JP4583645B2 - 食器洗浄機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は食器洗浄機に関し、更に詳細には、洗浄タンクに貯留されている洗浄水を、洗浄ポンプを介して洗浄ノズルに供給して食器等に向けて噴射させることで洗浄を行ない、この食器洗浄に供された洗浄水を洗浄タンクに回収して再循環させるよう構成した食器洗浄機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
飲食に供されて汚れた多量の皿、茶碗、コップ等の食器群を自動的に洗浄する食器洗浄機が、主として喫茶店やレストラン等の厨房に設置され、業務上好適に使用されている。この食器洗浄機は、食器を収納する洗浄室の上下の位置に洗浄ノズルとすすぎノズルとが水平回転可能に配設されると共に、洗浄室の下方位置に洗浄水を貯留する洗浄タンクが配設され、該洗浄タンクの底部に吸入口が開口されている。そして、洗浄タンク内の洗浄水が洗浄ポンプにより吸入口を介して汲み上げられて洗浄ノズルに圧送され、該ノズルから食器等に向けて噴射されることで洗浄が行われる。また食器洗浄に供された洗浄水は、洗浄タンクに回収されて再循環される。そして、洗浄作業が完了すると、続いて別途設けられた貯湯タンクからすすぎポンプにより汲み上げられたすすぎ水がすすぎノズルに圧送され、該ノズルから食器に向けて噴射されることですすぎが行われるようになっている。
【0003】
前述したように、食器洗浄に供された洗浄水を洗浄タンクに回収して再循環させる食器洗浄機では、前記洗浄タンクにおける洗浄室内に開口する回収口に、食器等から分離された残菜等を除去するタンクフィルタが配設されている。また、洗浄タンク内に誤ってスプーンやフォーク等の異物を落としたときに、該異物が洗浄ポンプに吸い込まれるのを防止するため、前記吸入口を覆うようにポンプフィルタが洗浄タンクに配設してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記ポンプフィルタは、下面が開放する箱状に形成されると共に、その側面に形成された多数の通孔を介して洗浄水の流通を許容するよう構成されている。また洗浄タンクには、所定水位を越えた洗浄水を排出するためのオーバーフローパイプが、前記ポンプフィルタの内部に配設されると共に、その上部がポンプフィルタの天板を貫通して、洗浄水が流入する流入口を天板上面より上方に臨ませるように設定されている。
【0005】
前記食器洗浄機では、食器等の予備洗いを充分にしなかったときなど、洗浄中に前記タンクフィルタに残菜等が多く溜まってしまい、タンクフィルタからの洗浄水の流れが悪くなることで、洗浄タンク内の水位が前記ポンプフィルタの上面より低下することがある。また浅い洗浄タンクを用いている場合にも、同様に洗浄中に洗浄タンク内の水位がポンプフィルタの上面より低下することがある。そして、このようにポンプフィルタの上面が洗浄水から出てしまうと、洗浄中に前記タンクフィルタから落下する洗浄水がポンプフィルタの通孔が設けられていない天板上面に当たり、その跳ね返り水がオーバーフローパイプの流入口に流れ込み、洗浄中に洗浄水が多量に排出される問題を招いていた。
【0006】
なお、ポンプフィルタの上面位置を下げることで、跳ね返り水の排出を防止することは可能であるが、洗浄中における洗浄タンク内での洗浄水の水位低下は、運転状況によって異なるために適正位置を決めることは困難である。また、全ての状況に対応し得るようにポンプフィルタの上面位置を下げると、ポンプフィルタ自体の開口面積が少なくなるため、該フィルタでの目詰りが発生するおそれがあり、実施し得ないのが実状であった。
【0007】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来の技術に内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、洗浄中に洗浄水が不必要に排出されるのを防止し得る食器洗浄機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る食器洗浄機は、
洗浄水が貯留される洗浄タンクの吸入口に連通し、食器等が収納される洗浄室に臨む洗浄ノズルに洗浄水を供給する洗浄ポンプと、前記洗浄タンクの回収口に配設されて食器洗浄後の洗浄水から残菜等を除去するタンクフィルタと、該タンクフィルタの下方において前記吸入口を覆うように洗浄タンクに配設されたポンプフィルタと、該ポンプフィルタの内部に配設したオーバーフローパイプと、該オーバーフローパイプの上方位置に配設し、前記タンクフィルタから落下する洗浄水がオーバーフローパイプに直接流入するのを防止するカバー体とを備え、洗浄運転に際して前記洗浄ノズルから噴射されて食器洗浄に供された洗浄水を前記タンクフィルタを介して洗浄タンクに回収し、前記オーバーフローパイプにより洗浄タンクの所定の水位を超えた洗浄水を流出させるようにし、この洗浄中において洗浄タンク内の水位が前記ポンプフィルタの上面より低下する食器洗浄機において、
前記ポンプフィルタは、下面が開放する箱状に形成されると共に側部には洗浄水の流通を許容する多数の側部通孔が形成され、
前記オーバーフローパイプの上部を、該ポンプフィルタの天板から上方に突出させて、該パイプの流入口を天板上面より上方に臨むようにし、
前記オーバーフローパイプの外面に対して内面を離間した状態で、該オーバーフローパイプの流入口を囲繞して、該流入口への洗浄水の流入を規制する筒状の流入規制部材を配設し、
前記流入規制部材の上端は、前記オーバーフローパイプの流入口よりも上方となるよう設定したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る食器洗浄機につき、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0010】
図1は、実施例に係る食器洗浄機の要部を示し、図2は、該食器洗浄機の概略構成を示す。図に示す如く、実施例の食器洗浄機10は、本体12の内部上側に洗浄室14が画成されると共に、該洗浄室14の内部には、洗浄水の噴射反力により水平回転する洗浄ノズル16,16およびすすぎ水の噴射反力により水平回転するすすぎノズル18,18が、夫々上下に対向的に配設されている。なお、本体12の洗浄室14に対応する前面には、扉により開閉される開口部が設けられ、該開口部を介して食器等が収容された食器ラック(何れも図示せず)が、洗浄ノズル16とすすぎノズル18からなる上下のノズル組の間に収納されるよう構成される。
【0011】
前記洗浄室14の底部前側には、洗剤の混入された洗浄水を貯留する洗浄タンク20が設けられ、該タンク20に貯留されている洗浄水は、洗浄ポンプ22を介して前記洗浄ノズル16,16に圧送され、該ノズル16,16の噴射孔から食器等に向けて噴射されるよう構成される。なお、食器洗浄に供された洗浄水は、洗浄タンク20に回収されて、再循環されるようになっている。また洗浄室14の外部には、すすぎ水(温水)を貯留する貯湯タンク24が配設されており、すすぎ水は、すすぎポンプ26を介して前記すすぎノズル18,18に圧送されるよう構成され、該ノズル18,18の噴射孔から食器等に向けて噴射されることですすぎが行なわれる。
【0012】
前記洗浄タンク20における洗浄室14で開口する回収口20aには、図1および図3に示す如く、食器等から分離された残菜等を除去するタンクフィルタ28が配設されている。また洗浄タンク20の内部には、前記洗浄ポンプ22に連通する吸入口20bを覆うようにポンプフィルタ30が配設され、洗浄タンク20内に誤ってスプーンやフォーク等の異物を落としたとき、該異物が洗浄ポンプ22に吸い込まれるのを防止するよう構成される。このポンプフィルタ30は、下面が開放する箱状に形成され、その側部には洗浄水の流通を許容する多数の側部通孔30aが形成されている。
【0013】
前記洗浄タンク20の底部には、排水パイプが接続する排水口(何れも図示せず)が開口され、この排水口にオーバーフローパイプ32が連通状態で立設されて、前記ポンプフィルタ30の内部に配設されている。またオーバーフローパイプ32の上部は、図1に示すように、ポンプフィルタ30の天板34から上方に突出され、所定水位を越えた洗浄水が流入する該パイプ32の流入口32aを、天板上面より所定高さだけ上方に臨ませている。なお、オーバーフローパイプ32の上端には、複数の支柱36を介して流入口32aより所定高さ離間した上方位置にカバー体38が配設され、前記タンクフィルタ28から落下する洗浄水が流入口32aに直接入って排出されるのを防止するよう構成される。
【0014】
前記ポンプフィルタ30の天板34には、図4に示す如く、前記オーバーフローパイプ32における流入口32aの周囲に臨むように、該流入口32aへの洗浄水の流入を規制する流入規制部材40が配設されている。この流入規制部材40は、オーバーフローパイプ32の外径より大きな内径に設定された筒体であり、オーバーフローパイプ32の外面に対して内面を所定間隔離間した状態で、流入口32aを囲繞するよう配設されると共に、その上端レべルはオーバーフローパイプ32における流入口32aの開口レベルよりも所定高さだけ上方となるよう設定してある。なお、流入規制部材40の外径は、前記カバー体38の外径より小さく設定され、前記タンクフィルタ28から落下する洗浄水が、オーバーフローパイプ32と流入規制部材40との間に直接入らないよう構成されている。
また、ポンプフィルタ30の天板34における流入規制部材40とオーバーフローパイプ32との間に臨む部位に複数の上部通孔(通孔)34aが穿設されており、前記洗浄タンク20内の洗浄水は、側部通孔30aおよび上部通孔34aを介してオーバーフローパイプ32の流入口32aに流入可能に構成され、該パイプ32による設定水位を保持し得るようになっている。
【0015】
なお、前記ポンプフィルタ30の天板34の外形寸法は、前記オーバーフローパイプ32におけるカバー体38の外形寸法と略同一に設定され、前記タンクフィルタ28から落下する洗浄水が、天板34の上面に直接当たる量を少なくし得るよう構成してある。
【0016】
【実施例の作用】
次に、実施例に係る食器洗浄機の作用につき説明する。前記食器洗浄機10の運転を開始すると、前記洗浄タンク20の洗浄水が洗浄ポンプ22により洗浄ノズル16,16に圧送されて洗浄室内に噴射され、これによって食器等が洗浄される。食器洗浄に供された洗浄水は、前記洗浄タンク20にタンクフィルタ28を介して回収されて、再循環される。このとき、食器等から分離した残菜等は、該タンクフィルタ28で除去され、洗浄タンク20内に残菜等が混入するのは抑制される。
【0017】
前述した洗浄中において、前記タンクフィルタ28に残菜等が多く溜まると、該フィルタ28から洗浄タンク20への洗浄水の流れが悪くなることで、洗浄タンク20内の水位が前記ポンプフィルタ30の上面より低下することがある。この場合には、タンクフィルタ28から落下する洗浄水の一部が、前記ポンプフィルタ30の天板34上面に当って跳ね返える。しかるに、実施例では前記オーバーフローパイプ32の流入口32aは流入規制部材40で囲繞されているから、該跳ね返り水が流入口32aに流入するのを規制することができる(図1参照)。
すなわち、洗浄中において洗浄水が不必要に排出されるのは抑制され、洗浄水の水位が低下して洗浄に支障を来たすのを防ぐことができる。また、ポンプフィルタ30の高さ寸法を変更することなく対応し得るから、該フィルタ30の開口面積が少なくなることはなく、目詰りが発生するおそれはない。
【0018】
なお、前記オーバーフローパイプ32における流入口32aの直上には、前記カバー体38が配設されているから、前記タンクフィルタ28から落下する洗浄水が流入口32aに直接流入するのは防止される。また、前記ポンプフィルタ30の天板34の外形寸法を、オーバーフローパイプ32のカバー体38の外形寸法と略同一としたことにより、該フィルタ30における洗浄水が直接当たる天板34の面積は小さくなっており、跳ね返り水の発生が低減されることで、オーバーフローパイプ32からの洗浄水の排出を更に抑制し得る。
【0019】
前述した洗浄作業が完了すると、前記貯湯タンク24のすすぎ水がすすぎポンプ26によりすすぎノズル18,18に圧送されて洗浄室内に噴射され、これによって食器等のすすぎが行なわれる。このすすぎ水は、前記洗浄タンク20に回収され、次回の洗浄水として使用される。このとき洗浄タンク20内の水位が設定水位を越える場合は、すすぎ水(洗浄水)がポンプフィルタ30の側部通孔30aおよび上部通孔34aを介してオーバーフローパイプ32の流入口32aに流入して外部に排出される。すなわち、前記流入規制部材40を設けたことにより、オーバーフローパイプ32で規定される設定水位が変わることはない。
【0020】
なお、実施例ではポンプフィルタの天板に流入規制部材を配設した場合で説明したが、オーバーフローパイプのカバー体から吊り下げた流入規制部材で流入口を囲繞することで、跳ね返り水が流入口に流入するのを規制する構成を採用し得る。また、前記タンクフィルタにおけるポンプフィルタの直上方に位置する部位を半マスキング状とし、ポンプフィルタの天板上面に多量の洗浄水が落下しないようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る食器洗浄機によれば、洗浄中にポンプフィルタの上面が洗浄水から出ても、タンクフィルタから落下した洗浄水の跳ね返り水がオーバーフローパイプの流入口に流入するのは流入規制部材で規制されるから、洗浄中において洗浄タンクに回収される洗浄水が無駄に排出されるのを防ぎ、洗浄能力が低下するのを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る食器洗浄機における洗浄タンクの要部を示す断面側図である。
【図2】実施例に係る食器洗浄機を示す概略構成図である。
【図3】実施例に係る食器洗浄機の洗浄室を示す要部平面図である。
【図4】実施例に係るポンプフィルタとオーバーフローパイプとを示す一部切欠き側面図である。
【符号の説明】
14 洗浄室,16 洗浄ノズル,20 洗浄タンク,20a 回収口
20b 吸入口,22 洗浄ポンプ,28 タンクフィルタ
30 ポンプフィルタ,30a 側部通孔,32 オーバーフローパイプ,
32a 流入口,34 天板,34 上部通孔(通孔),38 カバー体,
40 流入規制部材
Claims (3)
- 洗浄水が貯留される洗浄タンク(20)の吸入口(20b)に連通し、食器等が収納される洗浄室(14)に臨む洗浄ノズル(16)に洗浄水を供給する洗浄ポンプ(22)と、前記洗浄タンク(20)の回収口(20a)に配設されて食器洗浄後の洗浄水から残菜等を除去するタンクフィルタ(28)と、該タンクフィルタ(28)の下方において前記吸入口(20b)を覆うように洗浄タンク(20)に配設されたポンプフィルタ(30)と、該ポンプフィルタ(30)の内部に配設したオーバーフローパイプ(32)と、該オーバーフローパイプ(32)の上方位置に配設し、前記タンクフィルタ(28)から落下する洗浄水がオーバーフローパイプ(32)に直接流入するのを防止するカバー体(38)とを備え、洗浄運転に際して前記洗浄ノズル(16)から噴射されて食器洗浄に供された洗浄水を前記タンクフィルタ(28)を介して洗浄タンク(20)に回収し、前記オーバーフローパイプ(32)により洗浄タンク(20)の所定の水位を超えた洗浄水を流出させるようにし、この洗浄中において洗浄タンク(20)内の水位が前記ポンプフィルタ(30)の上面より低下する食器洗浄機において、
前記ポンプフィルタ(30)は、下面が開放する箱状に形成されると共に側部には洗浄水の流通を許容する多数の側部通孔(30a)が形成され、
前記オーバーフローパイプ(32)の上部を、該ポンプフィルタ(30)の天板(34)から上方に突出させて、該パイプ(32)の流入口(32a)を天板(34)上面より上方に臨むようにし、
前記オーバーフローパイプ(32)の外面に対して内面を離間した状態で、該オーバーフローパイプ(32)の流入口(32a)を囲繞して、該流入口(32a)への洗浄水の流入を規制する筒状の流入規制部材(40)を配設し、
前記流入規制部材(40)の上端は、前記オーバーフローパイプ(32)の流入口(32a)よりも上方となるよう設定したことを特徴とする食器洗浄機。 - 前記ポンプフィルタ(30)の天板(34)に、前記流入規制部材(40)が配設される請求項1記載の食器洗浄機。
- 前記流入規制部材(40)とオーバーフローパイプ(32)との間に臨む天板(34)に通孔(34a)が穿設されている請求項2記載の食器洗浄機。
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JPH08170535A (ja) * | 1994-12-19 | 1996-07-02 | Toyota Autom Loom Works Ltd | ラジエータのリザーブタンク |
JP2001029305A (ja) * | 1999-07-19 | 2001-02-06 | Hoshizaki Electric Co Ltd | 食器洗浄機 |
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