JP4589576B2 - Hydraulic continuously variable transmission and power transmission device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業機械や車両等、各種の産業分野で広く利用可能な油圧式無段変速装置及び動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧式無段変速装置には、2つの油圧装置が備えられており、両油圧装置間には作動油が流れる油圧閉回路が形成されている。一方、図14に示すように、両油圧装置に共有されるシリンダブロック311には前記油圧閉回路を構成する複数のプランジャ孔312、及び弁孔313が設けられている。そして前記プランジャ孔312及び弁孔313には、油圧閉回路内において作動油に所定の流通動作を行わせるためのプランジャ314及び切替弁315がそれぞれ配されている。前記プランジャ孔312と弁孔313はシリンダブロック311の軸線の回りに配置されており、油路317を介して互いに連通されている。また、シリンダブロック311の軸線の回りに環状に形成された第1及び第2油室318、319がシリンダブロック313の軸方向に並んで並設されており、シリンダブロック311に設けられた全ての弁孔313に連通されている。
【0003】
前記切替弁315は弁孔313の径と略同径に形成された第1〜第3ランド部316a〜316cを備えており、スプール型に形成されている。そして、切替弁315が弁孔313内で往復移動することにより、弁孔313を介して、油路317(プランジャ孔312)と第1又は第2油室318、319の何れかに作動油が流れるように流通路が切換えられる。
【0004】
ところで、上述したように、切替弁315が往復移動することで、作動油の流通路を切換えているため、前記切替弁315の往復移動の中で、油路317と弁孔313(即ち第1及び第2油室318,319)の作動油の授受が行われない位置が存在する。なお、このときの切替弁315の位置をシール位置という。そして、従来において、このシール位置に際しては、図14に示すように、切替弁315の第2ランド部316bにて油路317と弁孔313の合流部であるポート320を閉鎖していた。この結果、油路317と弁孔313(第1及び第2油室318,319)の作動油の授受は行われない。
【0005】
しかし、このように切替弁315がシール位置に配される際に、単に第2ランド部316bでポート320を閉鎖するだけの構成とした場合、第2ランド部316bは、油路317に溜まる作動油によってその外周面の一部に集中的に圧力を受ける。この結果、切替弁315の弁孔313内での往復動がスムースに行われないおそれがある。
【0006】
そこで、図15に示すように、ポート320に対応した弁孔313の部位を拡径された拡径部321として、シール位置に切替弁315が配される際において、前記拡径部321と第2ランド部316bが相対するように構成することが考えられる。このようにすれば、油路317と弁孔313(第1及び第2油室318,319)の作動油の授受が停止された際でも、前記第2ランド部316bの周面に亘って作動油が溜まるようになる。この結果、油路317に溜まる作動油によって第2ランド部316bの外周面の一部に集中的に圧力を受けることなく、切替弁315の往復動はスムースに行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記拡径部321は、弁孔313の長手方向の中間に位置するポート320に対応した部位に形成されている。このため、シリンダブロック311の製造工程において、弁孔313の拡径部321を形成する際に以下のような不具合が生じる。即ち、通常、弁孔313は、まずドリル等により所定径の孔を穿設し、その後、拡径部321を切削加工することで形成される。このとき、前記拡径部321を形成するために、例えば細いL字状の工具を用いて、弁孔313の開口から前記工具を挿入し、切削加工しなければならない。このため、拡径部321を形成するために非常に煩雑な作業が求められ、加工工程数が増えてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分配弁の往復動をスムースに行わせることができ、且つ簡便に弁孔を形成できる油圧式無段変速装置及び動力伝達装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、スプール型の分配弁が往復動する弁孔と、プランジャが往復動するプランジャ孔とを有し、前記弁孔とプランジャ孔を油路にて連通した第1油圧装置及び第2油圧装置を備え、前記分配弁が、弁孔と油路間での作動油の流動を停止するシール位置に配された際の、前記弁孔と油路との合流部における分配弁の断面積を、前記合流部における弁孔の断面積よりも小さく構成し、前記合流部を挟んだ往復方向両側における分配弁の断面積を、同部位における弁孔の断面積と略同じにした油圧式無段変速装置において、前記第1油圧装置は、クレイドルの斜板面によりプランジャの往復動を行うものであり、前記第2油圧装置は、プランジャがヨークの回転斜面に当接することによって出力回転を得る出力回転部を有し、前記第1油圧装置のプランジャ室が形成されるシリンダブロックと前記第2油圧装置のプランジャ室が形成されるシリンダブロックとを共有し、同シリンダブロックをその軸線の周りで回転する構成とし、第1油圧装置のプランジャ室と第2油圧装置のプランジャ室との間で作動油が循環する油圧閉回路をシリンダブロックに設け、シリンダブロックに設けた分配弁の往復動によって前記プランジャ室間で作動油が循環する構成とし、分配弁をシリンダブロックの軸線と平行に配置し、同分配弁を、シリンダブロックの軸線方向に傾斜配置されるとともにシリンダブロックと同期回転し、分配弁に往復動を付与する往復動付与部材と係合する構成とし、前記往復動付与部材を前記クレイドル及び前記ヨークとは別体で構成したことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の油圧式無段変速装置を用いた動力伝達装置において、シリンダブロックを原動機からの入力軸によって回転する構成とし、前記入力軸を反原動機側に延出して出力軸として構成し、延出された入力軸外周に前記出力回転部を設け、出力回転部の動力伝達を行うとともに正逆回転切替可能な正逆回転切替装置を設け、入力軸の原動機側に、原動機から第1油圧装置に対する入力回転の伝達の入切りを実現する断接手段を設けたことを要旨とする。
【0012】
(作用)
請求項1の発明によれば、弁孔と油路間での作動油の流動が停止されるシール位置に前記分配弁が配された際に、弁孔と油路との合流部における分配弁の断面積が、前記合流部の弁孔の断面積よりも小さくなり、且つ前記合流部を挟んだ往復方向両側における分配弁の断面積が同部位における弁孔の断面積と略同じになる。このため、従来と異なり、弁孔と油路との合流部を分配弁で閉鎖することなく弁孔と油路間での作動油の流動が停止される。これに伴い、従来と異なり、弁孔に拡径部を形成する必要もない。
【0013】
請求項2の発明によれば、シール位置における弁孔と分配弁の断面積の差異により、分配弁の往復動がスムースに行われ、拡径部を必要とせず簡便に弁孔が形成される油圧装置は動力伝達装置に効果的に用いられる。
【0014】
以下、作業機として作業用車両の走行用に使用される油圧式無段変速装置(以下、無段変速装置20という)を含む動力伝達装置についての実施の形態を、図1〜図12に従って説明する。
【0015】
図1及び図3に示すように無段変速装置20は、作業用車両のパワーユニットのケース26内に収納されている。無段変速装置20は、第1油圧装置100と、同第1油圧装置100との間に油圧閉回路C(図9及び図10参照)を形成する第2油圧装置200とから構成されている。
【0016】
図8は無段変速装置20を含む動力伝達装置を示す概念図である。無段変速装置20の入力軸21はエンジン22のクランク軸にクラッチ機構300を介して連結され、出力側である後記するヨーク23には、ギヤシフト装置138(CST)が接続されている。前記クラッチ機構300は例えば図示しない足踏みのクラッチペダルに連動して断接するようになっている。
【0017】
ギヤシフト装置138は、第1クラッチ139、第2クラッチ140を備えている。第1クラッチ139は、ヨーク23に連結された駆動側クラッチプレートに対して従動クラッチプレートを連結すると、従動クラッチプレートに連結されたギヤ141が、ギヤ142を介して、図示しない終減速装置に駆動トルクを伝達する。又、第2クラッチ140は、ヨーク23に連結された駆動側クラッチプレートに対して従動クラッチプレートを連結すると、ギヤ143、アイドラギヤ144、145、及びアイドラギヤ145に噛合されたギヤ142を介して図示しない終減速装置に駆動トルクを伝達する。
【0018】
ギヤシフト装置138はシフトレバー146(図11参照)に連係されており、このシフトレバー146の操作に基づいて、前進時には第1クラッチ139を接続し、後進時には、第2クラッチ140を接続する。
【0019】
なお、本実施形態では、前記エンジン22が原動機、クラッチ機構300が断接手段、ギヤシフト装置138が正逆回転切替装置にそれぞれ相当する。
無段変速装置20のケース26は、円筒状の筒部材27と、筒部材27の両端開口に対して塞ぐようにボルト挿通孔28,29(図3参照)を介して図示しないボルトにて一体に連結された一対の側壁部材30,31とから構成されている。
【0020】
無段変速装置20の入力軸21において、入力端側は、ケース26の側壁部材30に対して軸受部32を介して回転自在に支持されている。又、ケース26の側壁部材31には、出力回転部としてのヨーク23が、軸受部33を介して回動自在に支持されている。そして、入力軸21の出力端側は、ヨーク23と同軸上に位置するように、ヨーク23に対して一対の軸受23a及びシール23bを介して回動自在に貫通されて支持されている。同出力端のヨーク23から突出した端部はPTO軸とされている。
【0021】
図4に示すように側壁部材30の中央において、内外両側面には、一対の軸受収納孔34,35が同軸上に配置されるように並設されている。軸受収納孔34,35間には、軸受収納孔34,35よりも縮径した貫通孔36が形成されている。そして、貫通孔36にはスリーブ37が回動自在に配置され、また両軸受収納孔34、35には貫通孔36を挟んで対称上に円錐コロ軸受38,39が嵌合固定されている。そして、入力軸21は両円錐コロ軸受38,39を介して支持されている。又、軸受収納孔34の開口は、側壁部材30にボルト付けされたカバー15にて覆われている。図4に示すようにカバー15の貫通孔15aにはシール部材16を介して入力軸21が貫通されている。
【0022】
図4に示すように、円錐コロ軸受38の外輪38aは、軸受収納孔34にシム50を介して当接されている。又、円錐コロ軸受39の外輪39aは、軸受収納孔35の奥側の段部に当接固定されている。そして、軸受収納孔34内において、入力軸21の入力端側外周にはナット40が螺合されている。ナット40の螺合により、円錐コロ軸受38の内輪38bは、スリーブ37を介して、円錐コロ軸受39の内輪39bを押圧し、さらに、入力軸21に嵌合したスリーブ41を押圧する。スリーブ41は、シリンダブロック42を押圧する。そして、シリンダブロック42は、入力軸21外周に突設した係止部46に当接される。よって、シリンダブロック42は入力端側のみからナット40を螺合するのみで軸方向に固定することができる。又、軸受外輪38aと側壁部材30との間に介在するシム50の枚数や厚みを加減することで軸受38,39の各々の内輪と外輪との密着度合いを調整することができる。
【0023】
円錐コロ軸受38,39及びスリーブ37により、軸受部32が構成されている。
(第1油圧装置100)
第1油圧装置100は、入力軸21と、シリンダブロック42、プランジャ43、及び前記プランジャ43に対して当接する斜板面44を含むクレイドル45とを備えている。前記クレイドル45には入力軸21が貫通されている。なお、斜板面44が当接部に相当する。
【0024】
図1に示すように、前記クレイドル45はシリンダブロック42の軸心Oと直交するトラニオン軸線TRを中心としてケース26に対して傾動自在に支持されている。すなわち、前記クレイドル45は、斜板面44を含む仮想平面が、軸心Oと直交する位置を直立位置とする。そして、この直立位置を基準にして、クレイドル45は図1において反時計回り方向に所定角度傾いた位置(第1の位置)と、直立位置を基準にして時計回り方向に所定角度傾いた位置(第2の位置)の間を傾動可能にされている。
【0025】
本実施形態では、斜板面44が直立位置に位置したときを基準に、この図1において、時計回り方向を正とし、反時計回り方向を負という。そして、本実施形態では図12の出力回転数Nout =Ninを境に、Nout >Ninの時に負側に傾動し、Nout <Ninの時に、正側に傾動する。なお、出力回転数とは、ヨーク23の回転数である。
【0026】
なお、図1に示された斜板面44は、クレイドル45が第1の位置にあるときの負の最大傾動角度位置で傾動した状態を示している。又、クレイドル45が第2の位置に位置したときは、斜板面44については正の傾動角度位置という。
【0027】
シリンダブロック42は、入力軸21に対してスプライン21a結合により一体に連結されている。シリンダブロック42は、略円柱状の組合わせ形状で、軸方向に位置する両端周面は中央部よりも縮径されている。
【0028】
シリンダブロック42において、前記中央部は、図2に示すように、その回転中心(軸心O)の回りに複数のプランジャ孔47が環状に配列され、軸心Oと平行に延設されている。図1に示すように、プランジャ孔47は、シリンダブロック42の中央部の段部面においてクレイドル45側に開口が形成されている。各プランジャ孔47には、プランジャ43が摺動自在に配置されている。プランジャ43の先端には、鋼球48が転動自在に嵌合されており、プランジャ43は鋼球48及び同鋼球48を取着したシュー49を介して斜板面44に当接されている。傾斜状態の斜板面44はシリンダブロック42の回転に伴ってプランジャ43を往復作動させ、吸入、吐出行程の作用を付与する。なお、図1は図2のC−C線断面図である。
【0029】
(第2油圧装置200)
第2油圧装置200は、前記シリンダブロック42に摺動自在に配置された複数のプランジャ58、及び前記プランジャ58に対して当接する回転斜面51をもつ筒状のヨーク23とを備えている。
【0030】
図1,図3に示すように、側壁部材31には、軸受収納孔52、及び同軸受収納孔52よりも小径の貫通孔53が互いに同軸となるようにそれぞれ形成されている。そして、軸受収納孔52には円錐コロ軸受54が嵌合されている。又、筒部材27の出力端部内周面には、玉軸受55が固定されている。ヨーク23は、大径部と小径部を備えており、大径部が玉軸受55に、小径部が円錐コロ軸受54に嵌合されることにより回動自在に支持されている。又、ヨーク23の小径部は、貫通孔53内に止着されたシール部材56を介して外部に突出されている。
【0031】
回転斜面51は、ヨーク23において、シリンダブロック42側の端面に形成されており、回転斜面51を含む仮想平面が軸心Oに対して一定角度傾斜している。
【0032】
前記シリンダブロック42の中央部には、図2に示すように、その回転中心の回りにプランジャ孔47と同数のプランジャ孔57が環状に配列され、軸心Oと平行に延設されている。同プランジャ孔57のピッチ円は前記プランジャ孔47のピッチ円と同心及び同径とされている。又、各プランジャ孔57は互いに隣接するプランジャ孔47間に位置するように、図2に示すようにシリンダブロック42の周方向において、プランジャ孔47とは互いに1/2ピッチずつずらして配置されている。
【0033】
プランジャ孔57はシリンダブロック42の中央部の段部面において、前記ヨーク23側に開口が形成されている。各プランジャ孔57には、プランジャ58が摺動自在に配置され、その先端には、鋼球59が転動自在に嵌合されている。プランジャ58は鋼球59及び同鋼球59を取着したシュー60を介して回転斜面51に当接されている。前記回転斜面51とシリンダブロック42との相対回転に伴ってプランジャ58が往復作動して吸入、吐出行程を繰り返す。本実施形態では、第1油圧装置100の最大行程容積VPmaxは、第2油圧装置200の最大行程容積VMmaxと同じになるように設定されている。
【0034】
(油圧閉回路C)
前記第1油圧装置100と第2油圧装置200との間に形成されている油圧閉回路Cについて説明する。
【0035】
シリンダブロック42の内周面には、ともに環状の第1油室61及び第2油室62が互いにシリンダブロック42の軸方向に並んで並設されている。なお、説明の便宜上、第1油室61を油室A、第2油室62を油室Bということがある。シリンダブロック42には第1油室61及び第2油室62を共に連通する第1弁孔63が、プランジャ孔47と同数個、シリンダブロック42の軸方向に沿って延設されている。又、シリンダブロック42には前記第1油室61及び第2油室62を共に連通する第2弁孔64が、プランジャ孔57と同数個、シリンダブロック42の軸方向に沿って延設されている。
【0036】
第1弁孔63のピッチ円は第2弁孔64のピッチ円と同心及び同径とされている。又、プランジャ孔47、57よりも内方に位置するように、プランジャ孔47、57のピッチ円よりもそのピッチ円の径は小さくされている。又、各第1弁孔63は隣接する第2弁孔64間に位置するように、図2に示すようにシリンダブロック42の周方向において、第2弁孔64とは互いに1/2ピッチずつずらして配置されている。又、第1弁孔63とプランジャ孔47の各中心、及び第2弁孔64とプランジャ孔57の各中心は、図2に示すように軸心Oから放射状に延びる直線上に位置するように配置されている。
【0037】
図1及び図5に示すように、油路65は、プランジャ孔47の底部と、第1弁孔63の第1油室61及び第2油室62との間の部位間を連通するように形成されている。前記プランジャ孔47の底部と、第1弁孔63の第1油室61及び第2油室62との間の部位は、シリンダブロック42の長さ方向(軸心Oが延びる方向)において所定距離を有するように配置されている。従って、油路65は、図1及び図5に示すように、シリンダブロック42の外周側から内方へ向けて斜状にされている。
【0038】
図4に示すように、各第1弁孔63には、第1油室61と第2油室62との間において、対応するプランジャ孔47に連通する油路65のポートUが形成されている。また、第1弁孔63は、その奥部に至るまで、第1油室61及び第2油室61,62に相当する部位を除いて、等径に形成されており、従来(図15参照)と異なり、ポートUに対応する部位に拡径部は形成されていない。前記ポートUが合流部に相当する。
【0039】
各第1弁孔63には、スプール型の第1切替弁66が摺動自在に配置されている。第1切替弁66が分配弁に相当する。前記第1切替弁66は、長尺状の軸部166dと、同軸部166d上において所定距離ずつ離間して形成された第1〜第3ランド部166a〜166cとから構成されている。第1〜第3ランド部166a〜166cは第1弁孔63の径と略同径に形成されており、軸部166dは第1弁孔63の径より小径に形成されている。従って、前記各ランド部166a〜166cの断面積は、第1弁孔63の断面積と略同じになっており、前記軸部166dの断面積は、第1弁孔63の断面積よりも小さくなっている。
【0040】
円錐コロ軸受39の外輪39aの外周面には円筒状のホルダ68が固定されている。ホルダ68の内周面において、軸方向の中央部は縮径されており、同縮径部には、玉軸受69を介してリテーナ70が回動自在に支持されている。リテーナ70は、図6(a)に示すように、円筒状の筒部71と、筒部71のシリンダブロック42側の端部に張出形成されたフランジ72とから構成されている。そして、リテーナ70は、図3に示すようにその軸心が玉軸受69により軸心Oに対して斜交するようにして配置され、この状態で、入力軸21が回動可能に貫通されている。この斜交により、フランジ72のシリンダブロック42に対向する面(以下、フランジ面という)を含む仮想平面は、軸心Oに対して斜交する。
【0041】
図6(a)に示すようにリテーナ70のフランジ72には、係止溝73がその軸心を中心にして等角度毎に外周から軸心に向かって切り込み形成されている。係止溝73には、図6(b)に示すように第1切替弁66に設けられたくびれ部66bが係入されている。なお、くびれ部66bは隣接した第1ランド部166aよりも小径とされている。
【0042】
第1切替弁66は軸心Oと斜交するフランジ面を備えたリテーナ70と係合することにより、図7に示すような変位を実現する。前記リテーナ70のフランジ72は、第1切替弁66をポート閉鎖位置n0を中心として、第1弁孔63を介してポートU(油路65)と第2油室62を連通させる第1開口位置n1と、ポートU(油路65)と第1油室61を連通させる第2開口位置n2間をシリンダブロック42の軸方向に沿って往復移動させる。なお、このシリンダブロック42の軸方向が往復方向に相当する。
【0043】
ここで、第1切替弁66のポート閉鎖位置n0について詳述する。
第1切替弁66は、第1開口位置n1と第2開口位置n2間の往復移動により、作動油の流通路を切換える。そして、この往復移動の中で、油路65と第1弁孔63(即ち、第1油室61又は第2油室62)間で作動油の授受が行われない位置が存在する。この位置がポート閉鎖位置n0である。そして、第1切替弁66がポート閉鎖位置n0に配された際には、図4及び図7に示すように、軸部166dがポートUに相対し、第2ランド部166bが第1油室61を閉鎖し、さらに第3ランド部166cが第2油室62を閉鎖するようになっている。なお、軸部166dが、合流部における分配弁に相当し、前記第2ランド部166bと第3ランド部166cが、合流部を挟んだ往復方向両側における分配弁に相当する。
【0044】
従って、上記した構成により、従来(図14及び図15参照)と異なりランド部166a〜166cをポートUの相対位置に配することなく、ポートUの閉鎖を可能にしている。このとき、軸部166dの断面積は、第1弁孔63の断面積よりも小さいため、第2ランド部166bと第3ランド部166c間に溜まる作動油は、軸部166dの全周面に亘って位置する。この結果、従来(図14参照)と異なり、油路65に溜まる作動油によって、第1切替弁66の周面の一部に集中的に圧力を受けることなく、第1切替弁66の往復動はスムースに行われる。また、ポートUに相対する軸部166dの両側に位置する第2ランド部166bと第3ランド部166cの断面積は、第1弁孔63の断面積と略同じにされているため、第1及び第2油室61,62に作動油が流れることは勿論ない。ポート閉鎖位置n0がシール位置に相当する。
【0045】
さて、前記リテーナ70により、第1油圧装置100にはシリンダブロック42の軸心Oの周りの回転向に対応して、0度〜180度の範囲で領域H、180度〜360(0)度の範囲で領域Iが付与されている。
【0046】
ここで、領域HとはポートUと第2油室62が連通する区間を全て含む領域のことであり、第1切替弁66がポート閉鎖位置n0と第1開口位置n1間を移動する範囲のことである。この領域Hにおいては各油室61,62に対して第1切替弁66は以下のように作用する。即ち、第1切替弁66の中間部位の第2ランド部166bが第1油室61を閉鎖し、ポートU(油路65)と第1油室61とを不通状態にする。その一方で、第1切替弁66の先端側の第3ランド部166cが第1弁孔63の反開口側に移動し、ポートU(油路65)と第2油室62とを連通させる。
【0047】
また、領域IとはポートUと第1油室61が連通する区間を全て含む領域のことであり、第1切替弁66がポート閉鎖位置n0と第2開口位置n2間を移動する範囲のことである。この領域Iにおいては各油室61,62に対して第1切替弁66は以下のように作用する。即ち、第1切替弁66の先端側の第3ランド部166cが第2油室62を閉鎖し、ポートU(油路65)と第2油室62とを不通状態にする。その一方で、第1切替弁66の中間部位の第2ランド部166bが第1弁孔63の開口側に移動し、ポートU(油路65)と第1油室61とを連通させる。
【0048】
前記斜板面44が直立位置から負の最大傾動角度位置へと変位した場合、図12において、このときの第1油圧装置100の行程容積VPは、0からVMmaxとなり、それに応じて入力軸21の入力回転数がNinのとき出力回転数Nout (ヨーク23の回転数)はNinから2Ninの範囲の速度が得られるように本実施形態ではその第1油圧装置100側の作動油の吐出量が設定されている。
【0049】
なお、図12において、縦軸は第1油圧装置100及び第2油圧装置200の1回転当たり行程容積を示し、横軸はヨーク23(出力回転部)の出力回転数Nout を示している。同図において、実線は、第1油圧装置100の行程容積VPの変化を示し、一転鎖線は第2油圧装置200の行程容積VMの変化を示している。
【0050】
第1油圧装置100の行程容積とは、プランジャ43とプランジャ孔47で形成されるプランジャ室がシリンダブロック42が1回転する間に、第1油室61及び第2油室62と授受する作動油量のことである。第2油圧装置200の行程容積とは、プランジャ58とプランジャ孔57で形成されるプランジャ室がヨーク23(出力回転部)がシリンダブロック42に対して1回転する間に、第1油室61及び第2油室62と授受する作動油量のことである。
【0051】
また、本実施形態では、図1のように斜板面44が負側へ傾動した場合に、シリンダブロック42の軸心O周りの回転角0〜180度の範囲で、作動油がポートUを介してプランジャ孔47へ吸入され、180〜360(0)度の範囲で、作動油がポートUを介してプランジャ孔47から吐出される。そして、斜板面44が正側へ傾動した場合に、シリンダブロック42の軸心O周りの回転角0〜180度の範囲で、作動油がポートUを介してプランジャ孔47から吐出され、180〜360(0)度の範囲で、作動油がポートUを介してプランジャ孔47へ吸入される。吐出する油室61,62及び吸入する油室61,62は、シリンダブロック42の軸心O周りの回転角に対応した領域H,Iによって決まる。
【0052】
図1及び図4に示すように、油路75は、プランジャ孔57の底部と、第2弁孔64の第1油室61及び第2油室62との間の部位間を連通するように形成されている。プランジャ孔57の底部と、第2弁孔64の第1油室61及び第2油室62との間の部位は、シリンダブロック42の長さ方向(軸心Oが延びる方向)において所定距離を有するように配置されている。従って、油路75は、図1及び図4に示すように、シリンダブロック42の外周側から内方へ向けて斜状にされている。
【0053】
図5に示すように、各第2弁孔64には、第1油室61と第2油室62との間において、対応するプランジャ孔57に連通する油路75のポートWが形成されている。また、第2弁孔64は、その奥部に至るまで、第1油室61及び第2油室61,62に相当する部位を除いて、等径に形成されており、従来(図15参照)と異なり、ポートWに対応する部位に拡径部は形成されていない。前記ポートWが合流部に相当する。
【0054】
各第2弁孔64には、スプール型の第2切替弁76が前記プランジャ58に対して平行となるように摺動自在に配置されている。第2切替弁76は分配弁に相当する。第2切替弁76は、軸部176dと第4〜第6ランド部176a〜176cとから構成されている。なお、第2切替弁76の構成は、第1切替弁66と同じであり、第1〜第3ランド部166a〜166c,軸部166dを第4〜第6ランド部176a〜176c,軸部176dに代替するだけであるため、その説明を省略する。
【0055】
図5に示すようにヨーク23のシリンダブロック42側の端面の中央部には収納孔78が形成されている。収納孔78内には、入力軸21を内挿した筒状の支持部材81が設けられている。同支持部材81は、ヨーク23の収納孔78の底部に対して複数のピン82を介して一体に連結されている(図3参照)。支持部材81の内周には、リテーナ83が玉軸受84を介して回動自在に連結されている。
【0056】
リテーナ83は、前記リテーナ70と同一の構成である筒部、フランジ、係止溝を備えているため、それらの各構成については、同一符号を付してその説明を省略する(図6(a)参照)。
【0057】
リテーナ83は、図3に示すようにその軸心が玉軸受84により軸心Oに対して斜交するようにして配置され、この状態で、入力軸21が回動可能に貫通されている。この斜交により、フランジ72のシリンダブロック42に対向する面(以下、フランジ面という)を含む仮想平面は、軸心Oに対して斜交する。
【0058】
リテーナ83の係止溝73には、図6(b)に示すように第2切替弁76に設けられたくびれ部76bが係入されている。くびれ部76bは隣接した第4ランド部176aよりも小径とされている。
【0059】
第2切替弁76は軸心Oと斜交するフランジ面を備えたリテーナ83と係合することにより、図7に示すような変位を実現する。
なお、図7において、リテーナ70のフランジ72と、リテーナ83のフランジ72との相対位置はリテーナ70,83が回転自在にされているため変化するが、説明の便宜上、1つにまとめて図示している。
【0060】
図7に示すように、第2切替弁76は、ポート閉鎖位置m0を中心として、第2弁孔64を介してポートW(油路75)と第1油室61とを連通させる第3開口位置m1と、ポートW(油路75)と第2油室62とを連通させる第4開口位置m2間で往復移動される。
【0061】
ここで、第2切替弁76のポート閉鎖位置m0について詳述する。
第2切替弁76は、第3開口位置m1と第4開口位置m2間の往復移動により、作動油の流通路を切換える。そして、この往復移動の中で油路75と第2弁孔64(即ち、第1油室61又は第2油室62)間で作動油の授受が行われない位置が存在し、この位置がポート閉鎖位置m0である。そして、第2切替弁76がポート閉鎖位置m0に配された際には、図5及び図7に示すように、軸部176dがポートWに相対し、第5ランド部176bが第2油室62を閉鎖し、さらに第6ランド部176cが第1油室61を閉鎖するようになっている。尚、軸部176dが、合流部における分配弁に相当し、前記第5ランド部176bと第6ランド部176cが、合流部を挟んだ往復方向両側における分配弁に相当する。
【0062】
従って、上記した構成により、従来(図14及び図15参照)と異なりランド部をポートWの相対位置に配することなく、ポートWの閉鎖を可能にしている。また、このとき、第2弁孔64との断面積の差異に基づく、往復動における作用効果は、既に説明した第1切替弁66場合と同じであるため、その説明を省略する。なお、ポート閉鎖位置m0がシール位置に相当する。
【0063】
さて、ヨーク23(出力回転部)のシリンダブロック42との相対回転に伴って、リテーナ83のフランジ72により、第2油圧装置200にはヨーク23(出力回転部)のシリンダブロック42に対する軸心O周りの相対回転角0度〜180度の範囲で領域J、180度〜360(0)度の範囲で領域Kが付与されている。
【0064】
ここで、領域JとはポートWと第1油室61が連通する区間を全て含む領域のことであり、第2切替弁76がポート閉鎖位置m0と第3開口位置m1間を移動する範囲のことである。この領域Jにおいては各油室61,62に対して第2切替弁76は以下のように作用する。即ち、第2切替弁76の中間部位の第5ランbが第2油室62を閉鎖し、ポートW(油路75)と第2油室62とを不通状態にする。その一方で、第2切替弁76の先端側の第6ランド部176cが第2切替弁76の反開口側に移動し、ポートWと第1油室61とを連通させる。
【0065】
領域KとはポートWと第2油室62が連通する区間を全て含む領域のことであり、第2切替弁76がポート閉鎖位置m0と第4開口位置m2間を移動する範囲のことである。この領域Kにおいては各油室61,62に対して第2切替弁76は以下のように作用する。即ち、第2切替弁76の先端側の第6ランド部176cが第1油室61を閉鎖し、ポートW(油路75)と第1油室61とを不通状態にする。その一方で、第2切替弁76の中間部位の第5ランド部176bが第2切替弁76の開口側に移動し、ポートW(油路75)と第2油室62とを連通させる。
【0066】
また、本実施形態では、図1のように斜板面44が負側へ傾動した場合に、ヨーク23(出力回転部)のシリンダブロック42に対する軸心O周りの相対回転角0〜180度の範囲で、作動油がポートWを介してプランジャ孔57へ吸入され、180〜360(0)度の範囲で、作動油がポートWを介してプランジャ孔57から吐出される。斜板面44が正側へ傾動した場合に、ヨーク23(出力回転部)のシリンダブロック42に対する軸心O周りの相対回転角0〜180度の範囲で、作動油がポートWを介してプランジャ孔57から吐出され、180〜360(0)度の範囲で作動油がポートWを介してプランジャ孔57へ吸入される。吐出する油室61,62及び吸入する油室61,62は、ヨーク23(出力回転部)のシリンダブロック42に対する軸心O周りの相対回転角に対応した領域J,Kによって決まる。
【0067】
前記プランジャ孔47、プランジャ孔57、第1油室61、第2油室62、第1弁孔63、第2弁孔64、油路65、油路75、ポートU及びポートWとにより、油圧閉回路Cが構成されている。
【0068】
前記油圧閉回路Cに作動油をチャージするために、入力軸21内には軸心Oに沿って軸孔99が穿設されている。軸孔99はスリーブ37に対応する部位において、半径方向に導入油路99aを有している。同導入油路99aはスリーブ37に半径方向に穿設された油路37a及び外周面に形成された周溝37bに連通されている。側壁部材30には周溝37bに連通する油路30aが設けられ、油路30a内には図示しないチャージポンプから作動油が圧送される。また、前記軸孔99において、入力軸21の出力端側の開口部には栓体121が螺入量を調節自在に螺合されている。
【0069】
一方、入力軸21において、第1油室61及び第2油室62には、軸孔99に連通可能な弁体を開閉するチャージ弁90(逆止弁)がそれぞれ配置されている。同チャージ弁90の弁体は油圧閉回路C内の油圧が軸孔99内のチャージ圧に達するまで開口して、軸孔99内の作動油を油圧閉回路Cに供給する。又、チャージ弁90は作動油が軸孔99へ逆流することを防止する。
【0070】
(作用)
さて、上記のように構成された無段変速装置20のクレイドル45の傾動に伴う作用を説明する。なお、エンジン22のクランク軸から入力軸21に付与される入力回転数Ninは説明の便宜上、一定のものとして説明する。
【0071】
(出力回転数Nout がNinの場合)
図11に示すシフトレバー146を操作して、クレイドル45を介して斜板面44を直立位置に位置させる。
【0072】
この状態においては、エンジン22の駆動力により入力軸21を介してシリンダブロック42がNinで回転する。以後、Ninと逆向きにギヤ142又は出力軸155が回転するときを正方向の回転という。斜板面44は入力軸21の軸心Oに対して直立位置の中立状態にある。第1油圧装置100のプランジャ43は斜板面44によっては往復移動されず、従って、この状態では油圧閉回路C内を作動油が循環しない。このため、第2油圧装置200側においては各プランジャ58の突出端がストローク運動ができない状態でシュー60を介して回転斜面51に当接係合するため、シリンダブロック42と回転斜面51とは直結状態となり、一体回転する。すなわち、この状態は、入力軸21とギヤ142とが直結状態となる。この回転斜面51に付与された正方向への回転は、ヨーク23、連結された第1クラッチ139、ギヤ141、ギヤ142を介して終減速装置へ伝達される。
【0073】
前記斜板面44が直立位置に位置している場合には、図12に示すように第1油圧装置100の行程容積VPは0となり、出力回転数Nout (ヨーク23の回転数)は入力回転数Ninとなる。
【0074】
(出力回転数Nout がNinと2Ninの間の場合)
シフトレバー146を操作して、クレイドル45を介して斜板面44を負側に傾動して所定の負の傾動角度位置と直立位置との間の領域に位置させる。この所定の負の傾動角度位置とは、第1油圧装置100の行程容積VPの絶対値が第2油圧装置200の行程容積VMの絶対値(=VMmax)と等しくなるまでの位置である。
【0075】
この場合、エンジン22の駆動力により入力軸21を介してシリンダブロック42がNinで回転する。すると、第1油圧装置100は、シリンダブロック42の軸心O周りの回転角0〜180度の範囲で、作動油をポートUを介してプランジャ孔47へ吸入し、180〜360(0)度の範囲で、作動油をポートUを介してプランジャ孔47から吐出する。吐出及び吸入する油室61,62は、シリンダブロック42の軸心O周りの回転角に対応した領域H,Iによって決まる。尚、第1油圧装置が吐出,吸入する作動油量は、斜板面44の負側への傾動角が大きくなるにつれて、増加する。このとき、第2油圧装置200は、ヨーク23(出力回転部)のシリンダブロック42に対する軸心O周りの相対回転角0〜180度の範囲で、作動油をポートWを介してプランジャ孔57へ吸入し、180〜360(0)度の範囲で、作動油をポートWを介してプランジャ孔57から吐出する。吐出する油室及び吸入する油室61,62は、ヨーク23(出力回転部)のシリンダブロック42に対する軸心O周りの相対回転角に対応した領域J,Kによって決まる。
【0076】
この結果、シリンダブロック42が入力軸21を介して駆動される回転数Ninと、プランジャ58の回転斜面51への突出押圧作用による正方向の回転数との合成(和)により、回転斜面51は回転される。この回転斜面51に付与される正方向の回転は、ヨーク23、連結された第1クラッチ139、ギヤ141、ギヤ142を介して終減速装置へ正方向の回転として伝達され、増速作用を行う。
【0077】
このとき、斜板面44が直立位置から所定の負の傾動角度位置側へと変位すると、図12において第1油圧装置100の行程容積VPは0からVMmaxへと増加し、それに応じて出力回転数Nout はNinから2Ninへと増速する。なお、出力回転数Nout がNinから2Ninに変化するときの第2油圧装置200の行程容積VMはVMmaxのままである。この状態の作動油の流れ及び回転の様子は、図10に示しており、このとき油圧閉回路Cでは、図に示す矢印で示すような作動油の流れとなっている。また、Nin,Nout に付された矢印は、該当する部材の回転方向を示している。
【0078】
(出力回転数Nout が0とNinの間の場合)
シフトレバー146を操作して、クレイドル45を介して斜板面44を正側に傾動して直立位置から正の傾動角度位置に位置させる。なお、正の傾動角度位置のうち、所定の正の傾動角度位置とは、第1油圧装置100の行程容積VPの絶対値が第2油圧装置200の行程容積VMの絶対値と等しくなるまでの位置である。
【0079】
この場合、斜板面44が正方向へ傾動するため、エンジン22の駆動力により入力軸21を介してシリンダブロック42が回転すると、第1油圧装置100は、シリンダブロック42の軸心O周りの回転角0〜180度の範囲で、作動油を、ポートUを介してプランジャ孔47から吐出し、180〜360(0)度の範囲で、作動油を、ポートUを介してプランジャ孔47へ吸入する。吐出する油室61,62及び吸入する油室61,62は、シリンダブロック42の軸心O周りの回転角に対応した領域H,Iによって決まる。尚、第1油圧装置100が吐出,吸入する作動油量は、斜板面44の正側への傾動角が大きくなるにつれて、増加する。このとき、第2油圧装置200は、ヨーク23(出力回転部)のシリンダブロック42に対する軸心O周りの相対回転角0〜180度の範囲で、作動油をポートWを介してプランジャ孔57から吐出し、180〜360(0)度の範囲で、作動油をポートWを介してプランジャ孔57へ吸入する。吐出する油室61,62及び吸入する油室61,62は、ヨーク23(出力回転部)のシリンダブロック42に対する軸心O周りの相対回転角に対応した領域J,Kによって決まる。
【0080】
この結果、プランジャ58の回転斜面51への突出押圧作用により、前記「出力回転数Nout がNinと2Ninの間の場合」とは逆方向の回転を与える。従って、前記逆方向の回転数と、シリンダブロック42の正方向の回転数との合成(和)が、ヨーク23、連結された第1クラッチ139、ギヤ141、ギヤ142を介して終減速装置へ伝達される。このときの回転数の和は、逆方向の回転数分減少した正方向の回転数となるため、出力回転数Nout は「出力回転数Nout がNinの場合」に比較して小さくなる。
【0081】
本実施形態では、このとき、斜板面44が直立位置から正の最大傾動角度位置側へと変位すると、図12において第1油圧装置100の行程容積VPは0から−VMmax(前記「−」はポートUから第2油室62に吐出される場合を意味している。)側へと増加し、それに応じて出力回転数Nout はNinから0へと減速する。
【0082】
なお、このときの出力回転数Nout がNinから0に変化するときの第2油圧装置200の1回転当たりの行程容積VMは−VMmaxである。(前記「−」は第2油室62からポートWへ吸入される場合を意味している。)
図9は、このときの状態の模式図である。第1油室61(油室A)側は、第2油室62(油室B)側よりも高圧側となっており、油圧閉回路Cでは、図に示す矢印で示すような作動油の流れとなっている。また、Nin,Nout に付された矢印は、該当する部材の回転方向を示している。
【0083】
(出力回転数Nout が0の場合)
クラッチ機構300でエンジン22からの入力回転Ninを切断することによって、ヨーク23を停止させる。
【0084】
(出力回転数Nout が0未満の場合)
クラッチ機構300を切断状態でシフトレバー146を後進域側へシフトすると、このシフトレバー146の操作に応動して、ギヤシフト装置138の第1クラッチ139が切り離され、第2クラッチ140が接続される。このとき、エンジン22側からの回転が無段変速装置20に伝わらなくなるため、プランジャ58の回転斜面51に対する押圧作用がなくなり、ヨーク23は第2油圧装置200からフリーとなる。このため、ヨーク23の第2クラッチ140の接続、すなわち後進時の切換えを容易に行うことができる。そして、シフトレバー146を後進域側へシフトし終えた後は、クラッチ機構300を再び接続状態にする。なお、前進側へ戻すときも、同じ理由で足踏みのクラッチペダルを踏み込み、クラッチ機構300を切断状態にする。
【0085】
(出力回転数Nout が0と−Ninの間の場合)
第2クラッチ140による後進接続が行われた後は、図9に示すように出力回転数Nout と、第1油圧装置100の行程容積の変化状態は、前進(正転)の場合と同じであり、(出力回転数Nout が0とNinの間の場合)の説明と同じため説明を省略する。図9は作動油の流れ及び回転方向を示している。なお、この場合、回転斜面51に付与される回転はヨーク23、第2クラッチ140、ギヤ143、アイドラギヤ144,145、ギヤ142を介して終減速装置へ伝達される。
【0086】
(出力回転数Nout がNinと−2Ninの間の場合)
この場合も、第1油圧装置100と第2油圧装置200の作用は(出力回転数Nout がNinと2Ninの間の場合)と同じであるため、説明を省略する。図10は作動油の流れ及び回転方向を示している。この場合も回転斜面51に付与される回転はヨーク23、第2クラッチ140、ギヤ143、アイドラギヤ144,145、ギヤ142を介して終減速装置へ伝達される。
【0087】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、切替弁66、76がポート閉鎖位置n0,m0に位置した際は、弁孔63,64より小径の軸部166d,176dをポートU,Wに相対させ、弁孔63,64と略同径の第2及び第3ランド部166b,166c(第5及び第6ランド部176b,176c)にて、第1及び第2油室61,62を閉鎖させた。そして油路65と各油室61,62(弁孔63,64)間での作動油の授受を停止可能とした。従って、ポート閉鎖位置n0,m0では、作動油は軸部166d,176dの全周に亘って作動油が溜まるため、切替弁66、76の往復移動をスムースにできる。
【0088】
(2)また、スムースな切替弁66、76の往復移動を実現するために、従来(図15参照)と異なり、弁孔63,64におけるポートU,Wに相対する部位に拡径部を形成する必要がなくなり、弁孔63,64の加工工程を減らすことができる。
【0089】
(3)上記実施形態では、無段変速装置20をエンジン22(原動機)からの入力回転を得る入力軸21を備える構成とするとともに、同入力軸21を反エンジン22側に延出して、出力軸として構成した。そして、延出された入力軸21にヨーク23(出力回転部)を設け、ヨーク23の動力伝達を行うと共に、正逆回転切替可能なギヤシフト装置138(正逆回転切替装置)を設け、さらに入力軸21のエンジン22側にクラッチ機構300(断接手段)を設けて動力伝達装置とした。そして、スムースな切替弁66、76の往復移動を維持させたまま、加工工程数の低減が図られた第1及び第2油圧装置100,200を、上記構成の無段変速装置20に備えた。従って、無段変速装置20の製造工程数の低減も図ることができると共に、この無段変速装置20を含む動力伝達装置の製造工程数の低減も図ることができる。
【0090】
(4)上記実施形態では、出力側に延出された入力軸21とヨーク23の双方から出力回転を得ることができる。また、ヨーク23の回転はクレイドル45の傾動角度及びギヤシフト装置138により、終減速装置に対して、正逆に広範囲の駆動トルクを伝達できる。
【0091】
(5)上記実施形態では、クラッチ機構300を切断することにより、ヨーク23の回転を切り換える(正→逆、又は逆→正)際の同ヨーク23に掛かるトルクを解放でき正逆回転切替えを容易に行うことができる。
【0092】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、ギヤシフト装置138の構成を図13に示すギヤシフト装置150(CST)の構成に変えてもよい。
【0093】
ギヤシフト装置150は、同図に示すように、ヨーク23の突出端に出力ギヤ24が形成されている、図示しない終減速装置に駆動トルクを伝達する出力軸155に連結された前進クラッチ152、及び後進クラッチ153を備えている。
また下記の歯車列を備えている。
【0094】
前進クラッチ152の駆動側クラッチプレートは、出力ギヤ24に噛合されたギヤ151を備えている。そして、シフトレバー146の操作により、前進クラッチ152が連結されると、ヨーク23、出力ギヤ24、ギヤ151、前進クラッチ152、出力軸155を介して、図示しない終減速装置に駆動トルクを伝達する。
【0095】
又、出力ギヤ24には、アイドラギヤ156、アイドラギヤ156と共通軸を有するアイドラギヤ157及び中間ギヤ159を介して後進クラッチ153の駆動側クラッチプレートに連結されたギヤ160からなる歯車列が連結されている。そして、クラッチ機構300の切断後におけるシフトレバー146の後進側操作により、後進クラッチ153が連結されると、前記歯車列、出力軸155を介して、図示しない終減速装置に駆動トルクを伝達する。
【0096】
この実施形態では、ギヤシフト装置150が正逆回転切替装置に相当する。
・上記実施形態において、無段変速装置20及び動力伝達装置に用いた油圧装置100又は油圧装置200を、プランジャが軸線方向に往復動するアキシャル型に代えて、プランジャが軸線の径方向に往復動するラジアル型にしてもよい。
【0097】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、分配弁の往復移動をスムースに行わせることができ、且つ従来と異なり、拡径部を形成する必要がないため、簡便に弁孔を形成できる。
【0098】
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の効果を動力伝達装置にも実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施形態の無段変速装置の断面図。
【図2】同じく図1におけるB−B線断面図。
【図3】同じく図1のA−A線断面図。
【図4】同じく要部断面図。
【図5】同じく要部断面図。
【図6】同じく(a)はリテーナ70の正面図、(b)は要部拡大図。
【図7】同じく第1切替弁66、第2切替弁76によるポートが開口するタイミングを示す説明図。
【図8】同じく無段変速装置を含む動力伝達装置の概念図。
【図9】同じく実施形態の作用を示す無段変速装置の概念図。
【図10】同じく作用を示す無段変速装置の概念図。
【図11】同じくシフターの平面図。
【図12】同じく行程容積と出力回転数とを表した特性図。
【図13】他の実施形態における動力伝達装置の要部概念図。
【図14】従来の油圧装置を示す要部断面図。
【図15】同じく油圧装置を示す要部断面図。
【符号の説明】
U,W…ポート(合流部)、21…入力軸、22…エンジン(原動機)、23ヨーク(出力回転部)、42…シリンダブロック、44…斜板面(当接部)、47,57…プランジャ孔、63…第1弁孔、64…第2弁孔、65,75…油路、66…第1切替弁(分配弁)、76…第2切替弁(分配弁)、138…ギヤシフト装置(正逆回転切替装置)、300…クラッチ機構(断接手段)。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a hydraulic continuously variable transmission and a power transmission device that can be widely used in various industrial fields such as industrial machines and vehicles.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a hydraulic continuously variable transmission has been provided with two hydraulic devices, and a hydraulic closed circuit through which hydraulic oil flows is formed between both hydraulic devices. On the other hand, as shown in FIG. 14, the
[0003]
The
[0004]
As described above, since the
[0005]
However, when the
[0006]
Therefore, as shown in FIG. 15, when the
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, the enlarged
[0008]
The present invention has been made in view of the above-described circumstances, and an object of the present invention is to provide a hydraulic continuously variable transmission and a power transmission capable of smoothly reciprocating a distribution valve and easily forming a valve hole. To provide an apparatus.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the invention according to claim 1 has a valve hole in which a spool-type distribution valve reciprocates and a plunger hole in which a plunger reciprocates. The valve hole provided with a first hydraulic device and a second hydraulic device communicating with each other through an oil passage , wherein the distribution valve is disposed at a seal position that stops the flow of hydraulic oil between the valve hole and the oil passage. The cross-sectional area of the distribution valve at the merging portion between the oil passage and the oil passage is smaller than the cross-sectional area of the valve hole at the merging portion, and the cross-sectional area of the distribution valve on both sides in the reciprocating direction across the merging portion is In the hydraulic continuously variable transmission having substantially the same sectional area as the valve hole, the first hydraulic device reciprocates the plunger by a swash plate surface of a cradle, and the second hydraulic device has a plunger Output by contacting the rotating slope of the yoke A cylinder block in which a plunger chamber of the first hydraulic device is formed and a cylinder block in which the plunger chamber of the second hydraulic device is formed, and the cylinder block is an axis thereof And a hydraulic closed circuit in which hydraulic oil circulates between the plunger chamber of the first hydraulic device and the plunger chamber of the second hydraulic device is provided in the cylinder block, and reciprocation of the distribution valve provided in the cylinder block The hydraulic fluid circulates between the plunger chambers by movement, the distributing valve is arranged parallel to the axis of the cylinder block, and the distributing valve is inclined in the axial direction of the cylinder block and rotates synchronously with the cylinder block. The reciprocating motion imparting member that imparts reciprocating motion to the distribution valve, and the reciprocating motion imparting member includes the cradle and the yoke. And summarized in that configured in the body.
[0010]
According to a second aspect of the present invention, in the power transmission device using the hydraulic continuously variable transmission according to the first aspect, the cylinder block is rotated by an input shaft from a prime mover, and the input shaft is an anti-prime motor. The output rotation unit is provided on the outer periphery of the extended input shaft, and a forward / reverse rotation switching device capable of transmitting power to the output rotation unit and switching forward / reverse rotation is provided. the prime mover of the shaft, and the gist of the kite is provided a disengaging means for implementing the incoming cut the transmission of the input rotation to the first hydraulic system from the prime mover.
[0012]
(Function)
According to the first aspect of the present invention, when the distribution valve is arranged at a seal position where the flow of hydraulic oil between the valve hole and the oil passage is stopped, the distribution valve at the junction of the valve hole and the oil passage Is smaller than the cross-sectional area of the valve hole of the merging portion, and the cross-sectional area of the distribution valve on both sides of the reciprocating direction across the merging portion is substantially the same as the cross-sectional area of the valve hole in the same portion. For this reason, unlike the prior art, the flow of hydraulic oil between the valve hole and the oil passage is stopped without closing the junction between the valve hole and the oil passage with the distribution valve. Accordingly, unlike the prior art, it is not necessary to form an enlarged diameter portion in the valve hole.
[0013]
According to the second aspect of the present invention, the reciprocating motion of the distributing valve is smoothly performed due to the difference in the cross-sectional area between the valve hole and the distributing valve at the seal position, and the valve hole is easily formed without the need for the enlarged diameter portion. The hydraulic device is effectively used for a power transmission device.
[0014]
Hereinafter, a hydraulic stepless transmission used for the travel of the working vehicle as a work machine (hereinafter, referred to as the stepless transmission 20) the embodiment about the power transmission device comprising, FIGS. 1-12 It explains according to.
[0015]
As shown in FIGS. 1 and 3, the continuously
[0016]
FIG. 8 is a conceptual diagram showing a power transmission device including a continuously
[0017]
The
[0018]
The
[0019]
In the present embodiment, the
The
[0020]
In the
[0021]
As shown in FIG. 4, in the center of the
[0022]
As shown in FIG. 4, the
[0023]
The
(First hydraulic device 100)
The first
[0024]
As shown in FIG. 1, the
[0025]
In the present embodiment, with reference to the time when the
[0026]
The
[0027]
The
[0028]
As shown in FIG. 2, in the
[0029]
(Second hydraulic device 200)
The second
[0030]
As shown in FIGS. 1 and 3, the
[0031]
The
[0032]
As shown in FIG. 2, the same number of plunger holes 57 as the plunger holes 47 are annularly arranged around the center of the
[0033]
The
[0034]
(Hydraulic closed circuit C)
A hydraulic closed circuit C formed between the first
[0035]
An annular
[0036]
The pitch circle of the
[0037]
As shown in FIGS. 1 and 5, the
[0038]
As shown in FIG. 4, each
[0039]
A spool type first switching
[0040]
A
[0041]
As shown in FIG. 6A, a locking
[0042]
The
[0043]
Here, the port closing position n0 of the
The
[0044]
Therefore, the above-described configuration enables the port U to be closed without arranging the
[0045]
The
[0046]
Here, the region H is a region including all the sections in which the port U and the
[0047]
Further, the region I is a region including the entire section in which the port U and the
[0048]
When the
[0049]
In FIG. 12, the vertical axis represents the stroke volume per rotation of the first
[0050]
The stroke volume of the first
[0051]
Further, in the present embodiment, when the
[0052]
As shown in FIGS. 1 and 4, the
[0053]
As shown in FIG. 5, each
[0054]
A spool-type
[0055]
As shown in FIG. 5, a
[0056]
The
[0057]
As shown in FIG. 3, the
[0058]
As shown in FIG. 6B, a
[0059]
The
In FIG. 7, the relative positions of the
[0060]
As shown in FIG. 7, the
[0061]
Here, the port closing position m0 of the
The
[0062]
Therefore, the above-described configuration enables the port W to be closed without arranging the land portion at the relative position of the port W, unlike the conventional case (see FIGS. 14 and 15). At this time, the effect of reciprocation based on the difference in cross-sectional area from the
[0063]
As the yoke 23 (output rotating portion) rotates relative to the
[0064]
Here, the region J is a region including all the sections in which the port W and the
[0065]
The region K is a region including the entire section in which the port W and the
[0066]
Further, in this embodiment, when the
[0067]
The
[0068]
In order to charge the hydraulic oil to the hydraulic closed circuit C, a
[0069]
On the other hand, in the
[0070]
(Function)
Now, an operation associated with the tilt of the
[0071]
(When the output speed Nout is Nin)
By operating the
[0072]
In this state, the
[0073]
When the
[0074]
(When the output speed Nout is between Nin and 2Nin)
By operating the
[0075]
In this case, the
[0076]
As a result, by combining (summing) the rotational speed Nin at which the
[0077]
At this time, when the
[0078]
(When the output speed Nout is between 0 and Nin)
By operating the
[0079]
In this case, since the
[0080]
As a result, the
[0081]
In this embodiment, at this time, when the
[0082]
Note that the stroke volume VM per one rotation of the second
FIG. 9 is a schematic diagram of the state at this time. The first oil chamber 61 (oil chamber A) side is at a higher pressure side than the second oil chamber 62 (oil chamber B) side. It has become a flow. Moreover, the arrow attached | subjected to Nin and Nout has shown the rotation direction of the applicable member.
[0083]
(When the output speed Nout is 0)
The
[0084]
(When the output speed Nout is less than 0)
When the
[0085]
(When the output speed Nout is between 0 and -Nin)
After the reverse connection by the
[0086]
(When the output speed Nout is between Nin and -2Nin)
Also in this case, since the operation of the first
[0087]
Therefore, according to the above embodiment, the following effects can be obtained.
(1) In the above embodiment, when the switching
[0088]
(2) Further, in order to realize smooth reciprocating movement of the switching
[0089]
(3) In the above embodiment, the continuously
[0090]
(4) In the above embodiment, output rotation can be obtained from both the
[0091]
(5) In the above-described embodiment, the
[0092]
In addition, you may change the said embodiment as follows.
In the above embodiment, the configuration of the
[0093]
As shown in the figure, the
The following gear train is also provided.
[0094]
The drive side clutch plate of the
[0095]
The
[0096]
In this embodiment, the
In the above-described embodiment, the
[0097]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the first aspect of the present invention, the reciprocating movement of the distribution valve can be performed smoothly, and unlike the conventional case, it is not necessary to form an enlarged diameter portion. Can be formed.
[0098]
According to invention of Claim 2, the effect of Claim 1 is realizable also to a power transmission device.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view of a continuously variable transmission according to an embodiment of the present invention.
2 is a cross-sectional view taken along line BB in FIG.
3 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 4 is a cross-sectional view of the main part.
FIG. 5 is a cross-sectional view of an essential part.
6A is a front view of the
FIG. 7 is an explanatory view showing the timing at which ports by the
FIG. 8 is a conceptual diagram of a power transmission device that similarly includes a continuously variable transmission.
FIG. 9 is a conceptual diagram of a continuously variable transmission that similarly shows the operation of the embodiment.
FIG. 10 is a conceptual diagram of a continuously variable transmission that similarly operates.
FIG. 11 is a plan view of the shifter.
FIG. 12 is a characteristic diagram showing the stroke volume and the output rotation speed.
FIG. 13 is a conceptual diagram of a main part of a power transmission device according to another embodiment.
FIG. 14 is a cross-sectional view of a main part showing a conventional hydraulic apparatus.
FIG. 15 is a cross-sectional view of a principal part showing the hydraulic apparatus.
[Explanation of symbols]
U, W ... port (merging portion), 21 ... input shaft, 22 ... engine (prime motor), 23 yoke (output rotating portion), 42 ... cylinder block, 44 ... swash plate surface (contact portion), 47, 57 ... Plunger hole, 63 ... first valve hole, 64 ... second valve hole, 65, 75 ... oil passage, 66 ... first switching valve (distribution valve), 76 ... second switching valve (distribution valve), 138 ... gear shift device (Forward / reverse rotation switching device), 300... Clutch mechanism (connection / disconnection means).
Claims (2)
前記第1油圧装置は、クレイドルの斜板面によりプランジャの往復動を行うものであり、前記第2油圧装置は、プランジャがヨークの回転斜面に当接することによって出力回転を得る出力回転部を有し、前記第1油圧装置のプランジャ室が形成されるシリンダブロックと前記第2油圧装置のプランジャ室が形成されるシリンダブロックとを共有し、同シリンダブロックをその軸線の周りで回転する構成とし、第1油圧装置のプランジャ室と第2油圧装置のプランジャ室との間で作動油が循環する油圧閉回路をシリンダブロックに設け、シリンダブロックに設けた分配弁の往復動によって前記プランジャ室間で作動油が循環する構成とし、
分配弁をシリンダブロックの軸線と平行に配置し、同分配弁を、シリンダブロックの軸線方向に傾斜配置されるとともにシリンダブロックと同期回転し、分配弁に往復動を付与する往復動付与部材と係合する構成とし、前記往復動付与部材を前記クレイドル及び前記ヨークとは別体で構成したことを特徴とする油圧式無段変速装置。A spool-type distribution valve having a valve hole for reciprocating movement and a plunger hole for reciprocating the plunger, and comprising a first hydraulic device and a second hydraulic device communicating the valve hole and the plunger hole with an oil passage ; When the distribution valve is disposed at a seal position where the flow of hydraulic oil between the valve hole and the oil passage is stopped, a cross-sectional area of the distribution valve at a joint portion between the valve hole and the oil passage is expressed by the merge portion. In the hydraulic continuously variable transmission configured to be smaller than the cross-sectional area of the valve hole in, the cross-sectional area of the distribution valve on both sides in the reciprocating direction across the merging portion is substantially the same as the cross-sectional area of the valve hole in the same part ,
The first hydraulic device reciprocates the plunger with a swash plate surface of a cradle, and the second hydraulic device has an output rotating unit that obtains an output rotation when the plunger abuts against the rotating slope of the yoke. A cylinder block in which the plunger chamber of the first hydraulic device is formed and a cylinder block in which the plunger chamber of the second hydraulic device is formed, and the cylinder block is configured to rotate around its axis, A hydraulic closed circuit in which hydraulic fluid circulates between the plunger chamber of the first hydraulic device and the plunger chamber of the second hydraulic device is provided in the cylinder block, and is operated between the plunger chambers by a reciprocating motion of a distribution valve provided in the cylinder block. The oil circulates,
The distributing valve is arranged in parallel with the axis of the cylinder block, and the distributing valve is inclined with respect to the axial direction of the cylinder block and is rotated in synchronization with the cylinder block so as to reciprocate the distributing valve. A hydraulic continuously variable transmission characterized in that the reciprocating member is configured separately from the cradle and the yoke .
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