JP4581381B2 - 酸化ガリウムナノ構造体の製造方法 - Google Patents

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この発明は、金属酸化物のナノ構造体である金属酸化物ナノ構造体の製造方法及びこの方法を用いて製造した酸化ガリウムナノ構造体に関するものである。
酸化ガリウム(Ga2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化カドミウム(CdO)、酸化鉛(PbO2)、酸化モリブデン(MoO3)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化ゲルマニウム(GeO2)、酸化マンガン(MnO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)、及び酸化タングステン(WO3)等の金属酸化物は可視領域で透明であり、また、電気的性質や磁気的性質に注目した化合物設計が可能であることから、発光デバイスや透明導電性、透明磁性等に関する応用が期待される物質である。
なかでも、酸化ガリウム(Ga2O3)は4.9eVのワイドバンドギャップを有することから透明導電体のほか、紫外域における発光材料としても注目される物質である。そのため、フラットパネルディスプレー、光学的エミッター、太陽電池における透明電極、ガスセンサー、及び光記録膜等への応用を目的として酸化ガリウムの薄膜作製やバルク単結晶育成に関する研究が報告されている。例えば、本発明者らは、酸化ガリウム粉末を焼成して得た酸化ガリウム焼結体を原料として、窒素と酸素とが所定の体積の割合となる乾燥空気雰囲気中で浮遊帯域溶融法(フローティングゾーン法;FZ法)によって結晶成長を行うことで、結晶性に優れた酸化ガリウム単結晶を得る方法を報告している(非特許文献1参照)。
また、近時においてはナノメートル(nm)オーダーの微細な構造を有するナノ構造体が様々な分野で注目を集めており、特に上記のような金属酸化物をナノサイズまで微小化した金属酸化物ナノ構造体は、冷陰極材料、マイクロ電気機械システム(MEMS)、光電変換素子等の機能素子として幅広い応用が期待されている。ここで、ナノ構造体とは、例えば、ナノサイズの棒の形状をしたナノロッド(nanorods)や、ナノサイズのワイヤ、ベルト、リボンの形状をしたナノワイヤ(nanowires)、ナノベルト(nanobelts)、ナノリボン(nanoribbons)、あるいはナノサイズの板の形状をしたナノシート(nanosheets)等を挙げることができる。
ナノサイズまでの微小化については酸化ガリウムにおいても同様である。特に、ワイドバンドギャップを有する酸化ガリウムにおいては、ナノサイズまで微小化することによって、光エレクトロニクス材料の開発を可能とする点において大いに注目されており、上記のような機能素子以外にも、携帯情報機器向けの超小型ディスプレー、深紫外線レーザー、フィールドエミッション電子源、将来の情報化社会に必要とされる高密度集積記録装置やリソグラフィー装置、ナノエレクトロニクス、様々な極限センサー、アクチュエータ、通信用デバイス等への幅広い応用が期待されている。そして、これらの光エレクトロニクス材料への開発においては、材料特性に影響を及ぼすおそれがあることから、酸化ガリウムナノ構造体が化学的に高純度であることが要求され、さらには、特性を最大限かつ再現性良く引出す必要があることから、酸化ガリウムナノ構造体の結晶性が優れていることが要求される。
これまで、酸化ガリウムナノ構造体の製造方法として、(1)GaN粉末を遷移金属粉末からなるNi/Co触媒とともにAr/O2雰囲気中でアーク放電させることによって酸化ガリウムのナノワイヤを得るアーク放電法(例えば、非特許文献2参照)、(2)Ga粉末をAr/H2混合ガス雰囲気の石英管内に入れて、この石英管を排気しながら24時間300℃で加熱して酸化ガリウムのウイスカ(ナノワイヤ)を得る物理蒸着法(非特許文献3参照)、(3)Au膜をプレコートしたGaAs結晶を乾燥酸素雰囲気下で酸化して酸化ガリウムのナノワイヤを得る方法(例えば、非特許文献4参照)、(4)Fe2O3を触媒として用いると共にSiO2粉末をナノワイヤ成長の促進剤として用いてGa金属を加熱して酸化ガリウムのナノワイヤを得る方法(例えば、非特許文献5参照)、(5)GaN粉末を粉砕し、窒素雰囲気下において900℃以上で加熱して酸化ガリウムのナノワイヤを得る方法(例えば、非特許文献6参照)、(6)Si基板とGaをAr雰囲気下において900℃以上で加熱して酸化ガリウムのナノベルト及びナノシートを得る方法(例えば、非特許文献7参照)等が報告されている。
しかしながら、上記(1)、(3)、(4)及び(6)の製造方法ではNi/Co、Au、Fe2O3等の触媒やSiといった基板を用いるため、これらが不純物として、得られた酸化ガリウムナノ構造体中に混入するおそれがあり、上記(2)及び(5)の製造方法ではナノ構造体を得るまでにおよそ30時間もの長時間を要してしまう点で問題がある。また、上記(1)及び(5)の製造方法では出発原料にGaN粉末を用いる点で製造コストが高くなってしまい、同様に上記(3)の製造方法では高価なAuを用いる点で製造コストが高くなってしまい、上記(1)、(2)及び(3)の製造方法では真空状態にする必要があるため、取り扱いや設備が簡便とはいえない。
従来の製造方法では高純度の酸化ガリウムナノ構造体を得るために、高純度のGa金属やGaN、GaAs等を準備する必要があり、この場合には製造コストが高くなってしまう問題が生じる。また、Asを含有する化合物を用いる場合は毒性への対策が必要となる。
加えて、従来の製造方法によって製造された酸化ガリウムのナノ構造体では、十分に満足できる結晶性を備えているとは言えない。例えば、従来技術の説明において上記(3)の製造方法で引用した非特許文献4では、得られた酸化ガリウムナノワイヤ(β-Ga2O3 nanowires)についてフォトルミネッセンス(Photoluminescence;PL)測定を行っており、PLスペクトルをその第3204頁のFIG.3に示している。同様に、上記(6)の製造方法で引用した非特許文献7においては、得られた酸化ガリウムナノ構造体(Ga2O3 nanostructures)のPLスペクトルをその第1064頁のFIG.5で示している。これらのPLスペクトルを引用して図9及び図10に示した(図9はC.H.Liang, G.W.Meng, G.Z.Wang, Y.W.Wang, L.D.Zhang, and S.Y.Zhang, Applied Physics Letters Volume 78 Number 21(2001), p3202-3204のFig.3(3204頁掲載)より引用。図10はL.Dai, X.L.Chen, X.N.Zhang, A.Z.Jin, T.Zhou, B.Q.Hu, and Z.Zhang, Journal of Applied Physics Volume 92 Number 2(2002), p1062-1064のFig.5(1064頁掲載)より引用)。
酸化ガリウム単結晶においては紫外域の390nmに発光ピークが存在して青色に発光する。これに対し、図9及び図10に示した2つのPLスペクトルでは、発光ピーク波長がそれぞれ475nm、460nmに存在している。さらには、これらのスペクトルはブロードであることから、上記(3)及び(6)の製造方法によって得られた酸化ガリウムナノ構造体は十分に結晶性に優れたものであるとは言えないと推察される。
菅原孝昌, E.Garcia Villora, JungMin Ko, 吉川彰, 宍戸統悦, 中嶋一雄, 福田承生, 「光Fz法によるβ- Ga2O3単結晶の作製及び結晶学的評価」, 技術研究報告書 第19号(2001), 東北大学金属材料研究所 Y.C.Choi, W.S.Kim, Y.S.Park, S.M.Lee, D.J.Bae, Y.H.Lee, G.-S.Park, W.B.Choi, N.S.Lee, and J.M.Kim, Advanced Materials 12(2000), p746-750 H.Z.Zhang, Y.C.Kong, Y.Z.Wang, X.Du, Z.G.Bai, J.J.Wang, D.P.Yu, Y.Ding, Q.L.Hang, and S.Q.Feng, Solid State Communications 109(1999), p677-682 C.H.Liang, G.W.Meng, G.Z.Wang, Y.W.Wang, L.D.Zhang, and S.Y.Zhang, Applied Physics Letters Volume 78 Number 21(2001), p3202-3204 C.C.Tang, S.S.Fan, Marc Lamy de la Chapelle, P.Li, Chemical Physics Letter 333(2001), p12-15 B.C.Kim, K.T.Sun, K.S.Park, K.J.Im, T.Noh, M.Y.Sung, S.Kim, S.Nahm, Y.N.Choi, and S.S.Prk, Applied Physics Letters Volume 80 Number 3(2002), p479-481 L.Dai, X.L.Chen, X.N.Zhang, A.Z.Jin, T.Zhou, B.Q.Hu, and Z.Zhang, Journal of Applied Physics Volume 92 Number 2(2002), p1062-1064
そこで本発明者らは、金属酸化物ナノ構造体を製造するにあたって、出発原料として高純度の金属や粉末を用いることなく製造コストを抑えることができると共に、不純物の混入のおそれを可及的に低減するため触媒を使用しない製造方法であって、更には結晶性に優れた金属酸化物ナノ構造体を製造することができる金属酸化物ナノ構造体の製造方法について鋭意検討した。その結果、実質的に酸素を含まない雰囲気下で金属酸化物単結晶又は金属酸化物多結晶の一部を加熱して溶融させ、上記雰囲気下で金属酸化物ナノ構造体を析出させることによって、化学的に高純度であって結晶性に優れた金属酸化物ナノ構造体を製造できることを見出した。更には、上記の場合において、原料を金属酸化物単結晶とすることで、形状の揃った金属酸化物ナノ構造体を製造できることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、化学的に高純度であって結晶性に優れた金属酸化物ナノ構造体を安価に製造できる金属酸化物ナノ構造体の製造方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、形状の揃った金属酸化物ナノ構造体を製造できる金属酸化物ナノ構造体の製造方法を提供することにある。
更に、本発明の別の目的は、酸化ガリウム単結晶又は酸化ガリウム多結晶の少なくとも一部を融解し、析出させて製造した酸化ガリウムナノ構造体であって、酸化ガリウム単結晶が紫外域に示す発光ピークと同じ波長の位置に発光ピークを示す酸化ガリウムナノ構造体を提供することにある。
すなわち、本発明は、酸化ガリウム(Ga 2 O 3 )単結晶から酸化ガリウムナノ構造体を製造する方法であり、実質的に酸素を含まない雰囲気下で酸化ガリウム単結晶の少なくとも一部を融解して酸化ガリウムナノ構造体を析出させる酸化ガリウムナノ構造体の製造方法である。
また、本発明は、金属酸化物多結晶から金属酸化物ナノ構造体を製造する方法であり、実質的に酸素を含まない雰囲気下で金属酸化物多結晶の少なくとも一部を融解して金属酸化物ナノ構造体を析出させる金属酸化物ナノ構造体の製造方法である。
更に、本発明は、実質的に酸素を含まない雰囲気下で酸化ガリウム(Ga2O3)単結晶の少なくとも一部を融解し、上記雰囲気下で析出させた酸化ガリウムナノ構造体であり、バルクの酸化ガリウム単結晶と実質的に同じ位置に発光ピークを有する酸化ガリウムナノ構造体である。
本発明における金属酸化物単結晶とは、金属酸化物の単結晶であればよく、例えば、酸化ガリウム(Ga2O3)単結晶、酸化亜鉛(ZnO)単結晶、酸化インジウム(In2O3)単結晶、酸化スズ(SnO2)単結晶、酸化カドミウム(CdO)単結晶、酸化鉛(PbO2)単結晶、酸化モリブデン(MoO3)単結晶、酸化ケイ素(SiO2)単結晶、酸化チタン(TiO2)単結晶、酸化ゲルマニウム(GeO2)単結晶、酸化マンガン(MnO2)単結晶、酸化マグネシウム(MgO)単結晶、酸化セリウム(CeO2)単結晶、及び酸化タングステン(WO3)単結晶等を挙げることができる。また、金属酸化物のナノ構造体である金属酸化物ナノ構造体としては、例えば、酸化ガリウムナノ構造体、酸化亜鉛ナノ構造体、酸化インジウムナノ構造体、酸化スズナノ構造体、酸化カドミウムナノ構造体、酸化鉛ナノ構造体、酸化モリブデンナノ構造体、酸化ケイ素ナノ構造体、酸化チタンナノ構造体、酸化ゲルマニウムナノ構造体、酸化マンガンナノ構造体、酸化マグネシウムナノ構造体、酸化セリウムナノ構造体、及び酸化タングステンナノ構造体等を挙げることができる。
本発明においては、金属酸化物単結晶の少なくとも一部を融解して金属酸化物ナノ構造体を析出させる手段について、金属酸化物単結晶の少なくとも一部を加熱して溶融させ、次いでこの溶融した部分から金属酸化物ナノ構造体を析出させることができる手段であればよく、例えば、帯域溶融法等を用いて行うのがよい。
上記の帯域溶融法については、結晶材料の精製等に使用される一般的な方法を用いることができる。例えば、原料とする金属酸化物単結晶の少なくとも一部を加熱して溶融する加熱手段を備えると共に、上記金属酸化物単結晶を移動させる手段を備えて、順次原料となる金属酸化物単結晶に温度勾配を形成する方法や、上記のような加熱手段によって金属酸化物単結晶の一部を融解させると共に、この加熱手段を移動させることによって、順次原料となる金属酸化物単結晶に温度勾配を形成する方法等を用いることができる。また、この帯域溶融法においては、金属酸化物単結晶を原料とすると共に種結晶を用いるようにしてもよい。
また、本発明において、金属酸化物単結晶の少なくとも一部を融解して金属酸化物ナノ構造体を析出させる手段として、好ましくは浮遊帯域溶融法(フローティングゾーン法;FZ法)を用いるのがよい。この浮遊帯域溶融法は帯域溶融法の一種であり、この場合においても一般的な方法を用いることができ、使用する装置や設備等について特に制限はされない。例えば、原料とする金属酸化物単結晶を加熱する加熱手段については、必要によりサセプターを併用した高周波による電磁誘導加熱、電気抵抗加熱、赤外線、電子ビーム、アーク、又はランプを用いた集光加熱、レーザーや火炎による加熱等を用いることができ、好ましくは安定した加熱条件が確保できると共に加熱に際しての不純物導入がないランプを用いた集光加熱であるのがよい。浮遊帯域溶融法では原料となる金属酸化物単結晶を融解させる際に容器を使わないため、得られる金属酸化物ナノ構造体は容器に由来する汚染の心配がない。
本発明において、実質的に酸素を含まない雰囲気下とは、金属酸化物単結晶の少なくとも一部を融解して金属酸化物ナノ構造体を析出させる際に、この金属酸化物単結晶と反応する酸素が含まれない雰囲気を意味する。このような雰囲気として、好ましくは不活性ガス及び/又は還元性ガスの雰囲気であるのがよく、具体的には、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、クリプトン(Kr)ガス、及び窒素(N2)ガス等からなる不活性ガスの1種又は2種以上のガスの雰囲気、水素(H2)ガス、一酸化炭素(CO)ガス等からなる還元性ガスの1種又は2種以上のガスによって構成されたガス雰囲気、又は上記不活性ガスと還元性ガスとの混合ガスによって構成されたガス雰囲気であるのがよい。実質的に酸素を含まない雰囲気下とすることで、大気圧下で金属酸化物ナノ構造体を析出させることができる。また、特に、N2ガス雰囲気であれば経済性の観点からより好ましい。
本発明における金属酸化物ナノ構造体の製造方法において、実質的に酸素を含まない雰囲気下で金属酸化物単結晶の少なくとも一部を融解して金属酸化物ナノ構造体を析出させる際の条件について、具体例として、金属酸化物単結晶が酸化ガリウム単結晶である場合を例にして以下で説明する。
酸化ガリウム単結晶の少なくとも一部を融解して酸化ガリウムナノ構造体を析出させる手段として浮遊帯域溶融法を用いる場合、実質的に酸素を含まない雰囲気下とするため、酸化ガリウム単結晶を入れた反応管内に上述した不活性ガス及び/又は還元性ガスを流量10〜1000ml/min、好ましくは200〜600ml/minとなるように流すのがよい。また、原料とする酸化ガリウム単結晶を融解させるために加熱する温度は、酸化ガリウムの融点である1740℃以上、好ましくは1770〜1940℃であるのがよく、酸化ガリウム単結晶を原料棒とした場合に回転させる回転速度については1〜100rpm、好ましくは10〜30rpmであるのがよく、酸化ガリウム単結晶又は酸化ガリウム多結晶を種結晶として用いた場合には、この種結晶の回転速度は1〜100rpm、好ましくは10〜30rpmであるのがよい。
また、金属酸化物単結晶が酸化ガリウム単結晶である場合、この酸化ガリウム単結晶が、好ましくは酸化ガリウム粉末を焼成して得た酸化ガリウム焼結体を原料として浮遊帯域溶融法により製造した酸化ガリウム単結晶であるのがよい。
ここで、酸化ガリウム焼結体を得るために用いる酸化ガリウム粉末については、純度99%以上、好ましくは純度99.99%以上の酸化ガリウム粉末であるのがよい。酸化ガリウム粉末の純度が99%以上であると不純物イオンが目的とするナノ構造体の特性へ与える影響を避けることができる。また、酸化ガリウム焼結体を得るための焼成条件については、ラバープレスの静水圧が50〜600MPa、好ましくは100〜500MPaであるのがよく、焼成温度が1500〜1700℃、好ましくは1550〜1650℃であって、焼成時間が10〜20時間であるのがよい。尚、酸化ガリウム粉末を焼成する際の焼成雰囲気については特に制限されず、大気中であってもよい。
また、上記によって得た酸化ガリウム焼結体を原料として酸化ガリウム単結晶を製造するために用いる浮遊帯域溶融法については、一般的な方法を用いることができ、使用する装置や設備等について特に制限はされない。
ここで、酸化ガリウム単結晶を製造する製造条件については、原料となる酸化ガリウム焼結体の一部を融解して酸化ガリウム単結晶を析出させる際の雰囲気については、酸素ガスと窒素ガスとの体積の割合で表わすと、O2/N2が5〜95vol%、好ましくは10〜50vol%となるようにするのがよい。O2/N2が5vol%より小さくなると結晶を成長させる速度が制約を受け、反対に95vol%より大きくなるとメルト中にバブルが多数発生し、結晶中にクラックが入ってしまう傾向にある。また、上記体積比で混合された酸素と窒素との混合ガスの流量については、10〜1000ml/min、好ましくは200〜600ml/minであるのがよい。
また、原料とする酸化ガリウム焼結体を原料棒として回転させる回転速度については1〜100rpm、好ましくは10〜30rpmとするのがよく、酸化ガリウム単結晶を種結晶とする場合には、この種結晶の回転速度は1〜100rpm、好ましくは10〜30rpmとするのがよい。更に、酸化ガリウム焼結体の一部を融解させるため、酸化ガリウムの融点である1740℃以上、好ましくは1770〜1940℃の温度に加熱するのがよい。
上述したように酸化ガリウム粉末を焼成して酸化ガリウム焼結体を得て、この酸化ガリウム焼結体から製造したほぼ理論密度のち密な酸化ガリウム単結晶を原料として本発明において酸化ガリウムナノ構造体を製造すれば、大気圧下でナノスケール制御した目的物を合成できる。
本発明において金属酸化物単結晶が酸化ガリウム(Ga2O3)単結晶である場合、実質的に酸素を含まない雰囲気下で酸化ガリウム単結晶の少なくとも一部を融解して酸化ガリウムナノ構造体を析出させることにより、幅20〜200nm及び長さ10μm以上の形状を有する針状構造の酸化ガリウムナノ構造体を得ることができる。また、この針状構造をしたナノ構造体は結晶性に優れた酸化ガリウム単結晶(β-Ga2O3)であることから、本発明の製造方法によれば、化学的に高純度であって結晶性に優れた酸化ガリウムナノウイスカを容易に製造することができる。
本発明において、金属酸化物ナノ構造体を製造する別の製造方法として、実質的に酸素を含まない雰囲気下で金属酸化物多結晶の少なくとも一部を融解して金属酸化物ナノ構造体を析出させることができる。
金属酸化物多結晶とは、金属酸化物の多結晶であればよく、例えば、酸化ガリウム(Ga2O3)多結晶、酸化亜鉛(ZnO)多結晶、酸化インジウム(In2O3)多結晶、酸化スズ(SnO2)多結晶、酸化カドミウム(CdO)多結晶、酸化鉛(PbO2)多結晶、酸化モリブデン(MoO3)多結晶、酸化ケイ素(SiO2)多結晶、酸化チタン(TiO2)多結晶、酸化ゲルマニウム(GeO2)多結晶、酸化マンガン(MnO2)多結晶、酸化マグネシウム(MgO)多結晶、酸化セリウム(CeO2)多結晶、及び酸化タングステン(WO3)多結晶等を挙げることができる。また、金属酸化物ナノ構造体については、先に説明した場合と同様であって、例えば、酸化ガリウムナノ構造体、酸化亜鉛ナノ構造体、酸化インジウムナノ構造体、酸化スズナノ構造体、酸化カドミウムナノ構造体、酸化鉛ナノ構造体、酸化モリブデンナノ構造体、酸化ケイ素ナノ構造体、酸化チタンナノ構造体、酸化ゲルマニウムナノ構造体、酸化マンガンナノ構造体、酸化マグネシウムナノ構造体、酸化セリウムナノ構造体、及び酸化タングステンナノ構造体等を挙げることができる。
この製造方法については、原料を金属酸化物多結晶とする以外は、先に説明した金属酸化物単結晶を原料とする場合と同様の方法を用いることができる。すなわち、実質的に酸素を含まない雰囲気下で金属酸化物多結晶の少なくとも一部を融解して金属酸化物ナノ構造体を析出させる手段として帯域溶融法を用いることができ、上述した理由によって、好ましくは浮遊帯域溶融法(FZ法)であるのがよい。また、実質的に酸素を含まない雰囲気についても、上述した金属酸化物単結晶を原料とする場合と同様にすることができる。
また、金属酸化物多結晶が酸化ガリウム多結晶である場合、この酸化ガリウム多結晶が、酸化ガリウム粉末を焼成して得た酸化ガリウム焼結体であるのがよい。酸化ガリウム焼結体を原料にすると、他の場合に比べて経済性の点で有利である。酸化ガリウム焼結体を得るための条件について、具体的には、出発原料とする酸化ガリウム粉末の純度、及び酸化ガリウム焼結体を得るための焼成条件は、純度99%以上、好ましくは純度99.99%以上の酸化ガリウム粉末であるのがよく、焼成温度については酸化ガリウムの融点である1740℃以上、好ましくは1770〜1940℃の温度に加熱するのがよい。その他の焼成条件については、先に説明した酸化ガリウム粉末から酸化ガリウム焼結体を得て、次いでこの酸化ガリウム焼結体を原料として酸化ガリウム単結晶を製造する場合の酸化ガリウム焼結体を得る条件と同様にすることができる。
本発明における別の製造方法において、金属酸化物多結晶が酸化ガリウム(Ga2O3)多結晶である場合、実質的に酸素を含まない雰囲気下で金属酸化物多結晶の少なくとも一部を融解して金属酸化物ナノ構造体を析出させることによって得られるこの酸化ガリウムのナノ構造体には、原料が酸化ガリウム単結晶の場合に得られた幅20〜200nm及び長さ10μm以上の形状を有する針状構造のナノ構造体の他に、棒の形状を有するナノロッドや、板の形状を有するナノシート等も含まれる。これらのナノ構造体は、いずれも結晶性に優れた酸化ガリウム単結晶(β-Ga2O3)であることから、本発明において酸化ガリウム多結晶を原料とすれば、化学的に高純度の酸化ガリウムナノウイスカを含め、ナノロッド、ナノワイヤ及びナノシート等を容易に製造することができる。
本発明によれば、触媒を使用しないで金属酸化物ナノ構造体を製造することができるため、不純物の混入を可及的に低減した化学的に高純度の金属酸化物ナノ構造体を製造することができる。また、本発明においては金属酸化物単結晶又は金属酸化物多結晶を原料とするため純度の高い金属やその粉末を用意する必要がなく、従来の方法と比べてコストをかけずに容易に製造することができる。特に、酸化ガリウム単結晶又は酸化ガリウム多結晶については、比較的入手が容易な酸化ガリウム粉末を出発原料として得ることが可能であるため、安価に酸化ガリウムナノ構造体を製造することができる。更に、本発明の製造方法によれば、結晶性に優れた単結晶の金属酸化物ナノ構造体を製造することができる。特に、酸化ガリウム単結晶又は酸化ガリウム多結晶を原料とすれば、結晶性に優れた酸化ガリウム単結晶(β-Ga2O3)の酸化ガリウムナノ構造体を製造することができる。加えて、酸化ガリウム単結晶を原料とすることで、得られる酸化ガリウムナノ構造体の形状を制御することが可能となり、形状の揃った酸化ガリウムナノ構造体を意図に沿って、特に、酸化ガリウムナノウイスカを製造することができる。
以下、実施例及び試験例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。
[実施例1及び2]
[酸化ガリウム焼結体の作製]
純度99.99%の酸化ガリウム粉末をラバーチューブに封じ、静水圧450MPaにてロッド状に整形した。これを電気炉に入れ大気中1600℃にて20時間焼成した。焼成後に得られたロッドサイズは、およそ9mmφ×40mmのサイズであった。
[酸化ガリウム単結晶の作製]
酸化ガリウム単結晶を作製するための単結晶育成を光FZ(フローティングゾーン:浮遊帯域溶融)法によって行うため、双楕円の赤外線集光加熱炉(ASGAL Co製SS-10W)を使用した。
上記によって得た酸化ガリウム焼結体を原料棒として上軸に設置し、下軸には酸化ガリウム単結晶を種結晶として設置した。当該種結晶は酸化ガリウムの多結晶に対して光加熱帯域溶融を施して得た単結晶部分を切出し棒状に成形した。結晶成長雰囲気は、酸素ガスと窒素ガスとの体積の割合がO2/N2=20.0(vol%)となる乾燥空気雰囲気として、反応管に供給する上記乾燥空気の流量は500ml/minとした。原料棒と種結晶の先端を炉中心に移動して溶解接触させ、また、上記原料棒及び種結晶の回転速度を20rpmとし、結晶成長速度が5mm/hとなるように帯域溶融操作を行った。このようにして、10mm径×80mm長さの酸化ガリウム単結晶を作製した。
[酸化ガリウムナノ構造体の製造]
上記によって得た酸化ガリウム単結晶を原料として、光FZ法によって酸化ガリウムナノ構造体の製造を行った。装置は上記単結晶育成の場合に使用したものと同じ双楕円の赤外線集光加熱炉を使用し、上記で得られた酸化ガリウム単結晶を原料棒として赤外線集光加熱炉の中心にセットし、種結晶として酸化ガリウム単結晶を用いた。この際の加熱炉内の雰囲気は、Arガス100%(実施例1)及びN2ガス100%(実施例2)となるようにして、ガス流量はいずれの場合も500ml/minとした。酸化ガリウム単結晶の先端を単結晶育成の場合と同じ温度(1770〜1940℃)で加熱し、また、原料棒及び種結晶の回転速度を20rpmとした。このような条件で加熱したところ、原料棒である酸化ガリウム単結晶の先端から少し離れて温度の低い部位の表面に繊維状の物質(酸化ガリウムナノ構造体)が付着した。
[実施例3及び4]
[酸化ガリウム焼結体の作製]
純度99.99%の酸化ガリウム粉末を用いて上記実施例1及び2と同様にして酸化ガリウム焼結体を得た。
[酸化ガリウムナノ構造体の製造]
上記で得た酸化ガリウム焼結体(酸化ガリウム多結晶)を原料として、光FZ法によって酸化ガリウムナノ構造体の製造を行った。装置は実施例1及び2で使用したものと同じ双楕円の赤外線集光加熱炉を使用した。酸化ガリウム焼結体を原料棒として赤外線集光加熱炉の中心にセットし、種結晶として酸化ガリウム単結晶を用いた。この際、加熱炉内の雰囲気はArガス100%(実施例3)及びN2ガス100%(実施例4)となるようにして、ガス流量はいずれの場合も500ml/minとした。また、酸化ガリウム焼結体の一部を融解するために温度が酸化ガリウムの融点以上となるように加熱し、原料棒及び種結晶の回転速度を20rpmとした。このような条件で加熱したところ、原料棒である酸化ガリウム焼結体の先端から少し離れて温度の低い部位の表面に繊維状の物質(酸化ガリウムナノ構造体)が付着した。
[試験例1]
[SEM観察]
実施例1〜4で得られた繊維状の物質をそれぞれピンセットで取り出してSEM観察を行った。装置は日立製S-4500を用い、観察条件は電子ビームの加速電圧5kV、及び倍率200〜5000倍である。図1は酸化ガリウム単結晶をArガス100%雰囲気中で加熱して製造した場合(実施例1)、図2は酸化ガリウム焼結体をArガス100%雰囲気中で加熱して製造した場合(実施例3)、及び図3は酸化ガリウム焼結体をN2ガス100%雰囲気中で加熱して製造した場合(実施例4)のSEM写真を示す。酸化ガリウム単結晶をArガス100%雰囲気中で加熱して製造した場合(実施例1)では、幅が1μmより小さいナノサイズのロッド状あるいはワイヤ状のもので形状が統一されていることが分かる。また、酸化ガリウム焼結体の多結晶をArガス100%雰囲気中で加熱して製造した場合(実施例3)及び同じくN2ガス100%雰囲気中で加熱して製造した場合(実施例4)では、幅が1μmより小さいナノサイズのロッド状あるいはワイヤ状のものが見られるが、実施例1に比べてそのサイズは大きく、また、形状がシート状のものが混在しているのが分かる。
[TEM/EDX分析]
実施例1〜4で得られた繊維状の物質をさらに拡大して観察し、あわせて組成分析を行った。用いた装置は日立製H800型分析電子顕微鏡である。図4は実施例1で得られた繊維状の物質の透過観察(STEM像)結果を示す。これによれば、上記SEM観察で確認されたロッド状あるいはワイヤ状の形状のものは幅20〜200nm、長さ10μm以上の形状をしたナノ構造体であることが分かる。また、実施例3及び4から得られたものについては、ロッド状あるいはワイヤ状の他、シート状のものが混在したナノ構造体であった。
さらに、上記ナノ構造体に電子線を照射(図4中央“+”で示した位置)してEDXスペクトルをとった結果を図5に示した。このスペクトルにはGa及びOのほか、C及びCuが検出されているが、このうちCは測定操作上避けられないコンタミネーションであり、Cuは試料ホルダーであるメッシュの成分であり本質的でない。また、GaとOとのピーク強度から定量分析した結果、原子組成比O/Gaは1.57であり、Ga2O3の組成比に極めて近いことが分かる。この結果は他の実施例においても同様であった。
[XRD及びTED分析]
実施例1〜4で得られた繊維状の物質(ナノ構造体)を粉末XRDによって分析した。Bruker AXS株式会社製X線回折装置MXP-18を用いて、X線源にCuKαを使用した粉末X線回折法によって分析した。分析の際、試料はメノウ乳鉢で粉砕して粉末にした。図6には、実施例1によって製造した繊維状の物質の粉末XRD分析結果を示した。この分析結果をJCPDSカードと照合すると繊維状の物質はβ-Ga2O3と同定された。その他の実施例において得られた繊維状の物質についても全てβ-Ga2O3と同定された。
更に、実施例1〜4で得られた繊維状の物質(ナノ構造体)の1本をとりだして、電子線回折を行った。装置はTEM観察に用いたものと同じで、加速電圧200kV、ビーム電流10μAの条件で、倍率50,000倍で撮影した。図7には実施例1で得られたナノ構造体の結果を示した。図7に示されたように、回折像はスポット状になり、解析の結果、図7中のA、B、C各点の実測値は、それぞれ0.295nm、0.563nm、0.265nmであり、β-Ga2O3の値と一致した。したがって、得られた繊維状のナノ構造体は単結晶、すなわちウイスカであることが電子線回折の結果から明らかとなった。その他の実施例で得られたナノ構造体においても同様の結果であった。
以上の観察及び分析結果より、実施例1〜4で製造された繊維状の物質はβ-Ga2O3であることが判明し、本発明に係る実施例1〜4の製造方法によれば、幅20〜200nm及び長さ10μm以上の形状をした酸化ガリウムナノ構造体(酸化ガリウムウイスカ)及び、ロッド状、ワイヤ状、あるいはシート状の形状をした酸化ガリウムナノ構造体を製造することができる。特に、酸化ガリウム単結晶を原料として光FZ法によって酸化ガリウムナノ構造体を製造することで、得られる酸化ガリウムナノ構造体の形状を制御することが可能となり、特に酸化ガリウムウイスカを選択的に製造できる(実施例1及び2)。
[試験例2]
[カソードルミネッセンス測定]
実施例1〜4で製造した酸化ガリウムナノ構造体について、カソードルミネッセンス測定(CL測定)を行った。測定は島津製作所EPMA装置EPMA-1600に搭載されたCL-900を用いて室温にて行った。また、電子ビームの加速電圧は15kV、測定波長範囲は300〜600nmとした。図8には実施例2及び実施例3で得られた酸化ガリウムナノ構造体の発光スペクトルを示した。図8から明らかなように、波長390nmの位置に鋭い発光ピークを示した。この発光ピークは紫外領域であって青色発光を示すことが確認された。その他の実施例で得られた酸化ガリウムナノ構造体においても、同様に390nmに鋭い発光ピークを示した。
あわせて、図8には、バルクの酸化ガリウム単結晶について、上記と同様の条件で測定した発光スペクトルを示した。バルクの酸化ガリウム単結晶と上記実施例2及び3の発光スペクトルとは良く一致することから、本発明の製造方法によれば、結晶性に優れた単結晶の酸化ガリウムナノ構造体を製造できることが分かる。
本発明における金属酸化物ナノ構造体の製造方法によれば、化学的に高純度の金属酸化物ナノ構造体を安価に、かつ、容易に製造することができるため、得られた金属酸化物ナノ構造体はLED、レーザー等の発光デバイスや光エレクトロニクス材料等に応用することができる。また、本発明の製造方法で得た金属酸化物ナノ構造体は結晶性に優れた単結晶であるため、MEMSや光電変換素子等への応用において有用である。特に、本発明の製造方法によれば、結晶性に優れた単結晶である酸化ガリウムナノ構造体を製造することができるため、携帯情報機器向けの超小型ディスプレー、深紫外線レーザー、フィールドエミッション電子源、将来の情報化社会に必要とされる高密度記録装置やリソグラフィー装置、ナノエレクトロニクス、様々な極限センサー、アクチュエータ、通信用デバイス等の機能素子に応用することができる。
図1は、本発明の実施例1で得られた繊維状の物質(酸化ガリウムナノ構造体)のSEM写真を示す。 図2は、本発明の実施例3で得られた繊維状の物質(酸化ガリウムナノ構造体)のSEM写真を示す。 図3は、本発明の実施例4で得られた繊維状の物質(酸化ガリウムナノ構造体)のSEM写真を示す。 図4は、本発明の実施例1で得られた繊維状の物質(酸化ガリウムナノ構造体)の透過観察(STEM像)である。 図5は、本発明の実施例1で得られた繊維状の物質(酸化ガリウムナノ構造体)のEDXスペクトルである。 図6は、本発明の実施例1で得られた繊維状の物質(酸化ガリウムナノ構造体)の粉末XRD分析結果である。 図7は、本発明の実施例1で得られた繊維状の物質(酸化ガリウムナノ構造体)の電子線回折像を示す。 図8は、本発明の実施例2及び3で得られた繊維状の物質(酸化ガリウムナノ構造体)の発光スペクトル(CL測定)である。 図9は、非特許文献4のFIG.3(第3204頁)に示された酸化ガリウムナノワイヤのPLスペクトルである。 図10は、非特許文献7のFIG.5(第1064頁)に示された酸化ガリウムナノ構造体のPLスペクトルである。

Claims (4)

  1. 酸化ガリウム(Ga2O3)単結晶から酸化ガリウムナノ構造体を製造する方法であり、実質的に酸素を含まない雰囲気下で酸化ガリウム単結晶の少なくとも一部を融解して酸化ガリウムナノ構造体を析出させることを特徴とする酸化ガリウムナノ構造体の製造方法。
  2. 酸化ガリウム単結晶の少なくとも一部を融解して酸化ガリウムナノ構造体を析出させる手段として、浮遊帯域溶融法を用いる請求項1に記載の酸化ガリウムナノ構造体の製造方法。
  3. 酸化ガリウム単結晶が、酸化ガリウム粉末を焼成して得た酸化ガリウム焼結体を原料として浮遊帯域溶融法により製造した酸化ガリウム単結晶である請求項1又は2に記載の酸化ガリウムナノ構造体の製造方法。
  4. 酸化ガリウムナノ構造体が、幅20〜200nm及び長さ10μm以上の形状を有する酸化ガリウムウイスカである請求項1〜3のいずれかに記載の酸化ガリウムナノ構造体の製造方法。
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