JP4593212B2 - 薄膜トランジスタの作製方法、及び半導体装置の作製方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの作製方法、及び半導体装置の作製方法 Download PDF

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本発明は、結晶の配向性が制御された結晶性半導体膜、及び結晶性半導体膜の作製方法に関する。また結晶性半導体膜を有する薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜トランジスタを有する半導体装置、およびそれらの作製方法に関する。
従来の結晶性珪素膜及びそれを有する半導体装置の作製方法には、結晶性珪素膜を2層に分けて形成することにより低温プロセスの熱結晶化で、かつニッケル元素を含有しない結晶性珪素膜を得て、それを利用した半導体装置の作製方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、非晶質珪素膜をプラズマCVD法やLPCVD法により300〜1500Å(30〜150nm)に形成し、ニッケル化合物を含む層を形成し、加熱炉において、窒素雰囲気中において550℃、4時間の加熱処理を行い、1層目の結晶性珪素膜をえて、その後、2層目の非晶質珪素膜を形成して、加熱処理を施し、該非晶質珪素膜を結晶化させることが記載されている。
また結晶方位を制御して、配向の揃った結晶質半導体膜を形成するため、一端部の側面が絶縁表面と成す角度が概略垂直となるように非晶質半導体領域を形成し、当該一端部から他端部に向けて連続発振レーザービームを走査することにより結晶化し、(100)面の配向率が70%以上である結晶質半導体を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに特許文献2には、Ni等の触媒元素を用いて一端部を結晶化し、比較的高い配向率を持った結晶を形成し、該結晶を有する一端部から他端部に連続発振レーザーを照射してもよいことが記載されている。
特許第3287557号公報 特開2003−86507号公報
上記特許文献1には、結晶性珪素膜の結晶の配向性の制御が特段考慮されていなかった。
また特許文献2には、所定の形状に半導体膜を形成した後、連続発振レーザーを照射することにより、結晶の配向性の制御に関する方法が開示されているが、所定の形状に半導体膜を形成した後、連続発振レーザーを一端部から照射し、薄膜トランジスタの活性層の形状を形成するには、手間と時間がかかってしまった。
そこで本発明は、結晶の配向性を制御した結晶性半導体膜の新たな作製方法を提供することを課題とする。
上記課題を鑑み本発明は、非晶質半導体膜に、結晶化を促進する金属元素(以下、単に金属元素と表記する)を形成し、加熱処理を行うことにより{100}結晶面(単に{100}とも表記する)に強く配向する結晶性半導体膜を形成することを特徴とする。本発明は、半導体膜を30nm以下、且つ半導体膜を構成する材料のモノレイヤーまたは成膜装置の形成限界(略1nm)以上となるように形成し、所定の結晶面に強く配向させることを特徴とする。
特に本発明者は、非晶質珪素膜を14nm以下とすると、{100}結晶面に強く配向する結晶性珪素膜を形成できることを見出した。具体的な本発明の結晶性珪素膜は、許容角度を10度未満とする反射電子回折パターン(EBSP:Electron Backscatter diffraction Pattern)測定により{100}結晶面が、その他の結晶面である{110}及び{111}よりも多く配向する、つまり{100}結晶面に強く配向することを特徴とする。
なお本発明において、非晶質半導体膜や非晶質半導体膜の膜厚の値は、所定の値となるように形成したものであり、実際に形成される膜厚の値は所定の値からずれ、成膜バラツキが生じてしまう。例えば膜厚が10nmとなるように形成する場合、同一基板上において±2nmのバラツキがあると考えられる。
本発明の金属元素はNi、Fe、Co、Pd、Pt、Cu、Au、Ag、In、Snから選ばれた一種又は複数種を用いることができる。
特に、非晶質半導体膜に非晶質珪素膜を用い、金属元素としてNiを用いる場合、結晶性珪素膜の結晶粒は不定形であり、結晶粒界は曲率を有しうねっている。つまり結晶性珪素膜は、内角が180度以上である結晶粒、曲率半径が400nm以下である結晶粒界、短軸と長軸の比が1:2以上である結晶粒、又は数個の結晶粒がつながり結晶粒界が不明瞭、つまり結晶粒界が閉じていない結晶粒を有していることが走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscopy)の写真からわかる。
また本発明は、配向性が制御されるように形成される結晶性半導体膜を有する薄膜トランジスタ(TFTとも表記する)を形成することを特徴とする。上述したように30nm以下、特に{100}結晶面を強く配向させるためには14nm以下の膜厚を有する非晶質半導体膜を特徴とする。しかし、薄膜トランジスタの作製精度やデバイスの電気特性を考慮して、半導体膜の膜厚を高くすると好ましい。例えば、非晶質半導体膜(第1の非晶質半導体膜)上にさらに非晶質半導体膜(第2の非晶質半導体膜)を積層することにより膜厚を高くすることができる。このとき、薄膜トランジスタの活性層のうち、少なくともソース領域及びドレイン領域の膜厚を高くすればよい。具体的には少なくともソース領域及びドレイン領域において、第1の半導体膜と第2の半導体膜との合計膜厚が40nm以上となるようにする。ここで第1及び第2の半導体膜と表記したのは、膜厚は半導体膜が非晶質や結晶質といった状態を考えなくともよいからである。
なおチャネル形成領域に半導体膜を積層する場合、第2の非晶質半導体膜は第1の結晶性半導体膜の結晶の配向性、つまり{100}結晶面を維持するように結晶化するよう制御する。
また好ましくは、結晶性半導体膜中の欠陥を低減するためレーザーを照射するとよい。レーザーは、パルス発振型レーザー、又は連続発振型レーザーを用いることができ、Arレーザー、Krレーザー、エキシマレーザー、YAGレーザー、Y2O3レーザー、YVO4レーザー、YLFレーザー、YAlO3レーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライドレーザー、Ti:サファイヤレーザー、銅蒸気レーザー或いは金蒸気レーザーの一種、又はそれら複数種を用いることができる。
また好ましくは、結晶性半導体膜中の金属元素を除去、又は低減するため、いわゆるゲッタリングを施す。
その結果、薄膜トランジスタの電気特性を向上させることができる。
またさらに、{100}結晶面に強く配向した結晶性半導体膜と、その他の結晶面である{110}結晶面及び{111}結晶面のいずれかが{100}結晶面と同程度又は多く配向した結晶性半導体膜を同一基板上に形成することができる。なおその他の結晶面である{110}結晶面及び{111}結晶面のいずれかが{100}結晶面と同程度又は多く配向した結晶性半導体膜とは、{100}結晶面に強く配向した結晶性半導体膜と比較して、{100}結晶面の割合が小さい結晶性半導体膜とも表記することができる。
具体的には、半導体膜の膜厚を変えることにより{100}結晶面に強く配向された結晶性半導体膜と、その他の結晶面に配向された、つまり{100}結晶面の割合が小さい結晶性半導体膜を同一基板上に形成することができる。
許容角度を10度未満とするEBSP測定により求められる結晶の配向性の具体的な割合は、{100}結晶面に強く配向された結晶性半導体膜では{100}結晶面に30%以上配向している。また{100}結晶面の割合が小さい結晶性半導体膜では、{100}結晶面に30%未満に配向している。
このように結晶性半導体膜の配向性を制御することにより、薄膜トランジスタの電気特性バラツキの抑制、移動度等の電気特性向上が期待できる。さらに{100}結晶面に強く配向させた結晶性半導体膜を有する薄膜トランジスタと、その他の結晶面に配向させた結晶性半導体膜を有する薄膜トランジスタを同一基板上に形成することができる。その結果、薄膜トランジスタの極性により結晶性半導体膜の配向性を制御することができ、電気特性を向上させることができる。
本発明は、結晶の配向性を揃えることができ、その結果、薄膜トランジスタの移動度等の電気特性向上、電気特性バラツキの抑制を行うができる
特に{100}結晶面に揃えることにより、nチャネル型の薄膜トランジスタの移動度が向上する。そのため、nチャネル型の薄膜トランジスタが有する結晶性半導体膜は、{100}結晶面に強く配向させ、pチャネル型の薄膜トランジスタが有する結晶性半導体膜は{110}結晶面、及び{111}結晶面を相対的に多く配向させることにより、半導体装置の性能、特に移動度等の電気特性を向上させることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、結晶の配向性が制御された結晶性半導体膜の作製方法について説明する。
まず図1(A)に示すように、絶縁表面を有する基板100上に下地膜101を形成する。基板100には、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、ステンレス基板等を用いることができる。また、ポリエチレン-テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、一般的に他の基板と比較して耐熱温度が低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。本実施の形態では、AN100ガラスを用いる。
下地膜101は基板100中に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、半導体膜中に拡散し、半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。よってアルカリ金属やアルカリ土類金属の半導体膜への拡散を抑えることができる酸化珪素や、窒化珪素、窒化酸化珪素などの絶縁膜を用いて形成する。なお下地膜101は積層構造を有してもよく、本実施の形態ではプラズマCVD法を用いて、第1の下地膜101aとして、プラズマCVD法を用い、原料ガスにSiH4、N2O、NH3、H2、圧力が0.3Torr(33.9Pa)、RFパワーが50W、RF周波数が60MHz、基板温度が400℃として形成する酸化窒化珪素膜を10〜200nm(好ましくは50〜100nm)、第2の下地膜101bとして、プラズマCVD法を用い、原料ガスにSiH4、N2O、圧力が0.3Torr(33.9Pa)、RFパワーが150W、RF周波数が60MHz、基板温度が400℃として形成する酸化窒化珪素膜を50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の順に積層する。
ガラス基板、ステンレス基板またはプラスチック基板のように、アルカリ金属やアルカリ土類金属が多少なりとも含まれている基板を用いる場合、不純物の拡散を防ぐという観点から下地膜を設けることは有効であるが、石英基板など不純物の拡散がさして問題とならない場合は、必ずしも設ける必要はない。
スパッタリング法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等により下地膜101上に第1の非晶質半導体膜を形成する。なお本実施の形態では、非晶質半導体膜に珪素を主成分とする非晶質珪素膜を用い、金属元素としてNiを用いる場合で説明する。
例えば本実施の形態では、原料ガスにSiH4を用いたプラズマCVD法により、下地膜101上に第1の非晶質珪素膜102を10nmとなるように形成する。このとき第1の非晶質珪素膜の作製条件は、成膜温度300℃、SiH4流量100sccm、圧力0.25Torr(33.25Pa)、RF電源50W、成膜速度30nm/minとする。
なお第1の非晶質珪素膜は、30nm以下であって、且つ珪素のモノレイヤーまたは成膜装置の形成限界(略1nm)以上として形成し、所定の結晶面に強く配向させることを特徴としており、10nmとすることにより{100}結晶面に強く配向させることができる。
次に、非晶質珪素膜上にスピンコーティング法やディップ法といった塗布方法によりNi溶液(水溶液や酢酸溶液を含む)を塗布し、Niを含む膜(但し、極めて薄いため膜として観測できない場合もある)を形成する。
塗布法により、非晶質珪素膜上にNi溶液を塗布する場合、非晶質珪素膜の表面の濡れ性を改善し、非晶質珪素膜の表面全体に水溶液を行き渡らせるため、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により、酸化膜を10〜50Å(1〜5nm)に成膜することが望ましい。
また、イオン注入法によりNiイオンを非晶質珪素膜中に注入したり、Niを含有する水蒸気雰囲気中で加熱したり、ターゲットをNi材料としてArプラズマでスパッタリングして、Niを有する非晶質珪素膜を形成してもよい。すなわち、本発明において非晶質半導体膜に金属元素とが接するように形成すればよく、本実施の形態では非晶質珪素膜にNiを添加すると表記する。
本実施の形態では、非晶質珪素膜上面に酸化膜を形成後、Ni酢酸塩10ppmを含有した水溶液103をスピンコーティング法により塗布する。
その後加熱処理を行い、第1の非晶質珪素膜102を結晶化する。加熱雰囲気は、大気雰囲気、または窒素雰囲気のように制御してもよい。特に、酸素濃度を低くするように制御すると好ましい。また加熱温度、及び加熱時間は、自然核発生を起こさず、基板100が歪まないような条件とすればよく、例えば600〜700℃、3〜20分とすると好ましい。なお熱処理条件は、所望の結晶状態が得られればよく、膜厚、温度、時間により設定することができるため、上記に限定されない。本実施の形態では、窒素雰囲気において、650℃、15分の加熱処理を行う。
すると、第1の非晶質珪素膜102は結晶化し、結晶面が{100}に強く配向した結晶性珪素膜を得ることができる。実際の配向性を示したEBSP測定の結果は実施例1に示す。
このように結晶面が{100}に強く配向した結晶性珪素膜は、薄膜トランジスタのチャネル形成領域を含む活性層として利用でき、移動度等の特性が向上し、更に特性のバラツキが抑制された薄膜トランジスタを提供することができる。
なお、薄膜トランジスタ等のデバイスを作製しやすくするために、第2の非晶質珪素膜を形成してもよい。なお、活性層のソース領域及びドレイン領域の形成や該領域へのコンタクトホール形成を考慮し、少なくともソース領域及びドレイン領域に第2の非晶質珪素膜を形成すればよい。このとき、第1の非晶質珪素膜と、第2の非晶質珪素膜との合計膜厚が40nm以上になると好ましい。
本実施の形態では、図1(B)に示すように、第2の非晶質珪素膜104を40nmとなるように形成する。このとき、先の加熱処理により結晶化された第1の非晶質珪素膜(以下、第1の結晶性珪素膜とも表記する)102の表面には酸化膜が形成されている。そのため、酸化膜を0.5%HF又は界面活性剤添加されたバッファードフッ酸(BHF)により除去する。その後、プラズマCVD法により第2の非晶質珪素膜104を形成し、第1の非晶質珪素膜と同様な加熱処理を行う。本実施の形態での加熱処理の条件は、窒素雰囲気において、650℃、3分とする。
すると、第2の非晶質珪素膜104は、第1の結晶性珪素膜の結晶の配向性を維持して、結晶化が行われる。その結果、結晶化された第2の非晶質珪素膜(以下、第2の結晶性珪素膜とも表記する)104は、結晶面が{100}に強く配向している。
その後図1(C)に示すように、結晶性珪素膜にレーザー105を照射すると好ましい。レーザーを照射することにより、結晶性半導体膜の結晶欠陥を低減することができるからである。レーザーは、パルス発振型レーザー、又は連続発振型レーザーを用いることができ、Arレーザー、Krレーザー、エキシマレーザー、YAGレーザー、Y23レーザー、YVO4レーザー、YLFレーザー、YAlO3レーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライドレーザー、Ti:サファイヤレーザー、銅蒸気レーザー或いは金蒸気レーザーの一種、又はそれら複数種を用いることができる。上記レーザー照射において、第1の結晶性珪素膜の結晶の配向性を溶融させないようにレーザーを照射する必要がある。
本実施の形態では、パルス発振型のエキシマレーザーを用い、約400mJ/cm2、発振周波数30Hz、スキャンスピード1mm/secで照射する。このとき、n番目のレーザビームと、(n+1)番目のレーザビームとの重なり(オーバーラップ率)が92%となっており、同一箇所には12.4回照射している。
次いで、好ましくは、図1(D)に示すように、結晶性珪素膜中のNiを除去、又は低減する、いわゆるゲッタリングを行う。本実施の形態では、第2の結晶性珪素膜104上に、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により、酸化膜106、つまり酸化珪素膜を1〜2nm形成する。次いでゲッタリングシンクとなる希ガス(本実施の形態ではAr)を含む非晶質珪素膜107をスパッタリング法又はプラズマCVD法により形成する。そして加熱処理を行い、ゲッタリングを施す。本実施の形態では、窒素雰囲気において、650℃、3分の加熱処理を行う。すると、Arを含む非晶質珪素膜107にNi元素が拡散し、第1及び第2の結晶性珪素膜中のNiを除去、又は低減することができる。
その後、Arを含む非晶質珪素膜107を、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を含むアルカリ溶液等で除去する。このとき、第2の結晶性珪素膜は、酸化膜106がエッチングストッパーとなるため除去されずにすむ。次いで、0.5%HFや界面活性剤添加BHFを用いて酸化膜106を除去する。
このようにして{100}結晶面が強く配向する結晶性半導体膜を形成することができる。
本実施の形態では、第1の非晶質珪素膜の膜厚を10nmとして説明したが、実施例に示すように膜厚に依存して、結晶の配向性が異なってくる。例えば、第1の非晶質珪素膜の膜厚を20nmとして形成する場合、{100}結晶面の割合が小さい結晶性半導体膜を得ることができる。すなわち、{100}結晶面の配向率(配向性の割合)を低くすることができる。
本実施の形態では、珪素膜(シリコン膜)を用いて説明したが、ゲルマニウムを有する珪素膜(シリコンゲルマニウムと表記する)を用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
ここで薄膜トランジスタの半導体膜の膜厚について述べる。薄膜トランジスタを形成す
る場合、デバイスの電気特性やコンタクト抵抗の増加等により半導体膜の膜厚を薄くして
結晶性半導体膜を形成する工程は必要とされていなかった。一般に、半導体膜を成膜する
場合、成膜室を安定な状態に保持した後、成膜を開始している。薄い半導体膜を形成する
場合、成膜条件、特に上記のような成膜時間が極端に短くなってしまう。以上を踏まえる
と、薄い薄膜トランジスタを形成するため、成膜時間を極端に短くすることは工程上不
都合なことが多く、必要とされなかった。またさらに一般的な半導体膜の膜厚は、薄膜ト
ランジスタの電気特性からみて最適化されてきたものであり、半導体膜を薄膜化する必要
がなかった。
しかし本発明者は、半導体膜を薄膜化することにより結晶性半導体膜の結晶の配向性を制御することを見出した。その結果、本発明のように該結晶性半導体膜を有する薄膜トランジスタは、移動度の向上、電気特性のバラツキを低減することができるという効果を奏する。
(実施の形態2)
本実施の形態では、{100}結晶面に強く配向させる結晶性半導体膜と、その他の結晶面、具体的には{110}や{111}結晶面に強く配向させる結晶性半導体膜とを作り分ける作製方法について説明する。なお本実施の形態も実施の形態1と同様に、非晶質半導体膜に非晶質珪素膜を用い、金属元素としてNiを用いる場合で説明する。
図2(A)に示すように、実施の形態1と同様に、膜厚10nmの第1の非晶質珪素膜102にNi酢酸塩10ppmを含有した水溶液103を塗布し、加熱処理を行い、第1の結晶性珪素膜を形成する。
その後、図2(B)に示すように、第1の結晶性珪素膜の一部の領域をドライエッチング法又はウェットエッチング法により、選択的に除去する。第1の結晶性珪素膜を除去しない領域を第1の領域、除去する領域を第2の領域と表記する。その後、第1の結晶性珪素膜表面に形成される酸化膜を0.5%HFや界面活性剤添加BHFにより除去する。なお本段落の工程において、第1の結晶性珪素膜の一部の領域を除去する代わりに、第1の領域に選択的に第1の非晶質珪素膜を形成し、非晶質珪素膜にNiを添加し、加熱処理を行って結晶化しても構わない。
そして、第1の領域及び第2の領域に第2の非晶質珪素膜110を形成する。本実施の形態では、プラズマCVD法を用いて第2の非晶質珪素膜を50nmに形成する。次いで、少なくとも第2の領域に形成される第2の非晶質珪素膜にNiを添加する。Niを選択的に添加する手段としては、第1の領域にマスクを設けた状態でスピンコーティング法によりNi含有溶液を選択的に塗布する。その他のNiを選択的に添加する手段としては、スクリーン印刷法、ロールコーター法又はインクジェット法によりNi含有膜、具体的にはNiを溶媒に溶解又は分散させたものを選択的に形成する方法がある。なおNiは、第1の領域及び第2の領域における第2の非晶質珪素膜に添加しても構わない。
その後、実施の形態1と同様な加熱処理を行い第2の非晶質珪素膜を結晶化する。本実施の形態では窒素雰囲気において、650℃、3分の加熱処理を行う。
次に図2(C)に示すように、結晶性珪素膜にレーザー105を照射すると好ましい。レーザーを照射することにより、結晶性半導体膜の結晶欠陥を低減することができるからである。本実施の形態では、実施の形態1と同様にパルス発振型のエキシマレーザーを用いる。
このようにして第1の領域120には{100}結晶面に強く配向する結晶性珪素膜を形成し、第2の領域には{100}結晶面の割合が第1の領域より小さい結晶性半導体膜を形成することができる。
その後好ましくは、実施の形態1と同様にゲッタリングを行い結晶性珪素膜中のNiを除去又は低減させる。
本実施の形態では、第1の非晶質珪素膜の膜厚を10nmとして説明したが、以下の実施例に示すように膜厚に依存して、結晶面の配向性を異ならせることができる。例えば、第1の非晶質珪素膜の膜厚を20nmとして形成する場合、{110}結晶面と{100}結晶面の割合が大きい結晶質珪素膜を得ることができる。その結果、第1の領域には{110}結晶面と{100}結晶面に強く配向した結晶質珪素膜を形成し、第2の領域には{100}結晶面の割合が第1の領域より小さい、つまり{110}結晶面、及び{111}結晶面に配向する結晶性半導体膜を形成することもできる。
また第1の領域に{100}結晶面に強く配向させた結晶性珪素膜を形成するため膜厚14nm以下の非晶質珪素膜を形成し、第2の領域にその他の結晶面を強く配向させた結晶性珪素膜を形成するため膜厚14nm以上、30nm以下の非晶質珪素膜を形成してもよい。
本実施の形態では、珪素膜(シリコン膜)を用いて説明したが、ゲルマニウムを有するシリコン(シリコンゲルマニウムと表記する)膜を用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
(実施の形態3)
本実施の形態では、結晶性半導体膜を有する薄膜トランジスタの作製方法について説明する。なお、上述したように30nm以下、特に{100}結晶面を強く配向させるためには14nm以下の膜厚を有する非晶質半導体膜を特徴とするが、薄膜トランジスタの作製条件やデバイスの電気特性からみて、半導体膜の膜厚を高すると好ましい。そのため本実施の形態では、非晶質半導体膜(第1の非晶質半導体膜)上にさらに非晶質半導体膜(第2の非晶質半導体膜)を積層する場合を説明する。
図3(A)に示すように、上記実施の形態のように形成された第1及び第2の結晶性半導体膜を所定の形状にパターニングし、島状の結晶性半導体膜130a、130bを形成する。なお実施の形態2のように、第2の領域には第2の結晶性半導体膜しか形成されないため、第1の領域では積層された結晶性半導体膜をパターニングし、第2の領域では単層の結晶性半導体膜をパターニングして島状の結晶性半導体膜を形成する場合もある。
その後、島状の結晶性半導体膜130a、130bを覆ってゲート絶縁膜として機能する絶縁膜131を形成する。ゲート絶縁膜はプラズマCVD法、ECR−CVD法、LPCVD法またはスパッタリング法を用い、厚さを20〜150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成することができる。本実施の形態では、プラズマCVD法により115nmの厚さで酸化窒化珪素膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)を形成する。なおゲート絶縁膜108は酸化窒化珪素膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いてもよい。
次いで図3(B)に示すように、ゲート絶縁膜上にゲート電極として機能する導電膜を形成し、該導電膜をパターニングし、 導電膜132a、132bを形成する。またゲート電極は導電膜以外に、LPCVD法やPCVD法によりリン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜に代表される半導体膜を形成してもよい。またゲート電極は単層構造、又は積層構造を有してもよい。積層構造の場合、不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜と、導電膜とを積層することができる。本実施の形態では、膜厚50nmの窒化タンタル膜、膜厚370nmのタングステン膜を順次積層した導電膜をパターニングしてゲート電極を形成する。
その後、導電膜132a、132bをマスクとして自己整合的に不純物元素を添加する。本実施の形態では、P(リン)を添加してソース領域、及びドレイン領域となる不純物領域133a、B(ボロン)を添加してソース領域、及びドレイン領域となる不純物領域133bを形成する。このとき、ソース領域、ドレイン領域へ金属元素を捕獲するようなゲッタリングを行ってもよい。
その後好ましくは図3(C)に示すように、ゲート電極109、及びゲート絶縁膜108を覆って、第1の絶縁膜134を形成する。第1の絶縁膜は窒素を有する絶縁膜であればよく、本実施の形態では、プラズマCVD法により100nmの窒化珪素を形成する。 その後、加熱処理を行い、活性化を施す。本実施の形態では、窒素雰囲気中410℃で1時間の加熱処理を行う。その結果、不純物元素添加等により生じる結晶欠陥等を低減することができる。
そして、第1の絶縁膜134を覆うように第2の絶縁膜135を形成する。第2の絶縁膜135は、無機材料(酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコンなど)、感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)、珪素(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む、または置換基にフッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有する材料、いわゆるシロキサン、及びそれらの積層構造を用いることができる。有機材料として、ポジ型感光性有機樹脂又はネガ型感光性有機樹脂を用いることができる。例えば、有機材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、フォトリソフラフィ工程による露光処理により感光性有機樹脂をエッチングすると上端部に曲率を有する開口部を形成することができる。本実施の形態では、原料ガスにSiH4、N2Oを用いるプラズマCVD法により形成される酸化窒化珪素膜を600nmに形成する。
その後、ゲート絶縁膜131、第1の絶縁膜134、第2の絶縁膜135に開口部、いわゆるコンタクトホールを形成し、不純物領域133a、133bと接続する配線136を形成する。本実施の形態では、エッチングガスにCHF3、Heを用いてエッチングを行う。このとき、開口部のエッチング状況に応じて、エッチングガスの流量を決定することができる。そして開口部に配線136を形成する。配線は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)もしくはシリコン(Si)の元素からなる膜又はこれらの元素を用いた合金膜を用いればよい。本実施の形態では、チタン膜/窒化チタン膜/チタンーアルミニウム合金膜/チタン膜(Ti/TiN/Al−Si/Ti)をそれぞれ60/40/300/100nmに積層したのち、所望の形状にパターニング及びエッチングして配線、つまりソース電極、ドレイン電極を形成する。
以上のようにして、nチャネル型の薄膜トランジスタ140、pチャネル型の薄膜トランジスタ141を形成することができる。
このときnチャネル型薄膜トランジスタが有する結晶性半導体膜は{100}結晶面に強く配向し、pチャネル型薄膜トランジスタが有する結晶性半導体膜は{110}結晶面、及び{111}結晶面に強く配向することができる。
そしてこのような薄膜トランジスタを有する半導体装置を作製することができる。半導体装置は、集積回路や半導体表示装置であって、特に液晶表示装置、有機発光素子に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)等の画素部及び駆動回路部に本発明の薄膜トランジスタを用いることができる。
以上、本実施の形態では、積層された結晶性半導体膜をパターニングして薄膜トランジスタを形成する場合を説明したが、図9(A)に示すように単層の結晶性半導体膜142a、142bをパターニングして、nチャネル型の薄膜トランジスタ143、pチャネル型の薄膜トランジスタ144を形成してもよい。図9(A)に示す結晶性半導体膜は、膜厚を30nm以下、特に{100}結晶面を配向させるためには14nm以下とする。
またソース領域及びドレイン領域に形成する電極とのコンタクトホール形成時の制御を考えると、薄膜トランジスタの活性層のうち、少なくともソース領域及びドレイン領域の膜厚を高くすると好ましい。その結果、コンタクトホール形成時に、半導体膜が不要にエッチングされたり、貫通することを抑制できる。
具体的には少なくともソース領域及びドレイン領域において、半導体膜を積層し、第1の半導体膜と第2の半導体膜との合計膜厚が40nm以上とするとよい。ここで第1及び第2の半導体膜と表記したのは、チャネル形成領域における第1の半導体膜は結晶性を有するとよいが、ソース領域及びドレイン領域における第1及び第2の半導体膜は、非晶質であっても、結晶質であってもよいからである。すなわち膜厚は、半導体膜が非晶質や結晶質といった状態を考えなくともよいからである。
ソース領域及びドレイン領域の膜厚を高くするため、例えば図9(B)に示すように、第1の非晶質半導体膜を結晶化した結晶性半導体膜145a、145bを形成し(ソース領域及びドレイン領域では点線で記載)、該結晶性半導体膜上のソース領域及びドレイン領域に第2の非晶質半導体膜を形成する。その後ソース領域及びドレイン領域に不純物元素を添加し、コンタクトホールを形成し、nチャネル型の薄膜トランジスタ146、pチャネル型の薄膜トランジスタ147を形成することができる。このときチャネル形成領域は、膜厚を30nm以下、特に{100}結晶面を配向させるためには14nm以下とし、ソース領域及びドレイン領域は、合計膜厚を40nm以上とする。
またソース領域及びドレイン領域の膜厚を高くするため、例えば図9(C)に示すように、ソース領域及びドレイン領域に第1の非晶質半導体膜を形成し(ソース領域及びドレイン領域では点線で記載)、第2の非晶質半導体膜を形成し、結晶化を行って結晶性半導体膜148a、148bを形成する。その後ソース領域及びドレイン領域に不純物元素を添加し、コンタクトホールを形成し、nチャネル型の薄膜トランジスタ149、pチャネル型の薄膜トランジスタ150を形成することができる。このとき結晶性半導体膜は、膜厚を30nm以下、好ましくは14nm以下とし、特にソース領域及びドレイン領域は、合計膜厚を40nm以上とする。その結果、チャネル形成領域は{100}結晶面に配向する。
図9(A)〜(B)において、nチャネル型の薄膜トランジスタのチャネル形成領域の膜厚を14nm以下とし、pチャネル型の薄膜トランジスタのチャネル形成領域の膜厚を14nm以上、30nm未満として結晶の配向性を制御してもよい。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる工程により、結晶性半導体膜を有する薄膜トランジスタを作製する方法について説明する。
図8(A)に示すように、上記実施の形態と同様に絶縁表面を有する基板100に下地膜101(101aと101bの積層)を形成し、非晶質半導体膜を形成する。上記実施の形態と同様に、金属元素を用いて非晶質半導体膜を結晶化し、結晶性半導体膜を形成し、島状の結晶性半導体膜130を形成する。このとき結晶性半導体膜は、膜厚を30nm以下、特に{100}結晶面を配向させるために14nm以下とする。また上記実施の形態と同様に、好ましくは結晶性半導体膜にレーザー光を照射し、ゲッタリング工程を施す。
その後、結晶性半導体膜を覆って、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜131、ゲート電極として機能する導電膜132を順に形成する。ゲート電極の形状となるようにパターニングされた導電膜132をマスクとして、絶縁膜131をパターニングする。次いで、絶縁膜131及び導電膜132をマスクとして、自己整合的に不純物領域170を形成する。
図8(B)に示すように、結晶性半導体膜、及び導電膜を覆って金属膜171を形成する。そして、金属膜と、結晶性半導体膜が有する珪素とを反応させシリサイドを形成させる。金属膜は、その後形成されるシリサイドが半導体に対してオーミック又はオーミックに近い低抵抗なコンタクトを形成できるような材料であることが望まれる。具体的には、モリブテン(Mo)、タングステン(W)、プラチナ(白金、Pt)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、コバルト(Co)が好ましい。上記金属材料のうちの少なくとも1つと珪素を反応させてシリサイドとする。またシリサイドを形成するため、上方又は基板100側からレーザーを照射したり、電気炉等により加熱する。
その結果図8(C)に示すように、他の領域の金属膜を除去し、ソース領域及びドレイン領域にシリサイド172を形成することができる。このとき、ソース領域及びドレイン領域のシリサイドとゲート電極が短絡することを防止するため、ゲート絶縁膜の膜厚やシリサイドの膜厚を制御する必要がある。
その後、図8(D)に示すように、上記実施の形態と同様に、第1の絶縁膜134、第2の絶縁膜135を形成する。第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜と、結晶性半導体膜130との選択比がとれるようにエッチングし、シリサイド172と接続する電極(ソース電極、ドレイン電極とも表記する)を形成する。このとき、結晶性半導体膜が薄いため、エッチング時に不要なエッチングや貫通することが懸念される。しかし、例えば第1及び第2の絶縁膜にそれぞれ窒化珪素膜、及び酸化珪素膜を用いることにより、窒化珪素膜が酸化珪素膜のエッチング残りを低減するよう、その後揃って窒化珪素膜のエッチングが始まるため、結晶性半導体膜の不要なエッチングを抑制できる。窒化珪素膜の代わりに原料ガスにSiH4、N2O、NH3、H2、を用いてプラズマCVD法により形成される酸化された窒化珪素膜を用いることができる。また酸化珪素膜の代わりに、原料ガスにSiH4、N2Oを用いてプラズマCVD法により形成される窒化された酸化珪素膜を用いることができる。
このようなシリサイドによって、ソース領域及びドレイン領域のみの膜厚を多少大きくすることができる。さらにシリサイドによってソース領域及びドレイン領域の抵抗を低減することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、結晶性半導体膜を有する薄膜トランジスタを有する発光装置の断面図を示す。
図4(A)に示すように、上記実施の形態に基づき、絶縁表面を有する基板100に設けられたpチャネル型の駆動用TFT141は配向性が制御された結晶性半導体膜を有する。配線136と電気的に接続するように、発光素子の第1の電極151を設ける。そして、第1の電極151を覆うように土手や隔壁と呼ばれる第3の絶縁膜を設け、第3の絶縁膜の第1の電極上に開口部を形成する。開口部には、電界発光層152が設けられ、電界発光層や第3の絶縁膜を覆うように発光素子の第2の電極153が設けられる。
電界発光層152は、第1の電極151側から順に、HIL(ホール注入層)、HTL(ホール輸送層)、EML(発光層)、ETL(電子輸送層)、EIL(電子注入層)の順に積層されている。
また、電界発光層152として、フルカラー表示とする場合、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光を示す材料を、それぞれ蒸着マスクを用いた蒸着法、またはインクジェット法などによって選択的に形成すればよい。具体的には、HILとしてCuPcやPEDOT、HTLとしてα−NPD、ETLとしてBCPやAlq3、EILとしてBCP:LiやCaF2をそれぞれ用いる。また例えばEMLは、R、G、Bのそれぞれの発光色に対応したドーパント(Rの場合DCM等、Gの場合DMQD等)をドープしたAlq3を用いればよい。なお、電界発光層は上記積層構造に限定されない。例えば、CuPcやPEDOTの代わりに酸化モリブデン(MoOx:x=2〜3)等の酸化物とα−NPDやルブレンを共蒸着して形成し、ホール注入性を向上させることもできる。
また白色の発光を示す電界発光層を形成する場合、カラーフィルター、又はカラーフィルター及び色変換層などを別途設けることによってフルカラー表示を行うことができる。カラーフィルターや色変換層は、例えば第2の基板(封止基板)156に設けた後、張り合わせればよい。本実施の形態では、白色発光を示す電界発光層152を全面に蒸着する。
また第1の電極及び第2の電極は仕事関数を考慮して材料を選択する必要がある。但し第1の電極及び第2の電極は、画素構成によりいずれも陽極、又は陰極となりうる。例えば、駆動用TFTの極性をnチャネル型とし、第1の電極を陰極、第2の電極と陽極とすることができる。以下に、第1の電極を陽極とし、第2の電極を陰極とする場合における電極材料について説明する。
陽極として用いる第1の電極としては、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体例な材料としては、ITO(indium tin oxide)、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(indium zinc oxide)、酸化インジウムに2〜20%の酸化珪素(SiO2)を混合したITSO、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(TiN)等を用いることができる。
一方、陰極として用いる第2の電極としては、仕事関数の小さい(仕事関数3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的な材料としては、元素周期律の1族または2族に属する元素、すなわちLiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li)や化合物(LiF、CsF、CaF2)の他、希土類金属を含む遷移金属を用いて形成することができる。但し、本実施の形態において第2の電極は透光性を有するため、これら金属、又はこれら金属を含む合金を非常に薄く形成し、ITO、IZO、ITSO又はその他の金属(合金を含む)との積層により形成することができる。
これら第1の電極、及び第2の電極は蒸着法、スパッタリング法等により形成することができる。例えば第1の電極及び第2の電極にスパッタリング法による導電膜、ITOITSOを形成する場合、第2の電極をスパッタリング法で形成するとき電界発光層にダメージが入る恐れがある。スパッタリング法によるダメージを低減するため、酸化モリブデン(MoOx:x=2〜3)等の酸化物が電界発光層の最上面に形成されると好ましい。そのため、HIL等として機能する酸化モリブデン(MoOx:x=2〜3)等の酸化物を電界発光層の最上面に形成するため、第1の電極側から順に、EIL(電子注入層)、ETL(電子輸送層)、EML(発光層)、HTL(ホール輸送層)、HIL(ホール注入層)、第2の電極の順に積層するとよい。
その後、窒素を含むパッシベーション膜154をスパッタリング法やCVD法により形成し、水分や酸素の侵入を防止する。このとき形成される空間には、窒素を封入し、さらに乾燥剤を配置してもよい。また透光性を有し、吸水性の高い樹脂を充填してもよい。さらに第1の電極、第2の電極、その他の電極により、表示手段の側面を覆って酸素や水分の侵入を防ぐこともできる。その後、封止基板156を張り合わせる。
またコントラストを高めるため、偏光板又は円偏光板を設けてもよい。例えば、表示面の一面又は両面に偏光板、若しくは円偏光板を設けることができる。
このように形成された構造を有する発光装置は、第1の電極151及び第2の電極153が透光性を有する。そのため、信号線から入力されるビデオ信号に応じた輝度で電界発光層から光が両矢印方向160、161に出射する。
図4(B)に示す発光装置の構造は、第1の電極311は非透光性、好ましくは反射性の高い導電膜とし、第2の電極313は透光性を有する導電膜とする点が図4(A)と異なる。そのため、光の射出方向160は封止基板156側のみである。
図4(B)において第2の電極にスパッタリング法により形成される透光性を有する導電膜を使用する場合、上述のように電界発光層にダメージが入る恐れがある。スパッタリング法によるダメージを低減するため、酸化モリブデン(MoOx:x=2〜3)等の酸化物が電界発光層の最上面に形成されると好ましい。そのため、HIL等として機能する酸化モリブデン(MoOx:x=2〜3)等の酸化物を電界発光層の最上面に形成するため、第1の電極側から順に、EIL(電子注入層)、ETL(電子輸送層)、EML(発光層)、HTL(ホール輸送層)、HIL(ホール注入層)、第2の電極の順に積層するとよい。その他の構成は図4(A)と同様であるため説明を省略する。
図4(C)に示す発光装置の構造は、第1の電極311は透光性を有する導電膜とし、第2の電極313は非透光性、好ましくは反射性の高い導電膜とする点が図4(A)と異なる。そのため、光の出射方向161が基板100側のみである。その他の構成は図4(A)と同様であるため説明を省略する。
図4(B)(C)のように、光の出射方向とならない側に設けられた発光素子の電極に、反射性の高い導電膜を用いることにより光を有効利用することができる。
本実施の形態において、透光性を有する導電膜を得るためには、非透光性を有する導電膜を、透光性を有するように薄く形成し、その上に透光性を有する導電膜を積層してもよい。
(実施例1)
本実施例では、上記実施の形態により得られる結晶性珪素膜の配向性をEBSP測定により求めた結果を示す。EBSP測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)に専用の検出器を設け、電子ビームを結晶面に照射してその菊池線からの結晶方位同定をコンピューターで画像認識させることによって、そのミクロな結晶性を表面配向のみならず、結晶の全方向に関して測定するものである。そしてEBSP測定においては、許容ずれ角(許容角度)を定めて結晶粒の配向性の割合を表示することができる。ここで許容角度とは、膜表面における垂線に対するずれ角である。
なお本実施例において、走査型電子顕微鏡として日立サイエンスシステムズ社製のS−4300SE形走査電子顕微鏡を用い、専用の検出器にはTSL社製のOrientationimaging Microscopeを用いる。
図5(A)〜(C)にはそれぞれ膜厚10nm、14nm及び24nmとして形成された結晶性珪素膜であって、許容角度10度未満としたときの配向性を示す。なお図5(A)〜(C)において、{100}結晶面を赤色、{110}結晶面を緑色、{111}結晶面を青色で表す。図5(A)をみると、膜厚10nmの珪素膜において{100}結晶面が24.7%程度占めていることがわかる。また図5(B)をみると、膜厚14nmの珪素膜において{100}結晶面が8.0%程度占めていることがわかる。また図5(C)をみると、膜厚24nmの珪素膜において{100}結晶面が3.7%程度占めていることがわかる。
このようにEBSP測定の結果から得られる珪素膜の膜厚と、配向性の割合の関係を図6に示す。なお図6には、データの信頼性CI値>0.05とした場合であって、結晶方位図、許容角度10度として{100}結晶面、{110}結晶面及び{111}結晶面を図面化したものである。珪素膜の膜厚は、10nm、14nm、24nm及び54nmとし、それぞれの各配向の割合をプロットしている。{100}結晶面の割合をみると、膜厚10nmでは32.4%、14nmでは8.6%、24nmでは6.6%、54nmでは1.0%であった。
以上のEBSP測定の結果から非晶質珪素膜は、膜厚が薄くなるにつれ{100}結晶面が増加し、{100}結晶面に強く配向することがわかる。特に膜厚が10nm以下となると{100}結晶面が32.4%程度占めていることがわかる。
(実施例2)
本実施例では、10nmの非晶質珪素膜にNi添加後加熱処理を行い、第2の非晶質珪素膜を積層後に加熱処理を行い、更にレーザー照射を行った試料のSEM写真を図7に示す。
なお結晶性珪素膜の表面は結晶粒界を顕在化させるために一般的に知られるセコ液(HF:H2O=2:1に添加剤としてK2Cr27を用いて調合した薬液)でのエッチング(セコ・エッチング)を施してある。本実施例では、二クロム酸カリウム2.2gを水50ccに溶かして0.15mol/lの溶液を調製し、当該溶液にフッ酸水溶液100ccを加え、さらに水で5倍に希釈したものをセコ液として使用した。また、セコ・エッチングの条件を室温(10〜30℃)にて25秒とした。
図7に示す結晶性珪素膜の結晶粒は不定形であり、結晶粒界は曲率を有しうねっている。つまり結晶性珪素膜は、内角が180度以上である結晶粒、曲率半径が400nm以下である結晶粒界、短軸と長軸の比が1:2以上である結晶粒、又は数個の結晶粒がつながり結晶粒界が不明瞭、つまり結晶粒界が閉じていない結晶粒を有している。
以上のように、結晶化された珪素膜上に第2の非晶質珪素膜を形成して加熱処理、更に好ましくはレーザー照射を行うことにより、第2の非晶質珪素膜を結晶することができる。
(実施例3)
本実施例では、実施例1とは異なる方法により得られた結晶性珪素膜の配向性をEBSP測定により求めた結果を示す。
まず第1の非晶質珪素膜を12nmの膜厚で形成し、Niを用いて、650℃、20分間加熱し、第1の結晶性珪素膜を形成する。その後、第1の結晶性珪素膜上に、42nmの膜厚で第2の非晶質珪素膜を形成し、500℃、1時間、その後550℃、4時間の熱処理、次いで、パルス発振型のエキシマレーザーを用い、約400mJ/cm2、発振周波数30Hz、スキャンスピード1mm/secで照射する。すると、第2の非晶質珪素膜を結晶化し、第2の結晶性珪素膜を形成することができる。
こうして得られた第2の結晶性珪素膜を、EBSP測定により測定した結果を図10(A)に示す。図10(A)をみると、{100}結晶面が47.2%を占め、{100}結晶面に強く配向することがわかる。
また図10(B)には、第1の非晶質珪素膜の加熱処理を、600℃、12時間として第1の結晶性珪素膜を形成し、その他の条件は図10(A)で測定した試料と同一である第2の結晶性珪素膜を、EBSP測定により測定した結果を示す。
図10(A)と同様に、{100}結晶面が強く配向しており、62.0%を占めることがわかる。
このように、本発明の膜厚が14nm以下である、非常に薄い非晶質珪素膜を結晶化し、さらに第2の非晶質珪素膜を積層した場合であっても、{100}結晶面が強く配向した結晶性珪素膜を得ることがわかる。
(実施例4)
本実施例では、結晶性珪素膜を用いて形成された薄膜トランジスタの電気特性を示す。なお、薄膜トランジスタのチャネル長(L)は50μm、チャネル幅(W)は50μmとなるように設計した薄膜トランジスタを用いて測定した。
各試料A〜Dは、それぞれ作製行程が異なっており、試料Aは、非晶質珪素膜を12nm形成し、Niを塗布し、加熱処理を行い、42nmの非晶質珪素膜を積層し、パルス発振型のエキシマレーザーを用い、約400mJ/cm2、発振周波数30Hz、スキャンスピード1mm/secで照射して、結晶性珪素膜を形成した。試料Bは、上記エキシマレーザのエネルギーを5%高めて、結晶性珪素膜を形成した。試料Cは、非晶質珪素膜を12nm形成し、Niを塗布し、ランプアニールを用いて、750℃、300sec加熱処理し、42nmの非晶質珪素膜を積層し、500℃で1時間、さらに550℃で4時間の加熱処理をし、パルス発振型のエキシマレーザーを用い、約400mJ/cm2、発振周波数30Hz、スキャンスピード1mm/secで照射して、結晶性珪素膜を形成した。試料Dは、非晶質珪素膜を12nm形成し、Niを塗布し、600℃、12時間の加熱処理を行い、その後は試料Cと同様に処理し、結晶性珪素膜を形成した。
図11は各試料の面内中央値における、各電気特性を示す。面内中央値とは、100点測定した値を順にし、その中心の値、つまり50番目の値である。図中、nチャネル型薄膜トランジスタの結果は左側、pチャネル型薄膜トランジスタの結果は右側に示す。
図11(A)には、ドレイン電圧が1Vとなったときの電流、図11(B)には、ドレイン電圧が14Vとなったときの電流、図11(C)には、しきい値電圧(Vth)、図11(D)には、トランジスタの電流が流れなくなるときのゲート電圧(shift)、図11(E)には、S値、図11(F)には、電界効果移動度(μFE)を示す。図11(F)中に示すエラーバーは、面内における最大値と最小値を示す。
図11より、本発明の条件により作製された、試料Dの電界効果移動度は高いことがわかる。
nチャネル型薄膜トランジスタの場合、試料Aの電界効果移動度は、267cm2/Vsであり、試料Dの電界効果移動度は、291cm2/Vsであり、10%高まったことがわかった。なお、電界効果移動度の最大値でみると、試料Aは286cm2/Vsであり、試料Dは344cm2/Vssであり、20%近く高まることがわかった。
図12は、各試料A〜Dに対して、100点測定したときの面内ばらつき(3σ’)を示す。図中、nチャネル型薄膜トランジスタはの結果は左側、pチャネル型薄膜トランジスタの結果は、右側に示す。
図12(A)には、ドレイン電圧が1Vとなったときの電流の面内ばらつき、図12(B)には、ドレイン電圧が14Vとなったときの電流の面内ばらつき、図12(C)には、しきい値電圧(Vth)の面内ばらつき、図12(D)には、トランジスタの電流が流れなくなるときのゲート電圧(shift)の面内ばらつき、図12(E)には、S値の面内ばらつき、図12(F)には、電界効果移動度の面内ばらつきを示す。
図13は、各試料A〜Dに対して、隣接する薄膜トランジスタ間のばらつき(3σ’)を示す。図中、nチャネル型薄膜トランジスタはの結果は左側、pチャネル型薄膜トランジスタの結果は、右側に示す。
図13(A)には、ドレイン電圧が1Vとなったときの電流の隣接間(50μmスペースのTFT対の間)ばらつき、図13(B)には、ドレイン電圧が14Vとなったときの電流の隣接間ばらつき、図13(C)には、しきい値電圧(Vth)の隣接間ばらつき、図13(D)には、トランジスタの電流が流れなくなるときのゲート電圧(shift)の隣接間ばらつき、図13(E)には、S値の隣接間ばらつき、図13(F)には、電界効果移動度の隣接間ばらつきを示す。
本発明の条件で作製された試料Dでは、電気特性の隣接間ばらつきが低減されることがわかった。電界効果移動度μFEが20%上昇することがわかった。
シリコンウェハを用いて形成されるpチャネル型トランジスタは、{100}面では電界効果移動度は上がらないが、試料Dはその他の試料より上昇することがわかった。さらに、pチャネル型薄膜トランジスタにおいて、試料Dは隣接間ばらつきも低減することがわかった。
なお、試料Dにおいて、、面内ばらつきは、あまり変化しておらず、隣接間ばらつきが低減していることから、結晶方位均一性向上の効果が現れていることがわかる。
このように、本発明の結晶性珪素膜を用いて形成された薄膜トランジスタは、その他の方法により形成された結晶性珪素膜より、電界効果移動度が向上し、隣接間ばらつきが低減することがわかった。
隣接間ばらつきの少ない薄膜トランジスタは、アナログ回路全般に用いることができる。例えば、ソースフォロワ、ボルテージフォロワ、差動アンプ、カレントミラーを使用した回路等に用いると好適である。また電流入力型のEL表示装置の画素部に用いてもよい。
本発明の結晶性半導体膜の作製方法を示した断面図である。 本発明の結晶性半導体膜の作製方法を示した断面図である。 本発明の結晶性半導体膜を有する薄膜トランジスタの作製方法を示した断面図である。 本発明の結晶性半導体膜を有する発光装置の作製方法を示した断面図である。 本発明の結晶性半導体膜のEBSP測定の結果を示す図である。 本発明の結晶性半導体膜の膜厚と、結晶面とをプロットした結晶方位図である。 本発明の結晶性半導体膜の作製方法を示した断面図である。 本発明の結晶性半導体膜を有する薄膜トランジスタの作製方法を示した断面図である。 本発明の結晶性半導体膜を有する薄膜トランジスタの作製方法を示した断面図である。 結晶性珪素膜のEBSP測定の結果を示す図である。 結晶性珪素膜を有する薄膜トランジスタの電気特性を示すグラフである。 結晶性珪素膜を有する薄膜トランジスタの電気特性を示すグラフである。 結晶性珪素膜を有する薄膜トランジスタの電気特性を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 選択的に14nm以下の非晶質珪素膜を形成し、
    前記非晶質珪素膜に結晶化を促進する金属元素を添加し、
    前記非晶質珪素膜を加熱することにより、{100}結晶面が{110}結晶面及び{111}結晶面より多く配向した結晶性珪素膜を形成し、
    前記結晶性珪素膜にn型の不純物元素を添加する
    ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  2. 第1の領域及び第2の領域に14nm以下の第1の非晶質珪素膜を形成し、
    前記第1の非晶質珪素膜に結晶化を促進する金属元素を添加し、
    前記第1の非晶質珪素膜を加熱することにより、{100}結晶面が{110}結晶面及び{111}結晶面より多く配向した第1の結晶性珪素膜を形成し、
    前記第2の領域に形成された前記第1の結晶性珪素膜を選択的に除去し、
    前記第1の領域及び前記第2の領域に14nmより大きく30nm以下の第2の非晶質珪素膜を形成し、
    少なくとも前記第2の領域に形成された前記第2の非晶質珪素膜に結晶化を促進する金属元素を添加し、
    前記第1の結晶性珪素膜及び前記第2の非晶質珪素膜を加熱することにより前記第1の領域に{100}結晶面が{110}結晶面及び{111}結晶面より多く配向した第2の結晶性珪素膜を形成し、前記第2の領域に{110}結晶面及び{111}結晶面のいずれかが{100}結晶面より多く配向した第2の結晶性珪素膜を形成し、
    前記第1及び第2の結晶性珪素膜に不純物元素を添加し、
    前記第1の領域にnチャネル型の薄膜トランジスタを形成し、前記第2の領域にpチャネル型の薄膜トランジスタを形成する
    ことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 第1の領域に14nm以下の第1の非晶質珪素膜を形成し、第2の領域に14nmより大きく30nm以下の第2の非晶質珪素膜を形成し、
    前記第1及び第2の非晶質珪素膜に結晶化を促進する金属元素を添加し、
    前記第1及び第2の非晶質珪素膜を加熱することにより、前記第1の領域に{100}結晶面が{110}結晶面及び{111}結晶面より多く配向した第1の結晶性珪素膜を形成し、前記第2の領域に{110}結晶面及び{111}結晶面のいずれかが{100}結晶面より多く配向した第2の結晶性珪素膜を形成し、
    前記第1及び第2の結晶性珪素膜に不純物元素を添加して前記第1の領域にnチャネル型の薄膜トランジスタを形成し、前記第2の領域にpチャネル型の薄膜トランジスタを形成する
    ことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 同一基板上の第1の領域及び第2の領域に14nm以下の第1の非晶質珪素膜を形成し、
    前記第1の非晶質珪素膜に結晶化を促進する金属元素を添加し、
    前記第1の非晶質珪素膜を加熱することにより、{100}結晶面が{110}結晶面及び{111}結晶面より多く配向した第1の結晶性珪素膜を形成し、
    前記第2の領域に形成された前記第1の結晶性珪素膜を選択的に除去し、
    前記第1の領域及び前記第2の領域に14nmより大きく30nm以下の第2の非晶質珪素膜を形成し、
    少なくとも前記第2の領域に形成された前記第2の非晶質珪素膜に結晶化を促進する金属元素を添加し、
    前記第1の結晶性珪素膜及び前記第2の非晶質珪素膜を加熱することにより前記第1の領域に{100}結晶面が{110}結晶面及び{111}結晶面より多く配向した第2の結晶性珪素膜を形成し、前記第2の領域に{110}結晶面及び{111}結晶面のいずれかが{100}結晶面より多く配向した第2の結晶性珪素膜を形成し、
    前記第1及び第2の結晶性珪素膜に不純物元素を添加し、
    前記第1の領域にnチャネル型の薄膜トランジスタを形成し、前記第2の領域にpチャネル型の薄膜トランジスタを形成する
    ことを特徴とする半導体装置の作製方法。
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