JP4586932B2 - 画像データ管理装置、画像データ管理方法および画像データ管理プログラムを記録した媒体 - Google Patents

画像データ管理装置、画像データ管理方法および画像データ管理プログラムを記録した媒体 Download PDF

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Description

本発明は、画像データを適宜修整して利用可能な画像データ管理装置、画像データ管理
方法および画像データ管理プログラムを記録した媒体に関する。
近年、デジタルスチルカメラが急速に利用されはじめている。ディジタルスチルカメラ
で撮影した場合、画像をデータとして管理できるようになり、ちょっとした修整などが簡
単に行われるようになっている。例えば、画像が暗く写ってしまった場合に明るく修整す
るとか、空の色をより青っぽくして美しくさせるといったことも、画像データであれば容
易に行える。
このような処理は画像処理として広く利用されているが、入力される画像データに処理
を施せば新たな画像データとなり、これが元の記憶領域に上書きされていくことになる。
上述した従来の画像データ管理装置においては、次のような課題があった。
まず、オリジナルの画像データが変更されていってしまうが、オリジナルの画像データ
を重視するものにとっては利用しがたい。むろん、オリジナルの画像データを保存してお
いた上で別名で保存するといった処理を行うことも可能であるが、煩雑であるし、必要な
記憶領域が増えていってしまう。また、そのような場合のオリジナルと修整後の画像デー
タを個別に管理していくこと自体も極めて煩雑である。
また、ある種の画像フォーマットにおいては書き換えを行うたびに画質が劣化していく
ものもあるため、この意味ではたとえ修整がわずかであっても画質は劣化していってしま
う。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、画像データのオリジナル性を確保し
ながらも、容易に画像処理した結果を楽しむことが可能な画像データ管理装置、画像デー
タ管理方法および画像データ管理プログラムを記録した媒体の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、入力される画像データに対して画
像処理内容を表すパラメータに基づいて画像処理する画像処理手段と、複数の画像データ
とともにそれぞれに対応するパラメータを関連づけて記憶しつつ所望の画像データとパラ
メータについて適宜管理可能なデータ記憶手段と、画像データの管理操作を入力して上記
データ記憶手段にて対応する管理処理を実行させるとともに当該データ記憶手段にて互い
に関連づけて記憶されている上記画像データと上記パラメータとを読み出させつつ当該パ
ラメータに基づいて上記画像処理手段にて当該画像データについて画像処理させる操作指
示手段とを具備する構成としてある。
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、データ記憶手段が複数の画像
データとともにそれぞれに対応するパラメータを関連づけて記憶可能となっており、所望
の画像データとパラメータについて適宜変更、追加、削除などといった管理が行われる。
そして、操作指示手段によって画像データの管理操作が入力され、これに基づいて対応す
る管理処理が指示されることにより、同データ記憶手段は対応する管理処理を実行する。
この場合、当該データ記憶手段では上記画像データと上記パラメータとが互いに関連づけ
て記憶されているため、これらが読み出されたときには上記画像処理手段において当該パ
ラメータに基づいて当該画像データについて画像処理を実行する。
すなわち、画像データに関連づけて画像処理内容を表すパラメータを記憶する。例えば
、画像処理した場合でも元の画像データを変更せずにパラメータとして管理するようにし
、画像処理結果を利用可能としながらも元の画像データはそのままにしておくことになる
。むろん、必ずしも画像データに変更を加えることができないわけではない。
画像処理手段はパラメータに基づいて画像処理するが、このパラメータには各種のもの
を採用することができる。その一例として、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の
画像データ管理装置において、上記画像処理手段は、上記パラメータに基づいて画像の処
理対象エリアを特定する構成としてある。
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、パラメータに基づいて画像の
処理対象エリアを特定する。例えば、画像処理の一つとしてある部分の周りを取り除いて
しまうトリミングがあるが、従来であれば、このようなトリミングを実行してしまうと画
像データの一部が無くなってしまうことに相当する。
これに対してパラメータを与えて処理対象エリアを特定することにより、あくまでもそ
の範囲内だけが処理対象となっているものとして処理すれば、残りの画像データがあって
も同様の結果を得ることが可能となる。
また、画像処理手段が利用可能なパラメータの他の態様として、請求項3にかかる発明
は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の画像データ管理装置において、上記画像
処理手段は、上記パラメータに基づいて上記画像データにおける各要素色毎の強調度を変
更する構成としてある。
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、上記画像データにおける各要
素色毎の強調度を変更する。例えば、要素色がRGBであったとすると、赤っぽくしたい
ときに赤の要素色について強調処理をかけることがある。従来であれば、このような強調
処理を掛けてしまうと元の画像データは変更を受けるので、その後に逆の強調処理をした
としても元通りになるわけではない。これに対して強調処理における強調度をパラメータ
とすることにより、元の画像データとパラメータとを利用して強調処理を施した画像デー
タを利用可能となる。
むろん、このような強調度は各要素色毎に異なっていても良いが、全ての要素色につい
て同様に強調処理すれば明るくなるので、明度の強調処理ということも実現できることは
いうまでもない。また、強調処理といっても必ずしも成分値を強調するだけではなく、弱
める場合をも含むものであることはいうまでもない。
さらに、画像処理手段が利用可能なパラメータの他の態様として、請求項4にかかる発
明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像データ管理装置において、上記画像処
理手段は、予め用意された個別の画像処理に対してそれぞれを実行するか否かを上記パラ
メータに基づいて判断する構成としてある。
上記のように構成した請求項4にかかる発明においては、パラメータが表すのは予め用
意された個別の画像処理に対してそれぞれを実行するか否かである。例えば、各種の特殊
効果をかけるためのフィルタリング処理が利用されるが、必ずしも可逆的ではない。従っ
て、元の画像データを変更してしまうと元には戻らないことがある。このような場合でも
元の画像データを残しつつパラメータで実行させたり実行させないことを指示して処理結
果を利用できる。
このように、パラメータはアナログ量を表すようにしてもよいし、この態様のようにい
わばフラグとして利用するようにしても構わない。また、段階的な指示量であってもよい

さらに、このようなパラメータは画像処理に対応して一組分だけである必要はない。そ
の一例として、請求項5にかかる発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像デ
ータ管理装置において、上記画像処理手段は、複数の時系列的な上記パラメータに基づい
てそれぞれを履歴として古い順から適用して画像処理を実施する構成としてある。
画像処理が時系列的に行われるのに対応し、各操作毎にパラメータを残しておけば、か
かるパラメータは複数の時系列的な履歴を表すことになる。上記のように構成した請求項
5にかかる発明においては、このようにして複数の時系列的なパラメータがある場合に、
それぞれを履歴として古い順から適用することにより、最終的な画像処理結果を得られる
ようになる。
むろん、この場合のパラメータは一体としてデータ記憶手段に記憶させるようにしても
良いし、適用時が分かるようにしつつ複数のパラメータを別個にデータ記憶手段に記憶さ
せるようにしても良い。例えば、一つの画像データに対して複数のパラメータがデータ記
憶手段にて管理され、このデータ記憶手段は時系列的にパラメータを並べて読み出せるよ
うにすればよい。
パラメータの管理と画像データの管理とは必ずしも同じ管理である必要はない。特に、
画像データのようにファイルサイズが大きい場合には、データベースのようにして一つの
構造体とするとファイルが大きくなる。このため、個々のファイルサイズが大きい画像デ
ータについては通常のデータベースのような管理を行わないようにすることも可能である
。その一例として、請求項6にかかる発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画
像データ管理装置において、上記データ記憶手段は、その記憶領域を階層構造として区画
化可能であるとともに、上記画像データを階層構造の所定区画に記憶しつつ、記憶させた
区画とを対応づけて各画像データの管理を行う構成としてある。
上記のように構成した請求項6にかかる発明においては、記憶領域を階層構造として区
画でき、画像データを階層構造の所定区画に記憶することによって管理する。この管理は
画像データと記憶された区画の対応付けで行われるが、この対応付け自体はどの領域にお
いて記録されるものであっても良い。また、画像データとパラメータとの対応付けもこの
階層構造を利用することは可能であり、例えば、同じ区画にパラメータを記憶しても良い
し、対応する階層構造を別の領域に設けて同パラメータを記憶するようにしてもよい。
また、階層構造は単一の記憶領域に限られる必要はなく、その一例として、請求項7に
かかる発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像データ管理装置において、上
記データ記憶手段は、複数の着脱可能な記憶領域に跨って階層構造に基づく画像データを
管理しつつ、書き込み不能な記憶領域については書き込み可能な記憶領域において上記パ
ラメータを管理する構成としてある。
上記のように構成した請求項7にかかる発明においては、複数の着脱可能な記憶領域に
跨って階層構造に基づく画像データを管理する。この場合、記憶領域によっては必ずしも
書き込み可能であるとは限らない。そこで、書き込み不能な記憶領域については、書き込
み可能な記憶領域において上記パラメータを管理する。
また、書き込みは不能ではないものの、書き込みに不適な記憶領域というものもある。
例えば、ネットワークを介して数人で共有することも多く、誰かが勝手に共有の画像デー
タを書き換えてしまうのは避けるべきである。このような場合、上記データ記憶手段は、
共有領域に跨って画像データを管理しつつ、書き込みに不適な記憶領域については書き込
み可能な記憶領域において上記パラメータを管理する構成とすればよい。むろん、ネット
ワークや共有領域以外にも同様の問題が生じることはあり、いずれの場合でも書き込みに
適した記憶領域において上記パラメータを管理すればよい。
ところで、画像処理手段がパラメータに基づいて画像処理可能であるのであれば、パラ
メータを生成することによって任意の画像処理を実現することができ、そのような態様と
して、請求項8にかかる発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像データ管理
装置において、上記操作指示手段は、上記画像処理手段で実行可能な画像処理内容につい
ての選択操作を入力して上記パラメータを生成し、生成後のパラメータを上記データ記憶
手段にて管理させる構成としてある。
上記のように構成した請求項8にかかる発明においては、上記画像処理手段で実行可能
な画像処理内容について上記操作指示手段にて選択操作を入力するようにしており、選択
操作された場合に上記パラメータを生成し、生成後のパラメータを上記データ記憶手段に
て管理させる。このデータ記憶手段にてパラメータが管理されれば上述したようにして画
像処理手段は同パラメータに基づいて画像データに対して画像処理を実施する。
このように、画像データに対して直に画像処理を施すのではなく、画像処理の内容を表
すパラメータを用意して管理する手法は必ずしも実体のある装置に限られる必要はなく、
その方法としても機能することは容易に理解できる。このため、請求項9にかかる発明は
、複数の画像データを記憶して適宜管理するとともに、所望の画像データに対して所望の
画像処理を実行可能とした画像データ管理方法であって、上記画像処理を画像処理内容を
表すパラメータに基づいて実行するとともに、各画像データとともにそれぞれに対応する
上記パラメータを関連づけて記憶して管理し、互いに関連づけて記憶されている上記画像
データと上記パラメータに基づいて当該画像データについて画像処理する構成としてある
すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違
はない。
ところで、このような画像データ管理装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に
組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種
の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりする
など、適宜、変更可能である。
発明の思想の具現化例として画像データ管理装置のソフトウェアとなる場合には、かか
るソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用されるといわざるを
えない。
その一例として、請求項10にかかる発明は、コンピュータにて複数の画像データを記
憶して適宜管理するとともに、所望の画像データに対して所望の画像処理を実行可能とし
たデータ管理プログラムを記録した媒体であって、入力される画像データに対して画像処
理内容を表すパラメータに基づいて画像処理する画像処理ステップと、複数の画像データ
とともにそれぞれに対応するパラメータを関連づけて記憶しつつ所望の画像データとパラ
メータについて適宜管理可能なデータ記憶ステップと、画像データの管理操作を入力して
上記データ記憶ステップにて対応する管理処理を実行させるとともに当該データ記憶ステ
ップにて互いに関連づけて記憶されている上記画像データと上記パラメータとを読み出さ
せつつ当該パラメータに基づいて上記画像処理ステップにて当該画像データについて画像
処理させる操作指示ステップとを具備する構成としてある。
むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよ
いし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また
、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。その
他、供給方法として通信回線を利用して行う場合でも本発明が利用されていることにはか
わりない。
さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合にお
いても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて
必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
以上説明したように本発明は、画像データに画像処理を施すにあたって元の画像データ
を残しつつ画像処理結果を容易に利用することが可能な画像データ管理装置を提供するこ
とができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、ある領域にだけを利用するような場合の画像処
理においても有効に利用可能となる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、要素色毎に強調処理をかけるような画像処理
においても有効に利用可能となる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、予め用意された画像処理を実施するか否かと
いった指定自体についての利用可能となる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、実行履歴に基づいて画像処理を実行可能とな
る。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、階層構造で画像データを管理するので、管理
が容易となるし、既存のコンピュータにおいて利用されている構造管理を利用しやすく、
操作性も向上する。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、着脱可能な記憶領域で書き込み不能な場合で
あっても利用可能となる。
さらに、請求項8にかかる発明によれば、画像処理のパラメータを生成して任意の画像
処理を実現できるようになる。
さらに、請求項9にかかる発明によれば、同様の効果を奏することが可能な画像データ
管理方法を提供でき、請求項10にかかる発明によれば、画像データ管理プログラムを記
録した媒体を提供できる。
本発明の一実施形態にかかる画像データ管理装置のクレーム対応図である。 同画像データ管理装置の具体的ハードウェアのブロック図である。 同画像データ管理装置の機能ブロック図である。 共通機能部のブロック図である。 フィルムデータ管理部の機能ブロック図である。 同フィルムデータ管理部が管理するデータ構造を示す概略説明図である。 管理パラメータの変数宣言を示す図である。 画像修整制御部の機能ブロック図である。 画像修整制御を説明するための手続の流れを示す図である。 画像ファイルの構成を示す図である。 処理対象画素を移動させていく状態を示す図である。 輝度分布を拡大する場合の分布範囲を示す図である。 輝度分布を拡大させるための変換関係を示す図である。 輝度分布の端部処理と端部処理にて得られる端部を示す図である。 輝度分布を拡大する際の変換テーブルを示す図である。 γ補正で明るくする概念を示す図である。 γ補正で暗くする概念を示す図である。 γ補正で変更される輝度の対応関係を示す図である。 明るさの評価とγの対応関係を示す図である。 各色成分毎の特徴ベクトルとするための要素の抽出方法を示す図である。 彩度分布の集計状態の概略図である。 彩度と彩度強調指数との関係を示す図である。 画像の変化度合いを直交座標の各成分値で表す場合の説明図である。 画像の変化度合いを縦軸方向と横軸方向の隣接画素における差分値で求める場合の説明図である。 隣接する全画素間で画像の変化度合いを求める場合の説明図である。 画像データの一例を示す図である。 5×5画素のアンシャープマスクを示す図である。 自動画像調整の指定を行う際のフローチャートである。 手動画像調整の指定を行う際のフローチャートである。 トリミングの指定を行う際のフローチャートである。 回転の指定を行う際のフローチャートである。 修整取消の指定を行う際のフローチャートである。 修整された画像データを利用できるようにする処理のフローチャートである。 同時プリントの処理の操作画面を示す図である。 新たに画像データを取り込む際の操作画面を示す図である。 自動画像修整の処理を行う場合の操作画面を示す図である。 自動画像修整をデフォルトで実行するようにした場合の操作画面を示す図である。 トリミングの処理を行う場合の操作画面を示す図である。 回転の処理を行う場合の操作画面を示す図である。 自動画像調整の処理を行う場合の操作画面を示す図である。 手動画像調整の処理を行う場合の操作画面を示す図である。 修整取消の処理を行う場合の操作画面を示す図である。 プリント指定の処理を行う場合の操作画面を示す図である。 アルバム印刷の処理を行う場合の操作画面を示す図である。 印刷の処理を行う場合の操作画面を示す図である。 DPE印刷制御部の機能ブロック図である。
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる画像データ管理装置をクレーム対応図により示し
ている。
デジタルスチルカメラなどで撮影した画像データは、コンピュータなどの外部記憶装置
などを利用して管理することになる。かかる外部記憶装置などに該当するデータ記憶手段
A1がこれらの複数の画像データとともにそれぞれに対応するパラメータを関連づけて記
憶し、コンピュータによるデータベース管理などによって適宜変更、追加、削除などとい
った管理が行われる。また、コンピュータ自身における入出力機器などに対応する操作指
示手段A2によって画像データの管理操作を入力すると、このデータ記憶手段A1はデー
タベース管理を介して対応する管理処理を実行することになる。ここにおいて、データ記
憶手段A1では上記画像データと上記パラメータとが互いに関連づけて記憶されているた
め、これらが読み出されたときにはコンピュータの一処理として実現される画像処理手段
A3において当該パラメータに基づいて当該画像データについて画像処理を実行する。
本実施形態においてはこのような画像データ管理装置を実現するハードウェアの一例と
してコンピュータシステム10を採用している。
図2は、同コンピュータシステム10をブロック図により示している。
本コンピュータシステム10は、画像データを直接的に入力する画像入力デバイスとし
て、スキャナ11aとデジタルスチルカメラ11bとビデオカメラ11cとを備えており
、コンピュータ本体12に接続されている。それぞれの入力デバイスは画像をドットマト
リクス状の画素で表現した画像データを生成してコンピュータ本体12に出力可能となっ
ており、ここで同画像データはRGBの三原色においてそれぞれ256階調表示すること
により、約1670万色を表現可能となっている。
コンピュータ本体12には、外部補助記憶装置としてのフロッピー(登録商標)ディス
クドライブ13aとハードディスク13bとCD−ROMドライブ13cとが接続されて
おり、ハードディスク13bにはシステム関連の主要プログラムが記録されており、フロ
ッピー(登録商標)ディスクやCD−ROMなどから適宜必要なプログラムなどを読み込
み可能となっている。
また、コンピュータ本体12を外部のネットワークなどに接続するための通信デバイス
としてモデム14aが接続されており、外部のネットワークに同公衆通信回線を介して接
続し、ソフトウェアやデータをダウンロードして導入可能となっている。この例ではモデ
ム14aにて電話回線を介して外部にアクセスするようにしているが、LANアダプタを
介してネットワークに対してアクセスする構成とすることも可能である。
ここで、外部補助記憶装置のうち、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ13aや
CD−ROMドライブ13cについては、記録媒体自身が交換可能であり、この記録媒体
に画像データが記録された状態で供給されることにより、画像入力デバイスの一手段とも
なりうる。また、モデム14aやLANアダプタを介してネットワークにアクセスした場
合、このネットワークから画像データが供給されることもあり、このような場合も画像入
力デバイスの一手段となりうる。
この他、コンピュータ本体12の操作用にキーボード15aやポインティングデバイス
としてのマウス15bも接続され、さらに、マルチメディア対応のためにスピーカ18a
やマイク18bを備えている。
さらに、画像出力デバイスとして、ディスプレイ17aとカラープリンタ17bとを備
えている。ディスプレイ17aについては水平方向に800画素と垂直方向に600画素
の表示エリアを備えており、各画素毎に上述した1670万色の表示が可能となっている
。むろん、この解像度は一例に過ぎず、640×480画素であったり、1024×76
8画素であるなど、適宜、変更可能である。
また、印刷装置としてのカラープリンタ17bはインクジェットプリンタであり、CM
YKの四色の色インクを用いて記録媒体たる印刷用紙上にドットを付して画像を印刷可能
となっている。画像密度は360×360dpiや720×720dpiといった高密度
印刷が可能となっているが、階調表限については色インクを付すか否かといった2階調表
現となっている。色インクについては、かかる四色のものに限らず、色の薄いライトシア
ンやライトマゼンタを加えた六色によってドットの目立ちを低減させることも可能である
し、インクジェット方式に限らずカラートナーを利用した静電写真方式などを採用するこ
とも可能である。
また、印刷装置は必ずしもカラープリンタである必要はなく、白黒のプリンタであって
も良い。後述するように白黒再現においてはそれに応じた最適な画像処理がありえるし、
かかる画像処理を画像データに施してしまうと再度カラーで再現したい場合には不都合な
ことが生じる。しかしながら、本発明においては、あくまでも元の画像データは残される
ことになり、そのような画像処理も容易に実行してしまうことが可能となる。
一方、このような画像入力デバイスを使用して画像を入力しつつ、画像出力デバイスに
表示あるいは出力するため、コンピュータ本体12内では所定のプログラムが実行される
ことになる。そのうち、基本プログラムとして稼働しているのはオペレーティングシステ
ム(OS)12aであり、このオペレーティングシステム12aにはディスプレイ17a
での表示を行わせるディスプレイドライバ(DSP DRV)12bとカラープリンタ1
7bに印刷出力を行わせるプリンタドライバ(PRT DRV)12cが組み込まれてい
る。これらのドライバ12b,12cの類はディスプレイ17aやカラープリンタ17b
の機種に依存しており、それぞれの機種に応じてオペレーティングシステム12aに対し
て追加変更可能である。また、機種に依存して標準処理以上の付加機能を実現することも
できるようになっている。すなわち、オペレーティングシステム12aという標準システ
ム上で共通化した処理体系を維持しつつ、許容される範囲内での各種の追加的処理を実現
できる。
この基本プログラムとしてのオペレーティングシステム12a上でアプリケーション1
2dが実行される。アプリケーション12dの処理内容は様々であり、操作デバイスとし
てのキーボード15aやマウス15bの操作を監視し、操作された場合には各種の外部機
器を適切に制御して対応する演算処理などを実行し、さらには、処理結果をディスプレイ
17aに表示したり、カラープリンタ17bに出力したりすることになる。
かかるコンピュータシステム10では、画像入力デバイスであるスキャナ11aなどで
写真などを読み取って画像データを取得することができる他、デジタルスチルカメラ11
bで撮影した画像データを取得したり、ビデオカメラ11cで撮影した動画としての画像
データを取得することができる。また、予め撮影された各種の画像データがCD−ROM
ソフトとして提供されることも多々あるし、予め画像データを一つの記憶領域に保存して
おいた上で複数の人間がネットワークを介してアクセスすることも多い。
デジタルスチルカメラ11bで撮影した画像データはハードディスク13bにまとめて
保存しておくことが多く、このような画像データはディスプレイ17a上で鑑賞して楽し
むばかりでなく、カラープリンタ17bで出力して楽しむことも多い。画像データの利点
として、写りが悪くても容易に修整できる点がある。
すなわち、カラープリンタ17bで印刷するにあたって元の画像データのままでは写り
が悪いなど、フォトレタッチなどで修整が行われる。このようにして、画像データの管理
と画像の修整を行う画像データ管理装置の必要性が生じ、アプリケーション12dとコン
ピュータシステム10とが有機一体化して画像データ管理装置を実現することになる。
この意味で、画像データ管理ソフトであるアプリケーション12dは、デジタルスチル
カメラ11bで撮影された画像データをハードディスク13bに記憶して管理したり、C
D−ROMドライブ13cを介してCD−ROMによって供給される画像データを適宜入
力できるようにして管理しつつ、後述するようにパラメータも併せて管理する。従って、
この意味で関連するソフトウェアとハードウェアとによってデータ記憶手段A1を構成す
る。
また、このようにして記憶されている画像データについては、アプリケーション12d
によって処理対象を特定した上で上述したような対応するパラメータと共に内部の画像処
理ルーチンによって画像処理することになり、この意味で関連するソフトウェアとハード
ウェアとによって画像処理手段A3を構成する。
そして、アプリケーション12dは、オペレーティングシステム12aを介してキーボ
ード15aやマウス15bの操作を入力しつつ所定の対応画面を生成してディスプレイ1
7a上に表示するが、このようなGUI処理を経て対象とする画像データを選定したり、
実行する画像処理を特定して適宜処理を選択していくという意味で関連するソフトウェア
とハードウェアとによって操作指示手段A2を構成する。
なお、このようなソフトウェアは、ハードディスク13bに記憶されており、コンピュ
ータ本体12にて読み込まれて稼働する。また、導入時にはCD−ROMであるとかフロ
ッピー(登録商標)ディスクなどの媒体に記録されてインストールされる。
従って、これらの媒体は画像評価プログラムを記録した媒体を構成する。
図3は上記画像データ管理ソフトによる制御内容をブロック化して表しており、各種の
総合的な制御を行うメイン制御部60と、各種の共通的な制御を行う共通機能部20と、
画像データの管理を行うフィルムデータ管理部30と、各画像データについて画像修整を
実行する画像修整制御部40と、一連の印刷処理を実行するDPE印刷制御部50から構
成されている。
メイン制御部60は、後述する各種フローを適宜選択して実行するものであり、その他
、他に分類されない各種の機能も実行する。そのうちの一つが環境設定部60aであり、
本画像データ管理ソフトにおいて共通の設定などを設定情報ファイル60bとしてハード
ディスク13b上に記録し、適宜他の機能部から読み出し可能としている。この設定情報
ファイル60bは、各種のデフォルト指定、例えば、新たな画像データの取り込み元の指
定であるとか、後述するような印刷処理で次回に引き継ぐためのページのパラメータであ
るといったような類のものが記録されることになる。
共通機能部20については、図4にその詳細ブロックを示しており、そのいくつかは他
の機能部からも共通して呼び出せるようになっている。例えば、画像選択部20aはサム
ネール作成部20iにて各画像データについてサムネールを作成させつつ画像表示部20
mにてディスプレイ17aに複数のサムネール画像を表示させ、その状態でキーボード1
5aやマウス15bによる選択操作を受け付けることによって各画像についての選択の有
無を入力する。むろん、選択操作に伴って表示を変えたりする場合には適宜画像表示部2
0mにて表示を変更させるし、選択の結果は他の機能部に受け渡すことになる。また、表
示指定部20bは画面上での表示を指定するものであり、GUI操作に応じてウィンドウ
領域の大きさなどを変更したときに対応して画像の表示を適宜指定することになる。
ファイル編集部20cは画像データの保存領域を適宜変更する操作などを実行し、検索
部20dは画像ファイルと併せて管理されるパラメータに基づいてコメントであるとか日
付などによって検索を実行するものである。一括コメント部20eでは複数の画像データ
に対するコメント付けを一括して処理するものであり、一括整理部20fは画像データや
パラメータを一括して同時に処理するものである。
画像処理部20gと画像編集部20hは、画像修整制御部40が主に画像処理の自動実
行をするにあたって各種のパラメータを生成するのに対して、実際に画像処理を実行する
部分であり、さらに手動にて指定される画像処理も実行する。
この処理結果は原則的に仮のデータとして扱われ、実際の処理時にオリジナル画像デー
タに変更を加える指定がなされている場合は元の画像データに反映される。また、表示や
処理時間の便宜上から必ずしも元の画像データに基づいて実行する必要はなく、操作中は
サムネールの画像データに基づいて画像処理部20gや画像編集部20hが各種の処理を
実行する。
画像入力部20jは画像データの記憶領域がファイル編集部20cによって既に登録さ
れている場合に、画像処理や印刷処理の際に同画像データを読み込んでくる処理を行い、
また、画像データとして各種のデータフォーマットが存在するのに対応し画像出力部20
kは形式を変換して出力するといった処理を実行する。
次に、フィルムデータ管理部30について説明する。図5は、本フィルムデータ管理部
30が管理する画像データである画像ファイル30aと、パラメータを含む写真データ3
0bと、画像データのグループ化において利用するフィルムデータ30cの管理構造をブ
ロック図により示している。ここで、画像データはコンピュータシステム10においてフ
ァイルとして扱われることにより、画像ファイルとして示しているし、パラメータはそれ
ぞれの画像データに対応する各種の情報とともに写真データ30bとして示している。ま
た、フィルムデータ30cは画像データをグループ化して管理するための情報であり、図
6にはフィルムメタファとして示している。ここで写真データ30bのデータベースは、
コンピュータシステム10上における書き換え可能な記憶領域に保存されるものとし、ま
た、複数存在するフィルムメタファに関わらず一定の領域に保存される。むろん、物理的
に複数のデータベースとすることは可能であるが、要は必ずしも画像データが現実に記憶
されている媒体に形成される必要はないということである。
同図では、画像ファイルの物理的記録形態を同図の左方に示しており、オペレーティン
グシステム12aによってフォルダ単位で階層構造が形成され、各フォルダの中に画像フ
ァイルを記憶するようになっている。本実施形態における画像データのグループ化は、物
理的にはまさにこのフォルダ単位の階層構造を利用しており、このフォルダ単位で情報を
付加して管理している。すなわち、フィルムデータ30cを構成する最低限の情報は、任
意につけることが可能なフィルム名、このフォルダの物理的配置情報としての実際の記憶
領域を示すリンク先、作成した日付、コメント、媒体属性、媒体ラベル、フィルム属性、
収容画像ファイル数などである。また、図に示すように各フォルダは管理上においてフィ
ルムのパトローネと同視しており、別の視点からすれば実際の記憶領域を個別に意識する
ことなくパトローネとして同一視してしまうので、エリアス管理にも近くなっている。な
お、パトローネには物理的な記憶領域が交換可能な媒体であるか否かを示すマークを表示
して利用者に分かりやすくしている。すなわち、画像ファイルがCD−ROMによって供
給されているような場合は交換可能であるが、この場合はCD−ROMを交換することに
よって実際のCD−ROMドライブ13cに装着されていない場合もあり得る。このよう
な場合にそのCD−ROMが装着されていなければ非表示としまうのではなく、フィルム
データ30cとして登録した以上は同データに基づいて表示が行われるし、その場合には
交換可能なマークがあることによって操作者はCD−ROMをセットしなければ参照でき
ないことが容易に理解できるようになる。
この例では、交換可能なマークを示しているだけであるが、このようなマークを適宜変
更して情報を表示するようにしても良い。例えば、交換可能な記憶領域であるとしてその
CD−ROMが装着されている場合と装着されていない場合とでマークを変えても良い。
また、ネットワークで複数人が共有する記憶領域に画像データが保存されている場合には
、各人で勝手に書き換えてしまうと収拾がつかなくなってしまうため、ネットワークドラ
イブを表すマークを表示するようにしても良い。むろん、ネットワークドライブであれば
書き込み可能であっても書き込み不能の扱いをするようにしても良い。なお、マークを変
化させるのではなく、パトローネ自体の形状を変更するようにしても良い。
写真データ30bの具体的構成は、図5および図6に示している。ここで、索引情報は
ファイル名とファイル日時とファイルサイズと撮影日時とから構成されており、画像ファ
イルを縮尺したサムネールデータをサムネールとして表示している。コメントは各画像フ
ァイル毎に付すことができるようにしており、表示順序などを表す整理情報や、実際の記
憶領域を示す位置情報や、マイク18bなどを介して付された音声情報とともに写真デー
タ30bを構成している。
さらに、写真データ30bは修整情報と特徴情報と色合せ情報も備えている。
上述したように本画像データ管理ソフトでは画像データの管理と画像の修整を行うが、
画像の修整によって元の画像データを直に変更してしまうのではなく、これらのパラメー
タによって修整する指針だけを修整情報として管理し、これに併せて特徴情報や色合わせ
情報を管理できるようにしている。図7は修整情報を管理するための具体的な変数宣言例
を示しており、トリミングに関する修整情報を表すトリミング開始X座標(m_x1)と
トリミング開始Y座標(m_y1)とトリミング終了X座標(m_x2)とトリミング終
了Y座標(m_y2)と、回転処理を実行する場合の回転角度(m_nRotation
)と、自動画像修整(m_nApf)と、赤成分の強調度(m_nRed)と、緑成分の
強調度(m_nGreen)と、青成分の強調度(m_Blue)と、明るさ成分の強調
度(m_nBrightness)と、コントラストの強調度(m_nContrast
)とから構成されている。
ここで、本画像データ管理ソフトで実行可能な画像処理、特に自動画像修整にについて
説明する。自動画像修整において核となるのは図8に示す画像修整制御部40であり、画
像特徴抽出部40aが画像データに基づいて画像の特徴を抽出すると、修整情報作成部4
0bが修整に必要なパラメータを作成し、修整指定部40cは同パラメータを使って上述
した画像処理部20gに対して実際の処理を実行させることになる。
図9はこの画像修整制御部40が実行する概略の手続の流れを模式的に示しており、以
下にこの流れを参照しつつ自動画像修整処理について説明する。
手順1では画像データを入力する。画像データはオペレーティングシステム12aを介
して読み込み、所定のワークエリアに保存する。ただし、既にサムネイルデータを作成し
てある場合には、写真データ30bの中からサムネイルデータを読み込んで画像データと
する。特徴抽出は画像データの各画素についての集計処理であるため、画素の量に応じて
演算時間は変化する。サムネイルデータを使用するのはこのような画素の量の圧倒的な差
異を考慮したものであり、本来の画像データを使用する場合に比べて処理時間を短くする
ことができる。なお、画像データ自体は一つのファイルであり、図10に示すように先頭
部分に画像のサイズであるとか色数などのプロファイルデータを備えるとともに、その後
には個々の画素についてRGB256階調で表現するべく3バイトのエリアが画素数分だ
け確保されている。
画像データをワークエリアに読み込んだら、手順2〜4にて図11に示すようにして対
象画素を移動させつつ同対象画素の画像データについて加工を行って集計処理を行う。集
計処理の内容は画像の特徴量に応じて様々であるが、本実施形態においては、「コントラ
スト」、「明度」、「カラーバランス」、「彩度」、「シャープネス」の5つの特徴量を
得るための集計処理を行う。また、全画素について集計処理を終えたら、手順5では集計
結果に基づいて特徴量を算出する。
以下、これらの集計処理とともにそれに基づいて導出する特徴量について説明する。
コントラストは画像全体としての輝度の幅を示し、コントラストを修整したいと感じる
場合、コントラストの幅を広げたいという要望が主である。ある画像の各画素における輝
度の分布をヒストグラムとして集計したものを図12で実線にて示している。実線に示す
分布を取る場合、明るい画素の輝度と暗い画素の輝度との差が少ないが、輝度の分布が一
点鎖線に示すように広がれば明るい画素の輝度と暗い画素の輝度との差が大きくなり、コ
ントラストの幅が広がることになる。ここで、図13はコントラストを拡大するための輝
度変換を示している。変換元の輝度yと変換後の輝度Yとの間において、
Y=ay+b
なる関係で変換させるとすると、変換元の最大輝度Ymaxと最小輝度Yminの画素
の差はa>1の場合において変換後において大きくなり、図12に示すように輝度の分布
が広がることになる。従って、このようなヒストグラムを作成するとして輝度の最大値か
ら輝度の最小値までの間隔をコントラストの幅として集計処理することが必要である。た
だし、この場合はあくまでも輝度の変換であり、画像データが輝度を要素として備えてい
れば直接に集計が可能であるが、上述したように画像データはRGB256階調で表現さ
れてているので、直接には輝度の値を持っていない。輝度を求めるためにLuv表色空間
に色変換する必要があるが、演算量などの問題から得策ではないため、テレビジョンなど
の場合に利用されているRGBから輝度を直に求める次式の変換式を利用する。
y=0.30R+0.59G+0.11B
すなわち、対象画素を移動させながら各画素の画像データである3バイトを読み込み、
同式に基づいて輝度yを演算する。この場合、輝度yも256階調であらわすものとし、
演算された輝度yに対する度数を1つずつ加えていくことになる。なお、白黒への変換は
この輝度を利用すればよく、求められた輝度の階調値をRGBの各成分値に一致させるこ
とで実現する。また、セピア調などの単色カラーについては輝度の階調値を求めた後でR
GBの成分比に応じてRGBの各成分値を求めればよい。
このようにして輝度分布のヒストグラムを得るのが手順2の画像データ集計処理であり
、このヒストグラムに基づいて手順5の特徴量抽出処理では輝度分布の両端を求める。写
真画像の輝度分布は図14に示すように概ね山形に表れる。むろん、その位置、形状につ
いてはさまざまである。輝度分布の幅はこの両端をどこに決めるかによって決定されるが
、単に裾野が延びて分布数が「0」となる点を両端とすることはできない。裾野部分では
分布数が「0」付近で変移する場合があるし、統計的に見れば限りなく「0」に近づきな
がら推移していくからである。
このため、分布範囲において最も輝度の大きい側と小さい側からある分布割合だけ内側
に寄った部分を分布の両端とする。本実施形態においては、同図に示すように、この分布
割合を0.5%に設定している。むろん、この割合については、適宜、変更することが可
能である。このように、ある分布割合だけ上端と下端をカットすることにより、ノイズな
どに起因して生じている白点や黒点を無視することもできる。すなわち、このような処理
をしなければ一点でも白点や黒点があればそれが輝度分布の両端となってしまうので、2
55階調の輝度値であれば、多くの場合において最下端は階調「0」であるし、最上端は
階調「255」となってしまうが、上端部分から0.5%の画素数だけ内側に入った部分
を端部とすることにより、このようなことが無くなる。そして、実際に得られたヒストグ
ラムに基づいて画素数に対する0.5%を演算し、再現可能な輝度分布における上端の輝
度値と下端の輝度値から順番に内側に向かいながらそれぞれの分布数を累積し、0.5%
の値となった輝度値が最大輝度Ymaxと最小輝度Yminとなる。
輝度分布の幅Ydifは最大輝度Ymaxと最小輝度Yminの差であり、
Ydif=Ymax−Ymin
となる。
コントラストを拡大する画像処理としては、輝度の分布に応じて傾きaとオフセットb
を決定すればよい。例えば、
a=255/(Ymax−Ymin)
b=−a・Yminあるいは255−a・Ymax
とおくとすると、せまい幅を持った輝度分布を再現可能な範囲まで広げることができる
。ただし、再現可能な範囲を最大限に利用して輝度分布の拡大を図った場合、ハイライト
部分が白く抜けてしまったり、ハイシャドウ部分が黒くつぶれてしまうことが起こる。こ
れを防止するには再現可能な範囲の上端と下端に拡大しない範囲として輝度値で「5」ぐ
らいを残すようにすればよい。この結果、変換式のパラメータは次式のようになる。
a=245/(Ymax−Ymin)
b=5−a・Yminあるいは250−a・Ymax
そして、この場合にはY<Yminと、Y>Ymaxの範囲においては変換を行わない
ようにするとよい。
また、このように変換するにあたって、毎回計算する必要はない。輝度の範囲が「0」
〜「255」という値をとるとすれば、各輝度値について予め変換結果を予めておき、図
15に示すように変換テーブルを形成しておく。ただ、この場合はあくまでも輝度の変換
であり、RGB256階調の画像データの適用については別に考える必要がありそうであ
る。しかしながら、実際には、変換前の画像データ(R0,G0,B0)と変換後の画像デー
タ(R1,G1,B1)との間には輝度と同じ変換関係を適用可能であり、
R1=aR0+b
G1=aG0+b
B1=aB0+b
なる関係で求めることができるから、結果として図15に示す変換テーブルを利用して
変換すればよいことが分かる。
すなわち、手順5にて特徴抽出する作業は上述した最大輝度Ymaxと最小輝度Ymi
nを求める作業が該当するし、手順6の修整情報作成処理ではこれらから輝度分布の幅Y
difを求めつつ変換式のパラメータa,bを求めて変換テーブルを作成する処理が該当
する。そして、手順7の修整指定処理ではこのような変換テーブルを指定して変換前の画
像データ(R0,G0,B0)から変換後の画像データ(R1,G1,B1)を生成させることにな
る。
次に、明度について説明する。ここでいう画像の特徴量としての明度は画像全体の明暗
の指標を意味しており、上述したヒストグラムから求められる分布の中央値(メジアン)
Ymedを使用する。従って、この場合における集計処理は手順2にてコントラストのた
めの集計処理と同時に行われる。
一方、手順5にて特徴量を分析する際には明度の理想値であるYmed_target
との差(Ymed_target−Ymed)を算出すればよい。なお、理想値Ymed
_targetの実際の値は「106」を使用するが、固定的なものではない。また、好
みを反映して変更できるようにしても良い。
この特徴量を利用して明度を修整する場合は次のようにする。中央値Ymedが理想値
Ymed_targetと比較して大きいか小さいかで画像が明るいか否かを評価できる
。例えば、中央値Ymedが「85」であるとすれば理想値Ymed_targetの「
106」よりも小さいので、第一次的に「暗い」と評価されるし、第二次的に暗さの程度
は「106−85」と数値的に表現される。
図16は輝度のヒストグラムを示しているが、実線で示すように輝度分布の山が全体的
に暗い側に寄っている場合には波線で示すように全体的に明るい側に山を移動させると良
いし、逆に、図17にて実線で示すように輝度分布の山が全体的に明るい側に寄っている
場合には波線で示すように全体的に暗い側に山を移動させると良い。このような場合には
図13に示すような直線的な輝度の変換を施すのではなく、図18に示すようないわゆる
γ曲線を利用した輝度の変換を行えばよい。
γ曲線による補正ではγ<1において全体的に明るくなるし、γ>1において全体的に
暗くなる。上の例では中央値Ymedが「21」上がれば理想値Ymed_target
と一致することになるが、γ曲線を利用してぴったりと「21」上げるというのは容易で
はない。このため、図19に示すように評価値である(Ymed_target−Yme
d)について「5」刻み毎に対応するγの値を設定しておけばよい。
また、コントラストの修整の場合と同様に自動的にγの値を設定することも可能である
。例えば、
γ=Ymed/106
あるいは、
γ=(Ymed/106)**(1/2)
としてγの値を求めるようにしてもよい。むろん、γ曲線による輝度の変換についても
図15に示すような変換テーブルを形成しておけばよい。
すなわち、手順5にて特徴抽出する作業は中央値Ymedを求める作業が該当するし、
手順6の修整情報作成処理ではこれからγ補正値を求めつつ変換テーブルを作成する処理
が該当する。そして、手順7の修整指定処理ではこのような変換テーブルを指定して各画
素の変換前の画像データ(R0,G0,B0)から変換後の画像データ(R1,G1,B1)を生成
させることになる。
次にカラーバランスについて説明する。ここでいうカラーバランスとは画像データを構
成するR成分、G成分、B成分の間に一定のアンバランス傾向があるか否かを指すものと
する。例えば、写真が赤っぽく見えるとして、それが撮影時の本当の状況を表しているの
であれば構わないが、そうではない場合には何らかの悪影響が表れていると言える。ただ
し、このようなアンバランスは実際のところ本当の状況と比較しなければ分からないとも
言えるので、事後的に評価すること自体が不可能であるとも考えられる。
本実施形態において、これを各色毎の度数分布の均一さから評価することにする。撮影
時の状況によっては各色成分の度数分布が不均一となることの方が自然な状況もあり得、
そのような場合においては色修整すべきではない。しかしながら、結果から逆を辿るとす
ると、各色成分の度数分布がある程度似ている状況では度数分布が均一となっているべき
であろうし、度数分布が似ていなければ均一にすべきでないだろうと判断できる。
このため、手順2の画像データ集計処理においては、後で各色成分毎の度数分布の類似
度をチェックするために、各色成分毎のヒストグラムを作成する。このとき、全階調値に
ついて度数分布を求めるのではなく、256階調の領域を8〜16分割(n分割)し、各
領域に属する度数を集計していく。8分割する場合であれば、図20に示すように、「0
〜31」、「32〜63」…「224〜255」という8つの領域について度数分布を求
めていく。
一方、全画素を対象として各色成分毎に上述したヒストグラムを作成したら、手順5に
おける特徴量の分析では各色毎に各領域に属する画素数(r1、r2…rn)、(g1、
g2…gn)、(b1,b2…bn)(ここではn=8)を成分としてベクトル化する。
RGBのそれぞれについて、特徴ベクトルVR,VG,VBを次のように表すとし、
VR=(r1、r2…rn) Σri=1
VG=(g1、g2…gn) Σgi=1
VB=(b1,b2…bn) Σbi=1
これらの特徴ベクトルの相互相関を求める。相互相関は、内積として
corr_rg=(VR・VG)/|VR|・|VG|
corr_gb=(VG・VB)/|VG|・|VB|
corr_br=(VB・VR)/|VB|・|VR|
で表されるが、ベクトルの内積自体は両ベクトルの類似度を表すといえ、その値は「0
」〜「1」となる。ここでは、その最小値corr_xに基づいてカラーバランスを評価
する。
なお、カラーバランスの修整はn分割した各領域毎に行うようにしても良いが、概略的
には各色成分毎に全体的に明るくするか暗くするという対応で対処できるので、γ曲線を
利用したRGB値の修整を行えばよい。
すなわち、手順5にて特徴抽出する作業は最小値corr_xを求める作業が該当する
し、手順6の修整情報作成処理ではこれに基づいてバランスを修整するためのγ補正値を
求めつつ変換テーブルを作成する処理が該当する。そして、手順7の修整指定処理ではこ
のような変換テーブルを指定して各画素の変換前の画像データ(R0,G0,B0)から変換
後の画像データ(R1,G1,B1)を生成させることになる。
次に、彩度について説明する。ここでいう彩度は画像全体としての色鮮やかさを指すも
のとする。例えば、原色のものが色鮮やかに写っているかグレーっぽく写っているかとい
った評価である。彩度自体はLuv表色空間におけるuv平面内での基準軸からの大きさ
で表されるものの、上述したように表色空間を変換する演算量は多大であるため、画素の
彩度を簡略化して求めることにする。これには彩度の代替値Xとして次のように演算する

X=|G+B−2×R|
本来的には彩度は、R=G=Bの場合に「0」となり、RGBの単色あるいはいずれか
二色の所定割合による混合時において最大値となる。この性質から直に彩度を適切に表す
のは可能であるものの、簡略化した上式によっても赤の単色および緑と青の混合色である
黄であれば最大値の彩度となり、各成分が均一の場合に「0」となる。また、緑や青の単
色についても最大値の半分程度には達している。むろん、
X’=|R+B−2×G|
X”=|G+R−2×B|
という式にも代替可能である。
手順2での画像データ集計処理では、この彩度の代替値Xについてのヒストグラムの分
布を求めることになる。この彩度の代替値Xについてのヒストグラムの分布を求めるとす
ると彩度が最低値「0」〜最大値「511」の範囲で分布するので、概略的には図21に
示すような分布となる。
一方、手順5で特徴量を分析する際には、このヒストグラムに基づいて行う。
すなわち、集計されたヒストグラムに基づいてこの画像についての彩度指数というもの
を決定する。この彩度の代替値Xの分布から上位の「16%」が占める範囲を求め、この
範囲内での最低の彩度「S」がこの画像の彩度を表すものとする。
この彩度「S」が低ければ彩度強調を望むことになるが、自動修整する場合には次のよ
うにする。
RGB表色空間のように各成分が概略対等な関係にある色相成分の成分値であるときに
は、R=G=Bであればグレイであって無彩度となる。RGBの各成分における最小値と
なる成分については各画素の色相に影響を与えることなく単に彩度を低下させているにす
ぎないと考えれば、各成分における最小値をすべての成分値から減算し、その差分値を拡
大することによって彩度を強調できるといえる。いま、画像データの各成分(R,G,B
)における青(B)の成分値が最小値であったとすると、この彩度強調パラメータSrati
oを使用して次のように変換できる。
R’=B+(R−B)×Sratio
G’=B+(G−B)×Sratio
B’=B
この例は無彩度の成分について単純に最小値の成分を他の成分値から減算する手法であ
るが、無彩度の成分を減算するにあたって他の手法も採用可能である。
特に、この変換を行う場合には彩度を強調すると輝度も向上して全体的に明るくなると
いう傾向がある。従って、各成分値から輝度の相当値を減算した差分値を対象として変換
を行うことにする。
彩度強調が、
R’=R+ΔR
G’=G+ΔG
B’=B+ΔB
となるとすると、この加減値ΔR,ΔG,ΔBは輝度との差分値に基づいて次式のよう
に求める。すなわち、
ΔR=(R−Y)×Sratio
ΔG=(G−Y)×Sratio
ΔB=(B−Y)×Sratio
となり、この結果、
R’=R+(R−Y)×Sratio
G’=G+(G−Y)×Sratio
B’=B+(B−Y)×Sratio
として変換可能となる。なお、輝度の保存は次式から明らかである。
Y’=Y+ΔY
ΔY=0.30ΔR+0.59ΔG+0.11ΔB
=Sratio{(0.30R+0.59G+0.11B)−Y}
=0
すなわち、変換前後で輝度が保存され、彩度を強調しても全体的に明るくなることはな
い。また、入力がグレー(R=G=B)のときには、輝度Y=R=G=Bとなるので、加
減値ΔR=ΔG=ΔB=0となり、無彩色に色が付くこともない。
ここで、彩度強調パラメータSratioは評価値Psatuが小さくなるときに大きくな
ればよく、上述した最低の彩度「S」との関係で
S<92なら
S’=−S×(10/92)+50
92≦S<184なら
S’=−S×(10/46)+60
184≦S<230なら
S’=−S×(10/23)+100
230≦Sなら
S=0
というように彩度強調指数S’を決定し、この彩度指数S’から彩度強調指数Sratio
への変換を、
Sratio=(S+100)/100
として求めればよい。この場合、彩度強調指数S=0のときに彩度強調パラメータSra
tio=1となって彩度強調されない。図22はこの彩度「S」と彩度強調指数S’との関
係を示している。
すなわち、手順5にて特徴抽出する作業は彩度「S」を求める作業が該当するし、手順
6の修整情報作成処理では彩度指数S’を経て彩度強調指数Sratioを求める処理が該当
する。そして、手順7の修整指定処理ではこのような彩度強調指数Sratioを使用しなが
ら各画素の変換前の画像データ(R0,G0,B0)から輝度を求めつつ変換後の画像データ
(R1,G1,B1)を生成させることになる。
最後に、シャープネスについて説明する。画像の特徴量としてのシャープネスについて
は以下に述べるエッジ度で評価する。画像データがドットマトリクス状の画素から構成さ
れるものとすると、画像のエッジ部分では隣接する画素間での画像データの差分は大きく
なる。この差分は輝度勾配であり、これをエッジ度と呼ぶことにする。図23に示すよう
なXY直交座標を考察する場合、画像の変化度合いのベクトルはX軸方向成分とY軸方向
成分とをそれぞれ求めれば演算可能となる。ドットマトリクス状の画素からなるディジタ
ル画像においては、図24に示すように縦軸方向と横軸方向に画素が隣接しており、その
明るさをf(x,y)で表すものとする。この場合、f(x,y)は輝度Y(x,y)で
あってもよいし、RGBの各輝度であるR(x,y),G(x,y),B(x,y)であ
ってもよい。図24に示すものにおいて、X方向の差分値fxとY方向の差分値fyは、
fx=f(x+1,y)−f(x,y)
fy=f(x,y+1)−f(x,y)
のように表される。従って、これらを成分とするベクトルg(x,y)の大きさDdi
fは、
Ddif=|g(x,y)|=(fx**2+fy**2)**(1/2)
のように表される。エッジ度はこのDdifで表される。なお、本来、画素は図25に
示すように縦横に升目状に配置されており、中央の画素に注目すると八つの隣接画素があ
る。従って、同様にそれぞれの隣接する画素との画像データの差分をベクトルで表し、こ
のベクトルの和を画像の変化度合いと判断しても良い。
さらに、単に横並びのがその間でのみ比較するということも演算量の低減という面では
効果がある。
以上のようにして各画素についてエッジ度が求められるとしても、全画素のエッジ度を
求めて平均化するだけでは画像のシャープ度合いは求められない。図26は空を飛ぶ飛行
機の写真を示しており、背景の空については画像の変化度合いが大きくないことは容易に
分かる。このような場合、空の部分をトリミングする状況を想定すると、中央の被写体で
ある飛行機の画像データが変わらないにも関わらず、空の画素が多くなると平均値が下が
って画像はシャープでないことになり、空の画素か少なくなると平均値が上がって画像は
シャープであることになる。このような場合、本来の被写体である飛行機のシャープさに
基づいて画像のシャープさを判断するのが普通であるから、平均化は好適ではないといえ
る。
このため、全画像のエッジ度を平均化するのではなく、画像の中の輪郭部分がどれくら
いシャープであるかを判断すべく、輪郭部分だけのエッジ度を平均化することにする。よ
り具体的には、対象画素を移動させながら手順2にて画像データを集計処理する際に、上
述したようにエッジ度を算出した上であるしきい値Th1と比較することにより、その画
素がエッジ部分であるか否かを判定し、エッジ部分である場合にのみ、同エッジ度Ddi
fを積算する(ΣDdif)とともに、エッジ部分の画素数を積算する(ΣEdge_P
ixel)。
一方、手順5で特徴抽出する際には、手順2にて積算しておいたエッジ度(ΣDdif
)を画素数(ΣEdge_Pixel)で割り、エッジ部分におけるエッジ度の平均値D
dif_aveを算出する。むろん、このエッジ度の平均値Ddif_aveが大きいほ
どシャープな画像ということになる。エッジ度の平均値Ddif_aveが小さければエ
ッジ強調を望むことになるが、本実施形態においては以下のようにする。まず、エッジ強
調度Eenhanceをエッジ度の平均値Ddif_aveから求める。一例として、
Eenhance=4×Ddif_ave/100
といった演算式で構わない。
エッジ強調処理自体は図27に示すようなアンシャープマスクを利用する。
エッジ強調度Eenhanceを求めたら、全画素について図27に示すようなアンシャープ
マスクを利用してエッジ強調処理を実行する。強調前の各画素の輝度Yに対して強調後の
輝度Y’は、
Y’=Y+Eenhance・(Y−Yunsharp)
として演算される。ここで、Yunsharpは各画素の画像データに対してアンシャープマ
スク処理を施したものであり、アンシャープマスクは、中央の「100」の値をマトリク
ス状の画像データにおける処理対象画素Y(x,y)の重み付けとし、その周縁画素に対
して同マスクの升目における数値に対応した重み付けをして積算するのに利用される。図
27に示すアンシャープマスクを利用するのであれば、
Figure 0004586932
なる演算式に基づいて積算する。同式において、「396」とあるは重み付け係数の合
計値である。また、Mijはアンシャープマスクの升目に記載されている重み係数であり
、Y(x,y)は各画素の画像データであり、ijについてはアンシャープマスクにおけ
る横列と縦列の座標値で示している。
アンシャープマスクを利用して演算されるエッジ強調演算の意味するところは次のよう
になる。Yunsharp(x,y)は注目画素に対して周縁画素の重み付けを低くして加算し
たものであるから、いわゆる「なまった(アンシャープ)」画像データとしていることに
なる。このようにしてなまらせたものはいわゆるローパスフィルタをかけたものと同様の
意味あいを持つ。従って、「Y(x,y)−Yunsharp(x,y)」とは本来の全成分か
ら低周波成分を引いたことになってハイパスフィルタをかけたものと同様の意味あいを持
つ。そして、ハイパスフィルタを通過したこの高周波成分に対してエッジ強調度Eenhanc
eを乗算して「Y(x,y)」に加えれば同エッジ強調度Eenhanceに比例して高周波成分
を増したことになり、エッジが強調される結果となる。
なお、エッジの強調度合いは、アンシャープマスクの大きさによっても変化するため、
エッジ強調度Eenhanceをクラス分けするとともに対応するサイズのアンシャープマスク
を用意しておき、対応するサイズのアンシャープマスクを利用するようにしても良い。ま
た、エッジ強調が必要になるのは当然のことながら画像のエッジ部分であるから、上述し
たように隣接する画素同士の間で画像データが大きく異なる場所においてのみ演算するよ
うにしてもよい。このようにすれば、殆どのエッジ部分でない画像データ部分でアンシャ
ープマスクの演算を行う必要がなくなり、処理が激減する。
以上、シャープネスについてまとめると、手順5にて特徴抽出する作業はエッジ度の平
均値Ddif_aveを求める作業が該当するし、手順6の修整情報作成処理ではエッジ
強調度Eenhanceを求める処理が該当する。そして、手順7の修整指定処理ではこのよう
なエッジ強調度Eenhanceを使用しながら各画素の変換前の画像データ(R0,G0,B0)か
ら輝度強調された変換後の画像データ(R1,G1,B1)を生成させることになる。
以上が本実施形態における画像修整制御部40における処理を概略的に説明したもので
ある。ただ、同様の修整処理であっても目標値を変えることによって修整結果が変化する
。従って、スタンダードな自動画像修整処理の他、色を記憶色に近づけて「きれい」な感
じにする自動画像修整処理や、シャープネス強調や彩度強調を強めにしたりする「DPE
」調の自動画像修整処理といったものを選択できるようにしておいても良い。記憶色に合
わせる自動画像修整では、標準値としてユーザーの好みを設定できるようにしておくこと
により、各人が「きれい」と感じるような自動画像修整を行えるようにすることもできる
この画像修整制御部40はいわゆる画像修整エンジンとして利用され、本画像データ管
理ソフトにおいてはかかる画像修整エンジンを使用しつつ図28〜図33のフローチャー
トに従ってメイン制御部60が画像修整処理を総括的に制御している。なお、JPEG方
式データフォーマットは、書き換えを行う都度、画質が劣化していってしまう。これはJ
PEG特有の8×8のブロックを基準とする処理のゆえであるが、このブロックに起因す
る歪みの低減処理を合わせて行っている。より具体的には、平滑化処理のフィルタを適用
しており、ただしエッジ部分については平滑化しない手法である。このようなエッジ保存
平滑化処理を弱めに架けることにより、エッジの箇所は強調される一方、8×8のブロッ
ク歪みやノイズについては平滑化されて滑らかになる。そして、折角、8×8ブロック歪
みの低減をしても、JPEGなど劣化する方式で保存しては再度歪んでしまうし、BMP
(ビットマップ)などの劣化しない方式では記録サイズが増大してしまう。一方、本実施
形態のようにパラメータを管理する方式においては、表示や印刷という出力のときに低減
処理を行うため、ベストな画質での画像表現が可能となっている。
このメイン制御部60によって行われる一連の画像データ管理処理として同時プリント
処理がある。図34はこの同時プリント処理における画面表示を示している。この場合、
メイン制御部60は共通機能部20の表示指定部20bに対して適宜指令を出力してディ
スプレイ17a上に同画面を表示させつつ、キーボード15aやマウス15bの操作入力
を受け付けることになる。
この同時プリント処理画面においては、画面上の左寄り部分が操作表示エリアとなって
おり、ここには一連のデータ処理の流れに沿ってタブが表示されている。この例では「写
真の入力」、「写真の修整」、「プリント指定」、「印刷」というタブが表示され、それ
ぞれの間に下向きの「Δ」マークを表示している。むろん、データ処理は「写真の入力」
処理、「写真の修整」処理、「プリント指定」処理、「印刷」処理という順序を経て、所
望の画像データを綺麗に印刷できるようになる。従来でも、同様の処理を実行することは
当然に可能であったのだが、その場合には自分自身で手続の流れを想定して作業を進めて
いかなければならない。
すなわち、1:ファイルメニューの中から画像データをオープンし、2:ツールメニュ
ーの中から画像修整操作を指定して必要なパレットなどを表示させつつ所望の修整を行っ
た後で保存し、3:ファイルメニューの中の印刷レイアウトで印刷したいフォーマットを
指定し、4:ファイルメニューの中の印刷プレビューで確認し、5:最後にファイルメニ
ューの中の印刷を実行する。むろん、複数の画像データを印刷したい場合には、この処理
の中でファイルメニューの中から印刷対象を決定するという作業が必要になる。
これに対して、デジタルスチルカメラ11bで撮影した写真を印刷しようとするのは通
常の写真撮影の場合と比較するとDPEにて同時プリントを指定することに対応するわけ
であり、一連のデータ処理を同時プリントの作業に対応させて進行させるようにし、アプ
リケーションに精通していなくても一連のデータ処理を実行可能となる。
図34の同時プリント処理画面では「写真の入力」という表示をしているが、実質的に
はフィルムデータ管理部30による画像データ管理を行うことになる。
表示エリアの内の左寄り部分は操作表示エリアとなっているが、残りの表示エリアは主
表示エリアとなり、さらにそのうちの左寄り部分が画像データをグループ化して表示する
ためのグループ表示領域となっており、残りの部分はあるグループが選択された場合にそ
のグループに属する画像データをサムネールで表示するための画像表示領域となっている
このグループ表示領域は上述したようなフォルダ単位に対応したフィルムメタファを表
示するための領域であり、フィルムのパトローネを枠として表示しつつ、その中にフィル
ム名とコメントと日付と収容画像ファイル数を表示している。
むろん、各フィルムメタファのプロパティを表示させれば、フィルム名、リンク先、日
付、コメント、媒体属性、媒体ラベル、フィルム属性、収容画像ファイル数といった全て
の情報を表示することになる。また、グループ表示領域はGUIを使用して適宜表示領域
を増減させることができ、表示領域に表示しきれなくなればスクロール表示を付加したり
、縮小表示するようになる。むろん、表示された複数のフィルムメタファの内のいずれか
一つを選択操作することにより、画像表示領域には選択されたフィルムメタファに対応す
るフォルダ内に保存された画像ファイル30aがサムネール表示されることになる。
本実施形態においては、オペレーティングシステム12aが採用しているフォルダの階
層構造を利用して画像データの管理を行っているため、操作者がコンピュータシステム1
0を直に操作してフォルダ内に画像ファイル30aを収容することも可能であり、この場
合にはフォルダ内の画像ファイル30aの有無と写真データ30bとにずれが生じる場合
があるが、この場合にはフォルダ内の画像ファイル30aの有無を優先して写真データ3
0bを適宜増減させることにする。
この意味でもフィルムメタファに対応するフォルダ内に存在する画像ファイル30aに
基づいて対応する写真データ30bがあるか否かを判断し、写真データ30bがあればそ
のサムネイルデータを使用して表示を行うし、写真データ30bがなければサムネール作
成部20iにてサムネールデータを作成後、表示を行う。写真自体は縦長あるいは横長で
あり、一つのサムネール表示領域は両方を収容可能な正方形であるとともにその枠外には
連番と実際のファイル名を表示している。
なお、同時プリントを選択する場合は、既にデータ管理を行っているものである場合の
みならず、撮影したばかりの画像データを取り込んで印刷にかけるときもあるし、あらか
じめ画像データ自体は一定の記憶領域に取り込んであって新たにデータ管理を開始する場
合とが考えられる。撮影したばかりの画像データを取り込む手法は、例えば、デジタルス
チルカメラ11bからケーブル接続して取り込む場合であるとか、所定の交換可能な記録
媒体を利用する場合であるとかが考えらえる。いずれにおいても、図34に示す画面にお
いて主表示エリアの上部にコマンドボタンとして用意されている「新しいフィルム」を実
行する。すると、図35に示すように「いつもの入力」と「入力方法を選択」という二つ
のコマンドボタンを実行可能となるとともに、併せて「入力の設定」というコマンドボタ
ンを実行可能となる。一般の操作者は単一のデジタルスチルカメラ11bを持っていると
すると画像データの取り込みは一定であると考えられ、あらかじめ「入力の設定」で選択
しておいた画像データの転送手法を実行することになる。むろん、複数のデジタルスチル
カメラ11bを所有している場合であるとか、たまたま別の手法で取り込む必要がある場
合もあるから「入力方法を選択」のコマンドボタンを実行させれば取り込み可能な複数の
手法を表示して選択することになる。なお、これらの場合において外部アプリケーション
を実行させる必要がある場合もあるが、これらは入力の設定にて設定しておくことによっ
て適宜実行される。なお、入力の指定方法などは適宜変更可能であることはいうまでもな
い。
このような状態で、操作者はグループ表示領域に表示されるパトローネ内の表示を見て
グループを判断しつつその画像データを画像表示領域に表示させ、さらに印刷対象とした
い画像データを選択する。この選択操作は画像選択部20aによって受け付けられる。選
択された画像データについてはそのサムネール表示領域の枠部分の色を変えて表示するこ
とにより、選択の有無が容易に判断できる。そして、選択結果は以後の「写真の修整」は
もとより、「プリント指定」を経て「印刷」の処理での出力対象として反映されることに
なる。なお、これらの場合に各処理で参照されるのは物理的配置情報であり、選択対象と
した画像データを仮領域に移動させて実際の処理を行うわけではない。
「写真の入力」において印刷したい画像データを選択したとして、操作表示エリアでの
表示に依れば次の処理が「写真の修整」であることが一目瞭然である。
この「写真の修整」では選択された画像データだけについて画像修整を実行することが
できる。図36は自動画像修整を行う場合の主表示エリアでの表示を示している。同図に
は選択された画像データについて修整前の画像をサムネールで上段に表示し、上述した自
動修整を施した修整後の画像をサムネールで下段に表示している。操作者は両者を見て比
較し、どちらが良いか選択する。むろん、選択は好みの側のサムネールをマウス15bで
クリックすることにより行え、クリックした側については表示指定部20bが枠部分を反
転表示するなどして判別できるようにする。なお、デフォルトは修整前を選択状態として
おき、マウスでクリックした側についてだけ修整後のものを選択状態としても良いし、殆
どの場合は画質を修整されたものについて選択されるであろうとの想定のもとでデフォル
トを修整後のものを選択状態とするようにしても良い。
この場面において、最下部には「実行」のコマンドボタンと、「キャンセル」のコマン
ドボタンが用意されており、「実行」のコマンドボタンをマウスでクリックすると、各画
像データごとに用意されている写真データ30bの修整情報が更新される。図7に示すよ
うに自動画像修整(m_nApf)の管理パラメータが用意されており、修整後の画像デ
ータを選択して「実行」コマンドボタンをクリックしたときには同自動画像修整(m_n
Apf)の管理パラメータにフラグをセットする。すなわち、修整後の画像データを選択
するとしても、この元の画像データに置き換えて修整後の画像データを上書きしてしまう
のではなく、単に管理パラメータのフラグをセットするにすぎない。しかし、以後の処理
においてはこの管理パラメータを参照し、本画像データについては自動修整された画像デ
ータについて処理を実行すべきものと判断できるようになる。むろん、その際には画像デ
ータを読み込み、画像修整制御部40によって自動画像修整しなければならない場合もあ
るが、写真データ30b内のサムネールデータについては修整後の画像データに基づくサ
ムネールデータに更新しておき、表示程度であればこのサムネールデータを表示するだけ
でも良い。なお、画面下には「オリジナルデータに反映させる」というチェックボックス
を用意してあり、このチェックボックスをチェックしておいたときには修整後の画像デー
タで元の画像データを上書きする。
この例では、自動画像修整を選択的に実施するようにしているものの、かかる機能を利
用しない手はなく、特に操作の未熟なものにおいてはかかる機能があっても選択操作を知
りえないという問題もある。従って、写真の入力時にデフォルトで自動画像修整を行って
しまい、写真の修整という処理を表さないようにすることも便利である。
図37は、そのような場合の画面表示の一例を示している。同図に示すものでは、操作
として「写真の入力」の前に「フィルムの選択」という処理を加えるとともに、「写真の
入力」の後は「プリント指定」の処理を実行するようにしている。図34に示すもののよ
うに「写真の入力」の処理で新しいフィルムを選択できるようにしつつ、写真を選択する
ようにしても良いが、図37に示すものでは最初に「フィルムの選択」の画面表示を行う
ことにより、パトローネ単位での写真データの選択であるとか新しいフィルムの選択を先
に実行して分かりやすくしている。また、この画面表示では処理を進めたり戻したりする
ための指示を行うために画面右寄り部分の上段に「前のステップ」と「次のステップ」と
いうコマンドボタンを用意し、「前のステップ」を実行させると処理を戻し、「次のステ
ップ」を実行させると処理を先に進めるようにしている。さらに、画面上段部分には各段
階の処理の簡単な説明を表示できるようにしている。例えば、「フィルム選択」の段階で
は「フィルムを選んで次に進んで下さい。新しいフィルムは『フィルムの追加』で作れま
す」と表示している。
一方、手動画像修整を選択することも可能であり、修整度合いをGUIを利用して指示
することになる。すなわち、GUI表示をマウス15bで操作して手動修整の結果を反映
させる。本実施形態においては、画像処理部20gにおいて明るさとコントラストについ
て段階的な強調処理を実行可能で、その前提のもとに各強調程度を表すパラメータを用意
してあり、選択された修整結果を表すパラメータを明るさ成分の強調度(m_nBrig
htness)の管理パラメータと、コントラストの強調度(m_nContrast)
の管理パラメータとに反映させるようにしている。
手動画像修整は、明るさとコントラストに限られるものではなく、赤成分と緑成分と青
成分とにおいてそれぞれ強調処理を実行可能であり、それぞれの強調程度を表すパラメー
タが赤成分の強調度(m_nRed)の管理パラメータと、緑成分の強調度(m_nGr
een)の管理パラメータと、青成分の強調度(m_Blue)の管理パラメータとにそ
れぞれ反映されるようになっている。
画像修整は広い意味で画像データの表示に反映される各種の処理を含むものであり、広
義の意味で画像のトリミングや回転も含めている。画像データを選択した状態でトリミン
グを実行させると図38に示すように現時点での管理パラメータに基づく画像データを所
定の大きさの枠内に表示する。ここで、マウス15bを操作してトリミング開始位置とト
リミング終了位置を指定し、「実行」コマンドボタンをクリックすると開始位置と終了位
置を対角とする矩形領域以外を取り除いて表示する。むろん、この場合に元の画像データ
の一部を削除するわけではなく、トリミング開始X座標(m_x1)とトリミング開始Y
座標(m_y1)とトリミング終了X座標(m_x2)とトリミング終了Y座標(m_y
2)の管理パラメータに座標値を設定するだけであり、これに基づいてサムネール作成部
20iが新たにサムネールを作成し、写真データ30b内においてのみ更新する。
一方、画面の回転も広い意味で画像修整と呼び、カメラを横にして写した縦型の写真を
表示上でも縦長とする場合に利用する。図39はこのような回転処理の場合の主表示エリ
アの表示画面を示しており、左上部分に元の画像データをサムネール表示するとともに、
その下に90度毎の三つの回転角度と、任意の回転角度を選択するための操作入力ボタン
を用意してある。また、右中央部部分には選択された回転角度だけ回転させたサムネール
を表示できるようになっている。むろん、選択された回転角度は回転角度(m_nRot
ation)の管理パラメータにセットされる。
図40と図41はこれらの画像修整を指定する際のメニュー操作を示している。図40
は自動画像修整を行う場合のメニュー操作例であり、メニューバー上で画像修整をクリッ
クするとドロップダウンメニューが表示され、その中で自動画像修整を選択すると、更に
詳細なオプションが表示される。むろん、このときに「きれい」をクリックすれば自動画
像修整を「きれい」のオプションで起動させることになる。この場合、選択されている画
像データの全てについて図36に示すように表示される。また、図41は手動画像修整を
行う場合のメニュー操作例であり、画像修整をクリックしつつドロップダウンメニューの
手動画像修整を選択すると、「明るさ・コントラスト」についての修整か「色強調」の修
整かを選択可能となる。手動画像修整については自動画像修整を実行しても未だ改善され
ないようなものについて個別的に実行することが多いと考えられ、手動画像修整の対象と
する画像データを選択しておいた上で起動した場合にのみこれらを実行できるようにして
おく。
この他、トリミングであるとか回転であるとか白黒変換やセピア変換についても画像デ
ータを選択しておいた上でこのドロップダウンメニューから画像処理を選択して実行させ
ることになる。なお、白黒変換やセピア調変換は個別に行うものではあっても変換結果は
画一的であり、手動画像修整のように操作者の主観で調整しなければならないものではな
い。従って、実際には白黒変換やセピア調変換については自動画像修整(m_nApf)
の管理パラメータをセットすることにしている。
これまでは、同時プリントの処理を選択したときに画像データに対して各種の修整を行
っていく過程でパラメータがセットされていく状況を説明した。次に、実際にこのような
操作を実現するためのコンピュータシステム10内での処理について説明する。
図28〜図31は各処理をフローチャートにより示している。図28は自動画像修整を
実行する場合の処理を示しており、自動画像修整を実行する画像データを読み込む際、ス
テップS100にて写真データ30bのデータベース構造を参照し、修整情報を読み取る
。この修整情報は、上述した各種のパラメータを意味しており、これらのパラメータによ
って自動画像修整や手動画像修整を実行すべき旨の指定があれば以下の自動画像修整は行
うことなく本処理を終了する。これは自動画像修整を重ねて実行する意味がないことと、
手動画像修整によって好みが反映されている以上はこれを自動的に修整することはできな
いからである。
次に、ステップ110にて画像データを読み込み、ステップ115にて画像の特徴を抽
出し、ステップ120にて特徴情報の保存を行い、ステップ125にて自動修整の修整情
報を作成し、ステップ130にて自動修整の贈処理を実行する。むろん、これらは図9に
て説明したような手順1〜手順6に該当する。一方、トリミング開始X座標(m_x1)
とトリミング開始Y座標(m_y1)とトリミング終了X座標(m_x2)とトリミング
終了Y座標(m_y2)の管理パラメータにトリミングの位置情報が設定されている場合
にはステップ135の判断を経てステップ140にてトリミングする画像処理を実行する
し、回転角度(m_nRotation)の管理パラメータに回転の修整情報が設定され
ている場合にはステップ145の判断を経てステップ150にて画像を回転させる回転の
画像処理を実行することになる。
以上の処理を経ることにより自動画像修整後の画像を得ることができるようになるため
、ステップ155では図36に示すように修整前と修整後のサムネールを表示するととも
に、この自動画像修整処理の結果を採用するか否かの入力を待機することになる。すなわ
ち、自動画像修整後のものの方が望ましければそれを選択状態とし、「実行」コマンドボ
タンをクリックする。この場合、ステップ170では「オリジナルデータに反映」という
チェックボックスにおける選択状況を取り込み、チェックしてあると判断するとステップ
175にて画像データを上書き保存することになる。
オリジナルを書き換える場合には修整情報を参照することは必要なくなり、書き換えな
い場合にのみステップ180にて修整情報を保存する。一方、「標準」の画像自動処理で
は物足りないような場合には、図40に示すように「きれい」だととか「DPE調」など
を選択したときには当該設定に応じた自動画像修整を実行させるべく、予めステップステ
ップ165にて自動画像処理の動作条件値を変更し、ステップ115にて上述した処理を
繰り返す。なお、「キャンセル」のコマンドボタンをクリックされたときには「中止」と
判断して本処理を終了する。
次に、手動画像修整を実行する場合の処理を説明する。図29は手動画像修整の処理を
示しており、手動画像修整を実行されたときには、処理対象となっている画像データを読
み込む前にステップ200にて修整情報を読み込み、続いてステップ205にて同画像デ
ータを読み込む。続いてステップ210にて自動画像修整(m_nApf)の管理パラメ
ータを参照し、同管理パラメータが設定されている場合にはステップ210の判断を経て
ステップ215にて自動画像修整の画像処理を実行する。
この後、ステップ220では、既に設定されている手動画像修整についての管理パラメ
ータを読み込んで指定どおりの画像処理を実行し、その後でトリミングについての処理と
回転についての処理をそれぞれ管理パラメータに基づいてステップ225〜240にて実
行する。
以上の処理を経ることにより既に設定されている手動画像調整後の画像を得ることがで
きるようになるため、ステップ245で上述したようにしてさらに手動調整の操作を実行
すればステップ255にて修整情報を変更し、ステップ220〜240の処理を経て画像
修整を実行する。
また、「実行」のコマンドボタンをクリックされたら「確定」を意味するものと判断し
、「オリジナルデータに反映」のチェックボックスにおける選択状況に応じてステップ2
65にて元の画像データを書き換えたりステップ270にて最終的な修整情報を表す管理
パラメータを書き換えたりすることになる。なお、「キャンセル」のコマンドボタンをク
リックされたときには「中止」と判断して本処理を終了する。
次に、トリミングを実行する場合の処理を説明する。図30はトリミングの処理を示し
ており、処理対象となっている画像データを読み込む前にステップ300にて修整情報を
読み込み、続いてステップ305にて同画像データを読み込む。続いてステップ310に
て自動画像修整(m_nApf)の管理パラメータを参照し、同管理パラメータが設定さ
れている場合にはステップ315にて自動画像修整の画像処理を実行する。また、ステッ
プ320にて既に設定されている手動画像修整についての各種の管理パラメータを参照し
、それぞれ管理パラメータが設定されている場合にはステップ325にて対応する画像処
理を実行する。
この後、ステップ330では既に設定されているトリミングについての管理パラメータ
を参照し、ステップ335にてトリミングの画像処理を実行するし、ステップ340では
既に設定されている回転についての管理パラメータを参照し、ステップ345にて回転の
画像処理を実行する。
以上の処理を経ることにより既に設定されている全ての画像修整後の画像を得ることが
できるようになるため、ステップ355では図38に示す画面表示でトリミングの操作を
受け付け、新たにトリミングの操作が行われた場合にはステップ360にて修整情報を変
更し、ステップ335の処理を経て画像修整を実行する。なお、この場合はステップ34
0にて回転についての管理パラメータを参照するが、回転については重複するか否かを判
断し、重複して実行するわけではない。
この場合も、「実行」のコマンドボタンをクリックされたら「確定」を意味するものと
判断し、「オリジナルデータに反映」のチェックボックスにおける選択状況に応じてステ
ップ365にて元の画像データを書き換えたり、ステップ370にて最終的な修整情報を
表す管理パラメータを書き換えたりすることになる。
なお、「キャンセル」のコマンドボタンをクリックされたときには「中止」と判断して
本処理を終了する。
最後、回転を実行する場合の処理を説明する。図31は回転の処理を示しており、処理
対象となっている画像データを読み込む前にステップ400にて修整情報を読み込み、続
いてステップ405にて同画像データを読み込む。続いてステップ410にて自動画像修
整(m_nApf)の管理パラメータを参照し、同管理パラメータが設定されている場合
にはステップ415にて自動画像修整の画像処理を実行する。また、ステップ420にて
既に設定されている手動画像修整についての各種の管理パラメータを参照し、それぞれ管
理パラメータが設定されている場合にはステップ425にて対応する画像処理を実行する
この後、ステップ430では既に設定されているトリミングについての管理パラメータ
を参照し、ステップ435にてトリミングの画像処理を実行するし、ステップ440では
既に設定されている回転角度(m_nRotation)についての管理パラメータを参
照し、ステップ445にて回転の画像処理を実行する。
以上の処理を経ることにより既に設定されている全ての画像修整後の画像を得ることが
できるようになるため、ステップ455では図39に示す画面表示で回転の操作を受け付
け、新たに回転の操作が行われた場合にはステップ460にて修整情報を変更し、ステッ
プ445の処理を経て画像修整を実行する。
この場合も、「実行」のコマンドボタンをクリックされたら「確定」を意味するものと
判断し、「オリジナルデータに反映」のチェックボックスにおける選択状況に応じてステ
ップ465にて元の画像データを書き換えたり、ステップ470にて最終的な修整情報を
表す回転角度(m_nRotation)の管理パラメータを書き換えたりすることにな
る。なお、「キャンセル」のコマンドボタンをクリックされたときには「中止」と判断し
て本処理を終了する。
このようにして管理パラメータを利用する一つのメリットとして元の画像データに変更
を加える必要が無くなることがあげられ、元の画像データを活かすためには管理パラメー
タを修整する必要が生じてくる。
図40や図41に示すようにファイルメニューの画像修整を選択した際に表示されるド
ロップダウンメニューには、最下段に画像修整取消のコマンドが用意されており、同コマ
ンドを選択して実行させると図32のフローチャートに従って処理が実行される。
この場合も画像データを選択した状態で画像修整取消を実行させるものとし、ステップ
500において当該画像データについての写真データ30bの修整情報を読み込み、ステ
ップ505において図42に示す操作メニューを主表示エリアに表示して操作入力を待機
する。この操作メニューでは取消対象として「自動画像修整」、「手動画像調整」、「回
転」、「トリミング」、「白黒」、「セピア調」といった取消対象の項目とともにそれぞ
れの項目の前にチェックボックスを表示している。ここで、操作者は取り消したい画像修
整項目の前のチェックボックスをマウス15bでクリックすることによりチェックマーク
がトグル表示されるとともに、内部的にはそれぞれのチェックマークの有無をフラグで表
して記憶する。また、下段には「実行」コマンドボタンと「キャンセル」コマンドボタン
とを用意してあり、操作者は必要なチェックボックスをチェックしたら「実行」のコマン
ドボタンをクリックする。
すると、ステップ510以下において各チェックボックスにチェックマークが付されて
いるか否かを判断しながら対応する修整情報を削除していく。むろん、ここでいう修整情
報の削除とは管理パラメータの修整に他ならず、元の画像データを加工するようなことは
一切不要である。具体的に説明していくと、ステップ510では「自動画像修整」の項目
にチェックマークが付されているか否かを判断し、付されていればステップ515にて「
自動画像修整」の修整情報を削除する。次に、ステップ520では「白黒」の項目にチェ
ックマークが付されているか否かを判断し、付されていればステップ525にて「白黒」
の修整情報を削除する。次に、ステップ530では「セピア調」の項目にチェックマーク
が付されているか否かを判断し、付されていればステップ535にて「セピア調」の修整
情報を削除する。次に、ステップ540では「手動画像調整」の項目にチェックマークが
付されているか否かを判断し、付されていればステップ545にて「手動画像調整」の修
整情報を削除する。手動画像調整には明度やコントラストや色強調といったものが含まれ
、この例では全部を取り消すようにしているが、それらを個別に取り消せるようにしても
良い。
次に、ステップ550では「トリミング」の項目にチェックマークが付されているか否
かを判断し、付されていればステップ555にて「トリミング」の修整情報を削除する。
次に、ステップ560では「回転」の項目にチェックマークが付されているか否かを判断
し、付されていればステップ565にて「回転」の修整情報を削除する。
以上の結果を経ていくつかの修整情報が削除された状態でステップ570ではその修整
情報を保存する。ここでいう保存作業は、写真データ30bの更新を意味し、図5に示す
写真データ30bのデータベース構造にアクセスして最新の修整情報に更新する。なお、
図42に示す操作メニューで「キャンセル」のコマンドボタンをクリックすると、内部的
には全てのチェックマークを削除して以上の処理を実行するため、結局は何も修整情報を
削除することなく本処理を終了することになる。なお、この例では一旦、作成した修整情
報を削除することによって元に戻す手法を採用しているが、修整情報自体に日時の情報を
付加することにより一つの画像データについて時系列に対応した複数の修整情報を管理す
るようにしてもよい。このようにすれば、単に修整情報を削除することによって元に戻す
だけでなく、任意の段階の修整情報まで遡って修整情報を削除することも可能であり、途
中の段階での良好だった修整結果を復元するといったことも可能となる。
これまで、各画像データに対応して用意されている管理パラメータを設定し、あるいは
取り消す作業について説明したが、この管理パラメータを利用しつつ、実際に修整された
画像データを利用できるようにする処理について図33のフローチャートを参照しながら
説明する。
修整された画像データを利用する場面は、表示指定部20bによる指示に従ってサムネ
ール作成部20iがサムネールを更新して画面表示する場合であるとか、画像出力部20
kによって画像データのデータフォーマットの形式を変換して出力する場合であるとか、
後述するようにDPE印刷制御部50によって印刷を実行する場合にその元の印刷データ
を作成する場合などである。従って、それぞれの場合において微細な処理の相違はあるも
のの、概ね図33のフローチャートと一致している。
ステップ600で対象となる画像データの修整情報を読み込むとともに、ステップ60
5で画像データを読み込み、以下の処理において修整情報に従いながら同画像データに基
づいて画像修整を行っていき、この画像データを書き換えることなく新たな画像データを
作成していく。ステップ610では自動画像修整の修整情報があるか判断し、ある場合に
はステップ615にて自動画像修整を行う。この場合、自動画像修整(m_nApf)の
管理パラメータには単に自動画像修整を行うという情報だけではなく、「標準」、「きれ
い」、「DPE調」といったどの自動画像修整を行うのかを判断して処理を進める。また
、白黒やセピア調への変換は修整結果が1通りにしか過ぎないことからこの自動画像修整
の管理パラメータで表せるようにしており、同時あるいは択一的に実施する。
続いてステップ620では手動調整の修整情報があるか否かを判断し、あればステップ
625にて手動調整の画像処理を実行する。手動調整の修整情報は上述したように、明る
さ成分の強調度(m_nBrightness)と、コントラストの強調度(m_nCo
ntrast)と、赤成分の強調度(m_nRed)と、緑成分の強調度(m_nGre
en)と、青成分の強調度(m_Blue)とから構成されており、いずれか一つでも修
整情報があれば対応する画像処理を実行するし、明るさとコントラストについての修整情
報と、色強調の修整情報とがある場合には、前者についての修整を行った上で後者の修整
を行うことにする。むろん、かかる修整順序を反映した結果が得られる場合には一度の修
整で実行することも可能である。
この後、ステップ630ではトリミングの修整情報があるか判断し、ある場合にはステ
ップ635にてトリミングの画像処理を実行する。トリミングの画像処理では、トリミン
グ開始X座標(m_x1)とトリミング開始Y座標(m_y1)とトリミング終了X座標
(m_x2)とトリミング終了Y座標(m_y2)に囲まれるエリアを残して周囲の画像
データを削除することになる。
また、ステップ640では回転の修整情報があるか判断し、ある場合にはステップ64
5にて回転の画像処理を実行する。回転の画像処理では、回転角度(m_nRotati
on)の管理パラメータに基づいて回転角度を参照し、画像データを回転させる処理を実
行することになる。
以上の画像処理は最初に元画像データをワークエリアに保存し直した上、そのワークエ
リア状の画像データに変更を加えていく。従って、元画像データには変更は加えられない

以上は、操作者の選択操作に応じて実行されたりされなかったりするオプション的な画
像処理であるが、ステップ650とステップ655ではハードウェア環境の相違に基づい
て必須の画像処理を実行している。ステップ650では出力機器に応じた色再現の画像処
理を実行する。カラー出力の再現機器では基準とのずれがあるのは否めない。すなわち、
同じ画像データを入力しながら出力結果が相違することは多々ある。また、このずれを画
一化して画像データと出力結果とが必ず標準状態と一致することは単純に費用対コストの
面でも無理な話であり、それよりはずれを見越して修整するための色合わせ情報を利用す
るのが得策である。
上述した画像データの場合であれば、撮影した側での色ずれ情報と出力する側での色ず
れ情報があれば出力結果において大きな色ずれは発生しないと言える。
本実施形態においては、前者の色ずれ情報を色合わせ情報として写真データ30bのデ
ータベース構造内で管理するとともに、本コンピュータシステム10とカラープリンタ1
7bとにおいて生じる色ずれ情報として設定情報内で管理し、ステップ650において両
者の色ずれ情報に基づいてワークエリア上の画像データを修整する。
また、ステップ655では出力機器に応じた解像度の画像処理を実行するものであり、
画像データの解像度に対して出力する際の解像度とを対比して対応する解像度変換を行う
。例えば、カラーディスプレイ17aでの表示が70dpiであってその大きさ通りに印
刷しようとする場合、カラープリンタ17bの解像度が720dpiであるとすると、縦
横方向に10倍の解像度変換が必要になる。
図34に示す同時プリントの処理の説明に戻ると、写真の修整の次に行われるのは「プ
リント指定」の処理である。既に、「写真の入力」と「写真の修整」を経ており、印刷し
たい画像データの選択と、それに施すべき画像処理が選択されている。この「プリント指
定」では選択されている画像データをどのようなフォーマットで印刷するかを指定する。
図43は「プリント指定」での主表示エリアでの表示を示しており、上段部分には横方
向にスクロール可能な表示エリアを配してレイアウトのパターンを表示可能となっている
。同図においては、「4枚ずつのレイアウト」、「アルバム印刷」、「シール印刷」のレ
イアウトが表示されている。むろん、これ以外にもレイアウトのパターンを実装すること
は可能である。また、オプションとして、切断する際の位置の目安となるトンボを印刷し
たり、日付を印刷したり、タイトルを印刷させるのを選択できるようにチェックボックス
を設けている。さらに、用紙については「A4」、「B5」、「シール」などに対応して
おり、これらについてはいずれかだけを排他的に選択できるラジオボタンを設けてある。
印刷する際には、カラープリンタ17bの機種に応じて印刷データを生成させる必要が
あるから、下段左方にはプリンタ装置の選択表示エリアを設けてある。
ここでプリンタ装置を選択することにより、それぞれに対応した設定情報が読み出され
、上述した色ずれを修整したり、出力解像度を一致させることになる。
レイアウトの中には「アルバム印刷」のレイアウトが用意されており、「アルバム詳細
」のコマンドボタンをクリックすると主表示エリアには図44に示す操作画面が表示され
る。この表示画面においても上段部分には横方向にスクロール可能な表示エリアを配して
アルバムのパターンを表示可能となっており、この例ではA4用紙を横二列縦四段に配し
て市松様に画像を印刷するものと、左側半分に縦四段に配して画像を印刷するものと、上
下に二段に分けて画像を印刷するものとを示している。また、アルバム印刷用のオプショ
ンとして、コメントを印刷したり、日付を印刷したり、ページタイトルを印刷させるのを
選択できるようにチェックボックスを設けてあるとともに、アルバム印刷においては日を
おいて順次印刷していくことから通しのページ番号を印刷できるようにページ番号の指定
覧も設けてある。なお、このページ番号は前回のアルバム印刷の後続ページ番号を自動的
にセットするようにしても良い。そして、この表示通りで良ければ「OK」のコマンドボ
タンをクリックすればよいし、気に入らなければ「キャンセル」のコマンドボタンをクリ
ックすればよい。
図34に示す同時プリントの最後の処理は「印刷」であるが、この主表示エリアには図
45に示すように現在指定されているプリンタ装置の機種と、印刷する用紙のサイズと、
必要な枚数を含めて確認用のメッセージを表示し、さらに印刷を開始させるための「実行
」のコマンドボタンと、「キャンセル」のコマンドボタンを用意してある。むろん、この
状態で「実行」のコマンドボタンをクリックすれば印刷が開始される。カラープリンタ1
7bによっては印刷に時間を要することが少なくないため、予め指定しておくべき操作を
全て完了した上でこの「実行」ボタンをクリックすれば風呂上がりには印刷を全て完了さ
せておくということが容易になる。
ところで、図46はこのような「プリント指定」と「印刷」の処理を実行するDPE印
刷制御部50の具体的構成を示している。印刷画像指定部50aは上述したようにして選
択された画像データの指定を受け継ぐものであり、フレーム指定部50bとレイアウト指
定部50cとによって「プリント指定」の処理を実行し、プリント指定部50dによる制
御の下で印刷スタイル作成部50eと印刷画像処理部50fとで実際の印刷データを生成
する。一般に画像データはRGBの多階調表示で表されている反面、印刷はCMYKの二
階調表示が多い。このため、印刷画像処理部50fは上述した指定に応じた画像処理を実
行させた上でRGB→CMYKの色空間の変更ととともに多階調→二階調の階調変換処理
も併せて実行する。
なお、一つの画像データに対して複数の修整情報を時系列的に保存するようにする場合
、修整の削除を行う際には履歴を表示し、一つ一つ遡って削除するようにしていけばよい
。むろん、事例列的な修整データがある場合には最古のものから順番に画像処理を施して
いって利用したい画像データを再現することになる。
また、修整を追加したい場合には新たに修整情報を生成し、以前の修整情報を残したま
ま保存する。
このように、画像データをフィルムメタファとして管理されるフォルダに収容しつつ、
各画像データに対応した写真データ30bのデータベースを用意しておき、所望の画像デ
ータについて所望の画像処理を選択すると、この選択した画像処理を上記データベース構
造における修整情報として更新するようにし、実際に表示したり出力したり印刷する必要
が生じたときには元の画像データを残したままワークエリア上でのみ修整情報を参照して
各種の画像処理を実行するようにしたため、オリジナルとしての画像データを残したまま
容易に画像修整などを楽しむことが可能となる。
10…コンピュータシステム、11a…スキャナ、11b…デジタルスチルカメラ、1
1c…ビデオカメラ、12…コンピュータ本体、12a…オペレーティングシステム、1
2b…ディスプレイドライバ、12c…プリンタドライバ、12d…アプリケーション、
13a…フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、13b…ハードディスク、13c…
CD−ROMドライブ、14a…モデム、15a…キーボード、15b…マウス、17a
…ディスプレイ、17b…カラープリンタ、18a…スピーカ、18b…マイク、20…
共通機能部、20a…画像選択部、20b…表示指定部、20c…ファイル編集部、20
d…検索部、20e…一括コメント部、20f…一括整理部、20g…画像処理部、20
h…画像編集部、20i…サムネール作成部、20j…画像入力部、20k…画像出力部
、20m…画像表示部、30…フィルムデータ管理部、30a…画像ファイル、30b…
写真データ、30c…フィルムデータ、40…画像修整制御部、40a…画像特徴抽出部
、40b…修整情報作成部、40c…修整指定部、50…DPE印刷制御部、50a…印
刷画像指定部、50b…フレーム指定部、50c…レイアウト指定部、50d…プリント
指定部、50e…印刷スタイル作成部、50f…印刷画像処理部、60…メイン制御部、
60a…環境設定部、60b…設定情報ファイル。

Claims (5)

  1. 画像データのそれぞれに対応するサムネイル画像と、前記画像データのそれぞれに実施する所定の画像処理の内容を表すパラメータと、前記画像データの格納場所を表す位置情報とを、前記画像データに関連付けられた写真データ情報として記憶領域に保存する保存手段と、
    ユーザが任意に指定した複数の前記画像データを一つのグループとして管理するために、前記画像データを格納するフォルダと、前記グループとを対応付けたリンク先の情報を備え、前記グループの名前を表示する管理表示手段と、
    前記グループの指定を受け付けた場合に、前記リンク先の情報に基づいて前記グループに対応するフォルダを特定し、該フォルダに格納された複数の前記画像データに基づいて、複数の前記画像データのそれぞれに対応する前記写真データ情報を特定し、特定した前記写真データ情報に対応する前記サムネイル画像を取得して表示する手段と、
    表示された前記サムネイル画像を選択することにより出力対象となる画像データの指定を受け付けし、前記位置情報に基づいて、前記サムネイル画像に対応する前記画像データを取得して前記格納場所とは異なる前記記憶領域のワークエリアに保存し、該ワークエリアに保存した画像データに前記パラメータで表される画像処理を施す画像処理段と、
    を備えることを特徴とする画像データ管理装置。
  2. 前記フォルダに、他のフォルダから任意の画像データを移動する移動手段をさらに備え、
    前記移動手段により前記画像が移動した場合に、前記フォルダに記憶されている前記画像データの有無に合わせて前記写真データの内容を更新することを特徴とする請求項1に記載の画像データ管理装置。
  3. 前記管理表示手段は、前記グループに対応する前記フォルダが記憶されている記憶領域が交換可能な媒体である否かを示すマークを表示することを特徴とする請求項1に記載の画像データ管理装置。
  4. 画像データのそれぞれに対応するサムネイル画像と、前記画像データのそれぞれに実施する所定の画像処理の内容を表すパラメータと、前記画像データの格納場所を表す位置情報とを、前記画像データに関連付けられた写真データ情報として記憶領域に保存する工程Aと、
    ユーザが任意に指定した複数の前記画像データを一つのグループとして管理するために、前記画像データを格納するフォルダと、前記グループとを対応付けたリンク先の情報を備え、前記グループの名前を表示手段に表示する工程Bと、
    前記グループの指定を受け付けた場合に、前記リンク先の情報に基づいて前記グループに対応するフォルダを特定し、該フォルダに格納された複数の前記画像データに基づいて、複数の前記画像データのそれぞれに対応する前記写真データ情報を特定し、特定した前記写真データ情報に対応する前記サムネイル画像を取得して前記表示手段に表示する工程Cと、
    表示された前記サムネイル画像を選択することにより出力対象となる画像データの指定を受け付けし、前記位置情報に基づいて、前記サムネイル画像に対応する前記画像データを取得して前記格納場所とは異なる前記記憶領域のワークエリアに保存し、該ワークエリアに保存した画像データに前記パラメータで表される画像処理を施す程Dと、
    を備えることを特徴とする画像データ管理方法。
  5. 画像データのそれぞれに対応するサムネイル画像と、前記画像データのそれぞれに実施する所定の画像処理の内容を表すパラメータと、前記画像データの格納場所を表す位置情報とを、前記画像データに関連付けられた写真データ情報として記憶領域に保存する保存手段と、
    ユーザが任意に指定した複数の前記画像データを一つのグループとして管理するために、前記画像データを格納するフォルダと、前記グループとを対応付けたリンク先の情報を備え、前記グループの名前を表示する管理表示手段と、
    前記グループの指定を受け付けた場合に、前記リンク先の情報に基づいて前記グループに対応するフォルダを特定し、該フォルダに格納された複数の前記画像データに基づいて、複数の前記画像データのそれぞれに対応する前記写真データ情報を特定し、特定した前記写真データ情報に対応する前記サムネイル画像を取得して表示する手段と、
    表示された前記サムネイル画像を選択することにより出力対象となる画像データの指定を受け付けし、前記位置情報に基づいて、前記サムネイル画像に対応する前記画像データを取得して前記格納場所とは異なる前記記憶領域のワークエリアに保存し、該ワークエリアに保存した画像データに前記パラメータで表される画像処理を施す画像処理段と、
    をコンピュータに実現させるための画像データ管理プログラム。
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