JP4594274B2 - 熱交換器の洗浄装置及びその洗浄法 - Google Patents
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更に、本発明は、請求項2に記載の通り、請求項1に記載の洗浄装置において、該架台は、開口面を対向させた左右の型材と、夫々の型材の前後端間を連結した連結部材とで構成した方形の囲枠と、該囲枠を支持する脚部とから成り、夫々の型材内に前記移送部材と移動部材とを設けたことを特徴とする。
更に、本発明は、請求項3に記載の通り、請求項2に記載の洗浄装置において、該移送部材は、該左右の型材内にこれに沿って設けた送りねじ杆で構成し、該移動部材は、該送りねじ杆に螺合させた螺合部材と該螺合部材に取り付けた連結片とで構成し、該支持枠は、該連結片にその両端の軸支部で、支持枠の移動方向に対し前後に揺動自在に軸支させ、該左右のいずれか一方の連結片に該支持枠を前後に揺動させる駆動手段を連結したことを特徴する。
更に、本発明は、請求項4に記載の通り、請求項3に記載の洗浄装置において、該支持枠は、該左右の移動部材に揺動可能に軸支させた第1支持枠と、該第1支持枠に対し上下動自在に支持させた第2支持枠とで構成し、該第1支持枠に第2支持枠を上下動させる駆動手段を設けると共に、該第2支持枠に該列設の液噴射ノズルを支持させたことを特徴する。
更に、本発明は、請求項5に記載の通り、請求項4に記載の洗浄装置において、第2支持枠に該列設の液噴射ノズルを上下動自在に支持させると共に、該列設の液噴射ノズルを個々に上下動させる駆動手段を夫々設けたことを特徴する。
更に、本発明は、請求項6に記載の通り、洗浄される矩形状の大型のパネル式の熱交換器と略同じ長さと幅を有する矩形状の囲枠と該囲枠から下垂した脚とから成り、且つ該パネル式の熱交換器上に設置される移送用架台の囲枠の長手の両側枠部内にモータにより駆動される移送部材と該移送部材によって移動する移動部材を設けると共に、その両側の該移動部材と請求項1乃至5のいずれか1つに記載の洗浄装置の方形の囲枠の両側枠部を連結片を介し連結することにより、該洗浄装置を該移送用架台の長手方向に沿って移動自在に架設したことを特徴とする移動式洗浄装置に存する。
更に、本発明は、請求項7に記載の通り、請求項6に記載の洗浄装置において、該移送用架台は、大型のパネル式熱交換器の長さ及び幅と略同じ寸法を有する矩形状の該囲枠の幅方向で対向する左右1対の長手の両側枠部の開口部を対向させたC型材で構成すると共に、夫々のC型材内に設けた該移送部材を送りねじ杆で構成し、該移動部材を該送りねじ杆に螺合する螺合部材で構成し、該螺合部材と前記請求項1乃至5のいずれか1つに記載の洗浄装置の囲枠の両側枠部を該C型材の開口部を挿通する連結片により連結させたことを特徴とする。
更に、本発明は、請求項8に記載の通り、クレーンなどにより電車の屋根から冷房ユニットを台座上に下ろした後、該冷房ユニット内に横設されている長手大型のパネル式熱交換器の上面の一部の面域の上方を跨いだ状態に、請求項1乃至7のいずれか1つに記載の洗浄装置を架設し、その下方の該熱交換器の該一部の面域の洗浄を終了後、該洗浄装置をクレーンや人手などにより、洗浄するべき面域に移動させて、該熱交換器の全面を少なくとも2回に分けて洗浄するようにしたことを特徴とする熱交換器の洗浄法に存する。
更に、本発明は、請求項9に記載の通り、クレーンなどにより電車の屋根から冷房ユニットを台座上に下ろした後、該冷房ユニット内に横設されている長手大型のパネル式熱交換器の上面の一部の面域の上方を跨いだ状態に、且つ長手の移送用架台の長さ方向に往復動自在に請求項1乃至7のいずれか1つに記載の洗浄装置を架設し、該移送用架台の一端から他端まで少なくも一往復動させ、該長手大型の熱交換器の全面域を連続的に洗浄するようにしたことを特徴とする熱交換器の洗浄法に存する。
更に請求項2に記載の発明によれば、簡単な構成で、上記効果を達成できると共に、該架台を構成する方形の囲枠には、これを支える脚を備えることで、該脚を熱交換器の上面を跨ぎ該熱交換器の周縁に載置するだけで、列設した液噴射ノズルの下方に、該熱交換器の上面との間に、液噴射ノズルから該熱交換器に対し吹き付け洗浄に適した間隔を確保できる。
更に請求項3に記載の発明によれば、該移送部材は、該左右の型材内にこれに沿って設けた送りねじ杆で構成し、該移動部材は、該送りねじ杆に螺合させた螺合部材と該螺合部材に取り付けた連結片とで構成し、該支持枠は、該連結片にその両端の軸支部で、支持枠の移動方向に対し前後に揺動自在に軸支させ、該左右のいずれか一方の連結片に、該支持枠を前後に揺動させる該駆動手段を設けたので、簡単な構成で、前記熱媒体循環管のノズルから噴射される洗浄液を、各熱媒体循環管の正面ばかりでなく、洗浄し難いその両側面にも直接強力に吹付けることができ、各熱媒体循環管に対する優れた洗浄効果をもたらす。
更に請求項4に記載の発明によれば、該駆動手段により、該列設の液噴射ノズルを一挙に下動させ、熱交換器に接近させるときは、該熱交換器に力強く洗浄液を吹き付けることが出来て、該熱交換器に付着している凝着物を効率良く取除くことが出来る。一方、列設の液噴射ノズルを一挙に上動させ、熱交換器から後退させるときは、該熱交換器に対する洗浄液の吹き付け面域を広げることが出来ると共に、凝着物等の汚れを洗い流すことが出来る。
更に、請求項5に記載の発明によれば、該駆動手段により、該支持枠に列設の液噴射ノズルの個々を、ばらばらに上下動させることが出来るので、洗浄作業中、これら液噴射ノズルを個々をばらばらに上下動させつつ洗浄することで、該熱交換器に対する洗浄液の吹き付け状態が複雑化し、更に洗浄効果を高めることが出来る。
更に、請求項6に記載の発明によれば、洗浄装置をクレーンなどにより洗浄すべき面域に移設するに比し、熱交換器の全面域の洗浄を容易、迅速且つ高能率に行うことが出来る。
更に、請求項7に記載の発明によれば、移動式洗浄装置を簡単に構成でき、且つ上記請求項6に記載の発明による効果と同様の効果を達成できる。
更に請求項8に記載の発明によれば、洗浄するべき長手大型のパネル式熱交換器自体を台座上に横設した状態とし、その上面に本発明の上記洗浄装置を架設した状態とし、該パネル式熱交換器面にその上方から洗浄液を吹き付け洗浄できるが、洗浄するべき熱交換器を具備した本体から該熱交換器を取り外すことなく、該熱交換器に側方から洗浄液を吹き付け洗浄するに比し、良好に且つ高能率に洗浄できる。
更に請求項9に記載の発明によれば、該該長手大型の熱交換器を本発明の上記該洗浄装置によりその全面域を洗浄するに当たり、該洗浄装置をクレーンや人手などにより移設し、少なくとも2回に分けて洗浄する作業に比し、容易且つ高効率に洗浄作業を行うことができる。
図1乃至図3は、電車の屋根Rに取り付けられた冷房ユニットXを示す。
該冷房ユニットXは、ケースDと、該ケースD内を隔壁Yによって、大型のパネル式熱交換器B,Bを配設した2つの各放熱室X1と、大型のパネル式熱交換器B,Bを配設した吸熱室X2とこれら熱交換器B,B,…と連なる一対のコンプレッサーM,M等を備える機械室X3と、これらの上面を覆う共通のカバーZとから成る。図でH1は、吸熱室X2に設けたファン、H2は、各放熱室X1に設けたファン、Sは、吸熱室X2に設けた熱交換器B,BとカバーZとの間に介在するシール部材、図2並びに図3に示す矢印は、該冷房ユニットXを通過する空気の流れを示す。
尚、放熱室X1内に設置されている該熱交換器B,Bは、図2に示す如く、紙面に平行な前後の隔壁Y,Yの対向面から夫々ハの字に突出するブラケットY1,Y1上に載置して、両者の内端が高くなるように水平に対し傾斜した状態で横設されており、吸熱室X2内に設置されている該熱交換器B,Bは、図3に示す如く、紙面に平行な前後の隔壁Y,Yの対向面から夫々逆ハの字に突出するブラケットY1,Y1上に載置して、両者の内端が低くなるように水平に対し傾斜した状態に横置されている。
尚、夫々の室X1,X2内の夫々の該大型のパネル式熱交換器Bは、多数本の平行する細径の熱媒体循環管B1,B1…と多数枚の平行するフィンB2,B2…とを互いに直交させた主体部と該主体部を構成するこれら管及びフィンを被覆保持する方形の囲枠bとから成る。更に詳細には、該主体部は、例えば、直径10mm程度の細径の熱媒体循環管B1をピッチ20mm程度の間隔で水平方向に一列に配設すると共に、その複数列を上下方向において管B1,B1同士が重ならないように千鳥状に複数段、多いものでは5段配設して成り、これら管B1,B1…に直交するフィンB2,B2は3mm程度のピッチで配設されている。
B3は、下記のように、該コンプレッサーMと室X1,X2内に配設された熱交換器B,B,…とを接続し、熱媒体を循環せしめるための熱媒体循環接続管を示す。図1において、該機械室X3内の上側の接続管B3は、上側のコンプレッサーMにより、右側の放熱室X1内の一対の熱交換器B,Bと中央の吸熱室X2内の上側の該熱交換器Bとへ熱媒体を循環せしめるように接続配管されている。該機械室X3内の下側の接続管B3は、下側のコンプレッサーMより、左側の放熱室X1内の一対の熱交換器B,Bと中央の該吸熱室X2内の下側の該熱交換器とへ熱媒体を循環せしめるように接続配管されており、これら管B3,B3の配管の一部が図1及び図3に示すように、吸熱室X2内の夫々の熱交換器B,Bの上面の上方に現れている。
図面において、Aは洗浄装置を示し、図示の実施例では、冷房ユニットXの吸熱室X2内に横設された長矩形状の大型のパネル式熱交換器Bを3回に分けて洗浄するに適した小型で且つ構造簡単で比較的軽量な洗浄装置に構成したものである。更に詳細には、該洗浄装置Aは、図6乃至図8に示すように、概して、矩形状の囲枠1aと該囲枠1aの四隅に介在させた連結金具1c,1c,1c,1cの夫々から下方に垂直に延びる長さが等しく且つ該囲枠1aを支持する脚1b,1b,1b,1bとから成る架台1と、該囲枠1aの両側の枠部1a1,1a1間に差し渡され且つこれらに沿い往復動自在に支持された支持枠2と、該支持枠2にその長さ方向に複数個の、図示の例では、6個を列設された液噴射ノズル3a,3b,3c,3d,3e,3fとから成る簡単な構成とすると共に、該洗浄装置Aの大きさは、図4及び図5に示すように、洗浄すべき該熱交換器Bの上面にその幅方向の囲枠部b,bに左右一対の脚1b,1bを載せて架設したとき、該架台1の該方形の囲枠1aの両側枠部1b,1bの長さは、長矩形の該熱交換器Bの長さ方向の全長の約3分の1程度に構成したものである。
本洗浄装置Aの構成を更に詳述する。
該囲枠1aの両側の枠部1a1,1a1は、開口面を対向させた型材、例えば、C型角パイプで構成し、これと直交する連結部材としての両側の枠部1b1,1b1は丸パイプで構成し、該両側のC型角パイプ1a1,1a1内に、移送部材として例えば、送りねじ杆4,4を備え、夫々の送りねじ杆4,4に螺合せしめた移動部材として、螺合部材5,5に、これと一体で且つ該C型各パイプ1a1,1a1の開口面から突き出した連結片5a,5aを介して、該支持枠2を支持させることで、該支持枠2を移動させるようにした。
これを更に説明すると、各送りねじ杆4は、その先端側をコーナー金具1c内に設けた直角方向に回転軸を突出させたベベルギア部材6を介して、該丸パイプ1b1内に挿通した回転杆7,7と連結し、該回転杆7,7は、該丸パイプ1b1の略中央上面に取り付けた正逆回転モータ8の駆動軸に、上面と両側に回転軸を突出させたベベルギア部材9を介して連結されており、かくて、該正逆回転モータ8の回転によって、送りねじ杆4,4を回転させ、これに螺合する螺合部材5,5を移動させることで、該支持枠2を左右両側のC型角パイプ1a1,1a1に沿って移動させるようにした。
尚、該一側のC型角パイプ1a1内には、その前端側に接近させて2個のリミットスイッチLS1,LS2を、後端側にも同じく接近させて2個のリミットスイッチLS3,LS4を配し、前端側のLS1で該螺合部材5を検出したとき、該正逆回転モータ8の回転を減速させ、次いでLS2で該螺合部材5を検出したとき正逆回転モータ8を逆回転させ、同様に、後端側のLS3で該螺合部材5を検出したとき、該正逆回転モータ8の回転を減速させ、次いでLS4で該螺合部材5を検出したとき正逆回転モータ8を逆回転させることで、該支持枠2を熱交換器Bの上面に沿って往復移動させるようにした。
これを更に説明すると、図6,図8及び図9から明らかなように、第1支持枠2aは、その両側に位置するブロック2a-1,2a-1と、該ブロック2a-1,2a-1を挟んでその前後端に取り付けた連結板2a-2,2a-2とから成り、両該ブロック2a-1,2a-1の両側をその夫々の該軸支部10,10で該支持片5a,5aに夫々軸支させた。
該第2支持枠2bは、該第1支持枠2aの前後の該連結板2a-2,2a-2間に形成される空間を通り上下動自在に設けた。これを更に説明すると、該第2支持枠2bは、6個の液噴射ノズル3a,3b,3c,3d,3e,3fを上下に摺動自在に支持するノズル支持板2b-1と、該ノズル支持板2b-1の上方に設けた、各液噴射ノズル3a,3b,3c,3d,3e,3fを夫々上下動させるエアピストンシリンダ11a,11b,11c,11d,11e,11fを支持するエアピストンシリンダ支持板2b-2とから成り、該ノズル支持板2b-1とエアピストンシリンダ支持板2b-2とは、両側の連杆2b-3,2b-3で連結した。
尚、12は、該ノズル支持板2b-1に設けた各液噴射ノズル3a,3b,3c,3d,3e,3fを挿通支持させたスリーブ、wは両側の各支持片5aに配設した4個の車輪を示し、これら車輪wを両側の各C型角パイプ1a1の上下の開口縁に沿って転動させるようにし、これにより、螺合部材5,5を円滑且つ安定した状態で移動させるようにした。尚又、図面でwhは、各噴射ノズルに接続した洗浄液供給ホース、ahは、該エアピストンシリンダ11a,11b,…11f、13及び14に夫々接続するエア供給用ホースを示す。
更に、図6、図8及び図9に示すように、13は、左右の各ブロック2a-1及び2a-1上に支持させた左右の各エアピストンシリンダを示し、各エアピストンシリンダ13のピストン杆13aの下端を、該ノズル支持板2b-1に連結することで、両側の該エアピストンシリンダ13,13によって該第2支持枠2bを該第1支持枠2aに対し上下動させるようにした。14は、該方形の囲枠1aの1側の連結片5aから該枠部1a1に沿って延びる長手板部5a′に支持させたエアピストンシリンダを示し、該エアピストンシリンダ14のピストン杆14aを伸縮ストロークの中間位置に存し、該支持枠2に列設の液噴射ノズル3a,3b,…3fが真下を向いた状態で、その先端部14bを該ブロック2a-1から上方に突出するピン15に螺子15aにより締め付け連結せしめ、これにより、該エアピストンシリンダ14によって、該支持枠2を図8及び図9に示すように該軸支部10を中心に、前後方向に揺動し得るようにした。
尚、各液噴射ノズルの噴射パターンは、円錐状の噴射パターンを生ずるものが好ましい。また、洗浄液は加温して用いることが好ましい。
また、該エアピストンシリンダ14をそのピストン杆14aを中間位置から伸張状態のまま、或いは収縮状態のままにするときは、該列設の液噴射ノズル3a,3b,…3fを前方又は後方に傾斜したままの状態で斜めの吹き付けを続行することができ、特に汚れの酷い個所や該熱交換器Bの幅方向の両縁の汚れを充分に洗浄することができる。
尚、図4、図5及び図6に示すように、該エアピストンシリンダ13,13により、該熱交換器Bの上方に該熱媒体循環接続管B3の一部が配管されている面域を洗浄する場合には、該支持枠2の往復動走行に当たり、該エアピストンシリンダ13,13により該ノズル支持板2b-1を上動位置に保ち、該列設の液噴射ノズル3a,3b,…3fをその管B3より上方に位置した状態に保持すれば該管B3との衝突を回避し乍ら洗浄できるばかりでなく、該管B3の下方の熱交換器Bの面を洗浄するには、列設の液噴射ノズル3a,3b,…3fを下動すると共に、該支持枠2を傾動させてこれら液噴射ノズルを該管B3の下方の面に向け斜め方向から吹き付けることにより、良好な洗浄を行うことができる。
尚、脚部1a′は、四隅に設けたブロック20,20,20,20と、各ブロック20,20,20,20を連結する連結杆21と、各ブロック20,20,20,20から下方に垂直方向に延び各脚1b,1b,1b,1bから成る。更に、該4本の脚1b,1b,1b,1bの夫々の上部の外側面に固設した取付板16から水平に延びる水平板16aの下面にエアピストンシリンダ17を上下方向に取り付け、そのピストン杆17aを該水平板16aに貫通すると共に該ピストン杆17aの上端に接続した該支持杆18を該コーナー金具1cの側面から水平に突出する支軸19に枢着させた。かくして、該方形の囲枠1aの四隅に配設したエアピストンシリンダ17,17,17,17のピストン杆17a,17a,17a,17aを伸張させることにより、夫々の支持杆18,18,18,18を介し該架台1を所望の高さに上昇させ、これに伴い、該支持枠2の高さ、従って、これに列設の液噴射ノズル3a,3b,…3fを所望の高さに調節することができる。また、該洗浄装置Aの該支持枠2の往復動走行中に、これら4本のピストン杆17a,17a,17a,17aの伸張度を変えることにより、該支持枠2を前後左右などあらゆる方向に傾斜せしめることができ、従って、これに伴い、液噴射ノズル3a,3b,…3fの全部を一挙に所望の方向に傾斜せしめた状態で該熱交換器Bに洗浄液を斜め方向に吹き付けることができるようにし、該熱交換器Bに対する複雑な洗浄を行えるようにした。
尚、該給液中継部23には導管25が導出されており、これに外部の洗浄液供給源からのホース(図示しない)を接続し、ナット26で締め付け、これにより該給液中継部23に洗浄液が供給されるようにした。該給気中継部22に接続されている夫々のエアホースは外部のエア供給源(図示しない)に接続されていることは言うまでもない。
これを説明すると、タッチパネル(図示しない)に表示される主スイッチに触れると、該正逆回転モータ8が作動し、送りねじ杆4,4を回転させる。これに伴って該送りねじ杆4,4に螺合する該螺合部材5,5がこれに沿って移動し、該螺合部材5,5にこれと一体の連結片5a,5aを介して支持されている該支持枠2も移動する。その移動で該螺合部材5,5が一方の該リミットスイッチLS1に触れると該正逆回転モータ8は減速し、次いで該リミットスイッチLS2に触れると回転方向を反転させる。これに伴って該送りねじ杆4,4の回転も反転し、これに螺合する該螺合部材5,5も送りねじ杆4,4に沿って逆方向に移動し、該連結片5a,5aに支持される該支持枠2もこれに伴って逆方向に移動する。そして、その移動で、該螺合部材5,5が他方の該リミットスイッチLS3に触れると該正逆回転モータ8は減速し、次いで該リミットスイッチLS4に触れると回転方向を反転させる。かくして、該支持枠2は、この往復動を繰り返すことで、該架台1の該方形の囲枠1aの該両側枠部1a1,1a1に沿ってその一方端から他方端への往復動を繰り返し、該支持枠2に列設の該液噴射ノズル3a,3b,3c,3d,3e,3fは熱交換器Bの上面に沿って往復動する。一方、タッチパネルに表示の開始スイッチに触れることで、ポンプにより液噴射ノズル3a,3b,…3fに洗浄水を圧送し、該熱交換器への吹き付け洗浄を行う。
プログラムコントローラPCに設定された指令信号によって、該液噴射ノズル3a,3b,3c,3d,3e,3fを前後に揺動させるエアピストンシリンダ14と、これらの液噴射ノズル3a,3b,…3fを一挙に上下動させるエアピストンシリンダ18,18と、これら液噴射ノズル3a,3b,3c,3d,3e,3fを個々に上下動させるエアピストンシリンダ11a,11b,11c,11d,11e,11fと、該方形の囲枠1aを昇降させたり、所望の方向に傾けて、該方形の囲枠1aに支持される支持枠2の高さを変えたり、所望の方向に傾ける4個のエアピストンシリンダ17,17,17,17とを該制御用電磁弁筐体24内の所要の電磁弁を切り換え操作することにより、選択的に制御し、これら液噴射ノズル3a,3b,3c,3d,3e,3fの前後の揺動は、一挙による上下動、各別による上下動、該高さの変更、所望の方向への傾動を夫々単独の或いはこれらを組み合わされた動作を行うようにした。
更に詳細な洗浄操作を例示すると、タッチパネルに表示される表示に触れ、又はタッチパネルに設定した指令により、該エアピストンシリンダ14により、該液噴射ノズル3a,3b,3c,3d,3e,3fを前後に揺動させつつ洗浄すれば、図5に示す如く、該熱媒体循環管B1,B1,…が該支持枠2の往復動走行方向に対し直交する場合、該熱媒体循環管B1,B1,…の両側面にも直接洗浄液を吹付けて洗浄効果を高めることができ、更に、該エアピストンシリンダ13,13により、該液噴射ノズル3a,3b,3c,3d,3e,3fを該熱交換器Bに下動接近させるときは、該熱交換器Bに洗浄液を強く吹き付けることができて、該熱交換器Bに付着する凝着物を効率よく取り除くことができ、また、これら液噴射ノズルを熱交換器Bから上動後退させるときは、該熱交換器Bの比較的広い面域に洗浄液を吹きつけることが出来て凝着物、その他の汚れ等を効率よく洗い流すことができる。
この場合、該エアピストンシリンダ13,13により該液噴射ノズル3a,3b,…3fを一挙に上下動させると共に、エアピストンシリンダ11a,11b,…11fにより、該液噴射ノズル3a,3b,…3fの夫々を、同期させて、或いは時差を付けて上下動させるときは、該液噴射ノズル3a,3b,3c,3d,3e,3fから熱交換器Bに向けて噴射される洗浄液による洗浄作用に相乗効果をもたらす。
また、図5において、該支持枠2の往復動において、該支持枠2が該方形の囲枠1aの幅方向の各側枠部1b1側に移動した位置において、該エアピストンシリンダ13,13により該液噴射ノズル3a,3b,…3fを下動させると共に、該エアピストンシリンダ14により前方又は後方へ傾けた状態で、該熱交換器Bの四周囲枠bの幅方向の各枠部bに洗浄液を集中的に且つ強い力で吹き付けることができるので、これらに付着している汚れを効率よく洗浄することができ、特に、傾斜状態に横設された該熱交換器Bでは、その下端側の側枠部1b1に溜まり易い粉塵を効率よく洗浄除去できる。
また、該架台1の四隅の脚1b,1b,1b,1bに取り付けたエアピストンシリンダ17,17,17,17のピストン杆17a,17a,17a,17aのうち、少なくともいずれか1つのエアピストンシリンダ17のピストン杆17aを上動させることにより該方形の囲枠1aを、即ち、該支持枠2を所望の方向に傾斜させることができるので、該列設の液噴射ノズル3a,3b,…3fを一挙に、該熱交換器に対し、あらゆる方向に斜傾せしめた状態で吹き付け洗浄を行うことができる。
該洗浄装置Aで熱交換器Bの長さ方向の図5で下部側の該熱交換器Bの上方に熱媒体循環接続管B3が存する3分の1の面域を洗浄する場合には、該支持枠2を往復動させ洗浄するに当たり、該熱媒体循環接続管B3が無い面部では、エアピストンシリンダ13,13により該液噴射ノズル3a,3b,…3fを下動させた状態で洗浄し、該管B3の近傍から、該管B3より上方に上動させて該支持枠2を移動させることができるばかりでなく、図5で左側の一対のエアピストンシリンダ17,17のピストン杆17a,17aを上動させ、該支持枠2の該液噴射ノズル3a,3b,…3fを該管B3の斜め方向に向けた状態で該管B3の下方の熱交換器Bの面を吹き付け洗浄することができる。
尚、夫々のエアピストンシリンダ11a乃至11f,13,13,14及び17,17,17,17の動作するタイミングは、プログラムコントローラPCに予め設定した指令信号によって行わせ、その速度の調節は、夫々のエアピストンシリンダ11a乃至11f,13,13,14及び17,17,17,17に設けた絞り弁(図示しない)を調節することで行う。
また、該液噴射ノズル3a,3b,3c,3d,3e,3fによる洗浄を一定時間行った後、タッチパネルに表示される終了スイッチに触れることで、又は、プログラムコントローラPCに設定される作業時間の経過後、プログラムコントローラPCからの指令で、該液噴射ノズル3a,3b,3c,3d,3e,3fによる洗浄を終了する。
尚、該洗浄装置Aを水平に対し傾斜した状態の熱交換器Bに載置して洗浄を行うに当たり、所望により、該洗浄装置Aの複数本の脚1b,1b内に紐を掛け渡し、該冷房ユニットXのケースDに配設された耳G,Gに掛け止め、安定した状態に設置しておくことが好ましい。
図面で、A′は移動式洗浄装置を示し、該移動式洗浄装置A′は、移送用架台27と該移送用架台27に該熱交換器Bの長さ方向に移送自在に支持された前記の本発明の洗浄装置Aとから成る。更に詳細には、該移送用架台27は、長矩形状の囲枠27aと該囲枠27aの四隅の下面から下垂した同じ長さの脚27b,27b,27b,27bとから成る。該長矩形の囲枠27aの両側枠部27a-1,27a-1の長さは、該洗浄装置Aの該方形の囲枠1aの両側枠部1b1,1b1の約3倍とし、その両側枠部27a-1,27a-1の両端間を連結する幅方向の両側枠部27b-1,27b-1は、該洗浄装置Aの該方形の囲枠1aの両側枠部1a1,1a1より僅かに長い長さを有する。長手方向の該両側枠部27a-1,27a-1の両端と幅方向の該両側枠27b-1,27b-1の両端は夫々コーナー金具28で連結されており、該両側枠部27a-1,27a-1は開口面を対向させたC型角パイプで構成され、該両側枠部27b-1,27b-1は丸パイプで構成されている。更に、夫々のC型角パイプ27a-1,27a-1内には、送りねじ杆29,29を備え、その各送りねじ杆29に、これに螺合する螺合部材30を備える。各送りねじ杆29は、その一端側を該コーナー金具28内に設けた直角方向に回転軸を突出させたベベルギア部材31を介し該丸パイプ27b-1内に挿通した回転杆32,32と連結され、該回転杆32,32は、該丸パイプ27b-1の略中央の上面に設けた正逆回転モータ33の駆動軸に該丸パイプ内に設けた、上面と両側に回転軸を突出させたベベルギア部材34を介して連結されている。
尚、この移動式洗浄装置A′を用いる場合には、該洗浄装置Aの該架台1を支持した脚部1a′を省いて使用してもよい。
更に詳細には、該洗浄装置Aを少なくとも1回往復動させて横設の大型のパネル式熱交換器を洗浄する実施例を以下に説明する。
例えば、該移動式洗浄装置A′を長さ1,400mm、幅400mmを有する長矩形状の大型のパネル式熱交換器(図示しない)を連続的に移動洗浄する洗浄法を具体的に図12を参照し説明する。
実施例1
該熱交換器の洗浄を1往復で1工程とする洗浄法:
該洗浄装置Aを図12示の該移送用架台27の長さ方向の一端に位置させた状態において、該洗浄装置Aの該支持枠2を20mm/secの移動速度で、往動20秒、復動20秒かけるように往復動させ、その間、該支持枠2に列設の液噴射ノズル3a,3b,…3fを、該支持枠2の往復動に沿い、その揺動割合を1往復10秒とし、洗浄液としてアルカリ洗浄液を4〜7メガパスカルの範囲の高圧で該熱交換器に吹き付け洗浄するようにする一方、該洗浄装置Aの始動から20秒後に、該正逆回転モータ33を始動し、該洗浄装置Aを5mm/secの移動速度で、該移送用架台27の長さ方向に移動させ、該移送用架台27が他端に達するまでの往動を4分40秒かけて行うようにし、この間、連続往動洗浄を行い、次いで、その他端に到達後、引き続き、静止状態で20秒間、上記の高圧洗浄を行った後、アルカリ洗浄液から水道水や温水などに切り換えた洗浄液で静止状態で、20秒間、上記と同じ高圧で吹き付け洗浄を行った後、該正逆回転モータ33の逆回転により、該洗浄装置Aの復動が同様の移動速度で4分40秒かけて元の一端の位置に戻るようにした連続復動洗浄を行い、引き続き、その元の位置で、静止状態で20秒間上記の高圧洗浄を行った。かくして、該洗浄装置Aの1往復1工程による連続移動式洗浄を約10分の短時間で完了するようにした。
実施例2
該熱交換器の洗浄を2往復で1工程とする洗浄法:
その洗浄液は、1回目の往復には、アルカリ洗浄液による洗浄を行い、2回目の往復には、洗浄液として水道水や温水に切り換えて洗浄を行うようにした。また、実施例1と同様に、これら洗浄液により、4〜7メガパスカルの範囲の高圧洗浄を行った。
熱交換器としては、実施例1と同じ熱交換器に適用した場合に、該洗浄装置Aの該支持枠の移動速度は40mm/sec、往動、復動とも10秒かけた。その間、該液噴射ノズル3a,3b,…3fの揺動割合を1往復5秒とした。一端の位置にある該洗浄装置Aの始動より10秒遅れて該洗浄装置Aを始動し、その移動速度を10mm/secとし、該移送用架台27の一端から他端に達するまでに2分20秒をかけて移動させた。該洗浄装置Aがその他端に到着後、引き続き、その位置で、静止状態で10秒間上記の高圧洗浄を行った後、他端から一端への復動を開始する前に、静止状態で10秒間、上記の高圧洗浄を行った後、復動移動を開始し、10mm/secの移動速度で復動され、2分20秒かけて元の一端の位置に到着するようにした連続往復動洗浄を行った。かくして、該洗浄装置Aの2往復1工程による連続移動洗浄を実施例1と同様に約10分の短時間で完了するようにした。
尚また、該洗浄装置Aの該脚部は、上記の実施例に示す構成のものに限定するものではなく、図示しないが、長さの等しい脚を該方形の囲枠に直接取り付ける構成としてもよい。
1a 方形の囲枠
2 支持枠
3a〜3f 液噴射ノズル
4 移送部材,送りねじ杆
5a 連結片
11a〜11f エアピストンシリンダ
13 エアピストンシリンダ
14 エアピストンシリンダ
17 エアピストンシリンダ
1a′ 脚部
18 支持杆
A 洗浄装置
27 移送用架台
A′ 移動式洗浄装置
B 熱交換器
Claims (9)
- 多数本の平行管部を形成する熱媒体循環管と、これら平行管部に対し直交し且つ各平行管部の長さ方向に沿い配設された無数のフィンとで構成されると共に、水平又は水平に対し傾斜した状態に横設される大型のパネル式熱交換器の上面の一部の上方に跨った状態に設置した架台と、該架台の両側の枠部に沿って往復動自在に設けた支持枠と、該支持枠に列設した液噴射ノズルとから成り、該架台には、移送部材と該移送部材によって移動する移動部材を備え、該移動部材により該支持枠を前記パネル式の熱媒体循環管と直交する方向に走行自在に支持すると共に、該移動部材による該支持枠の支持は、軸支部を介し該支持枠の走行方向の前後方向に揺動自在に軸支させ、更に、該左右のいずれか一方の移動部材側に該支持枠を前後に揺動させる駆動手段を設けたことを特徴とする熱交換器の洗浄装置。
- 該架台は、開口面を対向させた左右の型材と、夫々の型材の前後端間を連結した連結部材とで構成した方形の囲枠と、該囲枠を支持する脚とから成り、夫々の型材内に前記移送部材と該移送部材によって移動する移動部材とを設けたことを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
- 該移送部材は、該左右の型材内にこれに沿って設けた送りねじ杆で構成し、該移動部材は、該送りねじ杆に螺合させた螺合部材と該螺合部材に取り付けた連結片とで構成し、該支持枠は、該連結片にその両端の軸支部で、支持枠の移動方向に対し前後に揺動自在に軸支させ、該左右のいずれか一方の連結片に、該支持枠を前後に揺動させる該駆動手段を連結したことを特徴する請求項2に記載の洗浄装置。
- 該支持枠は、該左右の移動部材に揺動可能に軸支させた第1支持枠と、該第1支持枠に対し上下動自在に支持させた第2支持枠とで構成し、該第1支持枠に第2支持枠を上下動させる駆動手段を設けると共に、該第2支持枠に該列設の液噴射ノズルを支持させたことを特徴する請求項3に記載の洗浄装置。
- 該第2支持枠に該列設の液噴射ノズルを上下動自在に支持させると共に、該列設の液噴射ノズルを個々に上下動させる駆動手段を夫々設けたことを特徴する請求項4に記載の洗浄装置。
- 洗浄される矩形状の大型のパネル式の熱交換器と略同じ長さと幅を有する矩形状の囲枠と該囲枠から下垂した脚とから成り、且つ該パネル式の熱交換器上に設置される移送用架台の囲枠の長手の両側枠部内にモータにより駆動される移送部材と該移送部材によって移動する移動部材を設けると共に、その両側の該移動部材と請求項1乃至5のいずれか1つに記載の洗浄装置の方形の囲枠の両側枠部を連結片を介し連結することにより、該洗浄装置を該移送用架台の長手方向に沿って移動自在に架設したことを特徴とする移動式洗浄装置。
- 該移送用架台は、大型のパネル式熱交換器の長さ及び幅と略同じ寸法を有する矩形状の該囲枠の幅方向で対向する左右1対の長手の両側枠部の開口部を対向させたC型材で構成すると共に、夫々のC型材内に設けた該移送部材を送りねじ杆で構成し、該移動部材を該送りねじ杆に螺合する螺合部材で構成し、該螺合部材と前記請求項1乃至5のいずれか1つに記載の洗浄装置の囲枠の両側枠部を該C型材の開口部を挿通する連結片により連結させたことを特徴とする請求項6に記載の移動式洗浄装置。
- クレーンなどにより電車の屋根から冷房ユニットを台座上に下ろした後、該冷房ユニット内に横設されている長手大型のパネル式熱交換器の上面の一部の面域の上方を跨いだ状態に、請求項1乃至7のいずれか1つに記載の洗浄装置を架設し、その下方の該熱交換器の該一部の面域の洗浄を終了後、該洗浄装置をクレーンや人手などにより、洗浄するべき面域に移設し、該熱交換器の全面を少なくとも2回に分けて洗浄するようにしたことを特徴とする熱交換器の洗浄法。
- クレーンなどにより電車の屋根から冷房ユニットを台座上に下ろした後、該冷房ユニット内に横設されている長手大型のパネル式熱交換器の上面の一部の面域の上方を跨いだ状態に、且つ長手の移送用架台の長さ方向に往復動自在に、請求項1乃至7のいずれか1つに記載の洗浄装置を架設し、該移送用架台の一端から他端まで少なくも一往復動させ、該長手大型の熱交換器の全面域を連続的に洗浄するようにしたことを特徴とする熱交換器の洗浄法。
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