JP4588497B2 - 外壁材 - Google Patents

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本発明は、外壁材として今までにない施工性を有し、かつ防水機能、断熱機能、結露防止機能、等を形成した外壁材に係るものである。
一般に、金属製板材をロール成形、プレス成形等して加工した外壁材は数多く上市され、その形状は、所謂落とし込み構造であった。(例えば、特許文献1〜5参照)。
特開平11−172884号公報 特開平11−172892号公報 特開平11−210149号公報 特開2002−220908号公報 特開2002−235423号公報
特許文献1〜5は落とし込み構造であるが、嵌合構造が単純で係合力、耐風圧強度、気密性、等に弱点があった。さらに、意匠性に乏しく、窯業系外壁材に劣るものであった。
本発明はこのような欠点を解決するために、化粧面の上方側の先端には外方に突出した防水片と、防水片の先端を上方側へ突出した嵌合片と、嵌合片の先端を下方側へ突出した上片と、上片の先端を防水片よりもさらに突出した止水片により空隙を形成した雌型連結部と、化粧面の下方側の先端には内方に垂下した段差化粧面と、化粧面に沿って折り返した上片と、該上片の先端を内方に突出した最奥片と、最奥片の先端を下方側に突出した差込片を形成した雄型連結部とからなる金属製外壁材と、略平面状の固定片と、該固定片の下端を外方に屈曲し先端を上方側へ屈曲した係止片と、係止片と固定片によりなる係止溝と、係止片の先端を外方に屈曲し先端を下方側へ屈曲し固定片の下端よりも下方側へ突出した支持片と、係止片と支持片により形成された嵌合溝と、支持片の先端を外方に突出した防水突起とから形成した取付具とからなり、金属製外壁材の嵌合片に取付具の嵌合溝を挿入すると共に取付具の固定片を固定具により固定することにより金属製外壁材の上端部を固定し、金属製外壁材の下端部は差込片を取付具の係止溝に係合することにより固定される外壁材を提供するものである。
本発明に係る外壁材によれば、(1)係合溝内でスプリングバック効果を発揮し、防水性、気密性を向上する。(2)外壁材同士の連結部内で相対する力が相殺されるために、外壁材が破壊されたり、固定片に形成した固定具が下地より抜け落ちない限り、外壁材が風により剥がされることはない。(3)2部材で形成したために、製造が難しくない。等の特徴、効果がある。
以下に図面を用いて本発明に係る外壁材について詳細に説明する。図1(a)、(b)は表面材Cと裏打材DとシートEよりなる金属製外壁材Bと、金属製外壁材Bと取付具Fよりなる外壁材Aの代表的一例を示す説明図、図2(a)、(b)は取付具Fを示す断面図、図3〜図4は外壁材Aの施工状態を示す説明図、図5〜図8は外壁材Aの施工順序を示す説明図である。図中、αは下地、βは釘等の固定具、γは空隙を示している。
下地αは、新築の際は図3に示すように躯体1、胴縁2、防水シート3から構成した木造下地を示したものである。すなわち、躯体1上に胴縁2を敷設し、胴縁2上に防水シート3を配設した一般的な構造の下地αである。また、下地αとしてH形鋼、I形鋼、ミゾ形鋼、軽量ミゾ形鋼、リップ溝形鋼、等辺山形鋼、不等辺山形鋼、角形鋼(角パイプ)、円形鋼(円形パイプ)、等を使用した鉄骨下地でも良いものである。勿論、既存の壁を剥がして下地αとしたり、既存の壁をそのまま下地αとして改修する際には、これら下地α上に既存壁(図示せず)が形成された既存壁構造が下地αとなるものである。勿論、防水シート3を形成しない下地αでも良いものである。
表面材Cは、例えば金属板(カラー鋼板、銅板、アルミニウム板、チタン板、ステンレス板、サンドイッチ鋼板、クラッド鋼板等)等をロール成形、プレス成形、押出成形、等によって形成したものである。勿論、外壁材Aの表面材Cとして、表面材Cの代わりに窯業系素材、もしくは合成樹脂材(プラスチック)、等で形成してもよいものである。
さらに説明すると、表面材Cは長尺板状であり、図1(a)に示すように、略水平面状の化粧面4と、裏面5と、化粧面4の先端を内方に垂下した段差化粧面6と、段差化粧面6と化粧面4に沿って内側方に突出した上片7と、上片7の先端を内方に突出した最奥片8と、最奥片8の先端を下方側に突出した差込片9と、上片7と最奥片8と差込片9とから略コ字状の係合溝10を形成し、段差化粧面6と差込片9間に挿入間隙11を形成して雄型連結部12としたものである。
また、図1(a)に示すように、化粧面4の上方側端部には化粧面4の先端を上方へ突出した防水片13aと、防水片13aの先端を上方側へ突出した嵌合片13bと、嵌合片13bの先端を下方側へ突出した上片13cと、上片13cの先端を防水片13aよりもさらに突出した止水片13dとからなる嵌合部13と、空間γとから雌型連結部14を形成したものである。また、空隙γは止水片13dにより形成された防水性を確保するための空間である。
段差化粧面6は、段差を形成し外壁に重厚感を付与すると共に、内部に挿入間隙11を形成し、直接、風雨が外壁材Aの連結部に当たらないように形成し、防水性を向上するものである。
挿入間隙11は、図3に示すように挿入して外壁材A同士を連結する際に、段差化粧面6が邪魔にならないように形成したものである。
裏打材Dは、ポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリアフォーム等の合成樹脂発泡体、あるいはこれら合成樹脂発泡体をシート材でサンドイッチした複合板、もしくは石膏ボード、セメント板、炭酸カルシウム板、珪酸カルシウム板、セラミック板、木片セメント板、炭酸マグネシウム板、シージングボード、シージングインシュレーションボード、合板、等よりなるもの、さらにはこれらの複合板よりなるものである。
シートEは、金属材、あるいはアスベスト紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート等からなるものである。
金属製外壁材Bの固定には、図2(a)、(b)に示すような略水平面状の固定片15と、固定片15の下端を外方に屈曲し先端を上方側へ屈曲した係止片16と、係止片16と固定片15によりなる係止溝17と、係止片16の先端を外方に屈曲し先端を下方側へ屈曲し固定片15の下端よりも下方側へ突出した支持片18と、係止片16と支持片18とからなる嵌合溝19と、支持片18の先端に形成した防水突起20と、支持片18により形成される防水空隙21と、パッキング材22とから形成した取付具Fを使用し、図3に示すように施工するものである。なお、図の取付具Fは長尺状(金属製外壁材Bと同じ長さ)のものを使用しているものである。勿論、取付具Fは長尺状(例えば、長さが金属製外壁材Bと同じ)でも、短尺状(例えば、長さが30mm〜150mm等)のものを複数個使用してもよいものである。
固定片15は図3に示すように金属製外壁材Bを支持し、固定片15を固定具βにより固定することにより下地αに金属製外壁材Bを固定する部分である。
係止溝17は金属製外壁材Bの差込片9を係止し、下地αに金属製外壁材Bを固定する部分である。
支持片18と防止突起20は、図3に示すように外壁材A同士を連結した際に、上片7にそのスプリングバックにより接触した状態で形成されるために、外壁材A同士の連結部内で常時防水性・機密性の良い状態が継続されるものである。
嵌合溝19は、係止片16と支持片18間に空間を形成することにより、金属製外壁材Bの嵌合片13bを挿入し金属製外壁材Bを確実に下地αに固定する部分であると共に、支持片18がスムーズにスプリングバック機能が発揮できるように形成した部分である。
防水突起20は、外壁材A同士を連結する際に段差化粧面6との関係で、支持片18がスムーズにスプリングバック機能が発揮できるように形成すると共に、係合力の強化を図ったものである。
パッキング材22は金属製外壁材Bと取付具F間より雨水等が下地αに浸入しないように形成するものであり、その素材としては、定型で弾性のあるパッキング材としては、例えば発泡ゴム、ポリ塩化ビニル系、クロロプレン系、クロロスルホン化ポリエチレン系、エチレンプロピレン系、アスファルト含浸ポリウレタン系、EPM、EPDM等の一般的に市販されているものであり、主に防水材、気密材等の機能として有用なものである。また、これらの成分の中に、耐火性、防火性を有する例えばポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニウム、フェノール樹脂粒、カーボンブラック、グラファイト(発泡、非発泡)等の難燃材を混入することもできる。
さらに詳説すると、外壁材Aは図4に示すように、下段となる外壁材Aに上段の点線で示す外壁材Aを施工した際に、風雨が矢印のように吹き込んだ際に、支持片18が点線矢印アの方向に回転するように力が加わるが、反対に係止片16が点線矢印イ方向に回転するように力が加わるために差込片9が下地α側に押さえ込まれ、上段の外壁材Aが風雨により剥がされることがないものである。
さらに詳説すると、図1(a)、(b)、図2(b)に示すように、係合溝10の最奥から段差化粧面6までの幅をH、係止片16の先端から防水突起20の先端までの幅をh、段差化粧面6の先端から差込片9までの幅をT、係止片16から支持片18までの幅をt、嵌合片13bの先端から止水片13dの先端までの長さをh1、嵌合片13bの長さをh2、嵌合溝19の深さをh3とすると、H≒hでH>h、T≒tでT>t、h>h1、h2<h3、の関係である。
この関係により、段差化粧面6、防水突起20が邪魔にならず嵌合がスムーズであると共に、防水突起20が挿入間隙11内に嵌合された状態となるものである。
また、外壁材Aの施工は、図5〜図8に示すような順序で行うものである。
以上説明したのは本発明に係る外壁材の一実施例にすぎず、図9(a)、(b)〜図13(a)、(b)に示すように外壁材Aを形成することもできる。
さらに詳説すると、図9(a)、(b)〜図11(a)、(b)は外壁材Aのその他の実施例を示す断面図、図12(a)、(b)、図13(a)、(b)は接着材23により金属製外壁材Bと取付具Fを一体化した外壁材Aのその他の実施例を示す断面図である。勿論、接着材23の代わりに溶接、あるいは折り曲げ加工、等の一体化手段(方法)を介して金属製外壁材Bと取付具Fを一体化することもできるものである。
本発明に係る外壁材の代表的一例を示す説明図である。 本発明に係る外壁材に使用する取付具を示す説明図である。 本発明に係る外壁材の施工状態を示す説明図である。 本発明に係る外壁材の施工順序を示す説明図である。 本発明に係る外壁材の施工順序を示す説明図である。 本発明に係る外壁材の施工順序を示す説明図である。 本発明に係る外壁材の施工順序を示す説明図である。 本発明に係る外壁材の施工順序を示す説明図である。 本発明に係る外壁材のその他の実施例を示す説明図である。 本発明に係る外壁材のその他の実施例を示す説明図である。 本発明に係る外壁材のその他の実施例を示す説明図である。 本発明に係る外壁材のその他の実施例を示す説明図である。 本発明に係る外壁材のその他の実施例を示す説明図である。
符号の説明
α 下地
β 固定具
γ 空隙
A 外壁材
B 金属製外壁材
C 表面材
D 裏打材
E シート
F 取付具
1 垂木
2 野地板
3 防水シート
4 化粧面
5 裏面
6 段差化粧面
7 上片
8 最奥片
9 差込片
10 係合溝
11 挿入間隙
12 雄型連結部
13 嵌合部
13a 防水片
13b 嵌合片
13c 上片
13d 止水片
14 雌型連結部
15 固定片
16 係止片
17 係止溝
18 支持片
19 嵌合溝
20 防水突起
21 防水空隙
22 パッキング材
23 接着材

Claims (1)

  1. 化粧面の上方側の先端には外方に突出した防水片と、該防水片の先端を上方側へ突出した嵌合片と、該嵌合片の先端を下方側へ突出した上片と、該上片の先端を防水片よりもさらに突出した止水片により空隙を形成した雌型連結部と、化粧面の下方側の先端には内方に垂下した段差化粧面と、化粧面に沿って折り返した上片と、該上片の先端を内方に突出した最奥片と、該最奥片の先端を下方側に突出した差込片を形成した雄型連結部とからなる金属製外壁材と、略平面状の固定片と、該固定片の下端を外方に屈曲し先端を上方側へ屈曲した係止片と、該係止片と固定片によりなる係止溝と、係止片の先端を外方に屈曲し先端を下方側へ屈曲し固定片の下端よりも下方側へ突出した支持片と、係止片と支持片により形成された嵌合溝と、支持片の先端を外方に突出した防水突起とから形成した取付具とからなり、金属製外壁材の嵌合片に取付具の嵌合溝を挿入すると共に取付具の固定片を固定具により固定することにより金属製外壁材の上端部を固定し、金属製外壁材の下端部は差込片を取付具の係止溝に係合することにより固定されることを特徴とする外壁材。
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