JP4584435B2 - 凍結融解粉末乾燥方法とその装置 - Google Patents
凍結融解粉末乾燥方法とその装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4584435B2 JP4584435B2 JP2000315112A JP2000315112A JP4584435B2 JP 4584435 B2 JP4584435 B2 JP 4584435B2 JP 2000315112 A JP2000315112 A JP 2000315112A JP 2000315112 A JP2000315112 A JP 2000315112A JP 4584435 B2 JP4584435 B2 JP 4584435B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- freeze
- air
- freezing
- powder drying
- thawed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Cyclones (AREA)
- Treatment Of Sludge (AREA)
- Separation By Low-Temperature Treatments (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚泥やスラッジ等の難脱水性の湿潤部材の水分除去と微細化乾燥に使用する凍結、融解処理に関するもので、特に凍結、融解の熱源には空気冷凍サイクルにより得られた低温の凍結気流ないし高温の融解気流の直接接触による凍結、融解の効率化を図るとともに、サイクロン分離機を付設した重物質よりなる流動媒体を循環させる循環流動層の導入による、気泡流動化による投入部材の急速凍結と微細化を誘導させ、氷結晶の生成分離と凍結固形分の衝突分離を図るとともに、凍結、融解の一連の処理を繰り返すことによる投入部材の構造破壊を惹起させ、保有水の効率的脱水と乾燥を可能とした、凍結融解粉末乾燥方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃水の凝集沈殿処理や活性汚泥処理から発生する汚泥や、廃液処理により廃液中の懸濁微粒子を吸着沈降堆積形成されたスラッジ等は、そのままでは脱水が困難で、その解決手段として、コロイド状汚泥を改質し難脱水性から易脱水性に改善する凍結融解法が使用されてきている。
凍結融解法の冷凍サイクルには、冷凍機の冷・温熱利用のヒートポンプ方式の使用が一般的に行なわれ、凍結には冷熱を、融解には圧縮熱を利用する方式が使用されている。また冷却方式には、冷凍機の蒸発器を汚泥と接触させる直膨式と、ブラインなどの不凍液と熱交換し、このブラインを凍結槽に導入する間接冷却方式が使用されている。
そして、凍結槽には、
a、槽内の汚泥を均一に凍結し未凍結部分がないこと、
b、汚泥の凍結膨張により冷却管や槽本体に応力が集中しないこと、
c、凍結はもとより融解が効率よくできること、
等が要求されている。
【0003】
前記凍結融解法に係わる排水処理に関しては、最近も種々提案されている。
例えば、特開2000−24645号公報に排水処理に関する提案がされている。
該提案によれば、粉砕機により粉砕された厨芥排水と雑排水及び汚水等を蓄熱媒体として、電源廃熱や工業廃熱及び夜間電力を利用して氷蓄熱をして、そのエネルギを利用した排水の浄化と排水処理装置と排水処理方法に関するものである。
【0004】
そして、その排水処理方法については、厨芥物を含む排水に凍結解凍処理という単純な処理を繰り返し行なうことにより、浄化水を高い割合で分離抽出するとともに、排水中の厨芥物等の固形物の変性凝集及び濃縮を行いながら、併せて氷蓄熱によるエネルギの有効利用をはかったものである。
そのため、凍結融解処理を繰り返し行なう複数個の蓄熱槽を設け、含有固形成分の凍結速度の違いにより濃縮分離を順次行い、固形成分の濃縮と水の凝固点降下を高めている。
【0005】
なお、前記変性凝集については、当該発明者の説明によれば、
粉砕された厨芥物等の固形物が懸濁状態になっている固形物の粒子の周囲を取り囲む間隙水を凍結させ、これを成長させ生塵芥等固形物同志の凝集と細胞壁の破壊を行なわせ、該破壊により細胞内の内部保有水も脱水し、凝集性の向上と脱水性の向上をはかり、固液分離が容易に行なわれるようにしたもので、緩慢凍結による細胞外凍結に基因するものと考えられる。
このような緩慢凍結による細胞外凍結に基因する構造破壊には長時間の凍結が必要で、しかも均一に凍結することは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の廃水の凝集沈殿処理や活性汚泥処理から発生する汚泥や、廃液処理により廃液中の懸濁微粒子を吸着沈降堆積形成されたスラッジ等の、難脱水性解決の手段として凍結融解法の使用に際して、問題となる凍結脱水の機能を持つ凍結槽には、
a、槽内の汚泥を均一に凍結し未凍結部分がないこと、
b、汚泥の凍結膨張により冷却管や槽本体に応力が集中しないこと、
c、凍結はもとより融解が効率がよくできること、
等が要求されているが、現状、これらの条件を合理的に解決するものがない状況である。
【0007】
本発明は、前記問題点に鑑みなされたもので、
投入湿潤部材の凍結融解に際して、均一高能率の水分の除去ばかりでなく微細化を可能とし、凍結融解の繰り返しにより投入部材の構造破壊を併せて惹起させ、粉末乾燥を可能とした凍結融解粉末乾燥方法とその装置の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の凍結融解粉末乾燥方法は、
湿潤部材に凍結融解処理をして該部材の微細化と脱水、乾燥をする凍結融解粉末乾燥方法において、
前記湿潤部材に直接接触する凍結/融解気流を形成する凍結融解用熱源に空気冷凍サイクルを使用し、
前記湿潤部材の微細化と固液分離を惹起させる熱伝達機構には、前記凍結/融解気流を導入するとともに、付設したサイクロン分離機により流動媒体を循環させ凍結/融解流動層を形成する循環流動層を使用して粉末乾燥系を構成するとともに、
前記凍結流動層への湿潤部材の投入による該部材の凍結工程と、氷結晶と凍結固形分の分離工程と、分離した氷結晶と凍結固形分を衝突破壊させる衝突破壊工程と、より構成する凍結運転と、
前記循環流動層内に融解気流を切り替え導入して融解流動層を形成させ、分離した氷結晶及び凍結固形分を加熱融解させ、融解水の系外排出と、発生した融解蒸気を還流気流より取り出す凝縮水の系外排出と、をさせる融解運転とを設け、前記凍結運転と融解運転の繰り返しにより、投入湿潤部材に構造破壊を惹起させ、微細化と脱水、乾燥とを行なうようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明の凍結融解粉末乾燥方法は、投入湿潤部材の脱水を凍結と融解により効率の良い脱水を行ない、凍結過程で均一に微細化して粉末乾燥を行なうようにしたものである。
則ち、凍結と融解のための冷熱源には、空気を冷媒とする空気冷凍サイクルを用意して、投入部材に直接接触する高速気流を使用して凍結用冷熱/融解用温熱を効率良く与えるようにしてある。
また、投入部材への前記冷熱/温熱を伝熱する伝達手段には、前記空気冷凍サイクルよりの冷熱/温熱を運搬する低温凍結気流/高温融解気流よりなる高速気流を得て、該高速気流により重物質よりなる流動媒体を介して流動伝熱を行なう循環流動層を備え、該流動層への高速気流の導入により前記流動媒体をサイクロン分離機を介して流動循環させ、投入部材を浮動状態に置き高効率の熱伝達をして、凍結/融解流動層形成による急速凍結/急速融解を可能にする粉末乾燥系を形成している。
【0010】
そして、使用に際しては、前記高速凍結気流を循環流動層へ導入することにより凍結流動層を形成して、流動炉内へ投入された湿潤部材に対し急速凍結による細胞内凍結と構造破壊を惹起させ、併せて凍結部材の微細化を惹起させるとともに、氷結晶の生成と凍結固形分の生成とを行なう凍結工程と、
前記凍結工程で生成された氷結晶と凍結固形分とを流動媒体の流動により上下層状分離を形成させる分離工程と、
分離した氷結晶と凍結固形分を衝突破壊させる衝突破壊工程と、よりなる凍結運転を設け、
前記衝突破壊工程により分離微細化された氷結晶と凍結固形分を、流動炉内への高速融解気流の導入により形成された融解流動層により、加熱融解して融解水を系外へ排出させるとともに、発生した融解蒸気を空気冷凍サイクルへ還流する還流気流に帯同させ、中間冷却器で凝縮水として系外へ排出させる融解運転を設け、
前記凍結運転と融解運転の繰り返しにより、投入湿潤部材に構造破壊を均一に惹起させ、微細化と脱水、粉末乾燥とを行なうようにしている。
【0011】
なお、前記高速低温凍結気流の前記循環流動層への導入により、流動する低温流動媒体を介して、投入部材は流動浮動状態のなかで細胞内凍結を受けるわけであるが、
前記細胞内凍結は、冷却速度が速く、脱水による細胞内外の平衡が得られる前に、細胞が過度に冷却され、細胞内外に化学ポテンシャルの差を埋めるために、細胞内の過冷却水が瞬時に凍結することを指し、細胞内凍結はすべての生物材料に取って致命的である細胞膜自体の構造破壊でもある。細胞の過冷却は一般に−40℃より高い−20〜−40℃でおきるものとされている。
【0012】
また、凍結融解の繰り返し操作により、蛋白質や核酸などの生体高分子よりなる投入部材に対しては、分子内でのイオン結合、水素結合、疏水結合に対し所謂熱変性を惹起させ、前記結合が切断された状態に置かれる。
【0013】
また、前記凍結気流の温度を約−20〜−40℃とし、前記循環流動層における流動性熱伝達を惹起させる構成としたことを特徴とする。
【0014】
前記請求項2記載の発明により、循環流動層に導入される高速低温凍結気流の温度は約−20〜−40℃とし、該温度により流動媒体である重物質は浮き上がりながら熱交換をするとともに前記したように細胞内凍結を起こさせるため、投入部材はより均一に高効率で凍結するとともに、脱水及び微細化が可能となる。
【0015】
また、凍結運転において、前記空気冷凍サイクルの中間冷却器出口空気温度を0℃以上にしたときには、冷凍出力空気が飽和温度に達しないように中間冷却器の圧力を制御するようにしたことを特徴とする。
【0016】
前記請求項3記載の発明により、粉末乾燥系内の水分を効率良く凝縮でき、かつ、空気冷凍サイクルの低温空気の氷の発生を防止でき、装置の信頼性を向上できる。
【0017】
そして、前記請求項1、2、3記載の凍結融解粉末乾燥方法に対し、最適の凍結融解粉末乾燥装置は、
投入湿潤部材に凍結融解処理をして該部材の微細化と脱水、乾燥をする凍結融解粉末乾燥装置において、
前記投入部材に直接接触して凍結/融解させる凍結/融解気流を形成する空気冷凍サイクルと、
下部より前記凍結/融解気流を導入するとともに、付設したサイクロン分離機により流動媒体をエジェクタを介して前記導入気流と合流して流動炉に循環させ、投入部材に対し、形成された凍結/融解流動層を介して凍結または加熱融解して、微細化と水分分離とをさせる循環流動層と、により粉末乾燥系を構成したことを特徴とする。
【0018】
また、前記流動炉の熱流循環路に破砕用エリミネータよりなる衝突型分離機を設ける構成としたことを特徴とする。
【0019】
前記請求項5記載の発明により、流動炉のライザ部位の炉壁にジグザグ状に破砕用エリミネータ等を内蔵した粉砕機を設けてあるため、粉体の衝突による投入部材の微細化、氷と粉体との分離、粉体と氷との衝突による微細化が出来、乾燥効率、投入部材の粉末化の向上が得られる。
【0020】
また、前記流動炉は、氷結晶分離用の衝突分離機を設ける構成としたことを特徴とする。
【0021】
また、前記空気冷凍サイクルを圧縮機、中間冷却器、膨張機からなる空気圧縮冷凍サイクルで構成したことを特徴とする。
【0022】
前記請求項7記載の発明は、圧縮機で空気を吸入圧縮し、圧縮した吐出空気を中間冷却器でチラーを介して約0℃に冷却し、膨張機で断熱膨張させ、高速冷却空気を送り出すようにしてある。
【0023】
また、前記空気冷凍サイクルを圧縮機、ブロワ、中間冷却器、凍結用冷熱熱交換器からなる空気圧縮冷凍サイクルで構成したことを特徴とする。
【0024】
前記請求項8記載の発明は、前記請求項7記載の発明において膨張機の代わりに凍結用冷熱熱交換器を設け、前記中間冷却器の前段に加速用ブロワを設けたものである。
【0025】
また、前記請求項4、請求項7、又は請求項8記載の融解気流は、サイクロン分離機出口の空気を圧縮機入り口手前のバイパスを介して中間冷却器を経由して圧縮機に吸入させ吐出する圧縮機吐出空気により構成したことを特徴とする。
【0026】
前記請求項9記載の発明は、サイクロン分離機出口よりの還流気流に含まれる投入部材より発生した蒸気を、サイクロン分離を出た直後に中間冷却器を経由させることにより凝縮水として系外へ排出した後、圧縮機を経由させ乾燥した融解気流を後段の膨張機をバイパスして直接循環流動層の手前に設けたエジェクタへ導入するようにしたものである。
【0027】
また、前記請求項4、請求項7、又は請求項8記載の融解気流は、圧縮機、中間冷却器を通過した空気を直接サイクロン分離機の流動媒体と合流させる構成としたことを特徴とする。
【0028】
前記請求項10記載の発明は、空気冷凍サイクルを構成する最終段の冷熱発生手段をバイパスさせ、高温の融解気流を形成して循環流動層の手前のエジェクタへ導入してサイクロン分離機よりの流動媒体と合流するようにしたものである。
【0029】
また、前記請求項4、請求項7、又は請求項8記載の融解気流は、圧縮機の出口に、吐出圧縮空気温度と熱交換する熱交換器を設け、該熱交換器を経由した空気を直接サイクロン分離機の流動媒体と合流させる構成としたことを特徴とする。
【0030】
前記請求項11記載の発明は、圧縮機による高温圧縮熱を融解気流の熱源として利用するようにしたものである。
【0031】
また、前記請求項7、又は請求項8記載の中間冷却器には凝縮水排出機構を設けたことを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の凍結融解粉末乾燥装置の凍結運転時の概略の構成を示す系統図で、図2は図1の空気冷凍サイクルの融解運転時の融解気流形成のための回路構成を示す系統図である。図3は図1の空気冷凍サイクルの別の実施例を使用する場合の凍結運転時の空気冷凍サイクルの概略の構成を示す系統図で、図4は図3の空気冷凍サイクルの融解運転時の融解気流形成のための回路構成を示す系統図である。図5は図1、図3の空気冷凍サイクルの別の実施例を使用する場合の凍結運転時の空気冷凍サイクルの概略の構成を示す系統図である。
【0033】
図1に示すように、空気冷凍サイクル30aと循環流動層31とより構成し、空気を冷媒とする空気冷凍サイクル30aで直接接触による伝熱を可能とする低温凍結/高温融解の高速気流を形成し、循環する流動媒体を持つ循環流動層31に導入して投入された湿潤部材を流動浮動状態のなかに置き、凍結/融解の繰り返し熱処理を介して前記部材の脱水、微細化、粉末乾燥を行なうようにしたものである。
【0034】
図に見るように、空気冷凍サイクル30aは、圧縮機10と中間冷却器11と膨張機12とより構成し、凍結運転時には、インバータ10aで駆動する圧縮機10により形成された高温吐出空気を中間冷却器11でチラー11aを介して略0℃に冷却し、該中間冷却器11により冷却された圧縮空気を膨張機12へ導入し断熱膨張により略−20〜−40℃の流動凍結に最適温度の高速の凍結気流33aを得る構成にしてある。
前記中間冷却器11には圧力排出管11cと凝縮水排出弁11bを設け、中間冷却器11の出口空気温度が0℃以上になったときは圧力制御し、系内の水分を効率よく凝縮するとともに、後段の膨張機12での氷発生を防止する構成にしてある。
【0035】
また、前記循環流動層31は、流動炉14とサイクロン分離機13とエジェクタ15とより構成する。流動炉14は、重物質よりなる流動媒体14aを内蔵し下部より導入された凍結/融解用の高速気流により流動循環状態に置き、付設したサイクロン分離機13により還流気流33cより分離して、エジェクタ15を介して前記高速気流と合流し、合流した高速気流とともに流動炉に再び戻る循環流動層31を形成する構成にしてある。
前記流動媒体14aの循環流動により、投入口14bから投入された湿潤部材を流動浮動状態に置き、高効率の熱伝達を可能にした構造となっている。
【0036】
そして、凍結運転に際しては、前記低温の高速の凍結気流33aの導入により略−35℃前後の低温流動状態にある流動媒体14aの中に湿潤部材を投入すれば、該投入部材は急速凍結による細胞内凍結に基因する構造破壊を受け微細化凍結をし、さらには凍結の結果生成された氷結晶と凍結固形分に分離させる。
分離された氷結晶は流動炉14内に設けた衝突型分離機16bを介して氷分を分離して氷採取箱17aへ排出させ、凍結固形分は流動上昇する流動媒体14aに帯同上昇流動する間に炉壁に設けた破砕用エリミネータ16aにより衝突破砕され微細化される。
【0037】
前記凍結運転後凍結気流33aの循環流動層31への導入を停止させ融解気流33bを前記空気冷凍サイクル30aより供給を受け、前記凍結分離された凍結固形分を加熱融解させ、該凍結固形分に含まれている水分はドレーンとしてドリップ式ヘドロ採取箱17bに排出させる。
なお、融解運転時に排出された融解蒸気は還流気流33cとともに帯同され、中間冷却器11に至り、凝縮水排出弁11bを介して系外へ排出するようにしてある。
【0038】
なお、前記流動炉14の下部に、前記凍結運転時に分離された凍結固形分を収容する溶解槽を設け融解運転時には前記溶解槽に融解気流を導入加温融解しても良い。この場合には高速の融解気流は不必要となりまた流動媒体を加温する必要なくなる。
【0039】
前記凍結気流33aは図1に示す空気冷凍サイクル30aにおいて、黒マークのバルブを閉として膨張機12の空気出口より得るようにし、
融解気流33bは、図2に示す空気冷凍サイクル30aにおいて、黒マークのバルブは閉とし、還流気流33cをバルブ20aを経由後、圧縮機10をバイパスして中間冷却器11に至り、該冷却器11で湿度除去と冷却をした略0℃の乾燥空気をバルブ22aを経由して圧縮機10へ導入、バルブ22bを経由して高速高温気流により形成される構成にしてある。
【0040】
図3、図4には、図1に示す空気冷凍サイクル30aの別の実施例30bを使用した場合を示し、圧縮機10の高温圧縮吐出空気の温熱を熱交換器18により取り出す構成にしてある。図3には凍結気流33a形成の場合を示し黒マークのバルブは閉として、還流空気33cは圧縮機10、中間冷却器11、を経由して膨張機12より略−20〜−40℃の高速の凍結気流33aを出力するようにしてある。また、図4には図3と同一の空気冷凍サイクル30bを使用して融解気流を形成する場合を示し、この場合はバルブ21bを閉とし中間冷却器11を経由した還流空気33cを熱交換器18の二次側に導入して圧縮機10の吐出空気の温熱により加熱して融解気流33bを得るようにしてある。
【0041】
図5には、前記図1、図3に示す空気冷凍サイクル30a、30bの別の実施例30cを使用した場合の凍結気流を得る状況を示し、図に見るようにこの場合の空気冷凍サイクル30cは圧縮機10と加速用ブロワ20と中間冷却器11と凍結用冷熱熱交換器19とより構成し、前記還流気流33cより前記ブロワ20により加速された略−20〜−40℃の低温凍結気流を得るようにしてある。
なお、この場合融解気流は前記図2に示すバイパス流路ないし図4に示す圧縮機吐出高温空気の熱交換器を使用しても良い。
【0042】
前記図1〜図5で得られた高速の凍結/融解気流を使用した前記凍結運転と融解運転を交互に行い前記図1に示すドリップ式ヘドロ採取箱17bで得られた濃縮ヘドロを次々に使用し、該ヘドロに熱変性による構造破壊を惹起させ、微細化と脱水と粉末乾燥を可能とする構成にしてある。
【0043】
【発明の効果】
上記構成により、粉体乾燥において、サイクロン分離機と流動炉よりなる循環流動層と空気冷凍サイクルとの組合せにより、投入部材を十分凍結した後得られた氷結晶と分離した凍結固形分を下部の融解気流導入部に収納して融解温度以上に加温し凍結保有水をドレーンとして系外に排出させ、高効率の粉体乾燥を行なうことができるようにしてある。
また、流動炉のライザ部にはエリミネータ等の衝突破砕器を設けてあるため、粉体の衝突による微細化ができ、乾燥効率、粉末化の性能向上をはかることができる。
また、空気冷凍サイクルにおいて、膨張機のバイパス運転が可能となり、凍結運転後、前記バイパス運転に切り替えによる高温融解気流を介しての融解運転への連続切り替え運転が出来、且つ前記凍結運転と、融解運転との繰り返し運転が可能となり、乾燥度、粉末度の調整運転が可能となる。
また、中間冷却器の圧力調整により系内水分を効率よく凝縮でき、凍結気流の出力側での氷の発生を防止し、装置の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の凍結融解粉末乾燥装置の凍結運転時の概略の構成を示す系統図である。
【図2】図1の空気冷凍サイクルの融解運転時の融解気流形成のための回路構成を示す系統図である。
【図3】図1の空気冷凍サイクルの別の実施例を使用する場合の凍結運転時の空気冷凍サイクルの概略の構成を示す系統図である。
【図4】図3の空気冷凍サイクルの融解運転時の融解気流形成のための回路構成を示す系統図である。
【図5】図1、図3の空気冷凍サイクルの別の実施例を使用する場合の凍結運転時の空気冷凍サイクルの概略の構成を示す系統図である。
【符号の説明】
10 圧縮機
11 中間冷却器
12 膨張機
13 サイクロン分離機
14 流動炉
14a 流動媒体
14b 投入口
15 エジェクタ
16a 破砕用エリミネータ
16b 衝突型分離機
17a 氷採取箱
17b ドリップ式ヘドロ採取箱
18 熱交換器
19 凍結用冷熱熱交換器
30a、30b、30c 空気冷凍サイクル
31 循環流動層
Claims (12)
- 湿潤部材に凍結融解処理をして該部材の微細化と脱水、乾燥をする凍結融解粉末乾燥方法において、
前記湿潤部材に直接接触する凍結気流または融解気流を形成する凍結融解用熱源に空気冷凍サイクルを使用し、
前記湿潤部材の微細化と固液分離を惹起させる熱伝達機構には、前記凍結/融解気流を導入するとともに、付設したサイクロン分離機により流動媒体を循環させ凍結/融解流動層を形成する循環流動層を使用して粉末乾燥系を構成するとともに、
前記凍結流動層への湿潤部材の投入による該部材の凍結工程と、氷結晶と凍結固形分の分離工程と、分離した氷結晶と凍結固形分を衝突破壊させる衝突破壊工程と、より構成する凍結運転と、
前記循環流動層内に融解気流を切り替え導入して融解流動層を形成させ、分離した氷結晶及び凍結固形分の加熱融解をさせ、得られた融解水の前記系外排出と、発生した融解蒸気を還流気流より系外へ取り出す凝縮水の系外排出と、をさせる融解運転とを設け、
前記凍結運転と融解運転の繰り返しにより、投入湿潤部材に構造破壊を惹起させ、微細化と脱水、乾燥とを行なうようにしたことを特徴とする凍結融解粉末乾燥方法。 - 前記凍結気流の温度を約−20〜−40℃とし、前記凍結流動層における流動性熱伝達を惹起させる構成としたことを特徴とする請求項1記載の凍結融解粉末乾燥方法。
- 前記凍結運転において、前記空気冷凍サイクルの中間冷却器出口空気温度を0℃以上にしたときには、冷凍出力空気が飽和温度に達しないように中間冷却器の圧力を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の凍結融解粉末乾燥方法。
- 投入湿潤部材に凍結融解処理をして該部材の微細化と脱水、乾燥をする凍結融解粉末乾燥装置において、
前記投入部材に直接接触して凍結/融解させる凍結/融解気流を形成する空気冷凍サイクルと、
下部より前記凍結/融解気流を導入するとともに、付設したサイクロン分離機により流動媒体をエジェクタを介して前記導入気流と合流して流動炉に循環させ、投入部材に対し、形成された凍結/融解流動層を介して凍結または加熱融解して、微細化と水分分離とをさせる循環流動層と、により粉末乾燥系を構成したことを特徴とする凍結融解粉末乾燥装置。 - 前記流動炉の熱流循環路に破砕用エリミネータよりなる衝突型分離機を設ける構成としたことを特徴とする請求項4記載の凍結融解粉末乾燥装置。
- 前記流動炉は、氷結晶分離用の衝突分離機を設ける構成としたことを特徴とする請求項4記載の凍結融解粉末乾燥装置。
- 前記空気冷凍サイクルを圧縮機、中間冷却器、膨張機からなる圧縮冷凍サイクルで構成したことを特徴とする請求項4記載の凍結融解粉末乾燥装置。
- 前記空気冷凍サイクルを圧縮機、ブロワ、中間冷却器、凍結用冷熱熱交換器からなる圧縮冷凍サイクルで構成したことを特徴とする請求項4記載の凍結融解粉末乾燥装置。
- 前記融解気流は、サイクロン分離機出口の空気を圧縮機入り口手前のバイパスを介して中間冷却器を経由して圧縮機に吸入させ吐出する圧縮機吐出空気により構成したことを特徴とする請求項4、請求項7、又は請求項8記載の凍結融解粉末乾燥装置。
- 前記融解気流は、圧縮機、中間冷却器を通過した空気を直接サイクロン分離機の流動媒体と合流させる構成としたことを特徴とする請求項4、請求項7、又は請求項8記載の凍結融解粉末乾燥装置。
- 前記融解気流は、圧縮機の出口に、吐出圧縮空気温度と熱交換する熱交換器を設け、該熱交換器を経由した空気を直接サイクロン分離機の流動媒体と合流させる構成としたことを特徴とする請求項4、請求項7、又は請求項8記載の凍結融解粉末乾燥装置。
- 前記中間冷却器に、凝縮水排出機構を設けたことを特徴とする請求項7、又は請求項8記載の凍結融解粉末乾燥装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000315112A JP4584435B2 (ja) | 2000-10-16 | 2000-10-16 | 凍結融解粉末乾燥方法とその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000315112A JP4584435B2 (ja) | 2000-10-16 | 2000-10-16 | 凍結融解粉末乾燥方法とその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002120000A JP2002120000A (ja) | 2002-04-23 |
JP4584435B2 true JP4584435B2 (ja) | 2010-11-24 |
Family
ID=18794261
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000315112A Expired - Fee Related JP4584435B2 (ja) | 2000-10-16 | 2000-10-16 | 凍結融解粉末乾燥方法とその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4584435B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7322207B2 (en) | 2004-07-30 | 2008-01-29 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Air refrigerant cooling apparatus and air refrigeration system using the air refigerant cooling apparatus |
JPWO2006011297A1 (ja) * | 2004-07-30 | 2008-05-01 | 三菱重工業株式会社 | 空気冷媒式冷却装置 |
US20070051126A1 (en) | 2004-11-29 | 2007-03-08 | Seiichi Okuda | Air refrigerant type freezing and heating apparatus |
CN113200578B (zh) * | 2021-04-15 | 2022-10-14 | 内蒙古农业大学 | 利用自然冷能去除寒旱区湖泊污染物的方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50136U (ja) * | 1973-05-07 | 1975-01-06 | ||
JPS5637100A (en) * | 1979-09-04 | 1981-04-10 | Daikin Ind Ltd | Freezing melting treating device for sludge |
JP2000024645A (ja) * | 1998-07-13 | 2000-01-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 排水処理装置及び排水処理方法 |
-
2000
- 2000-10-16 JP JP2000315112A patent/JP4584435B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50136U (ja) * | 1973-05-07 | 1975-01-06 | ||
JPS5637100A (en) * | 1979-09-04 | 1981-04-10 | Daikin Ind Ltd | Freezing melting treating device for sludge |
JP2000024645A (ja) * | 1998-07-13 | 2000-01-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 排水処理装置及び排水処理方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002120000A (ja) | 2002-04-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6158242A (en) | Gas dehydration method and apparatus | |
CN104140188B (zh) | 节能型污水污泥无害化处理方法 | |
US20130032472A1 (en) | Apparatus for the electrical production of hydrogen | |
CN104098242B (zh) | 污水污泥深度处理方法 | |
CN104098239B (zh) | 污水污泥处理方法 | |
CN111457682B (zh) | 一种可回收冷凝水的新式冻干机及其运行方法 | |
CN104098241B (zh) | 污水污泥深度处理装置 | |
JPS5843130B2 (ja) | スイジヨウキ タンカスイソオヨビクウキヨリナル コンゴウガスオ ブンリスル ホウホウ | |
JP4584435B2 (ja) | 凍結融解粉末乾燥方法とその装置 | |
CN105854336A (zh) | 一种热量回收的高低温耦合浓缩系统 | |
US20210301804A1 (en) | Multi-cooling type cold trap | |
RU2287069C2 (ru) | Способ получения искусственной газовой смеси для двигателя внутреннего сгорания, работающего в режиме рециркуляции отработавших газов, и устройство для его осуществления | |
CN104098240B (zh) | 污水污泥处理装置 | |
CN206399029U (zh) | 一种冻干机及其制冷系统 | |
CN107024049A (zh) | 新型造雪装置 | |
JP2003300100A (ja) | 汚泥の凍結乾燥処理方法及びそのシステム | |
CN208365938U (zh) | 一种浮选金属矿粉真空干燥及热值再利用装置 | |
CN105693049A (zh) | 一种污水污泥深度处理方法 | |
CN203999289U (zh) | 污水污泥处理装置 | |
CN203999290U (zh) | 污水污泥深度处理装置 | |
JP4518827B2 (ja) | 凍結融解システムと凍結融解方法 | |
CN106350141A (zh) | 一种气体低温冻干脱水工艺及其装置 | |
JP4387185B2 (ja) | 凍結融解システムと凍結融解方法 | |
CN219199733U (zh) | 植物精华纯化设备 | |
JP2006110416A (ja) | 多段階凍結濃縮システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070625 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081017 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100604 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20100607 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100802 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100827 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100902 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |