JP4604049B2 - 立体障害第二級アミノエーテルアルコールの合成 - Google Patents

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Description

本発明は、高度立体障害第二級アミノエーテルアルコールの調製方法に関する。これは、硫化水素を、硫化水素を含み、かつ二酸化炭素をも含むであろうガス状ストリームから除去するのに有用である。
酸性ガス(CO、HS、CS、HCN、COS、および酸素を含む)、およびC〜C炭化水素の硫黄誘導体を含む混合物などのガスおよび液体を、アミン溶液を用いて処理して、これらの酸性ガスを除去することは、技術的に周知である。アミンは、通常、吸収塔で、酸性ガス、および液体(水溶液はアミンを含む)に接触する。その際、アミン水溶液は、酸性流体と向流して接触する。通常、この接触により、実質量のCOおよびHSの両者が同時に除去される。特許文献1では、例えば、立体障害アミンが用いられて、COおよびHS酸性ガスがほぼ完全に除去される。この方法は、特に、COおよび関連ガスの分圧が低い系に対して適切である。COの分圧が高いか、または多数の酸性ガス(例えばHS、COS、CHSH、CS等)が存在する系に対しては、アミンを物理吸着剤と組み合わせて用いる方法(「非水溶媒方法」と呼ばれる)が行われる。これらの系は、特許文献2に記載される。
SおよびCOの両者を含む酸性ガス系からのHSの選択的な除去は、しかし、非常に望ましい。これらの選択的除去は、分離された酸性ガスにおける比較的高いHS/CO比をもたらす。これは、HSの元素硫黄へのその後の転化(クラウス法)を促進する。
水性第二および第三アミンと、COおよびHSとの典型的な反応は、次のように表されるであろう。
Figure 0004604049
(式中、Rは、同じかまたは異なる有機基であり、水酸基で置換されるであろう)
反応は可逆的であることから、それらは、反応が生じる程度の決定因子であるCOおよびHSの分圧に影響されやすい。
選択的なHSの除去は、特に、低いHS/CO比、およびCOのそれに比べて比較的低いHS分圧を有する系において望ましい。これらの系においてHSを選択的に除去するアミンの能力は、非常に低い。
モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、ジイソプロパノールアミン(DPA)、およびヒドロキシエトキシエチルアミン(DEA)などの第一および第二アミン溶液は、HSおよびCOの両者を吸着する。従って、COを除くHSの選択的な除去には不十分であることが示された。COは、これらのアミンと、比較的容易にカルバメートを形成する。
Sは、ジイソプロパノールアミン(DIPA)を、単独か、または非水物理溶媒(スルホランなど)と混合されるかのいずれかで用いることによって、選択的に、HSおよびCOを含むガスから除去された。接触時間は、しかし、COとアミンとの反応速度に比べて、HSとアミンとのより速い反応を利用するために、短く維持されなければならない。
非特許文献1には、第三アミンメチルジエタノールアミン(MDEA)は、COに比べて、HS吸着に対してより選択的であることが示された。COは、第三アミンとHSとの急速な反応に比べて、第三アミンと比較的ゆっくり反応する。しかし、それは、比較的低いHS充填能力を有するという欠点を有し、HS含有量を、ある種のガスで経験される低いHS圧で所望レベルへ低減する能力を限定する。
特許文献3には、HSの選択的除去について、ジアルキルモノアルカノールアミン水溶液、例えばジエチルモノエタノールアミン(DEAE)の使用が開示される。これらの物質は、HS除去に対して、より高い充填レベルで、MDEAより高い選択性および能力を有する。DEAEは、しかし、161℃という低い沸点という欠点を有する。これは、それを比較的高揮発性にし、大きな物質損をもたらす。
特許文献4(その全教示は、本明細書に引用して含まれる)には、COに比べて、HSに対して高い選択性を有する高度立体障害非環式第二級アミノエーテルアルコールが教示される。選択性は、高いHSおよびCO充填で維持される。
特許文献4の高度立体障害非環式アミンエーテルアルコールは、一般式:
Figure 0004604049
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素原子1〜4個を有するアルキル基およびヒドロキシアルキル基からなる群から選択され;R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、炭素原子1〜4個を有するアルキル基およびヒドロキシアルキル基からなる群から選択され、但し、Rが水素である場合、窒素原子に直接結合した炭素原子に結合するRおよびRの少なくとも一方は、アルキル基またはヒドロキシアルキル基であり;xおよびyは、それぞれ2〜4の範囲の正整数であり;zは、1〜4の範囲の正整数である)
で表される。これらの物質は、水素源の存在下に、第二または第三アルキル第一アミンと、カルボニル官能基を含むエーテルアルコールとの、またはハロアルコキシアルカノールとの高温反応(好ましくは溶媒の存在下)によって調製される。好ましくは、組成物は、一般式:
Figure 0004604049
(式中、
=R=R=CH−;R=R=R=H、
=R=R=CH−;R=HまたはCH;R=R=H、
=R=R=R=CH−;R=R=H、
=R=R=CHCH−;R=R=R=H、または
≠R≠R=H、CH−、CHCH−;R≠R≠R=H、CH
であり、x=2または3である)
で表される。
特許文献5は、水素添加触媒の存在下に高い温度および圧力で、第一アミノ化合物をポリアルケニルエーテルグリコールと反応させることによって、高度立体障害第二級アミノエーテルアルコールを調製するための方法に関する。用いられる第一アミノ化合物は、次の一般式:
−NH
(式中、Rは、炭素原子3〜8個を有する第二または第三アルキル基および炭素原子3〜8個を有するシクロアルキル基からなる群から選択される)
を有する。用いられるポリアルケニルエーテルグリコールは、一般式:
Figure 0004604049
(式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、C〜Cアルキル基およびC〜Cシクロアルキル基からなる群から選択され、但し、窒素原子に直接結合したRの炭素原子が第二級である場合、水酸基に結合した炭素に直接結合するRおよびRの少なくとも一方は、アルキルまたはシクロアルキル基であり;xおよびyは、それぞれ独立に、2〜4の範囲の正整数であり;zは、1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4である)
を有する。前記方法は、触媒有効量の担持第VIII族金属含有水素添加触媒の存在下に、高い温度および圧力で行われる。アミノ化合物/ポリアルケニルエーテルグリコールのモル比は、zが1超である場合に、2:1未満である。
米国特許第4,112,052号明細書 米国特許第4,112,051号明細書 英国特許出願公開第2,017,524A号明細書 米国特許第4,471,138号明細書 米国特許第4,487,967号明細書 Farzier、およびKohl著(Ind.and Eng.Chem.、第42巻、第2288頁、1950年) Karger、およびMazur著「混合スルホン酸−カルボン酸無水物によるエーテルの開裂」(Journal of the American Chemical Society、第90巻、第3878〜3879頁、1968年) 「混合スルホン酸−カルボン酸無水物I。合成および熱安定性、スルホン酸無水物の新規合成」(Journal of Organic Chemistry、第36巻、第528頁、1971年) 「混合スルホン酸−カルボン酸無水物II。脂肪族エーテルおよびアミンによる反応」(Journal of Organic Chemistry、第36巻、第532頁、1971年) Heller,M.S.、Lorah、D.P.、およびCox,C.P.著(Chem.Eng.Data、第27巻、第134頁、1983年)
新規方法は、一般式1:
Figure 0004604049
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素原子1〜4個、好ましくは炭素原子1〜2個を有するアルキル基およびおよびヒドロキシアルキル基からなる群から選択され、またはRおよびRは、それらが結合する炭素原子と共に、炭素3〜8個を有するシクロアルキル基を形成し;Rは、水素、炭素原子1〜4個、好ましくは炭素原子1〜2個を有するアルキル基およびヒドロキシアルキル基、並びにそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは炭素原子1〜4個、より好ましくは炭素原子1〜2個を有するアルキル基またはヒドロキシアルキル基であり;R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、同じかまたは異なり、水素、炭素原子1〜4個、好ましくは炭素原子1〜2個を有するアルキル基およびヒドロキシアルキル基、並びに炭素3〜8個を有するシクロアルキル基からなる群から選択され、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、好ましくは水素であり、但しRが水素である場合、窒素原子に直接結合した炭素に結合するRおよびRの少なくとも一方は、アルキル基またはヒドロキシアルキル基である)
で表される高度立体障害第二級アミノエーテルアルコールの製造について開示される。前記方法は、次式:
Figure 0004604049
(式中、R12は、炭素原子1〜4個、好ましくは炭素原子1〜2個、最も好ましくはメチルを有するアルキル基、アリール基、置換アリール基(好ましくは、水素、または炭素原子1〜10個、好ましくは炭素原子1〜4個、最も好ましくはメチルを有する一個以上のアルキル基でパラ位置に置換されるフェニル)およびそれらの混合物からなる群から選択され;Yは、水素、アルカリ金属、アンモニウムおよびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは水素またはナトリウムである)
で表される有機カルボン酸またはカルボン酸塩を、次式:
14SOX、SO、R14OSOX、またはR 14,14’NSOX (3)
(式中、Xは、F、Cl、Br、Iおよびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはF、Cl、最も好ましくはClであり;R14およびR14’は、同じかまたは異なり、それぞれ、炭素原子1〜4個、好ましくは炭素原子1〜2個、最も好ましくはメチルを有するアルキル基、式 C(2n+1)−w(式中、nは1〜4、好ましくは1〜2、最も好ましくは1であり、Zは、F、Cl、Br、Iからなる群から選択され、好ましくはFおよびCl、最も好ましくはFであり、wは、1〜5、好ましくは1〜3の範囲であり、最も好ましくは3である)で表されるハロアルキル基、次式:
Figure 0004604049
(式中、R15、R16、R17、R18およびR19は、同じかまたは異なり、水素および炭素原子1〜20個を有するアルキル基から選択され、好ましくは、R15、R16、R18およびR19は、水素であり、R17は、水素および炭素1〜4個、好ましくは炭素1〜2、より好ましくはメチル基を有するアルキル基から選択される)で表されるアリール基4、およびそれらの混合物からなる群から選択される)
で表されるハロゲン化スルホニル、ハロゲン化スルフリル、混合ハロゲン化スルフリルエステルまたは混合ハロゲン化スルフリルアミドと反応させて、次式5:
Figure 0004604049
で表されるスルホン酸−カルボン酸無水物化合物を得、次いでこれを次式6:
Figure 0004604049
(式中、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、同じかまたは異なり、水素、炭素1〜4個、好ましくは炭素1〜2個を有するアルキル基およびヒドロキシアルキル基、並びに炭素3〜8個を有するシクロアルキル基から選択され、より好ましくは、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は水素である)
で表されるジオキサンと反応させて、次式7:
Figure 0004604049
で表される開裂生成物物質、もしくはそれらの混合物を得る工程を含む。各反応工程からの生成物が、引続く反応工程の反応体と反応される前に、この時点までに単離されることは必要でない。開裂生成物は、依然として製造される。有機カルボン酸またはそれらの塩と、ハロゲン化スルホニル、ハロゲン化スルフリル、混合ハロゲン化スルフリルエステルまたは混合ハロゲン化スルフリルアミド、およびジオキサンとの混合は、いかなる順序または手順でもあろう。従って、有機カルボン酸またはそれらの塩は、ハロゲン化スルホニル等と混合され、次いでジオキサンと混合されるか、もしくはジオキサンが、先ずハロゲン化スルホニル等と混合され、次いで有機カルボン酸またはそれらの塩が添加されるか、または有機カルボン酸またはそれらの塩およびジオキサンが混合され、続いてハロゲン化スルホニル等が添加されるであろう。従って、有機カルボン酸またはそれらの塩と、ジオキサン、およびハロゲン化スルホニル、ハロゲン化スルフリル、混合ハロゲン化スルフリルエステル、または混合ハロゲン化スルフリルアミドとの組み合わせは、単一の反応混合物に組み合わされ、所望の開裂生成物の一工程製造において、単一の混合物として反応されるであろう。次いでこの開裂生成物を、次式8:
Figure 0004604049
(式中、R、RおよびRは、先に定義されたものである)
で表されるアルキルアミンと反応させて、次式9:
Figure 0004604049
を得、引続いてこれを塩基で加水分解して、次式1:
Figure 0004604049
を得る。
上記の一般式によって定義される好ましい化合物には、次のものが含まれる。即ち、
Figure 0004604049
Figure 0004604049
Figure 0004604049
Figure 0004604049
Figure 0004604049
Figure 0004604049
である。
第一の成分として用いるのに典型的な出発物質は、次のものである。即ち、
Figure 0004604049
である。
上記されるタイプの他の物質は、容易に想像されるであろう。
この物質は、次いで第二の成分と反応される。典型的には次のものである。即ち、
Figure 0004604049
Figure 0004604049
およびそれらの混合物である。
同様に、上記されるタイプの他の物質は、容易に想像されるであろう。
二種のこれら成分の反応により、アシルスルホネート5a、5b、5cおよび5dが得られる。反応は、温度約−20〜200℃、好ましくは約−20〜150℃、より好ましくは約0〜120℃、および圧力約1バール〜100バール、好ましくは約1バール〜50バール、より好ましくは約1バール〜10バールで行われるであろう。
反応は、混ぜ物なし、即ちいかなる溶媒もなしに行われるであろう。但し、反応体のどれかが、液体であり、かつ非液体の反応体を溶解可能であるか、または両者とも液体である。別に、不活性の添加溶媒が用いられるであろう。スルホラン、ヘキサン、またはアセトニトリルなどである。好ましくは、その後の開裂反応のためのジオキサンが、溶媒として用いられる。これは、統合第一工程に存在される全三種の反応体をもたらす。その際、反応混合物は、ジオキサン、有機カルボン酸またはそれらの塩、およびハロゲン化スルホニル、ハロゲン化スルフリル、混合ハロゲン化スルフリルエステル、または混合ハロゲン化スルフリルアミドを含む。この反応混合物は、次いで、ジオキサンの開裂反応のために、次に記載される条件下で反応されるであろう。これにより、一般式4によって記載される開裂生成物が得られる。
スルホネート5aおよび/または5bは、1,4−ジオキサンと反応される。これは、典型的には次式で表される。即ち、
Figure 0004604049
である。他の置換異性体は、容易に想像されるであろう。好ましくは、1,4−ジオキサンは次のものである。
Figure 0004604049
高温での反応は、ジオキサン環を開裂し、開裂生成物への転化率約60〜90%を達成するのに十分な時間を掛けて行われる。ジオキサンはまた、反応のための溶媒として資する。ジオキサン/スルホネートのモル比は、約1:1〜約10:1、好ましくは約1:1〜約8:1、最も好ましくは約1:1〜約5:1の範囲であろう。反応は、いかなる添加溶媒もなしに(例えばジオキサンが溶媒として資する)行われるか、またはアセトニトリルまたはトルエンなどの添加溶媒が用いられるであろう。反応は、温度約50℃〜約200℃、好ましくは約70℃〜約160℃、より好ましくは約80℃〜約140℃で行われる。
好ましくは、反応は、いかなる添加溶媒もなしに(ジオキサンが、反応体および溶媒の両者として資する)、温度約50℃〜約160℃、好ましくは約70℃〜約160℃、より好ましくは約80℃〜約140℃で行われる。
上記に述べられるジオキサンの開裂工程は、非特許文献2によって、より詳しく記載される。非特許文献3および非特許文献4をまた参照されたい。
開裂生成物7a、7b、7c、および/または7dは、次いで、典型的には次式:
Figure 0004604049
で表されるアミン8で、−O−SO−R14、または7a、7b、7cおよび/または7dのスルホネート基を、アミン8によって置換するのに十分な時間をかけてアミノ化される。物質7a、7cおよび7dをアミノ化する場合には、アミン/スルホネート基のモル比は、約1:1〜約10:1、好ましくは約1:1〜約8:1、より好ましくは約1:1〜4:1の範囲にあり、一方物質7bをアミノ化する場合には、アミン/スルホネート基の比率は、約2:1〜約10:1、好ましくは約2:1〜約8:1、より好ましくは約2:1〜約4:1の範囲にある。別に表現すると、一般に、アミン/置換される基のモル比は、約化学量論量〜約10:1、好ましくは約化学量論量〜約8:1、より好ましくは約化学量論量〜約4:1の範囲であろう。
このアミノ化工程は、技術的に典型的ないかなる条件下でも行われるであろう。アミノ化は、大気圧または高圧で行われるであろう。高圧は、特に、アミノ化がt−ブチルアミンなどの比較的低沸点のアミンを用いて行われる場合に適切である。
アミノ化は、圧力約大気圧(1バール)〜約100バール、好ましくは約1〜約50バール、および温度約40℃〜約200℃、好ましくは約40℃〜約125℃で行われるであろう。アミノ化は、還流を用いて行われるであろう。しかし、これは、絶対に必要ではない。不活性溶媒は、任意に用いられるであろう。ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、ヘキサンなどである。
最終的に、得られる次式9:
Figure 0004604049
は、塩基を用いて加水分解されて、最終の所望生成物1が得られる。典型的な塩基には、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、またはアルカリ金属アルコキシドが含まれる。水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド等などである。反応は、約20℃〜約110℃、好ましくは約20℃〜約50℃で行われる。還流下での反応は、効果的であり、望ましい技術である。
溶媒の使用は、加水分解反応に対して任意である。それは、反応体が、既に液体形態でない場合に用いられる。溶媒には、水、またはアルコール、およびそれらの混合物が含まれるであろう。
アルコールが用いられる場合には、それらは、アルコキシド塩基自体が誘導されると同じ炭素数のものであろう。または、それと同じアルコールである。従って、メタノールは、塩基がアルカリメトキシドである場合に用いるのに適切な溶媒であろう。
トリエチルアミンの存在下にメチルクロロスルホネートおよび酢酸を用いて現場で生成されたメチルアセチルスルフェートによる開裂
メチルクロロスルホネートを、知られた手順(非特許文献5)に従って、次のように、塩化スルフリルをメタノールと反応させることによって調製した。即ち、メタノール(15g、0.47モル)を、0℃(氷浴冷却)で、塩化スルフリルに滴状で添加し、反応混合物を、0℃で3時間攪拌した。塩化水素の放出が停止した後、反応混合物を減圧下で蒸留して、メチルクロロスルホネート(23.5g、38%、沸点62℃/52〜53mmHg;非特許文献5では55〜56℃/39mmHg)が得られた。H NMR(CDCl)δ4.21(s、3H)、13C NMR(CDCl)δ61.2であった。
ジオキサンの開裂
25ml一口フラスコを、室温で窒素下に、酢酸(0.97ml、1.0g、16.7ミリモル)、ジオキサン(7ml、7.0g、80ミリモル)、メチルクロロスルホネート(2.0g、15.3ミリモル)、および次いでトリエチルアミン(2.153ml、1.56g、15.3ミリモル)で充填した。反応混合物を、72時間還流した。反応の進行を、NMRによって監視した。反応混合物を、次いで減圧下で蒸発させた。乾燥トルエン(15ml)およびtert−ブチルアミン(8.4ml、5.85g、80ミリモル)を、残分に添加し、混合物を、穏やかに24時間還流した。反応混合物を、次いで室温に冷却し、ろ過した。固形分を、トルエンで洗浄した。組み合わせろ過物を、減圧下で蒸発させた。残分をトルエンで抽出し、エキストラクトをろ過し、減圧下で蒸発させて、褐色の油0.3gが得られた。NMR試験では、所望の生成物(t−BuNHCHCHOCHCHOAc)の痕跡量の存在が示された。H NMRスペクトルの信号から、アセテート(HOCHCHOCHCHOAc)および/または(AcOCHCHOCHCHOAc)の存在が示唆される。

Claims (13)

  1. 次式:
    Figure 0004604049
    (式中、RおよびRはそれぞれ、炭素原子1〜4個を有するアルキル基およびヒドロキシアルキル基からなる群から選択され、またはそれらが結合する炭素原子と共に、炭素原子3〜8個を有するシクロアルキル基を形成し;Rは、水素、炭素原子1〜4個を有するアルキル基およびヒドロキシアルキル基、並びにそれらの混合物からなる群から選択され;R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、同じかまたは異なり、水素、炭素1〜4個を有するアルキル基およびヒドロキシアルキル基からなる群から選択され、但し、Rが水素である場合、窒素原子に直接結合した炭素原子に結合するRおよびRの少なくとも一方は、アルキル基またはヒドロキシアルキル基である)
    で表される高度立体障害第二級アミノエーテルアルコールの合成方法であって、
    次式:
    Figure 0004604049
    (式中、R12は、炭素原子1〜4個を有するアルキル基、水素またはそれを置換する一個以上のC〜C10アルキル基を有するアリール基、およびそれらの混合物からなる群から選択され;Yは、水素、アルカリ金属、アンモニウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される)
    で表される有機カルボン酸またはカルボン酸塩を、次式:
    14SOX、SO、R14OSOXまたはR 14,14’NSO
    (式中、Xは、F、Cl、Br、Iおよびそれらの混合物からなる群から選択され;R14およびR14’は、同じかまたは異なり、それぞれ、炭素原子1〜4個を有するアルキル基、式C(2n+1)−w(式中、nは、1〜4であり、Zは、F、Cl、Br、Iおよびそれらの混合物からなる群から選択され、wは、1〜5の範囲である)で表されるハロアルキル基および次式:
    Figure 0004604049
    (式中、R15、R16、R17、R18およびR19は、同じかまたは異なり、水素、炭素原子1〜20個を有するアルキル基およびそれらの混合物からなる群から選択される)
    で表されるアリール基からなる群から選択される)
    で表されるハロゲン化スルホニル、ハロゲン化スルフリル、混合ハロゲン化スルフリルエステルまたは混合ハロゲン化スルフリルアミドと反応させて、一般式:
    Figure 0004604049
    で表されるアシルスルホネート物質を得、次いでこれを次式:
    Figure 0004604049
    (式中、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、同じかまたは異なり、水素、炭素1〜4個を有するアルキル基およびヒドロキシアルキル基からなる群から選択される)
    で表されるジオキサンと反応させて、
    Figure 0004604049
    を得、次いでこれを次式:
    Figure 0004604049
    (式中、R、RおよびRは、前に定義されたものである)
    で表されるアルキルアミンでアミノ化して、
    Figure 0004604049
    を得、続いてこれを塩基で加水分解して、
    Figure 0004604049
    を得る工程
    を含むことを特徴とする合成方法。
  2. 式R14SOXで表されるハロゲン化スルホニルを用いることを特徴とする請求項1に記載の合成方法。
  3. 式SOで表されるハロゲン化スルフリルを用いることを特徴とする請求項1に記載の合成方法。
  4. 式R14OSOXで表される混合ハロゲン化スルフリルエステルを用いることを特徴とする請求項1に記載の合成方法。
  5. 式R 14,14’NSOXで表される混合ハロゲン化スルフリルアミドを用いることを特徴とする請求項1に記載の合成方法。
  6. 、RおよびRは、メチル基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の合成方法。
  7. 、R、R、R、R、R、R10およびR11は水素であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の合成方法。
  8. 15、R16、R18およびR19は水素であり、R17は水素またはメチル基であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の合成方法。
  9. 前記塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシドおよびアルカリ金属炭酸塩からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の合成方法。
  10. Yは水素またはナトリウムであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の合成方法。
  11. 、RおよびRはメチル基であり;R、R、R、R、R、R、R10およびR11は水素であり;R15、R16、R18およびR19は水素であり;R17は水素またはメチル基であり;Yは水素、ナトリウムまたはアンモニウムであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の合成方法。
  12. 前記有機カルボン酸またはカルボン酸塩を、温度−20〜200℃、圧力1バール〜100バールで、前記ハロゲン化スルホニル、ハロゲン化スルフリル、混合ハロゲン化スルフリルエステルまたは混合ハロゲン化スルフリルアミドと反応させることによって、前記アシルスルホネートを製造し、前記アシルスルホネートを、前記ジオキサンと、ジオキサン/アシルスルホネートのモル比1:1〜10:1、温度50℃〜200℃で反応させて、開裂生成物を製造し、前記開裂生成物と前記アルキルアミンを、アミン/スルホネート基の比率化学量論量〜10:1、圧力大気圧(1バール)〜100バール、温度40℃〜200℃で反応させ、得られたアミノ化生成物を、温度20℃〜110℃で塩基で加水分解することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の合成方法。
  13. 前記有機カルボン酸またはそれらの塩、前記ハロゲン化スルホニル、ハロゲン化スルフリル、混合ハロゲン化スルフリルエステルまたは混合ハロゲン化スルフリルアミドおよび前記ジオキサンを、注意深く単一工程で組み合わせて、反応混合物を製造し、前記反応混合物を、温度50℃〜200℃で加熱して、開裂生成物を製造し、前記開裂生成物と前記アルキルアミンを、アミン/開裂生成物の比率化学量論量〜10:1、圧力大気圧(1バール)〜100バール、温度40℃〜200℃で反応させ、得られたアミノ化生成物を、温度20℃〜110℃で塩基と反応させることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の合成方法。
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