のフローチャートのステップS7における、測定データ解析処理の詳細を示すフローチャートである。測定データ解析が開始されると、メモリ部51に格納されている測定データが演算処理部43(図4、図5参照)により読み出される(ステップS11)。そして、前処理部431により所定の処理が施され、図6に示したような光電脈波波形61が、測定に供した2波長について生成される(ステップS12)。
続いて、SpOデータ生成部432にて、ステップS12で求められた2波長の光電脈波波形61からサンプリング周期毎の瞬時SpO値を求め、これを時間軸に展開することで、図7に示したようなSpO曲線62が生成される(ステップS13)。そして、このSpO曲線62から、Dip検出部433により例えば図8に示したようなDip検出指標に従って「有意なDip」が検出される(ステップS14)。
次に、時間帯抽出部434により、前記SpO曲線62においてDipが所定の条件で連続的に発生している時間帯であるDip連続発生時間帯(図11のt1、t2、t3参照)を抽出する処理が行われる(ステップS15)。さらに、抽出されたDip連続発生時間帯の時間和(図11の例ならば、時間和=t1+t2+t3)が求められる(ステップS16)。
その後、判定部435により、ステップS16で求められた時間和が、一定の信頼性を担保できる程度の時間長さを有しているか否かが判定される(ステップS17)。時間和が所定の時間長さを有している場合(ステップS17でYES)、ODI算出部436により図11に示したようにDip連続発生時間帯t1、t2、t3のDip集中発生部631、632、641におけるDip数がカウントされ(ステップS18)、これを時間和=t1+t2+t3で除することにより第1のODI値が算出される(ステップS19)。一方、時間和が所定の時間長さを有していない場合(ステップS17でNO)、上記ステップS18、ステップS19はスキップされる。
続いて、ODI算出部436により睡眠の総時間を対象とするODI値(第2のODI値)を求める指示が与えられているか否かが確認される(ステップS20)。第2のODI値を求める場合(ステップS20でYES)、ODI算出部436は前記SpO曲線62の全期間についてのDip数をカウントする(Dip検出部433からカウント値を取得する)と共に(ステップS21)、これを睡眠総時間(測定総時間)で除することにより第2のODIを算出する(ステップS22)。一方、第2のODI値を求め指示が与えられていない場合(ステップS20でNO)、上記ステップS21、ステップS22はスキップされる。
このようにして、演算処理部43により第1のODI値及び/又は第2のODI値が求められたならば、表示制御部44により適宜な表示形態(例えば図14参照)にて、表示部212にその結果が表示されるものである(ステップS23)。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば下記[1]〜[3]の変形実施形態を取ることができる。
[1]上記実施形態では、Dip検出手段は、任意の時点におけるSpO値(ベースライン)に比べて、所定時間内に所定レベル以上の大きな低下傾向を示したものをDipとして検出する例を示したが、所定の閾値を設定し、単純にSpO曲線においてその閾値を下回るものをDipとして求めるようにしても良い。
[2]時間帯抽出手段による抽出アルゴリズムとして、例えば測定期間を5分〜10分程度の間隔で時分割し、その時分割期間毎にDipに基づく低下ピーク値の数を算出し、所定数を上回る低下ピーク値数が存在する時分割期間を抜き出すようにしてDip連続発生時間帯を求める手法を採用するようにしても良い。
[3]本発明にかかる実施品の提供形態として、上述のSASスクリーニングシステムS0、S1、S2としてではなく、該これらのシステムが行う処理を実行する動作プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。若しくは、図2に示すパーソナルコンピュータPCに備えられている記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
本発明の実施形態に係るSASスクリーニングシステムS0の構成を簡略的に示すブロック図である。 パルスオキシメータ20から構成されるSASスクリーニングシステムS1を示す外観構成図である。 本発明に係るシステムの他のハード構成例であるSASスクリーニングシステムS2を示す外観構成図である。 図2に示したパルスオキシメータ20の電気的構成を示すブロック図である。 演算処理部43の機能構成を示す機能ブロック図である。 光電脈波波形の一例を示すグラフである。 SpOの時系列データ(SpO曲線)の一例を示すグラフである。 Dipの検出指標を模式的に示す図である。 ある被験者について、一回の測定(睡眠総時間=約2.3時間)で取得された2波長光電脈波データに基づくSpOのトレンドグラフである。 図9に示すトレンドグラフのピリオド別に、SpO曲線63〜65についてそれぞれDipの数とODI値とを求めて表した表形式の図である。 図9に示すSpOのトレンドグラフからDip連続発生時間帯のみを抽出して示したグラフである。 時間帯抽出部434におけるDip連続発生時間帯の抽出アルゴリズム説明するためのタイムチャートである。 ODI算出部436における処理を説明するためのグラフである。 表示部212におけるSASスクリーニング結果の表示態様の一例を示す平面図である。 SASスクリーニングシステムS1の動作を説明するためのフローチャートである。 図15のフローチャートのステップS7における、測定データ解析処理の詳細を示すフローチャートである。 (a),(b)は、SAS患者において、無呼吸症状が生じる状態を説明するための模式図である。
11 測定手段
12 演算処理手段
121 解析処理手段
122 Dip検出手段
123 時間帯抽出手段
124 ODI検出手段
13 表示手段
14 記憶手段
20 パルスオキシメータ
212 表示部(表示手段)
221 発光部
222 受光部
30 測定回路部
40 制御部
41 測定制御部
42 記録制御部
43 演算処理部
431 前処理部
432 SpOデータ生成部(解析処理手段)
433 Dip検出部(Dip検出手段)
434 時間帯抽出部(時間帯抽出手段)
435 判定部(判定手段)
436 ODI算出部(ODI検出手段)
44 表示制御部(表示制御手段)
S0,S1,S2 SASスクリーニングシステム

Claims (6)

  1. 被験者の血中酸素飽和度に関する測定データを検出する測定手段と、
    前記測定手段により取得された測定データに対して所定のデータ解析処理を行うことで血中酸素飽和度の時系列データを生成する解析処理手段と、
    前記血中酸素飽和度の時系列データから、当該血中酸素飽和度の所定の低下ピークであるDipを検出するDip検出手段と、
    前記時系列データから、前記Dipが所定の条件で連続的に発生しているDip連続発生時間帯を抽出する時間帯抽出手段と、
    前記Dip連続発生時間帯において発生したDipの回数と、抽出された前記Dip連続発生時間帯の時間和とから、単位時間当たりのDip発生率である第1のODI値を求めるODI算出手段と、
    前記第1のODI値を表示する表示手段と
    を具備することを特徴とする睡眠時無呼吸症候群スクリーニングシステム。
  2. 前記Dip連続発生時間帯の時間和が所定の時間長さを有しているか否かを判定し、所定の時間長さを有している場合に、前記ODI算出手段に第1のODI値を求める演算を行わせる指示信号を与える判定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の睡眠時無呼吸症候群スクリーニングシステム。
  3. 前記表示手段の表示動作を制御する表示制御手段をさらに備え、
    前記ODI算出手段は、前記時系列データの総時間と、Dip検出手段により検出されたDipの総回数とから、単位時間当たりのDip発生率である第2のODI値を求めることが可能とされ、
    前記表示制御手段は、前記表示手段に前記第1のODI値及び/又は第2のODI値を表示させることを特徴とする請求項1に記載の睡眠時無呼吸症候群スクリーニングシステム。
  4. 前記表示制御手段は、前記第1のODI値と第2のODI値とを比較し、第2のODI値が第1のODI値に比べて所定値よりも小さい場合に、前記表示手段に所定の識別情報を付加して前記第1のODI値を表示させることを特徴とする請求項3に記載の睡眠時無呼吸症候群スクリーニングシステム。
  5. 前記表示制御手段は、前記第1のODI値に加えて、前記Dip連続発生時間帯の時間和も前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の睡眠時無呼吸症候群スクリーニングシステム。
  6. 所定の演算処理手段及び表示手段を備える睡眠時無呼吸症候群スクリーニングシステムの前記演算処理手段に具備されているコンピュータに、
    被験者の血中酸素飽和度に関する測定データを取得するステップと、
    前記測定データに対して所定のデータ解析処理を行うことで血中酸素飽和度の時系列データを生成するステップと、
    前記血中酸素飽和度の時系列データから、当該血中酸素飽和度の所定の低下ピークであるDipを検出するステップと、
    前記時系列データから、前記Dipが所定の条件で連続的に発生しているDip連続発生時間帯を抽出するステップと、
    前記Dip連続発生時間帯において発生したDipの回数と、抽出された前記Dip連続発生時間帯の時間和とから、単位時間当たりのDip発生率であるODI値を求めるステップと、
    前記ODI値を前記表示手段に表示させるステップと
    を実行させることを特徴とする睡眠時無呼吸症候群スクリーニングシステムの動作プログラム。
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