JP4593877B2 - 発熱調節方法と装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【関連出願の説明】
この発明は、出願日2000年11月7日に、発明の名称「発熱調節方法と装置」で出願した、米国仮特許出願第60/246,620号、および出願日5/8/00に、発明の名称「選択的器官冷却カテーテルの製作方法」で出願した、米国特許出願第09/566,531号の一部継続出願である。この米国特許出願第09/566,531号は、出願日1998年6月23日に、発明の名称「選択的器官冷却カテーテル、およびその使用法」で出願した、米国特許出願第09/103,342号であって、今特許証発行された米国特許第6,096,068号の継続出願である。しかもこの米国特許出願第09/566,531号はまた、出願日2000年6月2日に、発明の名称「身体または器官冷却カテーテル使用時の有効熱量決定方法」で出願した、米国特許出願第09/586,000号の一部継続出願でもある。上記した全出願済み特許の全文を参照例として、ここに引用する。
【0002】
【連邦政府の支援に基づく調査、または開発に関する供述】
適用事項なし。
【0003】
【発明の背景技術】
この発明の技術分野。この発明は、広義には人体の温度降下、および調節に関する。さらに詳しくは、この発明は、特に発熱中の、全身冷却用血管内挿入冷却装置、および方法に関する。
【0004】
背景情報。脳、腎臓、心臓などの人体諸器官は、約37℃の一定温度に維持される。低体温法は、臨床的には芯体温を35℃以下にすることと定義できる。低体温法は、ときどき、その厳しさに応じて、さらに区分される。芯体温が33℃〜35℃の範囲にあることを、マイルド(軽度)低体温法と称する。芯体温が28℃〜32℃の範囲にあることを、モダレート(中度)低体温法と称する。芯体温が24℃〜28℃の範囲にあることを、シビアー(重度)低体温法と称する。
【0005】
低体温法は、様々な神経系外傷で惹起される脳傷害の軽減に、独特に効果的で、緊急脳蘇生法において、結局重要な役割を演じ得る。実験的証拠が次のことを実証した。大脳冷却を行うと、全身虚血、病巣虚血、または外傷性脳虚血症状後の結果が改善する。この理由故に、他の器官と同様、ある部分の身体的外傷から脳への影響軽減目的で、低体温法を誘発使用すると良い。
【0006】
大脳低体温法は伝統的に、全身冷却を通じて、20℃〜30℃の範囲の全身低体温状態を作り出す方法で、達成されてきた。現在採用されている技法、および装置では、全身低体温法が様々な副作用を引起こす傾向があった。有害な副作用に加え、現供用全身低体温法は、手数がかかる。
【0007】
全身低体温誘発用の、患者の血液流中へ挿入する、カテーテルが開発された。例えば、Datoの米国特許第3,425,419号は、人体の温度を昇降させる方法と装置について記述している。Datoは、固い金属カテーテルを用いて、モダレート低体温法を誘発する。
【0008】
該カテーテルは、例えば水のような流体が循環できる、内部流路を有する。該カテーテルは、大腿静脈を通じて挿入され、次に下大静脈を通じて右心房まで達し、次に上大静脈まで達する。
【0009】
該Dato式カテーテルは、細長い円筒型形状を有し、ステンレス鋼製である。参考までに、Datoは、長さ約70cmで、直径6mmのカテーテル使用を示唆した。このように、Dato式装置は、非常に細長い装置の全長にわたって冷却する。Dato式装置は、その長サイズと可撓性欠如のため、その使用には非常に手数がかかる。
【0010】
Ginsburgの米国特許第5,837,003号もまた、患者体温調節用の方法と装置を開示する。この技法においては、可撓性カテーテルが、大腿動脈、または静脈、あるいは頚静脈から挿入される。該カテーテルは、伝熱表面積増大化のために、バルーン型形状にすると良い。
【0011】
熱伝導性の優れた金属フォイルを、熱吸収表面の一部として使うことができる。この装置では、いかなる伝熱性増強法の可能性についても、開示または教示していない。その上、開示された装置は、温度調節についても開示していない。
【0012】
選択的または全身的いずれの冷却治療においても、有り得る不快症状は、発熱または低体温症状である。発熱に伴う危険に関する認識が広まりつつある。
【0013】
多くの患者、特に手術後、および/または、集中治療室(ケアユニット)の患者は、発熱に悩む。例えば、神経科集中治療室の、くも膜下出血症患者の90%は、発熱を有する。さらに、神経科集中治療室の頭骨内出血症患者の60%は、発熱を有する。神経科集中治療室の、脳外傷性傷害患者の80%は、発熱を有する。
【0014】
これらの患者は、典型的にタイルノール(鎮痛解熱剤の商標)、冷却毛布、またはその他の方法で治療される。これらの方法は、非常に効果的とは信じられておらず、しかもその上、それらは制御が困難である。
【0015】
従って、人体温度を降下させ、制御する実用的方法と装置こそが、永年懸案のニーズを満たすものである。
【0016】
【この発明の要約】
ひとつの態様として、この発明による装置は、心臓に流れる大静脈中に位置せしめて、血液冷却のために使用可能な、伝熱要素を含むことができる。
【0017】
専ら例示目的ではあるが、該伝熱要素は、第一と第二の細長い、関節付きセグメントを含み、各セグメントが混合誘発外面を有する。可撓性ジョイントで、第一と第二の細長いセグメントを連結すると良い。該第一と第二の細長いセグメント内には、内側管腔を配置すると良く、該内側管腔が第一の細長いセグメントの端末まで、加圧された作動流体を送り込むことができる。
【0018】
それに加え、該第一と第二の細長いセグメントは、内部を流れる加圧作動流体の混合誘発のために、混合誘発内面を有すると良い。
【0019】
動脈または静脈中に置かれたとき、血液流中における混合誘発のために、混合誘発外面を適用すると良い。
【0020】
ひとつの実施例として、可撓性ジョイントが、ベローズセクションを含み、該ベローズセクションが、可撓性を増大させるだけでなく、該伝熱要素の軸方向圧縮をも許容する。
【0021】
別の実施例として、ベローズセクションを、例えば小型円筒形樹脂製連結チューブのような、可撓性チューブで置き換えることもできる。
【0022】
ひとつの実施例として、該伝熱要素の混合誘発外面が、一個以上の渦巻き状溝と隆起部を含む。伝熱要素の隣接セグメント同士は、混合性増強のために、互いに逆方向の渦巻き状にすることもできる。例えば、第一の細長い伝熱セグメントは、一個以上の反時計方向ネジレを有する渦巻き状隆起部を含み、第二の細長い伝熱セグメントは、一個以上の時計方向ネジレを有する渦巻き状隆起部を含む。
【0023】
もちろん、これとは逆に、第一の細長い伝熱セグメントが、一個以上の時計方向ネジレを有する渦巻き状隆起部を含み、第二の細長い伝熱セグメントが、一個以上の反時計方向ネジレを有する渦巻き状隆起部を含んでも良い。第一と第二の細長い、関節付きセグメントは、高熱伝導性素材、例えば、金属、薄い樹脂材、含浸樹脂材などで作ると良い。
【0024】
伝熱装置はまた、第一と第二の細長い伝熱セグメント内にある内側管腔と接続された、内側カテーテル管腔を備える供給カテーテルを有すると良い。加圧作動流体を分配すべく形成された、作動流体供給装置は、内側カテーテル管腔と、あるいは代わりに供給カテーテルと接続すると良い。該作動流体供給装置は、温度約0℃で、圧力が約5気圧以下の加圧作動流体を作り出すように、形成すると良い。
【0025】
もうひとつ別の実施例として、伝熱装置が三個以上の細長い、関節付き伝熱セグメントを有すると良く、該各伝熱セグメントは、追加的な細長い伝熱セグメントを接続する、追加的可撓性ジョイントを備え、混合誘発外面を有すると良い。
【0026】
そのような実施例のひとつとして、専ら例示目的ではあるが、第一と第三の細長い伝熱セグメントが、時計方向渦巻き状隆起部を含み、第二の細長い伝熱セグメントが、一個以上の反時計方向渦巻き状隆起部を含むと良い。もちろん、これとは逆に、第一と第三の細長い伝熱セグメントが、反時計方向渦巻き状隆起部を含み、第二の細長い伝熱セグメントが、一個以上の時計方向渦巻き状隆起部を含むのも良い。
【0027】
伝熱要素の混合誘発外面が、選択的に表面コート、または凝塊防止処置を含んでも良い。表面コートはまた、伝熱要素、およびその付属カテーテルに若干の潤滑性を付与するために使うこともできる。
【0028】
この発明はまた、可撓性冷却要素を、心臓と圧力連通状態にある静脈、例えば、大腿または腸骨静脈、上または下大静脈、またはその両方に挿入することによる、体内発熱の治療法をめざす。
【0029】
該大静脈へは、例えば、頚静脈経由、鎖骨下部または大腿静脈経由の、公知の技法でアクセスすると良い。上下大静脈のひとつ、または両方の中に位置せしめた、該伝熱要素はそこで、心臓へ戻る血液の、実質上全てを冷却することができる。
【0030】
冷却された血液は、右心房へ入り、右心房で該冷却済み血液が右心室経由で、肺の肺動脈中へ送出され、そこで該冷却済み血液が酸素供給される。
【0031】
肺の熱容量が小さい故に、該血液は酸素供給中に、評価できるほどには温度上昇しない。冷却された血液は、心臓へ戻され、大動脈経由で全身へ送出される。このように、冷却された血液は、脳のような選ばれた器官へも、間接的に分配される。この間接的冷却は、心臓や脳のように大量の血液が流れ、望ましくは血管系により血液供給される、器官については、格別に効果的である。
【0032】
患者を快適にし、血管収縮のような温度調節関連反応を抑止するために、加温毛布、またはその他の加温装置を、身体各部位に施こすと良い。整熱剤もまた、この理由で準備される。
【0033】
この方法はさらに、大静脈を流れる血液温度を降下させるため、可撓性で、熱伝導性の冷却要素を通じて、作動流体を循環させることを含む。該可撓性で、熱伝導性の伝熱要素が、約100ないし300ワット以上の熱量を吸収することが望ましい。
【0034】
この方法はまた、大静脈を流れる血液の自然流中で、混合誘発手段を含むと良い。大静脈を流れる血液中では、とにかくある程度の乱流、または混合が一般的に存在することは、特記すべきである。
【0035】
循環ステップには、作動流体の流れ内に、可撓性の伝熱要素を通じての、混合誘発手段を含むと良い。該作動流体の圧力は、約5気圧以下に維持すると良い。
【0036】
この発明はまた、患者の体内発熱を下げる次の方法を、視野に入れるものである。その方法には、心臓へ流れる大静脈内へ、冷却要素を備える、次のようなカテーテルを挿入することを含む。該カテーテルは、直径が約18mm以下で、血液を冷却するために、冷却要素表面を流れる血液に混合を誘発し、血液から熱を除去するための冷却要素の温度を降下させるカテーテルである。
【0037】
ひとつの実施例として、この冷却ステップが、血液から少なくとも約50ワットの熱量を除去する。誘発された混合は、流れ中のヌッセルト数を約5〜80増大させる結果となるであろう。
【0038】
この発明の利点は多数ある。患者は、従来技術に見られた身体に有害な結果に悩まずにすむ、有効な発熱降下法を提供される。この処置は安全、かつ容易に施用される。数々の心臓、および神経系症状は、低体温法治療により改善される。その他の諸利点は、以下により理解されるであろう。
【0039】
この発明そのものだけでなく、発明の新規な形態は、添付図、および以下の記述によって、一番良く理解されるであろう。添付図、および以下の記述においては、類似部分には、類似の記号を使用する。
【0040】
概観。発熱を治療するために体温を血管内的に下げるには1〜2ステップのプロセスおよび1〜2要素からなる装置が必要となる。冷却要素を大静脈などの高流静脈内に配置して心臓ひいては脈管構造全体に流れる血液から熱を吸収する。この熱の移送により心臓を流れる血液を冷却する。かかる方法と装置とは発熱の治療のために使うことができる。
【0041】
血液を組織的に冷却する熱移送要素は必要な熱移送速度を有して、脈管組織全体に亙って所望の冷却効果を奏するものでなければならない。これは300ワットまでまたはそれを超えるもので、少なくとも部分的には患者の体重と血液流の速度により左右される。熱移送要素には表面特徴を与えて熱移送速度を高めるようにする。熱移送要素の表面特徴とその他の構成については以下詳記する。冷却により発熱を治療する上でのひとつの問題は患者の発熱の原因が冷却を圧倒することである。したがって高能力の装置が必要とされるのである。
【0042】
解剖学的な配置。内部頚静脈は脳を直接に流れる静脈である。外部頚静脈は内部頚静脈と首の根元で会合する。内部頚静脈は鎖骨下部静脈と会合して腕頭静脈を形成し、該静脈は上大静脈に流れる。上大静脈は心臓の右心房に流れて血液を身体の上部から心臓に供給する。
【0043】
冷却要素は上大静脈や下大静脈中に配置でき、または上大静脈または心臓に供給する静脈中に配置されて身体を冷却する。外科医は経皮的にカテーテルを鎖骨下部または内外頚静脈中に配置して、上大静脈にアクセスする。熱移送要素により冷却された血液は熱により処理され、酸素添加形態で供給されて、身体を冷却する導熱媒体として使用される。肺の熱容量は非常に低く、流れる血液の再加熱を起因することができない。
【0044】
脈管構造は本質的に優先的な血液流を脳や心臓のような高血液流器官に供給する。したがってそれらの器官は優先的にこのプロセスにより冷却される。芯体温は食道探針により測定できる。脳温度は通常芯体温より速く減少する。これは脳や心臓に供給される血液のに優先供給によるものと考えられる。血液供給を芯血管システムに集中し周辺の血管システムから奪う傾向にある熱調節効果(血管収縮など)が起きる場合には、この効果はより強調されるものとなろう。
【0045】
熱移送。熱移送要素が動脈または静脈にほぼ同心状に挿入されると、熱移送要素の表面と血液との間の熱移送の基本的なメカニズムが対流を強制される。対流は熱を移送する流体の運動により左右される。強制対流は流体内で外部力が運動を原因するときに結果される。動脈流または静脈流の場合には鼓動する心臓が熱移送要素の周りでの血液の運動を起因する。
【0046】
熱移送速度の大きさは熱移送要素の表面積、温度差および熱移送要素の熱移送効率に比例する。
【0047】
熱移送要素が配置される収受動脈または静脈は直径と長さが限られている。したがって熱移送要素の表面積は、動脈や静脈の顕著な障害を回避しかつ熱移送要素が血管システムを容易に挿通するように、限定されなければならない。外部頚静脈を経て上大静脈内に配置するには熱移送要素の横断直径は約5〜6mmに限定され、長さは約10〜15cmに限定される。下大静脈内への配置には、直径が約6〜7mm、長さが約25〜35cmに限定される。
【0048】
熱移送要素の表面温度の低減は温度差を増加することができる。しかし最少許容表面温度は血液の特性により制約される。血液は約0℃で凍結する。血液が凍結に近づくと、氷塞栓が血液中に形成されて下流側を閉塞し、種々の局部貧血障害を起因する。さらに血液の温度を低減させるとその粘度が増加し、対流熱移送効率の値が若干減少する。
【0049】
加えて、血液の粘度が増すと動脈内での圧力降下が増加して、血液の脳への流れを弱める。上記した制約があるので、冷却要素の最少許容表面温度はほぼ5℃に制限するのが有利である。この結果血液流と約32℃の冷却要素のと間の温度差が最大となる。他の生理学的な理由から、加熱要素の最大許容表面温度にはいくつかの制約がある。
【0050】
しかしある環境の下では0℃未満の温度が使われることもある。例えば、ある種の患者は流れそれ自身が禁止するか凍結を顕著に禁止するような血液流を持っている。そのような冷却を達成するには、零度未満の温度が使われる。そのような場合には、パーフルオロカーボンなどのような作業流体が採用される。
【0051】
対流熱移送効率の値が増加されるメカニズムは複雑である。しかし該移送効率は流体流れ中の「混合」または「乱れ」運動エネルギーのレベルとともに増加することが知られている。したがって熱移送要素との接触において高度の混合を帯びた血液流を持つのが有利である。
【0052】
血液流は動脈におけるよりも大静脈中において著しくより安定な流動を有している。しかし大静脈中の血液流はまだ高度の本来的な混合または乱流を有している。上大静脈中のレイノルズ数は例えば2000〜5000の範囲にある。かくして大静脈中における血液冷却は熱移送要素との混合レベルを上げることにより利点となるが、この利点は本来的な混合により起因されるそれよりも実質的に少ない。
【0053】
境界層。心臓のサイクル中に薄い境界層ができることが知られている。境界層は熱移送要素の近傍および動脈または静脈の壁の近くで発生する。各境界層は熱移送要素なしの状態における動脈の壁に発生されるであろう境界層とほぼ同じ厚さを有している。熱移送要素の周りの環状リング中に遊離流れ域が発生する。そのような脈管中に使われる熱移送要素はそのような粘性の境界層の形成を低減する。
【0054】
熱移送要素の特性と説明。大静脈または他の静脈または動脈中に配置するためには血管内の熱移送要素は柔軟でなければならない。熱移送要素は通常外部頚静脈のような静脈に挿入され一連の1以上の分枝を通って大静脈にアクセスするので、柔軟性は重要な特性である。さらに熱移送要素は金属などの高熱伝導性の材料から形成するのが理想的であり、これにより熱移送が促進される。高熱伝導性の材料の使用により熱移送要素中の作動流体と血液との間の温度差についての熱移送が増加される。
【0055】
これによりより熱移送要素中での高温冷却液または低温加熱流体の使用が容易となり、水や食塩水などのより安全な作動流体の使用が可能となる。金属などの高熱伝導性の材料は剛性であることが多い。したがって熱移送要素の設計は本来非柔軟性の材料における柔軟性を促進するものでなければならない。しかしアメリカ特許第6,261,312号に開示されたようなバルーンタイプを採用することもできる。
【0056】
大静脈中に配置されたときに冷却要素は少なくとも約50ワットの熱を吸収して、体温を約30〜34℃まで下げなければならないものと推定される。これらの温度はほとんどの発熱を下げるために適切であると考えられる。除かれたパワーによりいかに迅速に目標の温度に到達できるかが決まってくる。例えば脳の温度を下げることが望まれる発熱治療においては、300ワットの除去により70kgの患者において温度は時間あたり約4度下げられる。
【0057】
一実施例においてはモジュラー構成が使用されている。この構成だと渦巻き状の血液流が形成され、流れの方向の急激な変化を周期的に強いられて、血液流中の混合があるレベルとなる。流れ方向の急激な変化は一連の2以上の熱移送セグメントと使用することにより達成され、各セグメントは1以上の渦巻き状の隆起部を有している。
【0058】
強い自由流れ乱流を誘発する血液流の渦巻き状方向の周期的な急激変化は通常の洗濯機になぞらえられるだろう。洗濯機のローターは最初一方向に回転して薄層状の流れを作り出す。ローターが急激に方向を反転すると、洗濯槽全体に顕著な乱流運動エネルギーが生成されて、流れの変化により布と水のスラリー中にランダムな乱流が起因される。これらの表面構成は熱移送要素の表面積を増加させ熱移送をさらに高めるのである。
【0059】
図1にこの発明の冷却要素14の一実施例を示す。冷却要素14は一連の細長い連結されたセグメント(またはモジュール)20、22、24を有している。ここでは3個のセグメントが図示されているが個数は2以上でもよい。第1の移送セグメント20は冷却要素14の端部近傍に配置されており、熱移送セグメント20の混合誘発外面は4個の平行な渦巻き状隆起部28を有しており、それらの間には4個の平行な渦巻き状溝26が設けられている。隆起部28は1、2、3個またはそれ以上でもよい。この実施例では隆起部28と溝26とは熱移送セグメント20の末端に向かって進む左ネジ状であり、これを反時計渦巻きまたは回転と呼ぶ。
【0060】
熱移送セグメント20は柔軟性と圧縮性を呈する第1のベローズ25を介して第2のセグメント22に結合されている。第2のセグメント22は1以上の間に渦巻き状の溝30をはさんだ渦巻き状隆起部32を有している。隆起部32と溝30は右ネジ状、または時計方向でセグメント22の末端に向かうネジレを有している。第2のセグメント22は第2のベローズ27を介して第3のセグメント24に結合している。第3のセグメント24は1以上の間に渦巻き状の溝34をはさんだ渦巻き状隆起部36を有している。隆起部36と溝34は左ネジ状、または反時計方向でセグメント24の末端に向かうネジレを有している。
【0061】
かくして冷却要素14の連続した熱移送セグメント20、22、24は時計方向と反時計方向のネジレを交互に有している。隣接するセグメントのネジレが逆でさえあればよく、特定のセグメントのネジレ方向は問題ではない。
【0062】
加えて隆起部28、32、36の丸みを帯びた形状の故に冷却要素14は比較的平滑な輪郭となり、血管の壁を傷付けないようになっている。セグメントの個数は限定されない。
【0063】
ベローズ25、27はガスを通さない金属などの継目のない無孔性の材料からなり、これは冷却要素14を通って循環する作動流体のタイプいかんでは特に重要である。ベローズ25、27はその構造の故に曲がったり伸張したり圧縮することができ、これにより冷却要素14の柔軟性が増加して、血管中を容易に移動できるのである。またベローズ25、27は冷却要素14が軸方向に圧縮できるようになっており、冷却要素14の末端が血管壁に当たったときの傷を制約している。またベローズ25、27はその挙動を損なうことなしに極低温を許容している。他の実施例ではベローズは隣接する熱移送セグメント間で接着された可撓性のポリマー管で置き換えてもよい。
【0064】
冷却要素14の外面は金属から形成してもよく、ニッケルなどの高熱伝導性材料を含んでもよく、これにより熱移送を促進する。これに代えてステンレス、チタン、アルミニウム、銀、銅などの金属も使用でき、生物的相容性を高めたり凝塊の形成を禁止する適当なコーチングを施してもよい。そのようなコーチングとしては例えば金、プラチナおよびポリマーパラリン(paralyene)などがある。冷却要素14は金属の薄い層を適当な形状のマンドレル上にメッキすることにより製造できる。かくして冷却要素14は安価大量生産が可能であって、これは使い捨て式医療器具の場合には重要な特徴である。
【0065】
冷却要素14は血管中に24〜48時間というような長期間滞留するので、その表面は凝塊の形成を回避するように処理するのが望ましい。特に血液流の滞留が対流中に起きて凝塊が形成されて表面にくっ付いて血栓を形成するので、ベローズ25、27を処理するのが望まれる。血栓形成を防止するひとつの手だては冷却要素14の表面に抗血栓剤を結合させることである。例えばヘパリンは凝塊形成を禁止すると知られており、バイオコーチングに有用であると知られている。
【0066】
これに代えて冷却要素14の表面を窒素などのイオンで衝撃してもよい。窒素による衝撃は表面を硬く平滑にして、凝塊の粘着を防止する。他にも有益なコーチングとしては平滑コーチングがあり、これを熱移送要素とカテーテルとに施すと例えば大静脈中への配置が容易となる。
【0067】
図2に冷却要素14を図1中で線2−2に沿って取った断面を示す。内部輪郭の一部は省略してある。内管42は冷却要素14中に内外の管腔40、46を画定している。一旦冷却要素14が血管中に配置されると、食塩水その他の水性溶液などの作動流体は冷却要素14内を循環する。流体はカテーテルの内管腔40内に入る。冷却要素14の末端において作動流体は内管腔40から出て、外管腔46に入る。
【0068】
作動流体が外管腔46を通って流れると、熱が作動流体から冷却要素14の外面37に移送される。冷却要素14は高熱伝導性材料から形成されているので、その外面37の温度は作動流体の温度に非常に近くなる。内管42は内外の管腔40、46を熱的に分離する断熱分離素子として形成することができる。例えば内管42の壁中に長手方向の空気チャンネルを形成することにより断熱を達成することができる。これに代えて内管42をポリテトラフルオロ・エチレンなどのポリマーのような非熱伝導性材料から形成してもよい。
【0069】
冷却要素14の外面37と血液との間の熱移送速度を司るのと同じメカニズムが作動流体と冷却要素14の内面38をも司ることは重要である。水、食塩水その他液状を保つ流体を作動流体として用いる場合には、内面38の熱移送特性は特に重要である。フレオンなどの他の冷却液は有核蒸発を起こして異なるメカニズムにより混合を生成する。食塩水は非毒性なので安全な作動流体であり、漏れても蒸発冷却剤を用いた場合のようなガス塞栓を結果しない。
【0070】
作動流体中における混合は冷却要素14の内面38の形状により高められるので、作動流体はより高い温度で冷却要素14に施与され、それでも必要な冷却速度を達成する。同様に、作動流体中での混合は熱移送要素の内面形状によっても高められるので、作動流体はより低い温度で冷却要素14に施与され、それでも必要な加熱速度を達成するのである。
【0071】
このことはカテーテルの軸長方向に断熱を行う必要上多くの有益な暗示を有している。断熱の必要が減ったので、カテーテルの軸直径は小さくできる。冷却要素14の内面の熱移送特性が高められたので、作動流体を低流速低圧で冷却要素14に施与することができる。高圧は熱移送要素を硬化させてしまい、血管の壁に熱移送要素が押し付けられて血液から内面37の一部を遮蔽することになる。交互隆起部28、32、36により達成される高い熱移送特性の故に作動流体の圧力は5、3、2気圧またはそれ以下となる。
【0072】
図3に示すのは図1中線3−3に沿って取った冷却要素14の断面であって、五葉形である。図1に示すのは四葉形であるが、葉数はいかなるものでもよい。内管腔40は内管42により画定されている。外管腔46は内管42の外面と冷却要素14の内面38とにより画定されている。ここで隆起部および溝の個数は図示のものに限定されるものではない。
【0073】
図4に示すのは血管中で使用状態にある冷却要素14の斜視図であって、熱移送要素(図示せず)の基端から始まって血液が上方に動くと、第1の熱移送セグメント20は反時計方向の回転慣性力を血液に誘発する。血液が第2のセグメント22に達すると、慣性の回転方向が反転して血液中に混合が起きる。さらに血液が第3のセグメント24に達すると慣性の回転方向が再び反転する。流れ方向の急激な変化は速度ベクトルを活発に再配列しランダムにする。これにより血液流全体に亙って混合が確実になる。
【0074】
このような混合の間、血液の速度ベクトルはよりランダムとなり、血管の軸に対して直交状態となることもある。かくして血管中の暖かい血液の体積の大部分が冷却要素14と接触状態にされ、血液の隣接薄層を通しての伝導よりも直接接触により冷却されるのである。
【0075】
図1に戻って冷却要素14は上記した設計上の要求を全て満たしたものであって、第1に柔軟でありかつ高熱伝導性材料から形成されている。柔軟性はベローズ25、27の存在によるもので、これらが関節構造を与えるのである。ベローズは柔軟性を起因する公知の渦巻き形である。第2に外面37は隆起部28、32、36と溝26、30、34の使用により増加している。隆起部の存在により冷却要素14は比較的アトラマチック(atraumatic)な形状となり、血管壁上への損傷の可能性を最少としている。
【0076】
第3に冷却要素14は内外に混合を促進するように設計されており、セグメント設計によりセグメント間で溝の方向が反転する。交互渦巻き状回転は交互流れを生成し、この結果血液が洗濯機による前後に切り換わる混合作用に類似した混合となり、熱移送が促進される。また渦巻き状構成により内部に流れる作動流体の有益な混合または乱流運動エネルギーをもたらすのである。
【0077】
使用方法。以下に実施例を説明する。
【0078】
1.最初に患者が発熱を有していると査定し、回復させかつ安定化される。2.処置は血管造影室、NICU、ICUまたは蛍光透視完備の外科室で行われる。3.上大静脈および外頚静脈の超音波または血管造影を用いて、血管直径、血液流を決定する。適切な寸法の熱移送要素を具えたカテーテルを選ぶ。4.静脈を査定した後、患者を無菌状に準備し、静脈が査定された部位にリドカインを浸透させる。5.外頚静脈にカニューレを挿入し、ガイドワイヤーを上大静脈に挿入して、その配置を蛍光透視により確認する。
【0079】
6.ワイヤー上に血管造影カテーテルを供給し、静脈中に対照媒体を注入して必要なら組織を査定する。7.これに代えて外頚静脈にカニューレを挿入し、10〜12.5フレンチ(f)イントロジューサーシース(introducer sheath)を配置する。8.ガイドカテーテルを上静脈中に配置する。配置が終わったら、さらなる組織査定のためにカテーテルを使って対照媒体を直接投与する。9.ガイドカテーテルを介してまたはガイドワイヤーに載せて冷却カテーテルを上大静脈中に配置する。10.必要なら配置を蛍光透視により確認する。
【0080】
11.これに代えて、冷却カテーテル軸が上大静脈内に配置するのに充分なプッシャビィティ(pushability)とトルクエアビィティ(torqueability)を有している場合には、ガイドワイヤーまたはガイドカテーテルの助けは要らない。12.冷却カテーテルを食塩水を満たした無空気泡ポンプ回路に接続する。該回路は熱交換部を有しており、これが水槽と蠕動ポンプに接続された管に浸漬される。水槽はほぼ0℃に冷却される。13.ポンプ機構を始動させて冷却を開始する。カテーテル中の食塩水は5cc/secで循環する。食塩水は冷却水槽中の熱交換器を通りほぼ1℃に冷却される。14.ついで食塩水は冷却カテーテルに入りそこで熱移送要素に施与される。食塩水はカテーテルの内管腔から熱移送要素の端部に通る間に5〜7℃に加熱される。15.ついで食塩水は熱移送要素を通って戻流して内部金属表面と接触する。熱移送要素中で食塩水はさらに12〜15℃に加熱され、この間熱が血液から吸収されて血液が30〜35℃に冷却される。
【0081】
16.冷却された血液は身体を冷却することを続ける。発熱を正常体温に実質的に低減するには1時間未満でよいものと推定される。17.加熱された食塩水はカテーテルの外管腔を戻流して冷却水槽に戻って1℃に冷却される。18.回路に沿っての圧力降下は1〜10気圧であると推定される。19.食塩水の流速を増減することにより冷却を調節できる。熱移送要素を通る食塩水の温度をモニターすることにより、流れが調節されて所望の冷却効果を保つ。20.カテーテルは例えば6〜48時間放置されて冷却を行う。
【0082】
勿論上大静脈の使用は一例に過ぎない。熱移送要素を経皮的に挿入するのに適した静脈としては、大腿、内頚静脈、鎖骨下部、その他同じ寸法位置の静脈があると予想される。また熱移送要素を使用中に配置するのに適した静脈としては、下大静脈、上大静脈、内頚静脈、その他同じ寸法位置の静脈があると予想される。特定の体内器官または部分への発熱治療が必要ならば、動脈でもよい。
【0083】
図5に示す心臓においては冷却要素14が上大静脈62中に配置されている。冷却要素14は熱移送セグメント22、24を有しており、これらの間にはベローズ27が配置されている。この構成により上大静脈中のヌッセルト数は約5〜80高められるものと考えられる。
【0084】
加熱毛布が種々の目的で使用されることもある。患者を暖めることにより血管収縮を回避できるし、患者も快適となる。例えば芯体温1℃低減毎に、もし表面領域(皮膚)温度が5℃上がるとすれば、患者は快適であると感じ続ける。全身低温症による痙攣を回避できる。外科医が調整可能な他の変数(発熱量)を有していれば、患者の温度制御はより便利に行われる。
【0085】
これに代えて例えばアメリカ特許出願第09/292,532号(断熱選択器官冷却方法と装置)に開示されたような加熱方法を採用してもよい。
【0086】
抗震薬剤を用いて加熱毛布の特徴を与えてもよい。これに関連してメペリジンは麻酔性受容器官に結合すると知られているフェニルピペリジンクラスの鎮痛剤である。メペリジンは発熱抑制治療において誘発される術後麻酔および低体温による震えを治療するのに用いられる。
【0087】
一実施例においては、熱移送要素は大腿、IVC、SVC、鎖骨下部、腕頭、頚静脈などのいずれの静脈にも配置できる。より選択的な発熱低減のためには動脈に配置してもよい。
【0088】
行われる冷却の量は冷却の速度により最初の近似値に判断される。冷却の量は血液温度と熱移送要素または冷却要素の温度との差に比例する。血液温度が40℃で冷却要素の温度が5℃ならば、除去パワーは、血液が38℃で冷却要素温度が5℃の場合より、大である。冷却または冷却速度は一般に冷却処理の始まりにおいては最大である。ひとたび患者の体温が目標温度(通常は正常体温または37℃)に近づき始めると、もはや温度差が大きくないので、冷却速度は低減される。
【0089】
いずれにしても患者が一旦正常体温に達したら、冷却治療なしでは、患者が発熱を呈しているか発熱が低減されたか推定することはもはや容易ではない。一実施例ではこれが可能である。
【0090】
最初に作動流体供給温度と戻り温度の差から除去パワーが下記の式から計算できる。
【0091】
【数1】
Figure 0004593877
【0092】
ここでPカテーテルは除去パワーであり、Mは作動流体の重量流速であり、cfは作動流体の熱容量であり、ΔTはカテーテルを出入りする作動流体の温度差である。したがってPカテーテルは循環流体の重量流速とカテーテルを出入りする作動流体の温度差を測定することにより計算できる。かく決定された除去パワーは患者の身体から失われたパワーに近い近似値と見なされる。一般に温度Tの身体をT0まで冷却する(加熱する)のに必要なパワー閉形解は不明である。ひとつの近似として指数関係を仮定する方法がある。
【0093】
【数2】
Figure 0004593877
【0094】
温度について各側の微分係数を考慮すると、
【0095】
【数3】
Figure 0004593877
【0096】
各側の逆元を考えると
【0097】
【数4】
Figure 0004593877
【0098】
または、
【数5】
Figure 0004593877
【0099】
ここでΔTは正常体温からの温度差であり、ΔPは測定したパワーである。
【0100】
また近似値は関係が線型であるとの仮定からも得られる。
【0101】
等価的にパワーシリーズの膨張が取られ、線型が保たれる。いずれにしても積分、線型関係の仮定、再配置。
【0102】
【数6】
Figure 0004593877
【0103】
ここで比例性の定数はワット/℃の単位である。治療中にTとPとが有限で既知である2点を使って比例性定数αを決定できる。ひとつは治療開始時つまり患者体温がTでありカテーテルが除去パワーPであるときであり、他はT=T0でP=P0のときである。するとPがいかなる場合でも、Tは、
【0104】
【数7】
Figure 0004593877
【0105】
この一例を図6に示す。患者は発熱(ステップ202)を帯びて病院などに現れる。一般にそのような患者は身体不調など治療を要する病気の結果発熱を呈している。例えばICU内の患者はほとんどが発熱を呈している。
【0106】
熱移送要素を具えたカテーテルが挿入される(ステップ204)。初期除去パワーP開始と体温T開始とが測定され(ステップ206)、治療が開始される(ステップ208)。治療は継続し(ステップ210)、PとTとが周期的、連続的などで測定される(ステップ212)。測定されたTは正常体温T=T0と比較され、これは通常約37℃である(ステップ214)。
【0107】
TがT0より大ならば、治療が継続される(ステップ210)。TがT0より小ならば、T=T0においてP0が測定される(ステップ216)。T開始とP開始とP0とT0とから上記した数式により比例性定数αが決定される(ステップ218)。α、T開始、P開始、P0、T0からT非冷却が決定される(ステップ220)。
【0108】
非冷却がT0と比較される(ステップ222)。T非冷却がT0より大ならば、患者は新陳代謝により充分なパワーをまだ発生していて、治療を非継続したら発熱が起因され、治療が継続される(ステップ224)。T非冷却がT0以下ならば、治療が非継続とされても、患者は新陳代謝によりもう充分なパワーを発生しないので、治療は非継続とされる(ステップ226)。上記したプロセスには種々の変更がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による伝熱要素の、ひとつの実施例を示す立面図である。
【図2】 図1で示した伝熱要素の、長手方向断面図である。
【図3】 図1で示した伝熱要素の、横方向断面図である。
【図4】 図1で示した伝熱要素の、血管内で使用中の様子を示す斜視図である。
【図5】 伝熱要素の、上大静脈内で使用中の様子を示す説明図である。
【図6】 この発明による代表的手法を示すフローチャートである。

Claims (1)

  1. コンピューター読取り型媒体中に保存されかつ冷却コンソール、循環セットおよび末端に熱移送要素を具えかつ血管内に挿入されたカテーテルを起動する指令を含んだコンピュータープログラムであって、
    熱移送要素を通って流体を循環させ、開始除去パワーと循環の開始時における患者の体温に相当する開始体温とを測定し、
    脈管構造中の血液からの熱を熱移送要素に移送して患者の体温を下げ、
    循環中除去パワーと体温とを測定し、
    実質的に体温が正常体温に等しくなったときに除去パワーを測定し、
    実質的に体温が正常体温と等しくなったときの除去パワー、正常体温、開始除去パワーおよび開始体温からT非冷却を計算し、
    非冷却を正常体温とを比較し、T非冷却が正常体温より大なるときには循環を続け、T非冷却が正常体温より小なるときには循環を断つ
    ことを特徴とするコンピュータープログラム。
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