JP4584516B2 - 低下しない効率を有する油性ミスト抵抗性フィルター - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は油性ミストエアロゾルで試験(challenge)した際に、低下しない効率を示す多層フィルターに関する。
【0002】
背景
有毒または有害な物質を含有する空気に暴露する人々は、鼻と口を覆う呼吸マスクを着用して、空気を吸い込む前にそれを濾過することが多い。呼吸マスクのデザインは、国立労働安全衛生研究所(NIOSH)によって規制される。NIOSHは、異なる汚染物質で試験される呼吸マスクのために、様々な除去効率基準を制定している。例えば油が存在する環境で使用するようにデザインされたフィルター材料は、懸濁されたジオクチルフタレート(DOP)液滴を使用した、油性ミスト除去効率の基準を満たさなくてはならない。除去効率は負荷に応じて変化するかもしれないので、基準は試験用エアロゾルへの一定の曝露に対する最小除去効率を規定する。いくつかの呼吸マスクフィルター材料は、継続する曝露に際して低下しない、あるいは増大さえする効率を提供するが、呼吸マスクフィルター材料の除去効率は、DOP曝露量が増大すると典型的に低下する。
【0003】
NIOSHは、1995年7月に無動力濾過式微粒子呼吸マスクの基準を制定した。42C.F.R.Part 84(1995年6月8日公告)を参照されたい。規程はいくつかの異なる分類を含み、その1つは一般に「Pシリーズ」と称され、油性液体粒子の除去を意図するフィルターに向けたものである。Pシリーズ認可のためには、呼吸マスクフィルター材料は、DOP除去効率試験の終点で低下しない効率を示さなくてはならない。
【0004】
除去効率に加えて呼吸マスクの快適性は、呼吸マスクの使用者にとって重要な別のパラメータである。呼吸マスクの快適性の一指標は、呼吸マスクフィルター材料をはさんだ圧力降下である。より低い圧力降下フィルターは、着用者の呼吸が容易になるようにし、呼気弁を持たないマスクから温かい湿った呼気がより容易にパージされるようにして、使用者に改善された快適性を提供する。
【0005】
圧力降下は実質的に環境条件による影響を受けないが、高温多湿などのより過酷な環境条件下では、圧力低下が高いフィルターと低いフィルターとの間で、快適性の差異がより明白になる。これらの条件下では、知覚される圧力降下、すなわち知覚される呼吸マスクを通した呼吸のための労作は、不快なレベルにまで増大することがある。より過酷な環境条件下の使用者は、それほど過酷でない環境条件下の使用者よりも、典型的に呼吸に要する追加的な労作について認識が高いので、知覚される圧力降下の増大は環境条件の関数である。知覚される圧力降下の増大は使用者の快適性を低下させ、特に呼吸マスクの使用が作業者の健康と安全に非常に重要である、より過酷な環境条件下での呼吸マスク使用規定順守の低下につながるかもしれない。
【0006】
圧力降下は、また動力濾過式呼吸マスクで使用されるフィルター材料にとっても重要な因子であり得る。動力濾過式呼吸マスクの性能は、稼働中のフィルターをはさんだ通気度および圧力降下をはじめとする、多くのパラメータによって測定される。より低い圧力降下を有するフィルターは、一定の送風器および電源でより高い通気度を提供するので、通気度と圧力降下は相関している。逆に圧力降下がより高いフィルターは、同じ送風器と電源を使用してより低い通気度を提供する。圧力降下がより高いフィルターを有する呼吸マスクシステムは、同量の濾過済み空気を提供するのに、圧力降下がより低いフィルターを有する呼吸マスクシステムよりも多くのエネルギーを必要とするので、通気度と圧力降下は重要である。その結果、より高い圧力降下は、電池などの定量電源を有する動力呼吸マスクシステムに、稼働時間の低下を引き起こす可能性もある。
【0007】
フィルターをはさんだ特定の通気度に対する圧力降下は、フィルター材料の開放性またはゆるみを増大することで、減少することができる。しかしフィルター材料の開放性またはゆるみを増大させたフィルターでは、それによって呼吸マスクシステムの性能が測定されるさらに別のパラメータである、汚染物質除去効率の減少が典型的に示される。特定の通気度での圧力降下は、場合によっては、汚染物質除去効率を低下させることなく減少できる。これはフィルターのサイズまたは表面積を増大させることで達成できる。しかし増大するフィルターサイズは、典型的にシステムのサイズおよび/または嵩の増大も含み、それが狭い領域における着用者の可動性を制限する可能性がある。
【0008】
Pシリーズ認定フィルターの要求を満たす試みは、典型的に低下しない除去効率を示すフィルター材料の使用に依存してきた。フィルターによっては、低下しない除去効率を示す1つ以上の層と組み合わせて、中立の除去効率を示す1つ以上の層を含み、低下しない除去効率を示すフィルターを提供するかもしれない。中立の除去効率層をプレフィルターとして使用して、低下しない除去効率を提供するフィルター層(群)の固化を防止しても良く、それらは典型的に低い圧力降下特性によって選択される。低い圧力低下を提供するために、プレフィルター層は相対的嵩高性を必要とするかもしれず、それが実質的にフィルター厚を増大させるかもしれない。上述のように増大したフィルター厚は、フィルターシステムのサイズを増大させて、狭い領域における着用者の可動性を制限するかもしれない。
【0009】
必要なのは、減少した圧力低下も提供しながら、NIOSHのPシリーズ油性ミスト除去効率要求条件を満たすことができる、呼吸マスク中で使用するためのフィルターおよびその他の製品である。
【0010】
発明の要約
本発明は、減少した圧力低下と組み合わさった、低下しない除去効率を有する油性ミスト抵抗性フィルターを提供できる。フィルターは、無動力濾過式呼吸マスク中で使用すると、改善された着用者快適性を提供できる。
【0011】
発明のフィルターは、DOP貫通/負荷試験完了時に低下しない除去効率を示し、DOP貫通/負荷試験中にフィルターによって捕集された試験用エアロゾルの大部分を除去する、流体透過性の第1のエレクトレットフィルター層を含む新しいエレクトレットフィルターを提供することで、これらの利点を提供する。エレクトレットフィルターは、DOP貫通/負荷試験完了時に低下した除去効率を示す、流体透過性の第2のエレクトレットフィルター層も含む。第2のエレクトレットフィルター層は、DOP貫通/負荷試験を使用した測定で、第1のエレクトレットフィルター層の初期品質係数より大きい初期品質係数も示す。第2のエレクトレットフィルター層は、流体の流れ方向から見たときに第1の層の下流に位置する。第1および第2のフィルター層のどちらもポリマー材料を含有する繊維を含む。
【0012】
本発明は、低下した除去効率と第1の層よりも大きい初期品質係数を有する第2の層の上流に、低下しない除去効率と試験用エアロゾルの大部分を除去する能力を有する第1の層を提供することで、既知のフィルターとは異なる。この新しいフィルター層の組み合わせによって、フィルターが全体としてとしてDOP貫通/負荷試験完了時に、低下しない除去効率を示せるようになる。この性能特性によって、フィルターが油性液体粒子状に対するNIOSHのPシリーズ基準を満たせるようになる。発明のフィルターは、比較的低い圧力低下を提供することもできる。発明はこのようにして呼吸マスクにとって有益であり、油性ミスト環境中の使用者に非常に安全な呼吸環境を提供しながら、同時に低い圧力低下のお陰で着用者に良好な快適性を提供できる。
【0013】
用語集
発明に関して、以下の用語は次のように定義される。その他の用語も明細、請求項、および図面に関して定義されるかもしれない。
【0014】
「エアロゾル」とは、懸濁された粒子を固形または液体形態で含有する気体を意味する。
【0015】
「基本重量」は、層主面単位表面積当たりの層内材料または材料群の重量を意味する。
【0016】
「低下した除去効率」とは、フィルターまたはフィルター層が、下の試験セクションで述べた(総DOP曝露量200±5mgで完了する)DOP貫通/負荷試験完了時に、DOP%貫通曲線の正の傾きで示されるように、低下した除去効率を示すことを意味する。
【0017】
「効率」とは、%貫通に基づいて求められる、フィルターによって除去される試験用エアロゾルの%で表される量であり、
効率(%)=100−貫通(%)
(例えば5%の貫通を示すフィルターは、95%に相当する効率を有する)を意味する。
【0018】
「電荷」とは、電荷分離があることを意味する。
【0019】
「エレクトレットフィルター」または「エレクトレットフィルター層」とは、少なくとも疑似永久電荷を示すフィルターまたはフィルター層を意味し、「疑似永久」とは、標準大気中条件下(22℃、大気圧101,300Pa、および湿度50%)で、著しく測定可能であるのに十分な時間、電荷がウェブに備わっていることを意味する。
【0020】
「第1の層」とは、気流が第2の層の前に遭遇するフィルター層を意味する。
【0021】
「流体透過性」とは、フィルターまたはフィルター層が、流体の少なくとも一部の通過を許すことを意味する。
【0022】
「層」とは、2つの主面および主面間の厚さをを有するフィルターの一部意味し、層は主面に沿って不定の長さで伸びても良く、あるいはそれは画定された境界を有しても良い。
【0023】
「大部分」とは、50%を越えることを意味する。
【0024】
「融解温度」は、加熱速度10℃/分で実施される示差走査熱量測定(DSC)によって測定され、第2のDSC加熱サイクルで観察される融解によって引き起こされる最大ピーク(すなわち融解温度を越える加熱、製品を凍結させる冷却、および再加熱後に観察されるピーク)として定義される。
【0025】
「低下しない効率」および「低下しない除去効率」とは、フィルターまたはフィルター層が、下の試験セクションで述べた(総DOP曝露量200±5mgで完了する)DOP貫通/負荷試験完了時に、DOP%貫通曲線の正でない傾きで示されるように、低下しない除去効率を示すことを意味する。
【0026】
「油性ミスト性能増強添加剤」とは、フィルターの一部として提供すると、フィルターが油性ミスト粒子を捕集する能力を改善する添加剤を意味する。
【0027】
「ポリマー」とは、モノマーからできた高分子を意味し、ホモポリマー、共重合体、およびポリマー配合物が含まれる。
【0028】
「ポリマー材料」とは、少なくとも1種のポリマー、およびポリマーに加えておそらくはその他の成分も含む材料を意味する。
【0029】
「圧力低下」とは、気流がそれを通過するフィルター上流側および下流側間で、気流内の静圧が減少することを意味する。
【0030】
「呼吸マスク」とは、濾過マスクをはじめとするがこれに限定されるものではない、人の呼吸経路に着用されて汚染物質が着用者の気道に入るのを防止する、および/または着用者が呼吸中に放出する病原体またはその他の汚染物質への曝露から他の人々または物体を保護する、システムまたは装置を意味する。
【0031】
「第2の層」とは、気流が第1の層の通過後に遭遇するフィルター層を意味する。
【0032】
発明の好ましい実施態様の詳細な説明
発明のフィルターは、組み合わせると後述のDOP貫通/負荷試験完了時に低下しない除去効率を提供する、少なくとも2つの流体透過性エレクトレットフィルター層を含む。組み合わされたフィルターは、低下しない除去効率および比較的低い圧力低下を提供できる。低下しない油性ミスト除去効率を減少した圧力低下と組み合わせることで、発明のフィルターは、例えば無動力呼吸マスクおよびその他の装置内でフィルターを使用した際に、改善された使用者快適性を提供できる。
【0033】
本発明で使用されるエレクトレットフィルター層は、疑似永久電荷を示す。好ましくは各層が「持続的」電荷を示し、これはエレクトレットウェブが用いられる通常容認される製品耐用年数にわたり、繊維中、したがって繊維性ウェブまたはフィルター中に電荷が備わっていることを意味する。電荷減衰の時定数特性は、好ましくはエレクトレットフィルターまたはエレクトレットフィルター層が使用される期間よりもはるかに長い。
【0034】
多くの場合、本発明のフィルターは、NIOSHのPシリーズ基準に倣った試験手順に基づいて特徴づけられるが、この文献で述べられた判定基準を満たすフィルターは、その他の種々の基準を満たすのにも有用かもしれない。例えば本発明のフィルターは、米国内外のその他の政府および/または非政府組織が策定する試験および基準を満たすかもしれない。
【0035】
図1は、片側に第1の主面12、そして反対側に第2の主面14を有するフィルター10の横断面を示す。フィルター10は、好ましくは双方がフィルター10の主面上で互いに隣接する第1のエレクトレットフィルター層20および第2のエレクトレットフィルター層30を含む。
【0036】
フィルター10中の各層は均質として描かれるが、第1および第2のエレクトレットフィルター層20、30は、そのようであってもなくても良い。層は、例えば後述するように2つ以上の構成要素を含んでも良い。さらに各層は、組合わさって第1のエレクトレットフィルター層20または第2のエレクトレットフィルター層30の1つを提供する、2つ以上の下層を含んでも良い。さらに例えば第1のエレクトレットフィルター層20と第2のエレクトレットフィルター層30のそれぞれを独立して製造した後に組合わせて、第1のエレクトレットフィルター層20と第2のエレクトレットフィルター層30間の境界をはっきりと画定しても良い。代案としては例えば層の1つを他方の層の上にメルトブローン(meltblown)繊維を集めて製造して、第1のエレクトレットフィルター層20と第2のエレクトレットフィルター層30間の境界をよりあいまいに画定しても良い。
【0037】
フィルター10に関して使用する場合、「第1の」および「第2の」層と言う用語は、フィルター10を介した通気方向での層20および30の逐次的順序を意味する。油性ミスト試験に対するフィルター10の性能は、第1のエレクトレットフィルター層20および第2のエレクトレットフィルター層30が、通気に対して呈示される順序によって変化する。第1のエレクトレットフィルター層20は、所望の除去効率および圧力低下の組み合わせを得るために、第2のエレクトレットフィルター層30の前に気流に遭遇しなくてはならない。
【0038】
第1のエレクトレットフィルター層20および第2のエレクトレットフィルター層30は、あらゆる適切な技術によって互いに付着させて、フィルター10を形成できる。適切な付着技術の例としては、機械的からみ合い、繊維と繊維の溶着、および接着結合が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0039】
さらに図示されないが、フィルター10は、フィルター10のどちらかの側に位置する、および/または第1のエレクトレットフィルター層20と第2のエレクトレットフィルター層30との間に介在する、1つ以上の追加層を含んでも良い。可能な追加層のいくつかの例としては、炭素ウェブ、スクリムなどが挙げられる。別のバリエーションでは、フィルター10は、第2のエレクトレットフィルター層30から空気によって隔てられた、第1のエレクトレットフィルター層20を含んでも良い。このような構造体の一実施例は、カートリッジフィルターアセンブリーである。上述のように重要なパラメータは、濾過される気流が、第2のエレクトレットフィルター層30を通過する前に、第1のエレクトレットフィルター層20を通過することである。
【0040】
第1のエレクトレットフィルター層20および第2のエレクトレットフィルター層30のどちらも、帯電した繊維性ポリマーウェブの形態で提供できる。フィルター10は油性ミスト環境中で使用されるので、片方または双方の層がフルオロケミカル性能増強添加剤を含んで、油性エアロゾル濾過能力を改善しても良い。
【0041】
第1のエレクトレットフィルター層20は、第1のポリマー材料を含有する繊維を含み、第2のエレクトレットフィルター層30は、第2のポリマー材料を含有する繊維を含む。第1および第2のポリマー材料は、同じでも異なっても良い。しかし好ましくは、第1および第2のポリマー材料は、第1のエレクトレットフィルター層20と第2のエレクトレットフィルター層30を共に付着して、フィルター材料10を形成するのに使用される技術と適合性である。第1および第2のエレクトレットフィルター層20、30で有用な、適切なポリマーとポリマー材料に関するより詳細な考察を以下に述べる。第1のエレクトレットフィルター層20は、第1の性能増強添加剤を含有しても良く、第2のエレクトレットフィルター層30は、第2の性能増強添加剤を含有しても良い。第1および第2の性能増強添加剤は、同じでも異なっても良い。
【0042】
第1のエレクトレットフィルター層20および第2のエレクトレットフィルター層30で使用されるポリマー材料は、好ましくは実質的に、導電率を増大する、さもなければ静電荷を受容して保持するポリマー材料の能力に干渉する、帯電防止剤などの材料を含まない。さらに第1のエレクトレットフィルター層20および第2のエレクトレットフィルター層30は、好ましくは、第1のエレクトレットフィルター層20および第2のエレクトレットフィルター層30中の材料の導電率を増大するかもしれない、γ線への曝露、UV照射、熱分解、酸化などをはじめとする、不必要なまたは潜在的に有害な処理を受けない。このようにして好ましい実施態様では、エレクトレットフィルター10は、γ線照射またはその他の電離照射に暴露されることなく作られて使用される。
【0043】
本発明のフィルター10中の第1のエレクトレットフィルター層20および第2のエレクトレットフィルター層30は、様々なやり方で特徴づけることができる。しかしフィルター10の性能の中心は、層群の相対的な濾過性能である。第1のエレクトレットフィルター層20は、概してフィルター10全体としての負荷曲線の形状を決定し、フィルター10により気流から捕集された試験用エアロゾルの大部分も除去する。その結果、第1のエレクトレットフィルター層の低下しない除去効率曲線は、好ましくはフィルター10全体としての除去効率曲線を決定する。
【0044】
DOP貫通/負荷試験に従って試験すると、第1のエレクトレットフィルター層20が低下しない除去効率曲線を示すのに対し、第2のエレクトレットフィルター層30は低下した除去効率を示す。第2のエレクトレットフィルター層30の低下した除去効率は、フィルター10全体としての所望の低下しない除去効率に逆行する。
【0045】
第2のエレクトレットフィルター層30は、第1のエレクトレットフィルター層20の初期品質係数よりも大きい初期品質係数を示す。フィルターまたはフィルター層の品質係数は、貫通および圧力低下に基づくフィルター性能の尺度である。フィルターの初期品質係数(QF)は、以下の等式
QF=(−ln(DOP%貫通/100))/圧力低
(式中、DOP%貫通は、後述のDOP負荷/貫通試験で求めた初期貫通であり、圧力降下は後述の圧力低下試験に従ってmmH0で測定される。)に従って計算される。概してより高い初期品質係数は、より低い初期品質係数を有するフィルターとの比較で、より良い初期濾過性能を示す。
【0046】
第1のエレクトレットフィルター層20が、フィルター10によって捕集された試験用エアロゾルの大部分を除去するのに対し、より高い品質係数を有する第2のエレクトレットフィルター層30は、フィルター10全体をはさんだ圧力降下を著しく増大することなく、好ましくは第1のエレクトレットフィルター層20を通過した試験用エアロゾルのかなりの部分を除去する。
【0047】
第1のエレクトレットフィルター層20および第2のエレクトレットフィルター層30の相乗効果はこのようなので、1つまたは2つの第1のエレクトレットフィルター層20を単独で、あるいは1つまたは2つの第2のエレクトレットフィルター層30を単独で使用して達成できる性能に比べて、全体的なフィルター性能(例えばNIOSHのPシリーズ負荷試験によって求められる)が改善される。さらに層の順序も重要であり、層の順序を逆転すると、気流が第1のエレクトレットフィルター層20の後に第2のエレクトレットフィルター層30に遭遇するフィルターと比較して、濾過性能が低下する。
【0048】
第1および第2のエレクトレットフィルター層に加えて、発明との関連で使用するのに適切なその他のエレクトレットフィルター材料としては、米国特許番号Re.30,782およびRe.32,171、および国特許番号第4,798,850号で述べられたウェブが挙げられるが、これに限定されるものではない。ミネソタ州セントポールのMinnesota Mining and Manufacturing Companyが市販するFILTRETEフィルターで使用される繊維性ウェブ、およびイリノイ州イングルサイドのAll Felt,Inc.が市販するTECHNOSTATフィルターで使用されるウェブが、本発明で使用するのに適切かもしれない。性能について試験するとこれらのウェブの品質係数は、それぞれ3.7および3.5と測定される。TECHNOSTATフィルター層はスクリムを含む。
【0049】
第1のエレクトレットフィルター層20は、(a)気流からフィルター全体によって捕集された試験用エアロゾル(DOP)の大部分の除去、および(b)低下しない除去効率という2つの特性を示す。第2のエレクトレットフィルター層30は、低下した除去効率を示すこと、および第1のエレクトレットフィルター層20の初期品質係数よりも大きい初期品質係数を有することで特徴づけることができる。第2のエレクトレットフィルター層30の初期品質係数は、好ましくは少なくとも約0.5以上、より好ましくは少なくとも約0.6以上、さらにより好ましくは約0.8以上、そしてまたさらにより好ましくは約1.0以上である(初期品質係数はDOP貫通/負荷試験の結果に基づいて求められる)。
【0050】
上で述べたパラメータに加えて、本発明のフィルター10中の第1のエレクトレットフィルター層20および第2のエレクトレットフィルター層30は、2つの異なる層の相対基本重量を使用して特徴づけることができる。発明のフィルターを特徴付けるこの方法は、フィルター層がメルトブローン繊維ポリマーウェブである場合に、特に有用かもしれない。このようなフィルター10中の第1のエレクトレットフィルター層20は、好ましくは第2のエレクトレットフィルター層30の基本重量よりも大きい基本重量を有しても良い。より好ましくは第1のエレクトレットフィルター層20の基本重量と第2のエレクトレットフィルター層30の基本重量の比率は約1.25:1以上であっても良く、さらにより好ましくは比率は約1.5:1以上であっても良い。
【0051】
第1および第2のフィルター層は、メルトブローン繊維を含有できる。メルトブローン繊維は、Van A.Wente著、Superfine Thermoplastic Fibers,48,Indus.Engn.Chem.,1342〜46頁(1956)、およびVan A.Wenteら著、Manufacture of Super Fine Organic Fibersと題された1954年5月25日に出版されたNaval Research Laboratoriesの報告No.4364で述べられた技術に従って作ることができる。その他の適切かもしれない繊維としては、スパンボンド繊維が挙げられる。好ましくは繊維は、約30μm以下の有効繊維径を有する繊維であるマイクロファイバーである。濾過用途では、繊維はDavies,C.N.著、The Separation of Airborne Dust and Particles,Institution of Mechanical Engineers、ロンドン、会報1B(1952)、特に等式番号12で述べられた方法に従った計算で、好ましくは20μm未満、そしてより好ましくは約1〜約10μmの有効繊維径を有するマイクロファイバーである。第1のエレクトレットフィルター層および第2のエレクトレットフィルター層は、好ましくは約30〜500g/m、より好ましくは約50〜250g/m、そしてさらにより好ましくは約100〜200g/mの総合基本重量を有する。軽すぎるまたは薄すぎるフィルターは、脆すぎるかもしれず、あるいは不十分な濾過能力を有するかもしれない。多くの用途では、第1のエレクトレットフィルター層および第2のエレクトレットフィルター層の総合厚さは、厚さ約0.5〜15mmであり、一般には厚さ約1〜5mmである。これらの基本重量および厚さのエレクトレットフィルターは、例えば呼吸マスクにおいて特に有用かもしれない。
【0052】
圧力低下については、本発明のフィルターが(圧力低下試験に従った測定で)、約12mmH0以下、より好ましくは約10mmH0以下、そしてさらにより好ましくは約8mmH0以下の圧力降下を示すのが好ましいかもしれない。
【0053】
発明のフィルターを呼吸マスクで使用する場合、それらを例えば成形または折り畳みハーフマスク、交換可能カートリッジまたは二酸化炭素吸収装置用フィルター要素、またはプレフィルターの形態で特別に造形し、あるいは内蔵しても良い。
【0054】
濾過マスク40の形態の一呼吸マスクの実施例を図2および3に示す。マスク本体42は、湾曲した半球形であることができ、あるいは所望のその他の形状をとることができる(例えば米国特許番号第5,307,796号および第4,827,924号を参照されたい)。マスク40では、エレクトレットフィルター材料44は、カバーウェブ43と内部の付形層45の間にはさまれる。付形層45はマスク本体42に構造を、そしてフィルター材料44に支えを提供する。
【0055】
付形層45は、フィルター材料44のどちら側に位置しても良く、例えばカップ型形状に成形された熱ボンド性繊維の不織ウェブから作ることができる。付形層は、既知の手順に従って成形できる(例えば米国特許番号第5,307,796を参照されたい)。付形層または層群は典型的に、より低い融点の材料の被覆に囲まれた、ポリエチレンテレフタレートなどの高融点材料の核を有する複合繊維からできているので、型内で加熱すると付形層は型の形に従い、室温に冷却するとこの形を保持する。フィルター層などの別の層と一緒にプレスすると、低融点の被覆材料は層群を共に結合する役目も果たすことができる。
【0056】
着用者の顔面にマスク40をぴったり保持するために、マスク本体42はそれに付着したストラップ52、つなぎ紐、マスクハーネスなどを有することができる。アルミニウムなどの金属の可撓性の柔らかいバンド54をマスク本体42の上に提供し、それが成形されて、マスク40が着用者の鼻の上に所望の適合する関係に保持されるようにできる(例えば米国特許番号第5,558,089号を参照されたい)。本発明の呼吸マスクは、追加的な層、弁(例えば米国特許番号第5,509,436号を参照されたい)、成形面体などを含んでも良い。本発明の改善されたエレクトレットフィルター材料を組み込める呼吸マスクの例としては、米国特許番号第4,536,440号、第4,827,924号、第5,325,892号、第4,807,619号、第4,886,058号、および米国特許出願第08/079,234号で述べられたものが挙げられる。
【0057】
本発明のフィルター10で使用されるいくつかの好ましい第1のエレクトレットフィルター層20および第2のエレクトレットフィルター層30の構造については、下で別々により詳細に述べる。しかし好ましいエレクトレットフィルター層は、いくつかの共通の特性を示す。
【0058】
この発明で有用な繊維の製造に使用するのに適切なかもしれないポリマーとしては、熱可塑性有機非導電ポリマーが挙げられる。ポリマーは、本質的に多数のモノマーから作られる反復する長鎖構造単位から成る、合成的に製造された有機高分子であることができる。使用されるポリマーは、大量の捕捉荷電を保持できるべきであり、メルトブローン装置またはスパンボンド装置などを介して繊維に加工できるべきである。「有機」と言う用語は、ポリマー主鎖が炭素原子を含むことを意味する。「熱可塑性」と言う用語は、熱に曝すると軟化するポリマーまたはポリマー材料を指す。「非導電」と言う用語は、室温(22℃)で約1014Ωcmを越え、より好ましくは約1016Ωcmを越える体積抵抗率を有することを意味する。ポリマーは好ましくは、非一過性または長期的捕捉荷電を持つ能力を有する。Klaaseらが米国特許番号第4,588,537号で報告したように、有用なポリマーとしてはポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、直鎖低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、およびそれらのポリマーの組み合わせが挙げられる。ポリプロピレンは、高い抵抗率、空気濾過に有用な径を有するメルトブローン繊維を形成する能力、および十分な電荷安定性、疎水性、および耐湿性を有するので、各ポリマーの主要構成要素は、好ましくはポリプロピレンである。一方、ポリプロピレンは典型的に疎油性でない。ポリマー材料は、約90〜99.8重量%のポリマー、代案としては約95〜99.5重量%、そしてさらに別の代案としては約98〜99重量%のポリマーを含有しても良い。
【0059】
性能増強添加剤は、試験方法セクションで述べるDOP貫通/負荷試験による測定で、フィルターの油性エアロゾル濾過能力を向上させる添加剤である。特定の性能増強添加剤としては、Jonesらが米国特許番号第5,472,481号で、Rousseauらが米国特許番号第5,908,598号で述べたものが挙げられる。性能増強添加剤は、Craterらに付与された米国特許番号第5,025,052号で述べられたようなフルオロケミカルオキサゾリジノンや、フルオロケミカルピペラジンや、過フルオロアルコールのステアリン酸エステルなどのフルオロケミカル添加剤を含んでも良い。
【0060】
ポリマーエレクトレットフィルターの濾過特性を改善する実証された有効性から考えて、性能増強添加剤は好ましくはフルオロケミカルであり、より好ましくはフルオロケミカルオキサゾリジノンである。好ましくはフルオロケミカルは、ポリマー材料の融点を越え、ポリマー材料を含有する繊維が製造される押出し温度に満たない融点を有する。ポリプロピレンの使用を伴う加工への考慮から、フルオロケミカルは好ましくは約160℃を越える融点、より好ましくは約160℃〜290℃の融点を有する。特に好ましいフルオロケミカル添加剤としては、Jonesらに付与された米国特許番号第5,411,576号で開示された添加剤A、B、およびCが挙げられる。
【0061】
ポリマーおよびポリマー材料中の性能増強添加剤は、それらを融解する前に固体で混合できるが、構成要素は好ましくは別々に融解されて液体として一緒に混合される。代案としては、性能増強添加剤およびポリマーの一部を固体で混合して融解し、比較的添加剤に富んだ溶融した配合物を形成して、続いてそれを添加剤を含まないポリマーと組み合わせ、ポリマー材料中で2つの構成要素の所望の比率を達成できる。
【0062】
次に溶融した配合物は、フィルムまたは繊維などの所望の形態に成形される。典型的に溶融した配合物は、ダイを通して押出して成形されるが、他の方法で、静電界に引き出すなどの代案の工程で配合物を成形することもできる(例えばY.Trouilhet著「New Method of Manufacturing Nonwovens By Electrostatic Laying」Index 81,Congress Papers,Advances In Web Forming,European Disposables And Nonwovens Association、アムステルダム、1981年5月5から〜7日を参照されたい)。一例の押出し工程では、2台の押出し機を使用して、約10〜約20重量%の添加剤と約80〜約90重量%のポリマーを第1の押出し機内で混合する。この添加剤含量が比較的高い溶融した配合物を溶融したポリマー(添加剤を含有しない)と共に、第2の押出し機内に供給して配合物を形成し、それをダイオリフィスを通じて押出す。添加剤含量が高い溶融した配合物は、好ましくはダイを通じて溶融材料が押出される直前に、添加剤を含まないポリマーと組み合わされる。
【0063】
この押出し機2台による方法によって、性能増強添加剤が高温に暴露される時間を短縮できる。押出し中の温度は好ましくは制御されて、所望の押出し物レオロジーが提供され、性能増強添加剤熱の劣化が回避される。異なる押出し機は典型的に異なる温度プロフィールを必要とし、特定のシステムのために押出し条件を最適化するため、いくつかの実験が必要かもしれない。好ましいポリプロピレン/フルオロケミカル配合物のために、押出し中の温度は好ましくは約290℃未満に保たれ、フルオロケミカル性能増強添加剤の熱劣化が減少される。押出し機を使用する場合、それらは好ましくはより良好な混合のために二軸スクリュータイプである。適切な押出し機は、例えばWerner & PfleidererまたはBerstorff社などから入手できる。溶融した配合物は好ましくはダイを通して押出され、より好ましくは配合物はメルトブローン条件下でダイを通して押出される。
【0064】
好ましい第1および第2のエレクトレットフィルター層で使用されるポリマー繊維は、被覆−核の形状であることができ、その場合、上述の配合物について述べられたように、被覆は性能増強添加剤を含有すべきである。添加剤はまた、例えば1998年7月2日にJonesらによって出願された米国特許出願09/109,497で述べられた、表面フッ素化技術を使用してウェブを形成した後に、その上にのせても良い。
【0065】
本発明のフィルター中の第1および第2のエレクトレットフィルター層は、それぞれが、自立エレクトレットフィルター層に成形された、多くのエレクトレット繊維の形態でも良い。代案としては層は、支持構造と組合わさったエレクトレット繊維を少なくともいくらか含有する、ウェブの形態をとることができる。多くの濾過用途では、エレクトレットウェブは、無作為に自立塊として絡まった繊維を有する不織ウェブの形態である。メルトブローンマイクロファイバーを含有するウェブは、典型的にこの形態である。エレクトレットフィルター層は、いくつかの非エレクトレット材料と組み合わせることができる。例えば支持構造は、非エレクトレット繊維または支持非エレクトレット不織ウェブであることができる。好ましい実施態様では、第1および第2の層は、どちらも荷電したメルトブローンマイクロファイバーを含む不織ウェブを含む。
【0066】
第1および第2の層は、ステープルファイバーを含んで、より嵩高く、低密度のウェブを提供しても良い。ステープルファイバーを不織ウェブに組み込む方法は、Hauserに付与された米国特許番号第4,118,531号でで述べられたように実施できる。ステープルファイバーが使用される場合、ウェブは好ましくは90重量%未満、より好ましくは70重量%未満のステープルファイバーを含有する。単純さと性能を最適化する理由から、層はいくつかの実施態様では、性能向上添加剤を含んでも含まなくても良いメルトブローン繊維から、実質的に構成されても良い。
【0067】
第1および第2の層はまた、例えばアルミナおよび活性炭のような吸着剤粒子などの1つ以上の活性粒子状材料を含有しても良い。Senkusらに付与された米国特許番号第5,696,199号では、本発明に関連して使用するのに適切かもしれない活性粒子が開示される。粒子を層の片方または両方、あるいは層間に添加して、フィルターを通過する気流からの気体汚染物質の除去を助けても良い。粒子装填ウェブは、例えばBraunに付与された米国特許番号第3,971,373号、Andersonに付与された第4,100,324号、およびKolpinらに付与された第4,429,001号で述べられている。粒子状材料が層の片方または双方に装填される場合、各層は好ましくは80容積%未満、より好ましくは60容積%未満の粒子状材料を含有する。エレクトレットフィルターが気体汚染物質を除去する必要がない実施態様では、フィルターは吸着剤粒子を含まなくても良い。
【0068】
本発明のエレクトレットフィルターは、呼吸マスク、家庭用および産業用空調装置、暖房炉、空気清浄器、真空掃除器、医療用および送気管フィルター、そして車両およびコンピュータやディスクドライブなどの電子機器における空気清浄システムをはじめとする、多くの濾過用途で使い道がある。
【0069】
第1のエレクトレットフィルター層
発明のフィルターで使用するのに適切かもしれない第1のエレクトレットフィルター層は、Electret Articles And Filters With Oily Mist Resistanceと題された国際特許公報WO99/16532で述べられている。この文献で述べられたフィルターウェブは、気流から油性ミストを除去するウェブの能力を向上させる、1つ以上の所望の特性を概して示す。これらの所望の特性の1つは、性能増強添加剤と組合わさってウェブの油性ミスト濾過性能を向上させる、ウェブ中のポリマー繊維の低結晶化度である。
【0070】
低結晶化度のポリマー繊維を製造する一方法では、急冷を使用して、急冷工程がないポリマー材料の秩序性と比較して、ポリマー材料の秩序性または結晶化度を減少させる。急冷ステップは、溶融材料を所望の形状に変換するのと同時に、またはすぐその後に起きる。通常、繊維を形成する材料は、ダイオリフィスを通して押出して成形し、典型的にオリフィスを出た後に冷却流体を押出し物に適用して急冷する。
【0071】
第1のエレクトレットフィルター層の繊維中のポリマー材料は、好ましくは上述のように油性エアロゾル性能増強添加剤を含有する。第1のエレクトレットフィルター層内のポリマー材料は、好ましくは約0.2〜10重量%、より好ましくは約0.2〜5.0重量%、そして最も好ましくは約1.0〜2.0重量%の第1の性能増強添加剤を含んでも良い。
【0072】
第1のエレクトレットフィルター層がメルトブローンポリマー繊維のウェブである場合、第1のエレクトレットフィルター層は、典型的に約20〜約300g/m、より好ましくは約30〜約150g/mの総基本重量を有する。第1のエレクトレットフィルター層ウェブが緻密すぎると、荷電が困難になるかもしれない。第1のエレクトレットフィルター層ウェブが軽量すぎたり薄すぎたりすると、脆くなりすぎたり不十分な濾過能力を有したりするかもしれない。第1のエレクトレットフィルター層は、多くの用途で厚さが約0.3〜約10mm、そして一般には厚さが約0.5〜約3mmであっても良い。
【0073】
概して本発明の第1のエレクトレットフィルター層のために繊維を形成する、ポリマー材料のメルトブローンは、押出された材料がダイを出る際に好ましくは急冷または冷却されて、得られる繊維内のポリマー結晶化を最小化する修正された従来の手順を使用して実施される。適切な急冷技術としては、水の噴霧、揮発性液体の噴霧、あるいは二酸化炭素または窒素などの冷却された空気または極低温気体との接触が挙げられる。典型的に冷却流体(液体または気体)は、ダイオリフィスの約5cm以内に位置するノズルから噴霧される。ダイを通じて押出される材料の場合、冷却流体は好ましくは捕集前に、より好ましくはダイから押出された直後に溶融押出し物にぶつかる。例えばメルトブローン繊維の場合、溶融押出し物は好ましくは捕集前に不織ウェブの形態で急冷される。冷却流体は好ましくは水である。水は水道水でも良いが、好ましくは蒸留水または脱イオン水である。
【0074】
急冷されたポリマー材料からできたエレクトレットフィルターは、引き続いて徐冷し荷電すると、意外に良好な油性液体エアロゾル濾過性能を示す。急冷ステップにより、同一条件下で押出した急冷していないポリマー材料と比べて、ポリマー材料の結晶含量が低下する。急冷したポリマー材料は、好ましくはX線回折による測定で低結晶化度を有する。
【0075】
急冷後、第1のエレクトレットフィルター層内の繊維は、好ましくは不織ウェブの形態で捕集される。メルトブローン繊維は、典型的に回転ドラムまたは移動ベルト上で、不織ウェブとして捕集できる。好ましくは急冷および捕集ステップは、捕集された材料上に過剰な急冷流体が残らないように実施される(残留流体ある場合、それは典型的に水である)。捕集された材料上に残留する流体は、保管上の問題を引き起こすかもしれず、徐冷中に急冷流体を追い出すための追加的加熱が必要になるかもしれない。したがって捕集された材料は、好ましくは1重量%未満の急冷流体を含有し、より好ましくは残留急冷流体を含有しない。捕集装置は、繊維を捕集するにつれて乾燥機構に向けて捕集したウェブを移動する、ウェブ移動輸送機構を含んでも良い。好ましい工程では、ウェブを連続的に製造できるように、捕集装置が無限経路を連続的に移動する。捕集装置は、例えばドラム、ベルトまたはスクリーンの形態でも良い。実質的に繊維を収集するのに適切なあらゆる装置または操作が、本発明と関連して使用するのに考察された。適切かもしれない捕集装置の例は、Uniform Meltblown Fibrous Web And Mathod And Apparatus For Manufacturingと題された米国特許出願第09/181,205号で述べられている。
【0076】
急冷されたポリマー材料を徐冷して、油性ミスト存在下での静電荷安定性を増大できる。好ましくは性能増強添加剤は、フルオロケミカルなどの低エネルギー表面を呈示する物質であり、徐冷ステップは十分な時間十分な温度で実施されて、ポリマー材料界面(例えばポリマーと空気の界面、および結晶と非結晶相間の境界)への添加剤拡散を引き起こす。概してより高い徐冷温度により、徐冷時間が短縮できるようになる。最終製品のために所望の特性を得るため、ポリプロピレンを含有するポリマー材料の徐冷は、約100℃を超える温度で実施すべきである。好ましくはポリプロピレン含有ポリマー材料の徐冷は、約130〜155℃で約2〜20分間、より好ましくは約140〜150℃で約2〜10分間、そしてさらにより好ましくは約150℃で約4〜5分間実施される。徐冷は、好ましくは実質的にウェブ構造を劣化しない条件下で実施される。ポリプロピレンウェブでは、ウェブ構造が破損するかもしれないので、実質的に約155℃を越える徐冷温度は望ましくないかもしれない。
【0077】
第1のエレクトレットフィルター層のポリマー材料は、好ましくは急冷され徐冷された後に帯電される。発明で有用な帯電方法の例としては、Tsaiらに付与された米国特許番号第5,401,446号、Wadsworthらに付与された第4,375,718号、Klaaseらに付与された第4,588,537号、およびNakaoに付与された第4,592,815号で述べられたものが挙げられる。ポリマー材料はハイドロチャージ(hydrocharge)されても良い(Angadjivandらに付与された米国特許番号第5,496,507号を参照されたい)。カット繊維を擦ることで、あるいは異種繊維と共に振盪することで摩擦荷電できる(Brownらに付与された米国特許番号第4,798,850号を参照されたい)。好ましくは荷電工程は、材料にコロナ放電またはパルス高電圧を印加することを伴う。
【0078】
発明のフィルター中で、第1の層に使用されるエレクトレットフィルターウェブは、熱刺激放電電流(TSDC)試験によって特徴付けできる。荷電製品は、サンプルを2個の電極間に置いてサンプルを定速で加熱することにより、直接試験できる。サンプルから放電される電流は、電流計によって測定される。サンプルから放電される電流は、試験される製品の分極率と捕捉電荷の関数である
【0079】
代案としては、荷電製品を最初に高温で電界中において分極し、次に極性化域を誘発分極で「凍結」したまま、ポリマーのガラス転移温度(T)未満の温度に急速に冷却できる。次にサンプルを定速で加熱して、得られる放電電流を測定する。分極過程では、双極的アラインメント、電荷再分布、あるいはこれらのいくつかの組み合わせが生じるかもしれない。
【0080】
TSDC試験中に、エレクトレット中に蓄積された電荷は可動性になり、反対符号の電荷と再び組み合わされて、電極において、あるいはバルクサンプル中で中和される。これによって外部電流が生じ、温度の関数として記録して(TSDCスペクトルと称される)グラフにプロットすると多数のピークが示される。これらのピークの形状と位置は、電荷捕捉エネルギーレベルと、捕捉部位の物理的位置に左右される。
【0081】
エレクトレット電荷は通常、不純物、モノマー単位の欠陥、鎖形不規則性などの構造異常中に蓄積される。TSDCピークの幅は、エレクトレット中の電荷捕捉レベルの分布によって影響される。半結晶ポリマー中では、相導電率の違いのために、電荷が非結晶−結晶界面近辺で、蓄積または枯渇することが多い(Maxwell−Wagner効果)。これらの捕捉部位は通常、異なる捕捉エネルギーと結びついており、そこでは活性化エネルギーの連続的分布が予期され、TSDCピークは重なり合って幅広いピークになることが予期される。
【0082】
WO99/16532で述べられるように、TSDCスペクトルにおける様々な特徴が、優れた油性ミスト負荷性能と相関している。第1のエレクトレットフィルター層材料の優れた濾過性能と相関するTSDCスペクトルの特徴としては、下で考察する特徴が挙げられる。
【0083】
一実施態様では、TSDC試験手順1による測定で、サンプル融解温度を約15℃〜30℃、より好ましくは約15℃〜25℃下回る温度でピークを示すTSDCスペクトルを有する、エレクトレットフィルターまたはフィルター層が製造される。サンプルポリマー材料中のポリマーがポリプロピレンである場合、TSDCスペクトルは、約130〜約140℃でピークを示す。
【0084】
別の実施態様では、TSDC試験手順2による測定で、約30℃未満の半値幅、より好ましくは約25℃未満の半値幅、そしてさらにより好ましくは約20℃未満の半値幅で、TSDCスペクトルにピークを有するエレクトレットフィルターまたはフィルター層が製造される。サンプルのポリマー材料中のポリマーがポリプロピレンである場合、上述の狭いピークは、約138〜142℃に最大値を有する。
【0085】
さらに別の実施態様では、TSDC試験手順3による測定で、1〜5分間、および/または5〜10分間の分極時間にわたり、増大する電荷密度示すエレクトレットフィルターまたはフィルター層が製造される。
【0086】
第2のエレクトレットフィルター層
発明のフィルター中の好ましい第2のエレクトレットフィルター層は、好ましくは第2の油性ミスト性能増強添加剤を含む、不織帯電繊維性ポリマーウェブを含んでも良い。
【0087】
第2のエレクトレットフィルター層の荷電は、好ましくは例えばAngadjivandらに付与された米国特許番号第5,496,507号で述べられたように、ハイドロチャージによって実施されても良い。ハイドロチャージは、濾過を向上させるエレクトレット電荷をウェブに提供するのに十分な圧力で、ジェット水流あるいは水滴のストリームをウェブに衝突させて達成される。最適結果を達成するのに必要な圧力は、使用する噴霧器タイプ、それからウェブが形成されるポリマータイプ、ウェブの厚さと密度、およびコロナ荷電などの処理がハイドロチャージ前に実施されるかどうかによって変化する。概して約10〜500psi(69〜3450kPa)の範囲の圧力が、適切である。好ましくは水滴を提供するのに使用される水は、比較的純粋である。水道水よりも蒸留水または脱イオン水の方が好ましい。ジェット水流または水滴のストリームは、あらゆる適切な噴霧手段によって提供できる。ハイドロエンタングルメント(水力による繊維同士の絡み合わせ)繊維で有用な装置は本発明方法でも概して有用であるが、ハイドロチャージでは、操作が概してハイドロエンタングルメントで使用されるよりも低い圧力で実施される。
【0088】
代案としては第2のエレクトレットフィルター層が、第1のエレクトレットフィルター層に関連して考察した方法に従って荷電できる。
【0089】
第2のエレクトレットフィルター層の繊維中に含有されるポリマー材料は、好ましくは上述のように油性エアロゾル性能増強添加剤を含む。第2のエレクトレットフィルター層内のポリマー材料は、約0.2〜10重量%、代案としては約0.5〜5.0重量%、そしてさらに別の代案では約0.5〜1.5重量%の第2の性能増強添加剤を含有しても良い。
【0090】
フィルター材料の第2のエレクトレットフィルター層が、メルトブローン繊維を含有するウェブである場合、第2のエレクトレットフィルター層は、典型的に約10〜約200g/m、より好ましくは約20〜約100g/mの総基本重量を有する。第2のエレクトレットフィルター層ウェブが緻密すぎると、荷電するのが難しいかもしれない。第2のエレクトレットフィルター層ウェブが軽量すぎたり薄すぎたりすると、脆くなりすぎたり不十分な濾過能力を有したりするかもしれない。多くの用途で第2のエレクトレットフィルター層ウェブは、厚さ約0.2〜約5mm、そして一般には厚さ約0.5〜約2mmであっても良い。
【0091】
試験方法
以下の試験方法を使用して、発明の層およびフィルター材料の記述した特性を求めた。
【0092】
ウェブ厚/基本重量
ウェブ厚は、10cm径ディスク上で230gのおもりを使用して、ASTM D1777−64に従って測定した。
【0093】
基本重量を5.25インチ(13.3cm)径ディスクの重量から計算した。
【0094】
圧力低下試験(Pressure−drop Test)
ASTMF778に従って、圧力降下を測定した。暴露径15.2cmの円形フィルターを通過する流速85L/分を使用して、この発明に関連して述べた圧力低下を測定した。面速は7.77cm/秒であった。
【0095】
DOP貫通/負荷試験(DOP Penetration/Loading Test)
チャレンジDOPエアロゾルに対する長期曝露中に、サンプルを通る制御DOPエアロゾルのDOP%貫通、並びにサンプル中のDOP負荷をモニターして、ジオクチルフタレート(DOP)の測定を実施した。
【0096】
DOPエアロゾルに適合させた、8110または8130型自動フィルター試験器(AFT)(ミネソタ州セントポールのTSI Incorporatedから入手できる)を使用して測定を行った。8110および8130AFT装置によって生じるDOPチャレンジエアロゾルは、名目上単分散の質量中央径0.3μmであり、標準重量測定フィルターによる測定で、上流濃度約100mg/mを有した。試験したサンプルは、全てエアロゾルイオン化装置のスイッチを入れて、フィルターウェブサンプルを通る流速85L/分(LPM)で試験した。サンプルを6.75インチ(17.15cm)径のディスクに切断した。ディスクの2枚を互いに直接重ねて、6.0インチ(15.2cm)径の円がエアロゾルに暴露するように、ディスクをサンプルホルダーに取り付けた。試験中の面速は、7.77cm/秒だった。サンプルをサンプルホルダーに挿入する前に秤量した。NIOSH規程に基づけば、試験は200±5mgのDOPへの曝露後に完結したとみなされたが、各試験は少なくとも600mgのDOPに曝露するまで継続した。
【0097】
DOP%貫通は次のように定義される。
DOP%貫通=100(DOP下流濃度/DOP上流濃度)
式中、上流濃度と下流濃度の比率は光散乱によって測定した。AFT装置により自動的にDOP%貫通を計算した。典型的に初期DOP%貫通の値は、試験で最初に記録された%貫通から得られ、初期DOP貫通は試験手順の最初の1分間以内に、フィルターサンプルに導入される最初の10mgのDOP試験用エアロゾルから得られた。
【0098】
DOP%貫通と対応する圧力降下データは、付属するコンピュータに伝達されてそこで保存された。試験終了後、装填されたサンプルを場合によっては再度秤量し、繊維性ウェブサンプル上に捕集されたDOP量をモニターした。これは繊維性ウェブで測定されたDOP濃度、および測定されたウェブを通るエアロゾルの流速から外挿されたDOP曝露量を照合する役目を果たす。
【0099】
熱刺激放電電流(TSDC)
TSDC試験は、コネチカット州スタムフォードのTherMold Partners,L.P.,Thermal Analysis Instrumentsから入手できるピボット電極付きSolomat TSC/RMA91000型を使用して実施した。ウェブサンプルを切断しSolomat TSC/RMAの電極の間に置いた。Solomat装置内では、温度計をサンプルに隣接して接触させずに配置した。ウェブサンプルは光学的に稠密でなくてはならず、すなわちサンプルウェブを通る可視的な孔があってはならない。サンプルは上の接触電極を完全に覆うのに十分大きくなくてはならない。電極は約7mm径であるので、サンプルは7mm径よりも大きく切断した。電極に良好に電気的接触するように、ウェブサンプルを約10分の1の厚さに圧縮した。空気をサンプルチャンバーから排出し、圧力約110,000Paのヘリウムで置き換えた。液体窒素冷却を使用した。
【0100】
TSDC試験手順1(TSDC Test Procedure 1)
25℃から開始して加熱速度3℃/分で、非分極サンプルの放電電流を測定した。電極の間に配置する際、サンプルを反対方向に向けたことを除いて、同一ウェブからの2個のサンプルを同様に試験した。約110℃を超える温度で正の放電電流を生じるように向いたサンプルについて、ピーク(群)を測定した。
【0101】
加熱速度10℃/分で実施される示差走査熱量測定(DSC)によってサンプルの融解温度を求め、第2のDSC加熱サイクル中に観察される融解によって引き起こされるピーク最大値として定義した(すなわち融解温度を越える加熱、冷却によるサンプル凍結、および再加熱後に観察されるピーク)。
【0102】
TSDC試験手順2(TSDC Test Procedure 2)
サンプルをTSDC試験手順1で試験して、サンプルの正しい向きを求めた。次にSolomat TSC中で、TSDC試験手順1のより低い温度ピークにおいて、正の放電電流を生じる方向にサンプルを向けた。
【0103】
次に上述の装置内で印加電界2.5kV/mmにおいて、サンプルを100℃で1、5、10または15分間分極させて試験した。電界をオンにしてサンプルを(装置の最大速度で)急速に−50℃に冷却した。サンプルを−50℃に5分間保ち電界をオフにして、次に放電電流を測定しながら3℃/分で加熱した。0〜約30℃の曲線の傾きに基づいて基線を引き、ピーク半値幅を測定して各ピークのピーク半値幅値を計算した。
【0104】
TSDC試験手順3(TSDC Test Procedure 3)
この手順は、選択されたピークの各側の最小値間に基線を引いて、各分極時間におけるサンプルの電荷密度を計算したこと以外は、TSDC試験手順2と同一である。ピークの高温側に最小値が存在しない場合は、ピークの低温側の最小値と、電流0に曲線が交差する、または外挿されて交差するピークの高温側の点との間に基線を引いた。ピークの下の面積を積分して、電荷密度を計算した。
【0105】
実施例
以下の比較例A〜Dを提供して、発明の理解の一助とする。
【0106】
比較例A
WO99/16532の実施例7で述べられたのと同様の方法により製造されたフィルター材料の2つの層を使用して、フィルターを作った。この実施例とWO99/16532の実施例7の製造方法の違いは、水の噴霧急冷にあった。この実施例のためのフィルター層は、10個のノズルを含む噴霧バー(イリノイ州ホイートンのSprayingSystems Co.からの流体キャップ2850およびエアキャップ73320付き空気噴霧圧力スプレー装備SU14)で水噴霧急冷した。噴霧バーはウェブ中心線の17.8cm上、ダイチップから約2.5cm下流に装着した。空気圧を20psi(140kPa)に設定し、水圧を35psi(240kPa)に設定した。ダイを出る溶融したポリマーストリームに、各ノズルが分当たり水80mlの速度で、平坦な扇状の水滴をデリバリするように流量計を調節した。
【0107】
フィルター内の2つの層のそれぞれは、(総フィルター基本重量200g/mに対して)100g/mの基本重量、圧力降下約5.5mmHO、厚さ1.5mm、および初期品質係数0.45を有した。上述のDOP貫通/負荷試験に従ってフィルターを試験し、結果を図4に図示した。フィルターは、試験完了時(200±5mg)並びに少なくともDOP約600mgまで、低下しない除去効率を示した。このフィルター構造体は、上述のNIOSHのPシリーズの要求条件を満たした。
【0108】
このフィルター構造体は、ASTM F778に従った測定により、10.9mmHOの初期圧力降下を示した。
【0109】
比較例B
以下の例外を除いて、比較例Aで述べられたのと同様の方法により製造されたフィルター材料の2つの層を使用してフィルターを作った。Fina Oil and Chemical Companyから入手できるFina3960ポリプロピレン樹脂を使用して、ダイへの供給速度を時速45kgに設定した。水による急冷を行わなかった。濾過を向上させるエレクトレット電荷をウェブに提供するのに十分な圧力で、水滴のストリームをウェブに衝突させて、米国特許番号第5,496,507号で述べられたようにして、ウェブをハイドロチャージし、次に乾燥した
【0110】
フィルター内の2つの層のそれぞれは、(総フィルター基本重量66g/mに対して)33g/mの基本重量、圧力降下約1.7mmHO、厚さ0.58mm、および初期品質係数1.6を有した。上述のDOP貫通/負荷試験に従ってフィルターを試験し、結果を図5に図示した。フィルターは(200±5mgでの)試験完了時、並びに少なくともDOP約600mgまで、低下した除去効率を示した。その結果このフィルター構造体は、上述のNIOSHのPシリーズの要求条件を満たさなかった。
【0111】
このフィルター構造体は、ASTM F778に従った測定により、2.8mmHOの初期圧力降下を示した。
【0112】
比較例C
異なるフィルター材料の2つの層を使用してフィルターを作った。フィルター材料の第1の層は、上述の比較例Bの層の1つと同じ構造を有し、フィルター材料の第2の層は、上述の比較例Aの層の1つと同じ構造を有した。フィルターを上述のDOP貫通/負荷試験に従って試験し、試験結果を図6に図示した。フィルターは(200±5mgでの)試験完了時、並びに少なくともDOP約600mgまで、低下した除去効率を示した。その結果このフィルター構造体は、上述のNIOSHのPシリーズの要求条件を満たさなかった。
【0113】
このフィルター構造体は、ASTM F778に従った測定により、7.8mmHOの初期圧力降下を示した。
【0114】
比較例D
試験前に双方の層を温度95℃に保持されるオーブンに15時間入れたこと以外は、上述の比較例Bのフィルター材料の2つの層を使用して、フィルターを作った。
【0115】
フィルター内の2つの層のそれぞれは、(総フィルター基本重量66g/mに対して)33g/mの基本重量および初期品質係数0.8を有した。フィルターを上述のDOP貫通/負荷試験に従って試験し、試験結果を図7に図示した。フィルターは(200±5mgでの)試験完了時、並びに少なくともDOP約600mgまで、低下した除去効率を示した。その結果このフィルター構造体は、上述のNIOSHのPシリーズの要求条件を満たさなかった。
【0116】
このフィルター構造体は、ASTM F778に従った測定により、3.5mmHOの初期圧力降下を示した。
【0117】
以下の制限を意図しない実施例1および2は、本発明の利点のいくつかを例証する。
【0118】
実施例1
異なるフィルター材料の2つの層を使用してフィルターを作った。フィルター材料の第1の層は、上述の比較例Aの層の1つと同じ構造を有した(基本重量100g/m)。フィルター材料の第2の層は、上述の比較例Bの層の1つと同じ構造を有した(基本重量33g/m)。第1の層の初期品質係数は0.45であり、第2の層の初期品質係数1.6であったので、第2の層の初期品質係数が第1の層の初期品質係数よりも大きいという要求条件を満たした。
【0119】
2層フィルター(総基本重量133g/m)を上述のDOP貫通/負荷試験に従って試験し、試験結果を図8に図示した。フィルターは(200±5mgでの)試験完了時、並びに少なくともDOP約600mgまで、低下しない除去効率を示した。このフィルター構造体は、上述のNIOSHのPシリーズの要求条件を満たした。
【0120】
このフィルター構造体は、ASTM F778に従った測定により、7.4mmHOの初期圧力降下を示した。換言すればフィルターは、比較例Aのフィルターよりも約3.5mmHO低い圧力降下を示し、NIOSHのPシリーズの要求条件を満たした。
【0121】
発明のフィルターの層の順序の重要性も例証される。この実施例で使用した第1および第2のフィルター層の順序を(比較例Cで述べたように)逆にすると、比較的低い圧力低下を示すが、NIOSHのPシリーズの要求条件を満たさないフィルターが帰結した。しかし2つの層がこの実施例で述べた順序にあれば、フィルターは比較的低い圧力低下を示しながら、NIOSHのPシリーズの要求条件を満たした。
【0122】
実施例2
上述の比較例Aの層の1つと同じ構造を有するフィルター材料の第1の層(基本重量100g/m)を使用して、2層フィルターを作った。フィルター材料の第2の層は、上述の比較例Dの層の1つと同じ構造を有した(基本重量33g/m)。第1の層の初期品質係数は0.45であり、第2の層の初期品質係数0.8であったので、第2の層の初期品質係数が第1の層の初期品質係数よりも大きいという要求条件を満たした。
【0123】
2層フィルター(総基本重量133g/m)を上述のDOP貫通/負荷試験に従って試験し、試験結果を図9に図示した。フィルターは(200±5mgでの)試験完了時、並びに少なくともDOP約600mgまで、低下しない除去効率を示した。このフィルター構造体は、上述のNIOSHのPシリーズの要求条件を満たした。
【0124】
このフィルター構造体は、ASTM F778に従った測定により、6.9mmHOの初期圧力降下を示した。換言すればフィルターは、例えば比較例Aのフィルターよりも約4mmHO低い圧力降下を示し、NIOSHのPシリーズの要求条件を満たした。
【0125】
前述の特定の実施態様は、発明の実施を例証するものである。この発明は、本願明細書で具体的に述べたいずれの成分または品目がなくても、適切に実施できる。全ての特許、特許出願、および公報の完全な開示は、その内容全体を本願明細書に個別に引用したものとする。
【0126】
発明の範囲を逸脱することなく、この発明の様々な修正および変更ができることは当業者には明らかであり、この発明がここで述べた例証のための実施態様によって不当に制限されず、請求の範囲で述べた制限およびそれらのあらゆる同等物によって制御されるものと理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一エレクトレットフィルター材料10の横断面図である。
【図2】 本発明のエレクトレットフィルター材料を含有する、濾過マスク40の正面図である。
【図3】 図2に示すマスク40のマスク本体42の拡大部分横断面図である。
【図4】 比較例Aのフィルター構造体のDOP%貫通を示す。
【図5】 比較例Bのフィルター構造体のDOP%貫通を示す。
【図6】 比較例Cのフィルター構造体のDOP%貫通を示す。
【図7】 比較例Dのフィルター構造体のDOP%貫通を示す。
【図8】 実施例1のフィルター構造体のDOP%貫通を示す。
【図9】 実施例2のフィルター構造体のDOP%貫通を示す。

Claims (11)

  1. 第1のポリマー材料を含有する繊維を含む、流体透過性の第1のエレクトレットフィルタ層、および
    第2のポリマー材料を含有する繊維を含む、流体透過性の第2のエレクトレットフィルタ層を含むフィルタであって、
    第1のエレクトレットフィルタ層が、DOP貫通/負荷試験完了時に低下しない除去効率を示し、DOP貫通/負荷試験中にフィルタによって捕集された試験用エアロゾルの大部分を除去し、
    第2のエレクトレットフィルタ層が、DOP貫通/負荷試験完了時に低下した除去効率を示し、さらに第2のエレクトレットフィルタ層が、DOP貫通/負荷試験を使用した測定により、第1のエレクトレットフィルタ層の初期品質係数よりも大きい初期品質係数を示すフィルタ。
  2. 第1のエレクトレットフィルタ層が、TSDC試験手順2による測定で、約30℃未満の半値幅を有するピークを示す熱刺激放電電流(TSDC)スペクトルを有する、請求項1に記載のフィルタ。
  3. 第1のエレクトレットフィルタ層が、TSDC試験手順1による測定で、第1のポリマー材料の融解温度を約15℃〜30℃下回る温度でピークを示す熱刺激放電電流(TSDC)スペクトルを有する、請求項1に記載のフィルタ。
  4. 第1のエレクトレットフィルタ層が、TSDC試験手順3による測定で、1〜5分間の分極時間にかけて増大する電荷密度を示す、請求項1に記載のフィルタ。
  5. 第1のエレクトレットフィルタ層が、DOP貫通/負荷試験でフィルタによって捕集された試験用エアロゾルの少なくとも約70%を捕集する請求項1に記載のフィルタ。
  6. 第2のエレクトレットフィルタ層の初期品質係数が、DOP貫通/負荷試験を使用した測定で少なくとも約0.5以上である、請求項1に記載のフィルタ。
  7. 第2のエレクトレットフィルタ層がハイドロチャージされる、請求項1に記載のフィルタ。
  8. 第1のエレクトレットフィルタ層の基本重量が、第2のエレクトレットフィルタ層の基本重量よりも大きい、請求項1に記載のフィルタ。
  9. 第1および第2の各エレクトレットフィルタ層の繊維が、メルトブローンマイクロファイバーを含む、請求項1に記載のフィルタ。
  10. 請求項1に記載のフィルタを含む呼吸マスク。
  11. 気体が第2のエレクトレットフィルタ層と遭遇する前に、第1のエレクトレットフィルタ層に遭遇するように、請求項1に記載のフィルタに液体−エアロゾル−含有気体を通過させるステップを含む、気体から粒子状固形または液体エアロゾルを除去する方法。
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