JP4585076B2 - Magnetic thin plate, laminated magnetic core and manufacturing method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えばモデム用トランス等に用いられるものであって、特に作業性、積層性に優れた磁性薄板、積層磁心及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、積層磁心を製造する場合には、例えば帯状薄板材を順送り金型装置等で間欠移送させながら、この帯状薄板材の磁性薄板となる部分をプレス装置でプレスすることにより行っていた。従来の装置では、このプレスは、一方向からのパンチのみであったため、図9に示されるように、得られる磁性薄板16には主面外周縁部内側17にバリなどと呼ばれる凸部18が形成されることが避けられなかった。
【0003】
このように主面外周縁部内側に凸部が形成されていると、次に行われる熱処理工程で磁性薄板どうしが溶着してしまうことが多かった。溶着現象が起きると、その後積層工程に適用することができず不良となっていた。このような溶着現象を防止するために磁性薄板を1枚1枚個別に熱処理することも可能であるが、スペース的に1度に熱処理できる枚数に限りがあることから製造効率が必ずしもよい方法ではなかった。そのため磁性薄板を縦もしくは横に重ねた状態で熱処理することは製造効率の観点から重要なことであった。また、主面外周縁部内側17に凸部18が形成されていると、熱処理中に反り等の変形が生じてしまう恐れがあり、特にE型形状を初めとする角部分の多い磁性薄板では前述のように、磁性薄板を縦もしくは横に重ねた状態で熱処理することは必要であった。さらに、主面外周縁部内側にバリ等の凸部が存在すると、図10に示されるように、磁性薄板16を積層した際に、磁性薄板16間に空間19が形成されてしまい、占積率低下をもたらし、磁気特性の低下につながってしまうことがあった。
【0004】
特に、E型形状をはじめとする、角部分の多い磁性薄板では、このようなバリが各角部分で発生するため、積層磁心の特性低下が顕著になっていた。
【0005】
近年、このような積層磁心は様々な分野に用いられている。特に高速通信技術の発展に伴いモデム用トランスに用いる磁心として、種々の磁性材料からなる積層磁心が適用されるようになっている。しかしながら、従来の磁性薄板は上述のようなバリ等の凸部が存在することから占積率の向上が図れずモデム用トランスに用いた場合、必ずしも特性が十分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、一方向からのプレスにより作製された磁心用薄板には、主面外周縁部にバリなどが形成され、熱処理の際の溶着や反りの発生原因となっている。
【0007】
このような溶着や反りを防ぐため、凸部を研磨等により除去することが考案されている。しかしながら、このような研磨には精度の高い技術と、処理のための時間が要求される。例えば、このような研磨方法の一例としてバレル研磨が挙げられる。しかしながら、E型形状のような角部分の多い多角形状の磁性薄板にバレル研磨を適用したとしても各角部分に存在する凸部を完全に削り落とすことは難しかった。また、他の方法として直接的に凸部を削り落とす方法があるが、このような方法では製造時間が必要以上にかかってしまい、特に磁性薄板を多数枚積層する場合にはコストアップにつながっていた。
【0008】
また、このような凸部の研磨にかわり、熱処理の際に、台の上もしくは各磁性薄板間に溶着防止のための粉を引くことによって、溶着や反りを防止することも試みられている。このような方法により、溶着や反り等に対して一定の効果が認められている。しかしながら、熱処理の際に用いた粉を磁性薄板から完全に除去することは難しく、これらの磁性薄板を積層した際に、これらの粉が磁性薄板間に残ってしまい、占積率の低下が発生し、積層磁心の特性低下を招いてしまうこととなった。
【0009】
本発明は、上記したような問題を解決するためになされたものであって、作製が容易で、積層性に優れた磁性薄板を提供することを目的としている。また、本発明は、前記した磁性薄板を用いて作製され、占積率に優れ、特にモデム用磁心に適した積層磁心を提供することを目的としている。さらに、本発明はこれら磁性薄板、積層磁心を効率的に作製する方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁性薄板は、金属合金薄板を打抜いた後、さらに熱処理を行うことにより得られる磁性薄板であって、前記磁性薄板の主面外周縁部内側に形成された凸部の高さが1μm以上5μm以下、かつ平面度が0.006mm以上0.02mm以下であることを特徴とするものである。
【0011】
前記磁性薄板の主面外周縁部に形成された凸部は、主面外周縁部より20μm以下の範囲に形成されていることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明の磁性薄板の作製に用いられる前記金属合金薄板は、主として軟磁性薄板からなることが好ましい。
【0014】
本発明の積層磁心は、前記磁性薄板を積層してなることを特徴とするものである。本発明の積層磁心は、占積率が90%以上97%以下であることが好ましい。特に、本発明の積層磁心ではモデム用積層磁心として適用することが好ましく、このような分野に適用すると高周波歪み率を向上させることができる。
【0015】
本発明の磁性薄板の製造方法は、金属合金薄板の一方よりプレスすることにより、前記金属合金薄板の厚さの一部を剪断加工する工程と、前記金属合金薄板の他方よりプレスし、前記剪断加工を行った部分を平押しする工程と、前記平押しを行った部分を、前記平押し工程と同一の方向より再度プレスすることにより打抜き、主面外周縁部内側に形成された凸部の高さが1μm以上5μm以下のものを得る工程と、この打抜かれたものを熱処理して平面度が0.006mm以上0.02mm以下の磁性薄板を得る工程とを具備することを特徴とするものである。
【0016】
前記金属合金薄板の剪断加工は、前記金属合金薄板の厚さの1/4以上3/4以下の範囲で行うことが好ましい。また、本発明の磁性薄板の製造に用いられる前記金属合金薄板は、結晶質材料よりなることが好ましい。
【0017】
本発明の積層磁心の製造方法は、前記した磁性薄板の製造方法により磁性薄板を製造する工程と、前記磁性薄板を積層する工程とを具備することを特徴としている。
【0018】
本発明の磁性薄板は、主面外周縁部内側に形成される凸部の高さを、5μm以下とすることによって、磁性薄板を熱処理する際の台または他の磁性薄板との溶着を抑制し、作業性を向上させるとともに、磁性薄板を効率的に積層させることが可能となる。
【0019】
前記凸部は、外周縁部より20μmまでの範囲とすることでより一層、台または他の磁性薄板との溶着を抑制し、磁性薄板を効率的に積層させることが可能となる。
【0020】
上記した本発明の磁性薄板は、特に、前記磁性薄板の厚さが1mm以下の場合に有効であり、積層した場合に占積率を向上させることが可能となる。
【0021】
さらに、本発明の磁性薄板においては、熱処理した後の平面度を0.02mm以下とすることによって、より一層占積率を向上させることが可能となる。
【0022】
本発明の磁性薄板は、主として軟磁性薄板からなるものとすることで、積層磁心の磁気特性を向上させることができる。
【0023】
本発明の積層磁心は、上記した磁性薄板を積層してなるものであり、磁気特性に優れたものである。積層磁心の占積率を90%以上とすることによってより一層磁気特性の向上が可能となる。
【0024】
本発明の磁性薄板の製造方法は、金属合金薄板の一方よりプレスすることにより、前記金属合金薄板の厚さの一部を剪断加工し、次に前記金属合金薄板の他方よりプレスし、前記剪断加工を行った部分を平押しし、さらに前記平押しを行った部分を、前記平押し工程と同一の方向より再度プレスし打抜くことにより、磁性薄板の主面外周縁部内側のバリの発生を抑制することが可能となる。このとき、剪断加工を金属板の厚さの1/4以上3/4以下の範囲で行うことにより、磁性薄板の主面外周縁部内側のバリの発生をより一層抑制することが可能となる。
【0025】
本発明の積層磁心の製造方法は、上記した磁性薄板を積層するものであり、占積率に優れるため、磁気特性に優れた積層磁心の製造が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
図1は本発明の磁性薄板を示した外観図である。本発明の磁性薄板1においては、磁性薄板の主面外周縁部内側2に、従来の磁性薄板のような高い凸部がなく、主として磁性薄板の側面部3に凸部4が存在するものである。ここでいう凸部とは、磁性薄板の加工の際に発生する、例えばバリなどと呼ばれる部分のことである。
【0028】
本発明の磁性薄板では主面に高い凸部が存在しないため、熱処理において、台または他の磁性薄板との溶着を抑制することができる。また、主面に高い凸部が存在しないため、熱処理中に磁性薄板の湾曲、反り等の変形が発生するのを抑制することが可能となる。
【0029】
図2は本発明の磁性薄板の一部を示した断面図である。主面外周縁部内側2に存在する凸部5は、高さをHとし幅をLとすると、
H≦5μm
L≦20μm
である。
【0030】
凸部の高さが5μmを超えると、熱処理の際、隣接する磁性薄板の凸部どうしが接触するため、凸部どうしが溶着しやすくなる。また、凸部の高さが5μmを超えると、熱処理の際に磁性薄板に湾曲、反り等の変形が生じやすくなる。磁性薄板どうしを縦もしくは横に重ねた状態で熱処理を行った場合に影響を受けやすい。また、E型形状のような角部分の多い形状においても湾曲、反り等の影響を受けやすくなってしまう。従って、凸部の高さを5μm以下とすることによって、このような磁性薄板の溶着及び変形を抑制することが可能となる。
【0031】
また、磁性薄板の側面部3に形成される凸部4の高さをWとすると、
W≦10μm
であることが好ましい。側面部の高さWを10μm以下とすることによって、磁心としての寸法精度が安定し、積層したときに側面がずれることなく積層することが可能となる。
【0032】
さらに、本発明の磁性薄板では、厚さをZとした場合、
Z≦1mm
のものに用いることが好ましい。磁性薄板の厚さZが1mmを超える場合には、これらを積層しても、凸部5による占積率の低下はあまり問題とならない。また、磁性薄板の厚さZが1mmを超える場合には、熱処理による変形等も発生しにくい。このような占積率や変形が問題となるのは、磁性薄板の厚さが薄いとき、つまり厚さZが1mm以下の場合である。よって、本発明を、厚さ1mm以下の磁性薄板に適用することによって、より一層占積率を向上させ、磁気特性を向上させることができる。なお、本発明の厚さZは両球マイクロメーターにより求めた数値とする。
【0033】
図3は、本発明において、熱処理を施した後の磁性薄板を側面から見た場合の外観図である。本発明の磁性薄板では、平面度をSとした場合、
S≦0.02mm
である。ここでいう平面度とは、平面度(S)=(平面度公差t−板厚Z)で表されるものであり、平面度公差tとはJIS−B−0021「18.2 平面度公差」で定められたものである。磁性薄板の平面度Sが0.02mmを超えると、これらを積層して積層磁心等を作製した場合に占積率が低下し、磁気特性が低下する恐れがある。本発明では、磁性薄板の主面に形成される凸部の高さを5μm以下とすることによって、平面度Sを0.02mm以下とすることができる。
【0034】
このような本発明の磁性薄板としては、軟磁性材料からなるものが好ましい。磁性薄板に軟磁性材料を用いることによって、積層磁心等を作製した場合に、磁気特性を大幅に向上させることができる。このような軟磁性体としては、例えばパーマロイ等の結晶質材料や、アモルファス等の非晶質材料を用いることができる。
【0035】
以上、本発明の磁性薄板について説明したが、本発明の磁性薄板は図1に示されるような円板状のものに限られず、例えば図4に示されるようなE型をしたようなものにも有効である。図4に示されるような、角部分6、7、8等の多い形状のものは、角部分の主面上に、高い凸部が形成されるため、これが熱処理の際の溶着や変形を発生させてしまう。従って、このような形状のものに本発明を適用することによって、熱処理の際の溶着や変形を抑制することが可能となり、かつこれらを積層させた場合、占積率を向上させることが可能となる。
【0036】
次に、本発明の積層磁心について説明する。
【0037】
図5は、本発明の積層磁心を示した断面図である。本発明の積層磁心は、上記した本発明の磁性薄板1を積層して得られるものである。本発明の磁性薄板1は、主面外周縁部の凸部の高さが5μm以下と低く、かつ変形等も少ないため、これらを積層した本発明の積層磁心は占積率が高く、磁気特性に優れたものである。本発明の積層磁心の占積率は好ましくは、90%以上である。これは、占積率が90%未満であると、磁気特性が低くなるため実用的でなくなるためである。ここで、占積率とは、積層磁心の積層方向の断面積において、磁性薄板全体が占める面積比率のことである。
【0038】
次に本発明の磁性薄板の製造方法について説明する。図6〜図8は、本発明の磁性薄板を製造する際の工程を順に示したものである。
【0039】
図6は、本発明の磁性薄板を加工する前の状態を示したものである。磁性薄板の材料となる基材9は、その上下を上型10及び下型11によって挟まれている。また、上型10及び下型11には基材をプレスするための上パンチ12、下パンチ13が挿入される孔14、15が設けられている。上型10及び下型11の孔14、15は、上パンチ12、下パンチ13の径よりも若干大きめとなっている。
【0040】
図7は、本発明の磁性薄板を剪断加工する工程を示したものである。上パンチ12をプレスすることにより基材9を剪断加工する。この際、基材9を完全に打抜かないで、一部分が他の基材9とつながった状態にしておくことが好ましい。このようなプレスの幅としては、プレス幅をP、基材の厚さをZとした場合、
(1/4)・Z ≦ P ≦ (3/4)・Z
の範囲とすることが好ましい。プレス幅Pを(1/4)・Z未満とすると、従来のプレスによる磁性薄板の製造とあまり変わりがなく、抜き落としの際に磁性薄板の主面外周円部内側に高い凸部が形成されてしまうおそれがある。また、プレス幅Pを(3/4)・Zを超えるものとすると、最初の剪断加工において高い凸部が形成され、抜き落とし後も前記凸部が残ってしまうことがある。
【0041】
従って、プレス幅Pを上記の範囲にすることによって、磁性薄板の主面外周円部内側に形成される凸部の高さを抑えることができる。
【0042】
図8は、図7における剪断加工の後、下パンチ13により、前記方向と逆方向よりプレスを行い、基材9と磁性薄板となる部分の高さを合わせた状態を示したものである。さらに、この後、下パンチ13によりプレスを行い磁性薄板となる部分を打抜くことによって本発明の磁性薄板を作製することができる。
【0043】
このように、最初に上パンチにより上方からプレスを行い、次に下パンチにより下方からプレスを行い、分割してプレスを行うことによって、磁性薄板の主面上に凸部が形成されるのを抑制することが可能となる。また、このような上方及び下方からのプレスは、複数回行っても良く、基材の材質や厚さ等により適宜に選択することができる。基材としては、磁気特性に優れる軟磁性体を用いることが好ましい。また、このような主面上の凸部は、特に基材の厚さが薄い場合に問題となるため、基材の厚さが1mm以下の場合に有効である。
【0044】
本発明の磁性薄板の製造方法によれば、磁性薄板の主面上の凸部の高さを大幅に抑えることができ、これにより熱処理の際の溶着を抑制し、作業性を向上させることができる。また、積層した場合においても、主面上の凸部の高さが低いため占積率を向上させることができる。
【0045】
本発明の積層磁心は、上記のようにして得られた磁性薄板を積層することによって作製することができ、主面上の凸部が非常に低いため、積層した場合の占積率に優れ、磁気特性を向上させることが可能となる。
【0046】
【実施例】
実施例1、2、比較例1、2
磁性薄板を作製する際のプレス方法及び磁性薄板のバリ高さが、熱処理の際の溶着に及ぼす影響について調査を行った。また、これらの磁性薄板を用いて積層磁心を作製した場合の磁気特性等についても調査を行った。
【0047】
磁性薄板としては、厚さ(Z)が0.6mmのパーマロイ磁性合金薄板を図7に示されるように、まず上方よりパーマロイ磁性合金薄板をプレスし、次に図8に示すようにパーマロイ磁性合金薄板と磁性薄板となる部分が同じ高さになるように下方よりプレスを行い、さらに下方よりプレスし打抜くことにより作製した(プッシュバック方式)。この際、磁性薄板の主面上に発生するバリ高さの調整は、最初のプレス加工の際のプレス幅を変化させることにより行った、これらを本発明の実施例1、2とした。
【0048】
一方、本発明に対する比較として、一方向のみからプレスを行い磁性薄板を作製した(抜き落とし方式)。これらのうち、プレス加工の後にバレル研磨を行い、バリを研磨したものを比較例1、またバリ研磨を行わなかったものを比較例2とした。
【0049】
これら実施例1、2、比較例1、2の磁性薄板の主面上のバリ高さ、平面度を表1に示す。
【0050】
【表1】
次に、これら実施例1、2、比較例1、2の磁性薄板を30枚主面を接触させた積層状態で立てて台の上に配置して熱処理を行い、その際の溶着強度を測定した。溶着強度は、磁性薄板どうしを離す際に要する力(剥離力)を測定することにより行った。ここで、測定結果は、各実施例及び比較例について30枚×3回ずつ行った際の、測定値の範囲を表したものである。
【0051】
さらに、これら熱処理後の磁性薄板を積層して積層磁心を作製し、それらの占積率及び磁気特性(1kHzにおけるトランスインダクタンス特性)を調べた。
これらの結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
表2の結果からわかるように、本発明の磁性薄板はバリ高さが低く平面度に優れるために、熱処理の際に溶着が抑制され、剥離力が低く作業性に優れることが分かった。これに対して、一方向のみからプレスを行った比較例1、2では、プレス後に研磨をしなかったものについては、剥離力が非常に高くなることがわかった。また、プレス後に研磨を行ったものにおいても、剥離力が若干高く、作業性に劣ることが分かった。
【0053】
また、これらを積層した積層磁心においては、本発明の実施例では占積率に優れているため、トランスインダクタンス特性が高い値となった。これに対して、比較例では、研磨によりバリ高さを低くしたものでも占積率が若干低くなりトランスインダクタンス特性が低くなった。また、バリを研磨しなかったものでは、さらに占積率が低くなりトランスインダクタンス特性も低い値となった。
【0054】
以上のことより、本発明の磁性薄板はプレス後に研磨等の特別な処理を行わなくても、熱処理の際の溶着を抑制し、十分に剥離力を低減させることが可能となることがわかった。また、本発明の磁性薄板はバリ高さが低くかつ平面度に優れるため、これらを積層した本発明の積層磁心は占積率が高く、磁気特性に優れるものであることがわかった。次に、実施例1、2の積層磁心をモデムに組み込んだときの1kHzにおける高周波歪み率(dB)を測定した結果を表3に示す。この高周波歪み率とは、モデムの性能を示すために使われるパラメータのことで、波形をどれだけ正確に伝えることができるかを示すものであり、マイナスが大きいほど優れたモデムであることを示すものである。
【0055】
【表3】
表3から分かる通り、本発明の実施例の積層磁心を用いたものはいずれも高周波歪み率が−80以下と優れた特性を示すことがわかった。
【0056】
このことから分かる通り、本発明の積層磁心はモデム等の波形信号(パルス信号)を取り扱う分野の機器において優れた効果を発揮するものであることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
本発明の磁性薄板は主面上に形成される凸部の高さが低いため、熱処理の際に溶着や反り等が発生するのを抑制することが可能となる。従って、溶着や反り等による不良品発生を抑制するとともに、作業性等も向上させることができる。また、本発明の磁性薄板は主面上に形成される凸部の高さが低いため、これらを効率的に積層することが可能となる。本発明の磁性薄板を用いて作製される積層磁心は、占積率に優れ、磁気特性に優れるものである。特に、本発明の積層磁心はモデム用磁心として優れた効果を発揮するものである。
【0058】
本発明の磁性薄板の製造方法では、熱処理の際の溶着や反り等を抑制した磁性薄板を容易に作製することが可能となる。また、本発明の積層磁心の製造方法では、占積率及び磁気特性等に優れる積層磁心を効率的に作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁性薄板の一実施例を表す外観図。
【図2】本発明の磁性薄板の一実施例を表す断面図
【図3】本発明の磁性薄板の一実施例を表す側面図。
【図4】本発明の磁性薄板の他の実施例を表す外観図。
【図5】本発明の積層磁心の一実施例を表す断面図。
【図6】本発明の磁性薄板の製造前の状態を表す断面図。
【図7】本発明の磁性薄板の一製造工程を表す断面図。
【図8】本発明の磁性薄板の一製造工程を表す断面図。
【図9】従来の磁性薄板を表す外観図。
【図10】従来の積層磁心を表す断面図。
【符号の説明】
1……磁性薄板
2……主面外周縁部内側
3……側面部
4……側面部の凸部
5……主面上の凸部
9……基材
10……上型
11……下型
12……上パンチ
13……下パンチ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is used for, for example, a transformer for a modem and the like, and particularly relates to a magnetic thin plate excellent in workability and laminateability, a laminated magnetic core, and a manufacturing method thereof.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when a laminated magnetic core is manufactured, for example, a belt-like thin plate material is intermittently transferred by a progressive die apparatus or the like, and a portion that becomes a magnetic thin plate of the belt-like thin plate material is pressed by a press device. In the conventional apparatus, this press is only a punch from one direction. Therefore, as shown in FIG. 9, the obtained magnetic
[0003]
Thus, when the convex part was formed inside the outer peripheral edge part of the main surface, the magnetic thin plates were often welded in the next heat treatment step. When the welding phenomenon occurred, it could not be applied to the subsequent lamination process, resulting in a failure. In order to prevent such a welding phenomenon, it is possible to heat-treat the magnetic thin plates individually one by one. However, since the number of sheets that can be heat-treated at a time in a space is limited, a method with high production efficiency is not always necessary. There wasn't. For this reason, it has been important from the viewpoint of manufacturing efficiency to heat-treat the magnetic thin plates stacked vertically or horizontally. In addition, if the
[0004]
In particular, in a magnetic thin plate having many corner portions such as an E shape, such burrs are generated at each corner portion, so that the deterioration of the characteristics of the laminated magnetic core is remarkable.
[0005]
In recent years, such a laminated magnetic core has been used in various fields. In particular, with the development of high-speed communication technology, laminated magnetic cores made of various magnetic materials have been applied as magnetic cores used for modem transformers. However, since the conventional magnetic thin plate has protrusions such as burrs as described above, the space factor cannot be improved, and when used in a modem transformer, the characteristics are not always sufficient.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, burrs and the like are formed on the outer peripheral edge of the main surface of the magnetic core thin plate produced by pressing from one direction, which causes welding and warpage during heat treatment.
[0007]
In order to prevent such welding and warping, it has been devised to remove the convex portion by polishing or the like. However, such polishing requires high-precision technology and processing time. For example, barrel polishing is an example of such a polishing method. However, even when barrel polishing is applied to a polygonal magnetic thin plate with many corners such as an E shape, it is difficult to completely scrape the convex portions present at each corner. In addition, as another method, there is a method of directly scraping the convex portion, but this method takes more time than necessary, and this leads to an increase in cost particularly when a large number of magnetic thin plates are laminated. It was.
[0008]
Also, instead of polishing the convex portions, it has been attempted to prevent welding or warping by drawing powder for preventing welding on a table or between magnetic thin plates during heat treatment. By such a method, a certain effect is recognized with respect to welding, warping, and the like. However, it is difficult to completely remove the powder used in the heat treatment from the magnetic thin plate, and when these magnetic thin plates are laminated, these powders remain between the magnetic thin plates, resulting in a decrease in the space factor. As a result, the characteristics of the laminated magnetic core are degraded.
[0009]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and an object of the present invention is to provide a magnetic thin plate that is easy to manufacture and excellent in lamination properties. Another object of the present invention is to provide a laminated magnetic core that is manufactured using the above-described magnetic thin plate, has an excellent space factor, and is particularly suitable for a modem magnetic core. Furthermore, an object of the present invention is to provide a method for efficiently producing these magnetic thin plates and laminated magnetic cores.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The magnetic thin plate of the present invention is a magnetic thin plate obtained by performing heat treatment after punching a metal alloy thin plate, and the height of the convex portion formed inside the outer peripheral edge of the main surface of the magnetic thin plate is It is characterized by being 1 μm or more and 5 μm or less and a flatness of 0.006 mm or more and 0.02 mm or less.
[0011]
The protrusions formed on the outer peripheral edge of the main surface of the magnetic thin plate are preferably formed in a range of 20 μm or less from the outer peripheral edge of the main surface .
[0013]
Furthermore, it is preferable that the metal alloy thin plate used for producing the magnetic thin plate of the present invention is mainly composed of a soft magnetic thin plate.
[0014]
The laminated magnetic core of the present invention is formed by laminating the magnetic thin plates. The laminated magnetic core of the present invention preferably has a space factor of 90% to 97% . In particular, the laminated magnetic core of the present invention is preferably applied as a laminated magnetic core for modems. When applied to such a field, the high-frequency distortion rate can be improved.
[0015]
The method for producing a magnetic thin plate of the present invention includes a step of shearing a part of the thickness of the metal alloy thin plate by pressing from one of the metal alloy thin plates, and pressing from the other of the metal alloy thin plates, A step of flat-pressing the processed portion, and a portion of the flat-pressed portion are punched out by pressing again from the same direction as the flat-pressing step, and the convex portion formed inside the outer peripheral edge of the main surface And a step of obtaining a sheet having a height of not less than 1 μm and not more than 5 μm and a step of obtaining a magnetic thin plate having a flatness of not less than 0.006 mm and not more than 0.02 mm by heat-treating the punched material. It is.
[0016]
The metal alloy thin plate is preferably sheared in a range of ¼ to ¾ of the thickness of the metal alloy thin plate. Moreover , it is preferable that the said metal alloy thin plate used for manufacture of the magnetic thin plate of this invention consists of crystalline materials.
[0017]
The method for producing a laminated magnetic core according to the present invention is characterized by comprising a step of producing a magnetic thin plate by the above-described method of producing a magnetic thin plate and a step of laminating the magnetic thin plate.
[0018]
The magnetic thin plate of the present invention suppresses welding with a base or other magnetic thin plate when heat-treating the magnetic thin plate by setting the height of the convex portion formed on the inner peripheral edge of the main surface to 5 μm or less. The workability can be improved and the magnetic thin plates can be efficiently laminated.
[0019]
By setting the convex portion to a range of 20 μm from the outer peripheral edge portion, it is possible to further suppress the welding with the base or another magnetic thin plate, and to efficiently stack the magnetic thin plates.
[0020]
The above-described magnetic thin plate of the present invention is particularly effective when the thickness of the magnetic thin plate is 1 mm or less, and the space factor can be improved when laminated.
[0021]
Furthermore, in the magnetic thin plate of the present invention, the space factor can be further improved by setting the flatness after heat treatment to 0.02 mm or less.
[0022]
The magnetic thin plate of the present invention is mainly composed of a soft magnetic thin plate, whereby the magnetic properties of the laminated magnetic core can be improved.
[0023]
The laminated magnetic core of the present invention is formed by laminating the above-mentioned magnetic thin plates and has excellent magnetic properties. By setting the space factor of the laminated magnetic core to 90% or more, the magnetic properties can be further improved.
[0024]
According to the method of manufacturing a magnetic thin plate of the present invention, a part of the thickness of the metal alloy thin plate is sheared by pressing from one of the metal alloy thin plates, and then pressed from the other of the metal alloy thin plates. Generation of burrs inside the outer peripheral edge of the main surface of the magnetic thin plate by flat-pressing the processed portion and then pressing and punching the pressed portion again in the same direction as the flat-pressing step Can be suppressed. At this time, it is possible to further suppress the occurrence of burrs inside the outer peripheral edge of the main surface of the magnetic thin plate by performing the shearing process in the range of 1/4 to 3/4 of the thickness of the metal plate. .
[0025]
The method for manufacturing a laminated magnetic core according to the present invention is to laminate the above-described magnetic thin plates and has an excellent space factor, so that a laminated magnetic core having excellent magnetic properties can be produced.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below.
[0027]
FIG. 1 is an external view showing a magnetic thin plate of the present invention. In the magnetic
[0028]
In the magnetic thin plate of the present invention, since there are no high convex portions on the main surface, welding with a table or other magnetic thin plate can be suppressed during heat treatment. Further, since there are no high convex portions on the main surface, it is possible to suppress the occurrence of deformation such as bending and warping of the magnetic thin plate during the heat treatment.
[0029]
FIG. 2 is a sectional view showing a part of the magnetic thin plate of the present invention. The convex portion 5 present on the inner peripheral edge 2 of the main surface has a height H and a width L.
H ≦ 5μm
L ≦ 20μm
It is.
[0030]
When the height of the convex portion exceeds 5 μm, the convex portions of the adjacent magnetic thin plates come into contact with each other during the heat treatment, so that the convex portions are easily welded. On the other hand, if the height of the convex portion exceeds 5 μm, the magnetic thin plate is likely to be deformed such as curved or warped during heat treatment. It is susceptible to heat treatment when magnetic thin plates are stacked vertically or horizontally. In addition, even a shape with many corners such as an E shape is likely to be affected by bending, warping, and the like. Therefore, by setting the height of the convex portion to 5 μm or less, it becomes possible to suppress such welding and deformation of the magnetic thin plate.
[0031]
Further, when the height of the convex portion 4 formed on the
W ≦ 10μm
It is preferable that By setting the height W of the side surface portion to 10 μm or less, the dimensional accuracy as the magnetic core is stabilized, and the side surfaces can be stacked without shifting the side surfaces.
[0032]
Furthermore, in the magnetic thin plate of the present invention, when the thickness is Z,
Z ≦ 1mm
It is preferable to use them. When the thickness Z of the magnetic thin plate exceeds 1 mm, even if these are laminated, a decrease in the space factor due to the convex portion 5 is not a problem. Further, when the thickness Z of the magnetic thin plate exceeds 1 mm, deformation due to heat treatment hardly occurs. Such a space factor or deformation becomes a problem when the magnetic thin plate is thin, that is, when the thickness Z is 1 mm or less. Therefore, by applying the present invention to a magnetic thin plate having a thickness of 1 mm or less, the space factor can be further improved and the magnetic characteristics can be improved. In addition, the thickness Z of the present invention is a value obtained by a both-sphere micrometer.
[0033]
FIG. 3 is an external view when the magnetic thin plate after heat treatment is viewed from the side in the present invention. In the magnetic thin plate of the present invention, when the flatness is S,
S ≦ 0.02mm
Der Ru. The flatness here is expressed by flatness (S) = (flatness tolerance t−sheet thickness Z), and the flatness tolerance t is JIS-B-0021 “18.2 Flatness tolerance. ”. When the flatness S of the magnetic thin plate exceeds 0.02 mm, when these are laminated to produce a laminated magnetic core or the like, the space factor is lowered, and the magnetic properties may be lowered. In the present invention, the flatness S can be set to 0.02 mm or less by setting the height of the convex portion formed on the main surface of the magnetic thin plate to 5 μm or less.
[0034]
Such a magnetic thin plate of the present invention is preferably made of a soft magnetic material. By using a soft magnetic material for the magnetic thin plate, the magnetic properties can be greatly improved when a laminated magnetic core or the like is produced. As such a soft magnetic material, for example, a crystalline material such as permalloy or an amorphous material such as amorphous can be used.
[0035]
Although the magnetic thin plate of the present invention has been described above, the magnetic thin plate of the present invention is not limited to the disk-shaped one as shown in FIG. Is also effective. As shown in FIG. 4, the shape having
[0036]
Next, the laminated magnetic core of the present invention will be described.
[0037]
FIG. 5 is a sectional view showing the laminated magnetic core of the present invention. The laminated magnetic core of the present invention is obtained by laminating the magnetic
[0038]
Next, the manufacturing method of the magnetic thin plate of this invention is demonstrated. 6 to 8 show the steps in manufacturing the magnetic thin plate of the present invention in order.
[0039]
FIG. 6 shows a state before processing the magnetic thin plate of the present invention. A base material 9 which is a material for the magnetic thin plate is sandwiched between an
[0040]
FIG. 7 shows a process of shearing the magnetic thin plate of the present invention. The substrate 9 is sheared by pressing the
(1/4) · Z ≤ P ≤ (3/4) · Z
It is preferable to set it as the range. If the press width P is less than (1/4) · Z, there is not much difference from the production of magnetic thin plates by conventional presses, and high protrusions are formed inside the outer peripheral circular part of the main surface of the magnetic thin plate when it is removed. There is a risk that. Further, if the press width P exceeds (3/4) · Z, a high convex portion is formed in the first shearing process, and the convex portion may remain even after being removed.
[0041]
Therefore, the height of the convex part formed inside the outer peripheral circular part of the main surface of a magnetic thin plate can be suppressed by making press width P into said range.
[0042]
FIG. 8 shows a state in which, after the shearing process in FIG. 7, the
[0043]
Thus, by first pressing from above with the upper punch, then pressing from below with the lower punch, and dividing and pressing, the convex portions are formed on the main surface of the magnetic thin plate. It becomes possible to suppress. Such pressing from above and below may be performed a plurality of times, and can be appropriately selected depending on the material and thickness of the substrate. As the substrate, it is preferable to use a soft magnetic material having excellent magnetic properties. Moreover, since such a convex part on the main surface becomes a problem particularly when the thickness of the substrate is thin, it is effective when the thickness of the substrate is 1 mm or less.
[0044]
According to the method for producing a magnetic thin plate of the present invention, the height of the convex portion on the main surface of the magnetic thin plate can be greatly suppressed, thereby suppressing welding during heat treatment and improving workability. it can. Further, even in the case of lamination, the space factor can be improved because the height of the convex portion on the main surface is low.
[0045]
The laminated magnetic core of the present invention can be produced by laminating the magnetic thin plates obtained as described above, and since the convex portion on the main surface is very low, it has excellent space factor when laminated, Magnetic characteristics can be improved.
[0046]
【Example】
Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 and 2
The effect of the pressing method and the burr height of the magnetic thin plate on the welding during the heat treatment was investigated. In addition, the magnetic characteristics and the like when a laminated magnetic core was produced using these magnetic thin plates were also investigated.
[0047]
As a magnetic thin plate, a permalloy magnetic alloy thin plate having a thickness (Z) of 0.6 mm is first pressed from above as shown in FIG. 7, and then a permalloy magnetic alloy is pressed as shown in FIG. The thin plate and the magnetic thin plate were produced by pressing from below so that the portions to be the same height were pressed, and further pressing and punching from below (pushback method). At this time, the height of the burr generated on the main surface of the magnetic thin plate was adjusted by changing the press width at the time of the first press working. These were set as Examples 1 and 2 of the present invention.
[0048]
On the other hand, as a comparison with the present invention, a magnetic thin plate was produced by pressing from only one direction (drop-out method). Among these, barrel polishing was performed after press working and burrs were polished, and Comparative Example 1 was used.
[0049]
Table 1 shows the burr height and flatness on the main surface of the magnetic thin plates of Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 and 2.
[0050]
[Table 1]
Next, 30 magnetic thin plates of Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 and 2 were erected in a stacked state in which the principal surfaces were in contact with each other and placed on a table to perform heat treatment, and the welding strength at that time was measured. did. The welding strength was measured by measuring the force (peeling force) required to separate the magnetic thin plates. Here, a measurement result represents the range of a measured value when performing 30 sheets x 3 times for each example and comparative example.
[0051]
Furthermore, a laminated magnetic core was produced by laminating these heat-treated magnetic thin plates, and their space factor and magnetic characteristics (transformer inductance characteristics at 1 kHz) were examined.
These results are shown in Table 2.
[0052]
[Table 2]
As can be seen from the results in Table 2, since the magnetic thin plate of the present invention has a low burr height and excellent flatness, it was found that welding was suppressed during heat treatment, and the peel force was low and the workability was excellent. On the other hand, it was found that in Comparative Examples 1 and 2 in which the pressing was performed from only one direction, the peeling force was very high for those not polished after pressing. In addition, it was found that even after polishing after pressing, the peel force was slightly high and the workability was poor.
[0053]
Further, in the laminated magnetic core in which these are laminated, the transformer inductance characteristic is a high value because the space factor is excellent in the embodiment of the present invention. On the other hand, in the comparative example, even when the burr height was lowered by polishing, the space factor was slightly lowered and the transformer inductance characteristics were lowered. Further, in the case where the burr was not polished, the space factor was further lowered and the transformer inductance characteristics were also low.
[0054]
From the above, it was found that the magnetic thin plate of the present invention can suppress welding during heat treatment and sufficiently reduce the peeling force without performing special treatment such as polishing after pressing. . Further, since the magnetic thin plate of the present invention has a low burr height and excellent flatness, it has been found that the laminated magnetic core of the present invention in which these are laminated has a high space factor and excellent magnetic properties. Next, Table 3 shows the results of measuring the high-frequency distortion rate (dB) at 1 kHz when the laminated magnetic cores of Examples 1 and 2 are incorporated in a modem. This high frequency distortion factor is a parameter used to indicate the performance of the modem. It indicates how accurately the waveform can be transmitted. The larger the minus value, the better the modem. Is.
[0055]
[Table 3]
As can be seen from Table 3, it was found that all of the examples using the laminated magnetic cores of the present invention exhibited excellent characteristics with a high frequency distortion rate of -80 or less.
[0056]
As can be seen from the above, it can be seen that the laminated magnetic core of the present invention exhibits excellent effects in devices in the field of handling waveform signals (pulse signals) such as modems.
[0057]
【The invention's effect】
In the magnetic thin plate of the present invention, since the height of the convex portion formed on the main surface is low, it is possible to suppress the occurrence of welding, warpage, or the like during the heat treatment. Therefore, it is possible to suppress the generation of defective products due to welding, warpage, and the like, and to improve workability and the like. Moreover, since the magnetic thin plate of this invention has the low height of the convex part formed on a main surface, it becomes possible to laminate | stack these efficiently. The laminated magnetic core produced using the magnetic thin plate of the present invention has excellent space factor and excellent magnetic properties. In particular, the laminated magnetic core of the present invention exhibits excellent effects as a modem magnetic core.
[0058]
In the method for producing a magnetic thin plate of the present invention, it is possible to easily produce a magnetic thin plate that suppresses welding, warpage, and the like during heat treatment. Further, according to the method for manufacturing a laminated magnetic core of the present invention, it is possible to efficiently produce a laminated magnetic core having excellent space factor and magnetic characteristics.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an external view showing an embodiment of a magnetic thin plate of the present invention.
FIG. 2 is a sectional view showing an embodiment of the magnetic thin plate of the present invention. FIG. 3 is a side view showing an embodiment of the magnetic thin plate of the present invention.
FIG. 4 is an external view showing another embodiment of the magnetic thin plate of the present invention.
FIG. 5 is a cross-sectional view illustrating an example of a laminated magnetic core according to the present invention.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing a state before manufacturing the magnetic thin plate of the present invention.
FIG. 7 is a cross-sectional view showing one manufacturing process of the magnetic thin plate of the present invention.
FIG. 8 is a cross-sectional view showing one manufacturing process of the magnetic thin plate of the present invention.
FIG. 9 is an external view showing a conventional magnetic thin plate.
FIG. 10 is a cross-sectional view showing a conventional laminated magnetic core.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (10)
前記磁性薄板の主面外周縁部内側に形成された凸部の高さが1μm以上5μm以下、かつ平面度が0.006mm以上0.02mm以下であることを特徴とする磁性薄板。After punching out the metal alloy thin plate, it is a magnetic thin plate obtained by further heat treatment,
The magnetic thin plate characterized in that the height of the convex portion formed on the inner peripheral edge of the main surface of the magnetic thin plate is 1 μm or more and 5 μm or less, and the flatness is 0.006 mm or more and 0.02 mm or less.
前記金属合金薄板の他方よりプレスし、前記剪断加工を行った部分を平押しする工程と、
前記平押しを行った部分を、前記平押し工程と同一の方向より再度プレスすることにより打抜き、主面外周縁部内側に形成された凸部の高さが1μm以上5μm以下のものを得る工程と、
この打抜かれたものを熱処理して平面度が0.006mm以上0.02mm以下の磁性薄板を得る工程と
を具備することを特徴とする磁性薄板の製造方法。A step of shearing a part of the thickness of the metal alloy thin plate by pressing from one of the metal alloy thin plates;
Pressing from the other of the metal alloy thin plate, flat pressing the portion subjected to the shearing process,
A step of punching out the portion subjected to the flat pressing by pressing again from the same direction as the flat pressing step, and obtaining a projection having a height of 1 μm or more and 5 μm or less formed on the inner periphery of the main surface. When,
And a step of heat-treating the punched material to obtain a magnetic thin plate having a flatness of 0.006 mm or more and 0.02 mm or less.
前記磁性薄板を積層する工程と
を具備することを特徴とする積層磁心の製造方法。A step of producing a magnetic thin plate by the method of producing a magnetic thin plate according to any one of claims 7 to 9 ,
And a step of laminating the magnetic thin plates.
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