JP4611107B2 - カプセル内視鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも一部の表面に薬効成分を有し、機能性及び有用性を高めたカプセル内視鏡に関する。
内視鏡検査は、食道癌、胃癌等の発見に有用な手段として広く活用されている。しかし、前記内視鏡検査は、口腔内にチューブ状の異物である内視鏡を挿入するため、検査時の嘔吐感などの患者に与える苦痛がないわけではなかった。
これに対し、カプセル内視鏡は、薬のカプセルと同程度の大きさであり、薬のカプセルを飲むようにして、内視鏡カプセルを飲むことで食道、胃、腸内などの口腔内検査することができるようになる。そして、内視鏡カプセルを体外から遠隔操作することで、患者の負担を軽くして必要な体内の情報を得ることができる。
ところで、生体内で使用される医用機器である内視鏡は、生体との親和性が高くなければならない。このため、生体細胞との不感作性、非侵襲性から汎用される素材の一つとして撥水性のフッ素含有ポリマーがあり、このフッ素含有ポリマーで表面が被覆されたチューブ状の内視鏡が提案されている(特許文献1参照)。
また、カテーテル、内視鏡、コンタクトレンズ等の医用材料に生体類似構造を有するホスホリルコリン誘導体を導入することによっても生体細胞との不感作性、非侵襲性を両立できることが知られている(特許文献2参照)。
したがってこれらの素材を用いてカプセル内視鏡の全面をコーティングすることは有用であると考えられるが、カプセル内視鏡では、血液やタンパク質などに対する汚染防止性に優れると共に、体外から遠隔操作で行うため、姿勢の制御、動きの制御、位置の制御が容易であることが要求される。また、カプセル内視鏡が表面に薬効成分を保持でき、生体内の標的部位で放出できれば治療にも用いることができ、更に有用性が高まることから、その開発が望まれているのが現状である。
特表2004−524081号公報 特開平10−176021号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、少なくとも一部の表面に薬効成分を有し、効果的な治療や検査が行え、血液やタンパク質などに対する汚染防止性に優れると共に、姿勢の制御、動きの制御、位置の制御が容易なカプセル内視鏡を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> カプセル内視鏡の少なくとも一部の表面に薬効成分を有することを特徴とするカプセル内視鏡である。該<1>に記載のカプセル内視鏡においては、少なくとも一部の表面に薬効成分を有するので、生体内の標的部位(患部)に直接薬効成分を投与することができ、効果的な治療や検査を行えるので、更に有用性が高まるものである。
<2> 薬効成分が、末梢神経作用薬、中枢神経作用薬、ホルモン剤、オータコイド、循環器系作用薬、呼吸器系作用薬、消化器系作用薬、泌尿生殖器系作用薬、皮膚作用薬、ビタミン剤、化学療法剤、消毒薬、防腐剤、生物学的製剤、及び漢方薬から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載のカプセル内視鏡である。
<3> カプセル内視鏡の表面に設けられたグラフト鎖を介して薬効成分を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のカプセル内視鏡である。該<3>に記載のカプセル内視鏡においては、該カプセル内視鏡の表面に設けられたグラフト鎖を介して薬効成分を有するので、薬効成分を容易に表面に結合(担持)させることができる。
<4> 薬効成分が、グラフト鎖とイオン結合により結合している前記<3>に記載のカプセル内視鏡である。
<5> 薬効成分が、生体内の標的部位においてグラフト鎖から離脱可能である前記<1>から<4>のいずれかに記載のカプセル内視鏡である。
<6> グラフト鎖が、カプセル内視鏡の表面にパターン状に形成されている前記<3>から<5>のいずれかに記載のカプセル内視鏡である。
<7> グラフト鎖が、少なくともフッ素含有化合物を重合させて得られる前記<3>から<6>のいずれかに記載のカプセル内視鏡である。
<8> フッ素含有化合物が、重合性基を有する前記<7>に記載のカプセル内視鏡である。
前記<7>から<8>のいずれかに記載のカプセル内視鏡においては、フッ素含有化合物をラジカル重合法で表面グラフトさせることにより、表面エネルギーが低く、撥水性が高いフッ素樹脂でパターンを形成するので、細胞附着防止、汚染防止能を有する。
<9> グラフト鎖が少なくともホスホリルコリン基含有化合物を重合させて得られる前記<3>から<6>のいずれかに記載のカプセル内視鏡である。
<10> ホスホリルコリン基含有化合物が、重合性基を有する前記<9>に記載のカプセル内視鏡である。
前記<9>から<10>のいずれかに記載のカプセル内視鏡においては、ホスホリルコリン基含有化合物をラジカル重合法で表面グラフトさせることにより、タンパク質など生体成分の吸着や変性を抑制でき、優れた生体適合性を有し、防汚性に優れたものである。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、少なくとも一部の表面に薬効成分を有し、生体内の目的部位において効果的な治療や検査を行え、血液やタンパク質などの汚染防止性に優れると共に、姿勢の制御、動きの制御、位置の制御が容易であるカプセル内視鏡を提供することができる。
(カプセル内視鏡)
本発明のカプセル内視鏡は、該カプセル内視鏡の少なくとも一部の表面に薬効成分を有することを特徴とする。
−カプセル内視鏡−
前記カプセル内視鏡としては、大きさ、形状、材質、性能などに特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図1は、本発明の第1実施の形態を示すカプセル内視鏡の筐体内の構成の概略を示す拡大縦断面図、図2は、図1のカプセル内視鏡を前方から見た要部拡大正面図である。
図1に示すようにカプセル内視鏡100は、外観形状がカプセル型の錠剤形状をなし、その縦断面が略小判形を有するカプセル形状の樹脂等からなる外装部である筐体10を有し、その前部は透明部材10aで形成されている。
前記筐体10の材料としては、特に制限はなく、カプセル内視鏡に普通に用いられているものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機材料、及び有機材料のいずれも用いることができる。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、シリコン、アルミニウム、ステンレス、金、銀、亜鉛、銅、ITO、酸化錫、アルミナ、酸化チタン、などが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレー卜樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、などが挙げられる。
なお、前記有機材料は重合開始剤との結合性を向上するために、コロナ処理、プラズマ処理などにより、表面に水酸基、カルボキシル基などの官能基が導入されたものであってもよい。
前記カプセル内視鏡の筐体10の内部には、その透明部材10aに対向する前部に配設されていて、体腔内の消化器などの撮影対象物の光像を結像する対物レンズ1aを保持するレンズ鏡筒1と、該レンズ鏡筒1の外周面に配設され、体腔内の消化器などの撮影対象物を照明する、例えばLEDからなる照明光源部(以下、「光源」と称することがある)2と、該光源2の駆動制御を行う制御回路を構成する電子制御部品3と、受光面4aを有し、後述する周辺回路基板6のドライバ回路からの駆動信号により受光面4aに入射した光に所定の光電変換処理を行って画像信号を出力する、例えば、CCD又はCMOSセンサからなる固体撮像素子(以下、「撮像素子」と称することがある)4と、ピント調整用の素子枠5と、撮像素子4の後方に配設され、該撮像素子4の駆動制御を行うドライバ回路、撮像した画像信号を体腔外に伝送出力する通信回路、カプセル内視鏡100全体の駆動制御を行う制御回路等の周辺回路を有する、例えば、リジット基板からなる周辺回路基板6と、回路素子が搭載された、立体配線部材である可撓性基板(フレキシブル基板)7と、該フレキシブル基板7を介して光源2、電子制御部品3、撮像素子4、周辺回路に電力を供給する、例えば、電池で構成された電源8が配設されて、カプセル内視鏡100の主要部が構成されている。
なお、素子枠5は、撮像素子4の前面の受光面4aの周縁部を覆うように連続的に配設される。また、前方に突出してレンズ鏡筒1の内周面と嵌合するように、立体配線部材である樹脂配線基板で形成され、組立の際に撮像素子4と対物レンズ1との間のピント調整のための距離を調整する役目をするものである。
周辺回路基板6と電源8は、筐体10の内部に配置効率良く収まるように、筐体10の内部で必要に応じて適宜折り曲げられたフレキシブル基板7により、各々の裏面又は表面に形成された接点端子と、例えば、半田又は導電性接着剤によって電気的に接続されている。また、レンズ鏡筒1は、後述するが一体形成されることによりフレキシブル基板7と電気的に接続されている。更に、該フレキシブル基板7には、電子制御部品3が前記導電性接着剤によって電気的に接続、固着されている。また、周辺回路基板6の前記ドライバ回路、前記通信回路、前記制御回路は、半田又はAu(金)突起等の導電性材料6aを介して互いに電気的に接続されており、周辺回路基板6と撮像素子4は、導電性ワイヤ6bを介してワイヤボンディング等で電気的に接続されている。更に、レンズ鏡筒1と素子枠5は、前記導電性材料、又は導電性ワイヤを介して電気的に接続、固着されている。また、撮像素子4は前記導電性接着剤又は絶縁性接着剤により、周辺回路基板6に固着され、素子枠5は撮像素子4の受光面4aに合わせて遮光性を有する接着剤により固着される。
レンズ鏡筒1は、回路素子が搭載された、立体配線部材である樹脂配線基板(以下、MID;(Molded Interconnect Devices)と称することがある)で形成されており、その鏡筒の外周面には、図2に示すように、1つ以上配設された光源2、及び電子制御部品3が、前記導電性接着剤によって電気的に接続、固着されている。更に、レンズ鏡筒1の外周面には、フレキシブル基板7の一端がレンズ鏡筒とフレキシブル基板7とをインサート成形を用いて同一工程で一体形成することによって電気的に接続、固着されている。なお、このレンズ鏡筒1とフレキシブル基板7の電気的接続は、MIDからなるレンズ鏡筒1の接点端子に、フレキシブル基板7を前記導電性接着剤によって固着することによって行ってもよい。
このように、本実施形態におけるカプセル内視鏡100では、光源2を回路素子が形成されたMIDからなるレンズ鏡筒1の外周面に配設し、固着する。また、光源2の駆動制御を行う電子制御部品3を、レンズ鏡筒1及び該レンズ鏡筒1に一体形成されたフレキシブル基板7に配設し、固着する。そして、フレキシブル基板7を、今まで使用していなかった空間に配設した。
よって、レンズ鏡筒1及び該レンズ鏡筒1と一体形成されたフレキシブル基板7を回路基板として利用することができ、光源2並びに該光源2を駆動制御する電子制御部品3を配設し、固着する基板を、筐体10内に別途設ける必要がないため、光源2及び電子制御部品3を筐体10内に実装密度を高くして配設することができる。
このことにより、光源2の実装スペースを小型化することができるので、光源2と該光源2に対向する筐体10とで形成する内部空間を広く確保でき、この空間に、薬液タンク、光源2の外部給電部品、カプセル内視鏡自体の位置制御を行う部品等を配設することができるため、実装密度が高く、より多くの各種構成部材及び回路素子が形成された複数の電気回路基板を筐体内に配設することが可能となる。
また、フレキシブル基板7を今まで使用していなかった筐体10と周辺回路基板間等のデッドスペースに配置することにより、このフレキシブル基板7に接続、固着されるレンズ鏡筒1、周辺回路基板6、電源8も実装密度を高くして配設することができる。よって、カプセル内視鏡自体を小型化することができ、部品数も減るため、組立も容易となり、更に、前記別途配設した基板と、他の構成部品及び筐体内壁との干渉を防ぐことができる。
更に、光源2をレンズ鏡筒1に固着することにより、照射位置が振れにくくなり、また、レンズ鏡筒1を動かすだけで、照明角度を自在に変えることができるといった利点がある。
なお、本実施の形態においては、前記ドライバ回路、前記通信回路、前記制御回路等から構成された周辺回路を搭載した前記周辺回路基板6は、リジット基板で構成したが、これは、レンズ鏡筒1と同様にMIDで形成されていてもよい。この場合、導電性材料6aをインサート成形により周辺回路基板6と一体に形成してもよい。
また、前記電源8は、電池で構成したが、これに限らず、コンデンサや、無線通信による外部給電を用いてもよいし、光源2、電子制御部品3、撮像素子4、周辺回路基板6に所定の電力を供給でき、筐体10に内蔵できるものであれば、どのようなものであっても構わない。
更に、素子枠5は、その前端部がレンズ鏡筒1の内周面に嵌合する構成としたが、レンズ鏡筒1の外周面に嵌合するようにしてもよい。
−薬効成分−
前記薬効成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、末梢神経作用薬、中枢神経作用薬、ホルモン剤、オータコイド、循環器系作用薬、呼吸器系作用薬、消化器系作用薬、泌尿生殖器系作用薬、皮膚作用薬、ビタミン剤、化学療法剤、消毒薬、防腐剤、生物学的製剤、漢方薬、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記末梢神経作用薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、局所麻酔薬、筋弛緩薬、自律神経系作用薬などが挙げられる。
前記局所麻酔薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コカイン、トロパコカイン、プロカイン、リドカイン、ブピバカイン、メピバカイン、テトラカイン、ジブカイン、などが挙げられる。
前記筋弛緩薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、d−ツボクラーレ、ガラミン、パンクロニウム、ベクロニウム、デカメトニウム、スクサメトニウム、ダントロリン、などが挙げられる。
前記自律神経作用薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エピネフィリン、ノルエピネフィリン、イソプロテレノール、ドパミン、フェニレフリン、メトキサミン、クロニジン、メタラミノール、ナファゾリン、ドブタミン、メトキシフェナミン、オルシプレナリン、テルブタリン、クロルプレナリン、トリメトキノール、サルブタモール、ツロブテノール、プロカテロール、ピルブテロール、フェノテロール、ホルモテノール、クレンブテロール、マブテロール、チラミン、エフェドリン、メチルエフェドリン、アンフェタミン、エルゴタミン、エルゴトキシン、エルゴメトリン、ジヒドロエルゴトキシン、ジヒドロエルゴトキシン、フェノキシベンザミン、トラゾリン、フェントラミン、プラゾシン、テラゾシン、ドキサゾシン、ブナゾシン、ウラピジル、ヨヒンビン、プロプラノロール、ブプラノロール、ブフェトロール、ブクモロール、ナドロール、チモロール、チリソロール、プラクトロール、メトプロロール、アテノロール、ビソプロロール、ベタキソロール、ピンドロール、オクスプレノール、アルプレノロール、カルテオロール、インデノロール、ペンブトロール、ブニトロール、ボピンドロールアセブトロール、セリプロロール、ラベタノール、グアネチジン、メチルドーパ、クロニジン、グアンファシン、グアナベンズ、アセチルコリン、ベナテコール、メタコリン、ムスカリン、ピロカルピン、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、エドロホニウム、アンベノニウム、ジスチグミン、アトロピン、スコポラミン、ロートエキス、ホマトロピン、シクロペントレート、ニコチン、DMPP、TMA、DFP、TEPP、テトラエチルアンモニウム、ヘキサメトニウム、メカミラミン、トリメタファン、などが挙げられる。
前記中枢神経作用薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メトキシフルレン、エンフルラン、イソフルラン、セボフルラン、チオペンタール、チアミラール、ヘキソバルピタール、ペントバルピタール、プロパニシド、ケタミン、フェノバルビタール、ブロムワレリル尿素、ブロムジエチルアセチル尿素、グルテシミド、メタクワロン、ニトラゼパム、フルラゼパム、エスタゾラム、トリアゾラム、エチルパラフィノール、エトクロルビノール、エチルアルコール、ジスルフィラム、フェニトイン、メフェニトイン、エソトイン、フェノバルピタール、ネタルビタール、プリミドン、カルバマゼピン、ゾニサミド、トリメタジオン、パラメタジオン、バルプロ酸ナトリウム、フェンスクシミド、メトスクシミド、エトスクミシド、ジアゼパム、クロナゼパム、モルヒネ、コデイン、デバイン、パパベリン、ノスカピン、アヘンチンキ、リン酸コデイン、ヘロイン、ペチジン、フェンタニル、メサドン、レボルファノール、デキストロメトルファン、ペンタゾシン、フェナゾシン、ブプレノルファン、ブトルファノール、ナロルフィン、レバロルファン、ナロキソン、エンドルフィン、メフェネシン、エポリゾン、バクロフェン、チザニジン、レボドパ、カルビドパ、ベンゼラシド、トリヘキシフェニジル、ビペリデン、ベンズトロピン、アマンタジン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、ドロキシドパ、ストリキニーネ、ピクロトキシン、ペンテトラゾール、ニケタミド、ジモルホラミン、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、アミノフィリン、クロルブロマジン、チオリダジン、フェルフェナジン、レセルピン、レシナミン、デセルピジン、ハロペリドール、クロルプロチキセン、チオチキセン、イプロニアジド、ナイアラミド、イソカルボキサジド、サフラジン、トラニルシプロミン、パージリン、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、ミアンセリン、ジアゼパム、オキサゼパム、ニトラゼパム、エチゾラム、ロラゼパム、ヒドロキシジン、メスカリン、ジメチルトリプタミン、ジエチルトリプタミン、プシロシン、プシロシビン、ブホテニン、ハーミン、などが挙げられる。
前記ホルモン剤としては、ホルモン作用を有するもの又は阻害するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、乳汁分泌ホルモン、オキシトシン、バソブレッシン、甲状腺ホルモン、リオチロニンナトリウム、レボチロキシンナトリウム、メチルチオウラシル、プロピルチオウラシル、チアマゾール、カルシトニン、上皮小体ホルモン、インスリン、グルカゴン、カルブタミド、クロルプロパミド、アセトヘキサミド、トラザミド、ヘタヘキサミド、1−ブチル−3−ニトロウレア、トルブタミド、グリベングラミド、グリミジン、グリブゾール、フェンフォルミン、ブフォルミン、メトフォルミン、エパルレスタット、ボグリボーズ、アカルノーズ、トログリタゾン、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、デスオキシコルトン、プレドニゾロン、エチルプレドニゾロン、パラメタゾン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、アルドステロン、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、スチルベン、プロゲストロン、クロルマジノン、ノルエチステロン、テストステロン、アンドロステロン、エチオコラノロン、エピアンドロステロン、メチルテストステロン、オキシメトロン、メテノロン、混合ホルモン剤、などが挙げられる。
前記オータコイドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒスタミン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、クレマスチン、ピリラミン、プロメタジン、クロルフェニラミン、クロルサイキリジン、シプロヘプラジン、メキタジン、テルフェナジン、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、サイクリジン、メクリジン、プロメタジン、チェチルペラジン、セロトニン、メチセルギド、プロヘプタジン、レニン、アンギオテンシン、カプトプリル、プロスタグランジンE2、プロスタグランジンF2α、プロスタグランジンA2、トロンボキサンA2、ロイコトリエン、ブラジキニン、血漿カリクレイン、腺性カリクレイン、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、サリチル酸アミド、インドメタシン、メッフェナム酸、フルフェナム酸、ジクロフェナック、ベンジダミン、エピリゾール、チアラミド、フェナセチン、アセトアミノフェン、アンチピリン、アミノピリン、スルピリン、コルヒチン、プロベネシフド、アロプリノール、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、スルフィンブタゾン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、オーラノフィン、ペニシラミン、アザチオプリン、ブシラミン、サラゾスルファピリジン、アクタリット、などが挙げられる。
前記循環器系作用薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジキタリス、ケジキタリス、ストロファンツス、カイソウ、ジギトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキシン、G−ストロファンチン、ラナトシドC、ポロスシラリジ、ウアバイン、アムリノン、ピモベンダン、ベスナリノン、キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、メキシレチン、アプリジン、プロパフェノン、フレカイニド、ピルジカイニド、アミオダロン、ベラパミル、ヒドララジン、ジアゾキシド、プラゾシン、レセルピン、グアネチジン、サイアザイド系利尿薬、カプトプリル、エナラプリル、アラセプリル、デラプリル、シラザプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、イミダプリル、デモカプリル、キナプリル、トランドラプリル、亜硝酸アミル、ニトログリセリン、一硝酸イソソルビド、二硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール、モロシドミン、ニコランジル、ジピリダモール、ジセラプ、プレニルアミン、クロモナール、トリメタジジン、オキシフェドナリン、エタフェノンニフェジピン、ニカルジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ベニジピン、マニジピン、バルニジピン、エフォニジピン、アムロジピン、フェロジピン、ジルチアゼム、ベラパミル、イノシトールヘキサニコチレート、シクランデレート、シンナリジン、インクスプリン、アルプロスタジル、メクロフェノキサート、ビンポセチン、ニセルゴリン、イブシラスト、フルナリジン、イフェンプロジル、ペントキシフィリン、インデベノン、インデロキサジン、ビフェラミン、プロペントフィリン、ニコチン酸、コレスチラミン、プロブコール、プラバスタチン、シンバスタチン、ヘパリン、ジカマロール、トルメキサン、ワーファイリン、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベータ、チクロピジン、シロスタゾール、イコサンペント酸エチル、ベラプロスト、トロンビン、トラネキサム酸、カルバゾクロム、エリスロポエチン、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、フィルグラスチム、レノグラスチム、ナルトグラスチム、ミリモスチム、クエン酸シルデナフィル、などが挙げられる。
前記呼吸器系作用薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジモルホラミン、ジメフリン、ドキサプラム、サポニン類、非サポニン性配糖体、ブロムヘキシン、メチルシステイン、エチルシステイン、アセチルシステイン、カルボシステイン、アンブロキソール、キサンチン誘導体、クロモグリク酸ナトリウム、ケトチフェン、トラニラスト、アゼラスチン、オキサトミド、オザグレル、トシル酸スプラタスト、テルフェナジン、アステミゾール、セラトロダスト、プランルカスト水和物、などが挙げられる。
前記消化器系作用薬としては、特に制限はなく、目的に応じ適宜選択することができ、例えば、ピレンゼピン、チキジウム、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、オメプラゾール、ランソプラゾール、メチルメチオニンスルホニウムクロリド、アズレンスルフォン酸、スクラルファート、アルジオキサ、ゲファルナート、テプレノン、トロキシピド、イルソグラジン、スルピルド、ソファルコン、プラウノトール、レバミピド、ベネキサートベータデクス、オルノプロスチル、ミソプロストール、エンプロスチル、クラリスロマイシン、アモキシシリン、メトロニダゾール、ひまし油、アントラキノン誘導体、フェノールフタレイン、ピコスルファート、グリセリン、ビサコジル、タンニン酸アルブミン、アヘンアルカロイド、ベルベリン、ラクトミン、メトクロプラミド、ドンペリドン、シサプリド、トリメブチン、などが挙げられる。
前記泌尿生殖器系作用薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、D−マンニトール、アセタゾールアミド、ジクロルフェナミド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、メチクロチアジド、メトラゾン、クロールタリドン、フロセミド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタミド、アゾセミド、メフルシド、スピトノラクトン、トリアムテレン、カンレノ酸カリウム、ヘキサミン、マンデル酸、ニトロフラントイン、エルゴトキシン、エルゴタミン、エルゴメトリ、メチルエルゴメトリン、オキシトシン、ジノプロスト、ジノプロストン、ゲメプロスト、スパルテイン、硫酸オキシヒノリン、などが挙げられる。
前記皮膚(粘膜)作用薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カンタリス、タンニン酸、没食子酸、氷酢酸、トリクロル酢酸、乳酸、サリチル酸、アラビアゴム、トラカガントゴム、でんぷん、メチルセルロース、グリセリン、プロピレングリコール、オリーブ油、ツバキ油、ゴマ油、ナタネ油、ダイズ油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、ヤシ油、カカオ脂、ステアリン酸、牛脂、豚脂、ラノリン、パラフィン、ペトロラタム、蜜ろう、タルク、カオリン、石松子、フィブリノーゲン、トロンボプラスチン、吸収性ゼラチンスポンジ、酸化セルロース、メトキサレン、モノベンゾン、などが挙げられる。
前記ビタミン剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビタミンA、ビタミンD,ビタミンE,ビタミンF、ビタミンK、ユビキノン、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、パントテン酸、α−リポ酸、ビチオン、葉酸、メゾイノチトール、p-アミノ安息香酸、シアノコバラミン、プロスルチアミン、フルスルチアミン、オクトチアミン、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン、シコチアミン、ジセチアミン、アスコルビン酸、ビタミンP、などが挙げられる。
前記化学療法剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ペニシリン類、セフェム類、オキサセフェム類、モノパクタム類、カルパペネム類、βラクタマーゼ阻害剤、ホスホマイシン、アミノ配糖体類、クロラムフェニコール、テトラサイクリン類、マクロライド類、リンコマイシン類、リファマイシン、抗ミコバクテリウム類、ポリエンマクロライド類、サルファ剤、キノロン剤、ビタラビン、イドクスウリジン、アシクロビル、ガンシクロビル、ジドブシン、ジダノジン、インターフェロン、アマンタジン、エメチン、ピリメタミン、クロロキン、プリマキン、キナクリン、メトロニダゾール、イセチオン酸ペンタミジン、サントニン、カイニン酸、ピペラジン塩、パモ酸ピランテル、プラジカンテル、カマラ、ジエチルカルバマジン、ヘキシルレゾルシン、ニクロサミド、ビオチノール、ベフェニウムヒドロキシナフトエート、ピルビニウムパモエート、イソチアニド、ストレプトマイシン、リファンピシン、エタンブトール、パラアミノサリチル酸、塩酸メクロルエタミン、シクロフォスファミド、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、ニムスチン、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビン、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール、テストステロンプロピオネート、フルオキシメステロン、クラウステロン、ハイドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメタゾン、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、アクチノマイシンD、ドキソルビシン、ダウノビシン、アクラルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、ビンブラスチン、ビンデシン、エトポシド、イリノテカン、ペントスタチン、シスプラチン、トレチノイン、ビシバニール、クレスチン、リン酸オセルタミビル、などが挙げられる。
前記生物学的製剤としては、特に制限はなく、目的によって適宜選択することができ、例えば、百日咳、ジフテリア、破傷風混合ワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥弱毒風疹ワクチン、乾燥弱毒麻疹ワクチン、インフルエンザHAワクチン、日本脳炎ワクチン、乾燥BCGワクチン、痘瘡ワクチン、コレラワクチン、ワイル病秋疫混合ワクチン、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、ガス壊疽抗毒素、ジフテリア抗毒素、蛇抗毒素、破傷風抗毒素、精製ツベルクリン、BCG、などが挙げられる。
前記漢方薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、安中散、釣藤散、黄連解毒湯、桂枝茯苓丸、小紫胡湯、抑肝散、八味地黄丸、葛根湯、などが挙げられる。
前記薬効成分は、カプセル内視鏡の表面に設けられたグラフト鎖と結合していることが好ましく、薬効成分と前記グラフト鎖との結合は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、イオン結合、共有結合、などが挙げられるが、環境要因によるグラフト鎖からの薬効成分の脱離が容易である点からイオン結合が好ましい。
前記薬効成分が、生体内の標的部位(例えば、患部)においてグラフト鎖から容易に離脱可能であることが好ましい。該離脱方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、pH変化、電気刺激、光刺激、などが挙げられる。
−グラフト鎖−
前記グラフト鎖としては、カプセル内視鏡の表面にパターン状に形成されていることがカプセル内視鏡に異なる表面性状を付与することができる点から好ましい。
前記グラフト鎖は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、反応性基を有する化合物を重合させて得られるものが好ましい。
前記反応性基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、アミノスチレン等のスチレン系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の各種モノアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン等の反応性官能基含有(メタ)アクリレート;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルブチルウレタン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルウレタン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルウレタン等のウレタン変性(メタ)アクリレート;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のハロゲン置換もしくは無置換炭化水素単量体;ジエチルフマレート、ジエチルマレート等の多官能エステル型単量体;(メタ)アクリル酸、アコニット酸、イタコン酸、メタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、メタコン酸等のカルボキシル基含有単量体;ビニルスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸系単量体、及びこれらの各種金属塩;N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素単量体、及びこれらの各種四級塩;2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルイミダゾール、N−メチル−2−ビニルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクルアミド等のアミド型単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート;N−ビニルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン、アクリロイルモルホリン等の含窒素環状単量体、マレイン酸イミド、無水マレイン酸、アクリロニトリル、ビニルベンジルアミン、各種疎水性マクロモノマー、各種親水性マクロモノマー等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記グラフト鎖としては、少なくともフッ素含有化合物を重合させて得られるものが好ましい。
また、前記フッ素含有化合物は、フッ素以外の重合性基を有することが好ましい。該重合性基としては、例えば、非芳香族の不飽和炭素−炭素結合(二重結合又は三重結合)を有する基、などが挙げられ、これらの中でも、エチレン性不飽和基が好適である。
前記エチレン性不飽和基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、2〜15のものがより好ましく、2〜10のものが更に好ましく、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、ビニル基、ビニルオキシ基、アリル基、シンナモイル基、等が挙げられる。
前記開環重合性基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、2〜15のものがより好ましく、2〜10のものが更に好ましく、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、等が挙げられる。
前記フッ素含有化合物としては、例えば、フッ素モノマー、該フッ素モノマーの重合体、フッ素モノマーとその他のモノマーとの共重合体、又はこれらの混合物、などが挙げられる。
これらの中でも、フッ素モノマーが、光照射によりカプセル内視鏡表面に発生したラジカル種により直接化学的に結合し、カプセル内視鏡の少なくとも一部に疎水性を付与することができる点から特に好ましい。
前記フッ素モノマーとしては、フッ素原子が一分子中に2個以上含まれるモノマーが好ましく、一般的にパーフルオロ基と呼ばれるものが特に好ましい。
前記フッ素モノマーとしては、下記構造式(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)で表される化合物から選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
CH=CRCOORRf ・・・構造式(1)
ただし、前記構造式(1)中、Rは、水素原子、又はメチル基を表す。
は、−C2p−、−C(C2p+1)H−、−CHC(C2p+1)H−、又は−CHCHO−を表す。
Rfは、−C2n+1、−(CFH、−C2n+1−CF、−(CFOC2n2i+1、−(CFOC2m2iH、−N(C2p+1)COC2n+1、−N(C2p+1)SO2n+1を表す。ただし、Rf中、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜10、iは0〜16の整数をそれぞれ表す。
CF=CFORg ・・・構造式(2)
ただし、前記構造式(2)中、Rgは、炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表す。
CH=CHRg ・・・構造式(3)
ただし、前記構造式(3)中、Rgは、炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表す。
CH=CRCOOROCOCR=CH ・・・構造式(4)
ただし、前記構造式(4)中、R及びRは、水素原子、又はメチル基を表す。R、及びRは、−C2q−、−C(C2q+1)H−、−CHC(C2q+1)H−又は−CHCHO−、Rは−C2tを表す。qは1〜10、tは1〜16の整数である。
CH=CHRCOOCH(CH)CHOCOCR=CH ・・・構造式(5)
ただし、前記構造式(5)中、R及びRは、水素原子、又はメチル基を表す。Rは−C2y+1である。yは1〜16の整数である。
前記構造式(1)で表される単量体としては、例えば、CF(CFCHCHOCOCH=CH、CFCHOCOCH=CH、CF(CFCHCHOCOC(CH)=CH、C15CON(C)CHOCOC(CH)=CH、CF(CFSON(CH)CHCHOCOCH=CH、CF(CFSON(C)CHCHOCOCH=CH、CSON(C)CHCHOCOC(CH)=CH、(CFCF(CF(CHOCOCH=CH、(CFCF(CF10(CHOCOC(CH)=CH、CF(CFCH(CH)OCOC(CH)=CH、CFCHOCHCHOCOCH=CH、C(CHCHO)CHOCOCH=CH、(CFCFO(CHOCOCH=CH、CF(CFOCHCHOCOC(CH)=CH、CCON(C)CHOCOCH=CH、CF(CFCON(CH)CH(CH)CHOCOCH=CH、H(CFC(C)OCOC(CH)=CH、H(CFCHOCOCH=CH、H(CFCHOCOCH=CH、H(CF)CHOCOC(CH)=CH、CF(CFSON(CH)CHCHOCOC(CH)=CH、CF(CFSON(CH)(CH10OCOCH=CH、CSON(C)CHCHOCOC(CH)=CH、CF(CFSON(CH)(CHOCOCH=CH、CSON(C)C(C)HCHOCOCH=CH、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記構造式(2)又は(3)で表されるフルオロアルキル化オレフィンとしては、例えば、CCH=CH、CCH=CH、C1021CH=CH、COCF=CF、C15OCF=CF、C17OCF=CF、などが挙げられる。
前記構造式(4)又は(5)で表される単量体としては、例えば、CH=CHCOOCH(CFCHOCOCH=CH、CH=CHCOOCHCH(CH17)OCOCH=CH、などが挙げられる。
前記その他のモノマーとしては、ラジカル重合可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類、グリシジルエステル類、スチレン、アルキル酸のビニルエステル類、ケイ素含有単量体、などが挙げられる。該その他のモノマーの添加量は、前記フッ素モノマーに対して50質量%以下が好ましい。
また、前記グラフト鎖は、少なくともホスホリルコリン基含有化合物を重合させて得られるものが好ましい。
前記ホスホリルコリン基含有化合物は、ホスホリルコリン基以外にも重合性基を有することが好ましい。該重合性基としては、例えば、非芳香族の不飽和炭素−炭素結合(二重結合又は三重結合)を有する基、などが挙げられ、これらの中でも、エチレン性不飽和基が好適である。
前記エチレン性不飽和基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、2〜15のものがより好ましく、2〜10のものが更に好ましく、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、ビニル基、ビニルオキシ基、アリル基、シンナモイル基、等が挙げられる。
前記開環重合性基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、2〜15のものがより好ましく、2〜10のものが更に好ましく、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、等が挙げられる。
前記ホスホリルコリン基含有化合物としては、例えば、特開昭58−154591号公報、Polymer Journal,22巻 335−360頁(1990年)などに記載されているものなどが挙げられる。
具体的には、2−メタクリロイオキシエチルホスホリスコリン、3−メタクリロイオキシプロピルホスホリルコリン、2−アクリロイオキシエチルホスホリルコリン、3−アクリロイオキシプロピルホスホリルコリンなどが挙げられ、これらの中でも、2−メタクリロイオキシエチルホスホリスコリンが特に好ましい。
前記ホスホリルコリン基含有化合物とその他のモノマーとの共重合体を用いることもできる。
前記その他のモノマーとしては、ラジカル重合可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類、グリシジルエステル類、スチレン、アルキル酸のビニルエステル類、ケイ素含有単量体、などが挙げられる。該その他のモノマーの添加量は、前記ホスホリルコリン基含有化合物に対して50質量%以下が好ましい。
前記カプセル内視鏡は、その表面にグラフト鎖がパターン状に形成されていることが好ましく、該パターンとしては、形状、大きさ、配置などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該カプセル内視鏡の表面に部分的にパターン形成することが好ましい。このようなカプセ内視鏡は、以下のようにして製造することができる。
−カプセル内視鏡の製造方法−
本発明のカプセル内視鏡の製造方法は、第1の形態では、重合開始剤を付与したカプセル内視鏡の表面をパターン状に露光し、該露光部でフッ素含有化合物を反応させて、カプセル内視鏡の表面にパターン状にフッ素原子を含むグラフト鎖を形成する。
本発明のカプセル内視鏡の製造方法は、第2の形態では、重合開始剤を付与したカプセル内視鏡の表面をパターン状に露光し、該露光部でホスホリルコリン基含有化合物を反応させて、カプセル内視鏡の表面にパターン状にホスホリルコリン基を含むグラフト鎖を形成する。
具体的には、本発明のカプセル内視鏡の製造方法は、(1)カプセル内視鏡表面に重合開始剤を固定化する工程、(2)固定化した重合開始剤からフッ素含有化合物あるいはホスホリルコリン基含有化合物をグラフト重合を開始し、パーフルオロ基あるいはホスホリルコリン基を有するグラフト鎖を生成する工程を経て作製することが好ましい。
前記(2)の工程において、マスク等を用いてパターニングをすることにより、カプセル内視鏡表面にグラフト鎖をパターン状に形成することができる。
<(1)カプセル内視鏡表面に重合開始剤を固定化する工程>
前記カプセル内視鏡表面に重合開始剤を固定する工程は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、操作の簡便性、また大面積適用性の観点から、シランカップリング剤などの結合性末端基を有する開始剤をカプセル内視鏡表面に、好ましくは所望の領域全面にわたり付着させる方法が好ましい。該付着方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布法、スプレー法、浸漬法、などが挙げられる。
−重合開始剤−
前記重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、原子移動ラジカル重合を開始する部分(以下、「開始部位」と称することがある)と基板と結合しうる部分(結合部位)とを同一分子内に持った化合物なら公知のいずれのものも使用することができる。
前記開始部位としては、一般に、有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するエステル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、又は、ハロゲン化スルホニル化合物等を部分構造として導入することが好ましい。また、同様の重合開始剤としての機能を有するものであれば、ハロゲンの代わりになる基、例えば、ジアゾニウム基、アジド基、アゾ基、スルホニウム基、オキソニウム基などを有する化合物を用いても構わない。
前記開始部位として導入されうる化合物としては、具体的には、以下に例示するような化合物が挙げられる。
−CHX、
−C(H)(X)CH、又は
−C(X)(CH
ただし、前記各構造式中、Cはフェニル基を表す。Xは、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表す。
−C(H)(X)−CO
−C(CH)(X)−CO
−C(H)(X)−C(O)R、又は
−C(CH)(X)−C(O)R
ただし、前記各構造式中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数7〜20のアラルキル基を表す。Xは、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表す。
−C−SO
ただし、前記構造式中、R及びXは、前記したものと同義である。
前記開始剤の開始部位としては、経時安定性の観点から、α−ハロゲンエステル化合物である。
前記開始剤中に存在する結合部位、即ち、基板結合基(基板と結合し得る官能基)としては、例えば、チオール基、ジスルフィド基、アルケニル基、架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、等が挙げられる。これらの中でも、基板結合基としてはチオール基、架橋性シリル基が特に好ましい。
前記開始部位と結合部位をもった開始剤、即ち、開始能を有する部分構造に基板結合性基を導入した開始剤の具体的な例としては、例えば、下記構造式(8)に示す構造を有するものが例示される。
C(X)−R−R−C(H)(R)CH
−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R103−a(Y)・・・構造式(8)
ただし、前記構造式(8)中、R、R、R、R、及びRは、R及びRと同義である。
Xは、前記したXと同義である。
、及びR10は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又は(R’)SiO−(ただし、R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R又はR10が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
Yは、水酸基、ハロゲン原子、又は加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
aは、0、1、2、又は3を表す。bは、0、1、又は2を表す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。
前記構造式(8)で表される化合物を、以下に例示する。
XCHC(O)O(CH)nSi(OCH
CHC(H)(X)C(O)O(CHSi(OCH
(CHC(X)C(O)O(CHSi(OCH
(CHC(X)C(O)O(CHSiCl
XCHC(O)O(CH)nSiCl
CHC(H)(X)C(O)O(CHSi(CH)(OCH、又は
(CHC(X)C(O)O(CHSiCl
ただし、前記各構造式中、Xは、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表す。nは0〜20の整数を表す。
次に、前記開始部位と結合部位をもった開始剤の他の具体的な例としては、下記構造式(9)で示される構造を有するものが挙げられる。
(R103−a(Y)Si−[OSi(R2−b(Y)
−CH−C(H)(R)−R11−C(R)(X)−R−R・・・構造式(9)
ただし、前記構造式(9)中、R、R、R、R、R、R、R10、a、b、m、X、及びYは前記したものと同義である。
前記構造式(9)で表される化合物を、以下に例示する。
(CHO)SiCHCHC(H)(X)C
C1SiCHCHC(H)(X)C
C1Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、
(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、
ただし、前記各構造式中、Xは塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又は、アラルキル基を表す。
−グラフト重合方法−
前記重合開始剤層表面にグラフトポリマーを生成させる方法としては、一般的に表面グラフト重合と呼ばれる手段を用いる。該グラフト重合とは、高分子化合物鎖上に活性種を与え、これによって重合を開始する別の単量体を更に結合及び重合させ、グラフト(接ぎ木)重合体を合成する方法を意味し、特に活性種を与える高分子化合物が固体表面を形成する時には表面グラフト重合と呼ばれる。また、本発明において生成されるグラフトポリマーは、高分子化合物鎖上の活性種に、所望のポリマーを結合させてなるものも含む。なお、本発明においては、活性種が与えられる高分子化合物は、上述の固定化した重合開始層を構成する高分子化合物となる。
本発明において、前記グラフト重合は、前記カプセル内視鏡表面に、全面又は画像様に設けられた重合開始剤層を、プラズマ、若しくは電子線にて処理し、表面にラジカルを発生させて重合開始能を発現させ、その後、その活性表面とフッ素含化合物又はホスホリルコリン基含有化合物とを反応させることによりグラフトポリマーを生成させるものである。
−重合開始剤層に活性種を与えるためのエネルギー付与−
重合開始剤層に、活性種を与えるためのエネルギー付与方法としては、重合開始層中の重合開始剤を分解させ得るエネルギーを付与できる方法であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、露光等の活性光線照射などが、コスト、装置の簡易性の観点から好ましい。
前記エネルギー付与に使用し得る活性光線としては、例えば、紫外線、可視光、赤外光などが挙げられ、これらの活性光線の中でも、紫外線、可視光が好ましく、重合速度に優れるという点から紫外線が特に好ましい。また、活性光線の主たる波長が250nm以上800nm以下であることが好ましい。
前記光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、蛍光ランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、タングステン白熱ランプ、太陽光などが挙げられる。
前記活性光線の照射の所要時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常、数秒〜24時間が好ましい。
前記グラフト重合を用いたグラフトポリマーの生成するために、重合開始層が設けられたカプセル内視鏡の表面を、フッ素含化合物又はホスホリルコリン基含有化合物を含む溶液に浸漬し、その後、光照射を行い、重合開始剤層表面に活性種を生成させ、その活性種に対し該化合物をグラフト重合させる方法を用いる。
前記フッ素含化合物又はホスホリルコリン基含有化合物としては、上述したものを使用することができる。
前記グラフト重合反応は、無溶媒、即ち溶媒を用いることなくモノマー単独で行ってもよく、また、各種の溶媒中で行ってもよい。該重合反応に用い得る溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;水、などが挙げられる。これらは、1種を単独又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、前記溶媒を用いるグラフト重合反応は、一般的には、溶媒中にモノマーを添加し、必要に応じて触媒を添加した後、該溶媒中に開始剤を固定化してなるカプセル内視鏡を浸漬し、所定時間反応させることにより行われる。一方、無溶媒でのグラフト重合反応は、一般的には、室温下若しくは100℃までの加熱状態で行われる。
以上のようにして製造されたカプセル内視鏡は、その表面にグラフト鎖がパターン状に形成されており、該グラフト鎖に薬効成分を結合させる。該結合方法としては、上述した通り、イオン結合、共有結合、などが挙げられ、これらの中でも、イオン結合が特に好ましい。前記イオン結合としては、例えば、酸性基を有するペニシリンGを溶解した水溶液中に、塩基性基を含むグラフト鎖を有するカプセル内視鏡を浸漬させて、薬効成分としてのペニシリンGをグラフト鎖に結合させることができる。
また、塩基性基を有するストレプトマイシンを溶解した水溶液中に、酸性基を含むグラフト鎖を有するカプセル内視鏡を浸漬させて、薬効成分としてのストレプトマイシンをグラフト鎖に結合させることができる。
また、本発明のカプセル内視鏡は、その表面にグラフト鎖がパターン状に形成されており、カプセル表面上で摩擦係数の異なる部位が存することによって、一部を支点としてカプセルを保持、回転などの移動の制御をすることもできる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−重合開始層の形成−
図1及び図2に示すようなカプセル内視鏡(外径11mm、全長26mm)の筐体表面(材質:ポリエチレン)をプラズマ放電処理した(KEYENCE社製、ST−7000)。
次に、前記カプセル内視鏡を、Macromolecules,32巻,1424頁,(1999年)に記載の方法により調製したシランカップリング剤(5−トリクロロシリルペンチル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオネートの1質量%脱水トルエン溶液中に終夜浸漬した。
次いで、カプセル内視鏡を取り出し、トルエン、メタノールで順次洗滌し、表面に重合開始剤である結合性末端基を有するシランカップリング剤を固定化したカプセル内視鏡を調製した。
−パターン露光及び現像−
得られたカプセル内視鏡の重合開始剤層にパターンフイルムを通して高圧水銀灯を用いて照射エネルギー300mJ/cmでUV照射して15分間照射した。その結果、露光領域の重合開始剤は失活した。
−グラフト重合−
パターン状の重合開始剤層が形成されたカプセル内視鏡を、アクリル酸(和光純薬工業株式会社製)30gと、プロピレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)70gとを混合して均一とした溶液に浸漬し、高圧水銀灯を用いて300mJ/cmで30分間照射した。光照射後、イオン交換水でよく洗滌した。以上により、重合開始剤層表面にアクリル酸モノマーがグラフト重合したグラフトポリマーをパターン状に有するカプセル内視鏡が得られた。
−薬剤の担持−
ストレプトマイシン0.1gを精製水100gに溶解した溶液中に、前記グラフト鎖を有するカプセル内視鏡を12時間浸漬した。次いで、水洗し、乾燥させて、表面にストレプトマイシンを有するカプセル内視鏡を作製した。
(実施例2)
実施例1において、アクリル酸に代えて2−メタクリロイオキシエチルジメチルエチルアンモニウムを用いて、重合開始剤層表面にグラフトポリマーをパターン状に有するカプセル内視鏡を作製した。
次に、ペニシリンG 0.1gを精製水100gに溶解した溶液中に、前記グラフト鎖を有するカプセル内視鏡を12時間浸漬した。次いで、水洗し、乾燥させて、表面にペニシリンGを有するカプセル内視鏡を作製した。
(実施例3)
実施例1において、アクリル酸(和光純薬工業株式会社製)30gと、プロピレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)70gとを、CH=CHCOOCHCHRf(ただし、Rfは、−C2n+1−CFを表し、n=8である)(FAMAC、ダイキンファインケミカル研究所製)7gと、2−メタクリロイオキシエチルジメチルエチルアンモニウム3gと、プロピレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)90gに代えた以外は、実施例1と同様にして、重合開始剤層表面にグラフトポリマーをパターン状に有するカプセル内視鏡を作製した。
次に、ペニシリンG 0.1gを精製水100gに溶解した溶液中に、前記グラフト鎖を有するカプセル内視鏡を12時間浸漬した。次いで、水洗し、乾燥させて、表面にペニシリンGを有するカプセル内視鏡を作製した。
(実施例4)
実施例1において、アクリル酸(和光純薬工業株式会社製)30gと、プロピレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)70gとを、2−メタクリロイオキシエチルホスホリスコリン5gと、2−メタクリロイオキシエチルジメチルエチルアンモニウム5gと、プロピレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業株式会社製)90gとに代えた以外は、実施例1と同様にして、重合開始剤層表面にグラフトポリマーをパターン状に有するカプセル内視鏡を作製した。
次に、ペニシリンG 0.1gを精製水100gに溶解した溶液中に、前記グラフト鎖を有するカプセル内視鏡を12時間浸漬した。次いで、水洗し、乾燥させて、表面にペニシリンGを有するカプセル内視鏡を作製した。
(比較例1)
実施例1において、カプセル内視鏡の表面にグラフト鎖を設けず、薬効成分を担持させない以外は、実施例1と同様にして、比較例1のカプセル内視鏡とした。
次に、実施例1〜4及び比較例1の各カプセル内視鏡について、以下のようにして、ビニル管内での滞留時間、抗菌性、及びタンパク質の吸着量を測定した。結果を表1に示す。
<ビニル管内での滞留時間の測定>
呼び径25mm、全長30cmの硬質塩化ビニル管を用い、該ビニル管の一方の端を他端より5cm上方へ持ち上げ、上方端から水を1分間に100ml流しているところに、実施例1〜4及び比較例1の各カプセル内視鏡を挿入し、該カプセル内視鏡がビニル管外に排出されるまでの滞留時間を計測した。
<タンパク質の吸着量の測定>
乾燥卵白10gを生理食塩水100gに溶解したタンパク質溶液に、実施例1〜2及び比較例1の各カプセル内視鏡を37℃で1日間浸漬した。引き続いて、生理食塩水ですすいだ後、1質量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液100ml中に浸漬し、カプセル内視鏡からタンパク質を剥離させて、水溶液を乾固することにより、この水溶液中に溶解したタンパク質を定量した。なお、ドデシル硫酸ナトリウムを1g含むとして減算した。
<抗菌性の評価>
実施例1〜4及び比較例1の各カプセル内視鏡の表面に5質量%砂糖水を塗った後、室内に4日間放置し、目視にてコロニーの発生の有無を下記基準で判断した。
〔評価基準〕
○:コロニーの発生なし
×:コロニーの発生有り
Figure 0004611107
本発明のカプセル内視鏡は、少なくとも一部の表面に薬効成分を有し、生体内の目的部位において効果的な治療や検査が行え、血液やタンパク質などの汚染防止性に優れると共に、姿勢の制御、動きの制御、位置の制御が容易であり、安全かつ有用性に優れたカプセル内視鏡として好適に用いられる。
図1は、本発明のカプセル内視鏡の筐体内の構成の一例の概略を示す拡大縦断面図である。 図2は、図1のカプセル内視鏡を前方から見た正面図である。
符号の説明
1 レンズ鏡筒
1a 対物レンズ
2 光源
3 電子制御部品
4 撮像素子
5 素子枠
6 周辺回路基板
7 可撓性基板
8 電源
10 筐体
100 カプセル内視鏡

Claims (9)

  1. カプセル内視鏡の少なくとも一部の表面に薬効成分を有するカプセル内視鏡であって、
    前記カプセル内視鏡の表面に設けられたグラフト鎖を介して薬効成分を有することを特徴とするカプセル内視鏡。
  2. 薬効成分が、末梢神経作用薬、中枢神経作用薬、ホルモン剤、オータコイド、循環器系作用薬、呼吸器系作用薬、消化器系作用薬、泌尿生殖器系作用薬、皮膚作用薬、ビタミン剤、化学療法剤、消毒薬、防腐剤、生物学的製剤、及び漢方薬から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のカプセル内視鏡。
  3. 薬効成分が、グラフト鎖とイオン結合により結合している請求項1から2のいずれかに記載のカプセル内視鏡。
  4. 薬効成分が、生体内の標的部位においてグラフト鎖から離脱可能である請求項1から3のいずれかに記載のカプセル内視鏡。
  5. グラフト鎖が、カプセル内視鏡の表面にパターン状に形成されている請求項1から4のいずれかに記載のカプセル内視鏡。
  6. グラフト鎖が、少なくともフッ素含有化合物を重合させて得られる請求項1から5のいずれかに記載のカプセル内視鏡。
  7. フッ素含有化合物が、重合性基を有する請求項6に記載のカプセル内視鏡。
  8. グラフト鎖が少なくともホスホリルコリン基含有化合物を重合させて得られる請求項1から5のいずれかに記載のカプセル内視鏡。
  9. ホスホリルコリン基含有化合物が、重合性基を有する請求項8に記載のカプセル内視鏡。
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