JP4589517B2 - 情報記憶媒体及び画像生成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像生成装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータグラフィックスを用いて仮想空間の画像を生成する際、その仮想空間内に透明人間やお化け、宇宙人等の未知な物体の存在を想定する場合、その表現に対する様々な工夫が凝らされている。例えば、透明人間のような、本来全く見えないはずの物体を、実際に透明に表現したのではその存在を知らしめることができない。そこで、透明人間の位置する空間を歪ませたり、ぼかしたり、色相を変化させることによって、異物感を表現する場合がある。
【0003】
空間を歪ませる方法として最もよく知られた方法として、光線追跡法がある。光線追跡法とは、仮想空間における視点位置からスクリーン上の各画素に対する光線(直線)を求め、その光線が交差するポリゴンの色を画素に与える方法である。なお、各ポリゴンには、属性として反射率や透過率、屈折率等を決定するパラメータを与える。そして、光線が交差したポリゴンが反射率や屈折率の高いパラメータを有する場合には、そのパラメータに応じて光線を反射させたり屈折させる。例えば、光線がポリゴンの表面によって屈折する場合には、スネルの法則に従って屈折方向を求め、その屈折方向に向かって光線を走らせる。
【0004】
すなわち、屈折体を構成するポリゴンに屈折率を与えることにより、その屈折体が存在する位置の空間を歪ませることによって異物感を想起せしめる。また、宇宙人やお化けといった未確認物体を表現する場合には、適当な屈折率を与えることによって奇妙に空間を歪ませ、あたかも未確認物体が光学的な迷彩によってその空間に潜んでいるかのような表現をする場合もある。
【0005】
あるいは、屈折体を半透明ポリゴンによって構成し、その半透明ポリゴンを空間における靄や霞などとすることによって屈折体の存在を表現する場合もある。また、半透明ポリゴンから透過して見える空間の色相を変化させることによって、異物感を表現するといった方法もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、屈折体の表現に際して上述の光線追跡法を採用した場合、その屈折体に与えられた屈折率や反射率、透過性等に応じて視点から放射された光線の屈折方向、反射方向、および、ぼかしの量を算出し、枝分かれした各光線が最先に交差するポリゴンの色を足し合わせることによって画素毎の色を決定しなければならない。したがって、屈折体を表現する画素1つ1つの色を決定する際の計算量が膨大なものとなり、画像生成処理の遅延を招くこととなる。このため、光線追跡法は、屈折体の様々な表現を可能にするものの、外部入力に応じてリアルタイムに画像を生成するゲーム装置等には、不向きな方法であった。
【0007】
また、屈折体の存在位置に該当する領域の色相を変化させたり、屈折体を半透明ポリゴンによって表現する方法によれば、確かに生成画像内にはっきりとは見えない物体の存在を表現することができる。しかし、宇宙人やお化けといった未確認物体を表現する場合において、ぼかしや色相の変化を与えただけの画像では、異物感や恐怖感等を引き起こす未確認物体らしさを表現するには至らなかった。
【0008】
本発明の課題は、より簡単に光学的な迷彩エフェクトを実現することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の発明は、仮想空間の画像を所与の視点に基づき生成し、生成画像を表示させることで所与のゲームを実行するゲーム装置であって、前記仮想空間内に配置した屈折体を表現するために、前記生成画像(例えば、本実施の形態における合成処理を施す前のフレームバッファ内に記憶された画像)における前記屈折体が表示される領域に該当する略表示領域画像に対して、前記屈折体の形態(例えば、屈折体を構成する擬似透明ポリゴンや部位の形状および位置)に応じた幾何変換処理(例えば、図7に示す屈折体表現処理)を施すことを特徴とする。
【0010】
第9の発明は、仮想空間の画像を所与の視点に基づき生成し、当該生成画像を表示することによって所与のゲームを実行するための情報を記憶した情報記憶媒体(例えば、図6に示す記憶部40)であって、前記仮想空間内に配置した屈折体を表現するために、前記生成画像の中から前記屈折体が表示される領域に該当する略表示領域画像を選択するための情報(例えば、図7に示す屈折体表現処理におけるステップS4)と、前記略表示領域画像に対して、前記屈折体の形態に応じた幾何変換処理を施すための情報(例えば、図7に示す屈折体表現処理におけるステップS5)と、を記憶したことを特徴とする。
【0011】
この第1または第9の発明によれば、屈折体の略表示領域画像に対して、屈折体の形態に応じた幾何変換処理を施すことができる。したがって、見えないはずの物体を、空間を歪めた表現によって、間接的にその存在を表現することが可能となる。また、生成した画像において、屈折体が存在する位置と対応する部分の画像のみを歪ませることとしたため、単なる半透明ポリゴンによる表現では実現できなかった光学的な迷彩効果を実現することが可能となる。また、光線追跡法のような迂遠な処理を実行することなく、簡単に透明な物体による光線の屈折表現をすることができる。このため、操作入力に応じて、屈折体や視点がリアルタイムに移動する場合の画像、すなわち、ゲーム画像に対しての適用が可能である。
【0012】
また、第2の発明として第1の発明のゲーム装置において、前記幾何変換処理には、少なくとも、前記所与の視点と前記屈折体との距離に基づく前記略表示領域画像の変換処理が含まれるようにゲーム装置を構成することとしてもよい。
【0013】
また、第10の発明として第9の発明の情報記憶媒体において、前記幾何変換処理を施すための情報には、少なくとも、前記所与の視点と前記屈折体との距離に基づく前記略表示領域画像の変換処理を実行するための情報が含まれる情報記憶媒体を構成することとしてもよい。
【0014】
この第2または第10の発明によれば、略表示領域画像内に施す幾何変換処理を、視点と屈折体との距離に応じて実行することができる。したがって、例えば、屈折体が仮想空間内を様々に移動するように設定した場合であっても、屈折体の動きや位置の変化に応じて略表示領域画像内の幾何学的な変形具合、すなわち、略表示領域画像内の歪み方が変化するため、同一の屈折体が仮想空間内を移動している様子をより簡単に、また、矛盾なく表現することが可能となる。
【0015】
また、第3の発明として第2の発明のゲーム装置において、前記略表示領域画像の変換処理は、前記所与の視点の座標系における前記屈折体の奥行値に基づく前記略表示領域画像の射影変換処理であるゲーム装置を構成することとしてもよい。
【0016】
また、第11の発明として第10の発明の情報記憶媒体において、前記略表示領域画像の変換処理を実行するための情報は、前記所与の視点の座標系における前記屈折体の奥行値に基づく前記略表示領域画像の射影変換処理を実行するための情報である情報記憶媒体を構成することとしてもよい。
【0017】
この第3または第11の発明によれば、略表示領域画像を、視点の座標系における屈折体の奥行値に基づく投影変換処理によって歪ませることができる。例えば、屈折体を除いた仮想空間の画像を生成した後、その生成画像において、屈折体が存在する位置と対応する部分の画像をテクスチャとして屈折体の表面にマッピングし、再度その屈折体を描画することとすれば、屈折体が持つ奥行値や立体感に基づく画像の歪みを表現することができる。このように、視点の座標系における屈折体の存在位置や、屈折体の形状に応じた幾何学的な変形を施すことにより、屈折体の存在を知らしめるだけでなく、その形状をほのめかすことが可能となる。
【0018】
また、第4の発明として第3の発明のゲーム装置において、前記屈折体の奥行値を変更する変更手段を備え、前記変更手段によって変更された奥行値に基づいて前記略表示領域画像の射影変換処理を行うゲーム装置を構成することとしてもよい。
【0019】
また、第12の発明として第11の発明の情報記憶媒体において、前記屈折体の奥行値の変更処理を実行するための情報を記憶する情報記憶媒体を構成することとしてもよい。
【0020】
この第4または第12の発明によれば、屈折体の奥行値を更に変更することとした。したがって、例えば、屈折体が複数のポリゴンによって構成されている場合において、その各ポリゴンの奥行値を1フレーム毎に僅かに変更させることによって、屈折体が存在する位置に描かれる画像がゆらゆらと揺れ動くように表現するといったことができる。このため、屈折体や視点の位置が変化しない場合であっても、屈折体の存在を効果的に表現することができる。また、空間の複雑な歪み方や時間的な変化によって、未確認物体らしさを強調して表現することが可能となる。
【0021】
また、第5の発明として第1から第4のいずれかの発明のゲーム装置において、前記屈折体は透過率を持ち、前記略表示領域画像に対して、前記屈折体の透過率に基づくぼかし処理を行うゲーム装置を構成することとしてもよい。
【0022】
また、第13の発明として第9から第12のいずれかの発明の情報記憶媒体において、前記屈折体の透過率情報と、前記略表示領域画像に対して、前記屈折体の透過率に基づくぼかし処理を実行するための情報を記憶する情報記憶媒体を構成することとしてもよい。
【0023】
この第5または第13の発明によれば、屈折体が備える透過率に応じて略表示領域画像にぼかしを加えることが可能となる。したがって、屈折体の透明さや、空間が歪むことによる異物感を保持しつつ、屈折体の輪郭をぼんやりと知らしめることが可能となる。
【0024】
また、第6の発明として第1から第5のいずれかの発明のゲーム装置において、前記幾何変換処理は、前記屈折体を形作る部分毎に施されるゲーム装置を構成することとしてもよい。
【0025】
また、第14の発明として第9から第13のいずれかの発明の情報記憶媒体において、前記屈折体を形作る部分毎に前記幾何変換処理を施すための情報を記憶する情報記憶媒体を構成することとしてもよい。
【0026】
この第6または第14の発明によれば、屈折体を形作る部分毎に略表示領域画像に対する幾何変換処理を施すことができる。したがって、例えば、頭部や胴体部といった屈折体の部分毎に異なる幾何変換処理を施すことができる。具体的には、所与のゲームにおける敵キャラクタを屈折体として表現する場合において、当該屈折体の攻撃手段である部分に対する幾何変換の度合を他の部分と比較して大きく設定する等の変化を与えることが可能となる。
【0027】
また、第7の発明として第1から第6のいずれかの発明のゲーム装置において、前記幾何変換処理を施す略表示領域画像(例えば、本実施の形態における表示領域テクスチャ)として、前記生成画像における前記屈折体の表示領域から僅かにずれた部分、或いは、前記屈折体の表示領域との大きさが僅かに異なる部分を採用し、前記幾何変換処理を施した前記略表示領域画像を前記生成画像内の前記屈折体の表示領域に合成するゲーム装置を構成することとしてもよい。
【0028】
また、第15の発明として第9から第14のいずれかの発明の情報記憶媒体において、前記生成画像の中から前記略表示領域画像を選択する際に、前記屈折体の表示領域から僅かにずれた部分、或いは、前記屈折体の表示領域との大きさが僅かに異なる部分の画像を前記略表示領域画像として選択するための情報と、当該略表示領域画像を前記生成画像における前記屈折体の表示領域に合成するための情報と、を記憶する情報記憶媒体を構成することとしてもよい。
【0029】
この第7または第15の発明によれば、生成画像内の屈折体が存在する位置に対応する領域から僅かにずれた部分、或いは、僅かに大きさの異なる部分を略表示領域画像として選択し、幾何変換処理を施した後に、もとの生成画像内に合成することができる。したがって、採用する略表示領域画像の大きさや位置に応じて、屈折体に光が透過し、屈折して見えるような表現をより簡単に実行することが可能となる。
【0030】
また、屈折体の存在をより顕著に表現するために、第8の発明として第1から第7のいずれかの発明のゲーム装置において、前記略表示領域画像の色相を変更するゲーム装置を構成することとしてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下では、ポリゴン群によって構成される屈折体の光学迷彩表現について説明するが、本発明はこれに限定するものではない。
【0032】
本実施の形態では、仮想空間内に複数のポリゴンにより構成される屈折体のモデルを配置する。そして、屈折体のモデル(以下、単に屈折体という)を除いた視界内の画像を生成すると、その生成した画像の内、視点から見た屈折体の配置位置に相当する部分の画像を屈折体の奥行値と対応させて歪ませることによって、屈折体の光学迷彩的な表現を実現する。具体的には、視点の視界内に存在する複数のオブジェクトをスクリーン座標系に透視投影変換することによって、屈折体を除く画像を生成すると共に、その生成画像と同等な原画テクスチャを生成する。また、一方では、屈折体を構成する各ポリゴンの頂点座標を視点に基づいてスクリーン座標系に変換し、屈折体の生成画像内及び原画テクスチャ内における位置(座標)を判定する。そして、原画テクスチャの中から屈折体が位置する部分を取り出して、もとの生成画像内の対応する部分に合成する。ただし、この合成をする際に、屈折体の各頂点の奥行値に合わせて取り出した画像のパースを変更させる(すなわち、画像の遠近感を操作する)ことによって画像を歪ませる。
【0033】
図1および図2を用いて、本発明の概要について説明する。
図1(a)〜(c)は、屈折体の一例を示すものである。(a)は仮想空間における視点100と屈折体102との位置関係を示す斜視図であり、(b)はその平面図をそれぞれ示す。(a)及び(b)によれば、屈折体102は立方体であり、その一辺102−1が視点100の視点方向100−1と直行する位置関係にある。図1(c)は、(a)及び(b)に示す視点100に基づいて屈折体102の各頂点をスクリーン座標系104に透視投影変換した一例を示す図である。
【0034】
図2(a)は、屈折体102による歪みの表現を施す前の視点100に基づく画像110の一例を示す図である。一方、図2(b)は、(a)に示す画像110に対して、図1(c)に示す屈折体102が位置する部分106の画像を歪ませた画像112の一例を示す図であり、屈折体102が存在する部分106の画像を、各頂点106−1〜6のパースを変更することによって歪ませたものである。(b)によれば、(a)に示した画像110内の文字「B」および「C」が不自然に歪み、屈折体102が、周囲の環境に解け込んで潜んでいるかのような印象を与える。更に、視点位置を変化させたり、屈折体を動的に表現する、すなわち、仮想空間内を移動させて表現することによって、描かれた空間の歪み位置を変化させて、屈折体の光学迷彩をより効果的に表すことができる。このように、本発明は、より簡単な方法によって光学迷彩を施した画像を表現するものである。以下、テクスチャ内の画像を歪ませる方法について詳細に説明する。
【0035】
まず、原画テクスチャについて説明する。
まず、屈折体を除いた画像を生成する。すなわち、仮想空間内に存在する各オブジェクトを視点に基づいてスクリーン座標系に透視投影変換し、フレームバッファ上に描画する。そして、屈折体を除く画像を生成すると、フレームバッファ上の画像に基づいて原画テクスチャを生成する。図3(a)は、フレームバッファ120における画像例を示すものである。なお、実際には、フレームバッファは表示画面の各画素に対応するメモリの集合体であるが、ここでは、原画テクスチャとの対応関係を説明する都合上、便宜的に座標系で表す。すなわち、同図に示すように、フレームバッファ120の横軸をx、縦軸をyと定義し、原点を左上端に設定する。また、画面(フレームバッファ120)の横サイズをscx、縦サイズをscyとする。図3(b)は、(a)に基づく原画テクスチャ122の一例を示すものである。同図において、原画テクスチャ122の横軸をu、縦軸をvとし、原点を左上端に設定する。また、原画テクスチャ122の縦横のサイズを1によって規格化する。なお、フレームバッファに記憶された情報をもとに表示領域テクスチャを生成する方法については、従来技術として知られたものであるため、ここではその詳細な説明は省略する。
【0036】
続いて、生成した画像を歪ませる方法について説明する。
本実施の形態では、原画テクスチャの中から、屈折体を構成するポリゴン(以下、擬似透明ポリゴンという)に対応するテクスチャの領域(以下、表示領域テクスチャという)を決定すると、仮想空間内に存在する当該擬似透明ポリゴンの表面にその表示領域テクスチャをマッピングする。そして、表示領域テクスチャがマッピングされた擬似透明ポリゴンを、視点に基づいてスクリーン上に投影変換することによって、擬似透明ポリゴンの各頂点の奥行値に応じた画像の歪みを生成する。
【0037】
具体的には、図1(a)〜(c)に示すように、屈折体を構成する各擬似透明ポリゴンの各頂点の座標を視点座標系からスクリーン座標系に変換する。そして、各頂点106−1〜6の座標Pn(xn,yn)を、次式によってuv座標系に変換する。
(un,vn)=(xn/scx,yn/scy) …(1)
ただし、nは、各頂点の符号1〜6を意味する。このように、式(1)によって変換したuv座標系における各頂点の座標Tn(un,vn)によって囲まれた領域(すなわち、表示領域テクスチャ)を視点座標系における擬似透明ポリゴンにマッピングし、描画する。
【0038】
図4は、擬似透明ポリゴンに表示領域テクスチャをマッピングして描画し、もとの画像内に合成することによって生じる歪みについて説明するための図である。(a)は、フレームバッファ136が記憶した画像合成前の画像の概念図と、矩形の擬似透明ポリゴン132を視点130に基づいてスクリーン134に投影した一例を示す側面図である。(a)によれば、フレームバッファ136には、もとの画像として等間隔の縞模様が記憶されている。また、(a)に示すフレームバッファ136には、スクリーン134に投影された擬似透明ポリゴン132の各頂点の座標Pnを点138−1〜4によって示した。また、フレームバッファ136において、擬似透明ポリゴン132が対応する部分140を明瞭にするために各点138−1〜4を破線によって結んだ。なお、フレームバッファ136上の擬似透明ポリゴンに対応する部分140の形状を矩形ではなく、台形に描いた理由は、画像の遠近感を表現するためである。
【0039】
そして、フレームバッファ136の画像と同等の原画テクスチャを生成すると共に、各点138−1〜4の座標Pnを式(1)によって座標変換することによって、原画テクスチャの座標系における座標Tnを求める。また、座標Tnによって囲まれた部分(すなわち、フレームバッファ136内の部分140に対応する部分)を表示領域テクスチャとして決定する。
【0040】
図4(b)は、フレームバッファ136が記憶した合成後の画像の概念図と、視点座標系における矩形の擬似透明ポリゴン132に、表示領域テクスチャをマッピングし、スクリーン134に投影した一例を示す側面図である。台形の表示領域テクスチャを矩形の擬似透明ポリゴンにマッピングする際には、台形である表示領域テクスチャの上底(線分138−1〜2)を引き伸ばしてマッピングする。すなわち、矩形ポリゴン132における任意のx軸方向の長さが、表示領域テクスチャにおける該当するu軸方向の長さに対してn倍である場合には、表示領域テクスチャの該当する部分のu軸方向の画像をn倍に拡大して対応させる。この引き伸ばしの際の伸び率は、いずれの方向にあっても均等に設定する。したがって、もとの表示領域テクスチャにおいて等間隔に描かれた画像は、擬似透明ポリゴン132上においても等間隔に描かれることとなる。なお、(b)において、視点130から擬似透明ポリゴン132の面を貫いてスクリーン136まで引かれた各線分は、擬似透明ポリゴン132上にマッピングされた表示領域テクスチャにおける縞模様が投影される先を示す。
【0041】
図4(b)によれば、視点130に対して遠い位置に存在する擬似透明ポリゴン130の頂点138−1,2近傍の画像は、縞模様の間隔が領域140以外に描かれた縞模様の間隔と比較して狭く描かれている。一方、視点130に対して近い位置に存在する頂点138−3,4近傍の画像は、縞模様の間隔が広がって表現される。このように、もとの画像と同等な表示領域テクスチャを擬似透明ポリゴンの表面にマッピングして、視点に基づいて透視投影変換する。このとき、擬似透明ポリゴンの各頂点の視点に対する距離が異なる場合には、その距離に応じて画像が拡大縮小されることとなる。なお、仮想空間中におけるポリゴンに表示領域テクスチャをマッピングする方法については、種々の方法が既に提案されている。本発明において、それら何れの方法を用いるかについては、本発明の本質を左右するものではないため、ここではその説明を省略する。
【0042】
また、擬似透明ポリゴンの各頂点の奥行値を様々に変化させて、画像の歪みがより著しく効果的に表れるように操作してもよい。図5は、視点座標系における視点150、ポリゴン152およびスクリーン154を示す側面図であり、もとの擬似透明ポリゴン152に対して、任意の頂点の奥行値を操作(すなわち、パースの操作)して、新たな擬似透明ポリゴン156に変形した一例を示す図である。奥行値を変更する場合には、視点150によってもとの擬似透明ポリゴン152がスクリーン154上に投影されたときの座標を変更しないように、視点座標系における頂点の座標を操作する必要がある。すなわち、頂点を操作する際には、もとの擬似透明ポリゴンにおける操作対象の頂点と視点とを結ぶ直線上から移動先の頂点の座標を決定しなければならない。例えば、図5における擬似透明ポリゴン152の頂点152−1,2の奥行値を変更する場合には、直線158−1,2上から選択する。このように、擬似透明ポリゴンの頂点の奥行値を意図的に操作して、画像の歪み方を複雑に変形させることによって、より異物感や恐怖感を引き起こさせる屈折体を表現することができる。
【0043】
以上のように、屈折体に該当する領域を原画テクスチャ内から選択して、視点座標系内に存在する擬似透明ポリゴンにマッピングし、再度投影変換することによって、擬似透明ポリゴンの奥行値に応じて画像を歪ませることが可能となる。
【0044】
なお、屈折体を表現する場合において、観察者に対してその輪郭をぼんやりと知らしめたい場合がある。例えば、屈折体が人間の形をしている場合や、宇宙人である場合において、その空間の歪みが透明人間や宇宙人の仕業であることがわかることが好ましい場合がある。このような場合において、上述の方法では、屈折体の存在を知らしめることができても、その輪郭を把握させることが困難な場合がある。
【0045】
このため、屈折体にマッピングする表示領域テクスチャの色相を変化させたり、表示領域テクスチャにぼかし処理を施すこととしてもよい。色相を変化させたりぼかす部分は、表示領域テクスチャ全体出であってもよいし、表示領域テクスチャの内縁部分であってもよい。例えば、点や線、面等の光源に基づくライティングを行うことにより屈折体に光沢や陰影を与え、屈折体の立体感や存在感を強調することとしてもよい。また、ぼかす方法としては、表示領域テクスチャを構成する画素1つ1つに対して、その近傍の画素の平均値を与える方法であってもよいし(いわゆる、αブレンドやニアレストネイバー法、バイリニア法等の方法であってもよい)、ガウス分布を用いた滑らかにぼかす方法であってもよい。
【0046】
また、擬似透明ポリゴンにマッピングする表示領域テクスチャを原画テクスチャ内から選択する際に、擬似透明ポリゴンの各頂点によって囲まれた部分と異なる大きさを選択することとしてもよい。このように、生成画像内において擬似透明ポリゴンが相当する部分と異なる大きさの表示領域テクスチャを用いることによって、あたかも屈折体が独自の屈折率を持つかのように表現することができる。
【0047】
なお、表示領域テクスチャの色相を変化させたり、ぼかしの処理や屈折させた表現を実行する場合には、色相やぼかし、屈折率等を特定するためのパラメータを各擬似透明ポリゴンに属性として与えることとする。
【0048】
次に、本実施の形態における構成を説明する。
図6は、本実施の形態における機能ブロックの一例を示す図である。同図において、機能ブロックは、操作部10と、処理部20と、表示部30と、記憶部40と、一時記憶部50とから構成されている。
【0049】
操作部10は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、操作部10にて得られた操作データは、処理部20に出力される。
【0050】
処理部20は、システム全体の制御、システム内の各ブロックへの命令、ゲーム処理、画像処理、音処理等の各種処理を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、あるいはASIC(ゲートアレイ等)等のハードウェアや、所与のプログラムにより実現できる。また、処理部20には、主に、ゲーム演算部22、画像生成部24が含まれる。
【0051】
ゲーム演算部22は、ゲームの進行処理、選択画面の設定処理、仮想空間上での各オブジェクトの位置や向きを求める処理、視点の位置や視線方向等を求める処理等の種々のゲーム処理を操作部10からの操作信号や、記憶部40から読み出すゲームプログラム42等に基づいて実行する。そして、視点の座標を決定すると、焦点位置や各オブジェクト等の座標情報等を画像生成部24に出力して視点に基づく画像を生成させる。また、ゲーム演算部22は、仮想空間における屈折体を構成する擬似透明ポリゴンの座標情報を画像生成部24に出力する。
【0052】
画像生成部24は、ゲーム演算部22から指示信号、各種座標情報等が入力されると、画像を生成する処理を実行するものであり、CPU、DSP、画像生成専用のIC、メモリなどのハードウェアにより構成される。例えば、画像生成部24は、ゲーム演算部22からオブジェクト空間の設定情報、すなわち、キャラクタの座標や視点の位置等のデータが入力されると、クリッピングを行ってビューボリュームを設定した後、ビューボリューム内の各オブジェクトに対する透視投影変換を行って画像データを生成する。そして、生成した画像データを表示部30に出力して表示させる。また、画像生成部24には、主に、ジオメトリ部240、レンダリング部242、原画テクスチャ生成部244とが含まれる。
【0053】
ジオメトリ部240は、ゲーム演算部22から各種オブジェクトの仮想空間内の座標系(ワールド座標系)における座標情報が入力されると、各オブジェクトを構成するポリゴンの頂点座標を、ワールド座標系からスクリーン座標系に変換処理を実行する。具体的には、各ポリゴンの頂点座標をワールド座標系から、視点を原点とする視点座標系に変換し、更に、各ポリゴンの頂点座標を視点に基づいて透視投影変換することによって、視点座標系からスクリーン座標系に変換する。そして、ジオメトリ部240は、スクリーン座標系に変換した各頂点の座標データを、レンダリング部242に出力する。また、ジオメトリ部240は、ゲーム演算部22から屈折体の座標情報が入力されると、他のオブジェクトと同様に座標変換を施し、スクリーン座標系に変換された擬似透明ポリゴンの座標データをレンダリング部242に出力する。
【0054】
レンダリング部242は、ジオメトリ部240から入力される座標データに基づいて画像を生成する処理を実行する。例えば、ジオメトリ部240から擬似透明ポリゴンを除く各ポリゴンの座標データが入力されると、各ポリゴンの奥行値の小さいもの、すなわち、視点に近いものが優先的に描かれるように描画処理を実行することによって画像を生成し、一時記憶部50内のフレームバッファ52に記憶する。また、レンダリング部242は、画像を生成すると、原画テクスチャ生成部244に指示信号を出力して原画テクスチャを生成させる。
【0055】
また、レンダリング部242は、ジオメトリ部240から擬似透明ポリゴンの座標データが入力されると、原画テクスチャ生成部244に座標データを出力し、表示領域テクスチャのデータを請求する。そして、原画テクスチャ生成部244から表示領域テクスチャのデータが入力されると、該当する擬似透明ポリゴンの表面にマッピングして視点に基づいてスクリーン座標系に透視投影変換することによって描画し、フレームバッファ52内の該当する位置に合成する。
【0056】
原画テクスチャ生成部244は、レンダリング部242から原画テクスチャの生成指示が入力されると、一時記憶部50内のフレームバッファ52に記憶された画像データに基づいて原画テクスチャを生成する。そして、生成した原画テクスチャを一時記憶部50内の原画テクスチャ記憶部54に記憶する。また、レンダリング部242から擬似透明ポリゴンの座標データが入力されると、式(1)に基づいて原画テクスチャの座標系に変換し、一時記憶部50に記憶した原画テクスチャの中から表示領域テクスチャを決定する。このとき、レンダリング部242から入力された擬似透明ポリゴンに、色相やぼかし、屈折率を特定するためのパラメータが属性として付加されている場合には、そのパラメータに従った処理を実行し、表示領域テクスチャを生成する。そして、生成した表示領域テクスチャをレンダリング部242に出力する。
【0057】
記憶部40は、所与のゲームを実行するためのゲームプログラム42の他、屈折体表現処理を実行するための屈折体プログラム44や変換式(1)46等を記憶するものであり、この機能は、CD−ROM、ゲームカセット、ICカード、MO、FD、DVD、メモリ、ハードディスク等のハードウェアにより実現できる。
【0058】
一時記憶部50は、レンダリング部242によって生成された画像データを記憶するフレームバッファ52及び、原画テクスチャ生成部244によって生成された原画テクスチャを記憶するための原画テクスチャ記憶部54とから構成され、主に、VRAM等により実現可能なものである。
【0059】
続いて、画像生成部24により実行される屈折体表現処理について図7に示すフローチャートを用いて以下に説明する。なお、以下の処理は、1フレーム毎に全ての屈折体に対して実行するものである。
【0060】
同図において、レンダリング部242は、ジオメトリ部244から入力される座標データに基づき、屈折体を除く画像を生成し、フレームバッファ52に記憶する(ステップS1)。そして、原画テクスチャ生成部244は、レンダリング部242により生成された画像に基づき原画テクスチャを生成する(ステップS2)。
【0061】
また、レンダリング部242は、ジオメトリ部244から入力された擬似透明ポリゴンのスクリーン座標系における座標データが入力されると、未処理の擬似透明ポリゴンを取り出し(ステップS3)、当該擬似透明ポリゴンの座標データを原画テクスチャ生成部244に出力する。原画テクスチャ生成部244は、レンダリング部242から入力された当該擬似透明ポリゴンの座標データ(スクリーン座標系における)を原画テクスチャの座標系に変換し、当該擬似透明ポリゴンの表示領域テクスチャを決定し(ステップS4)、レンダリング部242に出力する。
【0062】
レンダリング部242は、当該擬似透明ポリゴンの表示領域テクスチャが入力されると、当該擬似透明ポリゴンにマッピングし、視点に基づいて描画してフレームバッファ52上の画像内に合成する(ステップS5)。そして、未処理の擬似透明ポリゴンが存在するか否かを判定し(ステップS6)、未処理の擬似透明ポリゴンが存在する場合には、ステップS3に移行して、描画処理を実行する。一方、全ての擬似透明ポリゴンに対して処理を実行した場合には、本処理を終了する。
【0063】
次に、本実施の形態を実現できるハードウェアの構成の一例について、図8を用いて説明する。同図に示す装置では、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、音生成IC1008、画像生成IC1010、I/Oポート1012、1014が、システムバス1016により相互にデータ入出力可能に接続されている。そして、画像生成IC1010には、表示装置1018が接続され、音生成IC1008には、スピーカ1020が接続され、I/Oポート1012には、コントロール装置1022が接続され、I/Oポート1014には、通信装置1024が接続されている。
【0064】
情報記憶媒体1006は、図6に示す機能ブロックにおける記憶部40及び一時記憶部50に相当するものであり、プログラム、表示物を表現するための画像データ、音データ、プレイデータ等が主に格納されるものである。例えば、家庭用ゲーム装置では、ゲームプログラム等を格納する情報記憶媒体として、CD−ROM、ゲームカセット、DVD等が用いられ、プレイデータを格納する情報記憶媒体としてメモリカードなどが用いられる。また、業務用ゲーム装置では、ROM等のメモリやハードディスクが用いられ、この場合には、情報記憶媒体1006は、ROM1002になる。また、パーソナルコンピュータにおいては、CD−ROM、DVD、ROM等のメモリ、ハードディスク等が用いられる。
【0065】
コントロール装置1022は、ゲームコントローラ、操作パネル等に相当するものであり、ユーザがゲーム進行に応じて行う判断の結果を装置本体に入力するための装置である。
【0066】
情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)、コントロール装置1022によって入力される信号等に従って、CPU1000は、装置全体の制御や各種データ処理を行う。RAM1004は、このCPU1000の作業領域等として用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やROM1002の所与の内容、あるいはCPU1000の演算結果が格納される。
【0067】
更に、この種の装置には、音生成IC1008と画像生成IC1010とが設けられていて、ゲーム音やゲーム画像の好適な出力が行えるようになっている。音生成IC1008は、情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報に基づいて効果音やバックグラウンド音楽等のゲーム音を生成する集積回路であり、生成されたゲーム音は、スピーカ1020によって出力される。また、画像生成IC1010は、RAM1004、ROM1002、情報記憶媒体1006等から出力される画像情報に基づいて表示装置1018に出力するための画素情報を生成する集積回路である。また表示装置1018は、CRTやLCD、TV、プラズマディスプレイ、プロジェクター等により実現される。
【0068】
また、通信装置1024は、ゲーム装置内部で利用される各種の情報を外部とやり取りするものであり、他のゲーム装置と接続されてゲームプログラムに応じた所与の情報を送受したり、通信回線を介して、ゲームプログラム等の情報を送受すること等に利用される。
【0069】
また、図1〜図6で説明した種々の処理は、図7のフローチャートに示した処理等を行うための屈折体プログラム44や変換式(1)46等を含むプログラムを格納した情報記憶媒体1006と、該プログラムに従って動作するCPU1000、画像生成IC1010、音生成IC1008等によって実現される。なお、画像生成IC1010、音生成IC1008等で行われる処理は、CPU1000あるいは汎用のDSP等によりソフトウェア的に行ってもよい。
【0070】
図9に、ホスト装置1300と、このホスト装置1300と通信回線1302を介して接続される端末1304−1〜1304−nとを含むゲーム装置に本実施の形態を適用した場合の例を示す。
【0071】
この場合、図6の記憶部40に記憶されるゲームプログラム42や屈折体プログラム44、変換式(1)46等は、例えば、ホスト装置1300が制御可能な磁気ディスク装置、磁気テープ装置、メモリ等の情報記憶媒体1306に格納されている。また、端末1304−1〜1304−nが、CPU、画像生成IC、音生成IC、を有し、スタンドアローンでゲーム画像、ゲーム音を生成できるものである場合には、ホスト装置1300からは、ゲーム画像、ゲーム音を生成するためのゲームプログラム等が端末1304−1〜1304−nに配送される。一方、スタンドアローンで生成できない場合には、ホスト装置1300がゲーム画像、ゲーム音を生成し、これを端末1304−1〜1304−nに伝送し端末において出力することになる。
【0072】
図10は、本発明を家庭用のゲーム装置1210に適用した場合の一例を示す図である。同図において、プレーヤは、表示装置1200に映し出されたゲーム画像を見ながら、ゲームコントローラ1202、1204を操作してゲームを楽しむ。ゲームプログラム等のゲームを行うために必要な情報、および、屈折体プログラム44、変換式(1)46等は、本体装置に装着自在な情報記憶媒体であるCD−ROM1206、ICカード1208、メモリカード1212等に格納されている。
【0073】
図11は、本実施の形態を業務用ゲーム装置80に適用した場合の例を示す図である。この業務用ゲーム装置80は、プレーヤがスピーカ86から出力される音を聞きながら、操作ボタン84を操作することによって、ディスプレイ82上に表示されるキャラクタを操作して所与のゲームを楽しむ装置である。業務用ゲーム装置80に内蔵されるシステム基板90には、CPU、画像生成IC、音生成IC等が実装されている。そして、ゲームプログラム42や屈折体プログラム44、変換式(1)46等は、システム基板90上の情報記憶媒体であるメモリ92に格納されている。
【0074】
なお、本発明は、上記実施の形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、本実施の形態では、屈折体を除く全てのオブジェクトを描いた画像を生成した後に原画テクスチャを生成することとした。この方法によれば、屈折体は、全てのオブジェクトよりも視点に近い位置に存在するかのように表現される。すなわち、屈折体よりも手前に存在するオブジェクトについても、屈折体の存在によって歪んで表現されることとなる。
【0075】
以上の矛盾を防ぐために、まず、屈折体よりも視点に近い位置に存在するオブジェクトを除いた画像を生成して、原画テクスチャを生成する。そして、屈折体の表現を施した後に、屈折体よりも手前に存在するオブジェクトを描画する構成にしてもよい。
【0076】
あるいは、フレームバッファの各画素に対応するZバッファを設け、屈折体を構成する擬似透明ポリゴンをフレームバッファ上の画像に合成する際に、各画素の奥行値(Z値)を比較して、フレームバッファの画素が、擬似透明ポリゴンが有する奥行値よりも視点に近い奥行値を有する場合には、上書きしないといった構成にしてもよい。
【0077】
また、本実施の形態では、屈折体にマッピングする表示領域テクスチャを擬似透明ポリゴン1つ1つに対して個別に決定することとして説明したが、屈折体全体にマッピングする1つの表示領域テクスチャを決定する構成にしてもよい。具体的には、例えば、屈折体を構成する各ポリゴンの各頂点の全てをスクリーン座標系に変換する。そして、スクリーン座標系に変換された全頂点の座標の内、屈折体の輪郭となる座標(すなわち、スクリーン座標系に変換された頂点の集合の内、外縁に存在する頂点の座標)のみを抜粋し、uv座標系に変換する。このuv座標系に変換された各頂点によって囲まれた領域を表示領域テクスチャとして採用し、屈折体の表面にマッピングするといったことにしてもよい。
【0078】
また、このとき、uv座標系に変換された各頂点によって囲まれた領域から僅かにずれた部分、あるいは、各頂点によって囲まれた領域と僅かに大きさの異なる部分を表示領域テクスチャとして採用してもよい。このように、表示領域テクスチャの大きさや位置を、生成画像内の屈折体が対応する部分と異なる大きさに設定することによって、屈折体により光が屈折するかのような表現を実現し、屈折体のあらゆる迷彩表現をすることが可能となる。
【0079】
あるいは、屈折体を形作る部分毎(例えば、頭部や胴体部といった部分毎)に表示領域テクスチャを決定する構成にしてもよい。また、部分毎に表示領域テクスチャを決定する場合には、各部分毎に表示領域テクスチャとして採用する部分の大きさや位置を変更するようにしてもよい。このように、屈折体の性質(屈折率や透明度等)を部分に応じて不均一に設定することによって、より未確認物体らしさ、異物体らしさ、恐ろしさ等を表現することが可能となる。
【0080】
また、本実施の形態では、原画テクスチャの中から選択した表示領域テクスチャを、屈折体にマッピングして描画することとして説明したが、これに限定する必要はない。例えば、擬似透明ポリゴンの各頂点の座標を、視点座標系からスクリーン座標系に変換する際において、各頂点の奥行値を保持させて変換する。そして、視点座標系における擬似透明ポリゴンの法線ベクトルと、Z軸との成す角度に擬似透明ポリゴンの視点座標系におけるZ軸方向(すなわち、奥行方向)の傾きに応じて表示領域テクスチャ内の画像を拡大縮小させることによって歪みを表現することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】屈折体の一例を示す図であり、(a)は斜視図を、(b)は平面図を示す。また、(c)は当該屈折体をスクリーン座標系に変換した一例を示す図である。
【図2】(a)は、屈折体を除く画像例を示す図。(b)は、屈折体の存在する位置を歪ませた一例を示す図である。
【図3】(a)は、フレームバッファ上における画像の一例を示す図。(b)は、(a)に示す画像に基づく原画テクスチャの一例を示す図である。
【図4】本実施の形態における屈折体の表現方法のイメージを説明するための図である。
【図5】擬似透明ポリゴンの頂点の奥行値を操作した一例を示す図である。
【図6】本実施の形態における機能ブロックの一例を示す図である。
【図7】屈折体表現処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明を実現できるハードウェアの構成の一例を示す図である。
【図9】ホスト装置と通信回線を介して接続されるゲーム端末に本実施の形態を適用した場合の一例を示す図である。
【図10】本発明を家庭用のゲーム装置に適用した場合の一例を示す図である。
【図11】本発明を業務用のゲーム装置に適用した場合の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 操作部
20 処理部
22 ゲーム演算部
24 画像生成部
240 ジオメトリ部
242 レンダリング部
244 原画テクスチャ生成部
30 表示部
40 記憶部
42 ゲームプログラム
44 屈折体プログラム
46 変換式(1)
50 一時記憶部
52 フレームバッファ
54 原画テクスチャ記憶部

Claims (8)

  1. コンピュータに、屈折体が配置された仮想空間を所与の視点から見た画像を生成させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な情報記憶媒体であって、
    前記プログラムは、
    前記屈折体を除く前記仮想空間を前記視点から見た画像を原画として生成する原画生成手段、
    前記原画生成手段により生成された原画中の、前記視点から見て前記屈折体が表示されるべき領域の部分画像を選択する部分画像選択手段、
    前記部分画像選択手段により選択された部分画像を前記屈折体にマッピングして、前記視点から見た当該屈折体の画像を生成する屈折体画像生成手段、
    前記屈折体画像生成手段により生成された画像を、前記原画中の前記部分画像選択手段により選択された部分に合成する画像合成手段、
    として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである、
    情報記憶媒体。
  2. 前記プログラムは、
    前記原画像生成手段が、前記屈折体、及び、前記視点から見て前記屈折体より手前側に位置するオブジェクトを除いた前記仮想空間の画像を前記原画像として生成するように前記コンピュータを機能させるとともに、
    前記画像合成手段により合成された後の画像に、前記視点から見て前記屈折体より手前側に位置するオブジェクトの画像を描画する手前側描画手段として前記コンピュータを機能させる、
    ためのプログラムである、請求項1に記載の情報記憶媒体。
  3. 前記プログラムは、
    前記原画像生成手段が、前記屈折体を除く前記仮想空間を前記視点から見た画像をZバッファ法により生成し、
    前記画像合成手段が、前記屈折体画像生成手段により生成された画像を、前記屈折体の前記視点からの奥行値に基づいて、Zバッファ法により前記原画中に合成する、
    ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである、請求項1に記載の情報記憶媒体。
  4. 前記プログラムは、
    前記屈折体画像生成手段が、前記屈折体を形成する頂点の前記視点からの奥行値を変更する変更手段を有し、前記変更手段によって頂点の奥行値が変更された前記屈折体の前記視点から見た画像を生成する、ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである、請求項1〜3の何れか一項に記載の情報記憶媒体。
  5. 前記プログラムは、
    前記変更手段が、前記頂点の奥行値を徐々に変更するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである、
    請求項4に記載の情報記憶媒体。
  6. 前記プログラムは、
    前記部分画像選択手段により選択された部分画像に、前記屈折体に定められた透過率に基づくぼかし処理を行うぼかし処理手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の情報記憶媒体。
  7. 前記プログラムは、
    前記部分画像選択手段により選択された部分画像の色相を変更する色相変更手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである、
    請求項1〜6の何れか一項に記載の情報記憶媒体。
  8. 屈折体が配置された仮想空間を所与の視点から見た画像を生成する画像生成装置であって、
    前記屈折体を除く前記仮想空間を前記視点から見た画像を原画として生成する原画生成手段と、
    前記原画生成手段により生成された原画中の、前記視点から見て前記屈折体が表示されるべき領域の部分画像を選択する部分画像選択手段と、
    前記部分画像選択手段により選択された部分画像を前記屈折体にマッピングして、前記視点から見た当該屈折体の画像を生成する屈折体画像生成手段と、
    前記屈折体画像生成手段により生成された画像を、前記原画中の前記部分画像選択手段により選択された部分に合成する画像合成手段と、
    を備えた画像生成装置。
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