JP4607297B2 - 磁気共鳴イメージング装置および変動磁場の補正方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体内部の原子核スピンの磁気共鳴信号を検出して、被検体内部を画像化する磁気共鳴イメージング装置に係り、特に、所望の傾斜磁場を発生させるために傾斜磁場コイルに電流を印加した場合に生ずる、渦電流磁場や他の変動磁場を補正するようにした磁気共鳴イメージング装置および変動磁場の補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用診断装置として活用されている磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)は、被検体内部の原子核スピンの磁気共鳴信号(以下、MR信号という)を検出することにより、被検体内部を画像化する装置である。そして、MRI装置は非侵襲にしかも放射線被曝なしに、被検体内部を画像化することができるので、臨床の場でその有用性を発揮している。
一般的なMRI装置のガントリの概略構成を、図3および図4に示してあるので、先ずガントリの構成について説明する。なお、図3は模式的な断面図であり、図4は軸方向(Z軸方向)から見た断面図である。
ガントリ1は、全体が略円筒状に形成されており、中心部が診断用空間(ボア)として機能するもので、ここに被検体Pが図示しない寝台天板に載せられて送り込まれるようになっている。このガントリ1には、例えば超電導磁石などの磁石装置11が設けられており、磁石装置11によって形成される診断用空間(ボア)11aに数キロガウスから10数キロガウス(10キロガウス=1テスラ)程度の非常に強い静磁場を発生させる。この磁石装置11が超伝導磁石で構成される場合は、真空容器の中に、複数の熱輻射シールド容器および単独の液体ヘリウム容器が収められ、液体ヘリウム容器の内部に超伝導コイルが巻装されて設置されている。
【0003】
また、この磁石装置11によって得られる静磁場の均一性を補正するための、円筒状のシムコイルユニット12と、静磁場に線形の傾斜磁場を時間的に変化するように重畳させて、空間的な位置情報を付与するための、傾斜磁場を発生させる円筒状の傾斜磁場コイルユニット13とが、それぞれ同軸状に配置されている。さらに、高周波パルスを送信するとともに、被検体から得られる高周波のMR信号を受信するためのRFコイル14が着脱自在に配置されている。このRFコイル14は、送受信兼用に構成されたものでも、または送信用或いは受信用として各別に構成されたものでもよい。
なお、シムコイルユニット12は図5に示すように、円筒状に形成された内側樹脂層120の外周面上に、順次5チャンネルの2次シムが積層された構造となっている。すなわち、内側樹脂層120の外周面上にZXチャンネルのシムコイル121が巻装され、その外周面上にZYチャンネルのシムコイル122が巻装され、さらにその外周面上にXYチャンネルのシムコイル123が巻装され、さらにその外周面上にX2−Y2チャンネルのシムコイル124が巻装され、さらにその外周面上にZ2チャンネルのシムコイル125が巻装され、この外周面上に保護および絶縁用の樹脂テープ層126が巻装されて構成されている。
これら5チャンネルのシムコイル121〜125は、図示しないシム用電源に接続されて、磁石装置11によって発生した静磁場に対して、数10PPM以下の空間的均一性を得るように定常電流を流してシミングを行う。なお、この均一性を必要とする診断用空間の撮影領域は、しばしば直径500mm程度の球状となる。
【0004】
一方、シムコイルユニット12の内周面に、傾斜磁場コイルユニット13が隙間無く接合するように設けられている。この傾斜磁場コイルユニット13は、例えば米国特許第4733189号に記載されているように、2つのコイルを有し、内側には所望強度の磁場を発生するが、外側には磁場の相殺によって磁束を殆ど漏らさない構造の、いわゆる能動(自己)遮蔽型傾斜磁場コイル(Actively Shielded Gradient Coil:以下、ASGCと称する)となっている。
そして、能動遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC)ユニット13は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の各方向に傾斜磁場を発生させるように、3チャンネルのコイルアッセンブリから形成されている。すなわち、このASGCユニット13は、図6に示すように、X軸方向用のXチャンネルアセンブリ13X、Y軸方向用のYチャンネルアセンブリ13Y、Z軸方向用のZチャンネルアセンブリ13Zが、コイル層毎に絶縁されて積層されて略円筒状を成している。そして、各アセンブリ13X、13Y、13Zは、各軸方向の傾斜磁場を発生するメインコイルと、このメインコイルが発生する傾斜磁場を外界に漏らさないように、磁気的にシールドするシールドコイルとを有している。
また、各チャンネルのコイルアセンブリ13X、13Y、13Zのメインコイルは、図示しないが、それぞれ専用のX軸傾斜磁場電源、Y軸傾斜磁場電源、Z軸傾斜磁場電源に接続され、各コイルアセンブリ13X、13Y、13Zのシールドコイルも、それぞれ専用のX軸シールド傾斜磁場電源、Y軸シールド傾斜磁場電源、Z軸シールド傾斜磁場電源に接続されている。そして、図示しないシーケンサにプログラムされているパルスシーケンスに従い、それぞれの電源から各チャンネルのコイルアセンブリ13X、13Y、13Zへ、パルス電流が供給されて、所定の傾斜磁場を発生する。
【0005】
さて、MRI装置によってMR画像を得る撮影時には、上記の磁石装置11とシムコイルユニット12によって均一に形成された静磁場中で、ASGCユニット13およびRFコイル14を、所望のパルスシーケンスに従って駆動する。すなわち、静磁場中に置かれた被検体Pに、パルスシーケンスに従って、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の各方向の線形の傾斜磁場が重畳され、被検体Pの原子核スピンがラーモア周波数の高周波信号で、磁気的に励起される。よって、この励起に伴ってMR信号が発生するので、このMR信号がRFコイル14で検出され、検出されたMR信号を図示しないコンピュータシステムなどによって再構成することにより、被検体Pの例えば二次元断層像としてのMR画像が得られる。
【0006】
このようなMRI装置において、近年イメージングに要する時間を短縮したいという高速化のニーズが非常に強くなり、高速EPI(echo planarimaging)法など、高強度の傾斜磁場を高速にスイッチングさせる(すなわち、高速に極性を反転させる)パルスシーケンスが開発されて実用に供されている。ところで、前述のようにASGCユニット13は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に傾斜磁場を発生する3チャンネルのコイルアセンブリ13X、13Y、13Zを有しており、この3チャンネルのコイルアセンブリ13X、13Y、13Zが頻繁にかつ高速に切換えられて駆動される。
そして、各チャンネルのコイルアセンブリ13X、13Y、13Zには通常非常に早い立ち上がりのパルス電流が印加されるので、各チャンネルのコイルアセンブリ13X、13Y、13Zの周辺に配置されている導電体例えば磁石装置11のシールド材、フレーム、各種コイル等に渦電流を発生させ、その渦電流が所望の傾斜磁場波形を歪ませる原因となっている。この渦電流の影響は、ASGCにあっても同様である。それは、ASGCといえども有限のターンに分割された電流によってシールドしているため、真に理想的な電流分布を実現することができないためである。よって、渦電流によって生ずる磁場(渦電流磁場)を補正するために、ASGCに印加する電流を、予めその磁場波形が矩形になるように整形する補正電流を重畳したものとしていた。
【0007】
しかし、ASGCユニット13とその周辺に配置された導電体との配置関係が非対称になっている場合には、ASGCユニット13に補正電流を重畳しても傾斜磁場波形を期待どおりの矩形にすることができないという問題があり、その問題を解決するために、本出願人は、特公平7−100057号公報に開示されているように、ASGCユニット13に近接して渦電流補正用コイルを配置して、各チャンネルのコイルアセンブリ13X、13Y、13Zとこの渦電流補正用コイルに傾斜磁場発生用電流を供給することを提案した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、渦電流による影響を除去するための、ASGCユニット13に補正電流を重畳したり、前記特公平7−100057号公報に開示されている技法は、いずれもXチャンネルアセンブリ13X、Yチャンネルアセンブリ13Y、Zチャンネルアセンブリ13Zの内、どれか一つの方向のチャンネルの傾斜磁場コイルを駆動した場合の渦電流補正は、その駆動したチャンネルに供給する電流波形を整形したり、そのチャンネル用の渦電流補正用コイルに傾斜磁場発生用電流を供給することによって行っていた。これは、傾斜磁場と同一空間分布をもつ渦電流磁場を補正しようとするものであり、渦電流の起源が、駆動したチャンネルの傾斜磁場コイルにあるため、そのチャンネルの電流を制御すれば補正が可能であると考えられていたためであって、これは間違いではなかった。
しかしながら、近年のイメージングの高速化の要望や、ハードウェアの進歩に伴い様々なパルスシーケンスが開発され、傾斜磁場コイルに印加されるパルス波形の形状や印加の仕方が非常に複雑化、高度化してきている。また、RFコイルの進歩に伴ってS/Nも向上し、従来、ノイズの中に埋もれていたアーチファクトが描出されるようにもなって、これが画質に大きな影響を与えるようになってきている。
【0009】
すなわち、ASGCや磁石装置の製造誤差や、それらを配置した位置の誤差、周囲金属の傾斜磁場に対する非対称性などによって、もともと、印加した傾斜磁場とは異なった空間分布をもつ渦電流磁場が撮影領域内に存在していたが、これらは、従来技術ではあまり問題にならない程度の画質劣化要因でしかなかった。しかし、このような従来技術ではあまり問題にならなかった画質劣化要因が、前述のように、パルスシーケンスの複雑化、高度化やRFコイルの性能向上に伴って、放置することのできない問題としてクローズアップされてきている。本発明は、このような問題を解決するために、従来、駆動したチャンネルの傾斜磁場コイルと同じ空間分布をもった渦電流磁場しか補正の対象としていなかったものを、従来の補正に加えて、駆動した方向の傾斜磁場とは異なった空間分布をもつ渦電流磁場や他の変動磁場をも補正の対象とすることにより、より画質の向上を図ることを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するための好適な実施の形態は、診断用空間に静磁場を発生する磁石装置と、この磁石装置によって発生した静磁場に、X、Y、Z方向の傾斜磁場を重畳する前記診断用空間を囲むように配置されたX、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルと、前記診断用空間に置かれた被検体に高周波磁場を加えるとともに被検体からの磁気共鳴信号を受信する送受信手段とを備え、前記被検体から得られる磁気共鳴信号を画像化する磁気共鳴イメージング装置において、前記X、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルのうち特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに傾斜磁場電流を印加することに伴ない発生する傾斜磁場と同一空間分布をもつ渦電流磁場を補正するために、前記特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルの傾斜磁場電流に補正用電流を重畳する第1の磁場補正手段と、前記傾斜磁場電流を印加した特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルを除く他の複数チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに、前記特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルによって発生する傾斜磁場と異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するための補正用電流を供給する第2の磁場補正手段とを具備することを特徴とするものである。
【0011】
また、他の実施の形態は、診断用空間に静磁場を発生する磁石装置と、この磁石装置によって発生した静磁場に、X、Y、Z方向の傾斜磁場を重畳する前記診断用空間を囲むように配置されたX、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルと、前記診断用空間に置かれた被検体に高周波磁場を加えるとともに被検体からの磁気共鳴信号を受信する送受信手段と、前記磁石装置によって得られる静磁場の均一性を補正するために、前記能動遮蔽型傾斜磁場コイルの近傍に配置された複数のシムコイルとを備え、被検体から得られる磁気共鳴信号を画像化する磁気共鳴イメージング装置において、前記X、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルのうち特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに傾斜磁場電流を印加することに伴ない発生する傾斜磁場と同一空間分布をもつ渦電流磁場を補正するために、前記特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに印加する傾斜磁場電流に補正用電流を重畳する第1の磁場補正手段と、前記複数のシムコイルの少なくとも一つに、前記特定チャンネルの傾斜磁場電流を印加した能動遮蔽型傾斜磁場コイルによって発生する傾斜磁場と異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するための補正用電流を供給する第3の磁場補正手段とを具備し、前記シムコイルは、能動遮蔽型に形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
さらに他の実施の形態は、診断用空間に静磁場を発生する磁石装置と、この磁石装置によって発生した静磁場に、X、Y、Z方向の傾斜磁場を重畳する前記診断用空間を囲むように配置されたX、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルと、これらX、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに近接して別構造体として配置された渦電流磁場補正用コイルと、前記診断用空間に置かれた被検体に高周波磁場を加えるとともに被検体からの磁気共鳴信号を受信する送受信手段とを備え、前記被検体から得られる磁気共鳴信号を画像化する磁気共鳴イメージング装置において、前記X、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルのうち特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに傾斜磁場電流を印加することに伴ない発生する傾斜磁場と同一空間分布をもつ渦電流磁場を補正するために、傾斜磁場電流に重畳して前記能動遮蔽型傾斜磁場コイルおよび前記渦電流磁場補正用コイルに補正用電流を供給する第4の磁場補正手段と、前記特定チャンネルのチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルを除く他の複数のチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに近接して配置された前記渦電流磁場補正用コイルに、前記特定能動遮蔽型傾斜磁場コイルによって発生する傾斜磁場と異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するための補正用電流を供給する第5の磁場補正手段とを具備し、前記第5の磁場補正手段により供給する補正用電流は、前記特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルの傾斜磁場強度に比例した電流であることを特徴とするものである。
【0013】
これにより、発生する傾斜磁場とは異なる空間分布をもつ変動磁場を補正することができる。よって、従来はノイズの中に埋もれていてあまり問題とならなかったようなものではあったが、近年のイメージングの高速化、パルスシーケンスの高度化・複雑化などに伴ない顕在化してきたアーチファクトの影響を排除して、画質の向上に大きく寄与することができる。
【0014】
さらに、上記の課題を解決するために好適な変動磁場の補正方法は、磁気共鳴イメージング装置における傾斜磁場コイルによって発生する傾斜磁場と異なる空間分布をもつ変動磁場を補正する方法であって、傾斜磁場電流を印加した特定チャンネルの傾斜磁場コイルを除く他の複数のチャンネルの傾斜磁場コイルに、前記特定チャンネルの傾斜磁場コイルの傾斜磁場強度に比例した補正用電流を供給することを特徴とする。
また、他の好適な変動磁場の補正方法は、磁気共鳴イメージング装置における傾斜磁場コイルによって発生する傾斜磁場と異なる空間分布をもつ変動磁場を補正する方法であって、前記傾斜磁場コイルの近傍に配置された静磁場の均一性を補正するための複数のシムコイルの少なくとも一つに、前記傾斜磁場コイルの傾斜磁場強度に比例した補正用電流を供給することを特徴とする。
これらによって、発生する傾斜磁場とは異なる空間分布をもつ変動磁場を補正することができ、磁気共鳴イメージング装置における画質の向上に大きく寄与することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態について、図1ないし図3を参照して詳細に説明するが、その前に、本発明の着眼点について説明しておく。
MRI装置は、撮影領域内において、磁場のベクトルが一定方向を向き、磁場強度も一定である静磁場と、この静磁場に重畳する線形(1次関数)の傾斜磁場を必要とする。円筒形の磁石で静磁場を発生させる場合には、円筒軸の方向(これをZ軸方向とする)を向いた均一な静磁場を形成し、この静磁場に対してそれぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に線形の傾斜磁場を重畳する。
ここで、静磁場のベクトル方向をZ軸方向、強度をB0とすると、X軸方向の傾斜磁場Bz(X)、Y軸方向の傾斜磁場Bz(Y)、Z軸方向の傾斜磁場Bz(Z)は、それぞれ次式のように表される。
Bz(X)=(δBz/δx)X+B0 … (1)
Bz(Y)=(δBz/δy)Y+B0 … (2)
Bz(Z)=(δBz/δz)Z+B0 … (3)
ここで、XはX方向の位置、YはY方向の位置、ZはZ方向の位置であり、また、(δBz/δx)はX方向傾斜磁場強度、(δBz/δy)はY方向傾斜磁場強度、(δBz/δz)はZ方向傾斜磁場強度である。
【0016】
例えば、Xチャンネルの傾斜磁場コイルに傾斜磁場電流を印加したとき、このXチャンネルの傾斜磁場コイル周辺の金属に渦電流が誘起され、渦電流磁場が発生する。ここで誘起された渦電流磁場は、撮影領域内で時間変化に伴ない、空間的に様々な磁場成分を作り出す。その主な成分は、Xチャンネルの傾斜磁場コイルの作り出す傾斜磁場成分と同じであるが、周囲金属との位置関係や金属の材質などによって、空間的、時間的にそれ以外の成分の磁場も作り出すことになる。
また、この渦電流磁場の発生原因は、傾斜磁場コイルによって発生する傾斜磁場にあり、従って傾斜磁場コイルに供給される傾斜磁場電流に比例する。また、渦電流磁場の内主要な部分は一次成分である。この一次成分とは、X方向傾斜磁場強度(δBz/δx)、Y方向傾斜磁場強度(δBz/δy)、Z方向傾斜磁場強度(δBz/δz)であり、またはその合成である。
特に、XチャンネルとのクロスタームであるY方向傾斜磁場やZ方向傾斜磁場の成分が発生すると、あたかもそれが、Yチャンネルの傾斜磁場コイルの作り出すY軸方向傾斜磁場や、Zチャンネルの傾斜磁場コイルの作り出すZ軸方向傾斜磁場として振る舞い、画像の歪みや不本意な位相のみだれなど、画質を劣化させる要因となる。なお、Xチャンネルの傾斜磁場コイルに傾斜磁場電流を印加したときについて述べたが、YチャンネルやZチャンネルの傾斜磁場コイルに傾斜磁場電流を印加したときについても同様である。
【0017】
そこで、従来は、傾斜磁場電流を印加したチャンネル方向の渦電流磁場しか補正できていなかったものを、傾斜磁場電流を印加したチャンネル以外の方向成分の渦電流磁場成分も補正できるようにしようとするのが、本発明の狙いである。特に、一次補正として、傾斜磁場コイルを用いた補正が有用である。そして、この考えを実現するために、本発明では、従来の補正に加えて、傾斜磁場電流を印加したチャンネル(これを、特定チャンネルすなわち、特定傾斜磁場コイルと称するものとする。)以外の傾斜磁場コイルに、補正用電流を印加するものである。また、本発明による補正は、傾斜磁場コイルの他にシムコイルを使って行うこともでき、さらに、補正用電流を流すために特別に設計された新たなコイルを設けるようにしてもよい。
【0018】
次に、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の種々の実施の形態について説明する。
先ず、第1の実施の形態について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第1の実施の形態を示した要部の系統図であり、この実施の形態は、傾斜磁場電流を印加したチャンネルの傾斜磁場コイル(特定傾斜磁場コイル)により発生する傾斜磁場とは異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するために、傾斜磁場電流を印加したチャンネル(特定傾斜磁場コイル)を除く他のチャンネルの傾斜磁場コイルに、補正用電流を供給するものである。
【0019】
すなわち、傾斜磁場発生用電流を供給するための傾斜磁場発生用電流源21が、ASGCユニット13のXチャンネルアセンブリ13X、Yチャンネルアセンブリ13Y、Zチャンネルアセンブリ13Zそれぞれ個別の駆動電流源としての、Xチャンネル駆動回路22X、Yチャンネル駆動回路22Y、Zチャンネル駆動回路22Zに接続されている。そして、Xチャンネル駆動回路22Xは、Xチャンネルアセンブリ13Xに接続されている。同様に、Yチャンネル駆動回路22Yは、Yチャンネルアセンブリ13Yに接続されており、Zチャンネル駆動回路22Zは、Zチャンネルアセンブリ13Zに接続されている。
なお、各チャンネル駆動回路22X、22Y、22Zからは、第1の傾斜磁場補正手段として従来と同様に、ASGCユニット13に供給される傾斜磁場電流によって発生する傾斜磁場と同一空間分布をもつ渦電流磁場の影響を補償するために、予め傾斜磁場波形が矩形になるように、オーバーシュート電流のような補正用電流の重畳された傾斜磁場電流がASGCユニット13に供給されることは言うまでもない。
【0020】
また、傾斜磁場発生用電流源21は、ASGCユニット13によって発生する傾斜磁場と異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するための補正用電流を、ASGCユニット13の各チャンネルアセンブリ13X、13Y、13Zへ供給するための、Xチャンネル補正電流供給回路23X、Yチャンネル補正電流供給回路23Y、Zチャンネル補正電流供給回路23Zにも接続されている。ただし、この補正用電流は、ASGCユニット13の各チャンネルアセンブリ13X、13Y、13Zの内、傾斜磁場電流を印加した少なくとも1のチャンネルアセンブリ(特定チャンネルアセンブリ)を除く他のチャンネルアセンブリへ供給するものであり、そのために、各チャンネル補正電流供給回路23X、23Y、23Zは、補正制御器24に接続され、ここでどのチャンネルにどれだけの補正用電流を供給するかを決めて、それぞれのチャンネルアセンブリ13X、13Y、13Zへ補正用電流を供給する。
なお、この補正制御器24の動作は、各チャンネル駆動回路22X、22Y、22Zとともに、図示しないシーケンサによって制御されるものであることは言うまでもない。
【0021】
例えばXチャンネルアセンブリ13Xが駆動されたことによって生じた、X方向の傾斜磁場とは異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するために、Yチャンネル補正電流供給回路23YまたはZチャンネル補正電流供給回路23Zから補正制御器24を介して、各対応するYチャンネルアセンブリ13YまたはZチャンネルアセンブリ13Zへ補正用電流を供給する。この場合、Xチャンネルアセンブリ13Xが特定チャンネルアセンブリとなる。勿論、Yチャンネル補正電流供給回路23YおよびZチャンネル補正電流供給回路23Zから補正制御器24を介して、各対応するYチャンネルアセンブリ13YおよびZチャンネルアセンブリ13Zの両方へ補正用電流を供給するようにしてもよい。
同様に、Yチャンネルアセンブリ13Y(特定チャンネルアセンブリ)が駆動されたことによって生じた、Y方向の傾斜磁場とは異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するために、Zチャンネル補正電流供給回路23Zおよび/またはXチャンネル補正電流供給回路23Xから補正制御器24を介して、各対応するZチャンネルアセンブリ13Zおよび/またはXチャンネルアセンブリ13Xへ補正用電流を供給し、Zチャンネルアセンブリ13Z(特定チャンネルアセンブリ)が駆動されたことによって生じた、Z方向の傾斜磁場とは異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するために、Xチャンネル補正電流供給回路23Xおよび/またはYチャンネル補正電流供給回路23Yから補正制御器24を介して、各対応するXチャンネルアセンブリ13Xおよび/またはYチャンネルアセンブリ13Yへ補正用電流を供給する。
【0022】
このように本発明は、従来から実施されていた各チャンネルアセンブリ13X、13Y、13Zに印加される傾斜磁場電流によって発生する傾斜磁場と同一空間分布をもつ渦電流磁場の影響を補償するために、予め傾斜磁場電流にオーバーシュート電流のような補正用電流を重畳して、結果として傾斜磁場波形が矩形になるようにしていた第1の傾斜磁場補正手段に加えて、発生する傾斜磁場とは異なる空間分布をもつ変動磁場をも補正するために、傾斜磁場電流を印加したチャンネルアセンブリ(特定チャンネルアセンブリ)とは異なる他のチャンネルアセンブリに補正用電流を供給するようにしたものである。よって、従来はノイズの中に埋もれていてあまり問題とならなかったようなものではあったが、近年のイメージングの高速化、パルスシーケンスの高度化・複雑化、RFコイルの性能向上などに伴ない顕在化してきたアーチファクトの影響を排除することができ、画質の向上に大きく寄与することができる。また、特別の補正用コイルを設けることなく、既存のチャンネルアセンブリ13X、13Y、13Zを利用することができるので、極めて経済的である。
なお、ASGCユニット13のチャンネルアセンブリ13X、13Y、13Zへ供給した補正用電流によって、新たな変動磁場の発生が問題となることが予想される。しかし、ASGCの場合、傾斜磁場電流を印加したチャンネルアセンブリ(特定チャンネルアセンブリ=傾斜磁場コイル)が発生する変動磁場は、通常、波高値の1%以下であるため、補正用電流を供給するチャンネルアセンブリ(すなわち、特定チャンネルアセンブリとは異なる他のチャンネルアセンブリ)が発生する変動磁場は、その補正用電流の1%以下、すなわち、特定チャンネルアセンブリが発生する変動磁場の0.01%以下の変動磁場しか発生しないので、その影響はほとんど無視することができる。
【0023】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図2を参照して説明する。
図2は、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第2の実施の形態を示した要部の系統図であり、この実施の形態は、傾斜磁場電流を印加したチャンネルの傾斜磁場コイル(特定傾斜磁場コイル)により発生する傾斜磁場とは異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するために、シムコイルに補正用電流を供給するものである。なお、図2において、図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
すなわち、静磁場補正用のシム電源31が、ZXチャンネルのシムコイル121へ静磁場補正用電流を供給するZXシム補正電流供給回路32、ZYチャンネルのシムコイル122へ静磁場補正用電流を供給するZYシム補正電流供給回路33、XYチャンネルのシムコイル123へ静磁場補正用電流を供給するXYシム補正電流供給回路34、X2−Y2チャンネルのシムコイル124へ静磁場補正用電流を供給するX2−Y2シム補正電流供給回路35、さらにZ2チャンネルのシムコイル125へ静磁場補正用電流を供給するZ2シム補正電流供給回路36にそれぞれ接続されている。そして、各々のチャンネルのシム補正電流供給回路32〜36は、各別に設けた電流加算回路32a〜36aを介して、それぞれのシムコイル121〜125に接続されている。
【0021】
さらに、傾斜磁場発生用電流源21に接続されているXチャンネル補正電流供給回路23X、Yチャンネル補正電流供給回路23Y、Zチャンネル補正電流供給回路23Zは、補正制御器24を介して各シムコイル121〜125用の電流加算回路32a〜36aに接続されている。
【0024】
このように構成された第2の実施の形態の動作を説明する。
先ず、各チャンネル駆動回路22X、22Y、22Zからは、第1の傾斜磁場補正手段として、第1の実施の形態と同様に、ASGCユニット13に印加される傾斜磁場電流によって発生する傾斜磁場と同一空間分布をもつ渦電流磁場の影響を補償するために、予め傾斜磁場波形が矩形になるように、オーバーシュート電流のような補正用電流の重畳された傾斜磁場電流がASGCユニット13に印加される。
次に、傾斜磁場電流の印加されたASGCユニット13により発生する傾斜磁場とは異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するために、本来、静磁場の不均一性を補正するために設けられているシムコイル121〜125に、その定常電流に補正用の電流を重畳させる。これは、補正制御器24を介して、Xチャンネル補正電流供給回路23X、Yチャンネル補正電流供給回路23Y、Zチャンネル補正電流供給回路23Zからの補正用電流を、所望の値に調整して各シムコイル121〜125用の電流加算回路32a〜36aに選択的に供給することにより行われる。この場合、補正用電流は、傾斜磁場強度に比例した値とする。そして、傾斜磁場電流を供給したチャンネルアセンブリ13X、13Y、13Z毎に、発生する傾斜磁場とは異なる空間分布をもつ変動磁場の様子も異なるので、駆動するチャンネルアセンブリ13X、13Y、13Z毎に、補正用電流を供給するシムコイル121〜125を選択し、定常電流に重畳する補正用電流の値も調整することになる。なお、シムコイル121〜125の全てに補正用電流を供給してもよいし、1または2以上のシムコイルに選択的に補正用電流を供給するようにしてもよい。
【0025】
一般的に、シムコイル121〜125は、0次成分と二次成分以降の静磁場の不均一性を補正する目的で設けられている。そのため、渦電流の発生する一次成分以外の成分を補正する場合に適応することができ、この場合にも、敢えて特別に補正用のコイルを設ける必要がないので、経済的である。
なお本発明は、上述の実施の形態に限定されることなく、種々変形した形態での実施が可能である。例えば、既に述べた特公平7−100057号公報に示されているように、新たに渦電流補正用コイルを傾斜磁場コイルの近傍に別構造体として配置したものにおいても、この渦電流補正用コイルに、傾斜磁場電流を印加したチャンネルの傾斜磁場コイル(特定傾斜磁場コイル)により発生する傾斜磁場とは異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するための補正用電流を供給するようにしてもよい。
この場合は、傾斜磁場コイルと渦電流補正用コイルに傾斜磁場電流が供給され、この傾斜磁場電流に、傾斜磁場電流を印加することに伴ない発生する傾斜磁場と同一空間分布をもつ渦電流磁場を補正するため、予め傾斜磁場波形が矩形になるように、オーバーシュート電流のような補正用電流が重畳されることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、発生する傾斜磁場とは異なる空間分布をもつ変動磁場を補正することができる。よって、磁気共鳴イメージング装置において、ノイズの中に埋もれていて、従来はあまり問題とならなかったようなものではあったが、近年のイメージングの高速化、パルスシーケンスの高度化・複雑化、RFコイルの性能向上などに伴ない顕在化してきたアーチファクトの影響を排除して、画質の向上に大きく寄与することのできる磁気共鳴イメージング装置および変動磁場の補正方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示した要部の系統図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示した要部の系統図である。
【図3】一般的な磁気共鳴イメージング装置のガントリの概略構成を示した模式的な断面図である。
【図4】図3の軸方向(Z軸方向)から見た断面図である。
【図5】シムコイルユニットの各チャンネルの積層状態を説明するために示した軸方向から見た断面図である。
【図6】能動遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC)ユニットを説明するために示した軸方向から見た断面図である。
【符号の説明】
13 能動遮蔽型傾斜磁場コイル(ASGC)ユニット
13X Xチャンネルアセンブリ
13Y Yチャンネルアセンブリ
13Z Zチャンネルアセンブリ
21 傾斜磁場発生用電流源
22X Xチャンネル駆動回路
22Y Yチャンネル駆動回路
22Z Zチャンネル駆動回路
23X Xチャンネル補正電流供給回路
23Y Yチャンネル補正電流供給回路
23Z Zチャンネル補正電流供給回路
24 補正制御器
Claims (6)
- 診断用空間に静磁場を発生する磁石装置と、この磁石装置によって発生した静磁場に、X、Y、Z方向の傾斜磁場を重畳する前記診断用空間を囲むように配置されたX、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルと、前記診断用空間に置かれた被検体に高周波磁場を加えるとともに被検体からの磁気共鳴信号を受信する送受信手段とを備え、前記被検体から得られる磁気共鳴信号を画像化する磁気共鳴イメージング装置において、
前記X、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルのうち特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに傾斜磁場電流を印加することに伴ない発生する傾斜磁場と同一空間分布をもつ渦電流磁場を補正するために、前記特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルの傾斜磁場電流に補正用電流を重畳する第1の磁場補正手段と、
前記傾斜磁場電流を印加した特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルを除く他の複数チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに、前記特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルによって発生する傾斜磁場と異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するための補正用電流を供給する第2の磁場補正手段とを具備することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 診断用空間に静磁場を発生する磁石装置と、この磁石装置によって発生した静磁場に、X、Y、Z方向の傾斜磁場を重畳する前記診断用空間を囲むように配置されたX、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルと、前記診断用空間に置かれた被検体に高周波磁場を加えるとともに被検体からの磁気共鳴信号を受信する送受信手段と、前記磁石装置によって得られる静磁場の均一性を補正するために、前記能動遮蔽型傾斜磁場コイルの近傍に配置された複数のシムコイルとを備え、被検体から得られる磁気共鳴信号を画像化する磁気共鳴イメージング装置において、
前記X、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルのうち特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに傾斜磁場電流を印加することに伴ない発生する傾斜磁場と同一空間分布をもつ渦電流磁場を補正するために、前記特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに印加する傾斜磁場電流に補正用電流を重畳する第1の磁場補正手段と、
前記複数のシムコイルの少なくとも一つに、前記特定チャンネルの傾斜磁場電流を印加した能動遮蔽型傾斜磁場コイルによって発生する傾斜磁場と異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するための補正用電流を供給する第3の磁場補正手段とを具備し、
前記シムコイルは、能動遮蔽型に形成されていることを特徴とすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 前記第2または第3の磁場補正手段により供給する補正用電流は、前記特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルの傾斜磁場強度に比例した電流であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 診断用空間に静磁場を発生する磁石装置と、この磁石装置によって発生した静磁場に、X、Y、Z方向の傾斜磁場を重畳する前記診断用空間を囲むように配置されたX、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルと、これらX、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに近接して別構造体として配置された渦電流磁場補正用コイルと、前記診断用空間に置かれた被検体に高周波磁場を加えるとともに被検体からの磁気共鳴信号を受信する送受信手段とを備え、前記被検体から得られる磁気共鳴信号を画像化する磁気共鳴イメージング装置において、
前記X、Y、Zチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルのうち特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに傾斜磁場電流を印加することに伴ない発生する傾斜磁場と同一空間分布をもつ渦電流磁場を補正するために、傾斜磁場電流に重畳して前記能動遮蔽型傾斜磁場コイルおよび前記渦電流磁場補正用コイルに補正用電流を供給する第4の磁場補正手段と、
前記特定チャンネルのチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルを除く他の複数のチャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルに近接して配置された前記渦電流磁場補正用コイルに、前記特定能動遮蔽型傾斜磁場コイルによって発生する傾斜磁場と異なる空間分布をもつ変動磁場を補正するための補正用電流を供給する第5の磁場補正手段とを具備し、
前記第5の磁場補正手段により供給する補正用電流は、前記特定チャンネルの能動遮蔽型傾斜磁場コイルの傾斜磁場強度に比例した電流であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 磁気共鳴イメージング装置における傾斜磁場コイルによって発生する傾斜磁場と異なる空間分布をもつ変動磁場を補正する方法であって、特定チャンネルの傾斜磁場電流を印加した傾斜磁場コイルを除く他の複数のチャンネルの傾斜磁場コイルに、前記特定チャンネルの傾斜磁場コイルの傾斜磁場強度に比例した補正用電流を供給することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置における変動磁場の補正方法。
- 磁気共鳴イメージング装置における傾斜磁場コイルによって発生する傾斜磁場と異なる空間分布をもつ変動磁場を補正する方法であって、前記傾斜磁場コイルの近傍に配置された静磁場の均一性を補正するための複数のシムコイルの少なくとも一つに、前記傾斜磁場コイルの傾斜磁場強度に比例した補正用電流を供給することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置における変動磁場の補正方法。
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