JP4595084B2 - 結晶配向性を有するアパタイトを被覆したアパタイト複合体 - Google Patents

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Description

本発明は、高い結晶配向性を有するアパタイト皮膜を形成して成るアパタイト複合体に関するものであり、更に詳しくは、皮膜中のアパタイトの結晶のc軸方向が基材に対して垂直方向に優先的に配向し、かつ、当該皮膜の少なくとも表面近傍に酸化カルシウムがほとんど存在しないアパタイト複合体、当該皮膜のアパタイトの結晶面の性質の差や結晶方位に対する物性の異方性を有効に利用できる、人工関節、人工歯根などの生体インプラント、細胞培養用担体、及び生体成分に対するアフィニティーの差により該生体成分を特異的に吸着、分離する作用を有する分析・診断用部材に関するものである。本発明は、基材上に結晶配向性を制御して形成したアパタイト複合体を、生体材料として使用する場合に問題となる副生成物の酸化カルシウムを含まないアパタイト製品として提供すること、当該アパタイト複合体を簡便な手法で高効率に生産する技術を提供すること、及び当該アパタイト複合体におけるアパタイト結晶の結晶面の性質の差、結晶方位に対する物性の異方性を有効に利用した新しい用途を提供することを実現するものである。
水酸アパタイトの結晶では、主にa軸方向又はb軸方向に垂直の(100)又は(010)面(a面)と、c軸方向に垂直の(001)面(c面)の2つの性質が異なる結晶面が現れる。これらの面では、例えば、唾液等の体液への溶解性に差があり、面に現れるイオンの電荷の差により、それぞれ、正電荷、負電荷を帯びている。また、水酸アパタイトの結晶の物性は、結晶軸に対して異方性を有する。従って、結晶が配向したバルク体や皮膜は、産業的に利用価値が高いと考えられ、種々の研究が行われている。
生体内では、このような水酸アパタイトの結晶面の性質の差が巧みに利用されており、骨や歯等の生体硬組織では、水酸アパタイトの結晶が配向した構造が形成され、利用されている。例えば、人の歯のエナメル質では、水酸アパタイトの結晶が表面に対して垂直方向にc軸配向して、唾液に対して不活性な面が表面に現れることで、唾液に対する難溶性を向上させていると考えられている。
また、人工骨、人工関節、人工歯根等の整形外科用インプラント、歯科用インプラントの分野では、水酸アパタイトなどの骨組織と結合する生体活性を有するセラミックスからなる生体材料が利用されているが、このような材料においても、アパタイトの結晶が配向した構造を形成するための試みが種々なされてきた。
従来、結晶配向した水酸アパタイトの焼結体(バルク体)の調製方法として、種々の方法が検討されており、例えば、(1)焼成リン肥に添加剤を加えて焼成する方法(特許文献1)、(2)凝集粒子の沈降成形物を焼結する方法(非特許文献1)、(3)10T程度の強力な磁場を利用する方法(非特許文献2)、(4)針状や柱状などのアパタイト微結晶の懸濁液を押し出し成形時の剪断応力により配向させる方法(特許文献2)、及び、人の骨や動物の骨などの生体硬組織を焼成する方法(特許文献3)等が提案されている。
しかしながら、この種の方法には、種々の問題点がある。例えば、焼成リン肥に添加剤を加えて焼成する方法には、コンタミネーションが避けられないという問題があり、生体材料を作製する方法としては適さない。一方で、10T程度の強力な磁場を利用する方法では、その磁場を発生し得る超伝導磁石を設置した施設が必要であり、簡便な方法でなく、得られるバルク体の結晶配向性は大きくない。また、剪断応力を利用する方法では、繊維状成形物の長手方向にc軸が配向した成形体を形成することが可能であるが、得られる成形体の結晶配向性は大きくない。また、凝集粒子の沈降成形物を焼結方法では、バルク体の密度が高くない。また、生体硬組織を焼成する方法では、原料に用いる生体硬組織の個体差により品質にばらつきが生じる可能性がある等の問題がある。いずれの場合も、一般的に、アパタイトの焼結体(バルク体)は、強度が弱く、人工関節や人工歯根等の大きな荷重が掛かる部位での使用には適さない。
一方において、高い強度を有する金属やセラミックスに水酸アパタイトを被覆したインプラント材料が製造され、臨床応用されており、一般に、人工関節用のアパタイト皮膜の製造方法として用いられているプラズマ溶射法において、ジルコニア基材上(非特許文献3−7)ならびにチタン基材上(非特許文献8)の水酸アパタイト皮膜の結晶配向が報告されている。しかしながら、これらの方法で作製された皮膜は、皮膜中に、副生成物として、他のリン酸カルシウム相や、生体内で炎症を引き起こすとされる酸化カルシウムが混在しているという問題があり、その利用が制約されていた。
更に、配向したアパタイト結晶を含む皮膜を形成する方法及びその生体材料(特許文献4、5)や、10T程度の強力な磁場を利用する方法(特許文献6)も提案されているが、スパッタリングによる方法では、成膜速度が遅い(10時間で5〜15μm程度の膜厚)という問題や、皮膜の密度が低いといった問題がある。また、強力な磁場を用いる方法では、その磁場を発生し得る超伝導磁石を設置した施設が必要であり、簡便な方法ではなく、しかも、高い配向性を有する皮膜は得られていない。
特開昭60−103072号公報 特開平1−126249号公報 特開2003−111832号公報 特開平2−1286号公報 特開平10−328292号公報 特開2004−149386号公報 Kazushi Ohta, Masanori Kikuchiand Junzo Tanaka, Chemistry Letter, Vol. 32, 646-647 (2003). K. Inoue, K. Sassa, Y.Yokogawa, Y. Sakka, M. Okido and S. Asai, Key Engineering Materials, Vol.240-242, pp. 513-516 (2003). T. Kameyama, A. Hasegawa, A.Motoe, M. Ueda, K. Akashi and K. Fukuda, Proceedings of Japanese Symposium onPlasma Chemistry, Vol. 4, 145-150 (1991). T. Kameyama, A. Hasegawa, A.Motoe, M. Ueda, K. Akashi and K. Fukuda, Proceedings of Japanese Symposium onPlasma Chemistry, Vol. 5, 257-62 (1992). T. Kameyama, A. Hasegawa, A.Motoe, M. Ueda, K. Onuma, K. Akashi and K. Fukuda, Proceedings of JapaneseSymposium on Plasma Chemistry, Vol. 6, 239-44 (1993). T. Kameyama, M. Ueda, K.Onuma, A. Motoe, K. Ohsaki, H. Tanizaki and K. Iwasaki, Proceedings of the 14thInternational Thermal Spray Conference, 187-92 (1995). Akihiro Hasegawa, TetsuyaKameyama, Akihiro Motoe, Minoru Ueda, Kazuo Akashi and Kenzo Fukuda, Journal ofthe Ceramic Society of Japan, 100, 377-81 (1992). Masahiko Inagaki, YoshiyukiYokogawa and Testuya Kameyama, Journal of Materials Science: Materials inMedicine, 14, 919-22 (2003).
本発明は、上記の問題を解決するものであり、水酸アパタイトの結晶のc軸方向が基材に対して垂直方向に優先的に配向しているアパタイト皮膜、及び当該アパタイト皮膜から成り、パタイトの結晶面の性質の差や結晶方位に対する物性の異方性を有効に利用できる、人工関節、人工歯根などの生体インプラント、細胞培養用担体、及び生体成分に対するアフィニティーの差により該生体成分と特異的に吸着、分離する作用を有する分析・診断用部材を提供することを目的とするものである。また、本発明は、人の歯のエナメル質に見られるような高い結晶配向性を有し、かつ、特に生体内で炎症を引き起こすとされる酸化カルシウムが、皮膜の少なくとも表面近傍においてほとんど含まれないようなアパタイト皮膜、及び当該皮膜を有する生体インプラント、細胞培養用担体及び分析・診断用部材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、基材上にアパタイトを主成分とする皮膜から成る被覆層を形成したアパタイト複合体において、当該皮膜が、堆積した粒子からされ、当該皮膜中に、扁平状の粒子の積み重なりからなる構造が形成されており、その粒子内部のアパタイトの結晶のc軸方向が基材に対して垂直方向に優先的に配向し、かつ、当該皮膜の少なくとも表面に酸化カルシウムが存在しないアパタイト複合体であって、上記アパタイトを主成分とする皮膜が、プラズマ溶射皮膜から成ること、を特徴とするアパタイト複合体、である。本複合体は、基材が、セラミックス及び/又は金属から成ること、三リン酸カルシウムならびに基材に対して垂直方向に結晶のa軸方向が優先的に配向した四リン酸カルシウムを含有すること、被覆層の厚さが、5〜1000μmであること、を好ましい態様としている。また、本発明は、上記のアパタイト複合体から成ることを特徴とする生体インプラント、である。本生体インプラントは、チタン又はチタン合金から成る基材上に、上記アパタイトを主成分とする皮膜が形成され、被覆物内にチタン若しくはチタン合金、又はチタン若しくはチタン合金とそれらの窒化物の混合物を含有する層が形成されていること、被覆層の厚さが、5〜1000μmであること、表面の一部に凹凸が形成されていること、を好ましい態様としている。また、本発明は、上記のアパタイト複合体から成ることを特徴とする細胞培養用担体、である。また、本発明は、上記のアパタイト複合体から成り、生体成分に対するアフィニティーの差により、該生体成分を特異的に吸着、分離する作用を有することを特徴とする生体成分の吸着、分離用担体、である。本担体は、特定の生体成分を特異的に吸着、分離し、分析又は診断するための分析・診断用部材であること、を好ましい態様としている。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、セラミックス又は金属等の基材上にアパタイトを主成分とする皮膜から成る被膜層を形成したアパタイト複合体において、当該皮膜が、堆積した粒子から成り、当該皮膜中のアパタイトの結晶のc軸方向が基材に対して垂直方向に優先的に配向し、かつ、当該皮膜の少なくとも表面近傍に酸化カルシウムがほとんど存在しないアパタイト複合体、及び当該複合体から成る生体インプラント、細胞培養用担体、及び分析・診断用部材である点に最大の特徴を有するものである。
本発明では、例えば、水酸アパタイトの結晶のc軸方向が基材に対して垂直方向に優先的に配向し、かつ、水酸アパタイト皮膜の少なくとも表面近傍に酸化カルシウムがほとんど存在しない被覆物をセラミックス又は金属から成る基材に被覆して上記アパタイト複合体を製造するが、本発明でいうセラミックス又は金属等の基材としては、好適には、例えば、ジルコニア、アルミナ、ジルコニア/アルミナ複合体、生体用ガラス、純チタン、チタン合金、ステンレス等が例示される。しかし、本発明では、使用目的に必要な特性を有するものであればセラミックス又は金属等の種類、組成、形状ならびに使用形態等は特に限定されるものではなく、任意のセラミックス又は金属等から成る基材を使用することができる。
本発明でいう生体インプラントとは、表面近傍に水酸アパタイトの結晶のc軸方向が基材に対して垂直方向に優先的に配向し、かつ、水酸アパタイト皮膜の少なくとも表面近傍に酸化カルシウムがほとんど存在しない被覆組成物が形成された、生体内で使用するための成形体を意味する。本発明では、この生体インプラントは、生体内で使用するために必要な特性と安全性を有するものであれば形状ならびに使用形態等は特に制限されない。
上記生体インプラントの形状としては、例えば、柱状、板状、シート状、ブロック状、ワイヤ状、繊維状、粉末状などが例示され、任意の形状のものが使用できる。また、その使用形態としては、例えば、人工股関節用ステム、人工ひざ関節、人工椎体、人工椎間板、骨補填材、骨プレート、骨スクリュー、人工歯根などが例示され、任意の形態のものが使用できる。
本発明でいう細胞培養用担体とは、表面近傍に水酸アパタイトの結晶のc軸方向が基材に対して垂直方向に優先的に配向し、かつ、水酸アパタイト皮膜の少なくとも表面近傍に酸化カルシウムがほとんど存在しない被覆組成物が形成された、細胞を培養するための成形体を意味する。本発明では、細胞を培養に使用するために必要な特性を有するものであれば形状ならびに使用形態等は特に制限されない。
上記細胞培養の形状としては、例えば、板状、シート状、ブロック状、柱状、ワイヤ状、繊維状、粉末状などが例示され、任意の形状のものが使用できる。また、その使用形態としては、例えば、細胞培養用シャーレ、細胞培養用シートなどが例示され、任意の形態のものが使用できる。
本発明の上記アパタイト皮膜を形成する方法としては、具体的には、例えば、平均粒径が80μmの水酸アパタイト粉末を熱プラズマに導入し、プラズマ直下の基材上に堆積して被覆組成物を形成後に熱処理する方法が好適なものとして例示される。これらの方法、条件及び手段として、具体的には、プラズマ溶射法が例示される。プラズマ溶射法においては、大気圧プラズマ溶射法、減圧溶射法などを任意に使用することができる。また、プラズマの種類には高周波プラズマ、DCプラズマなどがあるが、好ましくは、電極の磨耗によるコンタミネーションが発生しない高周波プラズマが望ましい。しかし、これらの方法、条件及び手段に制限されるものではなく、上記プラズマガスの組成、粉体の種類及び粒径又は基材の種類等は、目的製品に応じて適宜変更することが可能である。
本発明において、水酸アパタイトを主成分とする皮膜とは、皮膜中の結晶相の内、水酸アパタイトの含有量が他の結晶相に比べて多いものであることを意味する。また、本発明において、当該皮膜がラメラ状に堆積した粒子から成るとは、溶射等で皮膜を形成することにより皮膜中に扁平状の粒子の積み重なりから成る構造が形成されていることを意味するものである。更に、本発明において、皮膜中の水酸アパタイトの結晶のc軸方向が基材に対して垂直方向に優先的に配向しているとは、皮膜中のハイドロキシアパタイトの結晶粒のうち基材に対して垂直方向にc軸が向いている割合の高いもので、皮膜表面を試料面としてX線回折を行うと002面及び004面の回折ピークの強度が無配向の場合に比べて強く観測されるものであることを意味する。本発明のアパタイト皮膜の厚さは、5〜1000μmであることが好ましいが、それらは、使用目的に応じて任意に設計することができる。
本発明では、基材としてチタン又はチタン合金から成る基材が使用され、被覆物内にチタン又はチタン合金、又はチタン又はチタン合金とそれらの窒化物の混合物を有する層が形成されるが、これらについて具体的に説明すると、被覆物内に形成されるチタン又はチタン合金、又はチタン又はチタン合金とそれらの窒化物の混合物を有する層は皮膜の密着性を向上するために形成されるものであり、例えば、基材の上に下地として被覆されるものや、水酸アパタイトと混合して複合するものが例示される。また、本発明では、生体インプラント材の表面の一部、すなわち、限定された範囲に凹凸が形成されていることが好ましいが、この点について具体的に説明すると、表面に形成される凹凸は生体骨と機械的に固定するためのねじ山や、骨組織が侵入することで生体骨との嵌合を生じ、生体骨に対するインプラントの固定性を向上させるために形成されるものであり、くぼみや溝状であり、深さならびに幅が数ミリから0.05ミリ程度のものであり、また、骨が細胞の付着を促進するために形成されるのでRaが0.1〜4μm程度のものである。また、本発明では、三リン酸カルシウムならびに基材に対して垂直方向に結晶のa軸方向が優先的に配向した四リン酸カルシウムを含有するアパタイト皮膜が形成されるが、これは、皮膜中に三リン酸カルシウム(α−TPC、β−TPC)、四リン酸カルシウム(TTCP)ならびに酸化カリウム(CaO)が存在し、四リン酸カルシウムが基材に対して垂直方向に結晶のa軸方向が優先的に配向していることを示している。
本発明により、(1)水酸アパタイトの結晶のc軸方向が基材に対して垂直方向に優先的に配向し、かつ当該皮膜の少なくとも表面近傍に酸化カルシウムがほとんど存在しないアパタイト皮膜を提供することができる、(2)当該アパタイト皮膜から成る生体インプラント、及び細胞培養用担体を提供できる、(3)結晶面に対する分子の吸着の差を利用できる新しい材料を提供できる、(4)結晶面の体液等への溶解性の差を利用できる新しい材料を提供できる、(5)結晶軸に対する諸物性の異方性を利用できる新しい材料を提供できる、という効果が奏される。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらによって何ら限定されるものではない。
(c軸方向に優先配向した水酸アパタイトを含有し、皮膜の表面近傍に酸化カルシウムを含有しない水酸アパタイト皮膜)
発振周波数4MHz、入力12kW、圧力6.7×10Paで発生したアルゴンプラズマ中に80μmの球状水酸アパタイト粉末を導入し、プラズマ火炎直下の水冷ステージに設置したTi基板に水酸アパタイト皮膜を作製した。皮膜形成後に、600℃、2時間の熱処理と、120℃、2時間の水熱処理を行った。
図1に、当該皮膜の粉末X線回折(XRD)パターンを示す。XRD測定により得られた回折ピーク強度から、式(1)にて皮膜中の水酸化アパタイトの配向指数Nh を求めた。
ここで、Fhは式(2)から計算されるピークの強度比であり、Fは無配向の試料から得られた回折パターンから計算したピークの強度比で、JCPDS 9−432から求めた。Ihは(h)の回折強度を示す。配向指数は値が大きいとき、対応する面が優先的に出現していることを示し、値が1に等しい場合は無配向と同程度の出現頻度、小さい場合は対応する面の出現頻度が無配向の場合より小さいことを示す。得られた配向指数はN002=9.00、N300=0.09、N004=6.41で、(00L)面(c面)が優先的に出現しており、基材表面に対して垂直方向にc軸配向していることを示している。回折パターンのバックグラウンドの強度比をアモルファス相の含有量の異なる標準試料と比較することで皮膜の結晶化度を求めたところ、84mass%であった。
図2に、ケミカルエッチングした皮膜断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。皮膜の表面に対して垂直方向(基材表面に対して垂直方向)に柱状の微構造が皮膜表面近傍(図2b)や皮膜内部(図2c)に観察できる。また、皮膜はラメラ状に積層した粒子からなることが観察できる。皮膜中にはアモルファス相が溶出して形成されるような微構造は観察されなかった。
(c軸方向に優先配向した水酸アパタイトを含有し、皮膜の表面近傍に酸化カルシウムを含有しない水酸アパタイト皮膜を有する細胞培養担体)
上記実施例1と同じ条件で、円盤状の純チタン基板上に水酸アパタイト皮膜を形成して細胞培養担体を作製した。図3に、c軸方向に優先配向した水酸アパタイトを含有し、皮膜の表面近傍に酸化カルシウムを含有しない水酸アパタイト皮膜を有する円盤状の形状をした細胞培養担体の写真を示す。細胞培養に必要な面積を有する板状の担体を容易に作製することが可能であった。
(c軸方向に優先配向した水酸アパタイトを含有し、皮膜の表面近傍に酸化カルシウムを含有しない水酸アパタイト皮膜を有する生体インプラント)
上記実施例1と同様の条件で、ロッド状の純チタン基材上に水酸アパタイト皮膜を形成して生体インプラントを作製した。図4に、c軸方向に優先配向した水酸アパタイトを含有し、皮膜の表面近傍に酸化カルシウムを含有しない水酸アパタイト皮膜を有するロッド状のインプラントの写真を示す。インプラント用の形状の基材上に当該水酸アパタイト皮膜を容易に形成することが可能であった。
(c軸方向に優先配向した水酸アパタイトを含有し、皮膜の表面近傍に酸化カルシウムを含有しない皮膜)
上記実施例1と異なる基材温度で溶射を行った以外は同様の手順で熱処理等を行い皮膜を形成した。図5に、実施例1と異なる調製条件で作製した皮膜の粉末X線回折(XRD)パターンを示す。得られた配向指数はN002=7.68、N300=0.21、N004=4.98で、(00L)面(c面)が優先的に出現しており、基材表面に対して垂直方向にc軸配向していることを示している。回折パターンのバックグラウンドの強度比をアモルファス相の含有量の異なる標準試料と比較することで皮膜の結晶化度を求めたところ、84mass%であった。
(c軸方向に優先配向した水酸アパタイトとa軸方向に優先配向した四リン酸カルシウムを含有し、皮膜の表面近傍に酸化カルシウムを含有しない皮膜)
上記実施例1と異なり、溶射を行った後に加熱処理を行わず、水熱処理のみを行うことにより皮膜を作製した。図6に、実施例1と異なる調製条件で作製した皮膜の粉末X線回折(XRD)パターンを示す。得られた水酸アパタイトの配向指数はN002=8.97、N300=0.11、N004=6.82で、(00L)面(c面)が優先的に出現しており、基材表面に対して垂直方向にc軸配向していることを示している。また、当該皮膜の回折パターンは皮膜中に三リン酸カルシウム(α−TCP、β−TCP)ならびに四リン酸カルシウム(TTCP)が存在し、四リン酸カルシウムは基材に対して垂直方向に結晶のa軸方向が優先的に配向していることを示している。回折パターンのバックグラウンドの強度比をアモルファス相の含有量の異なる標準試料と比較することで、皮膜の結晶化度を求めたところ、57mass%であった。
(c軸方向に優先配向した水酸アパタイトを含有し、皮膜の表面近傍に酸化カルシウムを含有しない皮膜)
上記実施例1と異なる基材温度で溶射を行った以外は同様の手順で熱処理等を行い皮膜を形成した。図7に、実施例1と異なる調製条件で作製した皮膜の粉末X線回折(XRD)パターンを示す。得られた水酸アパタイトの配向指数はN002=1.94、N300=0.91、N004=1.51で、」(00L)面(c面)が優先的に出現しているが、皮膜の結晶配向性は低い。回折パターンのバックグラウンドの強度比をアモルファス相の含有量の異なる標準試料と比較することで、皮膜の結晶化度を求めたところ、81mass%であった。
比較例1
(結晶の配向性がない水酸アパタイト)
図7に、結晶の配向性がない水酸アパタイトの成形体のXRDパターンを示す。
比較例2
(c軸方向に優先配向した水酸アパタイトを含有し、皮膜の表面近傍に酸化カルシウムを含有する皮膜)
上記実施例1と異なり、溶射を行った後に加熱処理のみを行うことにより皮膜を作製した。図8に、実施例1と異なる調製条件で作製した皮膜の粉末X線回折(XRD)パターンを示す。得られた水酸アパタイトの配向指数はN002=、N300=0.11、N004=6.62で、(00L)面(c面)が優先的に出現しており、基材表面に対して垂直方向にc軸配向していることを示している。また、当該皮膜の回折パターンには酸化カルシウム(CaO)に対応する明瞭なピークが観察される。回折パターンのバックグラウンドの強度比をアモルファス相の含有量の異なる標準試料と比較することで、皮膜の結晶化度を求めたところ、82mass%であった。
比較例3
(c軸方向に優先配向した水酸アパタイトとa軸方向に優先配向した四リン酸カルシウムを含有し、皮膜の表面近傍に酸化カルシウムを含有する皮膜)
上記実施例1と異なり、溶射を行った後に加熱処理及び水熱処理を行わずに皮膜を作製した。図9に、実施例1と異なる調製条件で作製した皮膜の粉末X線回折(XRD)パターンを示す。得られた水酸アパタイトの配向指数はN002=7.62、N300=0.21、N004=4.89で、(00L)面(c面)が優先的に出現しており、基材表面に対して垂直方向にc軸配向していることを示している。また、当該皮膜の回折パターンには皮膜中に三リン酸カルシウム(α−TCP、β−TCP)、四リン酸カルシウム(TTCP)ならびに酸化カルシウム(CaO)が存在し、四リン酸カルシウムは基材に対して垂直方向に結晶のa軸方向が優先的に配向していることを示している。回折パターンのバックグラウンドの強度比をアモルファス相の含有量の異なる標準試料と比較することで、皮膜の結晶化度を求めたところ、62mass%であった。
以上詳述したように、本発明は、結晶配向性を有するアパタイトを被覆した生体インプラント及び細胞培養担体に係るものであり、本発明により、水酸アパタイトの結晶のc軸方向が基材に対して垂直方向に優先的に配向し、かつ当該皮膜の少なくとも表面近傍に酸化カルシウムがほとんど存在しないアパタイト皮膜を提供することができる。本発明は、人の歯のエナメル質に見られるような高い配向性を有し、かつ、特に生体内で炎症を引き起こすとされる酸化カルシウムが皮膜の少なくとも表面近傍においてほとんど含まないような水酸アパタイト皮膜、及び当該皮膜を有する生体インプラントならびに細胞培養担体を提供することを可能とするものである。本発明の水酸アパタイト皮膜は、結晶面に対する分子の吸着の差、結晶面の体液等への溶解性の差、結晶軸に対する諸物性の異方性、を利用した生体成分の特異的な吸着、分離の方法及び手段として有用である。
図1は当該水酸アパタイト皮膜のX線回折図を示す。 図2は当該水酸アパタイト皮膜の断面の走査型電子顕微鏡像を示す。 図3は当該水酸アパタイト皮膜を被覆した細胞培養担体を示す。 図4は当該水酸アパタイト皮膜を被覆したインプラントを示す。 図5は当該水酸アパタイト皮膜のX線回折図を示す。 図6は当該水酸アパタイト皮膜のX線回折図を示す。 図7は当該水酸アパタイト皮膜のX線回折図を示す。 図8は結晶配向性を有しない水酸アパタイト成形体のX線回折図を示す。 図9は酸化カルシウムを含有する水酸アパタイト皮膜のX線回折図を示す。 図10は酸化カルシウムを含有する水酸アパタイト皮膜のX線回折図を示す。

Claims (11)

  1. 基材上にアパタイトを主成分とする皮膜から成る被覆層を形成したアパタイト複合体において、当該皮膜が、堆積した粒子からされ、当該皮膜中に、扁平状の粒子の積み重なりからなる構造が形成されており、その粒子内部のアパタイトの結晶のc軸方向が基材に対して垂直方向に優先的に配向し、かつ、当該皮膜の少なくとも表面に酸化カルシウムが存在しないアパタイト複合体であって、
    上記アパタイトを主成分とする皮膜が、プラズマ溶射皮膜から成ることを特徴とするアパタイト複合体。
  2. 基材が、セラミックス及び/又は金属から成る請求項1に記載のアパタイト複合体。
  3. 三リン酸カルシウムならびに基材に対して垂直方向に結晶のa軸方向が優先的に配向した四リン酸カルシウムを含有する請求項1に記載のアパタイト複合体。
  4. 被覆層の厚さが、5〜1000μmである請求項1に記載のアパタイト複合体。
  5. 請求項1に記載のアパタイト複合体から成ることを特徴とする生体インプラント。
  6. チタン又はチタン合金から成る基材上に、上記アパタイトを主成分とする皮膜が形成され、被覆物内にチタン若しくはチタン合金、又はチタン若しくはチタン合金とそれらの窒化物の混合物を含有する層が形成されている請求項に記載の生体インプラント。
  7. 被覆層の厚さが、5〜1000μmである請求項に記載の生体インプラント。
  8. 表面の一部に凹凸が形成されている請求項に記載の生体インプラント。
  9. 請求項1に記載のアパタイト複合体から成ることを特徴とする細胞培養用担体。
  10. 請求項1に記載のアパタイト複合体から成り、生体成分に対するアフィニティーの差により、該生体成分を特異的に吸着、分離する作用を有することを特徴とする生体成分の吸着、分離用担体。
  11. 特定の生体成分を特異的に吸着、分離し、分析又は診断するための分析・診断用部材である請求項10に記載の担体。
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