本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、より汎用性の高い非接触支持装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段を項を分けて列挙する。なお、必要に応じてその作用効果等についても付記する。
手段1.加圧流体を噴出させる浮上パッドと周辺の流体を吸引する吸引パッドとの上方にワークを対向させることで、該ワークを非接触支持する非接触支持装置において、前記浮上パッドと前記吸引パッドとが配置されるベースを備え、前記ベースは、前記パッドが配置される配置領域を複数有するとともに、各配置領域は、前記2種類のパッドのどちらを配置するかを選択可能な領域であることを特徴とする非接触支持装置。
手段1によれば、ワークの形状や重量等に応じて、浮上パッドと吸引パッドとの配置パターンを適宜選択することができるようになる。すなわち、例えば、ワークが重いほど浮上パッドの数を増やすといったことが可能である。このように様々なワークをより適切に支持することが可能となるため、より汎用性の高い非接触支持装置を実現することができるようになる。
なお、当該非接触支持装置は、2種類のパッドのどちらを配置するかを選択可能な領域以外に、これらを選択することのできない領域を備えていてもよい。ただし、当該非接触支持装置のうちパッドを配置する全ての領域が、2種類のパッドのどちらを配置するかを選択可能な領域であるなら、汎用性をより高めることができるため、望ましい。
手段2.手段1記載の非接触支持装置において、前記ベースは、前記加圧流体が供給される加圧ポートと、前記吸引パッド周辺の流体を吸引すべく流体を引き込む減圧ポートと、前記各配置領域に配置されるパッドを前記加圧ポート及び前記減圧ポートのどちらと連通させるかを切り替える切替手段とを備えることを特徴とする非接触支持装置。
手段2では、各配置領域に配置されるパッドを加圧ポートと減圧ポートとのどちらと連通させるかを切り替える切替手段を備えることで、各配置領域が、前記2種類のパッドのどちらを配置するかを選択可能な領域とすることができる。
手段3.手段2記載の非接触支持装置において、前記ベースは、前記加圧ポートと連通する加圧室と前記減圧ポートと連通する減圧室とを更に備え、前記切替手段は、前記各配置領域に配置されるパッドを前記加圧室及び前記減圧室のどちらと連通させるかを切り替えることを特徴とする非接触支持装置。
加圧ポート及び減圧ポートと各パッドとをそれぞれ直接連通させる場合には、これらを連通させる通路の構成が複雑化しやすい。この点、手段3では、加圧室及び減圧室を介すことで、これら加圧ポート及び減圧ポートと各パッドとを簡易に連通させることができるようになる。
手段4.前記加圧室及び減圧室の2つの室は、前記ベース内に上下して併設され、前記ベースには、前記各配置領域と前記2つの室のうち上方の室とを連通させる第1の孔と、前記2つの室を連通させる第2の孔とが設けられて且つ、前記切替手段は、前記第1の孔の各々について、これと前記第2の孔とを介して、対応する前記配置領域に配置される前記パッドと前記2つの室のうちの下方の室とを連通させるか否かを切り替えるものである手段3記載の非接触支持装置。
手段4によれば、切替手段によって、各配置領域に配置されるパッドと下方の室とを連通させるか否かが切り替えられる。この際、下方の室と連通されないパッドについては、第1の孔を介して上方の室と連通されることとなる。このため、各パッドを、上方の室と連通させるか下方の室と連通させるかを、換言すれば加圧室と連通させるか減圧室と連通させるかを切り替えることができる。
手段5.前記切替手段は、前記第1の孔と前記第2の孔とを介して前記パッドと前記下方の室とを連通させる管と、前記第2の孔を塞ぐ遮蔽部材とを備えることを特徴とする手段4記載の非接触支持装置。
手段5によれば、切替手段を簡易に構成することができる。すなわち、パッドのうち、減圧室と連通することが所望されるものについては管を用いればよいのであるが、この際、管によってパッドと連通されない第2の孔があると、これを介して、上方の室と下方の室とが連通されることがある。しかし、上記遮蔽部材を用いることで、上方の室と下方の室とのこうした連通を回避することができる。
手段6.前記第2の孔は、前記第1の孔のそれぞれと対応するものであり、前記第2の孔と該第2の孔に対応する前記第1の孔との一組ずつが前記各配置領域の下方に形成されてなる手段5記載の非接触支持装置。
手段6によれば、パッドを減圧室に連通させる際に用いる管を、その管軸が直線状である簡易な構造とすることができる。
手段7.前記加圧ポート及び前記減圧ポートの双方とも前記ベースの下面に設けられてなる手段2〜6のいずれかに記載の非接触支持装置。
手段7によれば、上記2つのポートはいずれもベースの底面に設けられるために、当該非接触支持装置の水平方向については、自由に他の部材を配置することが可能となる。
なお、この際、手段4〜6の構成においては、上方の室及び下方の室を連通させる第3の孔と上記2つのポートのうちの一方のポートとを管によって接続することで、下方の室と遮断される態様にてこの一方のポートを上方の室と連通させるようにしてもよい。
手段8.前記ベースは、天板、中板及び底板を備え、前記天板には、その上下に貫通するようにして前記第1の孔が設けられており、前記中板には、前記天板の裏面とともに前記上方の室を区画形成する第1の凹部が設けられているとともに、該第1の凹部の底面と前記中板の下面との間を貫通するようにして前記第2の孔が設けられており、前記底板には、前記中板の裏面とともに前記下方の室を区画形成する第2の凹部が設けられていることを特徴とする手段4〜7のいずれかに記載の非接触支持装置。
手段8によれば、上方の室及び下方の室を簡易に構成することができるとともに、天板、中板、底板を分離することで、上記切替手段による切り替えも容易に行なうことができるようになる。
手段9.前記浮上パッドと前記吸引パッドとは長方形の形状を有するとともに、隣接するパッド同士の辺が平行になるようにして配置されるものである手段1〜8のいずれかに記載の非接触支持装置。
手段9によれば、吸引パッドと浮上パッドとを非接触支持装置の上面に極力隙間なく敷き詰めることが容易となる。したがって、浮上パッド及び吸引パッドの上面をフラットに保つことも容易となる。このため、吸引パッド及び浮上パッドの上面の流体の流動を乱す要素を極力削減する構造を簡易に実現することができ、ひいては、ワークの浮上量を高精度に制御することが容易にできるようになる。
手段10.手段1〜9のいずれかに記載の非接触支持装置において、前記ワークは、当該非接触支持装置の上方を略水平に搬送されるものであって、前記ワークの搬送方向と交差する方向に前記パッドを複数配置可能であることを特徴とする非接触支持装置。
上記吸引パッドは、ワークに覆われることによって、ワークに対する吸引力を有効に作用させることができる。このため、吸引パッドが搬送方向に連続する長さが長い場合には、ワークの搬送時、ワークに吸引力が有効に作用しない期間が増大することとなる。したがって、ワークの搬送方向のパッドの配置については、吸引パッドが搬送方向に連続する長さがあまり長くならないことが望ましい。
この点、手段10によれば、ワークの搬送方向と交差する方向について、浮上パッドと吸引パッドとの数の比を適宜調整することで、上述した不都合を抑制しつつ、浮上量を調整することができるようになる。
ちなみに、こうした効果をより好適に奏するためには、搬送方向と直交する方向について、複数のパッドを配置可能とすることが望ましい。この際、搬送方向にも上記パッドを複数配置可能とすることが望ましい。なお、ワークの搬送方向と直交する方向について、浮上パッドと吸引パッドとの双方を用いつつ、それらの数の比を調整可能とするためには、搬送方向と直交する方向にパッドを「3」個以上配置可能とする。
手段11.手段1〜10のいずれかに記載の非接触支持装置において、前記ワークは、当該非接触支持装置の上方を略水平に搬送されるものであって、前記ワークの搬送方向について、前記浮上パッドを間に介しつつ前記吸引パッドを2個以上配置可能であることを特徴とする非接触支持装置。
上記吸引パッドは、ワークに覆われることによって、ワークに対する吸引力を有効に作用させることができる。このため、吸引パッドが搬送方向に連続する長さが長い場合には、ワークの搬送時、ワークに吸引力が有効に作用しない期間が増大することとなる。したがって、ワークの搬送方向のパッドの配置については、吸引パッドが搬送方向に連続する長さがあまり長くならないことが望ましい。
この点、手段11によれば、搬送方向に吸引パッドが連続する距離が長くなることを制限しつつも、搬送方向に平行な直線上に吸引パッドを繰り返し配置することが可能となる。したがって、上述した不都合を回避しつつ、ワークに対する吸引力を好適に調整することができるようになる。なお、搬送に伴うワークの変位にかかわらず、ワークに作用する浮上力と吸引力との変化を極力抑制可能とするためには、搬送方向と直交する方向についても上記パッドを複数配置可能とすることが望ましい。
手段12.前記浮上パッドは、多孔質体を介して前記加圧流体を噴出するものである手段1〜11に記載の非接触支持装置。
手段12によれば、多孔質体を介して加圧流体が噴出されるために、この多孔質体によって流体を絞ることができる。しかも、多孔質体を用いる場合には、単なる絞り通路を用いた場合と比較して均質な加圧流体を噴出させることができるため、ワークをより安定した状態とすることができる。
手段13.前記吸引パッドは、低圧力が導入される導入通路と該導入通路よりもその開口面積が大きく前記ワークと対向する側に開口した凹部とを備え、該凹部より流体を吸引するものである手段1〜12のいずれかに記載の非接触支持装置。
手段13によれば、流体の吸引力は、凹部よりも導入通路の方が強くなるため、ワークが一気に吸引されることが回避され、ワークが緩やかに吸引されるようになる。このため、ワークの浮上量が急激に変化することを回避することができる。
以下、本発明にかかる非接触支持装置を、半導体基板の検査時にこれを非接触支持する非接触支持装置に適用した一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態の非接触支持装置の構成を示す。ここで、図1(a)は、上記非接触支持装置の平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。
図1(a)に示すように、上記非接触支持装置は、検査ステージ100と該検査ステージ100の両側の浮上ステージ200とを備えて構成されている。ここで、検査ステージ100は、加圧エアを噴出させる浮上パッドと、周辺の流体を吸引する吸気パッドとに、上記半導体基板を対向させることで、これを非接触支持するものである。一方、浮上ステージ200は、加圧エアを噴出させることで、半導体基板を非接触支持するものである。これら検査ステージ100及び浮上ステージ200は、いずれもその平面視において長方形状を有している。
図1(b)に示すように、浮上ステージ200は、加圧エアが供給される加圧ポート201、加圧ポート201から加圧エアが供給される内部空間202、内部空間202内の加圧エアが噴出される複数の通気孔203を備えている。そして、ワーク(上記半導体基板)W、浮上ステージ200を介して検査ステージ100へと非接触の状態で搬送される。一方、検査ステージ100の鉛直上方には、カメラCAが設けられている。そして、検査ステージ100の上方にワークWが搬送されると、カメラCAを通じてワークWの検査が行なわれる。なお、図1(b)に示した検査ステージ100と浮上ステージ200とは、当該非接触支持装置の載置されるテーブルTの上に固定されている。そして、この際、テーブルTには、浮上ステージ200の下面の加圧ポート201へのエアの供給が妨げられない等の設定がなされている。
ここで、上記検査ステージ100の構造について、図2〜図7に基づいて説明する。
図2(a)は、検査ステージ100の平面図、図2(b)は、図2(a)におけるB−B線に沿った断面図及び側面図である。図2(a)に示されるように、検査ステージ100は、正方形状の複数の浮上パッド111,112と正方形状の複数の吸引パッド113とを備え、これら各パッドは、隣接するパッドの辺同士が互いに平行となるようにして配置されている。詳しくは、本実施形態では、これら各パッドが、上記ワークWの搬送方向と直交する方向に1列〜8列までの8列に渡って配置されている。そして、上記ワークWの搬送方向と直交する方向の両端(1列目及び8列目)、及び中央の2列(4列目及び5列目)に浮上パッド111がそれぞれ4個ずつ配置されている。一方、中央2列と両端との間(2列目及び3列目と6列目及び7列目)には、浮上パッド112と吸引パッド113とが各2列ずつ配置されている。詳しくは、2列目及び3列目、並びに6列目及び7列目には、それぞれ5つずつのパッドが配置されている。
図2(b)に示すように、浮上パッド111,112、吸引パッド113が配置されるベースBSは、天板120、中板130、及び底板140を備えて構成されている。
図3に、浮上パッド111,112及び吸引パッド113の構成を示す。
図3(a)及び図3(b)は、それぞれ浮上パッド111及び浮上パッド112の断面図である。これら浮上パッド111及び浮上パッド112は、いずれも導入通路111a,112aから供給される加圧エアを上面から噴出するものである。具体的には、浮上パッド111,112は、加圧エアが供給される導入通路111a,112aと、導入通路111a,112aから加圧エアが供給されて且つ直径が導入通路111aよりも大きな円柱状の空間である拡大室111b,112bと、拡大室111b,112bから加圧エアが供給される円盤状の多孔質体111c,112cとを備えている。
ちなみに、多孔質体111c,112cは、浮上パッド111,112の上面に形成されている円柱状の凹部111d,112dに収納されている。この際、例えば接着剤等によって凹部111d,112dの内周面と多孔質体111c,112cを接着することで、この間をシールすることが望ましい。そして、この多孔質体111c,112cの上面と浮上パッド111,112の凹部111d,112dの上面とは互いにその高さが等しくなるように設定されており、これにより、浮上パッド111c,112cの上面はフラットになっている。
また、多孔質体111c,112cは、例えば焼結アルミニウムや、焼結銅、焼結ステンレス等の金属材料によって構成すればよい。また、焼結三フッ化樹脂や、焼結四フッ化樹脂、焼結ナイロン樹脂、焼結ポリアセタール樹脂等の剛性樹脂材料や、焼結カーボン、焼結セラミックスなどによって構成することもできる。
なお、各浮上パッド111は互いにその寸法が等しく、また、各浮上パッド112は互いにその寸法が等しい。そして、浮上パッド111は、浮上パッド112よりも縦幅及び横幅が大きく、且つ高さが互いに等しいものとなっている。
一方、図3(c)に示すように、吸引パッド113は、流体の吸引される導入通路113aと、該導入通路113aと接続されて導入通路113aよりも開口面積の大きい円柱状の凹部113bとを有している。ちなみに、この吸引パッド113は、浮上パッド112と同一寸法となっている。
これら浮上パッド111,112や吸引パッド113の下面には、Oリング収納溝111e,112e,113eがそれぞれ備えられており、上記天板120にこれらが組みつけられるに際し、Oリングを用いて浮上パッド111,112や吸引パッド113の下面と天板120の上面とがシールされる。
これら浮上パッド111,112や吸引パッド113は、その高さが等しいため、先の図2(b)に示すように、天板120にこれら浮上パッド111,112や吸引パッド113が配置されたときには、検査ステージ100の上面は略フラットなものとなる。
次に、これら浮上パッド111,112や吸引パッド113が配置される天板120について説明する。
図4(a)は、浮上パッド111,112、吸引パッド113と天板120とについての先の図2(a)に示したB−B線に沿った断面図及び側面図である。また、図4(b)は、浮上パッド111,112、吸引パッド113の組みつけられた天板120の底面図である。図4(a)及び図4(b)に示されるように、天板120には、浮上パッド111,112、吸引パッド113の各パッドに対応して第1の孔121が、天板120の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。詳しくは、この第1の孔121は、浮上パッド111,112に加圧エアを供給する導入通路111a,112aや、吸引パッド113からエアを吸引する導入通路113aと連通可能な位置に形成されている。
そして、図4(b)に示すように、これら浮上パッド111,112、吸引パッド113は、天板120の下面からそれぞれネジ120bを2つずつ用いて組みつけられている。ちなみに、図4(b)には、浮上パッド111,112と吸引パッド113とが配置される配置領域に対応する底面側の領域を、2点鎖線にて示してある。なお、先の図2(b)には、このネジ120bが破線にて示されている。
天板120の四隅近傍には、同天板120と中板130と底板140とを貫通してベースBSをテーブルT上に固定するためのネジのネジ孔122が天板120の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。また、天板120の下面には、その四隅近傍に、上記中板130及び底板140を貫通するネジが嵌め込まれるネジ孔123が設けられている。このネジ孔123は、天板120の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。更に、天板120の長辺の中央部近傍には、中板130及び底板140を貫通するネジのネジ孔124が、天板120の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。加えて、天板120の短辺近傍には、位置決めのための位置決め孔125が天板120の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。
次に、中板130の構造について説明する。図5は、中板130の平面図である。中板130には、その中央部を挟んでその両側に第1の凹部130Wが形成されている。この第1の凹部130Wと上記天板120の下面とによって先の図2(b)に示す加圧室130Rが区画形成される。この第1の凹部130Wは、中板130が天板120と組みつけられたとき、全ての第1の孔121の鉛直下方の領域を包含するように形成されている。そして、この第1の凹部130Wの底面と中板130の下面との間を貫通するようにして第2の孔131が形成されている。この第2の孔131は、先の図2(a)に示した2列目、3列目、6列目、7列目の各列に配置される各パッドの下方に設けられる第1の孔121のそれぞれと対応しているものである。詳しくは、これら第2の孔131は、対応する第1の孔121の鉛直下方に配置されるものである。そして、これら第2の孔131のうち、浮上パッド112の鉛直下方に位置するものについては、先の図2(b)に示すように、遮蔽部材150で塞がれている。更に、第2の孔131のうち、吸引パッド113の鉛直下方に位置するものについては、先の図2(b)に示すように、管151が挿入されている。この管151は、第1の孔121及び第2の孔を介して、吸引パッド113と減圧室140Rとを連通するものである(より正確には、管151は、導入通路113aと減圧室140Rとを連通するものである)。このため、吸引パッド113(より正確には、その導入通路113a)は、加圧室130Rからは遮断されることとなる。
なお、先の図2(b)に示すように、これら遮蔽部材150及び管151は、いずれも中板130のうち第2の孔131の形成面との間が例えばOリング170を介してシールされている。これにより、加圧室130Rと減圧室140Rとが第2の孔131を介して連通されることが回避されている。
更に、第1の凹部130Wには、加圧室130Rに加圧エアを供給するための第3の孔130pが設けられている。このため、第1の孔121のうち上記管151と接続されないものについては、加圧室130Rからの加圧エアが供給されるようになる。換言すれば、浮上パッド111や、浮上パッド112には、第1の孔121を介して加圧エアが供給されるようになる。
また、中板130の四隅近傍には、天板120の上記ネジ孔122と対応するネジ孔132が、中板130の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。更に、中板130の四隅近傍には、天板120の上記ネジ孔123と対応するネジ孔133が、中板130の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。加えて、中板130の長辺中央部近傍には、天板120の上記ネジ孔124と対応するネジ孔134が、中板130の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。また、中板130の短辺近傍には、天板120の上記位置決め孔125に対応した位置決め孔135が、中板130の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。
そして、中板130の四隅近傍及び中央部の長辺側には、底板140と中板130とを組み付けるためのネジのネジ孔136が、中板130の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。
ちなみに、中板130を天板120に仮に組みつける際には、第1の凹部130Wの周辺に液状ガスケット130Gが塗布される。液状ガスケット130Gは、加圧室130Rのエア漏れを防ぐためのものであり、中板130の上面のうち第1の凹部130W以外の全域に塗布されることが望ましい。そして、この液状ガスケット130Gが塗布される場所には、この液状ガスケット130Gによる天板120と中板130との接着をはがすために用いるネジ孔137が、中板130の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。なお、本実施形態では、このネジ孔137は、上記浮上パッド111を天板120に組み付ける際に用いるネジ120bに接するように形成されている。これにより、液状ガスケット130Gによって仮組み付けのなされた天板120及び中板130を上記ネジ孔137にネジをねじ込んで分離する際、このネジはネジ120bにあたるようになる。これは、天板120を傷つけることを回避するための設定である。
次に、底板140の構造について説明する。図6は、底板140の平面図である。底板140は、その中央部を挟んでその両側に第2の凹部140Wが形成されている。この第2の凹部140Wと上記中板130の下面とによって先の図2(b)に示す減圧室140Rが区画形成される。この第2の凹部140Wは、底板140が中板130に組みつけられたとき、全ての第2の孔131の鉛直下方の領域を包含するように形成されている。そして、この第2の凹部140Wの底面と底板140の下面との間を貫通するようにして、加圧エアが供給される加圧ポートPAとエアが吸引される減圧ポートPNとが形成されている。
ちなみに、ここで加圧ポートPAは、先の図2(b)に破線にて示す管152を介して上記第3の孔130pと接続される。一方、減圧ポートPNは、図2(b)に示すように、減圧室140Rと接続されることとなる。このため、減圧室140R内の流体は、減圧ポートPNへと引き込まれるようになる。
また、底板140の四隅近傍には、中板130の上記ネジ孔132と対応するネジ孔142が、底板140の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。更に、底板140の四隅近傍には、中板130の上記ネジ孔133と対応するネジ孔143が、底板140の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。加えて、底板140の長辺中央部近傍には、中板130の上記ネジ孔134と対応するネジ孔144が、底板140の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。また、底板140の短辺近傍には、中板130の上記位置決め孔135に対応した位置決め孔145が、底板140の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。
そして、底板140の四隅近傍及び中央部の長辺側には、中板130の上記ネジ孔136に対応したネジ孔146が、底板140の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。更に、底板140には、中板130の上記ネジ孔137に対応するネジ孔147が、底板140の上面と下面との間を貫通するようにして設けられている。なお、底板140と中板130とを仮組み付けするときには、液状ガスケット140Gが第2の凹部140Wの周辺に塗布される。液状ガスケット140Gは、減圧室140Rのエア漏れを防ぐためのものであり、底板140の上面のうち第2の凹部140W以外の全域に塗布されることが望ましい。
図7(a)に、この底板140の下面側の平面図を示す。ここで、ボルト162は、底板140のネジ孔142と中板130のネジ孔132と天板120のネジ孔122とへ嵌め込まれるボルトである。ネジ163は、底板140のネジ孔143と中板130のネジ孔133と天板120のネジ孔123とへ嵌め込まれるネジである。また、ネジ164は、底板140のネジ孔144と中板130のネジ孔134と天板120のネジ孔124とへ嵌め込まれるネジである。また、ネジ166は、底板140のネジ孔146と中板130のネジ孔136とへ嵌め込まれるネジである。更に、位置決め用のピン165は、底板140の位置決め孔145に圧入され、中板130の位置決め孔135と天板120の位置決め孔125へ嵌め込まれるピンである。
一方、図7(b)は、先の図5のC−C断面を示す図である。ただし、ここでは、遮蔽部材150、管151、152が設けられている場合を図示している。
ここで、こうした構成を有する本実施形態の非接触支持装置によってワークWを支持しつつこれを検査する工程について説明する。
図示しない圧力供給源から加圧エアが、先の図1(b)に示した浮上ステージ200の加圧ポート201に供給されると、加圧エアは、内部空間202、通気孔203を介して浮上ステージ200の上面から噴出される。一方、図示しない圧力供給源から加圧エアが先の図2(b)等に示した加圧ポートPAに供給されると、この加圧エアは、管152、加圧室130R、第1の孔121を介して浮上パッド111,112へ送り込まれ、この浮上パッド111,112の上面から噴出される。また、先の図2(b)等に示した上記減圧ポートPNを通じた真空引により、吸引パッド113の周辺の空気が、管151、減圧室140Rへと吸引される。
こうした状態において、先の図1(b)に示したように、適宜の搬送装置(図示略)によりワークWが水平方向に搬送されてくると、図8(a)に示されるように、このワークWはまず浮上ステージ200の上面と対向するようになる。このため、浮上ステージ200の通気孔203から噴出される加圧エアによりワークWは浮上ステージ200に対して浮上した状態で支持(非接触にて支持)されるようになる。
そして、図8(b)に示されるように、ワークWが更に変位されることで、検査ステージ100に対向するようになると、浮上パッド111,112から噴出される加圧エアによってワークWに浮上力が付与される一方、吸引パッド113によってワークWが吸引されるようになる。このとき、浮上パッド111,112による浮上力と、吸引パッド113による吸引力との協働によって、ワークWの非接触支持にかかる剛性が高められる。
そして、ワークWのうち検査ステージ100の上方にある部分の浮上量(高さ:位置座標の鉛直成分)は、これら浮上力及び吸引力の協働により略一定(例えば「200〜300μm」)に保持されるようになる。この浮上量は、非接触支持が、ワークWの有するうねりの影響を受けないような値に設定される。
この際、上述した検査ステージ100の構成により、同検査ステージ100によるワークWの支持の安定化が以下のようにして図られている。
すなわち、浮上パッド111,112に、多孔質体111c,112cを設け、多孔質体111c,112cを介して加圧エアを噴出するようにした。このように多孔質体111c,112cを介すことで、加圧エアが絞られるようになるため、ワークWに適切な浮上力を与えることができるようになる。また、単なる絞り通路と比較して均質な加圧エアを噴出することができるようにもなる。このため、ワークWを安定して支持することが可能となる。
また、吸引パッド113に、導入通路113aよりも開口面積の大きな凹部113bを設けた。これにより、凹部113bから導入通路113aへと進むにつれて徐々に真空度が上昇する構成となる。このため、ワークWの吸引力が一気に上昇してワークWの浮上量が大きく低下することを回避し、ワークWを緩やかに吸引することができる。
そして、先の図2(b)に示したように、浮上パッド111,112、及び吸引パッド113の各上面の高さを互いに等しくするとともに、隣接するパッド同士の隙間を極力排除する構成とした。これにより、当該非接触支持装置の上面を略フラットなものとすることができ、ワークWの非接触支持にかかわる流体の流動状態を乱すことを回避することができるようになる。
ただし、ワークWの重量によって要求される浮上力等は様々であるため、こうした様々な要求に対処し得る汎用性が望まれることも上述したとおりである。
更に、吸引パッド113がワークWを吸引する力は、ワークWが吸引パッド113を完全に覆って初めて有効に作用する。換言すれば、図8(c)に示すように、ワークWの鉛直上方から見てワークWが吸引パッド113の一部しか覆っていないときには、この一部しか覆われていない吸引パッド113による吸引力は有効に作用していない。そして、この吸引パッド113がワークWによって完全に覆われたときに、この吸引パッド113による吸引力が作用することになるため、この瞬間にはワークWが下方に吸引される力が変化し、ひいてはワークWの浮上量が大きく変動することともなりかねない。このため、吸引パッド113の吸引力を有効に作用させることや、ワークWの浮上量の変動を抑制して浮上量を高精度に制御することも望まれている。
ここで、これら(ア)非接触支持装置としての汎用性の向上と、(イ)吸引パッド113の吸引力を有効に作用させつつ、ワークWの浮上量を高精度に制御することとの2つを実現する本実施形態の機能について説明する。
まず、上記(ア)を実現する本実施形態の機能について説明する。
本実施形態では、先の図2(a)に示した第2列目、第3列目、第6列目、第7列目のパッドの配置領域を、浮上パッド112及び吸引パッド113のどちらを配置するかを選択することができる領域とした。これは、第2列目、第3列目、第6列目、第7列目の各パッドについて、上記管151を用いて減圧室140Rと連通させるか否かの切り替えが可能であることによる。すなわち、吸引パッド112の配置が所望される配置領域の下方については、管151を第1の孔121及び第2の孔131に挿入することで、その配置領域と減圧室140Rとを連通させる。一方、浮上パッド112の配置が所望される配置領域の下方については、管151を用いないようにし、その配置領域と加圧室130Rとを連通させる。ちなみに、管151の挿入されない第2の孔131については、これを遮蔽部材150で塞ぐことで加圧室130Rと減圧室140Rとの連通を回避する。これにより、第2列目、第3列目、第6列目、第7列目の各パッドを、加圧ポートPAと連通させるか、減圧ポートPNと連通させるかを各別に切り替えることが可能となる。
このため、浮上パッド112と吸引パッド113との2種類からなるパッドの配置について、隣接するパッド同士の種類の相違にかかる配置パターンを都度任意に設定することができる。すなわち、浮上パッド112を「浮」、吸引パッド113を「吸」とすると、例えば先の図2に示した2列目は、「浮、浮、吸、浮、浮」となっているが、これを「浮、吸、浮、吸、浮」という配置パターンとすることも可能である。これにより、浮上パッド112の数と吸引パッド113の数とが変更され、上記ワークWの浮上力を調整することが可能となる。
次に、上記(イ)の機能を実現する本実施形態の機能について説明する。
本実施形態では、ワークWの搬送方向と直交する方向に、浮上パッド112及び吸引パッド113を複数配置可能な構成であって、且つワークWの搬送方向については、浮上パッド112を間に介しつつ吸引パッド113を複数配置することができる構成とした。すなわち、ワークWの搬送方向と直交する方向については、先の図2(a)の2列目、3列目、6列目、7列目の各列のパッドが配置される各領域に、浮上パッド112を配置するか吸引パッド113を配置するかを任意に選択可能となっている。更に、ワークWの搬送方向については、先の図2(a)の2列目、3列目、6列目、7列目の各列において、浮上パッド112を間に介しつつ吸引パッド113を最大3個まで配置することが可能な構成とした。ちなみに、浮上パッド112を間に介しつつ吸引パッド113を3個配置することは、「吸、浮、吸、浮、吸」という配置によって実現できる。こうした構成は、吸引パッド113による吸引力を有効に作用させつつ、ワークWの浮上量を高精度で制御する際に有効な構成となっている。
すなわち、上述したように、吸引パッド113がワークWに覆われるまでは、吸引パッド113による吸引力を有効に作用させることができない。このため、吸引パッド113による吸引力を有効に作用させるべく、ワークWの搬送方向については、吸引パッド113が連続する長さを極力短くすることが望ましい。この点、本実施形態では、ワークWの搬送方向については、浮上パッド112を間に介しつつ吸引パッド113を複数配置することができる構成とすることで、要求される吸引力を有効に作用させつつも、これら吸引パッド113がワークWの搬送方向に連続する長さを縮小することができるようになる。一方、ワークWの搬送方向と直交する方向については、浮上パッド112と吸引パッド113とのどちらを用いるかを変更しても、吸引パッド113がワークWの搬送方向に連続する長さに変化はない(ただし、吸引パッド113を「0」とする変更を除く)。したがって、ワークWの搬送方向に直行する方向について適宜上記各パッドの配置態様を調整することで、ワークWに作用する吸引力が有効に作用することを妨げないようにしつつ、ワークWに作用する吸引力を所望とする吸引力に調整することができる。
一方、ワークWの浮上力を高精度に制御するためには、ワークWの搬送に際して、ワークWに及ぼされる浮上力及び吸引力が変化しないことが望ましい。あるいは、ワークWに浮上力を及ぼしている浮上パッド111,112の数と、ワークWに吸引力を有効に作用させている吸引パッド113の数との比とが変化しないことが望ましい。こうした観点からも、ワークWに対向する浮上パッド111,112と吸引パッド113とについて、ワークWの搬送方向及び搬送方向と直交する方向にこれらパッドが複数配置される構成は特に有効である。すなわち、こうした構成によれば、まず第1に、搬送方向と直交する方向について、吸引パッド113に隣接するようにして浮上パッド111,112を配置することが可能となる。このため、ワークWの変位にかかわらず、ワークWに浮上力を及ぼしている浮上パッド111,112の数と有効に吸引力を作用させている吸引パッド113の数との比の変化を抑制することができる。そして、第2に、ワークWの搬送方向や同搬送方向と直交する方向に各パッドを1つしか配置できない構成と比較して、各パッド一つあたりの吸引力や浮上力は相対的に小さなものとなる。このため、一つのパッドを変更した場合の浮上力や吸引力の変化も相対的に小さなものとなり、ひいては、ワークWの浮上力の微調整が可能となる。更に、こうした構成によれば、吸引パッド113の吸引力が有効に作用するようになる前と後でのワークWに加わる力の変化も抑制されるようになり、結果としてワークWの浮上量を高精度に制御することもできるようになる。
こうした設定により、ワークWの浮上量は安定するため、その変動量を、上記カメラCAを用いたワークWの検査において許容できる量(例えば「50μm」以下)とすることができる。更に、吸引パッド113の上述した構成や、各パッド1つ当たりの浮上力や吸引力が相対的に小さくなる上述した構成により、ワークWに作用する吸引力の急激な増加が回避され、ワークWの浮上力の変動をカメラCAのフォーカシングが追従できる緩やかなものとすることができる。
ちなみに、本実施形態によれば、上述したもの以外にも、以下の効果が得られるようになる。
先の図4に示したように、浮上パッド111,112、吸引パッド113を天板120の下面からネジ120bで組み付けるようにした。これにより、浮上パッド111,112、吸引パッド113の上面側、換言すればワークWと対向する側の面を極力フラットとすることができ、ひいては、流体の流動を乱す要素を削減することができる。
浮上パッド111,112、吸引パッド113の平面形状を正方形とした。このため、これら浮上パッド111,112、吸引パッド113を天板120の上面に極力隙間なく敷き詰めることが容易となる。
第2の孔131とこれに対応する第1の孔121とを、天板120の上面に直交する線上に並べるようにして設けた。これにより、管軸が直線となる簡易な管151によって第1の孔121と第2の孔131とを介して吸引パッド113と減圧室140Rとを連通させることができるようになる。
加圧ポートPAと減圧ポートPNとの双方とも底板140の下面側に開口するようにした。これにより、検査ステージ100の水平方向に隣接する空間ついては、ここに任意の部材(浮上ステージ200等)を配置することができる。
ベースBSを、天板120、中板130、底板140を組み付けることで形成した。このため、天板120、中板130、底板140を分離することで、各第1の孔121を加圧ポートPAと減圧ポートPNとのどちらに接続するかの選択が容易となる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態では、先の図2(a)に示した2列目、3列目、6列目、7列目に対応する領域にのみ第2の孔131を設けたが、全てのパッド(全ての第1の孔)に対応するように第2の孔を設けるようにしてもよい。これにより、パッドが配置される全ての領域について、吸引パッドと浮上パッドとのどちらを配置するかの選択が可能となる。なお、この際、浮上パッド111,112と吸引パッド113とを全て同一形状、同一寸法とすることが望ましい。
・上記実施形態では、各パッド毎に第1の孔121を1つずつ設けるとともに、これら第1の孔121の一部については、各第1の孔121に対応するように第2の孔131を設けたがこれに限らない。例えば、各パッドと加圧室130Rを接続する孔は、2つずつでもよく、また、第2の孔を1つにするとともに、一方の端が分岐した可撓性を有した管を用いて第2の孔と第1の孔とを接続するようにしてもよい(より正確には、減圧室と吸引パッドとを可撓性を有した管を介して連通させるようにしてもよい)。
・上記実施形態では、各第2の孔131とこれに対応する各第1の孔121とが、ベースBSの上面と直交する線上に並ぶようにしたが、必ずしもこのような設定としなくても、例えば管151の代わりに可撓性の管を用いることで、第2の孔と第1の孔とを接続することはできる。
・上記実施形態では、ベースBS内の上下に併設される室のうち、上方の室を加圧室130Rに、下方の室を減圧室140Rにそれぞれ割り振ったが、逆でもよい。また、上方の室と連通するポートを、例えば中板130を水平に貫通する構成としてもよい。
・減圧ポートPNは、必ずしも真空引きを行なうためのものに限らない。要は、吸引パッド113の周辺の流体を吸引することができるように、同周辺の流体の圧力よりも低い圧力(負圧)を導入するためのポートであればよい。
・浮上パッド111,112、吸引パッド113の構成としては、先の図3等に示したものに限らず、例えばこれらの外形をひし形にする等、適宜変更してよい。
・天板120に配置することのできるパッドの数については、先の図2(a)に示したものに限らず、適宜変更してよい。
・第1の孔についてもこの一部を塞ぐ遮蔽部材を備えてもよい。これにより、例えば、ワークの外形が先の図2(a)に示した2列目から7列目までに相当する場合には、同図2(a)の1列目及び8列目については、浮上パッド111による浮上力の生成を行なわない構成とすることもできる。
・加圧される流体や、当該非接触支持装置の雰囲気としては、エア(空気)に限らず、任意の気体等でもよい。
・その他、ベースBSの構成としても上記実施形態で例示したものに限らず、例えば加圧室130Rや減圧室140Rは、各1つずつの空間であってもよく、その形状も直方体に限らない。要は、浮上パッドと吸引パッドとからなる2種類のパッドが配置される配置領域を複数有し、且つ各配置領域に配置されるパッドを、加圧ポートと減圧ポートとのどちらと連通させるかが選択可能であればよい。
・非接触支持装置としては、上記浮上ステージ200を備えるものに限らない。要は、浮上パッドと吸引パッドとの2種類のパッドが配置されるベースが、パッドを1つ配置する配置領域を複数有するとともに、各配置領域が、2種類のパッドのどちらを配置するかを選択可能な領域である構成であればよい。
・上記実施形態では、半導体基板の検査工程において、同半導体基板を非接触にて支持する非接触支持装置に本発明を適用したが、これに限らない。例えば上記特許文献1に例示された用途に適用される非接触支持装置に本発明を適用してもよい。換言すれば、被支持部材であるワークを、検査及び加工の少なくとも一方の対象となる薄板状部材としてもよい。
・液状ガスケット130G,140Gの代わりに、樹脂ガスケット、金属ガスケットなどを用いて、加圧室130Rや減圧室140Rからの空気漏れを防ぐようにしてもよい。
B…ベース、W…ワーク、PA…加圧ポート、PN…減圧ポート、100…検査ステージ、111,112…浮上パッド、113…吸引パッド、113a…導入通路、113b…凹部、120…天板、121…第1の孔、130…中板、131…第2の孔、130p…第3の孔、130R…加圧室、130W…第1の凹部、140…底板、140R…減圧室、140W…第2の凹部、150…遮蔽部材、151…管、152…管。