「ストア」なる語は、本明細書において、品物の購入が生じ、買い物客がストアに物理的に存在して、そのような品物を購入する小売業環境のすべての態様を意味し、食料雑貨店、コンビニエンスストア、衣料品店、消費財店、専門店、生産施設、卸売店およびその他の多くの小売店タイプのようなストアタイプを含むがこれらに限定されるわけではない。
「食料雑貨店」なる語は、本明細書において、食品、生鮮食品、花製品、医薬品および従来の食料雑貨製品および/またはサービスのすべての態様が、ショッピング会場内で提供されるストアの種類を意味する。
「マルチネットワーク」なる語は、本明細書において、2つまたは複数の異なるタイプの通信ネットワークタイプ、2つまたは複数の類似のタイプの通信ネットワークまたはそのいくつかの組み合わせを含むストア内の通信ネットワークを意味する。
「ストアベースのマルチネットワーク」なる語は、本明細書において、買い物客とストアとの間の必要なワイヤレス通信のすべてではないが、大部分が、ストアそのものの内部、ストアの敷地内および/またはストアによって制御される境界内(たとえば、ストアの駐車場)で生じることを意味する。
「重量情報」なる語は、本明細書において、その情報が個別の商品に関するか、またはその情報が本明細書において詳細に記載されるタイプのショッピングカート内に置かれた商品の集合体に関するかどうかに関係なく、ショッピングカート内に置かれた商品に関して本明細書におけるシステムによって記録される重量に関する情報のすべてを意味する。
「計算機能」なる語は、本明細書において、ソフトウェア、メモリおよびプロセッサを備えるコンピュータまたはコンピュータのようなデバイスで生じる当業界では周知のありとあらゆるマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラに基づく計算タスクまたはルーチンを意味する。
「計算作業」なる語は、本明細書で用いられるとき、スイッチ、複雑なマイクロコントローラおよび/または中央処理装置(CPU)を有するデバイスの周知のコンピュータおよび/またはサーバタイプに関連する一般的な計算のタイプを意味する。計算作業を行うそのようなデバイスは通常、多数のソフトウェアを保持し、その中の種々のタイプのルーチンおよびサブルーチンを実行する機能を有する。
メッシュ型ネットワークオーガナイザ」なる語は、本明細書で用いられるとき、マルチネットワークのメッシュ型通信ネットワーク内の無線機を意味する。メッシュ型ネットワークオーガナイザは、情報ルータおよび中央ストアコンピュータ間で、パケットまたはデータとしても知られる情報をやりとりする。一実施形態において、メッシュ型ネットワークオーガナイザは、情報ルータおよび中央ストアコンピュータ間で、位置追跡データをやりとりする。一実施形態において、メッシュ型ネットワークオーガナイザは、イーサネット(登録商標)ケーブルを通じて中央コンピュータに送信する。機能的には、メッシュ型ネットワークオーガナイザは、ストアアソシエートのワイヤレスエンドデバイスおよび買い物客のワイヤレスエンドデバイスの位置追跡データを本明細書における1つまたは複数のストアマネージャに送信する。
「無線機」なる語は、本明細書において、本明細書におけるメッシュ型通信ネットワークまたはスター型通信ネットワークのようなワイヤレスネットワーク上のワイヤレス通信用のデバイスを意味する。
「データ通信無線機」なる語は、本明細書で用いられるとき、マルチネットワークのスター型通信ネットワーク内の無線機を意味する。データ通信無線機は、本明細書で用いられるとき、本明細書におけるストアのマルチネットワークのスター型通信ネットワークの中央ノードとしても知られるハブノードを意味する。データ通信無線機は、ワイヤレスエンドデバイスおよび中央ストアコンピュータ間で、パケットまたはデータとしても知られるデータ情報をやりとりする。データ通信無線機は、マネージャのデバイスおよび中央ストアコンピュータ間で、パケットまたはデータとしても知られるデータ情報をやりとりする。一実施形態において、データ通信無線機は、イーサネット(登録商標)ケーブルを通じて中央コンピュータに送信する。機能的には、データ通信無線機は、ストアアソシエートのワイヤレスエンドデバイスおよび買い物客のワイヤレスエンドデバイスからマネージャにバーコードなどのデータを送信する。データ通信無線機は、無線機であるため、スター型通信ネットワークの他の構成要素に無線波を放送または放射する。
「情報ルータ」なる語および「静止ノード」なる語および「静止参照ノード」なる語は、本出願の全体を通じて互換可能に用いられ、ワイヤレスエンドデバイス、中央コンピュータおよびその他のデバイスとのやりとりのために、マルチネットワークを通じて、情報を送受信するマルチネットワーク内のデバイスを意味する。
「デュアルネットワークルータ」なる語は、本明細書で用いられるとき、少なくとも3つのMCU無線機、メッシュ型通信ネットワーク用の情報ルータとして機能する少なくとも1つのそのような無線機、スター型通信ネットワーク用のデータ通信無線機として機能する1つの無線機および、他の2つの無線機とのやりとりのために情報の経路指定を制御する第3の無線機を収納するデバイスを意味する。少なくとも3つの無線機のうちの2つは、テキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments)モデル2430または2431であってもよいが、第3の無線機は好ましくは、テキサス・インスツルメンツモデル243xシリーズより上位のモデルなどのより大きな電源を備えた制御装置であるべきである。
「ゲートウェイサーバ」なる語は、本明細書で用いられるとき、ストア内の店舗販売時点情報管理サーバのような他のストアサーバにゲートウェイサーバによって経路指定されているスイッチを介して、ストアのマルチネットワークからデータを受信しているサーバを意味する。
「中央コンピュータ」なる語は、本明細書において、スイッチおよびサーバを備える電子デバイス、またはスイッチ、ゲートウェイサーバおよびストアコンピュータの機能を実行することができる他の電子デバイスを意味し、アソシエートタスク管理サーバ、コンピュータ支援注文システムコンピュータ、店舗販売時点情報管理サーバ、ISPサーバまたは他のストアコンピュータなどが挙げられる。中央コンピュータは、ストアのメインデータベースとして機能できる。機能的には、中央コンピュータは、マルチネットワークから受信されたデータの整理、管理および格納を行う。さらに、中央コンピュータは、1つまたは複数の買い物客のワイヤレスエンドデバイス、1つまたは複数のアソシエートのワイヤレスエンドデバイスなどのマルチネットワークの他の要素またはマネージャのデバイスへデータを送信する。
「ワイヤレスエンドデバイス」なる語は、本明細書において、商品を買うために有用である買い物客(およびあるいはストアアソシエートまたはストアマネージャ)が用いるデバイスを意味し、このワイヤレスエンドデバイスは、ストア内の商品をスキャンし、それにより、買い物客が購入しようとするストアの棚にある各商品を識別する。本明細書で用いられるとき、各ワイヤレスエンドデバイスは、位置追跡目的のためにマルチネットワーク内のブラインドノードと称することができる。ワイヤレスエンドデバイスはまた、マルチネットワーク内のエンドノードでもある。
「ブラインドノード」なる語は、本明細書で用いられるとき、ワイヤレスエンドデバイスを意味し、マルチネットワークの位置追跡動作中のワイヤレスエンドデバイスを説明するために用いられる語である。
「位置追跡デバイス」なる語は、本明細書で用いられるとき、マルチネットワークまたはストアのマルチネットワークの中で、既知の位置を有する静止ノード(本明細書ではルータ)から信号を受信するために用いられることができる位置検出ハードウェアモジュールを含むデバイスを意味する。本明細書に開示される位置追跡デバイスは、静止参照ノードに関するそれ自体の位置を決定するために、光線追跡計算とブラインドノードの位置計算を行う手段を有することが好ましい。
本明細書において、ストアの周囲に位置するマルチネットワークと、マルチネットワークを通じてストアおよびそのスタッフと通信するために、買い物客によって用いられるワイヤレスエンドデバイスと、を備えるストアにおいて買い物をするためのシステムを提供する。ワイヤレスエンドデバイスは、マルチネットワークとワイヤレスで通信を行うことができる。システムはさらに、その中に置かれた商品を収容して計量するように構成されたショッピングカートを備えることが好ましい。ショッピングカートは、その中に置かれた商品の重量を感知して、次にショッピングカートからマルチネットワークにワイヤレスで直ちにまたは後で商品に関する重量情報を送信することができる。買い物客の位置は、ワイヤレスエンドデバイスおよび/または買い物客が用いるカートの使用を通じて追跡することが可能である。
本明細書における一実施形態において、マルチネットワークは、少なくとも1つのメッシュ型通信ネットワークおよび少なくとも1つのスター型通信ネットワークを備え、それぞれの通信ネットワークは、ストアの周囲に位置してマルチネットワークを形成する。メッシュ型通信ネットワークおよびスター型通信ネットワークは、必ずしも依存してはいないが協働して、マルチネットワークを通じてストアと買い物客および買い物客とストアの通信を行うことを可能にする。本明細書における別の実施形態において、複数のメッシュ型通信ネットワークおよび/またはスター型通信ネットワークを用いることができる。
図1は、ワイヤレス通信用のストアベースのマルチネットワークを有するストア5の概略平面図を示す。特に、図1は、ストア5のセクションの上面図を示しており、マルチネットワーク10は、ストア5およびストアの敷地(たとえば、ストアの駐車場および他の外部領域(図示せず))の中および周囲に置かれる場合がある。図1において、マルチネットワーク10は、少なくとも1つのメッシュ型通信ネットワーク14および少なくとも1つのスター型通信ネットワーク16を備える。最も分かりやすくするために、メッシュ型通信ネットワーク14およびスター型通信ネットワーク16の両方のためのルータ12の間の例示の接続をそれぞれ、本明細書における図2および図3Aに示す。マルチネットワークルータ12または「ルータ」12は、ストア5の周囲に位置しているように示されており、マルチネットワーク10の重要な構成要素である。
選択された実施形態において、メッシュ型通信ネットワーク14を、メッシュ型通信ネットワーク14の構成要素の位置を決定するために用い、スター型通信ネットワーク16は、音声、画像およびスキャンされた製品データのような非位置データを通信するために用いる。この実施形態において、スター型通信ネットワーク16は、非位置データのすべてをゲートウェイサーバ27に直接的に送信するために用いる(図3B参照)。中央コンピュータ23は、位置以外のデータをストアサーバ29、30または31に送信してもよく、図1に示されているように、スター型通信ネットワーク16を通じて適切な買い物客7、アソシエート8またはマネージャ9に返された任意の応答を送信する。
この実施形態において、スター型通信ネットワーク16およびメッシュ型通信ネットワーク14は、中央コンピュータ23およびストアサーバ29、30または31に共通するネットワークスイッチ25を有する完全な独立ネットワークである。また、この実施形態において、買い物客7は、ワイヤレスエンドデバイス40を用いて買い物をする。買い物客は、スター型通信ネットワーク16を通じて店舗販売時点情報管理サーバ30と通信し、その間買い物客の位置(すなわち、買い物客の推定位置)を、メッシュ型通信ネットワーク14を用いて追跡する。
マルチネットワーク14内には、データネットワークオーガナイザ13が存在し、データネットワークオーガナイザ13はメッシュ型通信ネットワーク14の構成要素のすべてにアドレスを割り当てる(図2A)。データネットワークオーガナイザ13は、中央コンピュータ23とのやりとりで、メッシュ型通信ネットワーク14への唯一の入力地点である。さらに、情報ルータ12としても知られる参照ノードは、メッシュ型通信ネットワーク14の固定構成要素である。各情報ルータ12は、受信信号強度表示(RSSI)、情報ルータ12の位置に属するx座標およびy座標および買い物客7、アソシエート8またはマネージャ9に属する任意の要求中のワイヤレスエンドデバイス40に対して最も近いスターデータネットワークのアドレスを送信する。
メッシュ型通信ネットワーク14およびスター型通信ネットワーク16の両方からの通信は、全て中央コンピュータ23へ行く。中央コンピュータ23は位置情報を記録し、格納して(または格納されている位置情報を有して)もよく、メッセージ識別に基づいて、適切なストアサーバ29、30または31にメッセージを経路指定する。ストアサーバは、中央コンピュータ23だけを通じてワイヤレスエンドデバイスと通信を行うことができることが好ましい。
図1は、メッシュ型通信ネットワーク14およびスター型通信ネットワーク16がそれぞれ、ストア5の周囲に位置するマルチネットワークルータ12を用いるマルチネットワーク10を示す。したがって、各マルチネットワークルータ12は、メッシュ型通信ネットワーク14およびスター型通信ネットワーク16を通じてデータ通信を行うための構成要素を含むことが好ましい。
選択された実施形態において、各マルチネットワークルータ12は、ストア5内で買い物をしている人または働いている人の手の届かない位置に配置する。各マルチネットワークルータ12に関する配置の好ましい領域は、ストア5の天井付近、または天井内である。各マルチネットワークルータ12は、少なくとも3つの無線機を収納することが好ましいが、必ずしも少なくとも3つの無線機を収納しなくてもよい。1つの無線機は、メッシュ型通信ネットワーク14として機能する。別の無線機は、スター型通信ネットワーク16として機能する。第3の無線機(またはそれ以上の無線機)は、それぞれのメッシュ型通信ネットワーク用の無線機およびスター型通信ネットワーク用の無線機を通じて、データを送信するように機能する。
図1において、各マルチネットワークルータ12を中央コンピュータ23に接続するマルチネットワーク通信線19を示す。マルチネットワーク通信線19は、ワイヤレスまたは有線のいずれであってもよい。好ましくは、マルチネットワーク通信線19は、有線であり、有線であることを示すために、図1および本明細書におけるいくつかの後続の図において実線で示す。イーサネット(登録商標)ケーブルは、各マルチネットワークルータ12と中央コンピュータ23との間の好ましい有線接続デバイスである。
また、メッシュ型通信ネットワーク14内のマルチネットワークルータ12の間の伝送ゾーンに対応するマルチネットワーク通信線6も示す。実際には、マルチネットワーク通信線6は、図解のために直線として表示したが、必ずしも直線である必要はなく、さらに正確には、各マルチネットワークルータ12から出る伝送の円形ゾーンとして動作する。各デュアルネットワークルータ12のそのようなゾーンを通じて、データは、送受信される。
以上で留意したように、各マルチネットワークルータ12は、メッシュ型通信ネットワーク14およびスター型通信ネットワーク16の両方に関して動作することが望ましい。したがって、ルータ12の中には、メッシュ型通信ネットワーク14およびスター型通信ネットワーク16用の好ましいルータ12を操作するための構成要素が必要である。ルータ12は、少なくとも2つのマイクロコントローラユニット(MCU)を備える。1つのMCUは、メッシュ型通信ネットワーク14用に用い、別のMCUは、スター型通信ネットワーク16用に用いる。本明細書における各MCUは、MCUのシステムオンチップタイプであり、制御ユニット、1つまたは複数のレジスタ、大量のROM、大量のRAMおよび算術論理演算ユニット(ALU)を備えるのが好ましい。テキサス・インスツルメンツのCC2431 MCUは、例示であり、所定のデータ伝送速度でメッシュ型通信ネットワーク14およびスター型通信ネットワーク16を通じてデータを容易に送信するために用いられるその機能のために、本明細書において用いるのに好ましいMCUである。また、CC2431 MCUは、本明細書におけるマルチネットワーク10の中で、位置検出機能を提供することができる。
メッシュ型通信ネットワーク14およびスター型通信ネットワーク16に沿って情報の流れおよび管理のために用いられる少なくとも2つのMCUに加えて、少なくとも1つの統制MCUを、マルチネットワークルータ12の中で採用する。このさらなるMCUは統制MCUであり、メッシュ型通信ネットワーク14に沿って位置情報を送受信し、スター型通信ネットワーク16に沿ってデータ(たとえば、スキャンされた製品情報)を送受信するように構成される他のMCU(たとえば、CC2431マイクロコントローラ)を統制して評価し、他のMCUにメッセージを送信し、他のMCUからの情報を受信し、他のMCUを管理する。
上述の統制機能用に用いられるMCUの例示のタイプは、テキサス・インスツルメンツマイクロコントローラモデル番号MSP430である。MSP430は、低コストおよび低電力消費を組み込んだ用途向けに設計された16ビットのプロセッサの周囲に構築されるマイクロコントローラであり、ワイヤレス無線周波数またはバッテリ駆動アプリケーションに特に適している。アイドルモードにおける電流引き込みは、1マイクロアンペア未満である可能性がある。その最高プロセッサ速度は、16MHzである。このマイクロコントローラは、より低い電力消費のために減速することができる。
システム要件に応じて、MSP430 MCUは、外部メモリバスを備えているかもしれない(たとえば、ワイヤレスエンドデバイス40が全機能搭載型デバイスであるとき)、または外部メモリバスを有していないかもしれない(たとえば、ワイヤレスエンドデバイス40が低減機能搭載型デバイスであるとき)。いずれの実行であるかに関係なく、MSP430 MCUは、128KBフラッシュメモリおよび10KBまでのRAMを有するいくつかのオンチップメモリを備えのが好ましい。
実際には、メッシュ型通信ネットワーク14内のデータ伝送速度は、少なくとも125キロバイト毎秒(KB/s)であるように構成されることが好ましい。スター型通信ネットワーク16内のデータ伝送速度は、少なくとも250KB/sであることが好ましい。買い物客7とマルチネットワーク10との間のインターフェイスは、ワイヤレスであり、ワイヤレスエンドデバイス40(図6)を通じて買い物客7によってアクセスされる。
図2は、本明細書における本発明において用いるための例示のメッシュ型通信ネットワーク14の概略図を示す。メッシュ通信線17に沿ってワイヤレスエンドデバイス40およびデータネットワークオーガナイザ13とのワイヤレス通信状態にある複数のマルチネットワークルータ12を提供する。メッシュ通信線17は、実際の線ではなく、メッシュ型通信ネットワーク14を構成する情報ルータ12と1つまたは複数のワイヤレスエンドデバイス40およびメッシュ型ネットワークオーガナイザ13のような他の構成要素との間のワイヤレス通信線の方向および存在を示すことを意図している。メッシュ型ネットワークオーガナイザ13は、マルチネットワーク通信線19(図1および他の後続の図に示す)に沿って、中央コンピュータ23に接続する。マルチネットワーク通信線19は、有線であることが好ましい。メッシュ型通信ネットワーク14は、低電力消費、低い運用コスト、所定の空間内の効率的な通信および低い保守点検コストをはじめとする多くの利点を提供する。
図2に示されているように、各マルチネットワークルータ12は、メッシュ型通信ネットワーク14における他のルータ12の少なくとも一部と通信する機能を有する。各ルータ12は、メッシュ型通信ネットワーク14に関連する他のすべてのルータ12、メッシュ型ネットワークオーガナイザ13、中央コンピュータ23またはワイヤレスエンドデバイスと通信することができるが好ましい。「関連する」なる語は、本明細書において、その上およびその中の有線および/またはワイヤレス通信のために、マルチネットワーク10に対するデバイス(たとえば、ワイヤレスエンドデバイス40)の対応する連結を意味する。
メッシュ型通信ネットワーク14は、2つの接続配置構成のうちの一方を採用しうるローカルエリアネットワーク(LAN)である。1つの配置構成は、完全メッシュ型トポロジである。別の配置構成は、部分メッシュ型トポロジである。完全メッシュ型トポロジにおいて、マルチネットワークルータ12のすべてが、互いにワイヤレスで接続され、メッシュ内の他のすべてのルータ12と情報を送受信できる。部分メッシュ型トポロジにおいて、各ルータ12は、いくつかのルータとワイヤレスで接続されるが、メッシュ内で利用可能なルータ12のすべてとワイヤレスで接続されるわけではない。本明細書において、本明細書におけるメッシュ型通信ネットワーク14の好ましいトポロジは、完全メッシュ型トポロジタイプである。
メッシュ型通信ネットワーク14を通じて伝送されるデータは、1人または複数の買い物客7、ストアアソシエート8またはマネージャ9の間のx位置座標およびy位置座標などのデータの小さなパケットに制限することが好ましい。マルチネットワーク10の位置追跡機能性は、メッシュ型通信ネットワーク14を介して行うことが好ましい。本実施形態において、ルータ12は、必ずしも互いに通信するわけではなく、代わりに各ワイヤレスエンドデバイス40にx座標およびy座標を提供する。本明細書における好ましい一実施形態において、ワイヤレスエンドデバイス40は、ワイヤレスエンドデバイス40にロードされた三角測量ソフトウェアによってそれ自体のx座標およびy座標を計算することができる。あるいは、中央コンピュータ23は、本明細書におけるブラインドノード(すなわち、ワイヤレスエンドデバイス40)のx座標およびy座標を計算し、次に、それのx座標およびy座標を1つまたは複数のマルチネットワークルータ12および/または位置が計算されている関連ワイヤレスエンドデバイス40に転送することができる。
本明細書において用いられる好ましいメッシュ型通信ネットワーク14は、ジグビーネットワーク15である。図2に示されているように、ジグビーネットワーク15の一部はルータ12のメッシュによって形成され、それにより、各ルータ12は、ジグビーネットワーク15内のルータ12のうちの1つまたは複数のルータに送信し、ジグビーネットワーク15内のルータ12のうちの1つまたは複数のルータからの送信を、すなわち、完全メッシュ型トポロジまたは部分メッシュ型トポロジのいずれにおいても、受信できる。
ジグビーは、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)用のIEEE802.15.4規格に基づく小型の低電力デジタル無線機を用いた一連の高度通信プロトコル用の仕様の名称である。ジグビーは、低いデータ速度、長いバッテリ寿命および安全なネットワーク構築を必要とする無線周波数(RF)用途を対象にしている。
本明細書において好ましいメッシュ型通信ネットワーク14としてジグビーネットワーク15を用いる利点は、複数ある。ジグビーメッシュ型通信ネットワークは、低電力消費、低い実装コスト、構成要素の高密度な使用(たとえば、1つのメッシュ型通信ネットワークの場合には、マルチネットワークルータ12および/またはワイヤレスエンドデバイス40を数百ではないが、数ダース用いる)およびその簡素な通信プロトコルに関して周知である。ジグビープロトコルは、低データ速度および低電力消費を必要とするワイヤレス通信ネットワークにおいて用いるためのものである。
ジグビーネットワーク15は、廉価な通信ネットワークを提供し、産業制御、埋め込み型検知、医療データ収集、煙および侵入者の警告、ビルディングオートメーション、ホームオートメーションおよびその他の多くの物のために用いることができる。結果として生じるネットワークは、きわめて少量の電力を用い、その結果、もともと取り付けらたバッテリを用いて、1年またはそれ以上、個別のデバイスを実行させることを可能にする。
ジグビープロトコルは、産業、科学および医療用(ISM)無線帯域、すなわち、欧州では868MHz、米国では915MHz、世界中の大部分の法域では2.4GHzで動作する。ジグビー技術は、簡単で廉価であり、かつ容易に保守点検可能であることを意図している。1回の実行において、ジグビーネットワーク15内の最も有用な情報ルータ12は、従来のブルートゥース(BLUETOOTH)のソフトウェアまたは本明細書において考えられるブルートゥースの実行を通じた他のワイヤレスインターネットノードのわずか約10%しか必要としない可能性がある。別の実行において、情報ルータ12は、従来のブルートゥースまたはジグビーネットワーク15の中で用いるための他のワイヤレスインターネットノードのソフトウェアの約2%しか含まない可能性があり、したがって、技術的な複雑度および潜在的な保守点検コストを著しく削減する。
その最も簡単な形態において、本明細書におけるジグビーネットワーク15は、図2に示されるタイプの1つまたは複数の情報ルータ12、少なくとも1つのデータネットワークオーガナイザ13および1つまたは複数のワイヤレスエンドデバイス40を備える。データネットワークオーガナイザ13は、ジグビーネットワーク15内の情報ルータ12のうちの1つまたは複数の情報ルータ12を通じてデータを送信するデバイスである。データネットワークオーガナイザ13は、マルチネットワーク通信線19を通じて中央コンピュータ23に接続する。非ビーコンタイプのジグビーネットワーク15において、ワイヤレスエンドデバイスによって要求されたとき、データネットワークオーガナイザ13は、1つまたは複数のマルチネットワークルータ12を通じてワイヤレスエンドデバイス40に信号を逆送信する。中央コンピュータ23は、ルータ12を管理し、ジグビーネットワーク15にワイヤレスエンドデバイス40を関連付けさせ、ルータ12の情報を格納し、ルータ12とワイヤレスエンドデバイス40との間でメッセージを経路指定する。
中央コンピュータ23または代替実施形態においてワイヤレスエンドデバイス40は、メッシュ型通信ネットワーク14および特にジグビーネットワーク15の中で、複数の重要な機能を提供する。中央コンピュータ23が提供する重要な機能は、計算、情報格納、体系化、応答、ネットワークの通知、データの優先順位付け、事象の優先順位付け、他の格納デバイスおよび/または計算デバイスへのデータ伝送およびその他の機能である。ワイヤレスエンドデバイス40が提供する重要な機能は、計算、情報格納、体系化、応答、ネットワークの通知、データの優先順位付け、事象の優先順位付けおよびその他の機能である。サーバまたはサーバグレードコンピュータは、その一般に大きな計算および格納性能のために、中央コンピュータ23としての機能において、本明細書ではマルチネットワーク10において特に有用である。本明細書において、中央コンピュータ23の複合機能を形成するのに2つ以上のサーバグレードコンピュータを用いることができることと、1つまたは複数のタイプの計算デバイスに委ねる必要がないことも考えられる。
ジグビーネットワーク15は、非ビーコンタイプまたはビーコンタイプのいずれであってもよい。非ビーコン有効ネットワーク(すなわち、そのビーコンオーダが15であるもの)において、マルチネットワークルータ12は、絶えずアクティブであることが好ましいデータ受信器を有する。ジグビーネットワーク15の非ビーコン有効タイプは、複数のデバイスタイプからなる異機種ネットワークを可能にし、連続的に受信しているデバイスもあれば、外部刺激が検出されたときにのみ送信するデバイスもある。
異機種ネットワーク内の要素の周知の実施例は、ワイヤレスライトスイッチを有するランプである。ランプにおけるジグビーノードは、ランプの電源に接続されているため連続的に受信するのに対して、バッテリ駆動のライトスイッチは、ライトスイッチがオンになるまで、「休眠状態」または非アクティブ状態のままである。ライトスイッチは、次いで作動し、コマンドをランプに送信し、確認応答を受信し、非アクティブ状態に戻る。ビーコン有効ネットワークにおいて、ジグビーネットワーク15内の情報ルータ12は、その存在を他のネットワークノードに確認するために、定期的なビーコンを送信する。そのようなノードは、ビーコン間では休止してもよく、したがって、負荷サイクルを下げ、バッテリ寿命を延ばす。
一般に、ジグビーネットワーク15は、所与のマルチネットワークルータ12がオンである時間を最小限に抑え、それにより、その電力使用を最小限に抑える。ビーコン型ネットワークにおいて、ルータ12は、ビーコンが送信中である間、アクティブになる必要があるに過ぎない。非ビーコン有効ネットワークにおいて、マルチネットワーク10内のルータ12の少なくとも一部が常にアクティブであるのに対して、他の一部が非アクティブである場合があるので、電力消費は、より高い可能性がある。しかし、マルチネットワーク10内のすべてまたは実質的にすべてのルータ12を絶えずアクティブ状態にすることが可能である。電力を維持するために、本明細書に記載するように、ストア5または食料雑貨店の場合には、ジグビー通信ネットワークのビーコン型タイプが好ましい。
図3Aは、スター型通信ネットワーク16の表示を示す。本明細書において、データ通信無線機20は、それ自体のデバイスにおいて収納されるか、またはマルチネットワークルータ12を用いて収納されるかどうかに関係なく、直接的に互いに通信するわけではなく、代わりにマルチネットワーク通信線19に沿って中央コンピュータ23と直接通信する。マルチネットワーク通信線19は好ましくは、ルータ12を中央コンピュータ23に接続する有線である。また、本明細書において、スター通信線18は、有線ではなく、ルータ12とワイヤレスエンドデバイス40との間のワイヤレス通信線を表すことを意図している。本明細書において用いるための好ましいマルチネットワーク通信線19は、IEEE802.3通信規格内で動作するイーサネット(登録商標)物理層の中で用いるのに適したタイプの通信線である。さらに具体的に言えば、このイーサネット(登録商標)ケーブルは、「ツイストペア」、RJ45およびCAT−x銅タイプからなることが好ましい。そのようなケーブルは、高品質および高速の銅線を介して音声およびデータのデジタル伝送を容易にするように設計する。
本明細書において、スター型通信ネットワーク16は、マルチネットワーク10にとって特に有用であり重要である。250KB/s以上のそのデータ伝送速度により、スター型通信ネットワーク16は、速度および効率に関してより高いデータ伝送速度を必要とするデータストリームを保持するマルチネットワーク10の好ましい部分である。メッシュ型通信ネットワーク14の代わりに、またはメッシュ型通信ネットワーク14に加えて、スター型通信ネットワーク16を通じて最も適切に送信されるこれらのデータタイプの中には、音声データ、画像、映像、金融取引データ、およびメッシュ型通信ネットワーク14によって提供される125KB/s伝送速度の代わりに、または125KB/s伝送速度に加えて、250KB/sの伝送速度の場合により適切である他のデータタイプが挙げられる。しかし、たとえば、スター型通信ネットワーク16が機能しなくなった場合には、メッシュ型通信ネットワーク14を通じてスター型通信ネットワーク16によって提供されるより高いデータ伝送速度を必要とする情報またはデータを送信することが可能である。
本明細書における好ましいスター型通信ネットワーク16は、電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE))802通信プロトコルの中で動作する。IEEE802は、ローカルエリアネットワークおよびメトロポリタンエリアネットワークを扱うIEEE規格のファミリに言及する。さらに具体的に言えば、IEEE802規格は、可変サイズのデータパケットを搬送するネットワークに限定される。対照的に、セルベースのネットワークにおいて、データは、たとえばセル方式の携帯電話の中で用いるセルと呼ばれる短い均一なサイズの単位で送信される。本明細書において、スター型通信ネットワーク16は、好ましくはブルートゥース(IEEE802.15.1および802.15.2)、ウィメディア(IEEE802.15.3)、WI−FI(IEEE802.11b)、Wi−Fi5(IEEE802.11a/HL2)および他のワイヤレスプロトコルを含むがこれらに限定されない複数の通信プロトコルの中で動作できることが認識されている。
IEEE802の中で、スター型通信ネットワーク16は、IEEE802.15.4通信プロトコルの中でデータを送信することが好ましい。IEEE802.15.4プロトコルは、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)を通じて送られる送信を制御する。WPANは、ブルートゥース技術の使用を含む場合がある。IEEE802.15.4通信プロトコルは、低いデータ速度(たとえば、約125KB/s)を有し、マルチネットワークルータ12において長いバッテリ寿命(たとえば、数ヶ月または数年である場合もあるバッテリ寿命)も可能にし、きわめて低い技術的な複雑度および低電力要件に関して周知である。
図3Bは、スター型通信ネットワーク16の例示的表示を示す。この図は、メッシュ型通信ネットワーク14のマルチネットワークルータ12が、信号をワイヤレスエンドデバイス40に送信することを明確に示している。好ましい実施形態において、ルータ12は、ワイヤレスエンドデバイス40に情報ルータ12のx座標およびy座標を提供する。ワイヤレスエンドデバイス40は、x座標およびy座標におけるそれ自体の位置を提供するために必要な計算を行うか、またはマルチネットワーク10のそのレベルで計算を行わせるために、スター型通信ネットワーク16を通じて信号をストアサーバ27、29、30または31の1つに送るかのいずれかを行う。いずれかのケースに基づいて、各ワイヤレスエンドデバイス40の位置は、メッシュ型通信ネットワーク14のワイヤレスエンドデバイス40と情報ルータ12との間のデータ交換を通じて、中央コンピュータ23および/またはストアサーバ(27、29、30および31)に知られる。
図4は、マルチネットワーク10の例示的表示を示す。この図は、メッシュ型通信ネットワーク14のマルチネットワークルータ12が、信号をワイヤレスエンドデバイス40に送信することを明確に示している。好ましい実施形態において、ルータ12は、ワイヤレスエンドデバイス40にルータ12のx座標およびy座標を提供する。ワイヤレスエンドデバイス40は、x座標およびy座標におけるそれ自体の位置を提供するために必要な計算を行うか、または光線追跡計算および位置追跡計算を行うことができるスター型通信ネットワーク16を通じて信号をストアサーバ27、29、30または31の1つに送るかのいずれかを行う。いずれかのケースに基づいて、各ワイヤレスエンドデバイス40の位置は、メッシュ型通信ネットワーク14のワイヤレスエンドデバイス40とルータ12との間のデータ交換を通じて、ストアサーバ(27、29、30および31)に知られる。ワイヤレスエンドデバイス40が低減機能搭載型デバイスであり、ストアサーバ(27、29、30または31)の1つが位置追跡計算を行うケースにおいて、最も近い情報ルータ12は、ワイヤレスエンドデバイス40にそのx座標およびy座標を提供する。米国特許出願第61/011,125号(2008年1月15日出願)および米国特許出願第61/065,166号(2008年2月8日出願)は、本明細書における位置追跡の好ましい方法論について論じて開示しており、これによりその全体を参照によって本出願に援用するものとする。
実際には、ワイヤレスエンドデバイス40に対して最も近いマルチネットワークルータ12は、メッシュ型ネットワークオーガナイザ13(図2)からワイヤレスエンドデバイス40のx座標およびy座標を受信する。メッシュ型ネットワークオーガナイザ13は、下記のストアサーバ27、29、30または31のうちの1つからx座標およびy座標を受信する。いずれにしても、ストア5のマップにおけるワイヤレスエンドデバイス40の位置は、マルチネットワーク10のメッシュ型通信ネットワーク14を通じて、ワイヤレスエンドデバイス40および下記のストアサーバ27、29、30または31のうちの少なくとも1つの両方に知られている。
図5は、複数のスター型通信ネットワーク16を有するストア5の例示の平面概略図における代替実施形態を示す。また、図5において、複数のスター型通信ネットワーク16と組み合わせたメッシュ型通信ネットワーク14を示す。図5は、複数のスター型通信ネットワーク16およびメッシュ型通信ネットワーク14を示しているが、メッシュ型通信ネットワーク14の存在しない複数のスター型通信ネットワーク16のみを備えるマルチネットワーク10を有することも可能であることを、当業者は容易に認識するであろう。全体から見て、複数のスター型通信ネットワーク16または複数のスター型通信ネットワーク16およびメッシュ型通信ネットワーク14のいずれかが、上記で定義されたようなマルチネットワーク10を構成する。
図1と同様に、図5において、メッシュ通信線17は、メッシュ型通信ネットワーク14の中で、各マルチネットワークルータ12をメッシュ型ネットワークオーガナイザ13に接続するこを示す。メッシュ通信線17は、ワイヤレスまたは有線のいずれであってもよい。メッシュ通信線17は、有線ではなくワイヤレスであることが好ましい。さらに、メッシュ通信線17は、メッシュ型通信ネットワーク14の中でルータ12間に存在する。実際には、メッシュ通信線17は図解のために直線として表示しているが、必ずしも直線である必要はない。さらに正確に言えば、メッシュ型通信ネットワーク14内で動作可能な各ルータ12は、ルータ12とルータ12との送信が生じる制限された通信ゾーンを生成する。
スター通信線18は、買い物客7、アソシエート8およびマネージャ9のいずれかとデータ通信無線機20との間に存在し、スター型通信ネットワーク16のハブとして機能することができる。データ通信無線機20は、ルータ12から送信されるデータ用のリポジストリとして動作する。スター通信線18は、ワイヤレスまたは有線のいずれであってもよい。スター通信線18は、ワイヤレスであることが好ましい。
データ通信無線機20および中央コンピュータ23に接続されているマルチネットワーク通信線19を示す。データネットワークオーガナイザ13を中央コンピュータ23と接続しているマルチネットワーク通信線19を示す。マルチネットワーク通信線19は、ワイヤレスまたは有線のいずれであってもよい。ルチネットワーク通信線19は、有線であることが好ましい。マルチネットワーク通信線19は、有線であることを示すために、実線で図示している。イーサネット(登録商標)ケーブルは、データ通信無線機20と中央コンピュータ23との間で有用な好ましい有線接続デバイスである。
2つまたは複数のスター型通信ネットワーク16を含むマルチネットワーク10の場合に、各スター型通信ネットワーク16に関して示される各データ通信無線機20が、スター通信線19を通じて中央コンピュータ23に接続され、中央コンピュータ23は、各スター型通信ネットワーク16を含むがこれらに限定されるわけではないマルチネットワーク10のすべての要素を体系化して管理する。
図6は、複数のインターフェイスキー42を有するワイヤレスエンドデバイス40の前面の正面図を示す。ワイヤレスエンドデバイス40は、バッテリ駆動され、好ましくは再充電可能である。ワイヤレスエンドデバイス40は、それ自体を捜し出して本明細書における既存のマルチネットワーク10に関連付ける(すなわち、ワイヤレスでそれ自体を参加させる)機能を有する。ワイヤレスエンドデバイス40は、低減機能搭載型デバイスまたは全機能搭載型デバイスのいずれであってもよい。好ましくは、ワイヤレスエンドデバイス40は、当業者には周知であるタイプのスキャナを備え、このスキャナは、ストアで買い物をする際に、買い物客7によって商品をスキャンするために有用である。
ワイヤレスエンドデバイス40が低減機能搭載型デバイスである場合には、マルチネットワーク10から情報を送受信するデバイスとして実質的に作用する。そのような状態において、ワイヤレスエンドデバイス40は、ワイヤレスエンドデバイス40自体の中に最小数の計算機能を実質的に実行し、この構成において、RSSI計算は依然としてワイヤレスエンドデバイス40の中で実行できる。したがって、図6に示されるキーは、マルチネットワーク10からの情報の受信または送信以外のワイヤレスエンドデバイス40の中の機能の作動を示唆することを意図していない。代わりに、そのような計算機能は、実質的にマルチネットワーク10の中で行うことを意図し、中央コンピュータ23、またはワイヤレスエンドデバイス40を含まないマルチネットワーク10に取り付けられる類似のデバイスによって行うことが好ましい。
各複合インターフェイスキー42は、生じる機能を示しているが、低減機能搭載型デバイスにおいて、複合インターフェイスキー42の大部分は実は、マルチネットワーク10への要求される送信またはマルチネットワーク10から要求される送信を実施する。この場合には、ワイヤレスエンドデバイス40はそれ自体が、事前にスキャンされ、その後ショッピングカート50の中に置かれた商品の価格の現在高を実質的に算出して保持するわけではない。代わりに、カートキー44を押すと、カートキー44はマルチネットワーク10への信号を発信し、商品がスキャンされた後にショッピングカート50の中に置かれる商品をワイヤレスエンドデバイス40がスキャンする準備が整っていることを知らせる。スキャンされた商品に関する情報は、ワイヤレスでマルチネットワーク10に送信され、最終的には、格納および/またはさらなる処理のために中央コンピュータ23に経路指定される。
好ましい実務において、中央コンピュータ23は、買い物客7によってスキャンされた商品のすべての実行中のリスト、各商品の価格、ショッピングカート50内に置かれた各商品の重量、および買い物客7によってスキャンされ、次いでショッピングカート50内に置かれた商品のすべての総計もまた保持する。本明細書における低減機能搭載型デバイスにおいて用いられるキータイプがどのようなものであれ、計算作業は実質的に全く行われないか、またはほとんど行われない。
なお本明細書において、図6は例示であるものとして意図し、示したボタンのタイプおよび構成または配置は、本発明の一部を形成するわけではない。無数のキータイプ、サイズ、形状、構成、シンボル、グラフィックスが本明細書におけるワイヤレスエンドデバイス40の範囲および目的の中に収まるように作成することができることを、当業者は容易に認識するであろう。ワイヤレスエンドデバイス40の複合インターフェイスキー42が、いくつかのタイプの計算機能を提供するのではなく、マルチネットワーク10に情報を送信するという事実が、重要である。インターフェイスキー42のこのような使用によって、格納された商品価格データを総計するような計算機能のために必要なハードウェアは、軽減される。
ワイヤレスエンドデバイス40が、上述したように低減機能搭載型デバイスであるとき、複数の利点が得られる。第一に、ワイヤレスエンドデバイス40は、当業界では周知の他のデバイスに比べて、構築および使用するのにきわめてコスト効率がよい。第二に、より低価格の構成要素(すなわち、高速プロセッサおよびメモリ)を用いるため、本明細書におけるワイヤレスエンドデバイス40は、盗難に遭いにくい。しかし、第三に、ワイヤレスエンドデバイス40が盗難に遭った場合であっても、その交換コストは、当業界では周知の他のさらに複雑なデバイスのユニット当たりのコストよりはるかに小さい。第四に、ワイヤレスエンドデバイス40には、本明細書における好ましい実施形態において、高電力および高速のプロセッサおよびメモリがなく、1つまたは複数の高速プロセッサおよびきわめて精巧なメモリタイプに左右されるいくつかの別のデバイスの大きなソフトウェアもない。第五に、ワイヤレスエンドデバイス40のユニット当たりのコストのために、毎日数百人の買い物客が訪れる可能性がある食料雑貨店のようなストアの場合には、より多くの顧客により多くのユニットを配備することができる。最後に、各ストアが、ワイヤレスエンドデバイス40によって使用可能な互換性のあるマルチネットワーク10を所持する限り、ワイヤレスエンドデバイス40は、複数の食料雑貨店において用いることができる。
ワイヤレスエンドデバイス40が全機能搭載型デバイスである場合には、その回路の中で、すなわち、そのマイクロコントローラの中で、一定の複雑な計算機能を少なくとも部分的に行う機能を有する。たとえば、全機能ワイヤレスエンドデバイス40が行う可能性がある1つの機能は、ワイヤレスエンドデバイス40によってスキャンされたストアの商品に関して、そのメモリの中に情報を格納することである。実際には、一旦、買い物客7が進んでストア5から出ることを示すと、ワイヤレスエンドデバイス40は、スキャンされた各ストア商品の目録を作成し、すべてのスキャンされたストア商品の現在高を保持し、続いて金融取引機能を提供することができる。
全機能搭載型デバイスにおいて、ワイヤレスエンドデバイス40は、一定の計算機能を行うために十分なプロセッサ速度および電力を含み、情報を格納するために十分なメモリも含む。このタイプのワイヤレスエンドデバイス40の場合には、ワイヤレスエンドデバイス40に位置する複合インターフェイスキー42は、ワイヤレスエンドデバイス40自体の中で、少なくとも部分的に実行される1つまたは複数の計算機能に対応する。一旦、1つまたは複数の計算が行われると、その結果は、中央コンピュータ23による格納および/またはさらなる処理のために、マルチネットワーク10を通じて送信されることが好ましい。この実行において、ワイヤレスエンドデバイス40における計算または他のタイプの機能停止の場合には、中央コンピュータ23が全機能ワイヤレスエンドデバイス40に対するバックアップとして作用することが好ましいが、必要というわけではない。
本明細書における好ましいワイヤレスエンドデバイス40は、少なくとも1つのマイクロコントローラユニット(MCU)を備える。本明細書におけるMCUは、システムオンチップタイプのMCUであることが好ましい。本明細書におけるMCUは、制御ユニット、1つまたは複数のレジスタ、大量のROM、大量のRAMおよび算術論理ユニット(ALU)を備える。削減された機能タイプのワイヤレスエンドデバイス40において、ALUは、ワイヤレスエンドデバイス40の中の任意の計算の場合に、たとえあるとしても、きわめて少なくアクセスされる。全機能タイプのワイヤレスエンドデバイス40において、ALUにアクセスし、したがって、計算のために用いる。
最も好ましくは、ワイヤレスエンドデバイス40は、少なくとも2つのMCUを備える。1つのMCUは、ワイヤレスエンドデバイス40からメッシュ型通信ネットワーク14(たとえば、ジグビーネットワーク15)に情報を送受信するために用いる。別のタイプのMCUは、ワイヤレスエンドデバイス40からスター型通信ネットワーク16に情報を送受信するために用いる。本明細書において用いるための例示の好ましいMCUは、テキサス・インスツルメンツCC2431 MCUである。
テキサス・インスツルメンツCC2431 MCUは、メッシュ型通信ネットワーク14およびスター型通信ネットワーク16の両方に関してデータを送信するために用いられるその機能のために、本明細書において用いるためのMCUの好ましいタイプであるが、唯一のタイプというわけではない。また、CC2431 MCUは、本明細書におけるマルチネットワーク10の中で、位置検出機能を提供する。そのような位置検出は、そのように備えられた任意のデバイスが、ワイヤレスエンドデバイス40、ショッピングカート50またはマルチネットワークルータ12であるかに関係なく、マルチネットワーク10の中で見つけられ、マルチネットワーク10の中の任意の場所に位置付けることを可能にするため、本明細書における重要な好ましい機能である。
CC2431 MCUに関する技術的な仕様は、以下の通りである。32MHzシングルサイクル低電力8051MCU、2.4GHzのIEEE802.15.4に準拠する無線周波数トランシーバ、128KBインシステムプログラム可能なフラッシュ、超低電力要件、ジグビープロトコルスタック(Z−スタック)動作可能であり、8キロバイトのSRAMおよびすべての電源モードにおいてデータを保持する4キロバイトである。CC2431は、ワイヤレスセンサネットワーキングジグビー/IEEE802.15.4ソリューション用の適正なシステムオンチップ(SOC)である。CC2431は、位置検出ハードウェアモジュール(すなわち、「位置エンジン」)を含み、マルチネットワーク10内にワイヤレスエンドデバイス40またはショッピングカート50のいずれかを位置付けるために用いることができる。これに基づいて、位置エンジンは、マルチネットワーク10内の未知のワイヤレスエンドデバイスの場所またはショッピングカートの場所の推定値を計算する。そのような位置検出は、上記で詳細に説明してきた。
メッシュ型通信ネットワーク14およびスター型通信ネットワーク16にそれぞれ沿って、位置決めおよびデータ情報フローおよび管理のために用いられる少なくとも2つのMCUに加え、少なくとも1つの統制MCUを、ワイヤレスエンドデバイス40の中で採用する。このさらなるMCUは、メッシュ型通信ネットワーク14およびスター型通信ネットワーク16に沿った情報の送受信をするように構成される他のMCUの統制、評価、メッセージの送信、情報の受信、管理を行う統制MCUである。
ルータ12の中で、他のMCUをすべて統制するためのMCUの好ましいタイプは、テキサス・インスツルメンツによって構築されたMSP430である。MSP430は、低コストおよび低電力消費を組み込んだ用途向けに設計された16ビットのプロセッサの周囲に構築されるマイクロコントローラであり、ワイヤレス無線周波数(RF)またはバッテリ駆動アプリケーションに特に適している。アイドルモードにおける電流引き込みは、1マイクロアンペア未満である可能性がある。その最高プロセッサ速度は、16MHzである。このマイクロコントローラは、より低い電力消費のために減速することができる。MSP430は、外部メモリバスを有していない。したがって、オンチップメモリに制限され、好ましくは、128KBフラッシュメモリおよび10KBまでのRAMを備える。
マルチネットワーク10が、複数のスター型通信ネットワーク16を含む状況において、ワイヤレスエンドデバイス40の内部ハードウェアの好ましい構成は、マルチネットワーク10と、ワイヤレスエンドデバイス40内の他の必要な機能のすべてを統制するMCUとの通信を担う2つのMCUを備える。この構成において、2つのMCUのうちの一方は常に、マルチネットワーク10に関連しており、それにより、マルチネットワーク10にワイヤレスで接続する。他方のMCUは、マルチネットワーク10にワイヤレスで接続されないときには、マルチネットワーク10によって送信される最も強力な無線信号を探索する。関連していないMCUによって検知された信号が、現在関連しているスター型通信ネットワーク16によって送信された信号より強力になっている場合には、関連していないMCUは、関連している状態に変更され、以前関連していたMCUは、関連していない状態に変更され、次に、マルチネットワーク10から利用可能な最も強力な無線信号を探し始める。関連している、または関連していないMCU間のそのような処理は、買い物客7がストア5を動き回っているときには常に生じ、したがって、ストア5内に位置している1つのスター型通信ネットワーク16から別のスター型通信ネットワーク16に移動する。
図3Aおよび図3Bにおいて例示されるように、マルチネットワーク10が複数のスター型通信ネットワーク16を備え、メッシュ型通信ネットワーク14を備えていない本明細書における代替実施形態において、ワイヤレスエンドデバイス40からの情報の送受信を担う2つのMCU(好ましくはテキサス・インスツルメンツのCC2431)は両方とも、同時にマルチネットワーク10に関連付けることができる。そのような二重の関連付けは、ワイヤレスエンドデバイス40とのデータのより大きなパケットの送信を可能にする。データのこれらのより大きなパケットとしては、音声データ、映像およびワイヤレス送信(すなわち、ワイヤレスエンドデバイス40とマルチネットワーク10との間で)が256KB/sの伝送速度またはより高速の伝送速度によって最適に促進される他のデータタイプを含み得る。
本明細書に開示されるタイプの理想的なショッピングカート50を、図7に示す。ショッピングカート50は、取っ手52、取っ手52に取り付けられたバスケット54およびバスケット54の下に位置する下部台車56を有する。バスケット54は、その内面55の周囲に1つまたは複数の計量デバイス58を置いた。少なくとも2つの計量デバイス58を、ショッピングカート50の内面55の中に置くのが好ましい。また、計量デバイス58のうちの少なくとも1つが、図8に示されているように、フック60の形態であることが好ましい。各計量デバイス58またはフック60は、歪みゲージ62(図8)または当業界では周知の他の歪み計算デバイスに取り付けることが好ましい。特に、本明細書において用いられる歪みゲージ62は、置かれた物体の変形または歪みを測定するために用いるデバイスである。歪みゲージ62は、接着剤のような何らかの接合手段によって、フック60の上に置いてもよく、フック60を使用するとき、すなわち、商品が測定可能な変形を生じるようにその上に置くときに、その変形を測定するように、フック60の上に置く。
この測定可能な変形は、フック60に適用される商品の重量の少なくとも一部の測定値である。実際には、少なくとも2つのフック60を、バスケット54の内面55の中にセットする。フック60は、袋65または他の保持構造が各フック60に連結してその間の距離を測ることを可能にするようにセットする。「袋」なる語は、本明細書で用いられるとき、ショッピングカート50の中で計量するために、その中に置かれる商品を保持するための任意の適切な容器を意味し、1つまたは複数のフック60から吊り下げることができる1つまたは複数の袋、箱、プラスチック容器または他の適切な容器を含むが、これらに限定するわけではない。2つのフック60の間に吊り下げられたその中に商品を有する袋65に関して、各フック60が、フック60に取り付けられた歪みゲージ62の相対的な変形によって、袋65の中の重量の一部またはすべてを検知し、したがって測定することが好ましい。しかし、本明細書における各フック60は、その上に吊り下げられる袋65の構成または向きに左右され、1つのフック60に少なくとも部分的に吊り下げられ、1つまたは複数のフック60にも吊り下げられる袋65の中に置かれた商品の重量の50%程度を検知する可能性がある。
上述したように、フック60ごとに検知される重量は、袋65の中の他のすべての商品に対する同袋内の商品の場所、袋65の相対的な移動および他の要因に左右され、50%程度である可能性がある。袋65の中に置かれた商品の総重量は、適用可能なフック60によって検知された重量のすべての和から取得できる。「適用可能なフック」なる語は、本明細書において、それらのフック60によって検知される商品の計量のために実際の用途におけるそれらのフック60、たとえば、袋65が吊り下げられているそれらのフック60を表す。
一旦、本明細書における計量デバイス58が、その中に置かれ(たとえば、それに取り付けられた袋または箱の場合のように)商品の重量の少なくとも一部を検出すると、計量デバイス58は、2つの行為の少なくとも一方の行為を行うことができる。本明細書における一実施形態において、計量デバイス58は、マルチネットワーク10に検知された重量に関する情報を送信することができるショッピングカート50の上にセットされた送信デバイス66(図7)に検知された商品の重量を(すなわち、歪みゲージの変形データの形態で)伝送する。実際には、ショッピングカート50に取り付けられた計量デバイス58のそれぞれが、送信デバイス66に接続していることがは好ましい。送信デバイス66と1つまたは複数の計量デバイス58のそのような接続は、有線であることが好ましいが、ワイヤレスであってもよい。1つまたは複数の計量デバイス58と送信デバイス66との間のそのような接続の性質は、無数の方法で行ってもよく、本明細書における本発明の必須の部分を形成するわけではないことを、当業者は認識するであろう。
好ましい送信デバイス66は、1つまたは複数の送信デバイス(たとえば、上述した1つまたは複数のMCUまたは無線機)を含み、1つまたは複数の歪みゲージ62から得られた重量情報をマルチネットワーク10に送信することができる。本明細書における一実施形態において、送信デバイス66は、1つまたは複数の計量デバイス56によって検知され送信された重量情報をそれ自体に格納できないかもしれないが、必ずしもそうとは限らない。代わりに、そのような送信された重量情報は、マルチネットワーク10を通じて中央コンピュータ23または上述したようなマルチネットワーク10に接続される何か他の格納デバイスおよび/または計算デバイス(たとえば、図3Bにおけるサーバ29、30および31)に直ちに送信される。そのような接続は、ワイヤレスまたは有線のいずれであってもよい。
好ましくは、送信デバイス66は、メッシュ型通信ネットワーク14との送信のために構成される少なくとも1つの無線機と、スター型通信ネットワーク16との送信のために構成される少なくとも1つの無線機と、無線機との送信を制御して管理する少なくとも1つのMCUと、を含む。動作中、ショッピングカート50は、メッシュ型通信ネットワーク14に構成された無線機の位置追跡機能を用いることによって、ストア内およびストアの敷地の周囲を追跡できる。重量データは、スター型通信ネットワーク16で使用するように構成された無線機を用いて送信することが好ましい。中央コンピュータ23は、この実施形態において、ショッピングカート50に送信され、ショッピングカート50から受信されるデータのマネージャ、オーガナイザおよびリポジストリとして作用する。
本明細書における別の実施形態において、ショッピングカート50は、ショッピングカート50の中に置かれた商品の検知された重量を格納するために、適切なタイプおよび量のメモリを含んでいる場合がある。そのようなメモリは、存在するのであれば、送信デバイス66の中に常駐し、マルチネットワーク10への重量情報の送信を担う送信デバイス66の中にセットされる1つまたは複数の無線機と接続通信することが好ましいが、必ずしも常にそうではない。
図9は、本明細書に記載される買い物用のシステムと買い物客の好ましいやりとりの略図を示す。図9の略図は、共に適正に働いているときの買い物客およびシステムの理想的な行動について記載しているため、好ましい。たとえば、やりとりの一態様を開始するために、買い物客7は、ストアの棚またはディスプレイから商品を選択する。買い物客7は次に、ワイヤレスエンドデバイス40を用いて商品のバーコードをスキャンする。買い物客7は次に、商品をショッピングカート50の中に(すなわち、ショッピングカートの基部に沿って)置くか、またはショッピングカート50の周囲にセットされた1つまたは複数の計量部材58に接続された袋の中に商品を入れる。一旦、商品が、ショッピングカート50の周囲にセットされた1つまたは複数の計量部材58によって計量されると、その重量情報は、マルチネットワーク10に直ちに送信することが好ましいが、後の送信のために、一時的に格納できる。
本明細書における好ましい一実施形態において、一旦そのような情報が測定されると、ショッピングカート50の周囲にセットされた計量部材58もショッピングカート50自体も、重量情報を保持または格納しないことに留意することが重要である。代わりに、一旦重量情報を得ると、重量情報を、中央コンピュータ23および/またはこれまで述べたマルチネットワーク10に接続された他の適切な記憶デバイスの中で、格納、体系化および管理するために、ショッピングカート50からマルチネットワーク10に送信することが好ましい。
実際には、中央コンピュータ23は、スキャンされて、ショッピングカート50に追加された商品のすべての現在高を追跡し続ける。この現在高は、要求に応じて買い物客7または店舗販売時点情報管理サーバによって検索され、中央コンピュータ23からマルチネットワーク10を通じてワイヤレスエンドデバイス40に送信される場合がある。
理想的には、買い物客7は、図9に示されているような所定の経路に従う。残念なことに、ストア内の買い物客は、非理想的な行動を呈することがよくある。図10は、本明細書におけるストア5における買い物客の非理想的な行動の略図を示す。意図的であるかどうかに関係なく、買い物客7は、商品をショッピングカート5の中に置く前に、商品をスキャンしないか、または商品を誤ってスキャンする可能性がある。そのような事態が起こると、全体の重量の増大を、ショッピングカート50が検知する。この重量の増大は、マルチネットワーク10を通じて、中央コンピュータ23、および/またはマルチネットワーク10に接続された他の適切な記憶デバイスに直ちに送信することが好ましい。
その後、実際の重量(すなわち、測定されて、次に記録された全重量)とスキャンされた全商品の重量との間に重量の相違が計算される。その重量の相違が、格納され、買い物客7によるさらなる行動に起因して、相違が増大または減少した場合には、必要に応じて、全重量が連続的に更新される。
一旦、重量の相違が計算されると、マルチネットワーク10を通じてワイヤレスエンドデバイス40に戻すように送信される。ワイヤレスエンドデバイス40内のメッセージまたは警告のいずれかが、買い物客に通信され、スキャンしていない重量の増大または予期していない重量の増大が生じたことを通知する。この通信の目的は、買い物客7にショッピングカート50の中に置かれた以前にスキャンしていない商品をスキャンするか、またはショッピングカートから商品を完全に除去して、ストアの棚に戻す機会を提供するためであるスキャンしていない商品がショッピングカート5の中に置かれたことを知らせる買い物客7への通信は、瞬時または略瞬時であることが好ましい。2つの事象、すなわち、ショッピングカート50にスキャンしていない商品を置くことと、その買い物客にスキャンしていないことを通知することの間の時間は、買い物客7がその収集地点で商品を返す機会がもてるよう、好ましくは、買い物客7がスキャンしていない商品の収集地点を著しくすぎて移動しないように十分に短時間であるべきである。
買い物客7がスキャンしていない商品をストアの棚に戻さない場合、またはマルチネットワーク10を介した中央コンピュータ23がその商品を認識するように商品をスキャンしない場合は、ストアの職員に警告してもよい。そのような警告に基づいて、どのようなストアのポリシーまたは盗難防止機構が存在するのであれ、それに基づいて、うっかりミスまたはあからさまな盗難の試みのいずれかを防止するために、ストア職員は、適宜、仲裁する場合がある。
本書面による明細は、最良の形態を含む本発明を開示するため、および当業者が本発明を構成して用いることを可能にするために、実施例を用いる。本発明の特許を取得可能な範囲は、請求項によって定義され、当業者に思い当たる他の実施例を含む可能性がある。そのような他の実施例は、請求項の文字通りの言葉とは異ならない構造的要素を有する場合、または、請求項の文字通りの言葉とごくわずかな相違を有する等価な構造的要素を含む場合には、請求項の範囲内にあることを意図している。