JP4586155B2 - 汚染土壌または汚染地下水の浄化方法 - Google Patents

汚染土壌または汚染地下水の浄化方法 Download PDF

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Description

本発明は、汚染土壌または汚染地下水の浄化方法に関し、特に、シアンや金属シアン化合物などのシアン化合物を含有する汚染土壌または汚染地下水の浄化方法に関する。
化学薬品工場などの跡地では、シアンやシアン化合物により土壌や地下水が汚染されている場合があり、このような跡地を再利用する際に土壌や地下水を浄化することが必要になる場合がある。従来、このようなシアンやシアン化合物により汚染された土壌を浄化するために、シアンを含有する土壌に活性炭を添加することにより、活性炭にシアンを吸着させて土壌中のシアンを固定化することが行われていた。また、シアン化合物を含有する廃棄物に鉄化合物を添加し、鉄シアノ錯塩を難溶性塩として沈殿させて除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平1−224091号公報(第3頁)
しかし、腐植質が多く含まれている土壌がシアンやシアン化合物により汚染されている場合には、土壌に活性炭を添加してシアンやシアン化合物を吸着させる方法では、十分な効果を得ることができない場合がある。すなわち、活性炭は、吸着性に優れているものの、シアンやシアン化合物だけを選択的に吸着することができず、腐植質などの他の物質も吸着してしまうため、土壌中のシアンやシアン化合物の濃度が所望の濃度以下になるまで吸着させるためには、多量の活性炭を添加する必要があり、コストが増大し、設備が大掛かりになる。
また、特許文献1の方法は、鉄シアノ錯塩を土壌から分離する必要があり、現地外処理(汚染土壌を掘削して場外において行う処理)に適した方法であるが、現地処理に適した方法ではなく、また、シアンやシアン化合物により汚染された地下水を浄化することができないという問題がある。また、腐植質が多く含まれている土壌や地下水がシアンやシアン化合物により汚染されている場合や、土壌や地下水にシアンやシアン化合物の他に油分や揮発性有機化合物などの複数の汚染物質が混在している場合に、汚染土壌や汚染地下水を現地処理により効率的且つ簡便に浄化することができないという問題もある。特に、土壌や地下水からのシアンやシアン化合物の溶出量が僅かであっても問題となる場合が多いので、シアンやシアン化合物の溶出をできるだけ抑制する必要がある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、腐植質が多く含まれている土壌や地下水がシアンやシアン化合物により汚染されている場合や、土壌や地下水にシアンやシアン化合物の他に油分や揮発性有機化合物などの複数の汚染物質が混在している場合に、汚染土壌や汚染地下水を現地処理により効率的且つ簡便に浄化することができる、汚染土壌または汚染地下水の浄化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、腐植質が多く含まれている土壌や地下水がシアンやシアン化合物により汚染されている場合や、土壌や地下水にシアンやシアン化合物の他に油分や揮発性有機化合物などの複数の汚染物質が混在している場合に、土壌や地下水に鉄粉または銅含有鉄粉を添加することにより、土壌や地下水中の他の物質により影響されずにシアンやシアン化合物を選択的に固定化することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による汚染土壌または汚染地下水の浄化方法は、腐植質および揮発性有機化合物の少なくとも一方とシアンを含有する土壌または地下水に鉄粉を混合してシアンを固定化することを特徴とする。この汚染土壌または汚染地下水の浄化方法において、鉄粉が銅含有鉄粉であるのが好ましい。また、土壌が0.5重量%以上のフミン酸を含有し、地下水が5g/L以上のフミン酸を含有するのが好ましい。
また、本発明による汚染土壌または汚染地下水の浄化方法は、油分とシアンを含有する土壌または地下水に銅含有鉄粉を混合してシアンを固定化することを特徴とする。この汚染土壌または汚染地下水の浄化方法において、土壌中のシアンの濃度が1〜40ppm且つ油分の濃度が0.5〜10重量%であり、地下水中の前記シアンの濃度が10〜1000mg/L且つ油分の濃度が500〜10000mg/Lであるのが好ましい。
本発明によれば、腐植質が多く含まれている土壌や地下水がシアンやシアン化合物により汚染されている場合や、土壌や地下水にシアンやシアン化合物の他に油分や揮発性有機化合物などの複数の汚染物質が混在している場合に、汚染土壌や地下水を現地処理により効率的且つ簡便に浄化することができる。
本発明による汚染土壌または汚染地下水の浄化方法の実施の形態では、腐植質、揮発性有機化合物および油分の少なくとも1種とシアンを含有する土壌または地下水に鉄粉または銅含有鉄粉を混合してシアンを固定化する。
本発明による汚染土壌または汚染地下水の浄化方法の実施の形態は、腐植質を多く含む土壌や地下水がシアンやシアン化合物により汚染されている場合に適用することができる。腐植質とは、土壌または石炭質中の褐色ないし黒色の無定形有機質であり、動植物体の有機質が地中において緩徐に分解して炭化されて生成すると考えられ、フミン酸(腐植酸)とともに土壌中の有機質および石炭質の大部分を形成している。フミン酸とは、土壌または低石炭化度の石炭質中に存するアルカリに可溶で酸に不溶の褐色ないし黒色の無定形酸性有機質である。
また、本発明による汚染土壌または汚染地下水の浄化方法は、土壌や地下水にシアンやシアン化合物の他に油分や揮発性有機化合物(VOC)などの複数の汚染物質が混在している場合にも適用することができる。油分としては、軽油、灯油、機械油などがあり、特に、鉱物油系の難水溶性の油分を含む汚染土壌や汚染地下水に適用する場合に効果がある。揮発性有機化合物としては、トリクロロエチレン(TCE)やジクロロエチレン(DCE)などの有機ハロゲン化合物が挙げられる。
また、汚染土壌または汚染地下水のpH3以下では、鉄粉の表面状態が不安定になるため、pHが3〜8の場合に特に有効である。
本発明による汚染土壌または汚染地下水の浄化方法の実施の形態を適用可能な土壌には、砂土、砂壌土、壌土、植土壌土および腐土のいずれも含まれるが、粘土質があまりに多いと反応が遅くなる場合があるので、砂土、砂壌土、壌土および植土壌土に適用するのが好ましい。また、3%以上の水分が含まれているのが好ましい。水分が少ないと土壌中に混合した鉄粉または銅含有鉄粉が土壌に付着し難く、土壌に付着したシアンとの反応が進み難いためである。
また、本発明による汚染土壌または汚染地下水の浄化方法の実施の形態は、5重量%以上のフミン酸を含む土壌に適用した場合に、鉄粉や銅含有鉄粉によって汚染土壌または汚染地下水中のシアンやシアン化合物を選択的に固定化するのに好ましく、50重量%以上のフミン酸を含む土壌に適用する場合に、その効果を顕著に得ることができる。
シアン(CN)には、遊離シアンが含まれ、シアン化合物には、ニッケル、鉛、金などの金属イオンと結合した金属シアン化合物またはその錯体が含まれる。他のシアンの形態としては、めっき産業における金、銀、銅、ニッケル、クロムなどと結合したシアン化合物の錯体や、土壌中で鉄イオンと接触して生成される鉄シアノ錯体(フェロシアンまたはフェリシアン)などが挙げられる。シアンやシアン化合物は、土壌中で土粒子に付着している場合が多い。また、土壌に含まれるシアンの濃度が比較的低濃度の場合には、シアンを選択的に固定化しなくとも、活性炭を使用して、その添加量を増加すれば実質的に対応することができるが、シアンの濃度が高濃度になると、活性炭の添加量が非常に多くなる。本発明による汚染土壌または汚染地下水の浄化方法の実施の形態では、シアンを選択的に固定化することができるので、高濃度のシアンを含む場合でも、土壌に添加する鉄粉または銅含有鉄粉の増加量を少なくすることができ、溶出シアン濃度が150mg/L以上の高濃度の場合に特に有効である。
本発明による汚染土壌または汚染地下水の浄化方法の実施の形態に使用する鉄粉は、主成分として90重量%以上の鉄を含み、銅や炭素などを含んでもよい。このような鉄粉は、鉄鉱石から還元して破砕することにより製造され、還元鉄粉として市販されている。この鉄粉は、表面積が大きい鉄粉であるのが好ましく、BET法により測定された比表面積が500cm/g以上の鉄粉であるのが好ましい。また、土壌や地下水中で元の性状を維持するために、粒径が細かい方が好ましく、マイクロトラックにより測定した平均粒径D50が200μm以下であるのが好ましい。細かい鉄粉は、土壌中の水分とともに土壌粒子に付着し易く、土壌粒子に付着しているシアンまたはシアン化合物との接触や反応が促進されると考えられる。鉄粉の粒径が細か過ぎると、ハンドリングが難しくなるため、平均粒径D50が1μm以上であるのが好ましく、平均粒径D50が1〜100μmであるのが好ましい。
本発明による汚染土壌または汚染地下水の浄化方法の実施の形態に使用する銅含有鉄粉は、鉄粉を硫酸銅溶液に入れて鉄粉の表面に銅を存在させることにより製造することができる。例えば、鉄粉を入れた容器に0.1〜10重量%程度の硫酸銅を添加して混合し、乾燥することによって、銅含有鉄粉を製造することができる。なお、鉄粉の表面全体に銅が被覆されると鉄の反応性が阻害されるので、鉄粉の表面がある程度露出するように銅が付着するのが好ましく、なるべく不均一に銅が付着するのが好ましい。このような銅含有鉄粉を製造するためには、鉄粉に対して0.1〜20重量%程度の銅を含むのが好ましく、0.1〜5重量%の銅を含むのがさらに好ましく、1〜5重量%の銅を含むのが最も好ましい。銅含有鉄粉に含まれる銅は、必ずしも純銅である必要はなく、主成分として80重量%以上の銅を含めばよい。但し、2次汚染を防止するために、鉛、砒素、カドミニウムなどが溶出しない銅含有鉄粉を使用するのが好ましい。また、銅含有鉄粉の代わりに、銅粉の表面に鉄が付着した粉体を使用してもよく、銅や鉄の他、ニッケル、コバルト、アルミニウムなどの2種類の金属の組み合わせからなる粉体を使用してもよい。
なお、土壌または地下水中の揮発性有機化合物(VOC)は、鉄粉や銅含有鉄粉の表面近傍においてVOCの結合元素である塩素が水素と置換する脱塩素および水素結合によって分解すると考えられる。一方、シアンも鉄粉や銅含有鉄粉の表面近傍において反応し、鉄と結合して化合物を生成し、固定化されると考えられる。したがって、VOCとシアンを含む汚染土壌または汚染地下水中では、鉄粉や銅含有鉄粉の表面近傍において上記の反応が生じると考えられるが、固定化されたシアン化合物によってVOCが分解されるか否かが不明であることから、シアンの固定化によって生成された鉄粉や銅含有鉄粉の表面のシアン化合物がVOCの分解を阻害する可能性があると考えられ、シアンを固定化した鉄粉や銅含有鉄粉がVOCを分解できるとは考えられていなかった。本発明による汚染土壌または汚染地下水の浄化方法の実施の形態によれば、このような状態でもシアンの固定化およびVOCの分解が可能であることがわかった。
シアンやシアン化合物により汚染された土壌の汚染領域の位置や範囲の観測は、井戸を掘ってサンプリングしたり、地表において種々の計測を行うことによる。地表近傍に汚染領域がある場合には、重機によって土壌を掘削して鉄粉または銅含有鉄粉を土壌に混合すればよい。汚染領域が地下深部にある場合には、アースオーガなどの掘削機によって土壌を掘削して鉄粉または銅含有鉄粉を土壌に混合すればよい。アースオーガを用いると、掘削や鉄粉または銅含有鉄粉の混合を原位置で行うことができ、より効率的に土壌の浄化を行うことができる。また、必ずしも汚染された領域の全ての領域に鉄粉または銅含有鉄粉を混合する必要はない。混合された土壌の周辺の一定範囲では、鉄粉または銅含有鉄粉を混合しない隣接領域にも土壌の浄化の効果が波及する場合があるためである。なお、土壌に対して0.1〜10重量%の鉄粉または銅含有鉄粉を添加して混合すれば、土壌を浄化することができる。また、鉄粉または銅含有鉄粉を単独で使用してもよいが、これらを混合して使用してもよい。
シアンまたはシアン化合物を含む地下水を浄化する場合には、地下水を鉄粉または銅含有鉄粉に接触させればよく、例えば、地下水を一旦地上まで揚水して鉄粉または銅含有鉄粉を混合してもよいし、地下水の流路に鉄粉または銅含有鉄粉を含む土壌体(壁)を形成して地下水を通水させることにより、地下水と鉄粉または銅含有鉄粉を接触させてもよい。地下水に対して0.1〜10重量%の鉄粉または銅含有鉄粉を混合すれば、地下水を浄化することができる。この場合、地下水の量は浄化したい領域内の地下水量に応じて決定されるが、鉄粉または銅含有鉄粉を投入するときに、浄化状況を確認する計測値に応じて鉄粉または銅含有鉄粉の投入量を設定すればよい。
土壌と地下水の両方がシアンまたはシアン化合物に汚染された場合にも、鉄粉または銅含有鉄粉を用いて浄化することができる。この場合、アースオーガを用いて汚染土壌中に鉄粉または銅含有鉄粉を混合し、さらにその深部に位置する地下水まで到達するように掘削し、砂などに混合した鉄粉または銅含有鉄粉の土壌体を形成すれば、汚染地下水も浄化することができる。
なお、土壌または地下水中のフミン酸の含有量は、土壌または地下水に0.1Mの苛性ソーダを添加し、振とう後、遠心分離により残渣(1)を回収し、この残渣(1)以外の上澄み液を濾過し、その濾液にpH2〜10程度になるように塩酸を添加し、遠心分離し、沈殿物を乾燥し、残渣(2)を得た後、残渣(1)と残渣(2)の質量の和から求めることができる。
以下、本発明による汚染土壌または汚染地下水の浄化方法の実施例について詳細に説明する。なお、腐植質はフミン酸とともに土壌中の有機質および石炭質を形成するので、以下の実施例1〜6および比較例1〜3では、腐植質を多く含む汚染土壌または汚染地下水の代わりに、フミン酸を添加した疑似汚染土壌または疑似汚染水を使用した。
[実施例1]
ビーカーに工業用水100mLを入れ、フミン酸0.5gを添加し、30分間攪拌して混合した後、シアン水溶液1mLを添加し、攪拌して疑似汚染水を作製した。この疑似汚染水の溶出シアン濃度は18.2mg/Lであった。次いで、この疑似汚染水に鉄粉(同和鉱業(株)製のE200(平均粒径80μm、比表面積2.0m/gであり、92重量%の鉄と0.01重量%以下の銅と残部として不純物を含む鉄粉))10gを添加し、30分間攪拌して混合した。攪拌後に液をサンプリングして溶出シアンの定量分析を行ったところ、溶出シアン濃度は0.42mg/Lであり、溶出シアン固定化率は97.7%であった。
また、フミン酸の添加量を5gおよび50gにしてそれぞれ同様の実験を行ったところ、フミン酸の添加量が5gの場合には、溶出シアン濃度が0.32mg/L、溶出シアン固定化率が98.2%であり、フミン酸の添加量が50gの場合には、溶出シアン濃度が0.107mg/L、溶出シアン固定化率が99.4%であった。なお、溶出シアン固定化率は、処理前のシアン量から処理後のシアン量を減じた値を処理前のシアン濃度で除して百分率で表すことにより算出した。
[実施例2]
実施例1と同様の鉄粉200gを投入した容器に、硫酸銅の濃度100g/Lの硫酸銅溶液20mLを容器に添加し、攪拌し、水で洗浄し、乾燥することにより、1重量%の銅を含有する銅含有鉄粉を得た。得られた銅含有鉄粉は、平均粒径80μm、比表面積2.1m/gであり、顕微鏡で観察したところ、表面に銅が点在していた。
また、実施例1と同様にそれぞれフミン酸0.5g、5gおよび50gを添加した疑似汚染水を作製し、これらの疑似汚染水のそれぞれに上記の銅含有鉄粉10gを添加し、30分間攪拌して混合した。攪拌後に液をサンプリングして溶出シアンの定量分析を行ったところ、フミン酸の濃度にかかわらず、いずれも溶出シアン濃度が検出限界以下(ND)、溶出シアン固定化率が100%であった。
[比較例1]
鉄粉の代わりに活性炭10gを用いた以外は実施例1と同様の実験を行ったところ、フミン酸の添加量が0.5gおよび5gの場合には、溶出シアン濃度が検出限界以下であったが、フミン酸の添加量が50gの場合には、溶出シアン濃度が0.175mg/L、溶出シアン固定化率が99.0%であった。
実施例1、2および比較例1の結果を表1に示す。
Figure 0004586155
[実施例3、4、比較例2]
シアン水溶液の添加量を10mLとした以外は実施例1、2および比較例1と同様の実験を行った。これらの実施例および比較例で使用した疑似汚染水の溶出シアン濃度は19mg/Lであった。これらの実施例3、4および比較例2の結果を表2および図1に示す。
Figure 0004586155
表2および図1に示すように、シアンの濃度が高い場合、比較例2では、実施例3および4と比べて、溶出シアン濃度が高く、フミン酸の濃度の増加とともに溶出シアン濃度が非常に高くなるのがわかる。
[実施例5]
乾燥したカオリナイト10gに工業用水100mLを添加して攪拌し、フミン酸5gを添加し、30分間攪拌して混合した後、シアン水溶液10mLを添加し、30分間攪拌して疑似汚染土壌を作製した。この疑似汚染土壌の溶出シアン濃度は20mg/Lであった。次いで、この疑似汚染土壌に実施例1と同様の鉄粉1gを添加し、60分間攪拌して混合した。撹拌後に溶出シアン濃度を測定したところ、1.373mg/Lであった。
[実施例6]
鉄粉の代わりに実施例2と同様の銅含有鉄粉を使用した以外は実施例5と同様の実験を行ったところ、溶出シアン濃度は1.037mg/Lであった。
[比較例3]
鉄粉の代わりに活性炭を使用した以外は実施例5と同様の実験を行ったところ、溶出シアン濃度は4.020mg/Lであった。
実施例5、6および比較例3の結果を表3に示す。表3に示すように、実施例5および6では、比較例3よりも溶出シアン濃度を非常に低くすることができるので、溶出シアン固定化率を高くすることができる。
Figure 0004586155
[実施例7]
ビーカーに純水100mLを入れた後、鉱油0.05gとシアン水溶液1mLを添加し、30分間攪拌して混合し、疑似汚染水を作製した。この疑似汚染水の溶出シアン濃度は2mg/Lであった。この疑似汚染水に実施例2と同様の銅含有鉄粉10gを添加し、30分間攪拌して混合した。攪拌後に液をサンプリングして溶出シアンの定量分析を行ったところ、溶出シアン量は検出限界以下(ND)であり、シアンを完全に固定化することができた。また、その後も再溶出は観測されなかった。
[比較例4]
実施例7の銅含有鉄粉の代わりに実施例1の鉄粉を使用して実施例7と同様の実験を行ったところ、溶出シアン量は0.336mg/Lであった。
[実施例8]
容積100mLの3つのバイアル瓶に、それぞれシアンおよびVOCを含有する地下水50mLを入れ、実施例1と同様の鉄粉をそれぞれ1重量%、5重量%および10重量%添加し、密閉した後、それぞれにcis−DCE(シス−ジクロロエチレン)1μLを添加し、60分間振動させ、その後、25℃で静置し、バイアル瓶のヘッドスペースからガスクロマトグラフ(GC−MS)を用いて、初期、2日後、4日後のcis−DCE濃度を測定し、4日後の溶出シアン濃度を測定した。なお、初期の溶出シアン濃度は0.736mg/Lであった。
その結果、鉄粉の添加量が1重量%の場合には、初期のcis−DCE濃度を1として、2日後および4日後のcis−DCE濃度はそれぞれ0.99および0.94であり、4日後の溶出シアン濃度は0.010mg/Lであった。また、鉄粉の添加量が5重量%の場合には、初期のcis−DCE濃度を1として、2日後および4日後のcis−DCE濃度はそれぞれ0.99および0.78であり、4日後の溶出シアン濃度は分析限界以下であった。さらに、鉄粉の添加量が10重量%の場合には、初期のcis−DCE濃度を1として、2日後および4日後のcis−DCE濃度はそれぞれ0.73および0.44であり、4日後の溶出シアン濃度は分析限界以下であった。これらの結果から、本実施例では、VOCを分解し、シアンを固定化することができるのがわかる。
[実施例9]
鉄粉の代わりに実施例2と同様の銅含有鉄粉を使用して実施例8と同様の実験を行ったところ、銅含有鉄粉の添加量が1重量%の場合には、初期のcis−DCE濃度を1として、2日後および4日後のcis−DCE濃度はそれぞれ0.92および0.79であり、4日後の溶出シアン濃度は分析限界以下であった。また、銅含有鉄粉の添加量が5重量%の場合には、初期のcis−DCE濃度を1として、2日後および4日後のcis−DCE濃度はそれぞれ0.52および0.16であり、4日後の溶出シアン濃度は分析限界以下であった。さらに、銅含有鉄粉の添加量が10重量%の場合には、初期のcis−DCE濃度を1として、2日後および4日後のcis−DCE濃度はそれぞれ0.06および0.00であり、4日後の溶出シアン濃度は分析限界以下であった。これらの結果から、本実施例では、VOCを十分に分解し、シアンを完全に固定化することができるのがわかる。
実施例8および9の結果を表4に示す。
Figure 0004586155
実施例3、4および比較例2においてフミン酸の濃度と溶出シアン濃度との関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. フミン酸とシアンを含有する土壌または地下水に銅含有鉄粉を混合してシアンを固定化することを特徴とする、汚染土壌または汚染地下水の浄化方法。
  2. 前記土壌中のフミン酸の含有量が0.5重量%以上であり、前記地下水中のフミン酸の含有量が5g/L以上であることを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌または汚染地下水の浄化方法。
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