JP4598929B2 - 擬似餌用の展着液 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、毛針、餌木、スッテ、イカヅノ、バケ、サビキ、フライ、ハードルアー等の擬似餌の集魚性及び摂餌性を高めて、優れた釣果を得るための、擬似餌用の展着液に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、毛針の一種のドライフライは、水と接触して繰り返し使用すると、羽毛等に水分が浸透して浮力が低下するため、繰り返しの使用前にフライ本体の表面にフッ素樹脂等の撥水剤を塗布し、浮力の低下を防止していた。逆に、水中にて使用するウエットフライは、水面に浮かぶのを防いだり、水中での円滑なアクションを得るため、シリコン樹脂等の溶解液にて表面処理を行い、水となじみ易くなるようにしていた。このような適宜の添加剤の使用により、毛針の機能性を高め、魚を効果的に引き寄せようとしていた。
【0003】
また、魚類が紫〜青色の蛍光色に反応する性質を利用して、蛍光増白剤を用いて製作した毛針や餌木が存在した。この蛍光増白剤を用いた毛針や餌木を水中に投入する事により、蛍光を発して、集魚効果を高めようとするものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来品は、より本物の餌に近い動作や蛍光色による集魚効果には優れているが、集まった魚を確実に擬似餌に食い付かせる効果を持つものではなかった。
【0005】
本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、擬似餌に撥水処理または親水処理、及び蛍光処理を施すだけでなく、魚の好む摂餌成分の付着処理を行う事により、擬似餌の円滑な動作や良好な蛍光色によって集魚効果を高めるとともに、この魚が確実に擬似餌に食い付くように、擬似餌への摂餌性を向上しようとするものである。そして、この良好な集魚効果と摂餌性により、優れた釣果を得ようとするものである。また、この撥水または親水処理、及び蛍光処理、摂餌成分付着処理を、全て同時に行う事が可能な展着液を得るとともに、これらの処理を簡単な方法でムラなく、迅速に行おうとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の如き課題を解決するため、第1の発明は、揮発性溶剤89.0〜99.899重量%、蛍光増白剤0.001〜1.0重量%、魚の好む摂餌成分0.1〜10.0重量%とから成るものである。
【0007】
また、第2の発明は、揮発性溶剤69.0〜98.899重量%、蛍光増白剤0.001〜1.0重量%、シリコン樹脂1.0〜20.0重量%またはフッ素樹脂1.0〜20.0重量%、魚の好む摂餌成分0.1〜10.0重量%とから成るものである。
【0008】
また、魚の好む摂餌成分は、非水溶性であっても良い。
【0009】
【作用】
本発明は、上述の如く構成したもので、第1発明では、毛針、餌木、スッテ、イカヅノ、バケ、サビキ、フライ、ハードルアー等の擬似餌に、蛍光処理及び摂餌成分の付着処理を行うものである。そして、毛針、餌木、スッテ、イカヅノ、バケ、サビキ、フライ、ハードルアー等の擬似餌に表面処理を行うには、使用前に擬似餌を本発明の展着液に数分間浸漬する。すると、前記擬似餌は、布、木、羽毛、金属、硬質プラスチック等で形成しているから、液体の吸収性や展着性に優れ、展着液が擬似餌の表面に迅速に展着されるものである。
【0010】
次に、擬似餌を展着液から取りだして乾燥する事により、揮発性溶剤が蒸発して、擬似餌の表面全体に、蛍光処理が施されるとともに、摂餌成分が付着するものとなる。また、この展着液による処理は、擬似餌の表面に展着液を適宜の手段で塗布又は噴霧する事により行っても良い。
【0011】
このように、本発明の展着液にて処理するだけで、蛍光処理と摂餌成分の付着処理が同時に完了するものである。また、蛍光増白剤や摂餌成分は、揮発性溶剤に溶解せずに、直に擬似餌に付着しようとすると、毛針の場合は羽根や毛が濃度の高い水分や油分と馴染みにくく、摂餌成分を良好に付着できなかったり、逆に羽根や毛に大量に付着して乾燥が良好に行われず、擬似餌の浮力や親水性をかえって悪くする等の不具合を生じる可能性がある。また、擬似餌を取り付ける際に、蛍光増白剤や摂餌成分が手指や釣り道具に付着する不具合も生じる。また、ハードルアーの場合でも、揮発性溶剤に溶解せずに蛍光増白剤や摂餌成分を付着しようとしても、金属やプラスチック素材への展着が困難である。また、餌木等の場合も、表面の合成繊維が高濃度の水分や油分と馴染みにくい。
【0012】
しかしながら、本発明では、蛍光増白剤と摂餌成分を揮発性溶剤にて希釈しているので、擬似餌と馴染みやすくなり、蛍光増白剤と摂餌成分とを擬似餌の表面全体に均一に付着する事ができる。そして、蛍光増白剤と摂餌成分とが、擬似餌の表面全体に薄く付着可能となるとともに、揮発性溶剤が蒸発する事により、接着性も向上し、擬似餌から摂餌成分が落ちにくいものとなる。また、乾燥性に優れているので、展着剤での処理後、直ちに毛針を使用する事が可能となるとともに、手指や釣り道具等の汚染も防ぐものとなる。また、蛍光増白剤や摂餌成分が、擬似餌の表面全体に薄く付着するだけなので、浮力や親水性等、擬似餌本来の機能性を損なう事はない。
【0013】
上述の如く展着液で処理した擬似餌を、水中或いは水面に投げ入れると、擬似餌の外見や動作と相俟って、擬似餌が蛍光を発する事により、魚が効果的に引き寄せられるものとなる。このように集まった魚は、擬似餌に展着した摂餌成分の匂いや味覚により、擬似餌に確実に食い付いて針がかりするので、優れた釣果を得る事ができる。
【0014】
また、上記第1発明では、蛍光増白剤を0.001〜1.0重量%混合しているが、この蛍光増白剤が、0.001重量%より少ないと、十分な蛍光効果を得られず、集魚効果が向上しないものとなる。また、1.0重量%よりも多く溶解しても、擬似餌の蛍光効果は変化せず、材料の無駄を生じるとともに、摂餌成分の含有量が少なくなって、摂餌性を損なう虞れがある。
【0015】
また、摂餌成分は、0.1〜10.0重量%混合しているが、摂餌成分が0.1重量%よりも分量が少ないと、匂いや味が薄過ぎて、魚の食い付き効果が低下する。また、摂餌成分を多くすれば、魚の食い付き効果は向上するが、10.0重量%よりも多く溶解すると、展着液の濃度が濃すぎて乾燥に時間が掛かり、効率的な釣りができなくなる。また、摂餌成分に無駄を生じ、蛍光増白剤の含有量が少なくなって、集魚効果を損なう虞れがある。また、上記添加物を溶解する揮発性溶剤は、89.0〜99.899重量%としているが、揮発性溶剤が89.0重量%よりも少ないと、添加物の溶解性が悪くなり、擬似餌の処理を行いにくくなるとともに、乾燥性も低下する。また、揮発性溶剤が99.899重量%よりも多いと、蛍光増白剤や摂餌成分の含有量が少なくなり、集魚効果や摂餌性を損なう虞れがある。
【0016】
また、上記第1発明の展着液は、擬似餌に蛍光処理と摂餌成分の付着処理を行うものであるが、第2の発明では、展着液にシリコン樹脂またはフッ素樹脂を混合する事により、擬似餌本来の機能を高めようとしている。即ち、展着液にシリコン樹脂を混合する事により、擬似餌の親水性が向上する。従って、このシリコン樹脂を用いた展着液にて、ウエットフライ等を処理すれば、水との馴染みが良くなり、ウエットフライは水に浮かぶ事なく、速やかに水中に沈むとともに円滑な動作が可能となる。そして、この本物の餌に近い良好な動作と、蛍光効果により、集魚効果が更に高まるとともに、摂餌成分により、魚の食い付きを良くして、優れた釣果を得る事ができる。また、毛針を何度水中に投入しても、親水性は低下せず、毛針の優れた機能性を持続する事ができる。
【0017】
また、展着液にフッ素樹脂を混合し、この展着液をフローティングタイプのルアーやドライフライに使用すれば、これらの表面に撥水加工が施される。この撥水効果により、フローティングタイプのルアーやドライフライの浮力が高まり、水面での良好な動作が可能となる。従って、この浮力面での優れた機能が持続可能となるとともに、蛍光効果と相俟って、良好な集魚効果を得る事ができる。そして、摂餌成分により、擬似餌への魚の食い付きが良好となるから、優れた釣果を得る事ができる。
【0018】
そして、展着液中に混合するシリコン樹脂またはフッ素樹脂は、1.0〜20.0重量%とするのが好ましい。これらの混合割合が、1.0重量%よりも少ないと、良好な親水性や撥水性が得られない。また、20.0重量%よりも多いと、蛍光増白剤や摂餌成分の含有量が少なくなり、集魚効果や摂餌性を損なう虞れがある。
【0019】
また、魚の好む摂餌成分は、水溶性でも良いが、非水溶性のものを使用するのが好ましい。即ち、水溶性の摂餌成分だと、水との接触により擬似餌の表面から摂餌成分が洗い流され、摂餌効果が失われ易いものとなる。また、揮発性溶剤と分離し易いし、毛針の素材となる羽毛や毛、ハードルアーの素材であるプラスチック、餌木の素材である合成繊維等は、水分を弾き易い等の問題があり、擬似餌に摂餌成分を良好に付着する事ができなくなる可能性がある。しかし、非水溶性の摂餌成分であれば、揮発性溶剤に溶解し易いので、擬似餌の処理を良好に行えるとともに、擬似餌の表面に均一に展着させる事ができる。
【0020】
また、上記魚の好む摂餌成分としては、ウニ類、オキアミ、イクラ、サケ、エビ類、イワシ、カツオ、ニシン、蚕蛹、貝類、その他の天然動物の肉片、又はこれらから抽出した油脂等を使用するのが好ましい。このような天然の動物原料を用いる事により、摂餌成分には、微量のアミノ酸や香気成分も含まれ、魚の摂餌性が更に向上するものとなる。尚、天然動物の肉片を用いる場合は、揮発性溶剤に浸漬して脱水後、その摂餌成分を抽出するとともに、遠心分離や沈殿等の処理を施して、不溶性の不純物を取り除いておくのが好ましい。
【0021】
また、揮発性溶剤として、エチルアルコール、メチルアルコール、ブチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、酢酸、アセトン、ベンゼン、ヘキサン、イソヘキサン、酢酸エチル等が挙げられる。その他にも、α−ベンジン等のガソリン類を使用する事ができる。また、これら以外の揮発性溶剤を使用しても良いが、釣り糸や擬似餌の表面を腐食する事のないものを選択する必要がある。
【0022】
そして、例えばドライフライの毛針用の展着液では、水面での使用となるため、揮発性溶剤を完全に揮発させる必要性から、揮発性溶剤として、より揮発性の高いベンジンを用いるのが良い。また、ウエットフライの毛針用の展着液では、水中での使用となるため、揮発性溶剤を完全に揮発させる必要がなく、エチルアルコールのように揮発性の緩やかな揮発性溶剤を使用しても支障はない。勿論、ベンジンを使用する事も可能である。
【0023】
上述の如き揮発性溶剤を用いる事により、擬似餌を展着液にて処理後、擬似餌の乾燥が直ちに終了し、迅速な使用ができる。また、乾燥性に優れているので、展着液の濃度や釣り場の温度、湿度等の条件が揃えば、展着液から引き上げた直後に、擬似餌の投入動作を行っても、水面に到達する前に展着液の乾燥が完了する。このような使用が可能な場合は、乾燥の手間や時間を省いて効率的に釣りを行う事が可能となる。
【0024】
【実施例】
本発明の毛針用の展着液を詳細に説明する。まず、第1実施例として、ドライフライ用の展着液、及び第2、第3実施例として、ウエットフライ用の展着液の処方例及びその製造方法を以下に記載する。
【0025】
第1実施例(ドライフライ用展着液)
摂餌成分を得る動物原料として、乾燥させたオキアミ20gと、100gのベンジンを混合してホモジナイズ処理を行う。その後、遠心分離器により、固形物を沈殿して分離し、油溶性の摂餌成分が溶解した上澄み液のみを取り出す。そして、この上澄み液に、蛍光増白剤0.01gと、撥水用のフッ素樹脂5gを溶解する事により、蛍光処理機能と、撥水機能を持つ展着液を得る事ができる。
【0026】
第2実施例(ウエットフライ用展着液1)
摂餌成分を得る動物原料として、乾燥させたイクラ20gとエチルアルコール100g、乳化剤10g、蛍光増白剤0.01g、シリコン樹脂2gを混合してホモジナイズ処理を行った後、遠心分離器により不溶性固形物を分離し、上澄み液を展着液として使用する。このシリコン樹脂を含有した展着液にて処理する事により、ウエットフライの親水性を向上する事ができる。
【0027】
第3実施例(ウエットフライ用展着液2)
上記第2実施例に於いて、シリコン樹脂を用いずに製造する。即ち、乾燥させたイクラ20gと、エチルアルコール100g、乳化剤10g、蛍光増白剤0.1gを混合し、ホモジナイズ処理を行う。その後、遠心分離器により不溶性固形物を分離し、上澄み液のみを展着液として使用する。
【0028】
そして、上記各実施例の展着液を用いて、実際に釣り実験を行い、その釣果を試した。実験時の諸条件、実験方法等は以下の通りである。
【0029】
実験1
実験日 平成12年1月6日
実験場所 栃木県安蘇郡田沼町の常設釣り場 加賀フィッシングエリア
漁場コンディション 天候晴れ、水温摂氏6℃
対象魚 ニジマス
【0030】
上記条件での実験方法は、各実施例の展着液に、ドライフライ又はウエットフライを各々浸漬し、1分間乾燥後、10回キャストして、各回でのニジマスの反応及び釣果を観察した。また、比較実験として、展着液にて処理を行わない毛針を用い、同様に10回キャストし、同じくニジマスの反応及び釣果を見た。この10回のキャストを1セットとして、展着液で処理を施したフライ本体と、未処理のフライ本体とで、交互に3セットずつ行った。尚、各セットを繰り返す際は、毛針を新しいものと交換せず、一回目で使用したものを終始使用した。
【0031】
実施例1、2、3の展着液を使用した実験結果を、各々表1、表2、表3に示す。尚、各表に記載された○は、ニジマスが釣れた事を示す。△は、アタリはあったが、釣れなかった事を示す。また、●は、アタリもなく釣れもしなかった事を示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
上述の表1の実験結果から判るように、第1実施例の展着液にて処理したドライフライは、展着液による処理を施していない従来のドライフライに比べ、優れた釣果を得る事ができた。これは、展着液中のフッ素樹脂により、撥水性が向上し、ドライフライの浮力が高まったため、水面での良好な動作が可能となるとともに、太陽光線を反射して蛍光を発する事により、魚が強く興味を引かれ、高い集魚効果を示したものである。
【0036】
そして、ドライフライに付着したオキアミの摂餌成分により、集まってきた魚が、確実にドライフライに食い付き、優れた釣果を示したものである。また、展着液を付着した直後の毛針をキャストした場合でも、何度も繰り返し使用した場合でも、魚の食い付き釣果は変わらなかった。従って、本実施例の展着液は、撥水効果と蛍光効果による集魚効果、及び摂餌性が持続する、優れた製品である事が解った。
【0037】
また、表2、表3の実験結果から、第2実施例及び第3実施例のエチルアルコールで摂餌成分を抽出した展着液にて処理したウエットフライは、処理を施していないウエットフライに比べ、魚の食い付きが良く、優れた釣果を得る事ができた。即ち、展着液中の親水性に優れたシリコン樹脂により、ウエットフライは水との馴染みが良くなり、ウエットフライは水面に浮かんでしまう事なく、速やかに水中に沈んで、円滑な動作が可能となる。この円滑な動作と蛍光効果により、魚が良好に集まるとともに、オキアミまたはイクラから得た摂餌成分により、魚がウエットフライに確実に食い付いたため、このように優れた釣果を得たものである。
【0038】
しかしながら、展着液による処理後、直ちに優れた釣果を得る事ができるが、繰り返し使用するうちに、食い付きが悪くなっているので、即効性はあるが持続性に乏しい事が分かった。その理由として、シリコンは親水性に優れた性質を持つので、撥水性を有するフッ素樹脂を用いた展着液に比べて、擬似餌の表面から落ち易いからだと考えられる。従って、第2、第3実施例の展着液を用いた場合は、頻繁にウエットフライを展着液で処理する事により、優れた集魚効果と摂餌性を維持する事ができる。また、このように何度も展着液による処理を行っても、エチルアルコールの速乾性により、直ちにウエットフライを水中に投入する事ができ、効率的に釣りを行う事ができる。
【0039】
実験2
実験日 平成12年1月10日
実験場所 埼玉県上尾市の臨時マス釣り場 水上公園
漁場コンディション 天候晴れ、水温摂氏6.5℃
対象魚 ニジマス
【0040】
実験2でも、実験1と同様に、第1実施例の展着液にドライフライを、第2、第3実施例の展着液にウエットフライをそれぞれ浸漬し、1分間乾燥した。その後、展着液の処理済みフライを10回キャストする操作と、展着液未処理のフライを10回キャストする操作を、それぞれ3回ずつ繰り返し、各々の釣果を見た。それぞれの実験結果を、下記表4、表5、表6に示す。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
前回の実験1と同様に、実験2でも、表4の実施例1の展着液にて処理したドライフライは、展着液による処理を施していないドライフライに比べ、優れた釣果を得る事ができた。また、展着液を付着した直後のドライフライをキャストした場合でも、何度も繰り返し使用した場合でも、魚の食い付き釣果は変わらず、持続性に優れた展着液である事が分かった。
【0045】
また、表5、表6の実験結果から、第2実施例及び第3実施例の展着液にて処理したウエットフライは、処理を施していないウエットフライに比べ、魚の食い付きが良く、優れた釣果を得る事ができた。また、展着液による処理後、直ちに優れた釣果を得る事ができるが、繰り返し使用するうちに、食い付きが悪くなってくるので、即効性はあるが持続性に乏しい事が分かった。しかし、何度も展着液にてウエットフライを処理する事により、持続性を高めて、優れた釣果を維持できる事が推測される。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、上述の如く構成したもので、本発明の展着液は、毛針、餌木、スッテ、イカヅノ、バケ、サビキ、フライ、ハードルアー等の擬似餌に、蛍光処理及び摂餌成分の付着処理を行い易い製品である。そして、この展着液で処理した擬似餌は、蛍光を発する事で高い集魚効果を示すとともに、擬似餌に付着した魚の好む摂餌成分の匂いや味覚により、蛍光にて引き寄せられた魚を、確実に擬似餌に食い付かせる事ができ、優れた釣果を得る事ができる。また、この優れた集魚効果と摂餌性を得るための展着液を、廉価な材料で簡単に形成する事ができる。
【0047】
また、擬似餌の表面全体に蛍光増白剤及び摂餌成分を、強固に付着させる事ができるとともに、耐水性に優れたものとなり、擬似餌の集魚効果と優れた摂餌性を長く持続する事ができる。また、蛍光増白剤及び摂餌成分を、擬似餌の表面のみに付着するので、少ない分量で済み、経済的な処理剤を得る事ができる。
【0048】
また、展着液による擬似餌の処理も簡単かつ迅速に行う事ができ、釣り準備作業を効率的に行う事ができる。そして、釣り人が、釣り目的の魚の好みや釣り場のコンディションに応じて、必要であれば選択的に擬似餌に処理を施す事ができるので、釣り場にての柔軟な対応が可能となる。
【0049】
また、蛍光増白剤及び摂餌成分だけでなく、展着液にシリコン樹脂を混合する事により、擬似餌の親水性が向上し、水中にて円滑な動作を行う事ができる。また、展着液にフッ素樹脂を混合する事により、擬似餌の撥水性が向上し、ドライフライやフローティングタイプのルアーの浮力が高まって、水面での良好な動作が可能となる。このように、展着液にシリコン樹脂またはフッ素樹脂を混合して、擬似餌本来の機能性を高める事により、蛍光効果と相俟って、優れた集魚効果を得る事ができる。
Claims (3)
- 揮発性溶剤89.0〜99.899重量%、蛍光増白剤0.001〜1.0重量%、魚の好む摂餌成分0.1〜10.0重量%とから成る事を特徴とする擬似餌用の展着液。
- 揮発性溶剤69.0〜98.899重量%、蛍光増白剤0.001〜1.0重量%、シリコン樹脂1.0〜20.0重量%またはフッ素樹脂1.0〜20.0重量%、魚の好む摂餌成分0.1〜10.0重量%とから成る事を特徴とする擬似餌用の展着液。
- 魚の好む摂餌成分は、非水溶性である事を特徴とする請求項1または2の擬似餌用の展着液。
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